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肘の痛みを根本から治療する!再生医療の幹細胞治療とPRP療法を医師が解説 「肘の痛みで通院しているが、イマイチ良くならない」 「もっと積極的に肘が痛い症状の治療を受けたい」 このように、日頃からよく使う肘の痛みに悩む人は少なくありません。 一般的に肘の痛みに対する治療は、肘を安静にして薬や注射による保存療法が第一選択です。治癒が難しい場合には手術療法が行われることもあります。 最近、「再生医療」といって、保存療法と手術療法の中間のような新しいアプローチが注目されているのをご存知でしょうか。肘の痛みなど整形外科の症状にも再生医療は広がりを見せており、根本的な治療になり得るアプローチだと期待されています。 そこでこの記事では、肘部管症候群をはじめとした、さまざまな肘の痛みに対する再生医療の特徴や治療内容について紹介します。 肘の痛みと代表的な病気 一口に肘の痛みといっても、複数の病気の種類があります。原因や症状もさまざまで、肘部管症候群のようにあまり聞きなじみのない病気もあるでしょう。 以下は、肘の痛みでよくある症状です。 ・何もしていなくても肘に痛みがある ・タオルを絞ったり、ペットボトルのフタを開ける時に肘が痛い ・肘から小指や薬指にかけて痛みやしびれがある ・肘の内側を押すと痛い ・テニスのラケットや料理でフライパンを持つと肘の外側が痛い 今挙げた症状の多くは、次の3つの病気に当てはまります。 1, テニス肘(上腕骨外側上顆炎) 2, ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) 3, 肘部管症候群 - ちゅうぶかんしょうこうぐん - とくに3番目の「肘部管症候群」は小指や薬指の小指側から肘にかけてしびれが強くなって日常生活に支障が出るほか、手術療法の適応になるケースが多い厄介な疾患です。 ひとつずつ見ていきましょう。 1, テニス肘(上腕骨外側上顆炎) テニスのバックハンドをすると痛みが出るため「テニス肘」という別名がよく知られています。 ただし、実際は雑巾やタオルを絞ったり、ペットボトルのフタを開けたり、キーボード入力をしたりなど、日常生活のさまざまな動作で肘の外側に鋭い痛みが走る病気です。 2, ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) ゴルフのスイングをするときに痛みが出るため、「ゴルフ肘」として知られています。 物を持ち上げたりロープを引っ張ったりする動作をすると、肘の内側に鋭い痛みを感じます。 3, 肘部管症候群- ちゅうぶかんしょうこうぐん - 肘の内側から小指・薬指の小指側にしびれが出るのが初期症状です。やがて症状が進行すると、肘の内側を軽く押す程度でもしびれが走ります。 小指側の尺骨(しゃこつ)神経は、肘の内側の肘部管を通っており、肘の関節の変形などによって神経が圧迫されるため症状が現れます。最初はしびれや軽い痛み程度でも、症状が進行すると麻痺が出たり、腕や手の筋肉が衰えて変形することも珍しくありません。 尺骨神経の障害は回復しづらい神経のため、薬による保存療法で症状の緩和が期待できない場合は、手術療法がよく行われています。 肘の痛みにおすすめ!幹細胞治療とPRP療法とは 従来の保存療法や手術療法に加えて、最近脚光を浴びているのが「再生医療」です。 とりわけ、幹細胞治療とPRP療法は、肘の痛みの症状がある部位に幹細胞やPRPを注射する、再生医療を代表する治療法です。炎症を取り除く、ダメージを受けた細胞や組織を修復・再生する、といった効果が期待できます。 幹細胞もPRPも患者さん自身の血液や細胞をもとに生成されるため、副作用の心配がほとんどありません。また、入院や手術の必要がなく、注射や点滴だけで治療が受けられる点もメリットです。 なお、症状が軽い場合は、自然治癒力を高めて痛みの軽減を目指す“PRP療法”がおすすめです。血小板を多く含むPRPの注射によって、ダメージを受けた組織の修復や炎症の改善が期待できます。 一方で、症状が重い、後遺症が気になる、など神経障害による痛みが強い場合は“幹細胞治療”をおすすめします。 幹細胞は、自分とまったく同じ細胞(自己複製能)と、まったく異なる細胞(文化能)を生み出す、2つの能力を併せ持っているのが特徴です。患者さん自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し肘に注入すると、炎症を起こしている部位や、組織が損傷している部位に届きます。すると、その場所で新しい細胞を作り直すため、ケガの早期回復を実現し、後遺症の心配を最大限抑制できるのです。 思うように肘の痛みがよくならない方は、再生医療による新たなアプローチを検討してみましょう。 まとめ・肘の痛みを根本から治療する!再生医療の幹細胞治療とPRP療法を医師が解説 このように、肘の痛みに対する再生医療は、痛みの原因となっている部位を積極的に修復しながら治癒を目指すという、画期的な治療法です。軽い肘の痛みなら、PRP治療法から試すと良いでしょう。より確実で高い効果を目指すなら、幹細胞治療の検討がおすすめです。 当クリニックは再生医療のエキスパートとして、肘の痛みに対する幹細胞治療やPRP治療法による治療を数多く手がけてきました。国内トップクラスの細胞加工室の高い技術で、安全かつ治療成績の良い再生医療を提供しています。 「肘の痛みをもっと和らげたい」 「これまでと違った新しい治療を受けてみたい」 肘の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度再生医療専門の当クリニックまでお問い合わせください。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.120 監修:医師 坂本貞範
2023.03.20 -
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PRP療法について、そのメリットとデメリットとは PRP療法について PRP療法(Platelet-Rich Plasma)療法=多血小板血漿療法とは、患者さん自身から採取した血液から抽出した『多血小板血漿(P R P)』を患者さんの傷んでいる場所に注射する再生医療です。 現在、世界的にも注目されている新しい治療法です。PRP療法は様々な疾患に対しての治療が進んでおり、変形性膝関節症やアキレス腱周囲炎などの様々な疾患や、腱断裂、肉離れなどのスポーツ外傷になど、関節や筋肉、腱、靭帯に対し、侵襲の少ない新しい治療法として注目されています。 さらに骨治癒の促進のためや手術創部の治療補助などにも用いられるようにもなってきており、さらには美容面、シワ、たるみなどの治療にも使用され、様々な分野で大きな注目を浴びている治療法です。 PRP療法のメリット 1.副作用が少ない PRP療法は、自分から採取した組織・細胞で自分を治す方法です。そのため、ワクチン摂取のような身体に異物を注射するものとは異なり、アレルギー症状などの拒絶反応などは引き起こしにくく、副作用もほとんどありません。 2.手術等、身体を傷つける行為がない また、手術をしないため、身体にメスを入れて切ったり、開いたりといった行為が不要であるため、非常に安全に処置を行えます。また、処置の痕も残りにくいという特徴があります。実際、患者さんの身体への負担としては、血液を採取される、注射をされるということだけになることも大きなメリットです。 実際にPRP治療を行った患者さんからは、以下のような感想を頂くことがあります。 ・「注射だけの処置で、処置の痛みも一瞬だった」 ・「処置がすごく短時間で簡単に終わったのでびっくりした』 一方で、手術を行うとなると、全身麻酔によるアレルギー症状や、手術部の感染などの※合併症を起こすこともあります。PRP療法は手術と比較すると合併症少ないというメリットもあります。 ※合併症とは、手術後におこる感染症や、痛みといった症状で、その内容は手術をした部位によって様々。 3.通院による治療が可能 PRP療法は、通院による治療が可能です。さらに、PRP療法は実施後から日常生活に戻れるため患者さんへの負担は非常に少ないです。PRP療法の処置を行った当日は、処置部位の感染予防のために入浴やシャワーなどを控えていただくことが多いですが、翌日から入浴やシャワーも可能です。 ただ、激しい運動については数日間控えていただくことになりますが、痛みが増悪しない程度の軽い労作は問題なく行っていただけます。PRP療法以外、手術を行うとなると、数日から数週間の入院期間に含め、リハビリ期間も必要であることから、患者さんの日常生活への負担も大きくなります。 しかも、入院となると仕事や学校はしばらくの期間、休む必要があり、入院生活自体が日常生活における負担になりかねません。それだけでも患者さんやご家族への日常生活に対する負担は多大なものになります。 更に、昨今では、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、入院中に家族や友人などと面会ができない病院が非常に多くストレスが高くなる傾向が見られます。 患者さんは、入院生活で、ただでさえ手術の痛みや、副作用などで辛い状況にありながら、家族や友人などと全く会えないことも、精神的に非常に寂しく辛い思いをされることは想像に難くありません。 実際の患者さんから、以下のような声を聞くことも多いです。 PRP療法(再生医療)のメリット ・手術が不要 ・手術自体のリスクや、感染症の不安が無い ・入院の必要が無い ・副作用が少ない ・注射だけの処置で、痛みも一瞬 ・処置が短時間で簡単 ・通院だけで処置を終えることができ、家族の心配や仕事に支障をきたさない ・学生の場合は、入院による学業の遅れや、単位の不足など進学や留年の心配がない ・家族や友人との時間を犠牲にしない ・ほか PRP療法のデメリット 1.効果に個人差がある PRP療法の効果には個人差があると言われています。人間の血小板の中には、様々に多数の成長因子が含まれており、それが混ざり合った状態になっています。 その成長因子の割合が、それぞれどのくらい含まれるかは、その人ごとに異なっていて、その割合が効果の個人差の原因である可能性があります。しかし実際の原因は、未だ解明されていません。 2.処置部位の腫れ・痛みがある PRP療法を実施した後の数日間は、処置した部位に痛みや腫れ、発赤などの症状が出ることもあります。この痛みや腫れについても個人差があり、全く腫れや痛みを実感しない人もいれば、数日間腫れが強い人もいます。 しかし、腫れや痛みは、一過性のものであり、抗生物質などの治療を行わなくても自然経過によって改善することが多いと言われています。 まれに処置部位が感染することもあり、抗生物質による加療が必要なこともありますが、それはP R P療法に限らず、例えばワクチン接種などの注射針を刺す医療行為の全般に共通するリスクで非常に少ないものです。 一方で、PRP療法には手術後の感染やアレルギー症状のように再び手術が必要になったり、副作用の治療で入院期間が延びたり、再入院ということもありません。 そういった点からすると腫れや、痛みはPRP療法の短所ではありながらも、手術に伴う副作用に比べてリスクと呼べないほど小さな短所かもしれません。 3.治療費 PRP療法については再生医療という新しい治療法であり、現在の日本では未だ健康保険の適応がない疾患が多いという短所もあります。PRP療法の処置だけでなく、処置後にリハビリテーションを行う場合も自費負担になることもしばしばあります。 しかし、長所でも述べたようにPRP療法は入院しなくても処置ができます。保険が使用できる手術でも、手術自体が高額な物は非常に多いです。さらに、手術のために入院となると、入院費がかかり、さらには日常生活での仕事や学業への影響なども計り知れません。 それらのことを考えると、処置だけの費用を考えるとPRP療法は高額になりますが、実質の経済的な負担は、PRP療法を受けることよりも、手術のために入院した方が大きくなるケースも多いといえます。 まとめ・PRP療法について、そのメリットとデメリットとは PRP療法は再生医療というこれまで担った治療法です。今や様々な分野で、手術などの代用となり得る新しい治療法です。ただ、どんな治療法でもいえることなのですが、P R P療法にもメリットはもちろん、デメリットもあります。 治療方法に悩んだ場合は、受診した医療期間や主治医に良く説明を受けて自分なりに理解した上で決めていくようにしましょう。以上、PRP療法について、そのメリットとデメリットについて記させて頂きました、参考にしていただければ幸いです。 No.S079 監修:医師 加藤 秀一
2022.06.08 -
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膝の痛みに最新の治療法!再生医療(幹細胞治療とPRP療法)について このページでは変形性ひざ関節症について解説します。「変形性ひざ関節症」は、実は全国で3千万人ぐらいの方が悩まれている膝の病気です。ここでは、その症状だったり治療の仕方、そして最新の治療法である再生医療(幹細胞治療とPRP療法)について詳しく解説してまいりましょう。 変形性ひざ関節症は男性より女性がなりやすい! ご存知ですか?!変形性ひざ関節症は、全国で約3千万人の患者さんがいるのですが、男女比でいうと1対4と、圧倒的に女性の方が男性より多い症状なのです。 以下は、この膝の症状に対する先端医療である再生医療を解説しています。それは幹細胞治療とPRP治療と言われるものです。ご一読いただければ変形性膝関節症を治療するための新たなアプローチ方法をご理解いただけるはずです。 変形性ひざ関節症になる原因 変形性ひざ関節症のメカニズム・原因は、関節にある軟骨に起因します。具体的には次のようなものがあります。 ・年齢を重ねることによる摩耗 ・体重増加による負荷 ・O脚変形 ・遺伝性の軟骨の柔らかさの影響 年齢を重ねるにつれて軟骨が摩耗したり、体重が増えて負荷がかかると軟骨がどんどんすり減っていきます。それ以外にも、例えばO脚変形と呼ばれる、少し膝がO脚になっている方も原因になりやすいです。あとは遺伝性、つまり生まれつき軟骨が柔らかい方もいらっしゃいます。 このように、軟骨がすり減ってなくなってくると、いよいよ関節が変形して炎症を起こしてしまい、出歩くときに膝が痛かったり、あとは関節に水がたまり動きにくくなるという状態になります。 これがいわゆる変形性ひざ関節症です。 変形性ひざ関節症の症状 次に、変形性ひざ関節症の症状についてお話をしていきます。 変形性ひざ関節症になると、 ・立ち上がり時に膝が痛かったり ・階段を下りるときにも膝が痛かったり ・水が溜まって膝が腫れてしまって、正座が出来なくなったり、曲げにくかったり などと、いろんな症状があります。私が診ている患者さんの中でも、このような症状を訴えてこられる方々が、たくさん来られます。 ただ、その中でも、膝の中に水がたまってしまい、抜いても抜いても水がたまり続けてしまう方もいらっしゃいます。また、ヒアルロン酸を打っても一日や二日しか、持たなかったり、ほとんど効かないという方も大勢いらっしゃいました。 従来ならば、こういた水が溜り続ける、注射が効かない患者さんには「手術をしましょう」という話になってきました。ただ、いきなり手術となると抵抗感もあり、どうしたらいいのかと、困られている患者さんもたくさんおられました。 ・水もたまる、注射が効かないし、手術もしたくない・・・ そこで、最近注目されている再生医療という治療があります。 再生医療という新たな選択肢 そこで、この「再生医療」という新たな治療法について解説していきます。再生医療には大きく分けて2つの治療方法があります。まず1つは自己脂肪由来の幹細胞治療、そしてもうひとつはPRP治療です。 自己脂肪由来の幹細胞治療 まず自己脂肪由来幹細胞治療方法です。これは今、最先端の治療方法です。私は初めてこの治療法を知ったとき、今までの治療概念を覆されました。それほど驚きを覚えたのです。 どういうものかと言いますと、自分の細胞を少しだけ取り出します。その取り出した脂肪の中には「幹細胞」といわれる細胞があって、この幹細胞が身体のいろんな組織に変化する性質持っていて、その性質を活かして治療を行う方法です。 取り出した幹細胞は、約1ヶ月間くらいかけて培養し、たくさんの幹細胞に増殖させることができます。その培養した、たくさんの幹細胞を膝に入れることによって、幹細胞が変化し、失われた軟骨が出来上がったり、壊れた素子が修復されたりします。 これがいわゆる「幹細胞治療」です。 PRP治療 そして、もう一つの「PRP治療」を解説しましょう。 まず自分の血液を採取し、その中から血小板成分を取り出します。この血小板成分は、自分の壊れた組織を修復する能力があります。その特性を利用するため、血小板成分を凝縮して高濃度の血小板成分として取り出し、それを体に戻すことによって、壊れた組織を修復する能力を促します。 これが「PRP治療」です。 まとめ・膝の痛みに最新の治療法!再生医療(幹細胞治療とPRP療法)について 変形性ひざ関節症は、次のような原因で軟骨がすり減ることで起こります。 ・年齢を重ねることによる摩耗 ・体重増加による負荷 ・O脚変形 ・遺伝性の軟骨の柔らかさの影響 従来はヒアルロン酸の注射や手術によって治療されてきましたが、最近再生医療(幹細胞治療・PRP治療)という新たな選択肢が登場しています。興味のあるかたはぜひお近くのクリニックへご相談してみてください。 以上、幹細胞治療とPRP療法、再生医療で治療する膝の痛みに対する治療法ついて記させていただきました。 No.050 監修:医師 坂本貞範 ▼こちらも合わせて読んでおきましょう 膝関節の痛み!そんな時、どういった病気が疑われるのか ▼ 再生医療が膝の痛み!変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善
2022.05.12 -
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変形性膝関節症のPRP療法|治療効果と体験談 こんにちは Dr.サカモトです。 今回はPRP療法(PRP治療)が実際どのように行われるかを、患者さんの声を交えながら解説していきます。それでは行ってみましょう! PRP治療での注射方法 PRP治療では、膝のお皿の外から関節の中にめがけて注射をします。膝の関節の中にはちょうど袋がありまして、その中にPRPを注射するという形になります。痛みもそれほど痛いものではないと思います。 PRP療法がオススメの症状 実際どういった方がPRP治療を受けられるかというと、以下のような方がPRP治療を選択されています。 ・保険診療のヒアルロン酸注射が効かなくなった方 ・薬を飲んでも痛みが取れない方 ・スポーツや仕事に早く復帰したい方 ・薬剤アレルギーが怖い方 ・手術を避けたい方 ・長期入院ができない方 PRP療法は短期間で痛みも少ない治療法 PRP治療などの再生医療は、すごく難しいことをするんじゃないの?といった声もよく聞かれますが、実際は大げさなことは何もなく、短時間で痛みも少ない方法です。だから手術も入院も不要という医療分野といえるのです。 実際のPRP治療の流れは、まず腕から少し採血をし、それを特殊な機械で約30分ほど分離します。それを膝の関節に注射をするだけの治療なので、それほど痛いものでもなく時間も30分ほどで終わります。 このようにPRP治療はとてもシンプルなので何か大きな準備をしなきゃいけないだとか何か大変な検査をしなきゃいけないということはありません。特に身構えなくても大丈夫なのでご安心ください。 ▼変形性膝関節症をPRPで治療/その効果を動画で解説 PRP治療の体験談をご紹介 では実際にPRP治療を受けられた方の実例がありますのでご紹介します。 (PRP治療を受けられた女性) 「テレビで再生医療についての特集を見たり、プロ野球選手が再生医療で治ったという話を人から聞いたりして興味はあったのですが、私は車いすの状態だったので、本当に再生医療で歩けるようになるの?と思っていました。 採血をして少し時間を置いて、いつものような膝の注射をしただけだったので、つらい気持ちは全然感じる感じることなく、スムーズに治療を受けられました」 この方は、もともと膝がとても痛くて歩行困難が見られ、ヒアルロン酸の注射をしても1日しかもたないということで、PRPの治療を選択されました。かなり膝の変形も強く、人工関節をしてもおかしくない方だったのですが、手術はどうしても避けたいということで注射をしました。 (PRP治療を受けられた女性) 「PRP注射は6回していただいたのですが、1~3回目に関しても少しずつ効いているなという感じはしていたのですが、4回目のときには杖なしで自分の足で立つことができるようになっていて、 自分でもすごくびっくりしました。『すごく効いた』という実感があってとてもうれしかったです」 はじめ10あった痛みが、4回注射した後には、2か3になり、もともと杖で歩かれていたのですが、その杖も必要ないぐらい痛みが軽快し、ぎこちないながらもスムーズに歩けるようになりました。 その後、数ヶ月様子を見ていましたが痛みの程度が始め10あったものの、2~3に落ちて、その後5ぐらいには戻ってはきましたが、5でとても安定しておられます。 (PRP治療を受けられた女性) 「今までは料理のときも杖をついたり椅子に座ったりしていましたが、PRP治療後は立ったまま料理や家の片付けができるようになりました。 友だちとUSJに遊びにいったり、ひとりで旅行したり色々なところに自分の足でいきたいと思います」 このように色々と個人差はありますが持続期間も長く認めてますので、かなりPRPの効果はあったと思われます。今まで再生医療と出会う前は、このように劇的に注射で痛みが取れるということは考えられませんでした。 PRP治療の注意点 以上、いかがでしたでしょうか? 私もPRP治療でこれほど歩けるようになるのかとビックリしました。PRPは、痛みを取るために非常に有効で、ご自身の血液を使った治療法なので安全性も高く、入院も手術も不要です。患者さん自身も本当に喜んでおられたのが印象的でした。 ただし、知っていて欲しいのは、「PRP療法には、すり減った軟骨を再生する力は無い」ということです。確かに痛みを止める効果には優れていますが「根本的な解決策ではないので注意が必要」です。そのため、いずれかの段階で痛みが戻って来る可能性があります。 痛みを止め、軟骨レベルで再生を目指すなら、同じ再生医療の分野でもう一歩踏み込んだ治療法として「幹細胞治療」というものがあります。これはPRP療法のように即日実施できるというものではありませんが非常に優れた手法です。 もちろん、手術や入院は不要です。 患者さんの脂肪、米粒2~3粒を専門施設で幹細胞を抽出して培養、患部に戻すことで、これまで不可能と言われてきた軟骨の再生を即する手法です。根本的な治療を望まれるな以下で詳しく説明しましたのでご参照下さい。 ▼こちらもご覧ください PRP療法について、そのメリットとデメリットについて まとめ・変形性膝関節症のPRP療法|その治療効果と体験談 いかがでしたでしょうか? 今回は、PRP治療の流れとPRP治療を受けた方の実際の声をご紹介しました。PRP治療が画期的な治療だと思われた方は多くいらっしゃると思います。実際受けてみたい方、そしてまだ疑問がある方はお問合せください。 以上、変形性膝関節症|PRP療法の治療効果と体験談について記しました。PRPはもちろん、幹細胞治療に興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。お悩みをお伺いして詳しくご説明させていただきます。 s043 医師:坂本貞範 ▼PRP療法(再生医療)をもっと詳しく PRPによる治療は、これまでない画期的な治療法です
2022.04.07 -
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PRP療法とAPS療法の違い、期待できる効果と治療法 皆さんは近代になって研究室での実験から、医療の現場で実施されるまでに至った「再生医療」という最先端の医療分野があることを御存知ですか。 いわゆる再生医療とは、怪我や病気によって低下あるいは喪失した生体機能を従来の医療方法ではなく、人為的に加工や培養して作製した細胞や組織などを用いて人体に元来備わっている修復能力を増大させて症状を改善させることが出来る可能性を秘めた未来的な治療方法です。 これは、一昔前ならSFの世界、まともに語っていたなら「夢でも見てるの」かと夢物語にされかねない非現実的な内容でした。このような治療があることや、実際に受けることが可能であることを知る一般人はあまりいません。 それもそのはず現場の医師でさえ詳細を知る方はまだまだ少ないのが現実なんです。 では、どんな治療方法なのか? そもそも私たちの血液中には、赤血球や白血球、あるいは血小板と呼ばれる成分が含まれていることはご存知ですね。それぞれには、特化した役割が存在しています。 その中でも血小板は外傷によって皮膚表面が傷ついた場合や、関節捻挫、あるいは筋肉打撲などで負傷をした際に損傷部位を治癒させる働きを有しています。つまり、自己治癒力です!傷ついたり、痛んだりした組織を自動で修復してしまう!すごい機能です。 このような働きができるのは血小板の中に含まれて、傷んだ組織部位を治す「成長因子」と呼ばれる成分のお陰お陰です。 それが今回、ご紹介するAPS療法の基礎となるものです。 血液中の血小板から濃縮して大量の成長因子を含む「多血小板血漿」は、昨今の再生医療の分野で大変着目されており、英語表記でPlatelet Rich Plasma(略して以下、PRP)と呼称されているものです。 さらに、Autologous Protein Solution(略して以下、APS)を用いた療法は、自己タンパク溶液として、前述したPRPを特殊な過程で更に濃縮したものです。このAPS治療は、目下のところ慢性的な膝関節等の疼痛に対する再生医療という新たな最先端治療として注目されているものなのです。 今回は、再生医療の新人!APS療法について解説していきましょう。 PRPとの違いとAPSの成り立ち 自己多血小板血漿、注入療法とも呼ばれるPRP療法については聞き覚えのない馴染みが薄い治療法に感じられるかもしれませんね。しかし、実のところ海外においては10年以上の使用実績がある方法なのです。 ケガなど、傷ついた部位の修復に作用する血小板に含まれる成長因子を取り出すPRP療法は、私たちがもっている治癒能力や組織の修復能力、再生能力を引き出すという目的があります。 一方で、APS治療は、患者様自身の血液成分から特殊な専用医療機器を用いてAPS成分のみを抽出します。 このAPSの抽出方法は、基本的にPRPそのものを更に遠心分離器を活用して特殊加工することによって、炎症を抑制する役割を有したタンパク質と軟骨を保護して損傷を改善させる「成長因子」を高濃度に抽出したものになります。 このような抽出背景から「APS」は、まさに「次世代型のPRP」とも表現されることがあります。 抽出したAPSを関節内などの疼痛部位に向けて成分を注射することによって関節部の疼痛や炎症の軽減のみならず、軟骨の変性進行や組織破壊を抑制することが期待されるものです。 APS治療は、現在のところではまだ「変形性膝関節症」に痛みなどを対象疾患を限定して使用されている段階ですが、これまでのPRP治療でも難渋していた患部改善にも一定の効果を示すことが徐々に判明してきています。 尚、APS療法では患者さんご自身の血液を基準にして作るために異物免疫反応が引き起こされる可能性は極めて低確率であると考えられています。 また、本治療はPRPと同じく、手技的に採血操作と注射投与だけですので、手術などのように患者さんの身体的な負担も大幅に少なくて済むという特徴があります。 APS療法に期待できる効果や実際の治療法など さて、ここからは変形性膝関節症に対してAPS療法で期待できる効果や実際の治療法などについて紹介しましょう。 ご注意頂きたいのは、APS療法は、再生医療ではありますが自己の血液から抗炎症成分のみを濃縮して抽出したあと、関節内に注射することで関節の軟骨を修復し、再生させるという観点ではなく、膝痛の症状緩和に焦点を当てた特化的治療であることです。 膝の変形性関節症では、疾患が進行することによって「半月板の損傷」や、「靭帯のゆるみ」など膝関節のバランスが崩れることで軟骨がすり減り、膝関節が変形して発症します。 また、変形性膝関節症では膝関節部における変形度の進行に伴って、軟骨がすり減り、半月板が擦り減って傷み、さらには滑膜炎など炎症が起きて膝部に水が溜まることがあります。 従来、治療としては繰り返し鎮痛剤を内服することや、ヒアルロン酸を関節内に注入するなどが代表的な治療法でした。しかし、鎮痛剤を飲み続ける是非や、ヒアルロン酸の効果が期待できなくなった変形性膝関節症の患者様の中には、このAPS治療によって症状が幾ばくかの改善を示すケースがあることが分かってきたのです。 一般的にAPS治療では、投与してからおよそ1週間から1か月程度で患部組織の修復が起こり始めて、だいたい治療してから約2週間から3ヶ月前後までには一定の効果が期待できると言われています。 海外のAPS治療に関する報告例では、APSを一回注射するだけで、最大約24ヶ月間にもわたって痛みに対する改善効果が継続するとの実例も紹介されていました。ただし、これは一例で実際の治療効果や症状が改善する持続期間に関しては、患者さんの疾患の程度、条件によって様々、個人差があり変化することをご理解ください。 また、このAPS治療は、PRPと同じく、患者さん自身の血液を活用して生成するために、通常ではアレルギー反応や免疫学的な拒絶反応は出現しないと考えられている点も良いい面でのポイントです。 APS治療における実際の手順 1)まず約50~60mlの血液を採取 2)厚生労働省が認めている特殊な技術で処理し、血小板成分を濃縮したPRPを抽出 2)精製されたPRP物質をさらに濃縮してAPSを抽出 こうして抽出した後、痛みを自覚されている関節部位に超音波エコー画像を見ながらAPS成分を注射して投与する まとめ・PRP療法とAPS療法の違い、期待できる効果と治療法 従来におけるPRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者自身の血液中に含まれる血小板を活用した再生医療です。 そして、昨今特に注目されているAPS治療では、先のPRPを更に濃縮。このAPS成分を患部に注射投与してから平均しておよそ1週間から1か月程度で組織修復が促進されて更には疼痛緩和に繋がる可能性があります。 なおAPS治療を現実的に受けた当日は、入浴や飲酒、あるいは喫煙、また激しい運動やマッサージなどは出来る限り回避するように意識しましょう。 APS注射直後には、個人差はあるものの一時的に痛みや腫脹、発赤などの症状が出ることがありますが、疼痛があるために関節部位を全く動かさないと逆効果になってしまうこともあります。 ここのあたり治療後の行動については、くれぐれも十分に主治医と相談するようにしましょう。また現段階では、このAPS治療は保険適応外であり自費負担になります。 費用は、それぞれの対象医療施設や治療適応となる患部箇所などによって異なりますので、この治療法をもっと知りたい方は私どもほか、専門の外来へお問い合わせされることをお勧めします。 このAPS療法のほかにも再生医療として、私どもが推進する「幹細胞治療」という関節部分の軟骨を自己治癒力を用いて再生させるという正に未来的な治療法も存在し、この分野から目が離せません。 いずれにせよ関節に問題があって、「後は手術しかないと」言われた方は再生医療をご検討されてはいかがでしょうか。私たちは再生医療の幹細胞治療で1,600例を超える豊富な症例を有しています。いつでもご相談ください。 以上、PRP療法とAPS療法との違いや期待できる効果、治療法について記させていただきました。 S008 監修:医師 加藤 秀一 ▼ PRP療法をさらい詳しく PRPを使った再生医療は、人間が持つ自然治癒力を活かして治療する先端医療です
2021.10.20 -
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PRP-FDはメジャーリーグで田中選手や大谷選手が靱帯損傷に使った治療法 膝のPRP-FD注射は、再生医療の新たな選択肢!になるか? 従来、膝の変形性膝関節症などに対する注射療法として、ヒアルロン酸の関節内注射が一般的に普及していた時代がありました。その後、近年には再生医療として血液中の血小板中に含まれる多種の成長因子多血小板血漿(Platelet Rich Plasma: 略してPRP)の関節内注射の効果が報告されてきました。 この自己・多血小板血漿注入療法とも呼ばれる「PRP療法」は、実は海外においては10年以上の使用実績があることをご存知でしょうか。海外では比較的ポピュラーな治療方法なのです。 例えば、プロ野球選手、アメリカのメジャーリーグで当時、ニューヨーク ヤンキースの田中将大選手、あるいは、今も大活躍のロサンゼルス エンゼルスの大谷翔平選手」が右肘の「靱帯損傷」に対して「PRP療法」を行なったことはよく知られています。 一方で、さらにPRP療法は、PRP-FD(又はPFC-FD)療法という新たな再生医療となり注目され始めています。今回は、このPRP-FDに注目して解説してまいりたいと思います。 PRP-FDとは、 Platelet Rich Plasma Freeze Dryの略であり血小板由来因子濃縮物を指します。同様にPFC-FDとは、Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dryの略称であり日本語に訳すと「血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存」したものという意味の頭文字になります。 これらの療法は、患者さんご自身の血液中の血小板に含まれる「成長因子」を活用するバイオセラピー(再生医療)と呼ばれるもので、関節や筋肉、腱の疾患または損傷に対して「手術をすることなく、注射でのアプローチする再生医療」であることを意味しています。 そこで今回は、再生医療の新たな選択肢となり得る膝のPRP-FD注射について解説してまいりましょう。 1)PRP-FD(PFC-FD)の成り立ちとPRPとの違い 従来からあった「PRP療法」は、自己多血小板血漿注入療法のことであり、患者さん自身の血液中に含まれる血小板の要素を利用した再生医療です。 この療法は、血液中の「血小板の成分だけを高い濃度で抽出して、患部に直接的に注射」する方法です。 これによって関節部の損傷した組織へ、血小板の修復能力を用いた自己治癒力を高めることが可能になり、痛みを含めた損傷した患部の改善を目指し、手術などを避けて治癒できることを期待するものです。 この方法は、歴史的にまだ浅いもののイランの医師であるDr.Raeissadatらが過去の研究をもとにPRP関節内注射の方が従来のヒアルロン酸の関節内注射よりも変形性膝関節症における症状を改善させると発表したことにはじまりました。 このPRP関節内投与は、他の再生医療同様、手術等を回避しながら、症状の改善効果が期待できることから、患者さんのQOL(※1)を向上させることにもつながります。 一般的な治療法では解決できなかった「変形性膝関節症」をはじめとした各種関節症の患者さんに対する治療の有効なオプションになり得ると報告されています。 (※1)QOLは、英語でQuality of Lifeの略です Quality of Lifeを医療面から考えると「自分らしい生活、毎日が充実し、心身が満たされた納得のいく生活」を考慮した上で治療を行うというものになります。 患者さんへの治療方針を定めるに場合に治療方法や、その後の療養生活が患者さんへ与える肉体的、精神的はもちろん社会的、経済的といった生活の質といえる各要素を維持すべきではないかというものです。 病気の内容や治療方針によっては、その後の症状や副作用などによって治療する前と同様な生活が不可能になることがあります。そこで治療法を選択する場合には、単に症状の改善や、回復といった治療の効果だけに目を向けるのではなく、QOLの維持にも目を向けて治療方法を選択したいものです。 その意味で今後、再生医療は従来の手術による治療方法を転換させるさせるものとしてQOLに沿った治療法と言えるのではないかと思われます。再生医療は最新の医療技術で手術や入院そのものを避けることができるからです。 だからメジャーリーグをはじめ、スポーツ選手は再生医療に着目する このように再生医療は、治療結果だけに着目するものではなく、治療後を考えた治療方法といえるのです。なぜならスポーツ選手なら誰しも手術を避け、入院を避け、治療後にパフォーマンスを落とすことのない治療が条件になるからです。 スポーツ選手にとって、このパフォーマンスの維持こそがQOLになり、それを維持することこそが治療の条件になります。だからメジャーリーグをはじめ、スポーツ選手は再生医療を目指すのです。 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています PRP-FD(PFC-FD)療法について、 これは、PRP療法と同様に患者さん自身の血液から「PRP-FD(PFC-FD)」を作製します。投与方法も患部に直接注射して行うという治療法の面でも同じになります。 期待する効果としても同様でPRP-FD(PFC-FD)を注射した後には、PRP療法と同じく損傷した組織において自然治癒力が促進されて患部の早期修復や、疼痛軽減に繋がる再生医療としての効果を期待されるものです。 PRP-FD(PFC-FD)療法とPRP療法の決定的な違いは何でしょうか? PRP-FD(PFC-FD)療法では患者さんの血液からいったん作製したPRPをさらに活性化させて、「血小板に含まれる成長因子だけを抽出し、無細胞化した上で濃縮する」ため、成長因子の総量がPRP療法の約2倍程度に及ぶところが大きな相違点です。 また投与のスケジュールも違いがあります。PRP療法であれば採血当日に限り投与が可能ですがPRP-FD(PFC-FD)療法の場合には、採血から投与ができるまでに約1週間~3週間必要です。 尚、PRP-FD(PFC-FD)療法では、濃縮した血小板由来成長因子をフリーズドライ加工するため、長期保存が可能となります。そのため約半年の間に複数回、タイミングを見て何度か投与することが可能になります。 PRP療法 PRP-FD療法 分野 再生医療 再生医療 投与方法 患部に注射で投与 患部に注射で投与 投与タイミング 採血した当日 採血後1~3週間後 保管 できない フリーズドライ化にて長期可能 回数 当日一回 回数を分けて複数回投与可能 有効成分(成長因子) ― PRPの約2倍 期待する効果 損傷した組織の自己治癒力を高めて改善を目指す 2)膝のPRP-FD注射で期待できる効果や実際の治療法 さてここからは、膝のPRP-FD(PFC-FD)注射に期待できる効果や実際の治療法などについて紹介していきます。 このPRP-FDは、従来のPRP療法と効用効能は、ほぼ同じと考えられていますが、PRP-FD(PFC-FD)療法では患者さんから単回の採血で作製する量が多く、フリーズドライ化しているおかげで保存も長期に可能です。 そのため、症状が重いなど、複数回にわたって関節内注射を打つ必要があるケースでは、PRP-FD(PFC-FD)療法が期間を設けて複数回打つことができるため、その面ではPRPよりも適しているとみることもできます。 また、これらのPRP-FD (PFC-FD)注入療法によって、「テニス肘(テニスエルボー)」や、「ゴルフ肘」と呼ばれる肘内側部あるいは外側上顆炎、そして「ジャンパー膝」と呼ばれる「膝蓋腱炎」を修復できる可能性があります。 また、アキレス腱炎、足底腱膜炎などの腱付着部における疾患や、肉離れ(筋不全断裂)や靱帯損傷などの病気をより早期に治癒させる確率を高める効果を期待できます。 そのため、PRP-FD(PFC-FD)治療では、比較的早く、腱や靱帯由来の関節部の痛みを軽減する効果が見込まれるため、手術といった回復が長期化する治療法を避けることができ、重要なシーズンまでに回復しなければならないなど一日も早く復帰を必要とするプロアスリートや、トップアスリートなどに対して有効な治療法となる可能性があります。 また、変形性膝関節症では膝関節部における変形度の進行に伴って、軟骨がすり減り、半月板が擦り減って傷み、さらには滑膜炎など炎症が起きて膝部に水を溜めるような場合にも、PRP-FD(PFC-FD)治療を実践すると軟骨や半月板などの組織の改善を促すと同時に関節部の滑膜炎を抑制して症状を軽減、回復させる効果を期待できるものです。 これら従来の方法では、変形性膝関節症に対する薬物療法としては、一般的な鎮痛剤の内服やヒアルロン酸を含む関節内注射などを施行されてきました。 ところが、これらの既存的治療が最初から効かない場合、あるいは効かなくなってしまった場合でも、PRP-FD(PFC-FD)を関節内注射することで痛みが軽減した例が多く存在します。 PRP-FD(PFC-FD)療法の実際の手順を簡単に紹介します。 まずは、患者さんに問診、診察を行うことから開始します。 次に、治療内容の説明をして同意を得られた患者様から、約50mlの血液を採血します。その後、血液検査結果からHBV、HCV、HIV、梅毒など感染症の除外を行なった上で、PRP-FD(PFC-FD)を実際に作製します。 この際、活性化成分のみを抽出してフリーズドライ化するのに約1~3週間かかることを念頭に置いておきましょう。そして、最後にPRP-FD(PFC-FD)を患部に直接的に注射することになります。 これらのPRP-FD(PFC-FD)療法は、体外で成長因子を抽出して無細胞化する作業を行うため、PRP療法より、痛みが少ない治療法であると言われています。 まとめ・PRP-FDはMLBで田中選手や大谷選手が靱帯損傷に使った治療法です 従来におけるPRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者さん自身の血液中に含まれる血小板を活用した再生医療でした。 そして昨今、注目されている再生医療の一つであるPRP-FD(PFC-FD)療法は、血小板が傷を治す際に放出する成長因子の働きに着目したものでPRP療法を応用した技術を使える上、それらを濃縮活用し、我々の生体が生理的に元来有している「自然治癒力」を高めることで治療効果を向上させるものです。 このように、PRP-FD(PFC-FD)療法はPRPと同様に急性あるいは慢性問わず関節症、あるいは関節周囲の靭帯や半月板など軟部組織疾患に対して治療応用が開始されていますので今後の進展に期待が持てます。 尚、今回ご紹介したPRP療法やP、RP-FD療法には、更に高度な最先端医療といわれる「幹細胞を培養して患部に投与する幹細胞療法」があり、症状や軽減だけでなく、「軟骨そのものを再生することができ、再生医療の本命」といわれる治療法があります。 再生医療は、患者様の生活の質、QOLを大切にできる再生医療を推進しています。これもで多くの症例を有する国内でも唯一のクリニックです。いつでもお問い合わせください。 治療後や、療養生活の質を高める再生医療にご注目ください。 S007 監修:医師 加藤 秀一 ▼QOLを大切にするPRP療法を用いた 再生医療の詳細は以下をご覧下さい PRP療法は、自ら再生しようとする自然治癒力を活かした最先端の治療方法です
2021.10.19