NK細胞を使った免疫療法って
どんな治療法なの?
高活性NK細胞免疫療法
人間の身体にはもともと、ウイルスやガン細胞の「殺し屋」と言われるNK細胞が備わっています。高活性NK細胞免疫療法はご自身の血液からNK細胞を抽出し、培養をして増やしたNK細胞を再び身体に戻すことで、免疫力を高め、ガンなどの予防を目的とした治療です。
まずNK細胞について
NK細胞とはナチュラルキラー(Natural Killer)細胞のことであり、1970年代に発見された血液中に存在する免疫細胞です。このNK細胞は白血球の1種で、リンパ球の中に約15~30%しか存在しないとされています。
「Natural」とは「生まれつきの」という意味を指し、「Killer」は「殺し屋」のことです。つまり生まれつき備わっている、ウイルスやガン細胞に対して強い攻撃能力を持った細胞のことであり、我々が免疫力を維持する為にとても重要な細胞です。図でいいますと、自然免疫にあたります。
NK細胞などのリンパ球を活用した免疫細胞療法は、十数年前から大学病院などで研究や治験が進められており、臨床現場でも応用されています。このような研究機関や大学病院はすでに十数か所もあり、免疫細胞療法は近年脚光を浴びている治療法です。
NK細胞療法ってどんな医療?
NK細胞療法では、採取した血液の中からNK細胞を取り出し、特異的な刺激を与える物質を加えて培養することで、NK細胞の細胞数を飛躍的に増殖することが可能です。特定の条件により細胞を培養することで、殺傷能力を高める(活性化する)とともに、細胞数も100倍~1,000倍に増殖させます。
投与されたNK細胞は全身をくまなくパトロールし、免疫力を向上させます。当院の高活性NK細胞免疫療法は、ガンの予防やガンの再発予防、また、他の病気にかかりにくい身体作りを目指す医療です。
NK細胞免疫療法の
治療の流れ
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採血する
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血液を分離する
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NK細胞を培養する
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2~3週間培養する
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NK細胞は数百~数千倍に増える
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点滴で体内に戻す
培養したNK細胞を再度体内に取り込むことで免疫力が飛躍的に高まり、ガンなどの病気にかかりにくい身体を手にすることができます。
また、活性化されたNK細胞は攻撃力が高まるとともに、ガン細胞を見つける能力も向上します。ガンの治療を終了され、再発を予防したいという方にも免疫療法はオススメです。
なぜNK細胞療法が、
ガンに良いのか
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1.
免疫細胞療法の中でもNK細胞は攻撃力が高く、ガン細胞を撃退してくれる
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2.
ガンは免疫による病気のため、活性NK細胞療法はとても効果的な治療法です
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3.
治療で使う血液は患者さん自身のものを使用するため、安全かつ安心です
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4.
難治性のガンと診断された場合でもお受けいただけます。
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5.
血液ガンの一部を除き、ほどんどの種類のガンが適応となります
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6.
副作用が出にくいため高齢の方も安心してお受けいただけます(まれに軽度の発熱あり)
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7.
他のガン治療と併用が可能(三大治療と併用して治療を受けることが可能であり、抗ガン剤の副作用を抑えることができます)
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8.
日帰りでの治療となります(入院は不要)
第4の免疫療法とは
ガンの治療法には化学療法、放射線療法、手術療法の三大治療があり、ガンの種類や進行の程度によって、単独または組み合わせて用いられます。この中で手術療法は治癒の可能性が高いですが、比較的早期のガンが対象となることが多いです。
ガンが進行して末期状態になった場合、様々な部位への転移を認めるため、手術を受けてもいたずらに体力が消耗するだけで抗ガン剤も効果が薄く、「ガンの治療」自体が困難となり、治癒する確率が格段に低くなります。
そのような場合には化学療法が第一選択となりますが、白血病などの一部を除き、治癒を期待することは難しく、延命を目的とした治療となります。
しかし化学療法には、非常に強い副作用が出ることや奏効率(一定の間、腫瘍が消失または一定のレベル以上に縮小する割合)が2~3割ほどしか見られないという問題点があります。これをわかりやすく言い換えますと、7割程度の患者様にはあまり治療効果が出ないのに、副作用の影響を受けるということになります。
さらに化学療法には別の課題があり、治療を開始した時期は効果が出たとしても一時的な場合が多く、いずれは効果がなくなってしまいます。
第4の治療法として注目される
免疫細胞療法
近年では免疫細胞療法が第4の治療法として注目されています。免疫細胞療法は多くの研究機関や大学病院により研究されており、治療効果が認められた様々な症例が多数報告されている治療法です。
免疫細胞療法はご自身が持っている免疫作用を強化することで、抗腫瘍効果を発揮させる治療法であり、副作用が極めて少ないというメリットがあります。また三大治療(抗がん剤、放射線、手術)との併用することにより相乗効果も期待できる革新的な治療法です。
副作用・リスク
まれに点滴後の微熱や発熱、針の刺入部分の疼痛や発赤が起こることがあります。一過性なもので数日で消失します。