インフォメーション
LICENSE厚生労働大臣許可医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 承認済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理されました。
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた関節症治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた変形性膝関節症の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた毛髪組織治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法






















当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「糖尿病」「脳卒中」「肝障害」「変形性関節症」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与や「毛髪の再生」を再生医療安全確保法のもと、自由診療を提供しています。再生医療とは、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、厳しく審査が行われ、治療の妥当性・安全性・医師体制などが適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができます。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療には限界なのだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んでいたり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼びます。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配がほぼありません。
- 1億の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC

できなくなったことを、再びできるように。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病、ひざ、股関節、肩などの関節の手術、そして脳卒中や脊髄損傷のリハビリテーションに長い間取り組んできました。従来の治療方法に限界を感じ、この最先端の「再生医療」を新たに治療に加えることで更なる可能性を実感しています。
医学部卒業後、様々の医療機関で外来から手術まで多くの症例の治療に取り組んできました。その後、平成17年に生まれ育った大阪で開業しました。外来では、ひざや股関節、肩の痛み、腰の痛み以外にも糖尿病、高血圧などの生活習慣病、そして、脳卒中や脊髄損傷の治療やリハビリテーションを行ってきました。
そんな中で、薬での限界を感じ、また、手術以外の方法がないのかを模索していたときにこの「再生医療」に出会いました。初めは、再生医療の治療効果には半信半疑でしたが、再生医療を進めるうちに、その効果に驚き、信頼へと変わっていきました。
「今まで、できなかったことが、できるようになる」これは、病気を治す側としてとても嬉しい言葉なのです。もちろん、再生医療は不治の病を全て治すことのできる万全な治療方法ではありません。ただ、従来の治療の効果をはるかに超えて結果が出せる可能性があるのです。もちろん、脳卒中や整形外科分野の疾患ではその後の筋力トレーニングやリハビリテーションは欠かせません。

当院では、長年培ったリハビリテーションの技術で指導もしております。糖尿病においては、インスリンの注射が必要なくなった、飲んでいる薬が減ったという効果がたくさん見られます。多くの患者様が、遠方からも来られます。
もう少し、近くにクリニックがあればというご要望に応えるため、今回、東京にもクリニックを構えることに致しました。
できるだけ、多くの方に再生医療を知ってもらいたい、そして、できるだけ多くの方に、再生医療の治療後もフォローもできたらという願いがあるからです。
今は美容分野でも再生医療は大きな効果があることを経験しましたので、治療から美容までトータルで再生医療を提供できるように再生医療の総合クリニックを目指しました。
今後もわたしは、あくまで自分の”細胞”の力、自分の治癒力を最大限に高めて病気を治すことにこだわっていきたいと思っています。
医療法人美喜有会理事長 坂本 貞範
略歴
- 1997年3月
- 関西医科大学 医学部卒
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 大阪市立大学医学部付属病院 勤務
- 1998年5月
- 大阪社会医療センター附属病院 勤務
- 1998年9月
- 大阪府立中河内救命救急センター 勤務
- 1999年2月
- 国立大阪南病院 勤務
- 2000年3月
- 野上病院 勤務
- 2003年3月
- 大野記念病院 勤務
- 2005年5月
- さかもとクリニック 開設
- 2006年12月
- 医療法人美喜有会設立 理事長就任
主な医学論文•学会発表
- 論文名:透析患者に対する鏡視下手根管開放術の費用と手術手技
論文掲載:日本透析医学会雑誌(1340-3451)37巻Suppl.1 Page770(2004.05) - 論文名:IBBC手技を使用したTKAの中期成績
論文掲載:日本人工関節学会誌(1345-7608)30巻 Page35-36(2000.12) - 論文名:寛骨臼巨大骨欠損の再置換法とその成績 同種骨による欠損壁の修復と水酸アパタイト顆粒による空洞の修復
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻2号 Page S319(2000.02) - 論文名:骨セメントと骨界面に水酸アパタイト顆粒を介在させる界面バイオアクティブ骨セメント手技(IBBC)
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻3号 Page S666(2000.03) - 論文名:外反母趾手術chevron法に対するPLAの使用経験
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)42巻1号 Page241-242(1999.01) - 論文名:亜急性に経過した膝蓋骨骨髄炎の1例
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)41巻4号 Page1107(1998.07)
当院で再生医療を
サポートする専門医

渡久地 政尚
略歴
- 1991年3月
- 琉球大学 医学部 卒業
- 1991年4月
- 医師免許取得
- 1992年
- 沖縄協同病院 研修医
- 1994年
- 沖縄協同病院 外科 勤務
- 2000年
- 癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
- 2008年
- 沖縄協同病院 内科 勤務
- 2012年
- 老健施設 かりゆしの里 勤務
- 2013年6月
- 医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
- 2014年9月
- 医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
- 2017年8月
- 医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
所属学会

圓尾 知之
略歴
- 2002年3月
- 京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業
- 2002年4月
- 医師免許取得
- 2002年4月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2002年6月
- 関西労災病院 脳神経外科 勤務
- 2003年6月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2003年12月
- 大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務
- 2004年6月
- 大阪労災病院 脳神経外科 勤務
- 2005年11月
- 大手前病院 脳神経外科 勤務
- 2007年12月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2012年3月
- 大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)
- 2012年4月
- 大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教
- 2014年4月
- 大手前病院 脳神経外科 部長

加藤 秀一
略歴
- 1997年3月
- 埼玉医科大学 医学部 卒業
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 三重大学附属病院 整形外科 研修医
- 1998年4月
- 伊賀市立上野総合病院 整形外科 勤務
- 2000年6月
- 鈴鹿中央病院 整形外科 勤務
- 2001年6月
- 三重大学医学部大学院 整形外科学 勤務
- 2003年4月
- 医療法人山本総合病院 整形外科 勤務
- 2004年4月
- 三重県立総合医療センター 整形外科 勤務
- 2006年4月
- 四日市社会保険病院 整形外科 勤務
- 2008年4月
- 医療法人博仁会 村瀬病院 整形外科 勤務
- 2008年9月
- 医療法人美喜有会 理事
- 2009年4月
- 医療法人美喜有会 整形外科みきゆうクリニック 管理者

症例紹介
-
- 膝関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
股関節の拘縮からくる膝のX脚変形 この方は約10年前に右膝が痛くなり始めました。その頃右の変形性股関節症で手術を勧められていました。なんとか騙し騙し様子を見ていましたが、いよいよ痛みが強くなり歩行も10分で休憩しなければいけなくなりました。立ち上がりの時も右の股関節の痛みと右膝の痛みがありました。来院され診察したところ、右股関節が屈曲したまま拘縮しておりそれが原因で骨盤が右に傾き、さらにそれによって右膝がX脚方向に力が加わることで膝の外側の軟骨損傷されていました。 変形性膝関節症の多くは、膝の内側の軟骨損傷によるO脚変形となります。この方のように股関節の変形が始まって、それをかばうことで膝の変形が始まることもよくあります。その場合、膝の外側の軟骨がすり減ることが多く見られます。股関節の変形とともに、股関節は内転と屈曲方向に拘縮するのが原因だからです。股関節を内股で歩くとわかりますが、膝の外側に負担がかかりますよね。やはり、変形の初期の時点からこの拘縮を予防するリハビリはとても重要となります。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の外側が狭くなっており軟骨が減少しています。右股関節の関節が狭くなっておりほぼ末期となっております。 <治療効果>両膝・股関節に幹細胞1億個3回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を関節内ピンポイント注射して1ヶ月目には半分痛み軽快され、3ヶ月後には3分の1まで痛みが軽くなられました。膝の痛みもほとんど痛みが軽快され歩行もしやすくなりました。股関節の可動域も徐々に改善されおり、体の傾きも少なくなりました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID 000360 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.06.19 -
- 膝関節の症例
- スポーツ医療の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
登山が好きでまた登りたい! 4ヶ月前に登山中に転倒され受傷する。その後から膝が腫れて歩行時の痛みが見られました。しばらく様子見ると腫れは取れて歩行時の痛みは軽減しましたが、階段の降りる時やしゃがみ込みの時に痛みが出るとのことでした。放っておいても痛みが取れず、近くの病院でMR I検査したところ半月板損傷と変形性膝関節症と診断されました。保険診療の範囲では半月板損傷の場合、痛みがあれば関節鏡の手術が第一選択となります。そうなると、半月板の切除や縫合術が行われます。切除した場合はその数年後から100%変形性膝関節症へ移行します。縫合術の場合は半月板と縫った糸が擦れて数年後には断裂する可能性が高くなります。今まではこのような後遺症があっても関節鏡しか選択肢がなかったのですが、新たな再生医療という選択肢ができました。ただ、再生医療と言っても、幹細胞の数や性質によって臨床成績がかなり変わってきます。当院では国内では珍しい冷凍せず培養する方法で生存率の高い幹細胞を使用しており、これによって非常に高い治療効果を出しております。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の内側が狭くなっており軟骨が減少しています。MRIでは外側と内側の半月板が水平に断裂(白くなっている所)しています。 <治療効果>両膝に合計幹細胞5000万個を2回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を注射して1ヶ月目には8割ほど痛み軽快され、3ヶ月後には10分の1に痛みが順調に軽減されました。幹細胞を投与して3ヶ月ほどで山登りを再開されました。山登りをしても、時々違和感は残るもののほぼ痛みは消失しました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID T000035 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.05.23 -
- 膝関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
カナダから来院!膝と股関節の幹細胞治療 カナダ在住の日本の方で、現地で体操のコーチをされています。4年前から股関節の痛みを認め、その後膝の痛みも出現しました。5年前には右膝の後十字靭帯の損傷をされています。変形性膝関節症の原因として、外傷後の変形というものがあります。膝関節の大事な靱帯として前十字靭帯と後十字靭帯があります。膝関節の中心にある靭帯で、スポーツや交通事故などでよく損傷します。この方も後十字靭帯を損傷されておりそれが原因で軟骨の損傷が進んだと思われます。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の内側が狭くなっており軟骨が減少しています。両股関節の関節が狭くなっておりほぼ末期となっております。 <治療効果>両膝・股関節に幹細胞2億個3回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を関節内ピンポイント注射して1ヶ月目には半分痛み軽快され、2ヶ月後には3分の1、3ヶ月後には10分の1に痛みが順調に軽減されました。体操のコーチということもあり、日頃から筋力トレーニングや関節の可動域訓練はしっかりとされており、特に当院からのリハビリ指導がなくても大丈夫でした。最終日には、とても丁寧な長文の手紙をいただきました。痛みがかなり軽減され、カナダに帰ることになりましたが日本での数ヶ月間の治療での滞在ご苦労様でした。やはり故郷が懐かしかったのか、カナダに帰るのがどこか少し寂しそうに思えました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID T000136 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.05.08 -
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
左大腿骨頭壊死と変形性股関節症の再生医療 約2年前から左股関節の痛みが出現し、テニスをしていたら激痛が出て近くの病院で大腿骨頭壊死と診断されました。病院では人工関節をすすめられましたが、どうしても手術以外の方法がないのかを探していたところ当院を知って四国から来院されました。 変形性股関節症での幹細胞治療は確立されていますが、国内では大腿骨頭壊死の幹細胞治療の治療報告はほとんどありません。当院では現在まで大腿骨頭壊死での幹細胞治療の症例は数十例おられます。おそらく国内でも大腿骨頭壊死での幹細胞治療数において最多と思われます。治療結果として、個人差はありますが痛みが軽減された症例は6割強の確率で認めています。壊死した部分に幹細胞が働いていることが示唆されます。このことから大腿骨頭壊死でも再生医療によって痛みが軽快することが実証され、一つの治療の選択肢と考えてもいいと思われます。 レントゲン所見 レントゲン上では臼蓋形成不全があり、両股関節の関節が狭くなっておりほぼ末期となっております。左骨頭は壊死しており、レントゲンではやや黒い領域が見られます。 <治療効果>両股関節に幹細胞5000万個3回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を関節内ピンポイント注射して3ヶ月目には半分痛み軽快され、約6ヶ月目には10分の1に減少しました.左大腿骨頭壊死の痛みも軽快され、さらに両変形性股関節症の痛みも同時に軽減しました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID 000471 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.04.17
坂本院長のブログ
ブログ
トピックス
-
- 半月板損傷
- 変形性膝関節症
- 前十字靭帯
- 膝の慢性障害
- ひざ
膝へのヒアルロン酸注射が効かなくなった!その原因と対策 はじめに 膝のご病気をかかえている方で、定期的に膝にヒアルロン酸の注射を行っている方は非常に多いです。その中で、『最初は注射すると膝の痛みがひいたのに、最近は効かなくなってきた』『注射しても効かないどころか、余計にひどくなった気がする』という経験をしている方も少なくないと思います。 膝のヒアルロン酸注射が効かなくなる原因と、効果が乏しいときの対処法について紹介していきます。 膝のヒアルロン酸注射について 『ヒアルロン酸』とは、水分をたくさん含む物質で、我々の身体の色々な場所で様々は役割を担当している物質です。目や皮膚に対しては潤いを保つように働きかけています。関節の中では動きをよくする潤滑油のような役割を担っています。 ヒアルロン酸を治療のために使用する場面はたくさんあります。眼の乾燥にもヒアルロン酸の目薬を行いますし、最近では美容目的に皮膚にヒアルロン酸の注射を行うこともあります。 たくさんの用途に用いられるヒアルロン酸ですが、膝にヒアルロン酸の注射を行う必要がある病気もたくさんあります。その中で、変形性膝関節症などの病気が代表的で、膝にヒアルロン酸注射を行うことの一番の目的は、膝の関節の動きを滑らかにすることです。 もともと、膝の関節の中はヒアルロン酸をたくさん含んでいる滑液という物質で満たされています。この滑液という液体が膝の滑らかな動きを保つのに重要な役割を担っています。 しかし、年齢を重ねることや、外傷や他の疾患などの影響で、滑液の中のヒアルロン酸の量が減ることがあります。ヒアルロン酸の量が減ってくると、膝を滑らかに動かすことが難しくなってしまいます。すると、膝にある骨や軟骨がこすれて、次第に膝に痛みが出現するようになります。 そのような際に、ヒアルロン酸注射を膝に行うことで、膝の動きが滑らかになり、痛みも軽減するのです。 ヒアルロン酸注射が効かなくなる原因 変形性関節症の初期ではヒアルロン酸注射を行うと動きも滑らかになり痛みも速やかに改善することが多いです。 しかし、病気が進行し、膝の変形が重度になってくると、ヒアルロン酸注射をしても効果が得られなくなります。もともと年齢を重ねると進行してくる病気なので、誰でも変形が強くなることは起こりますが、体重が重かったり、もともと運動習慣がなかったりすることも、変形が進行する原因になると言われています。 また、膝自体に炎症があるときはヒアルロン酸の注射は効かないことが多いです。さらに膝に感染があるときは、ヒアルロン酸注射をすること自体が余計に症状を悪化させてしまうこともあります。 膝の変形性関節症の重症度や膝の組織を評価するために、病院では、レントゲン検査やM R I検査などの画像検査が行われます。 M R I検査では、膝の軟骨や靭帯、半月板という組織が傷ついていないかも診ることもできるため治療方法の選択をするためにも非常に重要な検査です。 膝へのヒアルロン酸注射が効かなくなったら ヒアルロン酸注射は徐々に効かなくなるときがあります。そのためまず、ヒアルロン酸注射以外の治療法を併用していくことも大事です。まず、膝変形性関節症には、病院に受診しなくても自分自身で行える治療がたくさんあります。体重が重い方については、体重を減量することも治療のために非常に重要です。 その他には運動療法を実施することも非常に大事であると言われており、規則正しい有酸素運動や筋力トレーニング、関節可動域運動を実施して継続していくことが大事です。膝をサポーターで保護することや、テーピングを実施することも推奨されていますので実施していくのがよいでしょう。 また、超音波を用いて行う超音波療法や、温める温泉療法なども推奨されています。 膝に炎症があるときは、ヒアルロン酸の注射ではなく、ステロイドという薬を膝に注射する必要があることもあります。また炎症を抑える薬を飲む必要があることもあります。 重症になってしまい、注射が効かない状態になると手術が必要になります。手術では人工関節と言い関節の代用となる部品を、実際の関節の変わりに埋め込むという治療が行われます。そのため、皮膚を切って開く必要があるため、全身麻酔で手術が行われます。 全身麻酔とは寝た状態で手術を行う麻酔の方法なので、患者さんの目が覚めた時には手術は終わっています。手術は、傷口が感染しないか、麻酔によるアレルギーなどがないかを診るためにも入院で行われます。 入院自体は数日〜数週間の期間のことが多いですが、もともとの歩行状態に戻るためには膝のリハビリが必要で、数ヶ月程度のリハビリが必要になります。最近では手術の代わりにPRP療法という新しい治療が行われることもあります。 これは、患者さんの血液から抽出した『多血小板血漿(P R P)』を傷んでいるところに注射する「再生医療」です。 PRP療法は副作用もほとんどなく、手術を行う必要もないので、非常に安全に行え、傷も残りにくく、入院の必要もないので患者さんの負担は非常に少ない治療法です。 まとめ・膝へのヒアルロン酸注射が効かなくなった!その原因と対策 膝へのヒアルロン酸注射は膝の動きを滑らかにするために非常に有用な治療法です。 しかし、患者さんによって効果が得られない状態かもしれないので、効果が乏しいのに漫然と注射を行うのは良くないでしょう。ヒアルロン酸の注射以外の治療が必要な時もあります。 ヒアルロン酸の注射の効果が減ってきなと、感じている人は、漫然と治療を継続するのではなく、医療機関をはじめ、かかりつけ医など、専門家の評価を受けて、適切な治療に切り替えを検討してはいかがでしょうか。 No.073 監修:医師 坂本貞範 ▼ 再生医療が膝の治療を変える! 変形性膝関節症や半月板損傷、その他膝の不具合や痛みに新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療
2022.06.30 -
- ひざ
- 半月板損傷
- 変形性膝関節症
- 前十字靭帯
- 膝の慢性障害
- 関節リウマチ
膝に溜った水を抜いたあとに、注意しておきたいこととは 多くの方を悩ませる「膝の痛み」。 膝痛の症状が長期にわたると日常生活に支障をきたすようにもなってきます。このような膝の痛みを抱える方によくある症状のひとつに「膝に水が溜まる」というものがあります。 この症状のある方は医療機関を受診した際に膝に溜った水を抜く処置を受ける場合が往々にしてあります。この記事では、主に膝に溜った水を抜いたあとの注意点について医師が解説したいと思います。 なお、本記事では一般的な注意点について解説しておりますので、個別の事象については各自で判断せず医療機関に相談するようにしましょう。 ・膝の水はなぜ溜まるのか? 膝の関節は、関節包というもので覆われ、更にその中には、滑膜と言われる膜があり、関節がスムーズに動くための潤滑油のような役割を果たす「関節液」が存在します。この関節液は、健常者においても常に作られながら吸収され、一定の量になるように調整されています。 これが半月板損傷や、変形性関節症など関節の炎症をはじめとして、骨折や何らかの感染や外傷、靭帯損傷、痛風、偽痛風、関節リウマチなどといった原因により関節液が作られるスピードが吸収されるスピードを超えてしまうことがあります。 これにより「膝に水が溜まる」という症状が起こります。 膝に水が溜る原因 ・半月板損傷 ・変形性関節症 ・何らかの関節の炎症 ・骨折 ・何らかの感染や外傷 ・靭帯損傷 ・痛風、偽痛風 ・関節リウマチ ・膝の水はどういう時に抜く? 膝の痛みで医療機関を受診した際に膝の水を抜くことがありますが、医療用語でこの診療行為を「関節穿刺」といいます。この関節穿刺には主に診断と治療の2つの目的があります。 ①関節液が溜まる原因を調べる(診断): 膝に水が溜まる原因はさまざまで、その原因によって適切な治療が変わる可能性があります。関節液を採取し検査することで膝に水が溜まっている原因を知る目的に関節穿刺を行う場合があります。 ②関節の痛みを和らげる(治療): 膝に水が溜まると、その溜まった水が膝の痛みをより悪くする可能性があります。そのため、関節液を排出したり、状況に応じて関節内注射を行い症状を和らげることがあります。この治療目的に関節穿刺を行う場合があります。 膝の水を抜いた後の合併症 関節穿刺を行った後に注意することは、関節穿刺によって起きる別の症状や病気、つまり合併症です。関節穿刺後の一般的な合併症について解説します。 ①感染 通常、関節内は無菌状態が維持されています。しかし、関節穿刺を行うことで体の表面にいた細菌が関節内に移行することがあります。細菌が関節内に移行し感染を起こすと、膝が赤く腫れたり、熱持ったり、痛みを伴うことがあります。 通常、関節穿刺を行った後数時間は穿刺を行ったことによる痛みが生じることがありますが、これが長引く場合はこの感染の可能性があります。一般的な目安としては48時間以上持続する症状、48時間以内でも悪化を伴う症状を認めた場合には感染などの可能性を考慮し、可能な限り処置を行った医療機関に相談することをお勧めします。 ②出血 関節穿刺の際に関節周囲の血管を傷つけてしまい出血を起こすことがあります。多くの場合は細い血管の損傷にとどまるため、自然に止まることがほとんどです。仮に穿刺後に貼付していたテープなどを剥がした際に出血が起きても、綺麗なガーゼなどでしばらく圧迫すれば止血されることが多いです。 しかし、他の持病などで血液をサラサラにする薬を飲まれている方やもともと血が固まりにくい病気の方、またより大きな血管を損傷してしまった場合などは自然に止血されないこともあります。圧迫しても止まらない出血の際には速やかに処置を行った医療機関に相談することをお勧めします。 ③その他 そのほかの合併症として、特に関節内に薬剤を注射した場合などに起こりやすいものもあります。例えば、アレルギー反応は通常原因となる薬剤などの物質を投与されてから数時間以内に、発疹・呼吸困難感・腹痛などの多彩な症状を生じる合併症です。 多くの場合は投与後すぐに発症しますので医療機関で発見される場合がほとんどですが、まれに帰宅後に発症することもあります。 血管以外の神経、靭帯、腱などの損傷も稀な合併症の例です。穿刺のみでこれらの組織に重大な損傷をきたすことは稀ですが、薬剤注入などを伴うと症状をきたす可能性があります。 膝の水を抜いた後に注意しておきたい観察項目 関節穿刺後に気になる症状が出現した場合、どこまで様子を見て良いのか判断に迷うことがあると思います。悩んだ場合はまず処置を行った医療機関に相談することをお勧めしますが、一般的な観察項目についても解説します。 ・症状の持続時間が長い: 通常、痛みなどの症状は処置をしたことにより生じたものであれば数時間から1日程度で消失します。しかし、なかなか症状が消失せず持続期間が長い場合は合併症を疑うサインとなります。 ・症状がどんどん悪くなる: 処置からあまり時間が立っていなくても、どんどん悪化する症状は合併症を疑うサインになります。通常徐々に改善する痛みが、ぶつけたなどのきっかけもなく悪くなる場合は速やかに相談しましょう。 まとめ・膝に溜った水を抜いたあとに、注意しておきたいこととは 今回の記事では膝に溜った水を抜いたあとの注意点について解説しました。 症状が出現した際に自己判断で放置せず気になる場合は速やかに処置を行った医療機関に相談しましょう。処置を行った医療機関が時間外などで対応できない場合は夜間救急などの受診を検討しましょう。 No.072 監修:医師 坂本貞範 ▼ 再生医療が膝の治療を変える! 変形性膝関節症をはじめ膝の障害に対する新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療
2022.06.29 -
- 脊髄損傷
脊髄損傷とは、その症状と原因、治療法について はじめに 脊髄損傷という言葉(あるいは「脊損(せきそん)」)を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。大まかなイメージはあっても、どういう原因で脊髄損傷になるのか、脊髄損傷になるとどのような症状が出現するのか、また脊髄損傷の治療法についてよくわかっていない人がほとんどだと思います。 この記事では、脊髄損傷とその症状および治療法について医師が解説します。なお、本記事では一般的な注意点について解説しておりますので、個別の事象については各自で判断せず医療機関に相談するようにしましょう。 脊髄損傷とは そもそも脊髄とは何でしょうか。脊髄は脳と体をつなぐ神経の束を含む組織で、脊椎と呼ばれる背骨の中を通っています。脳と体中の神経をつなぐ重要な役割を担っているため、この脊髄がなんらかの原因によりダメージを受けるとさまざまな、そしてしばしば重篤な症状を引き起こすことになります。 これが脊髄損傷と呼ばれます。 脊髄損傷の原因 脊髄損傷の原因には様々なものがありますが、その原因が脊髄そのものにある場合と、脊髄の外にある場合の、大まかに二つに分けることができます。 ① 原因が脊髄そのものにある場合: 脊髄は様々な神経の束を含みますが、この神経の束を栄養する血管が詰まったり破れたりする病態をそれぞれ脊髄梗塞、脊髄出血などと呼びます。またHIVや梅毒など脊髄に感染を起こすものもあります。 さらに脊髄の栄養となるビタミンB12の欠乏症、脊髄腫瘍なども脊髄損傷を引き起こします。しかし、脊髄損傷の原因が脊髄そのものにある場合は稀で、ほとんどの場合は原因が脊髄の外にあります。 ② 原因が脊髄の外にある場合: 脊髄は脊椎とよばれる骨組織のなかに存在し、周囲は脊髄液と呼ばれる液体で満たされています。この脊椎周囲組織の感染や出血により、脊髄が外から圧迫されて脊髄損傷を起こすことがあります。 また、感染や出血以外にも椎間板ヘルニアや放射線、交通事故などの外傷により脊髄の外から脊髄に障害を引き起こすことがあります。 脊髄損傷の症状 脊髄損傷はその原因が様々であるのと同様に、その原因やダメージを受ける部位によって症状が大きく異なります。筋肉を動かす運動神経、触れている・熱い・冷たいなどを知覚する感覚神経といった神経の種類によって脊髄の中での分布が違います。 先に述べた脊髄そのものの原因により脊髄損傷が起きた場合にはこの脊髄の中の特定の領域が影響を受け、感覚のみが傷害される、運動のみが傷害されるといった神経の種類による障害が起きることがあります。 一方で、脊髄の特定の部位が損傷すると、脊髄の中での分布にかかわらず特定の部位の全ての種類の神経が障害されることがあります。その場合は、損傷部位より下に出ていくまたは損傷部位より下から入ってくる全ての神経の伝達が不可能になるため、下半身の運動・感覚など全てが障害を受けるいわゆる下半身不随などが起きることがあります。 脊髄損傷の治療法 脊髄損傷の治療は、その原因および目的によって多岐にわたります。今回の記事ではその治療法を、下記の3つに分けて解説します。 (1) 原因に対する治療 (2) 救命のための治療 (3) 障害の影響を減らすための治療 (1) 原因に対する治療 先に述べたように、脊髄感染症やビタミン欠乏、腫瘍などの原因がある場合はそれぞれに応じた治療を検討することになります。椎間板ヘルニアや血腫(血溜まり)・膿瘍(膿溜まり)などが原因の場合、脊髄の圧迫を減らすために手術で原因を除去することもあります。 (2)救命のための治療 頸髄など頭に近い部位の脊髄は、呼吸や血液循環など生命を維持するために必要不可欠な臓器を制御する神経を含んでいます。そのため、こういった部位で脊髄損傷が起きた場合、生命の維持が危機に晒されることになります。 その場合には原因の検索や治療に先行して、人工心肺・人工呼吸器などを使って生命の維持を目的とした治療を行うこともあります。 (3) 障害の影響を減らすための治療 最大限の治療を尽くしても、残念ながら障害が残ってしまうことがありますが、そういった場合でも、とても重要な治療があります。それがリハビリテーションを中心とした、障害とともに暮らしていくための治療です。 リハビリテーションを行うことで、障害を受けた機能をほかの機能で代替することができたり、行政や医療サポートを受けながら脊髄損傷を発症する前により近い生活を送ることができたりする可能性があります。 最後に・脊髄損傷とは、その症状と原因、治療法について 今回の記事では脊髄損傷とその症状および治療法について解説しました。 脊髄損傷と聞くと一般的には重篤な病態でしばしば身体障害を伴うなどのイメージがあると思いますが、実際にはその原因や治療法が多岐にわたることをご理解いただけたと思います。 そのため、個々の事例によって状況が大きく異なるため、より詳しく知りたい場合は既に受診している、または最寄りの医療機関に問い合わせることを推奨します。 No.071 監修:医師 坂本貞範 ▼ 脊髄損傷の再生医療|最新の幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脊髄損傷の新たな治療法として注目を浴びています
2022.06.24 -
- ひざ
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
膝の人工関節、手術を決断する前に知っておくべきこと 膝関節に変形や炎症が起きたりする病気があると、膝に人工関節を入れなくてはいけない状態になることもあります。膝の人工関節の手術をする決断する前に、手術の流れや合併症、手術に備えて準備するべきことなどを知ることは非常に大事です。 膝関節とは まず、膝関節とは何かについて述べていきます。膝関節は3つの骨で支えられています。太ももの骨である大腿骨と、すねの骨である脛骨、いわゆる膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨の3つです。 その3つの骨と、太ももの筋肉である大腿四頭筋と、膝の腱である膝蓋腱で膝関節をつくっています。これらの3つの骨と筋肉、腱が支え合うことで、私たちが、走ったり、飛んだり、座ったりするときに安定するようになっています。 膝関節の病気 膝関節の病気については様々なものがあります。変形性膝関節症、膝靭帯損傷、関節リウマチなど様々な病気があります。また、スポーツ外傷でも膝の慢性的な障害を起こしたりします。それらの病気の中で、変形性膝関節症や関節リウマチは、変形や炎症が強くなった時に、人工膝関節置換術という、人工関節のための手術を行う必要のある病気です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝が痛くなり水が貯まる病気です。最初は歩き始めに痛い程度ですが、徐々に階段を登ることが難しくなり、最終的には、休んでいる時も痛みが取れなくなるような病気です。 変形性膝関節症では、膝が変形して、伸ばすことができなくなります。変形性膝関節症の治療法は、症状が軽いうちは、炎症を抑える薬を飲んだり、膝関節にヒアルロン酸の注射をしたり、リハビリを行なったりします。しかし、重症になると、人工関節の手術をするか否かの選択が必要になります。 関節リウマチ 関節リウマチは、関節内にある『滑膜』とよばれる組織が、異常に増えることが原因で、関節の中に炎症が起きる病気です。関節リウマチでは身体の中のいろいろな関節が破壊されるので、膝だけでなく、手や足など様々な関節に変形を起こします。 関節リウマチの治療は、抗リウマチ薬や、炎症を抑える薬、免疫抑制剤、ステロイド剤などの薬を飲むことが一番大事です。お薬の治療に併用して、ヒアルロン酸の関節内注射やリハビリなどが行われることもあります。 関節リウマチも治療が遅れたりして重傷になると、人工関節のための手術を行うか同課の選択が必要になります。 膝の人工関節とは 膝の人工関節は、金属や、ポリエチレンやセラミックなどで作られます。変形性膝関節症や関節リウマチなどの病気で、変形し傷ついた膝関節を取り出して、手術によって膝用の人工関節を変わりに入れます。悪くなってた関節を置換えるイメージです。 この人工関節は、膝の動きを再現するために3つの部品から作られています。人工関節の3つの部品は、実際の膝を構成している3つの骨(大腿骨部、脛骨部、膝蓋骨部)の部分をそれぞれ担当しています。 膝の人工関節のための手術 膝の人工関節を入れるためには手術が必要です。手術が必要ということは、もちろん入院も必要です。昨今の新型コロナウイルスの関係で、入院生活は、家族や友人との面会が制限されているところが多いです。 入院前に入院生活のために必要な物品や、家族や友人との連絡手段を事前に決めておく必要があります。手術は全身麻酔をかけて眠った状態で行われます。そのため、麻酔から覚めて、目が覚めると手術が終わっている状態になります。 手術自体は、膝の皮膚を切り開いて、骨が見える状態になったら、器械を使って傷のある膝の部分を削り、人工関節の形に合わせて残りの骨の形を調整します。形の調整ができたら人工関節をはめ込みます。しっかりと固定できていることを医師が確認したら、縫い合わせます。 手術の傷口にたまった血液を出すための管を入れて傷口をふさぎ手術が終わります。手術の時間は、平均2−3時間程度のことが多いですが、もともとの病気や膝の状態に応じて手術の時間は変わってきます。 膝・人工関節の手術後 手術が終わればすぐに退院できるという訳ではありません。手術した関節を安定させるために、リハビリを開始します。リハビリは手術後の状態に応じて開始時期が異なりますが、早ければ手術翌日から段階的に始めることが多いです。 リハビリは、寝たまま膝を伸ばしたりして筋力をつけることから始まり、だんだんと平行棒などを使用したり、歩行器などで歩く練習などへと移行していくのが一般的です。 外来通院でリハビリを実施できる患者さんは退院が早くなりますが、外来に通院するのが難しい患者さんは、手術した病院からリハビリ専門の病院に転院してリハビリを行うことになります。 そのため入院期間は患者さんによって異なりますが、多くは2週〜4週くらいのことが多いです。 膝・人工関節手術の合併症 人工関節のための手術で一番気をつけなくてはいけないのが、手術した場所に悪い菌が感染することです。感染すると、腫れたり、発熱したりします。 手術した場所に感染が起きると抗生物質による治療が行われますが、多くの場合、再び手術のやり直しが必要になることがあります。そのほかには麻酔によるアレルギー反応や、手術によって身体が防御反応を示し、血液が固まりやすい状態になることから血栓症の心配もあります。 手術中はもちろん、手術後にじゃ身体を動かすことができないことから、血の流れが滞ることで静脈内に血栓という血液が固まったものができる事がああります。これが深部静脈血栓症です。この血の塊が血液の中に混じって肺へ移動することで、肺の血管を詰まらせることがあります。これを肺塞栓症といい、生命の危機にもかかわりかねないため注意が必要です。 その他、術後としては、人工関節のゆるみや、歩けるようになったことで逆に転倒し、脱臼や、その周りの骨を骨折するという心配もあります。もちろんこれらのリスクには予防法があります。手術に際しては主治医から説明を受け、十分に納得して挑んで頂ければと思います。 人工膝関節手術の一般的なリスク ・最近による感染症(抗生物質、再手術) ・麻酔によるアレルギー反応 ・肺塞栓症、深部静脈血栓症 ・人工関節は、緩むことがある ・転倒による脱臼や骨折の可能性 ・その他 まとめ・膝の人工関節、手術を決断する前に知っておくべきこと 人工関節のための手術のためには入院が必要です。入院期間は短くはなってきましたが1か月ほどは見ておきたいものです。また、手術を行うことによる合併症のリスクもあります。できれば膝に違和感を感じたり、痛みを感じるようになった時には早めにリハビリや投薬などの保存的治療を受けて手術を避けることが一番です。 ただ、既に症状が進んでしまった場合は、しっかりと説明を受けて納得して手術を受けましょう。近年は医学が発達、「再生医療」という新しい先端医療を選択できる道ができました。これ方法なら手術が不要で、入院も不要という興味深い方法です。 手術に不安をお待ちの方は、当院のような再生医療専門の医療機関に問い合わせてみても良いでしょう。いずれにしまして人工関節になると、元には戻せないだけによく理解してお取組みください。 また、昨今は新型コロナウイルスの関係で面会が制限されています。家族と会えない数週間は、患者さんにとって、とても寂しくつらい期間です。手術のために入院する患者さんは、家族や友人とビデオ通話ができるように準備などをしてのぞむのも一つ方法ではないかと思います。 以上、膝の人工関節、手術を決断する前に知っておくべきことについて記載させていただきました。参考にしていただけると幸いです。 No.070 監修:医師 坂本貞範 ▼ 再生医療が膝関節の治療を変える! 手術不要、入院も必要ない日帰りで治療する膝関節症の新たな選択肢、再生医療
2022.06.21