薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
インフォメーション
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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多自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
症例紹介
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- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
受傷後20年経過するも、投与直後から明らかな回復が! こちらの患者様は10代の頃、事故によって頸椎レベルでの脊髄損傷を受傷されました。受傷直後は四肢が完全に麻痺したそうですが、その後3年かけて松葉杖なしでの歩行が可能になるまで回復したそうです。しかしその後は現在まで麻痺の回復はなく、特に左半身の麻痺が強く残っており、左足を引きずって歩いています。 長い年月をかけてこれらの後遺症は受け入れることができるようになったそうですが、近年の再生医療の進歩が耳に入ってくるようになり、自分も再生医療を受けてみたいと当院を受診されました。 損傷した神経の回復は通常は1年もすれば止まり、それ以上は望めないと言われています。すなわち後遺症となって様々な症状が残ってしまいます。脊髄の損傷レベルによって症状は様々ですが、手足の運動麻痺、知覚麻痺、自律神経障害、排尿・排便機能障害などが残ってしまいます。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により、脊髄損傷の後遺症が回復した例が数多く報告され、脊髄損傷の後遺症で苦しむ患者様の希望の光となっております。私達は国内でいち早く脊髄損傷の後遺症への幹細胞治療に取り組みはじめ、現在では治療を受けていただいた患者様は数百人にも及んでいます。 患者様に選ばれる理由は、冷凍保存しない生き生きとしたフレッシュな細胞を使用することと、国内ではほとんど行われていない幹細胞の脊髄くも膜下腔内へ直接投与(脊髄腔内ダイレクト注射療法)していることであると考えています。 通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから当院では脊髄くも膜下腔への直接投与を行っております。投与された幹細胞は還流している髄液に乗って損傷した神経にたどり着くのです。 国への正式な届出が受理され、脊髄くも膜下腔内への幹細胞の直接投与が可能な施設は国内ではほとんどありません。 MRI初見 脊髄内に直接幹細胞を2回投与 脊髄くも膜下腔に2500万個細胞の2回投与を予定しました。 なんと、初回投与直後から明らかな神経麻痺の回復を認めました。 ・左手の握力が、投与前5㎏であったのが12kgに回復 ・左手関節に力が入るようになった ・左下腿の力も著名な回復を認めました ・左足に力が入るようになり、足を引きずって歩くことがなくなりました 神経の回復を諦めていた患者様に対して、もう1度希望を持ってもらえることができました。 脊髄損傷の後遺症の治療は整形外科領域では最も難しい領域ではありますが、脊髄損傷の後遺症で苦しまれている患者様のお力添えができるように今後も真摯に治療に取り組んでいきたいと思っております。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
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- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
日々、体の調子が良くなっているのを実感!気持ちも前向きに 80代男性 こちらの患者様は、左下肢の筋力低下による歩行のしづらさを訴えて受診されました。 患者様は過去に3回もの脊椎の手術を受けてこられました。20年前に頸椎の手術、2年前に胸椎と腰椎の手術を行いました。7,8年前から左脚を挙げる筋力の低下が出現、徐々に悪化し、歩容(歩く際の姿勢や歩幅)が悪くなってきたそうです。そのため2年前に腰椎と胸椎の手術を受けましたが、改善はみられなかったそうです。上位腰椎にも狭窄があるため、主治医からは4回目の手術を勧められているそうですが、3回もの手術を受けてきてその大変さは身に染みており、手術以外の治療法はないかとご自分で調べて当院を受診していただきました。 これまでは自分で何とかしようと週3回トレーニングジムに通い、筋トレや水中歩行を行っていたそうですが、改善は認めず落ち込んでいたそうです。80歳を超えるとただでさえ身体機能の維持が難しいのに脊髄に障害を抱えておられたら尚更のことと思われます。 現在の保険診療内では、神経機能回復を狙って手術を行った後に、回復が止まってしまった神経機能の回復を再び促す根本的な治療法は残念ながらありません。回復が止まった神経機能の回復を再び促す唯一の方法は「幹細胞治療」になります。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもっています。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから、当院では脊髄内への直接投与を行っております。もちろんその幹細胞の生存率も高くないといけません。当院では冷凍せず培養された幹細胞を生きたまま投与する手法で行っています。またご自身の細胞と血液を使用し、化学薬品のない無添加の幹細胞を投与することにこだわっています。このような幹細胞を作成できるのは国内では当院だけと自負しています。 MRI初見 受診時のMRIでは、頚髄の圧迫は20年前の手術で改善されていましたが、頚髄自体に輝度変化があり頸椎の手術までに頚髄へ相当なダメージがかかっていたことがうかがわれます。腰椎MRIでは上位腰椎の中等度の狭窄を認めました。 本来であれば幹細胞投与前に手術により物理的な神経の圧迫を解除した方が良いのですが、こちらの患者様の場合は圧迫が中等度であったことと頸髄の損傷が強かったことから、患者様がお困りになっている左下肢の筋力低下と歩容の悪化は頚髄由来の部分が大きいのではと考え手術より先に幹細胞投与をさせていただくこととしました。 脊髄内に直接幹細胞を3回投与 脊髄内に3回にわけて2500万個細胞ずつ、合計7500万個細胞を投与しました。 1回目の投与後直後から、左脚を挙げる筋力が投与前はMMT3(抵抗がなければ動かせる)であったのが、正常のMMT5(強い抵抗に打ち勝って動かせる)まで明らかな改善を認めました。 トレーニングジムでのトレーナーさんから、水中歩行時の姿勢が良くなっていると褒められたそうです。 患者様からは「日々、自分の体の調子が良くなっているのを実感しており。前向きに物事を考えられるようになった。」と話していただけました。幹細胞が脊髄神経のみならず脳神経にも良い影響を与えて前向きになれたのか、体の調子が良くなっていることがうれしくて前向きになれたのかは、はっきりしません。しかし幹細胞投与によって患者様の身体機能のみでなく、精神面にも良い影響を与えられたのは事実であり、それを思うと大変うれしい気持ちになりました。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000542 再生医療医師監修:坂本貞範
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- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
両脚の触った感覚が良くなり、尿意と便意がわかるように 60代男性 こちらの患者様は、1年前に両脚に力が入らなくなりました。 3か月経過する頃には両脚は完全麻痺の状態となってしまい、この時点で初めて診断がつきました。診断名は「胸髄内血腫」です。何かのはずみに胸髄内の血管が破綻し、血腫ができてしまったものと推測されますが、脊髄内の血腫は非常に珍しいものと考えます。 整形外科の医師の間で手術で血腫を取り除くかどうか、このまま経過をみるか検討がなされたそうです。手術の際、胸髄を分け入って血腫を取り除かないといけないため、手術操作による神経損傷が起こり症状がより悪化してしまう可能性があるとのこと。それに加え血腫ができてすでに3か月が経過しているため、無事に血腫を取り除けたとしても神経の回復が望めない可能性が高いと、その時は手術は行われませんでした。 しかし神経症状の回復兆しが一切ないことから、さらに3か月経過してから血腫除去の手術を受けることとなりました。手術で無事血腫は取り除かれ大腿部と下腹部に少し力が入るようになりましたが、リスクを取って手術を受けたのに期待していたほどの回復はなく落ち込まれたそうです。尿意が全く感じられないため自己導尿が必要とのことでした。 現在の保険診療内では、神経の物理的な圧迫を取り除く手術を行っても、神経機能の回復がみられなかった方への根本的な治療法は残念ながらありません。手術がもっとも侵襲的であり治療効果が見込める最終手段となっているのです。しかし近年、幹細胞治療によりそういった状況に陥った方でも神経機能の回復が見られる症例が多数報告されるようになりました。当院でも神経損傷の幹細胞治療の黎明期から苦しんでいる患者様の手助けをしたいとの思いで積極的に取り組んできました。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもって治療に取り組んでいます。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから、当院では脊髄内への直接投与を行っております。脊髄内への直接投与は、国へ正式な届出をし受理されている病院はほとんどありません。さらに当院では数百例という圧倒的に症例数を誇っており、様々な病状に応じた治療が可能となっているのが特徴となります。 MRI初見 前医での手術前のMRIでは第8胸椎レベルの脊髄内に血腫を認めます。血腫除去術の手術後のMRIでは血腫は取り除かれていることがわかります。 脊髄内に直接幹細胞を2回投与 脊髄内に2500万細胞を合計2回投与しました。 両脚の麻痺にはほとんど変化は認めませんでしたが、患者様からは「両脚の触った感覚が良くなった。尿意と便意がわかるようになった。」と確かな神経の回復を感じていただくことができました。 この結果は脊髄内に幹細胞を投与したのみでは得られなかったと思っています。神経を損傷してしまうリスクを覚悟で、手術していただき血腫による胸髄の物理的な圧迫を取ってくださった執刀医のおかげだとも思っています。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000561 再生医療医師監修:坂本貞範
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- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
投与後数日でしびれ・尿漏れ改善!多くの驚きの変化! こちらの患者様は、4か月前に受けた腰椎椎間板ヘルニア手術の後遺症のために当院を受診していただきました。 手術前の症状は右足の知覚異常と足趾の屈曲障害だけでしたが、術前にはなかった左足のしびれ、歩行障害、下肢の重だるさ、尿漏れが、術後に出現したとのことでした。特に手術直後には左下肢を全く動かすことができなくなり、大変不安な思いをしたそうです。術後数日からは徐々に左足に力が入るようになってきたそうですが、いまだに左大腿部に力が入りにくいと自覚があり、歩行時には足元を見ながらでないと不安で歩けないとのことでした。 執刀医に再度MRI検査をしてもらったところ、術前にあった腰椎椎間板ヘルニアは綺麗に取れていたそうですが、新たに中枢の方で脊柱管の狭窄が見つかったそうです。そのため当院での再生医療を受けても症状が改善しない場合には同部位の手術を勧められているとのことでした。 全国で年間何万もの脊椎の手術が行われていれば、こちらの患者様のように術後予期せぬ症状に苦しめられる方がどうしても出てき てしまいます。保険診療内での治療と言えば、リハビリや投薬、はたまた神経機能の自然回復を祈るしか手立てはありません。神経機能の自然回復も1年も経過すると期待できなくなるのが事実です。 損傷した神経の回復を促す方法の一つに「幹細胞治療」があります。当院ではこういった脊椎の手術後の合併症に苦しむ多くの患者様に幹細胞投与を行い、満足のいく成果を上げてきた数百以上の実績があります。そして、当院では生きた細胞を無添加で培養することで、他よりも強く安全な幹細胞を作ることにこだわっていま す。 幹細胞の投与は早ければ早いほど効果を発揮することがわかっていますので、初診後すぐに治療に取り掛かりました。 MRI初見 脊髄内に直接幹細胞を2回投与 脊髄内に2回に分けて2500万個細胞ずつ、合計5000万個細胞と1億細胞を点滴投与しました。 1回目の投与後数日で、困難であった階段昇降ができるようになり、左足のしびれが改善 し、尿漏れの改善もみられました。 2回の投与終了後2か月で、投与前は両脚挙げはやっとで きるほどの筋力だったのが、抵抗を加えても楽に挙げられるようになりました。そのため歩行は安定し足元を見なくても不安なく歩けるようになったと喜んでいただけました。 幹細胞治療の確かな効果を実感していただいたため以前から不安のあった両膝の痛みに対しての幹細胞治療も受けていただけることとなりました。また、椎間板ヘルニアの手術をしてくださった先生も、再手術よりも先に幹細胞治療をした方がいいよと患者様に勧めていただいていました。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE こういった事実は幹細胞治療の効果が世の中に広く浸透してきた表れだと自負しており日々の診療の励みになっています。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID 000963 再生医療医師監修:坂本貞範
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スタッフブログ
トピックス
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- 手部、その他疾患
- 手部
関節が腫れてしこりができると、痛みや不便さを感じるだけでなく「ガン(悪性腫瘍)なのでは?」と心配になりますね。 関節にしこりができる可能性がある病気は、ガングリオンのほかに粉瘤(ふんりゅう)や脂肪腫(しぼうしゅ)、悪性の腫瘍などが考えられます。ガングリオンも悪性の腫瘍も見た目はよく似ていますが、見分けるポイントがあるので、知っておくと安心です。 今回の記事では、ガングリオンの特徴や悪性腫瘍との見分け方、診断から治療までのプロセスなど、詳しく解説します。 関節にしこりができて不安な方は、ぜひ最後までお読みください。 ガングリオンと悪性腫瘍を識別する ガングリオンは、関節にできた「こぶ状に膨らんだしこり」で、基本的には治療の必要はありません。しかし、まれに「ガングリオンだと思っていたらガンだった」というケースがあります。しこりがガングリオンなのか別の病気なのか、違いを認識できれば受診のタイミングを決めるときに役立つでしょう。 ここでは、ガングリオンという病気の基本情報と症状、悪性の腫瘍との違いについて解説します。 ガングリオンの基本情報と一般的な症状 ガングリオンとは、一般的に関節の周囲に発生する「こぶ状に膨らんだしこり」です。 手首の甲が最もできやすく、次に手のひら側の指の付け根が好発部位とされています。そのほか、足首や肘、肩など、全身の関節にできる病気です。しこりのなかにはゼリー状の液体が入っています。大きさはさまざまで、米粒ほどの大きさからピンポン玉やウズラの卵ほどの大きさになるケースもあります。 ガングリオン自体、痛みやかゆみは無く、膨らんだしこりができる以外の症状はありません。しかし、大きくなると血管や神経を圧迫し、痛みやしびれがあらわれる場合があります。また、しこりが邪魔をして関節を動かしにくくなり、不便さを感じる場面もあるでしょう。たとえば、手首にできたしこりが大きく、「細身の長袖シャツや手首の辺りがすぼんでいる服が着にくい」や「ブレスレッドや腕時計がつけにくい」などの影響が考えられます。 もちろん痛みがある場合は治療の必要性は高いですが、痛みがない場合でも日常生活への影響を考えて、治療が必要なケースがあります。 悪性腫瘍の警告サインと見分け方 ガングリオンと悪性の腫瘍には、以下のような特徴があります。また、触った感じやしこりの特徴の違いも見分けるポイントです。 ガングリオン 悪性の腫瘍 触った感じ • やわらかく弾力がある • 触っても痛くない場合がある • 硬くゴツゴツしている • 触ると痛みがある しこりの特徴 • 大きくなったり小さくなったりを繰り返す • しこりはゆっくり大きくなる • 自然に消失する場合がある • 急速に大きくなる • 自然に小さくはならない • しこりが周りと遊離して動く これらの特徴は、見分けるポイントにはなりますが、自己判断は危険です。関節のしこりに気づいたら、早めに医療機関を受診し、診察をしてもらいましょう。 手首の腫れの原因を正確に理解する 手首や指、足首など、関節にガングリオンはできやすいですが、なぜ発症するのか、原因については詳しく解明されていません。しかし、メカニズムやリスク要因など、わかっている部分もあります。 ここでは、ガングリオン形成のメカニズムやリスク要因、悪性腫瘍の発生について解説します。 ガングリオンの形成メカニズムとリスク要因 ガングリオンの発生は、以下の2つの組織から発生します。 ・関節包(かんせつほう)と呼ばれる「関節を包む袋状の膜」 ・腱鞘(けんしょう)と呼ばれる「腱を包む鞘状の組織」 これらの組織につながり形成されたガングリオンの袋のなかに、関節液が溜まります。それが、濃縮しゼリー状に固まったものがガングリオンです。 20代~50代の女性に発症しやすいとされていますが、男性でも発症するケースはあります。また、手や関節をよく動かす方に発症しやすいというわけでもありません。 ただし、ガングリオンができている関節を動かし過ぎて負担が強くかかると、しこりが大きくなるといわれています。しこりがある関節の使いすぎには気をつけましょう。無理はせず、適度に休ませるよう意識してくださいね。 悪性腫瘍発生の背後にある生物学的プロセス 関節にしこりができて腫れている場合、脂肪腫(しぼうしゅ)や粉瘤(ふんりゅう)などガングリオン以外の病気も否定できませんが、どちらも良性腫瘍です。ガングリオンも良性腫瘍のため、ガン化はしません。「ガン化しない」と聞いても、やはりしこりができていると心配になりますね。 万が一、悪性の腫瘍が考えられる場合、以下のような特徴があらわれます。 ・大きくなるスピードが速い ・押すと痛みが強い ・触ると硬い ・表面がゴツゴツしている これらの症状がないか、チェックしてみましょう。悪性だった場合、様子をみている間に病状が進行してしまいます。「ガングリオンかも」と思っていても、上記の症状やほかにも心配なことがある場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。 診断から治療までのステップ 手首にガングリオンができた場合、痛みやしびれ、関節の動きに支障がなければ、治療をせず様子をみるケースがほとんどです。しかし、日常生活に支障が出ると不便ですよね。そのような場合には治療をおこないます。 ここでは、ガングリオンの診断や治療はどのようにおこなわれるのか解説します。 正確な診断を得るための医療テストとプロセス 正確な診断をするために、問診や触診、視診、検査などは欠かせません。問診や触診、視診の結果、ガングリオンの可能性が高ければ、注射器でしこりの中身を吸引します。ゼリー状の内容物が出てくれば、ガングリオンと診断します。 しこりが小さいものや、表面ではなく外側から触れにくい奥の位置にできたものは、診断しにくいため検査が必要です。MRI検査や超音波検査をおこない、内容物の確認をします。これらの検査は、ガングリオンの診断だけでなく、ほかの病気との鑑別にも有用です。 有効な治療オプションと患者への影響 ガングリオンの治療は、主に保存的療法と外科的療法の2つです。 <保存的治療法> ・注射器で内容物を吸引し排出する ・外来でできる処置のため侵襲が少ない ・ガングリオンの袋は残るため再発の可能性がある <外科的治療法> ・手術でガングリオンを袋ごと取り除く ・術後は創部を保護し部位によっては固定が必要 ・術後リハビリが必要なケースもある ・麻酔をして切開をするため保存的療法より負担が大きい ・ガングリオンの袋ごと摘出するため再発の可能性は低い どちらの方法でも再発の可能性はゼロではないため、治療後も注意が必要です。一般的に、まずは保存的治療をおこない、再発を繰り返す場合には外科的治療が検討されます。 万が一、ガングリオンではなくガンだった場合には、以下のような方法で治療をおこないます。 ・手術療法 ・化学療法(抗がん剤治療) ・放射線療法 ガンの進行具合にもよりますが、これらの治療方法を組み合わせて治療を進めていきます。 長期的管理と予防策 ガングリオンは、治療をしても再発を繰り返すケースがあります。「できれば再発を抑えたい!」と考える人が多いでしょう。治療後の再発を防ぐため、ここでは日常生活でできる対策や定期的なチェックの方法を解説します。 また、しこりができたときに「ガングリオンの再発かな?」と安易に考えていると、ガンだった場合に治療開始が遅れる可能性があります。ガングリオンとガンの違いをチェックし、心配な場合は早めの受診をおすすめします。 再発を防ぐための日常生活での対策 治療をおこなった後は、まずは患部を安静にして過ごしましょう。痛みやしびれ、関節の動きにくさなどがなくなると、つい普段通りの生活をしてしまいますね。しかし、患部に負荷がかかることで、関節液が再び漏れだす可能性があり、再発のリスクが高まります。 治療後は、しばらく患部を動かしすぎないようにし、安静が必要です。ついつい動かし過ぎて負担をかけてしまう方は、関節の負担を和らげるサポーターを活用してみましょう。安静の期間や程度は、ガングリオンの大きさやできる関節、治療法によっても異なります。 治療をおこなった医療機関の医師の指示に従いましょう。 定期的な健康チェックの重要性と方法 ガングリオンは、発症の原因もはっきりと解明されていませんが、再発の原因もわかっていません。そのため、ガングリオンが再発をしていないか確認しましょう。また、ガンではないことを確認するために、日常的に以下のようなチェックをしておくとよいでしょう。 ・しこりの有無 ・痛みやしびれ、違和感の有無 ・関節の動き ・しこりの硬さや表面の感触 ・しこりの成長スピード 少しでも「おかしいな?」「ガングリオンじゃないかも?」と感じたら、ガンの可能性も考え早めに受診しておくと安心です。 まとめ ガングリオンは手首や指の関節にできやすい良性の腫瘍です。支障がなければ、治療をせず放置しても問題ありません。しかし、しこりが大きくなり血管や神経の圧迫をすると、痛みやしびれの原因になります。 また、関節を圧迫すると、手や指が動かしにくくなるため、日常生活に影響が出ます。そのような症状が出るようになれば治療が必要だととらえましょう。 ガングリオンと悪性の腫瘍には、特徴に違いがあるためポイントを押さえれば区別できる場合もあります。しかし、ガングリオンだと自己判断するのは危険です。手首にしこりができた場合には、一度医療機関で診察を受けておくと安心でしょう。 監修:医師 加藤 秀一 参考文献 日本整形外科学会,症状・病気をしらべる,軟部腫瘍 日本整形外科学会,症状・病気をしらべる,ガングリオン 鳥取県医師会,健康ア・ラ・カルト,骨・関節・筋肉, ガングリオン 日本手外科学会,手外科シリーズ,ガングリオン Medical Note,ガングリオン 日本手外科学会,手外科シリーズ,手の手術を受けられた方へ
最終更新日:2024.09.12 -
- 内科疾患、その他
- 内科疾患
「痛風と診断されたけど、どのような食事をすればいいの?」「家族の食事にも配慮しないと…」 このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 痛風の予防やコントロールには、適切な食事を摂ることが重要です。しかし、具体的にどのような食材を選び、どうバランスを取ればよいのかわからない方も少なくありません。 今回は、痛風対策に効果的な食事法について詳しく解説します。尿酸値を下げる食材の選び方、避けるべき食品、一日の食事プランなどについても紹介しています。 痛風の悪化を防ぎつつ、ご家族の健康も考えた食生活を送る参考になれば幸いです。 痛風と食事の関係 痛風の発症や悪化には、日頃の食生活も大きく影響しています。とくに、プリン体を多く含む食品の過剰摂取は要注意です。ここでは、痛風と食事の関係について解説いたします。 痛風発症と食生活の因果関係 痛風は、体内で作られた尿酸という物質が、腎臓から十分に排出されないために血液中に蓄積し、発症します。尿酸は、プリン体という物質が体内で分解されることで生成されます。 食事から多く摂取すると尿酸の生成量がさらに増加してしまいます。つまり、プリン体を多く含む食品を取りすぎると、尿酸の生成が増え、痛風発作のリスクが高くなるのです。 健康な成人男性の尿酸の1日生成量は約1,000mgといわれています。プリン体の摂取量が多いと、この尿酸の生成量がさらに増加してしまいます。そして、血液中の尿酸値が1dLあたり7.0mg以上になると、痛風発作のリスクが上昇しやすいのです。 つまり、普段の食生活が痛風の発症と深く関係しているといえます。 痛風悪化のリスクを高める食品 痛風のリスクを高める代表的な食品は、以下の通りです。 肉類(とくにレバー、内臓肉など) 魚介類(とくにイワシ、サンマ、カツオなど) ビールなどのアルコール飲料 果糖の多い清涼飲料水 前述の食品に多く含まれるプリン体が体内で分解されると、尿酸が生成されます。たとえば、レバー100gあたりのプリン体含有量は約400mgで、他の食品と比較すると高い値です。また、アルコールは尿酸の排泄を妨げる作用があるため、痛風のリスクを高めます。ビール1缶(350ml)を飲むと、血中尿酸値が約0.5mg/dL上昇すると言われています。 さらに、果糖は他の糖類と比べて尿酸値を上昇させる作用が強いとされています。したがって、痛風の方は、これらの食品の摂取を控えることが重要です。 痛風の予防のためには、バランスの取れた食事を心がけ、プリン体の過剰摂取を避けることが大切です。プリン体を多く含む食品を控えめにし、十分な水分を摂取して尿酸を排出しやすくすることが有効です。また、適度な運動を行うと、体重管理や代謝の改善につながり、痛風のリスクを下げることができるでしょう。 痛風に良い食材とは? 痛風の食事療法では、プリン体の摂取を控えることが大切ですが、すべての食品を制限する必要はありません。痛風患者さんでも比較的食べてもよいとされる食材があります。これらの食材は、プリン体が少なく、痛風の改善に役立つ栄養素が豊富に含まれています。ここでは、そのような食材について紹介します。 尿酸値を下げる食材の選び方 痛風対策の食事では、プリン体の少ない食材を中心に選ぶことが大切です。具体的には、野菜類、果物類、低脂肪乳製品、全粒穀物などが推奨されます。これらの食材を中心とした食事は、尿酸値を下げ、痛風発作のリスクを減らすのに役立ちます。 推奨される食品とその理由 以下の表は、痛風の方に推奨される食品とその理由です。 食品 理由 含有量の例 ・キウイフルーツ ・オレンジ ・さくらんぼ ビタミンCが豊富で、尿酸の排泄を促進 100g当たりのビタミンC含有量 ・キウイフルーツ約90mg ・オレンジ約50mg ・さくらんぼ約10mg 低脂肪乳製品 ・プリン体が少なく、カルシウムが豊富 ・カルシウムは尿酸の排泄を促進 100g当たりのカルシウム含有量 ・低脂肪牛乳約120mg ・ヨーグルト約110mg 全粒穀物 ・ビタミンB群が豊富で、プリン体代謝を助ける ・食物繊維が豊富で、便通を改善 玄米100g当たりのビタミンB1含有量:約0.4mg 大豆製品 ・プリン体含有量が低く、尿酸値を上げにくい ・良質なタンパク源で、動物性タンパク質の代替に適している ・イソフラボンが豊富で、抗酸化作用がある ・木綿豆腐100g当たりのプリン体含有量:約6mg ・納豆50g当たりのプリン体含有量:約約18〜22.5mg 注意:納豆は栄養価が高いですが、プリン体含有量も無視できません。適量を守りましょう これらの食品を上手に取り入れることで、痛風患者さんでも栄養バランスの取れた食生活を送ることができます。ただし、どのような食品でも食べ過ぎは避けるべきです。個人差があるため、医師や管理栄養士との相談の上、自分に合った食事療法の実践が大切です。 痛風に悪い食品を避ける方法 痛風の予防と管理には、プリン体の多い食品を避けることが欠かせません。プリン体含有量が100gあたり200mg以上の食品は、とくに痛風のリスクを高める可能性があります。ここでは、制限が必要な食品と、その代替案について見ていきます。 プリン体が多い食品の一覧と代替案 以下の表は、プリン体を多く含む食品と、その代替案をまとめたものです。痛風患者は、これらの高プリン体食品を控え、代わりに低プリン体の食材の選択を意識するのが大切です。 高プリン体食品 プリン体含有量 (mg/100g) 低プリン体の代替案 レバー 300-600 大豆製品(豆腐、納豆など) イカ、タコ 200-300 白身魚(タラ、カレイなど) カツオ、マグロ 200-400 青背魚(サバ、アジなど) 鶏肉の皮 200-300 鶏むね肉(皮なし) ビール 10-20 (100ml当たり) ノンアルコールビール 前述した食品を控える代わりに、大豆製品、白身魚、野菜中心の食事に切り替えるのがよいでしょう。 大豆製品は良質なタンパク質源で、プリン体が少なく、豆腐100gあたりのプリン体含有量は約50mgです。また、野菜は尿酸値を下げる働きがあるビタミンCが豊富に含まれています。 アルコールと痛風の関係 アルコールは尿酸の排泄を阻害し、体内の尿酸を増加させます。とくにビールは、アルコールに加えてプリン体も含むため、尿酸値を上昇させる作用が強いのです。ビール大瓶1本(633ml)には約100-200mgのプリン体が含まれており、これは高プリン体食品とされる量です。 痛風患者は可能な限りアルコールを控え、どうしても飲む場合は、ビールではなく、ワインや焼酎などのプリン体を含まない酒を選び、適量(1日平均純アルコール20g程度)を心がけましょう。 実践!痛風対策のための一日の食事プラン ここでは、痛風患者におすすめの一日の食事プランを紹介します。家族の健康も考慮しながら、バランスの取れた食事を心がけましょう。 朝食:痛風に優しいメニューの提案 忙しい朝でも、簡単に作れて栄養バランスの取れたメニューを選ぶと続けやすいでしょう。 メニュー 材料 全粒粉トースト+野菜スープ 全粒粉パン、野菜(お好みで)、コンソメなど オートミール+低脂肪ヨーグルト+フルーツ オートミール、低脂肪ヨーグルト、お好みのフルーツ 豆乳スムージー+ビタミンCの多い果物 豆乳、バナナ、ビタミンCの多い果物(キウイ、オレンジ、イチゴなど) 朝の忙しい時間帯でも、これらのメニューなら短時間で準備できるでしょう。全粒粉トーストと野菜スープ、オートミールとヨーグルト、豆乳スムージーなど、痛風の方に適したメニューといえます。 昼食と夕食:家族も喜ぶ健康的な選択 家族みんなで楽しめるような、バランスのよい食事の例を紹介します。 メニュー 材料 茶わん蒸し+野菜サラダ+玄米ご飯 卵、だし汁(干ししいたけや玉ねぎなど)、野菜(レタス、きゅうり、トマト、にんじん、ブロッコリーなど)、玄米など 豆腐ハンバーグ+蒸し野菜+キノコスープ 豆腐、ひき肉、野菜、キノコ、だし汁など さわらの塩焼き+野菜炒め+もずく酢 さわら、野菜、もずく、酢など 低プリン体の食材を使った、栄養バランスの取れたメニューを揃えました。茶わん蒸しや豆腐ハンバーグなど、家族みんなが喜ぶ献立でしょう。 痛風の方も、おいしく食事を楽しみながら、健康管理がしやすいです。 家族の好みに合わせつつ、プリン体の少ない食材を使ったメニューを心がけましょう。 表に挙げたメニューは、プリン体が比較的少なく、痛風患者に適していると考えられます。しかし、個人差があるため、自分の尿酸値や体調に合わせて、医師や管理栄養士に相談しながら、食事プランを調整することが大切です。 痛風の食事療法は、バランスの取れた食生活が基本です。毎日の食事で、プリン体の少ない食材を選び、野菜や果物、低脂肪乳製品などを積極的に取り入れることで、尿酸値をコントロールしつつ、家族みんなで健康的な食卓を囲むことができるでしょう。 食生活の習慣改善とその効果 痛風の予防と管理には、継続的な食生活の改善が欠かせません。ここでは、食事の管理がもたらす長期的な効果と、合わせて実践したい生活習慣の改善策を紹介します。 食事の管理がもたらす長期的な健康効果 適切な食事療法を継続することで、以下のような長期的な健康効果が期待できます。 健康効果 詳細 尿酸値の低下 プリン体の摂取量を1日400mg以下に抑えると、尿酸値が低下する可能性があり、痛風発作のリスクを減少させる可能性がある 尿酸排泄の促進 十分な水分摂取により、尿酸の排泄を促すことができる。また、ビタミンCには尿酸排泄を促進する可能性がある 腎機能の保護 高尿酸血症が長期間続くと、腎臓に負担がかかり、腎機能が低下する可能性がある。適切な食事療法により尿酸値をコントロールすることで、腎機能の保護につながる可能性がある 尿路結石の予防 高尿酸血症は尿路結石の危険因子の一つである。十分な水分摂取と適切な食事療法により、尿路結石のリスクを下げやすい 腎臓病と尿路結石は、痛風患者にとって重要な合併症であり、食事療法はこれらの予防にも役立ちます。 ただし、腎臓病や尿路結石がある場合の具体的な食事指導は、病状に応じて個別に行う必要があります。医師や管理栄養士と相談しながら、適切な食事療法を実践することが大切です。 痛風予防のための追加の生活改善策 食事療法と合わせて、以下のような生活習慣の改善策を実践することが重要です。 生活習慣 改善策 運動不足 1回30分以上の中等度の運動(早歩きなど)を週5回、または1回20分以上の高強度の運動を週3回行うことを目標とする。適度な運動は尿酸値を下げ、血行を促進する効果が期待できる 喫煙 禁煙する。喫煙は尿酸値を上昇させる要因の一つであり、禁煙により尿酸値が0.5~1.0mg/dL程度の低下が期待できる 肥満 BMIを25未満に維持することを目標に、適正体重の維持に努める。肥満は尿酸値を上昇させる要因の一つである まとめ・生活全般を見直して痛風対策を! 生活全般を見直し、健康的な習慣を身につけていきましょう。 痛風の予防と管理に食事が果たす役割は非常に大きいといえます。プリン体の多い食品を控え、尿酸値を下げる食材を積極的に取り入れましょう。 そして家族の健康も考慮しながら、バランスの取れた食生活を実践することです。これらを継続的に行うことで、痛風の悪化を防ぎ、健やかな毎日を送ることができるはずです。 50歳をすぎると、痛風のリスクが高まります。仕事や家庭の責任を果たしながら、自分の健康管理を怠りがちになることもあるでしょう。しかし、食生活の改善は、あなたの健康を守る確かな一歩となります。専門家のアドバイスを参考に、家族の理解と協力を得ながら、無理のない範囲で食事の改善に取り組んでいきましょう。 痛風と向き合う日々は決して楽ではないかもしれません。しかし、正しい食の選択を心がけることが、あなたの健康を守る確かな一歩となるでしょう。ご家族の健康も考えながら、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 千葉県栄養士会,健康を考える皆さまへ,痛風の予防と食事 東京都立病院機構,高尿酸血症・痛風の食事,高尿酸血症・痛風とは 順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部,高尿酸血症・痛風の食事療法 e-ヘルスネット,アルコールと高尿酸血症・痛風 e-ヘルスネット,高尿酸血症 e-ヘルスネット,高尿酸血症の食事 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病,高尿酸血症/痛風 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病の調査・統計,高尿酸血症/痛風 e-ヘルスネット,プリン体
最終更新日:2024.09.09 -
- 上肢(腕の障害)
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- スポーツ外傷
「脛に痛みを感じるようになり、ランニングが辛くなってきた」「疲労骨折かもしれないと思うけど、どのくらい休めば治るの?」 このような悩みを抱えるランナーは少なくありません。疲労骨折は、ランニングを楽しむ上で大きな障害となります。適切な治療と予防策を理解することが、健康的なランニングライフを送るために不可欠です。 この記事では、疲労骨折の原因や症状、自然治癒のプロセス、そして予防策について詳しく解説します。正しい知識とケアを通して、疲労骨折を乗り越え、ランニングを楽しみ続けるための参考になれば幸いです。 疲労骨折の理解 疲労骨折は、繰り返しのストレスによって骨に微小な亀裂が生じる状態を指します。 まずは、疲労骨折の原因と症状を解説します。 疲労骨折の原因と典型的な症状 疲労骨折は、以下のような要因が重なると発生しやすくなります。 ・急激なトレーニング量の増加 ・不適切なランニングフォーム ・硬いランニングサーフェス ・足に合わない靴の使用 ・骨密度の低下 疲労骨折の症状は、以下のようなものがあります。 症状 説明 運動時の痛み 特に、特定の部位の痛み 安静時の痛みの持続 休んでいても痛みが続く 腫れや圧痛 患部が腫れたり、押すと痛みを感じる 皮膚の発赤や熱感 患部の皮膚が赤くなったり、熱を持つ これらの症状が継続する場合は、疲労骨折の可能性が高いと考えられます。 疲労骨折の診断プロセス 疲労骨折の診断は、以下のようなプロセスで行われます。 診断手順 内容 問診 症状や発症時期、トレーニング状況などを詳しく聴取 身体診察 圧痛や可動域制限、腫れなどを確認 画像検査 X線検査、MRI検査、骨シンチグラフィなど 早期の疲労骨折では、X線検査で異常が見つからない場合があります。 一方で、MRI検査や骨シンチグラフィは、より早期の段階で診断が可能といわれています。 自然治癒のプロセス 多くの疲労骨折は、適切な休息とケアにより自然治癒が期待できます。ただし、骨折の部位や重症度によって、治癒に必要な期間は異なります。 自然治癒に必要な条件と推奨される休息期間 多くの疲労骨折は、適切な休息とケアにより自然治癒が期待できます。ただし、骨折の部位や重症度によって、治癒に必要な期間は異なります。 自然治癒に必要な条件と推奨される休息期間 疲労骨折の自然治癒には、以下の条件が必要です。 ・十分な安静と休息 ・患部への負荷の回避 ・適切な栄養摂取 一般的に、疲労骨折の自然治癒には6~8週間程度の休息期間が推奨されます。ただし、骨折の部位や重症度によって、必要な期間は異なります。医師の指示に従って、適切な休息期間を設けることが大切です。 サポートとしての栄養と補助的治療 自然治癒を促進するためには、適切な栄養摂取が重要です。以下のような栄養素が骨の健康維持に役立ちます。 栄養素 食べ物 カルシウム ・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど) ・小魚(しらす、小あじなど) ・大豆製品(豆腐、納豆など) ・緑黄色野菜(小松菜、ブロッコリーなど) ビタミンD ・魚(鮭、さんま、いわしなど) ・きのこ類(しいたけ、まいたけなど) ・卵黄 タンパク質 ・肉類(鶏肉、豚肉、牛肉など) ・魚介類(鮭、まぐろ、えびなど) ・大豆製品(豆腐、納豆、油揚げなど) ・卵 ・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど) これらの食べ物を適切に組み合わせて摂取することで、骨の健康維持に必要な栄養素を効果的に補えられるでしょう。 また、補助的治療として、以下のようなものがあります。 治療法 種類 効果 アイシング - 痛みと腫れの緩和に効果的 物理療法 電気刺激療法 痛みの軽減と筋肉の緊張緩和 超音波療法 骨の治癒を促進する可能性あり マッサージ療法 血行促進と筋肉の緊張緩和 ストレッチング 関節可動域の維持と筋力低下の予防 運動療法 筋力強化と関節機能の回復 これらの補助的治療は、医師や理学療法士と相談しながら取り入れるのが良いでしょう。 治療期間の詳細 疲労骨折の治療期間は、骨折のタイプや部位によって異なります。ここでは、様々な疲労骨折のタイプと、それぞれの治療期間の目安を紹介します。 様々な疲労骨折タイプと治療期間の比較 以下は、代表的な疲労骨折のタイプと治療期間の目安です。 骨折のタイプ 治療期間の目安 脛骨(シンスプリント) 4~8週間 中足骨 6~8週間 大腿骨頸部 8~12週間 腰椎 6~12週間 ただし、これらは一般的な目安であり、個人差があります。治療期間は、症状の改善具合や画像検査の結果を見ながら、医師が判断します。 早期回復を支援するためのリハビリテーション技術 疲労骨折の回復を早めるためには、適切なリハビリテーションが重要です。リハビリテーションは、必ず医師の許可を得てから開始し、理学療法士の指導のもとで段階的に進めていきます。骨折部位のリハビリには特に注意が必要です。 種類 目的 具体的な方法(例) 注意点 段階的な運動負荷 徐々に運動量を増やしていく ・低強度から開始し、耐久性をつける ・痛みに注意しながら、負荷を徐々に上げる 骨折部位に過度な負荷をかけないよう、医師の指示に従う 全身的な筋力トレーニング 骨折部位周辺および全身の筋力維持・強化 ・体重負荷や抵抗運動を取り入れる ・患部周辺の筋肉だけでなく、全身の主要な筋群をトレーニング ・コアスタビリティトレーニング(体の中心部の筋肉を鍛える運動)の導入 骨折部位の筋力トレーニングは、完全に治癒するまで控える 関節可動域訓練 関節の柔軟性維持 ・ストレッチや筋緊張の緩和を促す ・患部の関節および全身の主要な関節を動かす運動 骨折部位の関節は、医師の許可があるまで動かさない バランス訓練 再発予防とパフォーマンス向上に有用 • 片脚立ちや不安定な面(例:バランスボール)での立位保持 ・動的なバランス運動 ・プロプリオセプション(体の位置感覚)トレーニング 骨折部位に体重をかけない方法から始める 代償動作の修正 不適切な動作パターンの改善 ・歩行分析と修正 ・日常生活動作の評価と指導 骨折部位を保護しながら行う このアプローチにより、骨折部位を適切に保護しつつ、全身のコンディショニングと再発予防に焦点を当てたリハビリテーションが可能となります。常に無理のない範囲で、徐々に活動レベルを上げていくことが大切です。痛みがある場合は必ず中止し、医師に相談してください。 日常生活での予防と管理 疲労骨折を予防し、再発を防ぐためには、日常生活での適切な管理が欠かせません。トレーニング方法の見直しとライフスタイルの調整が重要です。 予防策:適切なトレーニング方法と負荷管理 疲労骨折を予防するためには、以下のようなトレーニング上の工夫が有効です。 ・徐々にトレーニング量を増やす(週10%以下の増加が目安) ・十分なウォームアップとクールダウンを行う ・適切な休養日を設ける ・クロストレーニングを取り入れる 適切なトレーニング方法を取り入れることが、疲労骨折の予防に役立ちます。例えば、インターバル走では高強度と低強度の運動を交互に行うことで、過度な負荷を避けつつ心肺機能を強化できます。ヒルトレーニングでは緩やかな上り坂を取り入れることで、筋力強化と負荷の分散を図れます。 また、水泳や自転車などのランニング以外の運動を取り入れるクロストレーニングは、特定の部位への負担を軽減する効果が期待できます。 さらに、ランニングフォームもチェックしましょう。足はかかとから着地し、重心を前に移動させるようにします。腕は脇に近づけ、リズミカルに振ります。上体は背筋を伸ばし、顔を上げて前を見ます。 シューズ選びも重要です。つま先に1cm程度の余裕があるサイズを選び、自分の体重や走行距離に合ったクッション性を確認します。また、アーチのタイプに合ったサポート機能も必要です。 専門家のアドバイスを元に自分に合ったものを選びましょう。 疲労骨折の再発を防ぐためのライフスタイルの調整 疲労骨折の再発を防ぐには、以下のようなライフスタイルの調整が役立ちます。 ライフスタイルの調整 具体的な方法 バランスの取れた食事 ・カルシウム豊富な食品(乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など)を摂取する ・ビタミンD含有食品(鮭、さんま、きのこ類、卵黄など)を取り入れる 適度な日光浴 ・1日15~30分程度、日中の太陽光を浴びる 禁煙 ・ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ガムなど)を活用する ・禁煙外来や禁煙プログラムに参加する ・禁煙に理解のある友人や家族に協力を求める 過度なアルコール摂取の制限 ・1日の飲酒量を、男性は20g、女性は10g未満に抑える ・アルコールを含まない飲み物を積極的に摂取する ・アルコールの代わりにストレス解消法を見つける 疲労骨折の再発を防ぐには、適切な栄養摂取が欠かせません。 カルシウムは1日800mg程度、ビタミンDは400~800IU程度の摂取が推奨されています。 カルシウムは乳製品、小魚、大豆製品などから、ビタミンDは魚類、きのこ類、卵黄などから効率的に摂取することが可能です。 また、適度な日光浴も重要です。1日15~30分程度、週に2~3回行うのが適切とされています。朝10時から午後2時までの間が理想的ですが、紫外線の強い夏場は早朝や夕方の時間帯を選ぶようにしましょう。 さらに喫煙は骨密度を低下させる要因の一つです。禁煙のためには、ニコチン代替療法や禁煙外来の利用、禁煙アプリの活用などの方法があります。 また、定期的な骨密度検査を受け、骨の健康状態をチェックすることも大切です。 まとめ:疲労骨折の治療と予防のための完全ガイド 疲労骨折は、ランナーにとって深刻な問題ですが、適切な治療と予防策によって治りやすくなるでしょう。自然治癒を目指すためには、十分な休息とケアが不可欠です。 総合的な回復と健康維持のアプローチ 疲労骨折の回復と予防には、以下のような総合的なアプローチが有効です。 ・早期発見と適切な治療 ・十分な休息と栄養摂取 ・段階的なリハビリテーション ・トレーニング方法の見直しとライフスタイルの調整 これらを組み合わせることで、効果的な回復と再発予防が可能となります。 定期的な医療チェックの重要性 疲労骨折の早期発見と予防には、定期的な医療チェックが欠かせません。特に、リスクの高い人は、より注意深く医療チェックを行う必要があります。 リスクの高い人とその具体的な対策 リスクの高い人 具体的な対策 女性アスリート(特に月経不順や低体重の方) ・3~6ヶ月ごとの骨密度検査 ・婦人科での定期検診 ・ホルモンバランスのチェック 急激にトレーニング量を増やした人 ・トレーニング計画の細やかな調整 ・専門のコーチや理学療法士との連携 過去に疲労骨折の経験がある人 ・より頻繁な受診や検診 ・代替トレーニングの導入 骨密度が低い人 ・6ヶ月ごとの骨密度検査 ・カルシウムやビタミンDの摂取量チェック 偏った食生活や栄養不足の人 ・専門家による食事指導 ・栄養状態の定期的なチェック これらのリスクの高い人に限らず、以下のような場面では医療機関を受診しましょう。 ・疲労骨折の症状が疑われる場合 ・トレーニング計画の見直しが必要な場合 ・定期的な骨密度検査(リスクの高い人は6ヶ月ごと、それ以外の人は1年ごと) 疲労骨折の早期発見のために、運動時の痛み、安静時の痛みの持続、腫れや圧痛などの症状に注意が必要です。これらの症状が見られた場合は、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。 医療専門家と連携しながら、自分に合った予防策を見つけていくことが大切です。疲労骨折は、ランナーにとって起こる可能性のある問題ですが、適切な知識とケアによって、その影響を最小限に抑えられる可能性があります。 骨の回復を促進し、再発を防ぐためには、総合的なアプローチが重要です。これには、適切な休養、段階的なトレーニング再開、栄養管理、そして医療専門家による適切な治療が含まれます。 ランニングを長く楽しみ続けるために、自分の体に注意を払い、リスク管理を行うことが重要です。定期的な健康チェックと、体の変化に敏感になることで、潜在的な問題を早期に発見し、対処することができるでしょう。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 MSDマニュアル家庭版,骨折の概要 日本スポーツ整形外科学会,スポーツ損傷シリーズ,疲労骨折 日本臨床整形外科学会,疲労骨折・腰痛" 日本生活習慣病予防協会,骨粗鬆症 ドクターズファイル,疲労骨折 日本骨折治療学会,骨折の解説,疲労骨折 厚生労働省,アルコール MSDマニュアル,足の疲労骨折 e-ヘルスネット,喫煙によるその他の健康影響 e-ヘルスネット,カルシウム 日本人の食事摂取基準(2020年版),②ビタミン D,p178-187 農林水産省,みんなの食育,大切な栄養素カルシウム 国立環境研究所,体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-
最終更新日:2024.09.06 -
- 手部、その他疾患
- 手部
ガングリオンとは、関節にしこりができる病気です。突然、関節にしこりがあらわれると「なにこれ!」とびっくりし、心配になります。しかし、しこりがガングリオンの場合は放っておいても問題ありません。しかし、足にしこりがある状態は、歩きにくく違和感があるでしょう。大きくなると、痛みが生じてくるため、早めの治療が大切です。 今回の記事では、ガングリオンでしこりができる原因や足にできたときの症状、治療法を詳しく解説します。足にしこりができてお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。 ガングリオンとは? ガングリオンとは、関節周囲に発生する「コブのようにふくらんだ良性腫瘍」です。良性腫瘍のため症状がなく、しこりが気にならない程度なら積極的に治療をしなくても問題ありません。 しかし、ガングリオンの特性として大きくなってくる可能性があるため早めの診断や治療が必要です。また、しこりができた場所によっては、目立つため見た目が気になる場合もあるでしょう。ここでは、ガングリオンの定義や特徴の解説と、具体例を紹介します。 ガングリオンの定義と特徴 ガングリオンの定義は、「ゼリー状の液体がつまったしこり」です。 ・関節包(かんせつほう)と呼ばれる「関節を包む袋状の膜」 ・腱鞘(けんしょう)と呼ばれる「腱を包む鞘状の組織」 これらの組織から、茎をとおってガングリオンの袋の中に関節液が漏れ出し、ゼリー状に固まってしこりができます。 発症の特徴は、20代~50代の女性に発症しやすいですが、足や関節をよく動かす方が発症と関係しているわけではありません。そのため、職業や趣味、生活スタイルは直接的にガングリオンができる原因と関係はないとされています。また、治療を繰り返しても再発しやすいというのもガングリオンの特徴です。 治療方法については、記事の後半で詳しく解説します。 足にできるガングリオンの具体例 足に発生するガングリオンは、内くるぶしや外くるぶし、足の甲、裏、ゆびの関節が好発部位です。具体例として以下のようなエピソードがあります。 <具体例①> 足の甲にしこりがあったが、痛みが無いのでそのまま放置していた。ただ、歩きすぎると痛みが出るため、歩きすぎた日は足を休めるように心がけていた。 ある日、足を休めても痛みが引かないため整形外科を受診。ガングリオンと診断され、注射器で中身を抜いてもらった。中身が抜けると徐々に痛みが引いていき、不思議な感覚だった。負担をかけないように言われ、再び痛みが出たらまた中身の液体を抜きに来てくださいと言われた。 <具体例②> 新しい登山靴で登山をした2日後に、足の親指の付け根のふくらみに気づいた。 徐々に大きくなり、普段の靴をはくのも難しくなったため、整形外科を受診。ガングリオンと診断され、合わない靴が負担を与えた可能性があると言われた。 注射器で液を抜いてもらったが、完全にはしこりが無くならず、しばらく負担をかけないようにと指導を受けた。合わない靴や激しい運動は避けるように意識し、再度しこりが膨らんできたら受診するように言われた。 <具体例③> 仕事やプライベートで忙しい日々が続いており気づかなかったが、忙しさが落ち着くとふと膝が膨らんでいるのに気づいた。数日後、膝が2倍ほどの大きさにまで膨らんでいた。しかし、痛みはなく膝が曲げにくいこと以外、問題はなかった。 しかし、しこりが気になるため、内科を受診したところ、整形外科に行くように言われ、整形外科を受診。ガングリオンと診断された。注射器で中の液体を抜いてもらい、解消した。再発の可能性を医師から説明されたが、今のところ再発はしていない。 ガングリオンの原因 上記の具体例をみてもわかるように、ガングリオンは関節に負担がかかった場合に、しこりがあらわれています。しこりを放っておくと大きくなり、徐々に症状を自覚し始めます。ガングリオンは、関節に負担がかかれば誰でも発症する可能性がある病気です。 ここでは、しこりができる原因や関節へ負担がかかる状況について解説します。 主な原因 ガングリオンが形成される原因について、残念ながら詳しくは解明されていません。 関節包(かんせつほう)や靭帯(じんたい)、腱鞘(けんしょう)などを損傷したのをきっかけにできるのではないかと考えられています。転倒やケガなどで足の関節を痛めた場合、関節に強い負担がかかります。また、姿勢などの問題で関節に継続的な負担がかかっている場合も、足にしこりができやすい状態といえます。 繰り返し負荷がかかる状況 繰り返し足に負荷がかかるのは、以下のような状況です。 ・ケガ ・一部分に負荷がかかる歩き方や姿勢 ・激しいスポーツ ・合わない靴をはき続ける ・立ちっぱなしや歩きすぎ これらの状況は、繰り返し足に負荷がかかっているといえますが、だからといって必ずしもしこりができるわけではありません。「しこりができるきっかけになるかもしれない」程度の要因ととらえておきましょう。 ガングリオンの症状 ガングリオンが原因でできたしこりは、基本的に症状はありません。しかし、大きくなることで、違和感や痛み、しびれなどを訴える方が多いです。 ここでは、しこりができたときの痛みや不快感、ほかの症状との違いについて解説します。 痛みや不快感の詳細 できたしこりを放っておくと痛みや不快感、違和感の原因になります。理由として、しこりが大きくなると関節周囲の神経や血管を圧迫するため、症状があらわれるのです。主に、以下のような症状があらわれます。 ・痛み ・しびれ ・圧迫感 ・運動障害 また、関節を圧迫するために、違和感や不快感、関節の動かしにくさを感じるでしょう。たとえば、靴が入らなくなる、歩きにくい、しゃがみにくいなど、悪化すると日常生活にも影響を及ぼします。 他の症状との違い しこりがあらわれる病気は他にもありますが、ガングリオンとほかの病気には症状の違いがあります。なかでも、紛瘤や脂肪腫は、しこりのように皮膚が膨らみ異物感があります。見た目はガングリオンと似ていますが、しこりの内容物やできる部位に違いがあります。 <紛瘤> ・しこりの内容物は垢や皮脂などの老廃物 ・良性の腫瘍だが放置すると悪化する ・炎症を起こし痛みや悪臭がする <脂肪腫> ・背中や肩、首への発生が多い ・痛みはなくゆっくりと大きくなる ・内容物は脂肪 ・まれに悪性のものがある 紛瘤も脂肪腫も、治療が必要な場合、一般的には手術で取り除きます。 しこりの存在に気づいていても症状がない場合、「痛くないし平気だろう」と、様子をみて受診を後回しにしてしまうことがあります。しかし、別の病気との鑑別も必要なため、しこりの存在に気づいたら、一度医療機関を受診しておくと安心でしょう。 ガングリオンの治療法 ガングリオンの治療は、主に以下の2つの方法でおこなわれます。 ・非侵襲的治療(保存的療法) ・侵襲的治療(手術療法) ここでは、自然治癒の可能性や、治療効果や費用について紹介します。 自然治癒の可能性 ガングリオンは、30%~40%は自然に消失するといわれており、治療をしなくても自然治癒の可能性があります。しこりは、大きくなったり小さくなったりを繰り返しますが、その経過の中で自然に治癒するケースがあります。 ガングリオンならば、良性腫瘍のため目立った症状がなければ経過観察でもよいでしょう。 注射治療の方法と効果 ガングリオンの治療は、まず、注射器で内容物の吸引治療がおこなわれます。 <注射器でおこなう吸引治療の特徴> ・注射器で穿刺してガングリオンの内容物を吸引し排出する ・内容物の排出後は圧迫固定が必要 ・外来でできる処置のため侵襲が少ない ・ガングリオンの袋は残るため再発の可能性がある 注射の針程度の傷しかつかないため、比較的痛みも少ない処置といえます。傷跡も残らず痛みも少ないため、外来で処置が可能です。 内容物の吸引をしたあとにステロイドの注入をおこなう場合があります。これは、患部の炎症を抑え、痛みを和らげる効果を期待しておこなう処置です。ステロイドの注入は必ずおこなうわけではなく、医師の診察と判断により実施が検討されます。 一般的に、まずは注射器での内容物の吸引治療をおこない、再発を繰り返す場合には手術療法が検討されます。 手術の詳細と費用 手術療法では、以下の2つの手術方法があります。 ・腫瘤だけでなく、関節包や腱鞘の一部も一緒に切除する方法 ・皮膚を小さく切り開き、関節専用の内視鏡で腫瘤につながっている関節包を切除する方法 手術自体は、日帰りでできる場合も多く、手術時間は20分~30分程度で終わります。ガングリオンができた位置や数が多い場合、神経の奥に入り込んでいるものなど、まれに治療が難しいケースがあります。そのような場合には、日帰り手術ではなく入院治療が必要です。術後2週間後に抜糸をおこない、術後3週間程度は激しい動きは控え安静にしましょう。 手術には以下のようなリスクがあります。 ・感染を起こす ・神経を傷つける ・傷跡がのこる 手術といわれると、治療に対して不安が大きくなりますよね。医師からの説明をよく聞き、わからないことは手術の前に確認しておくと安心です。不安な気持があることも伝えておきましょう。 一般的な手術の費用は以下の通りです。 負担割合 負担金額 1割負担 約3000円前後 3割負担 約9000円前後 そのほか、診察代や検査代、処方箋代などがかかります。手術部位によっても費用が異なるため、詳しくは手術を受ける病院に確認してください。 ガングリオンの予防策 ガングリオンの原因ははっきりと解明されていないため、確実な予防策はありません。しかし、少し対策をすれば、発症のリスクを下げることができます。 ここでは、ガングリオンの発症予防や悪化予防のためにできる日常生活での注意点や、スポーツをするときの注意点について解説します。 日常生活での注意点 足のガングリオンは、合わない靴をはき続けたり、歩き方や姿勢が悪かったりすると、一部の関節に負担がかかります。そのような状態はガングリオンを発症するきっかけになったり、すでにあるガングリオンを悪化させる可能性があります。靴はサイズの合ったはきやすい靴を選び、歩き方や姿勢にも気をつけましょう。 ガングリオンを強い力でマッサージするのも良くありません。軽くさする程度なら問題ありませんが、力を加えマッサージをおこなうと、痛みが悪化したりしこりが大きくなったりする可能性があります。 また、痛みが出てきた場合には、無理に動かさず安静にしましょう。患部に熱感がある場合には炎症が起きている可能性が考えられます。保冷剤や濡らしたタオルで冷やし、早めに医療機関を受診しましょう。 スポーツ時の対策 スポーツをするときには、関節に負担をかけないようにし、ケガに気をつけましょう。 ガングリオンは、関節包(かんせつほう)や靭帯(じんたい)、腱鞘(けんしょう)などを損傷した場合にできると考えられています。ケガがきっかけでガングリオンができる可能性があるため、スポーツをする前にはしっかり準備運動やストレッチをしてから始めましょう。 また、ケガをしにくい体作りも大切です。関節の柔軟性を高めるストレッチや筋トレを取り入れ、ケガをしにくい強い関節をつくりましょう。 患者様の体験談 ガングリオンは珍しい病気ではないため、経験した方もいるでしょう。ここでは、ガングリオンの早期発見早期治療の重要性と、適切な治療を受けた場合について解説します。 早期発見と治療の重要性 ガングリオンは良性の腫瘍ですが、早期発見するに越したことはありません。しこりが大きくなる前に治療ができれば、痛みやしびれなどの症状を起こさずに済みます。また、まれにガングリオンではなく悪性腫瘍だったケースもあります。 しこりがあると感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けましょう。 適切な治療を受けた結果 ガングリオンは、適切な治療と管理をおこなえば再発のリスクを下げられます。ただし、ガングリオンができた位置や数が多い場合、神経の奥に入り込んでいるものなど、治療が難しいケースがあります。いくつものガングリオンが、ブドウの房のようにできた症例もあり、必ずしもできたガングリオンがひとつとは限りません。 受診する医療機関は、整形外科が一般的です。そのほか、形成外科、皮膚科、外科でも治療が受けられます。適切な治療を受けるためには、医療機関を受診し、担当の医師と治療方針について十分話をしておく必要があるでしょう。 まとめ ガングリオンは、女性に多くみられる疾患です。関節に負担がかかることで、関節液が漏れ出しゼリー状に固まりしこりができます。合わない靴や歩き方、姿勢の悪さは、足の関節に負担がかかり、ガングリオンができるきっかけになります。足の関節に負担がかからないよう気を付けるとともに、関節の柔軟性を高め、負担がかかっても耐えられる関節をつくることが大切です。 良性腫瘍のため治療はしなくても問題はないですが、痛みやしびれなどの症状が問題になる場合には、早めに整形外科を受診しましょう。 監修:医師 加藤秀一 参考文献一覧 「症状・病気をしらべる ガングリオン」日本整形外科学会 「手外科シリーズ ガングリオン」日本手外科学会 「関節周囲の嚢胞性病変―ガングリオンと滑液包炎―」日本医放会誌 第59巻第7号 「ガングリオン」メディカルノート 「足のガングリオン」徳島県医師会
最終更新日:2024.09.04