薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
インフォメーション
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
症例紹介
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- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
痛みがなくなり、充実した生活を送れるように! こちらの患者様は10年前からの左股関節痛のため受診していただきました。 旅行を趣味としておられ、10年前に京都の街並みを歩いている最中に、左股関節痛が出現し、以後は満足に旅行を楽しめていないとのことです。 ご自分では体重が重い状態で無理して歩き回っていたのが悪かったのではと話されました。以後体重を減らそうにも、股関節痛で満足に運動ができないためダイエットは成功せず、左股関節痛も悪化する一方だとストレスを抱えておらえました。 近くの整形外科では「変形性股関節症」と診断され通院していましたが、徐々に軟骨のすり減りが進行し、最近では人工関節を勧められているそうです。しかし人工関節の手術をしてしまうと、耐用性の問題からアクティブな活動は制限せざるを得なくなり、趣味の旅行を気兼ねなく楽しむという夢は叶わなくなってしまいます。「あと何年かでも、人工関節を受けるまでの期間を延ばしたい。」と再生医療に頼って当院を受診していただきました。 変形性関節症の軟骨破壊は、炎症と、軟骨などの組織変性によって進行すると言われています。炎症を抑えると共に損傷した組織を再生することができれば、関節鏡や人工関節などの手術までの時間を延長できたり回避できると言われています。一旦人工関節になると、耐用性の問題などからアクティブな活動がかなり制限されてしまうため、高い生活の質を確保すると言う意味では、人工関節までの時間を延長することはかなり意義のあることです。 唯一、関節内の抗炎症作用と組織修復・再生作用を持ち合わせるのが、細胞を用いた再生医療です。当院では、再生医療の黎明期から、一般的には行われていない変形性股関節症に対して積極的に治療を行い患者様に満足のいく除痛効果、関節鏡手術や人工関節などの手術を回避することを可能としてきました。 変形性股関節症の幹細胞治療を行っている施設は変形性膝関節症と比べて希です。それは、股関節は膝関節と比べ解剖学的に隙間が狭い構造となっており、幹細胞を注入しづらいことが一因と考えています。 私達は股関節内に確実に幹細胞を届けるということへのこだわりを持っています。それが、「関節内ピンポイント注射」です。エコー、特殊なレントゲン装置、そして針先が細くしなりがある特殊な注射針などを使用して、確実に股関節内へ幹細胞を届けるように努めています。その関節に、化学物質を使わず無添加の状態で冷凍せず培養された幹細胞を投与します。 レントゲン所見 1年後のレントゲンでは関節が広がり明らかに軟骨が再生されていた。 <治療効果>左股関節に1憶個細胞を計3回投与+PRP 初回投与後1年半が経過した現在、投与前10段階中9であった痛みが0となっています。レントゲンでは明らかに関節の隙間が広がっており軟骨が修復及び再生されました。もし冷凍して培養された幹細胞であれば、このようにレントゲンに現れるぐらいの関節の隙間は見られなかったでしょう。生きたまま培養され、当院独自の強い幹細胞の製造技術があるこそここまでの効果が現れたと思われます。またピンポイントに投与することの大事さが改めて実感しています。 患者様からは、「痛みがなくなったので、おかげ様で旅行を楽しんだり、ダイエットを前向きに取り組めたりと充実した生活が送れています。」と喜んでいただけました。また、以前は関節の動きが悪かったけれど、今は関節の可動域も広がりそれによって痛みは出にくくなり、できる動作が増えたと言われていました。幹細胞の効果が出ると、痛みだけではなく可動域は必ず良くなります。この効果がさらに筋肉の伸縮性を増加させ筋肉量のアップに貢献します。 あご自分の脚で痛みなく過ごせる時間を提供できたので、人工関節を受ける前に当院の再生医療を検討していただいてよかったと思っております。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~) 132万円(税込)~ ・PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.10.01 -
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
受傷後20年経過するも、投与直後から明らかな回復が! こちらの患者様は10代の頃、事故によって頸椎レベルでの脊髄損傷を受傷されました。受傷直後は四肢が完全に麻痺したそうですが、その後3年かけて松葉杖なしでの歩行が可能になるまで回復したそうです。しかしその後は現在まで麻痺の回復はなく、特に左半身の麻痺が強く残っており、左足を引きずって歩いています。 長い年月をかけてこれらの後遺症は受け入れることができるようになったそうですが、近年の再生医療の進歩が耳に入ってくるようになり、自分も再生医療を受けてみたいと当院を受診されました。 損傷した神経の回復は通常は1年もすれば止まり、それ以上は望めないと言われています。すなわち後遺症となって様々な症状が残ってしまいます。脊髄の損傷レベルによって症状は様々ですが、手足の運動麻痺、知覚麻痺、自律神経障害、排尿・排便機能障害などが残ってしまいます。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により、脊髄損傷の後遺症が回復した例が数多く報告され、脊髄損傷の後遺症で苦しむ患者様の希望の光となっております。私達は国内でいち早く脊髄損傷の後遺症への幹細胞治療に取り組みはじめ、現在では治療を受けていただいた患者様は数百人にも及んでいます。 患者様に選ばれる理由は、冷凍保存しない生き生きとしたフレッシュな細胞を使用することと、国内ではほとんど行われていない幹細胞の脊髄くも膜下腔内へ直接投与(脊髄腔内ダイレクト注射療法)していることであると考えています。 通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから当院では脊髄くも膜下腔への直接投与を行っております。投与された幹細胞は還流している髄液に乗って損傷した神経にたどり着くのです。 国への正式な届出が受理され、脊髄くも膜下腔内への幹細胞の直接投与が可能な施設は国内ではほとんどありません。 MRI初見 脊髄内に直接幹細胞を2回投与 脊髄くも膜下腔に2500万個細胞の2回投与を予定しました。 なんと、初回投与直後から明らかな神経麻痺の回復を認めました。 ・左手の握力が、投与前5㎏であったのが12kgに回復 ・左手関節に力が入るようになった ・左下腿の力も著名な回復を認めました ・左足に力が入るようになり、足を引きずって歩くことがなくなりました 神経の回復を諦めていた患者様に対して、もう1度希望を持ってもらえることができました。 脊髄損傷の後遺症の治療は整形外科領域では最も難しい領域ではありますが、脊髄損傷の後遺症で苦しまれている患者様のお力添えができるように今後も真摯に治療に取り組んでいきたいと思っております。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.08.28 -
- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
日々、体の調子が良くなっているのを実感!気持ちも前向きに 80代男性 こちらの患者様は、左下肢の筋力低下による歩行のしづらさを訴えて受診されました。 患者様は過去に3回もの脊椎の手術を受けてこられました。20年前に頸椎の手術、2年前に胸椎と腰椎の手術を行いました。7,8年前から左脚を挙げる筋力の低下が出現、徐々に悪化し、歩容(歩く際の姿勢や歩幅)が悪くなってきたそうです。そのため2年前に腰椎と胸椎の手術を受けましたが、改善はみられなかったそうです。上位腰椎にも狭窄があるため、主治医からは4回目の手術を勧められているそうですが、3回もの手術を受けてきてその大変さは身に染みており、手術以外の治療法はないかとご自分で調べて当院を受診していただきました。 これまでは自分で何とかしようと週3回トレーニングジムに通い、筋トレや水中歩行を行っていたそうですが、改善は認めず落ち込んでいたそうです。80歳を超えるとただでさえ身体機能の維持が難しいのに脊髄に障害を抱えておられたら尚更のことと思われます。 現在の保険診療内では、神経機能回復を狙って手術を行った後に、回復が止まってしまった神経機能の回復を再び促す根本的な治療法は残念ながらありません。回復が止まった神経機能の回復を再び促す唯一の方法は「幹細胞治療」になります。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもっています。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから、当院では脊髄内への直接投与を行っております。もちろんその幹細胞の生存率も高くないといけません。当院では冷凍せず培養された幹細胞を生きたまま投与する手法で行っています。またご自身の細胞と血液を使用し、化学薬品のない無添加の幹細胞を投与することにこだわっています。このような幹細胞を作成できるのは国内では当院だけと自負しています。 MRI初見 受診時のMRIでは、頚髄の圧迫は20年前の手術で改善されていましたが、頚髄自体に輝度変化があり頸椎の手術までに頚髄へ相当なダメージがかかっていたことがうかがわれます。腰椎MRIでは上位腰椎の中等度の狭窄を認めました。 本来であれば幹細胞投与前に手術により物理的な神経の圧迫を解除した方が良いのですが、こちらの患者様の場合は圧迫が中等度であったことと頸髄の損傷が強かったことから、患者様がお困りになっている左下肢の筋力低下と歩容の悪化は頚髄由来の部分が大きいのではと考え手術より先に幹細胞投与をさせていただくこととしました。 脊髄内に直接幹細胞を3回投与 脊髄内に3回にわけて2500万個細胞ずつ、合計7500万個細胞を投与しました。 1回目の投与後直後から、左脚を挙げる筋力が投与前はMMT3(抵抗がなければ動かせる)であったのが、正常のMMT5(強い抵抗に打ち勝って動かせる)まで明らかな改善を認めました。 トレーニングジムでのトレーナーさんから、水中歩行時の姿勢が良くなっていると褒められたそうです。 患者様からは「日々、自分の体の調子が良くなっているのを実感しており。前向きに物事を考えられるようになった。」と話していただけました。幹細胞が脊髄神経のみならず脳神経にも良い影響を与えて前向きになれたのか、体の調子が良くなっていることがうれしくて前向きになれたのかは、はっきりしません。しかし幹細胞投与によって患者様の身体機能のみでなく、精神面にも良い影響を与えられたのは事実であり、それを思うと大変うれしい気持ちになりました。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000542 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.07.22 -
- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
両脚の触った感覚が良くなり、尿意と便意がわかるように 60代男性 こちらの患者様は、1年前に両脚に力が入らなくなりました。 3か月経過する頃には両脚は完全麻痺の状態となってしまい、この時点で初めて診断がつきました。診断名は「胸髄内血腫」です。何かのはずみに胸髄内の血管が破綻し、血腫ができてしまったものと推測されますが、脊髄内の血腫は非常に珍しいものと考えます。 整形外科の医師の間で手術で血腫を取り除くかどうか、このまま経過をみるか検討がなされたそうです。手術の際、胸髄を分け入って血腫を取り除かないといけないため、手術操作による神経損傷が起こり症状がより悪化してしまう可能性があるとのこと。それに加え血腫ができてすでに3か月が経過しているため、無事に血腫を取り除けたとしても神経の回復が望めない可能性が高いと、その時は手術は行われませんでした。 しかし神経症状の回復兆しが一切ないことから、さらに3か月経過してから血腫除去の手術を受けることとなりました。手術で無事血腫は取り除かれ大腿部と下腹部に少し力が入るようになりましたが、リスクを取って手術を受けたのに期待していたほどの回復はなく落ち込まれたそうです。尿意が全く感じられないため自己導尿が必要とのことでした。 現在の保険診療内では、神経の物理的な圧迫を取り除く手術を行っても、神経機能の回復がみられなかった方への根本的な治療法は残念ながらありません。手術がもっとも侵襲的であり治療効果が見込める最終手段となっているのです。しかし近年、幹細胞治療によりそういった状況に陥った方でも神経機能の回復が見られる症例が多数報告されるようになりました。当院でも神経損傷の幹細胞治療の黎明期から苦しんでいる患者様の手助けをしたいとの思いで積極的に取り組んできました。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもって治療に取り組んでいます。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから、当院では脊髄内への直接投与を行っております。脊髄内への直接投与は、国へ正式な届出をし受理されている病院はほとんどありません。さらに当院では数百例という圧倒的に症例数を誇っており、様々な病状に応じた治療が可能となっているのが特徴となります。 MRI初見 前医での手術前のMRIでは第8胸椎レベルの脊髄内に血腫を認めます。血腫除去術の手術後のMRIでは血腫は取り除かれていることがわかります。 脊髄内に直接幹細胞を2回投与 脊髄内に2500万細胞を合計2回投与しました。 両脚の麻痺にはほとんど変化は認めませんでしたが、患者様からは「両脚の触った感覚が良くなった。尿意と便意がわかるようになった。」と確かな神経の回復を感じていただくことができました。 この結果は脊髄内に幹細胞を投与したのみでは得られなかったと思っています。神経を損傷してしまうリスクを覚悟で、手術していただき血腫による胸髄の物理的な圧迫を取ってくださった執刀医のおかげだとも思っています。 <治療費> 198万円〜(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000561 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.07.21
坂本理事長のブログ
藤間院長のブログ
スタッフブログ
トピックス
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- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
「ジャンパー膝とオスグッド病の違いは何?」「スポーツを続けるために必要な方法は?」 ジャンパー膝とオスグッド病は症状がよく似ていて、見分けがつかないケースも多いのではないでしょうか。 どちらもジャンプ競技で繰り返し膝を使うことで発症しますが、痛みが出る膝の部位が異なります。 この記事では、ジャンパー膝とオスグッド病の原因と症状の違いや、それぞれの治療法について解説していきます。 ジャンパー膝とオスグッド病の一般的な見分け方や対処法について気になる方は、ぜひ最後までお読みください。 ジャンパー膝とオスグッド病の基本 ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらもジャンプスポーツが原因で膝まわりの痛みが出るため似たような疾患に見えがちです。 しかし、発症する原因や影響を受ける膝の部位が異なります。 ジャンパー膝 オスグッド病 定義 膝蓋腱炎の炎症 脛骨粗面の剥離(はくり) 原因 ジャンプ動作や走行が多いスポーツ ジャンプ動作や走行が多いスポーツ 症状 スポーツ時の膝蓋腱の痛み・腫れ 脛骨粗面の突出、スポーツ時の脛骨粗面の痛み・腫れ 影響を受ける部位 膝蓋腱(膝蓋骨の下の靭帯) 脛骨粗面(膝蓋骨の下にある突出している骨) はじめに、それぞれの定義と一般的な原因を説明していきます。 ジャンパー膝の定義と一般的な原因 ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は膝蓋骨(膝のお皿の部分)のすぐ下にある膝蓋腱にストレスがかかり、炎症が起こる疾患です。 バレーボールやバスケットボール、サッカーなどのスポーツで多くみられ、繰り返し行うジャンプ動作が主な原因です。 ジャンプスポーツによる膝の使いすぎ(オーバーユース)が続くと、膝蓋腱に過度なストレスがかかり、組織に小さな損傷や炎症が起こって慢性的な痛みを発症させます。 オスグッド病の定義と一般的な原因 オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)は小学校高学年から中学生の成長期に、脛骨粗面(膝蓋骨の下にあるわずかに突出している骨の部分)の軟骨が剥がれる疾患です。 原因はジャンパー膝と同じで、ジャンプや走行、ボールを蹴る動作などで膝を頻回に使うことで生じます。 この時期は軟骨から骨に成長する時期なので、膝を伸ばす動作の繰り返しで脛骨粗面の軟骨が剥がれることにより痛みが増します。 症状の比較 ジャンパー膝とオスグッド病に見られる主な症状は、どちらもスポーツ中の膝まわりの痛みです。それぞれ詳しく見ていきましょう。 ジャンパー膝に見られる典型的な症状 ジャンパー膝に見られる典型的な症状は、ジャンプや走る動作、階段の昇り降りのときに見られる膝蓋腱の痛みです。 膝蓋腱の痛みは程度により軽症と中等症、重症に分類されます。 軽症 スポーツの後や歩いた後に痛む 中等症 活動開始期と終わった後に痛む 重症 活動中や後の痛みで続行困難 重症化して膝蓋腱に断裂がある場合は、手術が必要になる可能性もあります。 軽症や中等度のうちは専門家と相談した上でスポーツの継続が可能ですが、症状を悪化させないためにも、毎日ケアを続けることが大切です。 オスグッド病に見られる典型的な症状 オスグッド病に見られる症状は、脛骨粗面の痛みや腫れ、突出です。痛みはスポーツ中に見られ、休んでいるときに軽快する点がジャンパー膝とよく似ています。 症状は脛骨粗面以外の部位には見られません。症状が悪化すると、剥がれた骨片を取り出す手術が必要になる可能性もあります。 発症部位と影響 ジャンパー膝とオスグッド病の発症部位はそれぞれ膝蓋腱と脛骨粗面です。どちらの疾患も、膝の曲げ伸ばしによる大腿四頭筋の作用が影響して発症します。 以下に詳しく解説していきます。 ジャンパー膝の影響を受ける膝の部位 ジャンパー膝で影響を受ける膝の部位は、大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)につながる膝蓋腱です。膝蓋腱は大腿四頭筋の伸び縮みに伴って脛骨(すねの骨)や膝蓋骨の動きをコントロールし、膝の曲げ伸ばしを可能としています。 スポーツをしている時のジャンプやダッシュ、ストップ、ターンなどの動作は、急激な膝の曲げ伸ばしを繰り返し行っているため、膝蓋腱の負担も大きいのです。 この状態が続くと膝蓋腱に過度なストレスがかかり、組織に小さな損傷や炎症が起こって慢性的な痛みを発症させます。 オスグッド病の影響を受ける膝の部位 オスグット病で影響を受ける膝の部位は、大腿四頭筋の下端が付着する脛骨粗面です。膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、大腿四頭筋の伸び縮みによって脛骨粗面に刺激が加わります。 小学生から中学生にかけて骨が成長している時期は、この刺激により脛骨粗面の軟骨が急激に剥がれやすくなるのです。 軟骨が剥がれると、脛骨粗面まわりに炎症が起き、痛みや腫れを発症させます。 診断と治療方法 ジャンパー膝やオスグッド病が疑われる場合は、整形外科で問診や触診、画像診断などの診断と鎮痛薬や外用薬の投与による治療を行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。 ジャンパー膝の診断プロセスと治療オプション ジャンパー膝の診断では問診や触診、MRI、超音波検査などを行います。膝蓋腱をゆびで圧迫した時に痛みが強まることや、MRIや超音波による画像診断で筋肉や腱の変性が確認できることで確定診断となります。 ジャンパー膝の治療は、患部の安静や練習量を減らすこと、炎症を抑えるための鎮痛剤や外用薬を使用することです。膝蓋腱に負担のかかるジャンプやダッシュの練習を減らすだけでも、症状の改善に効果があります。 また、医薬品は市販ではなく医師に処方されたものを使用しましょう。症状によってはステロイド注射を行うこともあります。 オスグッド病の診断プロセスと治療オプション オスグッド病の診断は問診や触診、レントゲン検査で可能です。問診で実際の話を聞きながら、痛みが出るときの状況や、痛みが出る部位を確認します。 脛骨粗面の状態を触診やレントゲン検査で確認し、痛みや腫れ、突出、軟骨の剥離が認められると確定診断になります。 オスグッド病の症状を治すためには、スポーツを控えて安静にすることが大切です。軟骨から骨に成長する3〜6ヶ月間は痛みが出やすい時期なので、負担をかけないようにできるだけ休息をとりましょう。 痛みが強いようなら、医師から処方された飲み薬やぬり薬などを使用することもあります。 予防と管理 ジャンパー膝やオスグッド病の予防や、スポーツを継続するときの管理方法には、アイシングや大腿四頭筋のストレッチ、膝蓋腱バンドの装着などがあります。痛みの症状に悩んでいる方は、専門医と相談しながらこれらの方法を行うようにしましょう。詳しく解説していきます。 ジャンパー膝の予防策 ジャンパー膝の予防には、大腿四頭筋のストレッチや筋力トレーニングが大切です。症状を管理しながらスポーツを続けていく場合は、スポーツ直後のアイシングや、スポーツ中の膝蓋腱バンドの装着も必要になります。 過去の論文ではジャンパー膝の予防策に、傾斜台上での片脚立ちスクワットが効果的であると報告されています。 参考文献:P Jonsson, H Alfredson.Superior results with eccentric compared to concentric quadriceps training in patients with jumper's knee: a prospective randomised study.2005. 39(11). p847-850 ジャンパー膝の予防に重要な、片脚立ちスクワットや大腿四頭筋のストレッチの方法について見ていきましょう。 ・片脚立ちスクワット ①25度程度の傾斜台を準備し、降りの方向に顔を向けて立つ (※傾斜台がなければ、スロープやタオルを使用して、立った姿勢で踵の位置が上がるように工夫する) ②片脚立ちになり、股関節と膝関節を曲げながらお尻を床に近づける。膝の位置が足の位置より前方に出ないように注意する ③股関節と膝関節を伸ばして片脚立ちの姿勢に戻る。10回連続で行い、1日3セットほど行う。きつく感じるようであれば、必要に応じて手すりを持ちながら行う ・大腿四頭筋のストレッチ(膝を曲げると痛む場合の方法) ①ストレッチをする側の膝を床につき、ストレッチをしない側の膝を立てて片膝立ちの姿勢になる ②上半身を起こしながら身体を前方に移動させ、太もも前面の筋肉を伸ばす ③20秒〜30秒ほど時間をかけて動きを行い、10秒ほど休んだ後にもう一度行う ※スポーツをした後は必ず行う ・大腿四頭筋のストレッチ(膝を曲げても痛みがでない場合の方法) ①床に両膝を伸ばして座った後、ストレッチをする側の膝を曲げて踵をお尻に近づける ②両手を床について身体を支えながら、上半身を後ろに倒して太もも前面の筋肉を伸ばす ③20秒〜30秒ほど時間をかけて動きを行い、10秒ほど休んだ後にもう一度行う ※スポーツをした後は必ず行う オスグッド病の予防策 オスグッド病の予防策と管理方法は、アイシングや大腿四頭筋のストレッチ、ベルトの装着です。 オスグッド病は痛みが出なければスポーツが可能ですが、症状を悪化させないためにこれらを継続して行うことが大切です。 ・アイシング 練習直後にアイシングを15〜30分ほど行いましょう。激しい運動の後は脛骨粗面のまわりにより炎症が起こりやすく、熱感や腫れが強まります。 できるだけ早く患部を冷やし、炎症を抑えることで症状の悪化を防げるわけです。氷を入れた袋を患部に持続的に当てるか、弾性包帯で巻きつけて固定すると効果的です。 ・バンドを装着する ジャンパー膝やオスグッド病の治療として、膝蓋腱の走行に横断して取り付けるバンド(サポーター)の装着が効果的です。 バンドによる膝蓋腱の圧迫は、腱の走行を変化させて負担を減らせることが明らかになっています。 スポーツ中の膝蓋腱や脛骨粗面に対する過剰なストレスが減り、痛みの緩和が期待できます。 まとめ ジャンパー膝とオスグッド病の違いについてお話ししました。 ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらもジャンプ競技で膝を伸ばす動作を繰り返すことで起こる症状です。 しかし症状の出る部位が異なり、ジャンパー膝が膝蓋腱に痛みが出るのに対して、オスグッド病は脛骨粗面に痛みが出ます。どちらの場合もスポーツを続けるときは、以下の内容をよく守って行いましょう。 どちらの疾患であっても効果的なアプローチ ジャンパー膝とオスグッド病の両方に効果があるアプローチは、アイシングと大腿四頭筋のストレッチ、バンドの装着です。これらはスポーツ直後に起きた膝の炎症を抑えたり、脛骨粗面や膝蓋腱、大腿四頭筋の負担を減らしたりする効果があります。 症状の悪化につながらないためにも、スポーツをするときは必ず継続して行いましょう。 スポーツ選手としての健康管理の重要 ジャンパー膝やオスグッド病の症状と付き合いながらスポーツを続ける場合は、専門家に相談しながら無理のない範囲で行いましょう。 どちらの症状も悪化させると手術が必要になる可能性もあるため、痛みが強い場合は休んだり、練習量を減らしたりすることが大切です。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:医師 加藤秀一 参考文献一覧 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会, 2023, 「運動器疾患とスポーツ外傷・障害」, vol.1, 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) 日本整形外科スポーツ医学会広報委員会,2023「スポーツ損傷シリーズ」,1.オスグッド病 明解 スポーツ理学療法-図と動画で学ぶ基礎と実践 Visnes, H., Hoksrud, A., Cook, J., & Bahr, R. (2005). Superior results with eccentric compared to concentric quadriceps training in patients with jumper's knee: A prospective randomised study. British Journal of Sports Medicine, 39(11), 847-850. https://doi.org/10.1136/bjsm.2005.018630 体力科学,1999,48,227〜232,"ジャンパー膝"
最終更新日:2024.10.01 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
化膿性関節炎の術後は、関節を切除している場合関節が不安定になってしまいます。そのため、日常生活に戻るためには適切なリハビリテーションが重要です。特に、術後すぐに開始し、炎症管理をしっかりするのが大切になります。 この記事では、化膿性関節炎のリハビリテーションやそのリスクと日常生活での注意点を解説してます。また、活動性の高い趣味を行う際の筋力トレーニングも紹介してるため、ぜひご覧ください。 化膿性関節炎の概要 化膿性関節炎は、関節内に細菌が侵入して化膿する疾患です。肺炎や尿路感染などの細菌や、人工関節置換術などが原因で関節内に細菌が侵入します。特に、股関節・膝関節・足関節など下肢に発症しやすいです。 主な症状として、関節の痛み・発赤・腫脹・熱感などがあり、進行すると関節や骨の破壊、発熱などの症状が現れます。 診断には、血液検査・関節液検査・画像診断などを実施し、関節炎が生じる他の疾患と鑑別する必要があります。 化膿性関節炎の治療方法や予防方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひご参考にされてください。 手術後のケア 化膿性関節炎の手術後は、関節をギプスで固定し、しばらく安静にします。そのため、移動には松葉杖や車椅子が必要です。炎症が収まってきたのを確認できたらリハビリテーションを開始します。固定していた期間があるため、関節は通常より硬くなっています。そのため、まずは周辺組織のリラクゼーション、関節可動域訓練を実施し、可動域を戻していきます。 化膿性関節炎のリハビリテーション リハビリテーションでは、炎症管理・可動域改善・筋力向上・日常動作の再獲得などが重要です。特に、炎症を悪化させてしまわないように配慮が必要です。 リハビリテーションの期間と予後や、その内容、伴うリスクについてそれぞれ詳しく解説していきます。 リハビリテーションの期間と予後 リハビリテーションの期間は、どのような治療を行ったかによって異なります。例えば、抗生物質の投与のみで治療可能であれば1ヵ月ほどです。一方で、関節や骨の破壊まで進行しており、切除した場合にはもっと時間がかかるでしょう。参考例として以下に、リハビリテーションの流れを紹介します。 リハビリテーションの内容 術後翌日~1週間 ・関節周囲組織のリラクゼーションにより組織の柔軟性を高める ・他動的な関節可動域訓練により拘縮の予防 ・等尺性筋力訓練により関節に負担をかけずに筋力強化 術後1~2週間 ・自動運動で関節の動きに伴う筋収縮の練習 ・荷重訓練により感覚入力を促して動作につなげる 術後2週以降 ・日常生活動作を練習し、元の生活になれる ・応用動作練習で、バランスも取り入れた難易度が高いリハビリを行う ※炎症状態や年齢などさまざまな要因が関わるため、実施内容や期間は異なる場合があります。 リハビリテーション内容 リハビリテーションでは、痛みや炎症の管理・可動域訓練・筋力増強訓練の3つを軸に行います。 ①痛みや炎症の管理 ②可動域訓練 ③筋力増強訓練 特に、痛みや炎症を悪化させないことが大切です。以下で解説していきます。 ①痛みや炎症の管理 化膿性関節炎では、再発の可能性もあります。そのため、過度なリハビリテーションにより痛みや炎症を誘発しないように管理するのが大切です。術後すぐのリハビリテーションでは、激しい運動はせずリラクゼーションや可動域訓練、等尺性筋力訓練を中心に実施し、拘縮や廃用を予防します。患部に熱感がある場合は、冷やすのが良いでしょう。 ②可動域訓練 化膿性関節炎で手術による関節内洗浄と骨の一部を切除した場合などは可動域訓練が重要です。骨の切除により関節は少なからず不安定になっているのと、関節固定術を実施した場合に関節可動域は制限されやすいです。そのため、リラクゼーション・可動域訓練を併用し、組織の柔軟性を高める必要があります。近年では、切開範囲の小さい手術が多いですが、術創部付近は特に硬くなりやすいため、入念に可動域訓練やリラクゼーションを行いましょう。 ③筋力増強訓練 化膿性関節炎の術後では、筋力増強訓練も大切です。手術後で固定期間が長くなるほど筋力は低下します。特に、下肢の筋肉は日常生活で欠かせないため、筋力を元に戻すのは日常生活を送るうえで大切です。そのため、術後すぐから可能な範囲で等尺性筋力増強訓練を実施し、炎症が落ち着いて関節を動かせるようになれば、自動運動・抵抗運動などを進めていくと良いでしょう。 リハビリテーションのリスク リスクとしては、再感染と炎症の悪化が考えられます。術後すぐに術創部に菌が入ると再感染や別の感染症を引き起こす可能性があるため、触れないように注意します。また、早期から関節を動かしすぎると炎症を引き起こす可能性があるため、段階的に難易度を上げていきましょう。その他、関節破壊が進んでおり関節の手術を行った場合、荷重開始時期を慎重に決める必要があります。 健康を維持するための日常生活での注意点 日常生活での注意点は、関節に負荷をかけないことです。そのためには、関節への負担を減らす動作の獲得、ストレッチや筋力トレーニングの継続が必要です。具体的には以下で解説します。 関節への負荷を減らす動作 日常での動作を工夫することで関節への負荷を減らすことが可能です。例えば、いつもは立ったまま家事しているが、合間に座って足を休めるなどの方法があります。また、重量物を持ち上げる時に身体の近くで持ち上げることで、各関節への負担を減らせます。 動作にプラスして、サポーターを着用すると関節への負荷が軽減します。サポーターは、関節周囲を圧迫して感覚入力を促すことにより、関節を安定させる機能があるため効果的です。 ストレッチや筋力トレーニングの継続 ストレッチや筋力トレーニングを継続することで、負荷を分散しやすくなるため関節を保護できます。柔軟性がない場合は、隣接する関節が過剰に動いてしまうため負担の増加につながります。また、筋力がなければ関節は不安定になりやすく、負担も増加します。 活動性が高い趣味を楽しむための工夫 化膿性関節炎の術後でもハイキングやランニング、スポーツなど活動性が高い趣味を再びやりたい方は多いでしょう。このような趣味は通常の生活より、高い身体機能が要求されます。そのため、日頃からストレッチや筋力トレーニングを継続し、身体機能を高めるのが大切です。 ハイキングとランニングを例に、行うべき筋力トレーニングを紹介します。 ハイキングでおすすめな筋力トレーニング ハイキングでは、低い山や景色が綺麗な場所を楽しみながら歩きます。道中の地面がゴツゴツしていたり、歩く距離が長かったりすることもあるでしょう。そのため、不整地でも歩くためのバランス訓練、長距離を歩くための持久力訓練が大切です。 特に、不整地で歩くのは足首によるコントロールが必要なため、柔らかいマット上で片脚立位を保持の練習が効果的です。通常の地面よりバランスの難易度が高く、足首の協調性に最適です。また、持久力訓練としてはハイキングに行くまでに実際に歩きたい距離を無理なく歩けるようにしておきましょう。歩道で同じ距離が歩けないと、不整地に行ったときに疲れやすくて怪我のリスクも高まります。 ランニングでおすすめな筋力トレーニング ランニングでは、下肢への強い負荷が繰り返しかかります。この時、筋肉は伸ばされながら負荷を吸収する働きをします。そのため、同じような筋収縮様式の筋力トレーニングがおすすめです。 例えば、立ち座りの動作をゆっくり行うことで、座るときに筋肉を伸ばしながら力を発揮します。ゆっくり行うことで、股関節・膝関節・足関節周囲の筋肉を協調的にコントロール可能です。通常の立ち座りは、反動の力を利用していることが多いため、ゆっくり行うのは意外と難しいです。ぜひ、実践してみてください。 まとめ・適切なリハビリテーションにより再び趣味を楽しみましょう 化膿性関節炎は細菌が原因になるため、抗生物質の投与・関節内洗浄といった治療が重要です。一方で、再び日常生活に戻り趣味を楽しむためにはリハビリテーションが必要になります。リハビリテーションでは、術後すぐは関節が固まらないようにリラクゼーション・関節可動域訓練を実施します。その後、段階的に負荷を上げた筋力訓練が必要です。 また、日常生活レベルに戻れたとしても、活動性の高い趣味を行うにはさらに上の身体機能が必要になります。そのため、バランス能力や持久性訓練などを取り入れた筋力トレーニングを行うと良いです。退院後も筋力トレーニングを継続し、いつまでも趣味を楽しみましょう。 監修:医師 岩井 俊賢 参考文献一覧 坂本憲史、平良誠、中島伸 一、井手淳二、寒野龍弘、本多一宏、師井位,関節固定術を余儀なくされた可能性関節炎の2例,栄整形外科と災害外科,40:(2)836~841,1991. 井上三四郎,急性炎症性関節炎の初期診断と治療方針,栄整形外科と災害外科,65:(3)616〜620,2016. 社会福祉法人恩賜財団済生会,化膿性関節炎 生田拓也,化膿性膝性関節炎に対する開放運動療法,栄整形外科と災害外科,69:(4)907~910,2020.
最終更新日:2024.09.27 -
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化膿性関節炎による痛みや腫れがつらくて、早く症状を改善したいと思っている方はいるでしょう。また、関節の痛みにより日常生活や仕事がまともにできなくて、将来的な影響を気にしている方もいると思います。 この記事では、化膿性関節炎の治療方法や治るまでの期間、予後について解説しています。また、再発予防のために日常でできる方法を紹介しているため、ぜひご覧ください。 化膿性関節炎とは? 化膿性関節炎とは、関節内に細菌が侵入して化膿する疾患です。原因菌は、黄色ブドウ球菌が多く、連鎖球菌・肺炎球菌・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌などがあります。細菌の侵入経路は以下の3つです。 ・肺炎や尿路感染で病原菌が血液により関節内へ到達 ・軟部組織損傷の感染が関節内にまで広がる ・手術や関節内注射などで関節内に細菌が直接侵入 侵入すると関節内に到達し、関節軟骨を破壊します。また、進行すると骨まで破壊されてしまうため早期発見・早期治療が重要です。全身の関節で発症する可能性がありますが、特に膝関節での発症が多いです。 膝に出る特徴的な症状 初期症状は、膝関節の違和感や急激な疼痛・腫脹・熱感などです。 疼痛が強く腫脹により可動域が制限されると歩行が不可能になる場合もあります。また、重症化すると悪寒や発熱の症状が現れ、敗血症性ショックを引き起こす危険な疾患です。敗血症性ショックは、極度の血圧低下により多臓器不全に陥り、死亡リスクが高く、他の感染性疾患でも起こり得ます。 化膿性関節炎の診断 化膿性関節炎の診断では、関節液検査・血液検査・画像診断の3つが実施されます。これらを総合的にみて診断を下します。具体的な検査内容は、以下で解説します。 ①関節液検査 関節液検査では、注射針を関節に刺し関節液を採取し、成分を調べることで原因菌を特定します。関節液は、血液が濾過された血漿成分で構成され、関節の滑膜から分泌される成分が加わった粘性が強い液体です。化膿性関節炎になると、白血球数の増加により関節液の混濁、白血球や細菌の活動による糖の消費が原因で糖値の低下が見られます。通常では、血液と関節液の糖値は類似しており、日内変動がある点も同様です。 ②血液検査 血液検査では、白血球の増加・赤血球沈降速度亢進・CRP上昇がみられます。これらは、感染症で見られる所見と似ており、炎症が起きていることを示しています。基準値は以下の表に記載しています。 正常値 単位 数値の解釈 白血球 3.3~8.6 10³/μL 白血球は細菌やウイルスから感染を防ぐ役割があり、感染症やストレスで増加します。 赤沈 (赤血球沈降速度) 男性:2~10 女性:3~15 mm/1h 血液内で赤血球が沈む早さを調べます。 炎症によりフィブリノゲンやグロブリンが増加すると赤血球沈降速度が早くなります。 CRP (C反応性蛋白) 0.14以下 mg/dL 炎症や感染、組織損傷により血液中に増えるタンパク質量のことです。 ③画像診断 画像診断では、単純X線やMRI検査を用いて実施します。どのような所見が見られるか表で解説します。 所見 単純X線検査 初期では変化ありません。進行すると、関節周囲の骨萎縮・関節面不整の所見が見られます。また、重症化により骨溶解像や欠損像が認められます。 MRI検査 膝関節液の貯留・滑膜増殖・軟骨面の不整や変性などの所見が見られます。 上記の所見が見られますが、化膿性関節炎のみに特徴的な所見ではないため、他の疾患との鑑別が必要です。例えば、関節リウマチ・膠原病・痛風・偽痛風など急性の関節炎が症状として現れる疾患があります。そのためにも関節液検査により原因菌を特定するのは大切です。 化膿性関節炎の治療 化膿性関節炎は、治療が遅れると重篤な機能障害を引き起こすため、早期の治療介入が必要です。 原因は細菌であるため、抗生物質の投与・手術による関節内洗浄が中心となります。その後、日常生活に戻れるようにリハビリテーションを実施します。 ・抗生物質の投与 ・手術による関節内洗浄 ・リハビリテーション 各治療方法については、それぞれ以下で詳しく解説します。 抗生物質の投与 関節液の培養検査から病原菌を推定し、病原菌にあった抗生物質を投与します。患部は安静に保ち、関節に膿が溜まっている場合は注射器で吸引します。また、関節や骨が破壊されていると痛みが強いため、消炎鎮痛剤の投与が必要です。抗生物質を投与しても効果が見られず、炎症が続く場合には手術を実施します。 手術による関節内洗浄 関節内洗浄は、関節を切開しなかにある膿を洗い流し、炎症で傷ついている部分は切除します。この手術は、関節鏡を使用して比較的小さな切開で実施可能です。手術後は、関節内に管を入れたままにしておき、膿が出るようにします。また、関節内を持続的に洗浄できる管を留置する場合もあります。関節破壊が進行していて関節が不安定になった場合は、関節固定術が適応です。 リハビリテーション 炎症症状が落ち着いたら、リハビリテーションを開始します。術後すぐのリハビリテーションは、関節への負担を減らすために、柔軟性向上のためのリラクゼーションや座位で膝を伸ばした状態を保持するような関節を動かさない筋力増強訓練がメインです。炎症があるときは温めず、アイスパックで関節を冷やすようにします。 もし、症状が進行して骨溶解がある場合には、感染が落ち着いたら関節固定術を行う場合もあります。関節固定術を行うことで関節が安定し、痛みの軽減が期待できるでしょう。 化膿性関節炎が治るまでの期間 化膿性関節炎が治るまでの期間は、発見時の症状により異なりますが約6週間程度とされています。炎症が広がり関節破壊にまで至ると、手術や関節内洗浄の必要があるため、期間は延びるでしょう。 さらに、炎症が収まってからリハビリテーションを実施し、元の生活に戻るのを考えると3カ月程度はかかると考えられます。 化膿性関節炎の予後 早期治療により細菌を殺菌できれば、早い回復が見込めます。ただ、細菌により軟骨や骨の破壊が見られると後遺症が残ることもあり、さらに死亡率は11%と高いです。 化膿性関節炎に限らず、感染症は敗血症を引き起こすことがあります。敗血症はさまざまな臓器に機能障害を引き起こし、さらに重度になると敗血症性ショックにより危険な血圧低下で多臓器不全となります。敗血性ショックになると、約30〜40%が死に至る重篤な症状です。 日常生活でできるの再発予防!4つの方法 日常生活の中でできる再発予防の方法を紹介します。重要なのは、関節への負担を減らすことです。以下に具体的な予防方法を4つ解説します。 ①免疫を高める 化膿性関節炎は感染症であり、免疫を高めることが大切です。特に、糖尿病の方・血液透析療法を受けている方・免疫抑制薬を長期間使用している方は感染に弱いため、再発しやすくなります。そのため、第一に基礎疾患の治療が大切です。また、関節内注射では皮膚を清潔に保ちましょう。 ②重量物を持ち上げる時の工夫 関節に負担をかけないために重い物を持ち上げる時はゆっくり持ち上げます。重量物をできるだけ身体の近くに寄せた状態で持ち上げると、腰や膝への負担を軽減可能です。 また、長時間同じ姿勢を保つのは関節に負担がかかるため避けましょう。 ③サポーターの着用 サポーターを着用することで、膝関節の安定化・痛みの軽減などの効果が得られ、結果的に関節への負担を減らすことが可能です。そのため、膝が痛い方は、膝のサポーターを着用するといつもより動きやすくなるかもしれません。ただ、サポーターはあくまで補助的なものであるため、日頃のストレッチや筋力トレーニングは大切です。 ④ストレッチを日常的に実施 痛みを感じると筋肉の緊張が高まりやすく、それが続くとさらに別の痛みを誘発する可能性があります。そのため、日常的に下肢のストレッチを行い、関節がスムーズに動く状態を保ちましょう。また、柔軟性は衝撃吸収の役割があるため、関節への負担軽減につながります。 まとめ・痛みを取り除いて再発予防対策をしましょう 化膿性関節炎では、主に膝を中心とした下肢の関節に痛みや腫脹を生じます。進行すると関節や骨を破壊する可能性があるため、早期発見・早期治療が大切です。原因が細菌であるため、治療は抗生物質の投与や関節内洗浄が行われます。治るまでの期間はさまざまですが、関節破壊まで進んでいると手術をするため、期間が延びるでしょう。化膿性関節炎の再発を予防するには、免疫を高める・サポーターを着用する・ストレッチを行うの3点が大切です。痛みを改善し、再発予防方法を実践していきましょう。 監修:医師 岩井 俊賢 参考文献一覧 国立がん研究センター中央病院,臨床検査基準値一覧 MSDマニュアルプロフェッショナル版,敗血症および敗血症性ショック 社会福祉法人恩賜財団 済生会,化膿性関節炎 急性炎症性関節炎の初期診断と治療方針
最終更新日:2024.09.27 -
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- 内科疾患
肺がんは日本でも多くの人々が診断される病気の一つで、部位別のがんの罹患数では大腸がんに次ぐ2位、部位別がん死亡数では男女合わせて1位となっています。 この記事では、肺がんの概要から治療法について解説していきます。また、後半では肺がんの手術方法、手術後の合併症・後遺症について挙げ、その治療法や対処法にも触れています。後遺症に対する再生医療の可能性についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。 この記事を読んで分かること ・肺がんの概要 ・肺がんの治療法 ・肺がんの手術方法 ・手術後の合併症、後遺症とその治療法や対処法 ・後遺症に対する再生医療の可能性 肺がんとは 肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍です。何らかの原因で遺伝子に傷がつき、細胞が異常に増殖してあちこちに移動してしまうものを「がん細胞」といいます。そのがん細胞が肺から始まり、増殖したものを指します。 出典:Lung Cancer: Types, Stages, Symptoms, Diagnosis & Treatment 肺がんの原因 肺がんの原因の約7割は喫煙とされています。タバコを吸ったことがない人に比べ、吸っている人の肺がんリスクは4倍以上になると言われています。また、直接吸っていなくても、副流煙を吸うことにより肺がんのリスクが高まることも知られています。 それ以外の原因として、遺伝、大気汚染、アスベストなどの有害化学物質などが知られています。 肺がんの症状 肺がんの初期では多くの場合無症状であり、早期に発見することはなかなか難しい がん です。進行に応じて咳や痰、息切れなどがみられることがあります。 肺がんに特徴的とまではいえない症状がほとんどですが、痰に血が混じる(血痰)場合には肺がんが疑わしい可能性が高まりますので、早めに医療機関を受診していただくことをおすすめします。 それ以外にも極端な体重低下や肩の痛み、しゃっくりなど、がんの進行によって様々な症状を引き起こします。また、肺がんが転移した場所の症状が出ることがあり、脳転移による頭痛、手足の麻痺、めまい、吐き気、骨転移による痛みなどがあります。 肺がんの検査 肺がんの検査といっても、肺がんを見つけるための検査、肺がんであることを確定させたり、肺がんの種類を調べる検査、治療方針を決めるために必要な検査など様々なものがあります。 肺がんを見つけるための検査 肺がんを見つけるための検査としては、画像検査が一般的です。胸部レントゲン検査や胸部CT検査が挙げられます。 レントゲン検査は、健診や人間ドックなどでも幅広く使用されている基本的な検査です。 CTではレントゲンよりも画像で得られる情報量が豊富で、より小さな病変も見つけることが可能となります。一方レントゲンよりも放射線被ばく量が多くなることがデメリットとなります。 その他、肺がんの転移を調べるのに有用なMRI検査、シンチグラフィー、PET検査などがあります。 また、血液検査の中で腫瘍マーカーと呼ばれるものがあり、この腫瘍マーカーを調べて数値が異常値を示す場合には肺がんを疑います。ただし、このマーカーは他のがんや病気でも上昇することがあるため、この検査のみで肺がんを診断することはできず、あくまで他の検査と合わせて総合的に判断するための材料となります。 肺がんの確定診断、治療法の検討に有用な検査 肺がんであることを確定させるには、がん細胞がいることを確認する必要があります。そのためには、痰に混じったがん細胞を見つける方法(喀痰細胞診検査)や、病変を内視鏡やCTなどで確認して組織に直接針を指して細胞を採取して確認する方法(組織診検査)があります。この組織を詳しく調べることで、がん細胞の存在の有無だけでなく、どういった種類の肺がんかを見分けることが可能です。 また、そのがんの種類によっては遺伝子検査を追加で行い、さらにそのがんの遺伝子変異について詳しく調べることがあります。これは、ある特定の遺伝子変異が見つかった場合、その変異に特異的に効く分子標的薬と呼ばれる治療薬を使うことで、治療効果が期待できるためです。 肺がんの治療法 肺がんの治療方法の主なものとして、手術、いわゆる抗がん剤を用いた化学療法、放射線療法があり、これらを組み合わせて行います。 ・手術 ・抗がん剤を用いた化学療法 ・放射線療法 この治療を決める上で重要なのが、肺がんの組織型と病期です。 まず肺がんの組織型ですが、小細胞肺がん(SCLC)と非小細胞肺がん(NSCLC)の二つに大別されます。 小細胞肺がん(SCLC) 小細胞肺がんは進行が非常に早く、発見された際にはすでに転移してしまっているケースが多く、化学療法や放射線療法を組み合わせて治療を行います。 非小細胞肺がん(NSCLC) 非小細胞肺がんでは、小細胞肺がんに比べると進行速度は遅いため、早期で発見されるケースもあります。 肺がんの病期と治療法について 病期(ステージ)は 、 Ⅰ期(ⅠA、ⅠB):肺内に腫瘍が限局していて、リンパ節転移がないもの Ⅱ期(ⅡA、ⅡB):肺内に限局しているが大きいもの。もしくは同じ側の肺門部リンパ節に転移がみられるもの Ⅲ期(ⅢA、ⅢB、ⅢC):病変と同じ側の縦隔リンパ節にも転移がみられるもの。または肺外のリンパ節にも転移が生じているもの Ⅳ期(ⅣA、ⅣB):肺から離れた臓器に転移がみられるもの に分類されます。非小細胞肺がんの場合、病期によって治療法が異なります。 ⅠA期では、手術のみを行います。 ⅠBからⅢB期までは手術を行い術後に化学療法を行うのが一般的です。 ⅢA、ⅢB期で手術が不可能な場合には、放射線治療と化学療法を併用した治療法を検討します。 Ⅳ期の場合では、まず遺伝子検査によって特定の遺伝子変異の有無を確認し、有効な分子標的薬があればそれによる薬物療法を検討します。有効な遺伝子変異がない場合には、抗がん剤を用いた化学療法を選択します。ただし、これはあくまでも基本的な方針のため、一律にこのように決まるとは限りません。実際には患者さんごとの状態や事情なども考慮して治療を決定していきます。 肺がんの3つの手術方法 ここでは、肺がんの手術方法について具体的に解説していきます。肺がんの手術方法は、切除範囲とがんの進行度や位置、患者さん自身の状態などによって異なってきます。 1)肺葉切除術 肺がんの手術で最も標準とされる手術方法で、肺の一葉を切除する手術です。肺は右側に三つ、左側に二つの葉に分かれており、がんが存在する肺葉を切除します。多くの場合には近くにあるリンパ節も一緒に切除します。肋骨の間から胸部に切開を入れ、がんを含む肺の葉を取り除きます。 2)区域切除術・楔状切除術 区域切除術は、小型の肺がんに対して、肺葉よりも一部の区域だけを切除する方法です。近年検診などで肺がんが早期で見つかるケースが増えており、それに伴い適応が増えてきている手術方法となります。胸腔鏡を使用して小さな皮膚切開で手術が行えるようになり、患者さん自身の身体の負担軽減を図ることができます。また、区域切除よりもさらに小さな部分を切除する楔状切除術という方法もあります。 3)肺全摘術 片肺を摘出する方法で、病変が一側の肺に広がっており、かつ中心まで及んでいる場合に選択されます。片肺を摘出すると肺や心臓の機能低下につながる可能性があるため、体力が低下している方、もともと呼吸機能が低下している方には選択が難しい方法です。 肺がんの手術後の合併症とその対処法 肺がん手術後の合併症は、手術の方法や、患者さん自身の体質などによっても異なりますが、一般的に想定される主な術後合併症とその対処法について挙げていきます。 肺胞瘻(はいほうろう) 肺を切除した箇所から空気が漏れる合併症です。肺がんの手術の中では約5%程度と比較的頻度が高い合併症です。通常であれば手術により肺の一部が取り除かれるため、呼吸機能が低下することがあります。 <対処法> 多くの場合自然に改善しますが、まれに治らないケースがあります。その場合には薬剤を用いて空気の漏れを止める胸膜癒着術や、再手術が必要になることがあります。 気管支断端瘻(きかんしだんたんろう) 一般的な肺がんの手術では、肺と気管支の一部も切除します。その切断した気管支を切ったところから空気が漏れてしまう合併症です。 <対処法> 起こりうる可能性は極めてまれですが、起こってしまった場合には重篤になるため、緊急手術によって閉鎖したりする必要があります。 術後肺炎 手術後に肺炎が生じ、咳、発熱、呼吸困難などがみられることがあります。 <対処法> 抗生剤を投与して治療を行います。 膿胸(のうきょう) 手術した側の肺の胸腔内に膿がたまる合併症です。膿による発熱や、感染が全身にまわると敗血症をきたすおそれもあります。 <対処法> 膿が少量であれば、胸に小さな穴を開けてそこから洗浄して膿を排除します。小さな穴からの洗浄で不十分な場合には、手術によって洗浄が必要となることもあります。いずれの場合でも抗生剤を併用して治療する必要があります。 乳び胸(にゅうびきょう) 手術の際に、胸管とよばれる太いリンパ管が傷つき、胸腔内にリンパ液が漏れてしまう合併症です。 <対処法> 症状が軽度であれば食事を制限してリンパ液の成分である脂肪分の吸収を抑制することで改善する可能性がありますが、場合によっては再手術で漏れを塞ぐこともあります。 肺動脈血栓塞栓症 手術中や手術後など、ベッドに長期間横になって下肢を動かさない状態になると、足の静脈がうっ滞して血栓が作られます。その血栓が、立ったり歩き始めた際に肺の血管に移動して詰まることで起こる合併症で、いわゆるエコノミークラス症候群として知られています。発生頻度は高くないものの、生じた場合には重篤で死亡する危険性もある合併症です。 <対処法> 血栓が作られるのを予防することが大切で、手術中や術後歩けるようになるまでストッキングを装着したり、下肢のマッサージを行うフットポンプを着用します。また血栓が生じてしまい、肺に詰まってしまうリスクが高い場合には、血液をサラサラにする抗凝固薬を投与して治療します。 反回神経麻痺 反回神経と呼ばれる神経が肺の近くを走行しているため、手術中に反回神経を傷めてしまったりすると、反回神経麻痺を起こす可能性があります。この神経の障害によって、声のかすれ(嗄声)や飲み込みにくさが出る場合があります。 <対処法> 反回神経麻痺は一時的な症状であることが多く、通常数ヶ月程度で改善しますが、まれに回復しないケースもあります。 術後の後遺症に対する治療法や対処法 ここでは、肺がんの手術後に後遺症として残ってしまう可能性のある症状や状態について、その対処法も含めて挙げていきます。 呼吸のしにくさ、息苦しさ 肺がん手術後は、肺を切除したことにより肺活量が低下し、うまく呼吸できなくなったり、労作時の息切れ、息苦しさが残る可能性があります。 <対処法> 呼吸リハビリテーションを行って改善を促すなどの方法があります。理学療法士の指導のもと、呼吸筋を鍛えるリハビリを行います。 声のかすれ、飲み込みにくさ 合併症の項目でも解説した、反回神経麻痺によって生じる可能性のある症状です。反回神経麻痺の影響で、声帯が動かしにくくなってしまうことで生じます。数ヶ月以上経っても、症状が改善しない場合がまれにあります。 <対処法> 声のかすれが重度の場合や飲み込みにくさが強い場合には、麻痺した声帯を移動させる等、手術による治療法があります。 治療後で後遺症が残ってしまったら:再生医療について 肺がんの手術後に後遺症に対する治療法として、再生医療の可能性についてお話します。 再生医療とは、「幹細胞」と呼ばれる様々な細胞に分化することができる細胞を活用して行う治療です。幹細胞を培養して増やし、それを点滴や患部に直接注射することで損傷した組織の修復や再生を促すことを狙いとする治療法で、現在その効果が期待されています。中でも、術後の神経損傷に対する再生医療が注目されており、肺がんの手術後の合併症・後遺症である反回神経麻痺への改善効果が期待されています。 当院は国内では数少ない再生医療を提供できる施設の1つです。患者さん自身の脂肪から幹細胞を採取、培養し、点滴する「自己脂肪由来幹細胞治療」を行っています。自分自身の細胞を用いるため、拒絶反応やアレルギーを生じにくく、安全性が高い方法です。 術後の後遺症でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 肺がんについてよくあるQ&A Q:新型タバコ(電子・加熱式)は肺がんの原因になりますか? A:新型タバコは紙巻タバコに比べて害が少ないと思われがちです。しかし実際には、含まれるニコチンの量は紙巻タバコと同等もしくはそれ以上であることもあり、タールも7割程度と言われています。従って、それ以外にも約70種類の発がん物質が含まれていると言われており、新型タバコも同様に肺がんのリスクとなります。 Q:肺がんを予防する方法はありますか? A:肺がんを完全に予防できる方法は現時点でありませんが、肺がんになるリスクを減らすことはできます。まず、肺がんの最も多い原因である喫煙をしている場合には禁煙をしてください。また、受動喫煙によっても肺がんのリスクがあがりますので、タバコの煙を避けるなども大切です。最も重要なのは肺がんの早期発見です。予防でできることは限られますが、定期的に健康診断などで胸部のレントゲン検査など、画像検査を受けるようにしてください。肺がんが見つかったとしても大きくなる前に早期に発見できれば、その分根治の可能性が見込めます。。 まとめ:肺がんの治療法やその合併症・後遺症に再生医療の可能性 今回は肺がんについて、その原因から治療まで幅広く取り上げ、治療の柱である手術についてや、その合併症も含めて詳しく解説していきました。 また、術後の後遺症やその後遺症に対する再生医療の可能性も含めて取り扱っています。実際に肺がんになってしまいこれから治療を受けられる方、肺がんの治療後の後遺症に悩まれている方、肺がんについての詳しい情報を知りたい方々にとって、有益な情報源となれば幸いです。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献 ・Lung Cancer: Types, Stages, Symptoms, Diagnosis & Treatment ・呼吸器外科 | 国立がん研究センター 中央病院 ・肺がん:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] ・Lung Cancer: Types, Stages, Symptoms, Diagnosis & Treatment
最終更新日:2024.09.24