薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
インフォメーション
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
症例紹介
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- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
たった1回の幹細胞治療での劇的な改善に驚き! こちらの患者様は両手足のしびれ、両下肢の筋力低下のため受診されました。 症状の出現は3年前からで、複数の病院の神経内科を受診するも診断ははっきりせず、症状の改善もなく不安な日々を過ごしていたそうです。 1年前に整形外科を受診したところ、症状の原因は『頸椎の後縦靭帯の骨化による脊柱管の狭窄(後縦靭帯骨化症)』であると原因がやっと判明しました。すぐに頸椎の手術を受け、狭くなった脊柱管を広げましたが、残念ながら症状の改善はほとんどありませんでした。不運なことに手術後は創部感染を併発してしまい、大変な思いをしたそうです。 当院初診時には、歩行は下肢の筋力低下のため不安定であり、両手の使いにくさ(巧緻運動障害)も認めました。現在の保険診療内では神経の物理的な圧迫を取り除く手術を行っても神経機能の回復がみられなかった方への根本的な治療法は残念ながらありません。手術がもっとも侵襲的であり治療効果が見込める最終手段となっているのです。 しかし近年、幹細胞治療によりそういった状況に陥った方でも神経機能の回復が見られる症例が多数報告されるようになりました。当院では神経損傷の幹細胞治療の黎明期から苦しんでいる患者様の手助けをしたいとの思いで積極的に取り組んできました。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもっています。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから当院では脊髄内への直接投与(脊髄腔内ダイレクト注射)を行っております。 MRI初見 受診時のMRIでは第4頸椎から第1胸椎までの椎体の後ろ側の靭帯(後縦靭帯)が骨化し肥厚していましたが、手術により脊柱管の狭窄は軽度になっていました。 脊髄腔内に直接幹細胞を3回投与 脊髄腔内に3回にわけて2500万個細胞ずつ、合計7500万個細胞、点滴で1回一億個細胞を投与する治療計画を立てました。 まだ治療途中でありますが、1回目の脊髄腔内投与後直後から、左足の筋力がMMT5(強い抵抗に打ち勝って動かせる:正常の力)まで明らかな改善を認めました。 その後、2回目、3回目と幹細胞を投与することで、四肢のしびれは半分になりました。立位から下まで蹲踞(そんきょ)、つまりしゃがみ込むことができませんでしたが、投与後はしっかりとしゃがみ込み、さらにそこから立ち上がることもできるようになりました。 そして、左足での片足立ちまでできるようになりました。 そのあまりの効果に「大変な思いをして手術を受けたにも関わらず症状の改善がなかったのに、たった1回の注射でこんなに劇的な改善がみられるなんて信じられない。」と喜びながら話していただけました。私達も幹細胞治療の効果にあらためて驚かされました。このように患者様に喜んでいただけると、私達にとってもすごく励みになリました。 https://www.youtube.com/watch?v=zRaQYBJNrS8 https://www.youtube.com/watch?v=Al-Le33z04w&t=57s https://www.youtube.com/watch?v=g2C435Z2YhQ <治療費> 198万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
公開日:2024.11.20 -
- 糖尿病の症例
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
幹細胞治療後6か月で数値が正常値に! こちらの患者様は2年前からの糖尿病と肝機能上昇で受診されました。 2年前に暴飲暴食がたたり、近医でHbA1c13との結果が出て『糖尿病』と診断されました。HbA1cとは過去数か月の血糖値の平均を示す指標で、正常値は6%台以下です。食事療法と内服でHbA1cは8%台まで下がったそうですが、内服薬が手放せないそうです。 糖尿病とは、血液中の糖が増えて血糖値が高い状態です。予備軍も含めた糖尿病の日本人は2016年の時点で2000万人にものぼると言われてます。血糖値が高いままだと閉塞性動脈硬化、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症などの各種臓器障害が引き起こされてしまうため、血糖値をコントロールしないといけません。 糖尿病の原因は、負担がかかって傷んでしまった膵臓が血糖値を下げるインスリンを分泌できなくなることや、身体がインスリンに抵抗してしまい血糖値が下がらなくなること(インスリン抵抗性)です。こちらの患者様の場合は、血液検査でインスリンが過剰分泌されていたのでインスリン抵抗性に問題があると判断しました。 一度糖尿病になってしまうと、保険診療の範囲内では血糖降下薬やインスリン注射を行う対処療法しか、傷んだ膵臓を回復させたりインスリン抵抗性を改善させる根本的治療はありません。私達は傷んだ膵臓やインスリン抵抗性を根本的に治すことが大事であると考え、糖尿病の幹細胞治療にも力を注いできました。 具体的には下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり目的の細胞に分化したり、傷んだ部位・組織を修復することです。 糖尿病の場合には、幹細胞が傷んだ膵臓を修復してくれたり、インスリン抵抗性を改善してくれることを期待して投与します。もちろん点滴する幹細胞は生きていないと思うようなホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は冷凍保存せず投与するたびに培養しているため、2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%の生き生きとした強い細胞です。 さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには点滴する幹細胞の数も重要と考えています。当院の細胞培養は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため米粒2~3粒程度の脂肪採取を採取するだけで2億個以上の数まで細胞培養が可能です。幹細胞投与の治療効果は細胞数が多ければ多いほど効果が高いことがわかっており、2024年からは厚生労働省へ届出が受理されたことにより2億個の幹細胞を投与できようになりました。これにより今後は従来のMAXで1億個の幹細胞より高い治療効果が期待できます。 投与後の変化 1億個細胞を計5回点滴投与しました。患者様の実際のデータがこちらです。 投与前 6か月後 HbA1c 9.1 6.3 AST 88 36 ALT 113 43 中性脂肪 400 112 投与終了後6か月でHbA1cは9.1→6.3まで下がり、過剰分泌されていたインスリンも正常値に戻りました。投与後6ヶ月で、ASTが 36 →88 、ALTが 113 → 43まで下がり、さらに中性脂肪の値が400であったのが正常値の112まで下がりました。 患者様からは「この状態を維持できるように食事療法にも力を入れていきたいです。」と話していただけました。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより、点滴において、一度に2憶個の幹細胞投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
公開日:2024.11.09 -
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
点滴投与で痩せやすい体質に!8キロものダイエットに成功 こちらの患者様は15年前に高脂血症を指摘され5年前から内服処方を受けていますが、改善がないと受診されました。さらに内科でエコーやCT検査の結果、脂肪肝とも診断され、食事と運動に気を付けるように指導されました。しかし仕事が忙しく、夜の付き合いも多いため難しいとのことで、再生医療を頼って当院を受診されました。 肝臓は文字通り、内臓の中で一番大きく肝になる臓器です。その働きはたんぱく質、脂質、糖などの栄養素の貯蓄、アルコールや有害物質の解毒・分解、消化酵素である胆汁の生成です。脂肪肝とは、摂りすぎて消費しきれない脂肪や糖質が中性脂肪となり、肝臓の周りにたまった状態のことです。脂肪肝の原因は、食べすぎ、お酒の飲みすぎ、運動不足、肥満が原因と言われています。長時間労働、ストレスフルな人間関係、24時間手軽に食品が購入可能なコンビニの普及、忙しくて運動する時間が取れない現代においては、成人男性の4割が脂肪肝であると言われます。 怖いのは「肝臓は沈黙の臓器」と言われ、脂肪肝、肝硬変になっても症状はありません。脂肪肝だと思って放置していたら知らないうちに肝硬変となり肝臓がんが突然発見される可能性もあるのです。 脂肪肝のように慢性的に肝炎状態が続くと、肝臓の線維化が進み肝臓自体が硬くなり肝硬変となります。線維化した肝臓はもとには戻らないと言われています。脂肪肝・肝硬変に関しては確立された治療法はありません。生活習慣の改善が主な治療法となりますが、これ以上肝臓が線維化しないようにといった予防的な意味合いしかありません。現在の保険診療の治療では、脂肪肝も肝硬変も根本的な治療はありません。当院ではそういった肝障害に対して再生医療を提供してきました。 具体的には、下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に自動的に集まり、目的の細胞に分化したり、傷んだ部位・組織を修復することです。 肝臓の再生医療においては、投与された幹細胞は肝臓の炎症や線維化して硬くなってしまった組織を発見し、溶解・修復させることです。よって点滴する幹細胞は生きていないとホーミング効果が期待できません。当院で使用する細胞は、冷凍保存せず投与するたびに培養しているため2回目、3回目に投与する細胞も生存率90%以上の生き生きとしたフレッシュな細胞です。幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには点滴する幹細胞の数も重要と考えています。 当院の細胞培養は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで1億個以上の数まで細胞培養が可能です。2024年からは厚生労働省への届出が受理されたことにより、2億個の幹細胞を投与することが可能になりました。これにより従来の1億個の幹細胞より高い効果が期待できます。 CT初見 腹部CTでは肝臓は脾臓よりも黒っぽく脂肪肝であることがわかります。 投与後の変化 1億個細胞を計5回点滴投与しました。 以前のCTでは、肝臓が黒く脂肪肝の所見がありましたが投与後は回復されています。 5回目の血液検査で、投与前はγ―GTP128であったのが投与後には68まで低下、中性脂肪は634であったのが340まで低下しました。 痩せやすい体質と前向きな気持ちを手に入れダイエットに成功し、患者様にはこれからも健康増進に取り組んでいただけそうで私達もうれしく思いました。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより、点滴において、一度に2憶個の幹細胞投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
公開日:2024.10.29 -
- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞治療で膝に水も溜まらなくなり、痛みも軽減! こちらの患者様は3年前からの両膝関節痛のため受診していただきました。 近くの整形外科では末期( 関節軟骨がほぼ消失している状態)の変形性関節症と診断され、膝に炎症が起こり水が溜まるので何度も水を抜いてもらっていたそうです。 特に左膝の痛みは10段階中10と強く、歩くのが困難でトイレにすら行けないこともあるそうです。 末期の関節症であるため、主治医からは人工関節を勧められました。しかし、手術時の出血、感染、深部静脈血栓症などの合併症、入院期間、リハビリ期間、術後はアクティブな行動は制限されること、などを考えると手術には踏み切れずにいたそうです。そんな中、再生医療に興味を持たれ当院を受診していただきました。 幹細胞治療において一般的には、末期の変形性膝関節症に対しての治療効果は初期、中期に比べると劣ってしまうと言われています。当院では末期の変形性膝関節症に対しても積極的に治療を行い、患者様に満足のいく治療効果をもたらしてきました。その良好な治療効果は、当院の細胞の質と量へのこだわりによるものと考えています。 当院は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携しており、投与する細胞の生存率は90%以上を誇っています。これは、一般的な再生医療のクリニックで使用する細胞の生存率が60%ほどであることと比べると群を抜いた数字です。 国内ではほとんどが培養した幹細胞を一度冷凍し、投与する際に解凍する方法をとります。解凍する際には幹細胞は大きなダメージを受け、生存率がかなり低下し、さらに、生きている細胞も弱々しいものとなります。これでは関節にせっかく投与しても十分な軟骨の 修復が果たせなくなってしまいます。 当院では、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで、1億個以上の数まで生き生きとした細胞の培養が可能です。一般的なクリニックで1千万個ほどの幹細胞を投与していることと比べると、細胞数も群を抜いています。当院では生きたまま冷凍せず培養し、さらに化学薬品を使わず無添加で培養します。さまざまな工夫をし、強い細胞を作ることにこだわっています。 レントゲン所見 <治療効果>左膝に4000万個細胞、右膝に6000万個細胞を計4回投与+PRP 右膝に4000万個細胞、痛みの強い左膝には6000万個細胞を計4回行いました。 その結果、1年後には右膝は投与前10段階中6であった痛みが0に、左膝は投与前10であった痛みが1まで軽減しました。 患者様には「整形外科で膝の水を何回抜いてもらっても、溜まっていたのに今では水も溜まらなくなり痛みもなくなり、すごくうれしいです。」と喜んでもらえました。 両膝の末期の変形性関節症であったとしても、細胞の質と量にこだわり強い幹細胞を投与し治療をすれば、患者様に満足のいく治療効果をもたらすことができるのだと確かな手ごたえを感じることができました <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 ) ・PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
公開日:2024.10.14
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トピックス
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- 足部、その他疾患
- スポーツ外傷
- 足部
外反母趾とは、母趾(足の親指)が小趾(足の小ゆび)側に曲がることで、痛みや腫れを引き起こす症状です。女性が外反母趾になりやすいといわれますが、立ち仕事が多い方や自分の足に合っていない靴を履いている男性でも母趾が変形してしまいます。 外反母趾の治療法について以下のような不安はありませんか? ・予防のための対策が分からない ・悪化を防ぐための対策が分からない ・痛みが強い場合に手術が必要か分からない この記事では、外反母趾の治療法をどのように選択してよいか分からないとお悩みの方について解説しています。 外反母趾は適切な治療法を選択することで悪化を予防できます。 また、今すでに外反母趾による痛みが強くお困りの方でも、適切な治療法を選択できるようになりましょう。 外反母趾の非外科的(手術しない)治療法 外反母趾の治療法の1つに、手術せず症状を改善する『非外科的治療法』があり、具体的には以下の3つです。 1. インソール(オルソティックス)の使用 2. 足の運動や体操・ストレッチ 3. 日常生活で気をつけること 非外科的治療法は、外反母趾の程度が軽度から中等度の場合に有効です。外反母趾の悪化を防ぐためにも日頃からの予防がとても大切です。 ここでは、上記3つの非外科的治療法について詳しく解説します。 1. インソール(オルソティックス)の使用 インソール(オルソティックス)の使用は、外反母趾の予防や症状の改善に有効です。なぜなら、外反母趾の原因には、足の骨が弓状に並んで形成されたアーチの崩れが関係しているからです。また、足のアーチが崩れる原因には、加齢や肥満、運動不足や足に合わない靴の使用が挙げられます。足の縦アーチが崩れると『扁平足』、足の横アーチが崩れると『開張足』となり、それぞれ外反母趾を引き起こす要因です。 このため、インソールを使用することで、足のアーチをサポートするため、アーチの崩れを防ぎます。また、足全体に圧力を分散し母趾にかかる負荷を軽減するため、立っている時や歩く時の痛みを和らげる効果もあります。 足のアーチの崩れを予防する目的であれば、市販のインソールを購入するだけでも足のアーチの崩れ防止効果を実感でき、靴屋またはスポーツショップで数千円で購入できます。しかし、すでに外反母趾による痛みがある方の場合は、オーダーメイドのインソールを使用しなければ症状を改善できない可能性があるのです。オーダーメイドのインソールは数万円と高額ですが、足型を測りその方の足に合うようにインソールを作成するため、市販の物よりも足をサポートするため痛みの軽減につながります。 インソールの使用は最も簡単に行える対策ですが、あくまで症状の緩和や予防の一環であり、根本的な治療法ではないことを理解しておきましょう。 2. 足の運動や体操・ストレッチ 外反母趾の予防や痛みや進行を緩和するためには、以下2つの足の運動やストレッチが有効です。 ・足ゆびを開く運動 ・足指でタオルを引き寄せる運動 『足指を開く運動』は、自分の力で足指で「パー」の形を作ることです。足指を開くことで「母趾外転筋」を強化できるため、母趾が小指側へ向きにくくなります。 また、『足指でタオルを引き寄せる運動』は、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離してを繰り返し、タオルを手前に引き寄せる運動です。この運動では「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」が強化され、足のアーチの崩れを予防できるのです。 外反母趾に対する足指の体操・ストレッチでは『Hohmann(ホーマン)体操』が推奨されています。ホーマン体操では、幅の広いゴムを両足の親指にかけ、かかとを合わせたまま両足のつま先を開き5〜10秒間キープさせ、20回ほど繰り返します。この体操では小指側に曲がった母趾を元の位置に戻す効果があります。ゴムがない場合は、自分の手で母趾を元の位置に戻すように動かすだけでも同様の効果を得られるのです。 これらの運動やストレッチは、日常生活の中で簡単に取り入れることができますが、すぐに効果が出ないため、日頃からの継続が大切です。 3. 日常生活で気をつけること 外反母趾の発症や進行は、以下3つの生活習慣が大きく影響しています。 ・幅の狭い靴の着用 ・長時間の立ち仕事 ・乱れた食生活 幅の狭い靴、特に革靴やハイヒールを頻繁に履くことは、母趾が小指側へ押し付けられてしまうため、外反母趾のリスクを高めます。そのため、幅が広く適切な大きさの靴を選ぶことが大切です。またハイヒールの場合は、かかとの低い靴を使用することが推奨されています。 また、長時間の立ち仕事や歩行は足のアーチの崩れの原因となるため、適度な休息が必要です。仕事により長時間の立ち仕事が避けられない方の場合は、インソールを使用することで足のアーチを支えてくれるため、外反母趾の予防につながります。 上記に加えて、外反母趾の予防や改善を図るためには、食生活についても注意が必要です。外反母趾の原因の1つに”肥満”が挙げられているので、体重の増加は足のアーチの崩れにつながり、外反母趾を発症、悪化させる可能性があります。そのため、バランスの良い食事を行い、体重を増やさないように注意しましょう。 外反母趾の外科的(手術)治療法 外科的(手術)治療法は、外反母趾の症状が重度である場合や、痛みが強く日常生活に支障が出ている際に選択されることが多いです。 ここでは外科的治療法にかかわる以下3つの事柄について紹介します。 1. 手術の種類と適応 2. 手術のメリットとリスク 3. 手術後に行うリハビリテーション それぞれ詳しく解説していきます。 1. 手術の適応と種類 外反母趾は重度になると手術の適応となりますが、具体的な指標は以下の通りです。 ・母趾の見た目が気になる。 ・母趾の付け根が痛く日常生活が大変になる ・母趾の付け根が飛び出し靴が合わなくない 上記の場合には手術の適応となることが多いですが、手術にはリスクが伴います。外反母趾の手術に伴うリスクについては次項で解説します。そのため、手術を受ける際にはリスクをしっかり把握した状態で臨みましょう。 また、外反母趾の外科的治療法には多くの種類が存在し、大きく分けると以下の3つに分類されます。 ・遠位骨切り術 ・骨幹部骨切り術 ・近位骨切り術 それぞれ母趾の付け根の骨を切りアライメントを矯正する手法ですが、骨を切る場所により上記のように術式が異なります。一般的に、外反母趾が軽度から中等度の場合には『遠位骨切り術』、重度の場合には『骨幹部骨切り術』または『近位骨切り術』が選択されるのです。 2. 手術のメリットとリスク 外反母趾の手術により、痛みの改善や見た目の改善を図ることができます。痛みが改善されることで、日常生活を快適に過ごせるようになり、運動やウォーキングを楽しめるようになります。また、母趾の付け根の出っ張りが解消されるため、好きな靴を履けるようになり、おしゃれを楽しめるようになるかもしれません。 しかし、手術には以下のリスクがあることも理解しましょう。 ・感染症 ・骨の癒合には個人差があること ・痛みや変形の再発 感染症のリスクは、外反母趾の手術に限った話ではなく、手術する際には必ず伴うリスクです。手術後に骨が癒合するまでには時間がかかり、特に骨粗鬆症の方の場合はさらに時間を要します。 また、手術後に一部の方は外反母趾が再発する可能性があり、術式による再発の可能性は以下の通りです。 ・遠位骨切り術の再発率:2.5〜19% ・近位骨切り術の再発率:10〜15% このように、外反母趾の手術を行う際には、メリットとリスクを理解したうえで医師と十分に話し合い、治療法を選択することが重要です。 3. 手術後に行うリハビリテーション 外反母趾の手術後は、積極的に母趾を動かしたり体重をかけたりできないため、手術後すぐは患部の腫れや痛みを抑えるため、冷却パッドの使用や軽度のストレッチから始めます。 リハビリテーションは理学療法士の指導のもと、横になった状態や座った状態で太ももやふくらはぎの筋力トレーニングを行います。また、松葉杖を使用して自力で移動できるように歩行練習も行うのです。 リハビリテーションでは、運動療法だけでなく正しい靴の選び方もお伝えし、外反母趾の再発の予防にもつとめます。 退院まで手術後から約3週間ですが、その後は定期的に外来で受診しリハビリテーションの継続が必要です。手術後2〜3カ月経過すると、手術部の腫れがなくなり骨の癒合も完了するため、靴を履いて歩くことができますが、長時間歩くことは難しい状況です。この段階のリハビリテーションでは、母趾に負担のかからない正しい歩き方を指導します。 手術後、約4カ月経過すると立ち仕事や長時間の歩行が可能になり、約6ヶ月を経過すると運動ができるようになり、日常生活への支障がなくなります。 外反母趾の治療法を選ぶ際に検討すべきこと 外反母趾の治療法を選ぶ際には、以下の3つを検討しなければいけません。 ・外反母趾の症状や日常生活への影響度合い ・外科的治療にかかる時間や費用 ・治療法の効果やリスク 外反母趾の症状が軽度で日常生活への影響が少ない場合には、非外科的(手術しない)治療法を選択します。非外科的治療法では効果をすぐに実感できない場合もありますが、運動やストレッチを継続することで、外反母趾の悪化を予防できます。 外反母趾の程度が重度の場合は医師から外科的(手術)治療法を勧められますが、治療にかかる時間や費用、手術の効果やリスクの検討が必要です。これらを判断して、手術を行うのか行わないのか、行う場合はいつ行うのかを医師としっかり相談しましょう。 まとめ・自分に合った外反母趾の治療法を選択できるようにしましょう 外反母趾の治療法を選択する際には、非外科的治療と外科的治療法のそれぞれで行うことを理解しなければいけません。 非外科的治療では、足の運動やストレッチ、インソールを使用使用すると、足のアーチ崩れを予防できます。また、日常生活では幅の広い靴を履き食生活を整えることでも外反母趾の予防につながります。 外科的治療法を行う際は以下の3つ内容を把握しましょう。 ・手術の種類と適応 ・手術のメリットとリスク ・手術後に行うリハビリテーション このような場合には外科的治療法を選択することを視野に入れなければいけませんが、外反母趾の手術に限らず、手術にはリスクが伴います。そのため、手術を行うにはメリットとリスクを十分に理解したうえで医師と話し合い、最終的な判断を下すことが大切です。 外反母趾の治療法には非外科的治療と外科的治療法の2種類ありますが、それぞれの特性を理解したうえで自分の症状に合った治療法を選択しましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 吉野匠,初期の外反母趾は運動でよくなると聞いたが・・・,吉野整形外科 同友会グループ,ガイドラインに基づいた外反母趾の正しい知識と治し方,2020年1月号 仁木久照,専門医インタビュー,外反母趾の痛み・変形は早期治療が大切です。放置しないで足の外科医に相談を,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト 湯浅慶朗,湯浅慶朗の「一生自分で歩く足育塾」1,外反母趾の原因は足の筋力低下!治療方法や改善策は?,まいにち好きがみつかるハルメク365 滝正徳,専門医インタビュー,外反母趾の痛みは我慢しないで専門医へ 靴選びなどの工夫で緩和されることもあります,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト
公開日:2024.11.08 -
- 足部、その他疾患
- スポーツ外傷
- 足部
外反母趾とは、母趾(足の親ゆび)の付け根の関節(MTP関節)が小指側に20°以上曲がっている状態であり、約3割の大人に認められています。MTP関節の曲がりが20°〜30°の場合は軽度、30°〜40°の場合は中等度、40°以上の場合は重度と分類されています。 この30年で外反母趾になる方は最大8倍にも増加し、外反母趾に悩む方が増えている背景の1つには、靴を履く習慣が関係しているのです。 外反母趾について以下のような心配なことはないでしょうか? ・日常の生活自体が大変になりそう ・立ち仕事が大変になりそう ・ウォーキングやランニングが楽しめなさそう この記事では、外反母趾を予防するための正しい知識を身につけ、原因や生活習慣、予防策について解説しています。 将来、自分の足が外反母趾になるのを防ぐためにも、適切な対策を行えるようになりましょう。 外反母趾を引き起こす3つの原因 外反母趾には、一般的に以下の3つの原因があります。 ⓵遺伝子的要因 ②不適切な靴の履き方 ③足の構造的な問題 それぞれ、先天的な要因と後天的な要因があります。先天的な要因については変えられませんが、後天的な要因については対策可能です。外反母趾になる原因を減らすためにも理解していきましょう。 ⓵遺伝的要因 人間の足指の長さは遺伝により決まり、外反母趾になる可能性が異なります。 足の構造は3種類あり、それぞれの特徴は以下の通りです。 ・ギリシャ型:親指よりも人差し指が長い(全体の25%) ・エジプト型:親指が人差し指よりも長い(全体の70%) ・スクエア型:足指全体的に同じ長さ(全体の5%) 上記3つの方の中でも「エジプト型」が外反母趾になりやすいと言われています。 なぜなら、体重がかかった際に親指が一番長いため小指側に曲がりやすいからです。日本人の7割はエジプト型であるため、外反母趾になりやすい足の構造をしています。 ただし、ギリシア型やスクエア型の場合でも外反母趾にはなる可能性があるので注意しましょう。 ②不適切な靴の履き方 男女ともに足指を圧迫するつま先の細い不適切な靴の履き方をすると外反母趾の原因となります。 なぜなら、足指が圧迫されると、親指が小指側へ曲げられてしまうからです。 不適切な靴とは、男性の場合は「つま先の細い革靴」、女性の場合は「つま先の細いハイヒール」のことです。 特につま先の細いハイヒールを履いている女性の方は注意が必要です。親指が小指側に曲がるのを抑えるための靭帯があり、足指が真っ直ぐの場合、靭帯は機能を果たします。しかし、ハイヒールを履きかかとが高く、足指が反った状態では靭帯が緩んでしまうため、外反母趾を引き起こしやすくなります。 このため、外反母趾を予防するための靴を選ぶ際には、自分の足に負担がかからない幅の広い靴であることが大切です。詳しくは、下記の『適切な靴の選び方』で紹介しますので、ぜひご参考ください。 ③足の構造的な問題 足の縦アーチがつぶれると「扁平足」、横アーチがつぶれると「開帳足」になると、外反母趾の原因となります。 足の縦アーチとは「土踏まず」のことで、体重の分散や歩く時のバランスに欠かせない足の構造です。外反母趾は、筋力低下や加齢、肥満により引き起こされます。扁平足になると、立っている時の重心が母趾側(土踏まず)にかかるため、母趾が小指側へ押されてしまいます。その結果、母趾内転筋が短縮してしまい、外反母趾となるのです。 足の横アーチには、足裏にある血管や神経を体重の圧迫から防ぎ、体重がかかったときのエネルギーをバネのように機能する役割があります。また、足の横アーチがつぶれると横中足靭帯が緩んでしまうため開帳足が引き起こされます。その結果、母趾内転筋が緩んでしまうため、外反母趾となってしまうのです。 そのため、外反母趾を防ぐためにも、足のアーチが崩れるのを予防しましょう。 生活習慣による外反母趾への影響 外反母趾の原因は3つあると分かりましたが、生活習慣と外反母趾にはどのような関係があるのでしょうか? 外反母趾は座る時間が長かったり、立っている時間がなかったりすると発症しやすいといわれています。 特に以下の2つが外反母趾の発症に大きく関わります。 ・運動不足による足の筋力低下 ・職業と生活習慣の影響 生活習慣と外反母趾は大きく関係しているため、予防するためにもしっかり理解していきましょう。 運動不足による足の筋力低下 運動不足により足だけでなく体全体の筋力が低下します。 厚生労働省の発表によると、筋力を維持するためには1日に以下の運動量が必要と言われています。 ・成人の場合:8,000歩以上 ・高齢者の場合:6,000歩以上 しかし、成人の1日の平均歩数は6,278歩、60歳以上の場合は50%以上が6,000歩未満と大半の方が運動不足です。日本人が平日1日座っている時間は、男性38%、女性33%であり、世界20カ国における平日の総座位時間を調査した研究でも、日本人の総座位時間は世界的にみてかなり長いと言われています。 また、運動不足になると足の縦アーチを支えている「長母趾屈筋」・「長趾屈筋」・「前脛骨筋」・「後脛骨筋」の4つの筋肉も低下するため、扁平足になりやすく、外反母趾の要因となります。 日本における歩数の経年変化 6000/歩以上歩いている高齢者の割合 職業や足に負担のかかる靴の着用 立ち仕事が多いオフィスワーカーの方やつま先の細い靴を履く習慣がある方は、外反母趾になる可能性が高いので注意が必要です。 なぜなら、立ち仕事が多い場合には体重により足の縦アーチがつぶれやすくなってしまうからです。また、つま先が細い靴を履く習慣がある方は、靴が母趾を圧迫するため外反母趾の要因となります。特にハイヒールの場合の親指への負担は以下のようにかかっています。 ・かかとの高さが4cmの場合:裸足と比較して1.5倍 ・かかとの高さが9cmの場合:裸足と比較して3倍 上記のようにハイヒールのかかとが高いほど、母趾には大きな負荷がかかっています。そのため、職業柄ハイヒールを履かなければいけない方はかかとの低い物を選ぶことが大切です。 外反母趾の予防策と改善策 外反母趾を予防するためには以下の3つが有効です。 ・足に合った適切な靴を選ぶ ・インソールを使用して足の負担を軽減する ・足の筋力強化や体操を行う また、現在すでに外反母趾で痛みがある方でも上記の3つを行うと症状の改善を図れる可能性があります。 足に合った適切な靴を選ぶ 外反母趾を防止するためには適切な靴選びが重要です。靴を選ぶ際には以下3つの項目を満たしているか確認しましょう。 ・つま先に1cmほどの余裕があること ・つま先が細くなくゆとりがあること ・スニーカーのようなかかとが低い靴であること ただし、女性の方で仕事や冠婚葬祭でハイヒールやパンプスを履かなければいけない場合は、ヒールが低くつま先にゆとりがある物を選び、履いている時間を最低限にしましょう。 適切な靴のサイズを知るためには、自分の足の大きさを把握することが重要です。自分の足のサイズを知っているつもりでも測ってみると少し誤差があるかもしれません。適切な大きさの靴を選ぶためにも、自分の足の大きさを一度測ってみましょう。また靴を選ぶ際にはサイズの他に幅も大切です。靴の幅は一般的に『E』で表記され、Eから5Eまでの5段階あり、数字が多くなるほど幅広い靴になります。ただし、Eでも幅が広い場合は『D』というEよりも幅が狭いサイズもあります。さらに大切なことは『靴の購入前には試し履きする』ことです。靴のサイズや幅を確認しても、メーカーによりサイズ感は少し異なり、自分の足に靴がフィットするか分かりません。自分の足に合わない靴を履き続けることで外反母趾の原因となるため、靴の購入前の試着は重要です。 インソールを使用して足の負担を軽減する 日常生活や仕事で長時間立っている方は、足のアーチをサポートするインソール(中敷)に変更してみましょう。 なぜなら、足裏の筋力がしっかりしていても立っている時間が長ければ、体重により足のアーチがつぶれてしまうからです。 靴を購入したときにはインソールが敷かれていますが、平らな形状で足のアーチはサポートされません。外反母趾が軽度の場合、市販されているインソールで十分に対応可能です。足のアーチをサポートするインソールは靴屋さんやスポーツショップで購入できます。インソールの価格は数千円と高く感じますが、一生使う足を保護できると思えば安い金額です。 ただし、外反母趾の変形が強い場合にはインソールを変更しただけでは痛みを予防できないため、専用の靴の作成や手術が適応になる可能性があります。 足の筋力強化や体操の運動療法を行う 外反母趾を予防、改善するためには以下2つの足指の筋力強化が有効です。 ・足指を開く運動 ・足指でタオルを引き寄せる運動 足指を開く運動は、自分の力で足指を外側へ広げ「パー」の形を作り「母趾外転筋」という筋肉を強化するトレーニングです。母趾外転筋を鍛えることで、母趾が小指側に曲がるのを抑えるため外反母趾の予防につながります。 足指でタオルを引き寄せる運動は、タオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離すを繰り返しタオルを自分の方に引き寄せます。この運動により「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」の筋肉が強化され、縦アーチがつぶれにくくなり、扁平足や外反母趾の予防につながるのです。 また、筋力強化の運動ではないですが、外反母趾にはHohmann(ホーマン)体操も有効です。Hohmann(ホーマン)体操はのやり方は以下の通りです。 ゴムひもを両方の親指にかける 両方のかかとを合わせた状態で足先を広げる ゴムが張った状態で10秒数える 上記の『3』を20回繰り返す Hohmann(ホーマン)体操では、小指の方に曲がった親指を正しい位置に戻す方向へ動かします。Hohmann(ホーマン)体操を行うことで、軽度か中等度の外反母趾の改善を図れます。 外反母趾の原因を理解して適切に予防していきましょう 外反母趾になる方は、この30年で最大8倍にも増加している疾患であり、以下3つの原因により引き起こされます。 ・遺伝子的要因 ・足の構造的な問題 ・不適切な靴の履き方 遺伝的要因では足指の長さが関係し、日本人の70%は親指が人差し指よりも長い『エジプト型』に該当します。エジプト型では、親指が小指側へ曲がりやすいため外反母趾になりやすい傾向にあります。 また、足の構造的な問題では『扁平足』や『開帳足』が外反母趾の原因です。どちらも筋力低下や加齢、肥満により引き起こされる可能性があるので、日頃からの運動習慣が欠かせません。 特に、不適切な靴の履き方と足の構造的な問題については、しっかり対策を講じることで予防可能です。 靴を選ぶ際にはつま先にゆとりがあり、スニーカーのようにかかとが低い物が望ましいです。 今後も、足の痛みを軽減し外反母趾にならないためにも、外反母趾についてさらに理解していきましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 厚生労働省政策統括官(統計・情報政策、労使関係担当),令和2年患者調査傷病分類編(傷病別年次推移表),2020 久光製薬株式会社,外反母趾,日本の足外科学会,2022-11 佐賀県理学療法士会,4人に1人!?身近に潜む糖尿病と怖い合併症運動で出来ることは!!,佐賀県理学療法士会広報誌,2022-3-31 健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂 に関する検討会,健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023,厚生労働省,令和5年11月27日 井上敏生,日本フットケア学会雑誌,16版,(一社)日本フットケア・足病医学会,2018,p.145-147
公開日:2024.11.08 -
- 足部、その他疾患
- スポーツ外傷
- 足部
外反母趾は足の親ゆびが小指側に曲がる症状で、親指の付け根が腫れ上がったり、痛みが出現したります。外反母趾の原因には遺伝的な足指の長さが関係していますが、足に適さない靴の着用や運動不足などの生活習慣も関係しています。しかし、外反母趾は適切に対処することで予防可能です。 では、外反母趾の予防について以下のようなお悩みはありませんか? ・どのような靴を選ぶと良いか分からない ・どのように運動やストレッチを行うと良いか分からない ・日常生活で気をつけることを知りたい この記事では外反母趾を予防するための正しい靴の選び方や簡単に行える運動・体操、日常での足への配慮について解説しています。 外反母趾になると痛みによりウォーキングやランニング、スポーツなどの趣味活動ができなくなる可能性があります。これからも楽しく痛みなく生活するためにも、外反母趾の予防を適切に行えるようになりましょう。 外反母趾を予防するための正しい靴の選び方 外反母趾を予防するためには、自分の足に適した靴を着用しなければいけません。自分の足に適した靴を着用しなければ「扁平足」や「開張足」さらには「外反母趾」になってしまう確率が高まります。 ここでは、外反母趾を予防するために以下2点について解説します。 ・靴選びのポイント ・避けるべき靴の特徴 それぞれ以下で詳しく解説します。 靴選びのポイント 靴選びは外反母趾を予防する上で非常に重要なポイントであり、予防するためには以下の4つを満たした靴を選びましょう。 ・かかとの芯がしっかりしていること ・靴底が固く、適切な位置で屈曲すること ・自分の足に適したサイズ・幅の靴を選ぶこと ・ハイヒールやパンプスのヒールは4cm以下であること 上記が満たされない靴の場合は、歩いている時に足を地面に接地した際にかかとが不安定になり、外反母趾を助長する可能性があります。 また、靴を購入する際は必ず試着を行いましょう。靴の大きさや幅はメーカーにより多少異なるため、同じ靴のサイズであっても少し大きく感じたり、小さく感じたりする場合があります。このため、靴のサイズや幅の表記だけでは判断せず、実際に履いてみて自分の足にフィットしているのか確認することが大切です。 避けるべき靴の特徴 前項では外反母趾を予防するための正しい靴の選び方について解説しました。 ここでは、外反母趾を助長する可能性がある避けるべき靴の特徴を4つ紹介します。 ・靴のサイズが大きすぎること ・つま先が窮屈な靴 ・幅が広すぎる靴 ・ハイヒールやパンプスのヒールの高さが4cm以上 靴のサイズが大きすぎる場合は靴の中で足が滑ってしまい、「浮き指」や「屈み指」という足ゆびの変形につながる恐れがあります。足指が変形すると足のアーチの変形にもかかわるため、外反母趾のリスクを高めます。 つま先が窮屈な靴の場合は靴が親指を小指側へ圧迫するため、外反母趾を助長する可能性があります。そのため、幅の広い靴の着用が推奨されていますが、幅が広すぎてもいけません。靴の幅が広すぎると、靴のサイズが大きすぎる場合と同様に、靴の中で足が滑ってしまい足のアーチの変形に繋がるため外反母趾を助長する可能性があります。 また、ヒールが高い場合はつま先に体重がかかりやすくなり、外反母趾を助長してしまいます。以下の表ではヒールの高さによるつま先とかかとの体重の割合を紹介します。 かかとにかかる割合 つま先にかかる割合 ヒールの高さ3cm 50% 50% ヒールの高さ8cm 20% 80% 以上のような特徴を持つ靴を避け適切な靴を選ぶことで、外反母趾の予防が可能です。 外反母趾を予防するために簡単にできる運動や体操 外反母趾は、足の構造や日常生活の習慣が影響し、時間をかけて進行する足の変形症状の1つです。そのため、症状が現れてから対策を始めるのではなく、日々の生活の中で予防することが大切です。ここでは外反母趾を予防するために簡単にできる以下の2点について解説します。 ・外反母趾を予防するためのストレッチ ・足アーチの崩れを予防するための運動 『外反母趾を予防するためのストレッチ』は、親指が小指側へ変形するのを抑える効果があります。また、『足のアーチの崩れを予防するための運動』は、外反母趾の主な要因の1つである足の形状の変化を防ぐために重要な方法です。これらの運動を定期的に行うことで、外反母趾の予防を期待できます。 外反母趾を予防するためのストレッチ 外反母趾を予防するためには以下3つのストレッチが有効です。 ・Hohmann(ホーマン)体操 ・手で足の親指を広げるストレッチ ・母趾内転筋のストレッチ Hohmann(ホーマン)体操はのやり方は以下の通りです。 ゴムひもを両方の親指にかける 両方のかかとを合わせた状態で足先を広げる ゴムが張った状態で10秒数える 上記の『3』を20回繰り返す Hohmann(ホーマン)体操では、小指の方に曲がった親指の付け根の関節を正しい位置に矯正する方向へ動かします。Hohmann(ホーマン)体操を行うことで、軽度か中等度の外反母趾の改善を図れます。 手で足の親指を広げるストレッチは、Hohmann(ホーマン)体操と同様に足の親指の関節を外側へ広げますが、ゴムではなく自分の手を使用して広げます。施行時間や回数はHohmann(ホーマン)体操と同じです。 母趾内転筋のストレッチでは、自分の手で母趾内転筋を直接圧迫してストレッチします。母趾内転筋が固くなると足の親指が小指側へ引っ張られてしまい、外反母趾の要因となってしまいます。手でストレッチが難しい方は、座った状態でゴルフボールやテニスボールを足の下に入れて、全体的にコロコロ転がすだけでもストレッチ効果を得られます。 上記のストレッチはどれも簡単に行えるので、隙間時間で実践してみましょう。 ただし、既に外反母趾により痛みが強い場合には整形外科の病院への受診をおすすめします。 足のアーチの崩れを予防するための運動 足のアーチは筋肉により維持されているため、筋力が低下するとアーチが崩れやすくなります。ここでは、足のアーチを支える筋肉を鍛えるための運動メニューを2つ紹介します。 ・足指を開く運動 ・足指でタオルを引き寄せる運動 『足指を開く運動』は、自分の力で足指で「パー」の形を作ることです。足指を開くことで「母趾外転筋」を強化できるため、母趾が小指側へ向きにくくなります。 また、『足指でタオルを引き寄せる運動』は、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離してを繰り返し、タオルを手前に引き寄せる運動です。この運動では「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」が強化され、足のアーチの崩れを予防できるのです。 これらの運動は、空いた時間に簡単にでき、特別な器具も必要ないため、誰でも始めやすいです。自宅での運動だけでなく、職場や外出先でも行えるため、日常的に取り入れやすいのも大きなメリットです。 外反母趾を予防するために日常で欠かせない足への配慮 外反母趾を予防するためには、日々の生活の中で足への配慮を意識することも大切です。 ここでは以下の2点について解説します。 ・職場での足の休息法 ・足の健康を守るための日常の工夫 長時間の立ち仕事は足に負担をかけ、外反母趾を引き起こす可能性があります。また、継続的に足への配慮を心がけることで、外反母趾の予防に効果的です。どちらも、すぐにでも実践できるので、ぜひ参考にしてみてください。 職場での足の休息法 長時間の立ち仕事では、足のアーチを支える筋肉が疲労してしまい、足のアーチの崩れにつながる可能性があるため、適度に休憩して筋肉を休ませる必要があります。 また、立った状態でかかとを上げてつま先立ちをすることで「下腿三頭筋」や「ヒラメ筋」が刺激され、足への血流が良くなり疲労しにくくなります。 さらに、職場での靴選びも重要です。外反母趾を予防するためには、上記で解説したような靴を履きましょう。大切な項目ですので、以下で再度確認します。 ・かかとの芯がしっかりしていること ・靴底が固いこと ・自分の足に適したサイズ・幅の靴を選ぶこと 以上のような職場での足を休めるための工夫、正しい靴を選ぶことで外反母趾の予防につながります。 足の健康を守るための日常の工夫 日常生活の中で外反母趾を予防するためには、足のアーチ(土踏まず)をサポートするインソール(中敷)に変更することが有効です。 なぜなら、インソールは足のアーチをを支えてくれるからです。 足のアーチが崩れる原因はさまざまありますが、インソールを変更することでそれぞれの要因に対処できます。 靴を購入した際にはインソールが敷かれていますが、平らな形状で足のアーチをサポートする機能がないものが一般的です。そのため、靴屋さんやスポーツショップで販売されている足のアーチをサポートする機能があるインソールの購入がおすすめです。インソールだけで数千円しますが、将来、外反母趾を予防できることを考えると高い買い物ではありません。 ただし、既に外反母趾により痛みが出現している場合は、インソールを変更しても痛みを改善することは難しい場合が多くあります。この場合は、医療機関へ受診し医師に相談しましょう。 まとめ・外反母趾の対策をしっかり行い予防しましょう 外反母趾は適切に対策を行うと予防できる疾患であり、以下3つを実践することが大切です。 ・自分の足に合った靴を選ぶこと ・足のストレッチや運動を行うこと ・日常から足へ配慮すること この30年で外反母趾になる方は最大8倍にも増加し、外反母趾に悩む方が増えている背景の1つには、靴を履く習慣が関係しているといわれます。外反母趾は女性に多い関節の変形ですが、男性も外反母趾にならないとは限りません。このため、外反母趾を予防するためには適切な靴選びが必須です。 また、外反母趾の原因には筋力低下や疲労も関係しています。外反母趾を予防する運動では『足指を開く運動』と『足指でタオルを引き寄せる運動』を行うことで、足のアーチを支える「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」を強化できます。 日常から足へ配慮するには、自分の足に適した靴を履くことやインソールを使用することです。 上記のように、適切な対処を行うことで外反母趾は予防できます。足の健康を長期間保ち、ウォーキングやランニング、スポーツなどの活動を楽しみたい方は、今から少しずつ外反母趾の予防を実践していきましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 渡辺淳,外反母趾は重症化する前に足の外科医に相談を!治療選択肢は広がっています,人工関節ドットコム.
公開日:2024.11.01 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
妊娠出産で骨盤がゆるむと、陰毛の生え際あたりにある恥骨に負荷がかかりやすく、恥骨結合炎をおこします。痛みをなんとかしたくても、育児中だとなかなか病院にも行けませんし、妊娠中や授乳中だと薬を飲んでいいか悩みますよね。 この記事では以下をポイントに妊娠出産による恥骨結合炎について解説します。 ・妊娠出産でおこる恥骨結合炎の原因 ・妊娠・授乳中にできる検査や治療・再発予防 ・産後の恥骨結合炎で気を付けること うまく痛みとつきあえるよう全力でサポートしますので、ぜひ最後までお読みください。 恥骨結合炎の原因と症状 まずは恥骨結合炎の原因や症状を確認しましょう。 原因や症状を知ることで、なぜ痛いのか・どういうときに痛むのか・どんな動作で痛みが増すか分かります。 原因:①妊娠出産で体が変化するため 原因:②出産時に圧迫されるため 症状:①恥骨や股関節の痛み 症状:②思ったように歩けない 1つずつ解説します。 原因:①妊娠出産で体が変化する 妊娠中はエストロゲンとリラキシンというホルモンが、妊娠の維持や出産の準備のため分泌され骨盤がゆるみます。 恥骨は左右それぞれから身体の正中(もしくは中心)に向き合い、陰毛の生えぎわあたりで軟骨と結合しており、これを恥骨結合といいます。骨盤がひらくとこの恥骨結合に負荷がかかりやすくなり、痛めてしまうことは珍しくありません。 骨盤が不安定ななかで、子どもを抱っこしたり無理な姿勢で育児したり、痛みを我慢して家事をしていると恥骨結合や恥骨にくっついている筋肉に疲労がたまり、恥骨結合炎となります。 原因:②出産時に圧迫されるため 出産で赤ちゃんの頭や体が産道をとおるときに、恥骨周囲が直接圧迫され、恥骨結合や周囲の筋肉に炎症がおきると恥骨結合炎となります。 症状:①恥骨や股関節が痛む 症状は恥骨の前側の痛みや、股関節の痛み、恥骨に筋肉が付着している内ももの痛みです。 また、歩いたり前かがみになる動作、立ち上がり動作、太ももを閉じるような動作でとくに痛みが増すため、動作に注意しましょう。 症状:②思ったように歩けない 恥骨結合にはお腹や太ももの筋肉がくっつているため、恥骨結合炎で周囲の筋肉も炎症をおこすと、思ったように足が動かせなかったりいつものように歩けないといった症状がでます。 恥骨結合炎の検査や診断 妊娠中や出産後に恥骨結合炎を疑うときの検査についてまとめました。 ・検査の方法 ・妊娠中・授乳中に検査できるのか 以上の2点を解説します。 恥骨結合炎の検査 恥骨のあたりに痛みがある場合、骨の状態や炎症の具合をみる検査をおこないます。 ・レントゲン ・MRI レントゲンは、かたい骨がうつりやすいため恥骨の状態が分かりやすく、恥骨結合炎の診断によくつかわれます。 MRIはやわらかい組織をうつすのが得意で、骨以外の靭帯や筋肉などの炎症も分かりやすいのが特徴の1つ。時間のかかる検査のため、より精密に検査したい場合におこなわれます。 軽い痛みであればレントゲン撮影で済むでしょう。 妊娠中・授乳中にレントゲン・MRI検査はできる? レントゲン検査は放射線を照射するため、妊娠中や授乳中に検査してもいいのか不安ではないでしょうか。 レントゲン撮影は放射線被ばく量が少ないため、妊娠中も授乳中も可能です。 少量の放射線は空気中や大地、食物に含まれており、わたしたちは日頃から少量の被ばくをうけています。自然の被ばく量とレントゲンの被ばく量を比較してみましょう。 空気中から 大地から 宇宙から 食物から レントゲン(胸) 被ばく量 0.48mSv/年 0.33mSv/年 0.3mSv/年 0.99mSv/年 0.06mSv/1回 (参考:環境省) レントゲンの被ばく量の少なさが分かりますね。 帝王切開などの手術の事前検査でレントゲンを撮影したり、身長の低い方・胎児が大きい場合に産道を赤ちゃんが通れるか骨盤計測するためにレントゲンを撮ることもあります。また、放射線は母乳に影響しないため授乳中も検査ができます。 安心してレントゲン検査をうけてください。 また、MRI検査は磁気を利用した検査で、通常のMRI検査は胎児に影響しません。 ただし、造影剤をもちいるMRI検査は胎児に影響がでる報告があり妊娠中はおこなえません。造影MRIは血管の状態をみるときにおこなう検査で、恥骨結合炎疑いで検査することはまずないため安心してくださいね。 治療法と自宅でできるケア 妊娠中や育児中でもできる治療やケアをご紹介します。妊娠中や授乳中は飲める薬が限られますし、なるべく自力で治せたらいいですよね。病院での治療や自宅で出来るケアをまとめたので、ぜひ参考にしてください。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:①薬を飲む 恥骨結合炎の一般的な治療は、投薬や冷却、注射などです。妊娠中や授乳中は痛み止めが飲めないわけではありません。 しかし、種類が限られるため、なるべく受診して医師に処方してもらいましょう。妊娠中や授乳中に飲める痛み止め成分はアセトアミノフェンです。 アセトアミノフェンが主成分の市販薬もありますが、市販薬は他の成分も含まれているためかならず薬局の薬剤師やかかりつけの医師に相談しましょう。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:②冷やす 痛みが強い・炎症が強い場合は冷やすのも効果的です。保冷剤などをタオルで巻き、冷やしてみてください。 市販の冷湿布は妊娠中・授乳中につかえない成分が含まれているものがあります。湿布の成分は皮膚を通してからだに吸収されるため、おうちにある湿布を安易に貼らないようにしましょう。 湿布を使いたい場合は薬剤師に相談するか、病院を受診して処方してもらいます。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:③安静にする なるべく動かずに安静にすることも恥骨結合炎で大事な治療の1つ。 とはいっても、育児中だとなかなか安静にできないですよね。子どもが寝ているときになるべく一緒に寝たり、ネットスーパーを利用しできるだけ家で過ごすなど、痛みが強い場合は無理しないようにしましょう。 自宅でできる恥骨結合炎の治し方:④骨盤ベルト 骨盤ベルトを日頃から使い、骨盤を安定させると痛みの軽減につながります。 妊娠中は出産に向けてすこしずつ骨盤がひらき、胎児が大きくなることで恥骨への負担が増えます。出産後も骨盤はすぐ元にもどらないため、ベルトで骨盤を安定させましょう。 骨盤ベルトは産婦人科のある病院や助産院で購入できる場合があるので、恥骨の痛みを感じたらはやめに助産師や医師に相談してください。 市販の骨盤ベルトを選ぶ場合は、「妊娠中から産後までつかえる」と書いてあるなど、妊産婦向けの商品を選んでくださいね。 自宅でできる恥骨結合炎の治し方:⑤ストレッチや散歩 痛みが強い急性期は、痛み止めの内服や冷却をして安静にするのが基本ですが、痛みが慢性化している場合は軽い運動が効果的です。再発予防にもなるため、医師の診察で軽い運動の許可が出たら少しずつおこないましょう。 マタニティヨガや産後ヨガなど痛みの出ない範囲でおこなうといいでしょう。ベビーカーをつかい、お子さんとお散歩するのもおすすめです。 恥骨結合炎:産後の日常生活で気を付けるべき3つのこと 産後の恥骨結合炎は、赤ちゃんの抱っこやお世話・授乳時に無理な姿勢をとりやすく、恥骨結合炎が悪化することも。 出産後、育児中の恥骨結合炎との付き合い方についてまとめました。 気を付けること①赤ちゃんの抱っこ 出産後は赤ちゃんを抱っこすることが多いですよね。 抱っこするときは前かがみの姿勢になりやすいですが、前かがみは恥骨に体重がかかるため負荷がかかります。床など低い位置から赤ちゃんを抱っこするときは、なるべく背筋をのばし、片膝を立てて抱き上げるようにしましょう。 また、抱き上げたあとも、左右どちらかに体重がかからないよう注意し、片方の腰の骨に赤ちゃんを乗せる抱き方もひかえます。 抱っこして歩くときはなるべく骨盤ベルトを使用してくださいね。 気を付けること②授乳などお世話の姿勢 授乳時も前かがみになりやすいため、なるべく前かがみにならないよう床ではなく椅子に座り、授乳クッションをつかいましょう。 オムツ替えやお着換えなどのお世話も前かがみになりやすいですが、オムツ交換台を使用すると腰の負担が減りますよ。オムツ交換台は転落に十分注意しながら使ってみてくださいね。 気を付けること③恥骨結合離開 恥骨結合の痛みで気を付けなくてはいけないのは、恥骨結合離開です。 恥骨結合に炎症が起きるのとは違い、恥骨結合離開では、左右からつながっている恥骨の結合が離れてしまうことで、出産時に恥骨を強く圧迫されることで起こります。 とくに以下の状態であれば注意してください。 ・痛みが強い ・歩行が困難 ・安静や冷却、骨盤ベルトをしても痛みが改善しない 6週間以上改善がない場合は手術適応と考える医師もいます。 「恥骨結合炎だ」と自分で判断して我慢しているとなかなか完治しないため、痛みが強い場合ははやめに受診しましょう。 恥骨結合炎とうまくつきあって再発を予防しよう! ここまで、妊娠・出産における恥骨結合炎の原因や検査、ケアや注意点をご紹介しました。 妊娠や出産で骨盤まわりは変化しますが、痛みがでやすいなかでの妊婦生活や育児は大変ですよね。どうしても姿勢がくずれてしまったり、慌ててしまって腰や恥骨に負荷がかかることはよくあります。しかし、お母さんが健康でいることも大切なことです。 痛みがあるときはなるべく安静にし、しっかりケアしてください。また、痛みがひいても姿勢に気を付けたりヨガなどのストレッチや散歩をおこない、再発を予防しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 医学書院医療情報サービス,恥骨炎(恥骨結合炎) 坂本 飛鳥,星 賢治,岸川 由紀,田中 真一,蒲田 和芳,妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響:システマティックレビュー,Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol,10,No.1:1-8,2020 産婦人科学会,「母乳中放射性物質濃度等に関する調査」についてのQ&A 環境省,自然・人工放射線からの被ばく線量,放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成26年度版)第1章.放射線の基礎知識と健康影響 高須 厚, 日浅 浩成, 椿 崇仁, 飯本 誠治, 大野 尚徳, 山岡 慎大朗,創外固定で治療した出産に伴う恥骨結合離開の1例,中部日本整形外科災害外科学会雑誌,2019 ,62 巻 2 号,p. 379-380
公開日:2024.10.30