薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
インフォメーション
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
-
自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
-
多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
-
悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
-
自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
症例紹介
-
- 糖尿病の症例
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
幹細胞治療後6か月で数値が正常値に! こちらの患者様は2年前からの糖尿病と肝機能上昇で受診されました。 2年前に暴飲暴食がたたり、近医でHbA1c13との結果が出て『糖尿病』と診断されました。HbA1cとは過去数か月の血糖値の平均を示す指標で、正常値は6%台以下です。食事療法と内服でHbA1cは8%台まで下がったそうですが、内服薬が手放せないそうです。 糖尿病とは、血液中の糖が増えて血糖値が高い状態です。予備軍も含めた糖尿病の日本人は2016年の時点で2000万人にものぼると言われてます。血糖値が高いままだと閉塞性動脈硬化、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症などの各種臓器障害が引き起こされてしまうため、血糖値をコントロールしないといけません。 糖尿病の原因は、負担がかかって傷んでしまった膵臓が血糖値を下げるインスリンを分泌できなくなることや、身体がインスリンに抵抗してしまい血糖値が下がらなくなること(インスリン抵抗性)です。こちらの患者様の場合は、血液検査でインスリンが過剰分泌されていたのでインスリン抵抗性に問題があると判断しました。 一度糖尿病になってしまうと、保険診療の範囲内では血糖降下薬やインスリン注射を行う対処療法しか、傷んだ膵臓を回復させたりインスリン抵抗性を改善させる根本的治療はありません。私達は傷んだ膵臓やインスリン抵抗性を根本的に治すことが大事であると考え、糖尿病の幹細胞治療にも力を注いできました。 具体的には下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり目的の細胞に分化したり、傷んだ部位・組織を修復することです。 糖尿病の場合には、幹細胞が傷んだ膵臓を修復してくれたり、インスリン抵抗性を改善してくれることを期待して投与します。もちろん点滴する幹細胞は生きていないと思うようなホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は冷凍保存せず投与するたびに培養しているため、2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%の生き生きとした強い細胞です。 さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには点滴する幹細胞の数も重要と考えています。当院の細胞培養は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため米粒2~3粒程度の脂肪採取を採取するだけで2億個以上の数まで細胞培養が可能です。幹細胞投与の治療効果は細胞数が多ければ多いほど効果が高いことがわかっており、2024年からは厚生労働省へ届出が受理されたことにより2億個の幹細胞を投与できようになりました。これにより今後は従来のMAXで1億個の幹細胞より高い治療効果が期待できます。 投与後の変化 1億個細胞を計5回点滴投与しました。患者様の実際のデータがこちらです。 投与前 6か月後 HbA1c 9.1 6.3 AST 88 36 ALT 113 43 中性脂肪 400 112 投与終了後6か月でHbA1cは9.1→6.3まで下がり、過剰分泌されていたインスリンも正常値に戻りました。投与後6ヶ月で、ASTが 36 →88 、ALTが 113 → 43まで下がり、さらに中性脂肪の値が400であったのが正常値の112まで下がりました。 患者様からは「この状態を維持できるように食事療法にも力を入れていきたいです。」と話していただけました。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより、点滴において、一度に2憶個の幹細胞投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
-
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
点滴投与で痩せやすい体質に!8キロものダイエットに成功 こちらの患者様は15年前に高脂血症を指摘され5年前から内服処方を受けていますが、改善がないと受診されました。さらに内科でエコーやCT検査の結果、脂肪肝とも診断され、食事と運動に気を付けるように指導されました。しかし仕事が忙しく、夜の付き合いも多いため難しいとのことで、再生医療を頼って当院を受診されました。 肝臓は文字通り、内臓の中で一番大きく肝になる臓器です。その働きはたんぱく質、脂質、糖などの栄養素の貯蓄、アルコールや有害物質の解毒・分解、消化酵素である胆汁の生成です。脂肪肝とは、摂りすぎて消費しきれない脂肪や糖質が中性脂肪となり、肝臓の周りにたまった状態のことです。脂肪肝の原因は、食べすぎ、お酒の飲みすぎ、運動不足、肥満が原因と言われています。長時間労働、ストレスフルな人間関係、24時間手軽に食品が購入可能なコンビニの普及、忙しくて運動する時間が取れない現代においては、成人男性の4割が脂肪肝であると言われます。 怖いのは「肝臓は沈黙の臓器」と言われ、脂肪肝、肝硬変になっても症状はありません。脂肪肝だと思って放置していたら知らないうちに肝硬変となり肝臓がんが突然発見される可能性もあるのです。 脂肪肝のように慢性的に肝炎状態が続くと、肝臓の線維化が進み肝臓自体が硬くなり肝硬変となります。線維化した肝臓はもとには戻らないと言われています。脂肪肝・肝硬変に関しては確立された治療法はありません。生活習慣の改善が主な治療法となりますが、これ以上肝臓が線維化しないようにといった予防的な意味合いしかありません。現在の保険診療の治療では、脂肪肝も肝硬変も根本的な治療はありません。当院ではそういった肝障害に対して再生医療を提供してきました。 具体的には、下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に自動的に集まり、目的の細胞に分化したり、傷んだ部位・組織を修復することです。 肝臓の再生医療においては、投与された幹細胞は肝臓の炎症や線維化して硬くなってしまった組織を発見し、溶解・修復させることです。よって点滴する幹細胞は生きていないとホーミング効果が期待できません。当院で使用する細胞は、冷凍保存せず投与するたびに培養しているため2回目、3回目に投与する細胞も生存率90%以上の生き生きとしたフレッシュな細胞です。幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには点滴する幹細胞の数も重要と考えています。 当院の細胞培養は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで1億個以上の数まで細胞培養が可能です。2024年からは厚生労働省への届出が受理されたことにより、2億個の幹細胞を投与することが可能になりました。これにより従来の1億個の幹細胞より高い効果が期待できます。 CT初見 腹部CTでは肝臓は脾臓よりも黒っぽく脂肪肝であることがわかります。 投与後の変化 1億個細胞を計5回点滴投与しました。 以前のCTでは、肝臓が黒く脂肪肝の所見がありましたが投与後は回復されています。 5回目の血液検査で、投与前はγ―GTP128であったのが投与後には68まで低下、中性脂肪は634であったのが340まで低下しました。 痩せやすい体質と前向きな気持ちを手に入れダイエットに成功し、患者様にはこれからも健康増進に取り組んでいただけそうで私達もうれしく思いました。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより肝臓疾患に対する点滴において幹細胞数2億個の投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000393 再生医療医師監修:坂本貞範
-
- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞治療で膝に水も溜まらなくなり、痛みも軽減! こちらの患者様は3年前からの両膝関節痛のため受診していただきました。 近くの整形外科では末期( 関節軟骨がほぼ消失している状態)の変形性関節症と診断され、膝に炎症が起こり水が溜まるので何度も水を抜いてもらっていたそうです。 特に左膝の痛みは10段階中10と強く、歩くのが困難でトイレにすら行けないこともあるそうです。 末期の関節症であるため、主治医からは人工関節を勧められました。しかし、手術時の出血、感染、深部静脈血栓症などの合併症、入院期間、リハビリ期間、術後はアクティブな行動は制限されること、などを考えると手術には踏み切れずにいたそうです。そんな中、再生医療に興味を持たれ当院を受診していただきました。 幹細胞治療において一般的には、末期の変形性膝関節症に対しての治療効果は初期、中期に比べると劣ってしまうと言われています。当院では末期の変形性膝関節症に対しても積極的に治療を行い、患者様に満足のいく治療効果をもたらしてきました。その良好な治療効果は、当院の細胞の質と量へのこだわりによるものと考えています。 当院は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携しており、投与する細胞の生存率は90%以上を誇っています。これは、一般的な再生医療のクリニックで使用する細胞の生存率が60%ほどであることと比べると群を抜いた数字です。 国内ではほとんどが培養した幹細胞を一度冷凍し、投与する際に解凍する方法をとります。解凍する際には幹細胞は大きなダメージを受け、生存率がかなり低下し、さらに、生きている細胞も弱々しいものとなります。これでは関節にせっかく投与しても十分な軟骨の 修復が果たせなくなってしまいます。 当院では、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで、1億個以上の数まで生き生きとした細胞の培養が可能です。一般的なクリニックで1千万個ほどの幹細胞を投与していることと比べると、細胞数も群を抜いています。当院では生きたまま冷凍せず培養し、さらに化学薬品を使わず無添加で培養します。さまざまな工夫をし、強い細胞を作ることにこだわっています。 レントゲン所見 <治療効果>左膝に4000万個細胞、右膝に6000万個細胞を計4回投与+PRP 右膝に4000万個細胞、痛みの強い左膝には6000万個細胞を計4回行いました。 その結果、1年後には右膝は投与前10段階中6であった痛みが0に、左膝は投与前10であった痛みが1まで軽減しました。 患者様には「整形外科で膝の水を何回抜いてもらっても、溜まっていたのに今では水も溜まらなくなり痛みもなくなり、すごくうれしいです。」と喜んでもらえました。 両膝の末期の変形性関節症であったとしても、細胞の質と量にこだわり強い幹細胞を投与し治療をすれば、患者様に満足のいく治療効果をもたらすことができるのだと確かな手ごたえを感じることができました <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 ) ・PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000139 再生医療医師監修:坂本貞範
-
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞治療後3か月で、左股関節の痛みが10分の1に! こちらの患者様は1年前から出現した左股関節痛のため受診していただきました。 近くの整形外科では変形性関節症と診断されましたが、まだレントゲンでは関節軟骨はある程度は残っているため、人工関節をするにはもったいない、しかし近い将来には人工関節が必要になるだろうと言われ、内服薬による対処療法を行っていました。しかし疼痛は10段階中10と非常に強く、内服薬では十分に除痛ができていませんでした。 「今ある痛みをどうにかしたい、このまま漫然と内服薬を飲み続け人工関節を受けるのを待つという消極的な治療ではなく、軟骨のすり減りの進行を止めたい、すり減った軟骨を再生させたい」との思いから、再生医療を頼って当院を受診していただきました。 数ある再生医療クリニックの中から当院を選んでいただいた理由は、当院の細胞へのこだわりをホームページで知っていただけたからです。 当院の冷凍せず培養された細胞の生存率は90%以上を誇っています。これは一般的な再生医療のクリニックで使用する細胞の生存率が60%ほどであることと比べると群を抜いた数字です。さらに、生存率を高めるため色々な工夫をして細胞を培養しています。また、化学薬品を使わず無添加で培養できる技術があるのも当院の特徴となります。 細胞の生存率は生成される軟骨の量に密接に関係しており、60%の生存率の細胞で生成される軟骨の量は、90%のものと比べ3分の2を大幅に下回ってしまうと言われています。生存率の高い生き生きとした幹細胞をピンポイントで傷んだ関節に投与することで、軟骨の生成を期待できます。 当院では変形性股関節症への幹細胞医療の症例数も数千例を数えており、こういった軽度から中等度の関節症の場合には軟骨のすり減りの進行を予防できることはもちろん、軟骨が生成されたことを示唆するレントゲンで関節裂隙が開大した症例を数多く経験してきました。そういった経験から将来的な人工関節を回避できると考え、積極的に幹細胞治療を行っております。 レントゲン所見 レントゲンでは関節裂隙は比較的保たれており、中等度の変形性股関節症を認めました。 <治療効果>左股関節に1憶個の幹細胞を計3回投与+PRP 左股関節に1億個細胞を計3回投与しました。 左股関節の痛みは投与前10段階中10であった痛みが3か月後には1となり、その後1年間、疼痛レベルは1のまま過ごしていただけます。 嬉しいことに、こういった良好な治療経過を辿った方は、その後何年も痛みの再発がなく過ごされている場合がほとんどです。 最終診察時に痛みの再発を心配されていましたが、この旨をお話すると安心して帰っていただけました。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 ) ・PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
坂本理事長のブログ
藤間院長のブログ
スタッフブログ
トピックス
-
- 股関節、その他疾患
- 股関節
妊娠出産で骨盤がゆるむと、陰毛の生え際あたりにある恥骨に負荷がかかりやすく、恥骨結合炎をおこします。痛みをなんとかしたくても、育児中だとなかなか病院にも行けませんし、妊娠中や授乳中だと薬を飲んでいいか悩みますよね。 この記事では以下をポイントに妊娠出産による恥骨結合炎について解説します。 ・妊娠出産でおこる恥骨結合炎の原因 ・妊娠・授乳中にできる検査や治療・再発予防 ・産後の恥骨結合炎で気を付けること うまく痛みとつきあえるよう全力でサポートしますので、ぜひ最後までお読みください。 恥骨結合炎の原因と症状 まずは恥骨結合炎の原因や症状を確認しましょう。 原因や症状を知ることで、なぜ痛いのか・どういうときに痛むのか・どんな動作で痛みが増すか分かります。 原因:①妊娠出産で体が変化するため 原因:②出産時に圧迫されるため 症状:①恥骨や股関節の痛み 症状:②思ったように歩けない 1つずつ解説します。 原因:①妊娠出産で体が変化する 妊娠中はエストロゲンとリラキシンというホルモンが、妊娠の維持や出産の準備のため分泌され骨盤がゆるみます。 恥骨は左右それぞれから身体の正中(もしくは中心)に向き合い、陰毛の生えぎわあたりで軟骨と結合しており、これを恥骨結合といいます。骨盤がひらくとこの恥骨結合に負荷がかかりやすくなり、痛めてしまうことは珍しくありません。 骨盤が不安定ななかで、子どもを抱っこしたり無理な姿勢で育児したり、痛みを我慢して家事をしていると恥骨結合や恥骨にくっついている筋肉に疲労がたまり、恥骨結合炎となります。 原因:②出産時に圧迫されるため 出産で赤ちゃんの頭や体が産道をとおるときに、恥骨周囲が直接圧迫され、恥骨結合や周囲の筋肉に炎症がおきると恥骨結合炎となります。 症状:①恥骨や股関節が痛む 症状は恥骨の前側の痛みや、股関節の痛み、恥骨に筋肉が付着している内ももの痛みです。 また、歩いたり前かがみになる動作、立ち上がり動作、太ももを閉じるような動作でとくに痛みが増すため、動作に注意しましょう。 症状:②思ったように歩けない 恥骨結合にはお腹や太ももの筋肉がくっつているため、恥骨結合炎で周囲の筋肉も炎症をおこすと、思ったように足が動かせなかったりいつものように歩けないといった症状がでます。 恥骨結合炎の検査や診断 妊娠中や出産後に恥骨結合炎を疑うときの検査についてまとめました。 ・検査の方法 ・妊娠中・授乳中に検査できるのか 以上の2点を解説します。 恥骨結合炎の検査 恥骨のあたりに痛みがある場合、骨の状態や炎症の具合をみる検査をおこないます。 ・レントゲン ・MRI レントゲンは、かたい骨がうつりやすいため恥骨の状態が分かりやすく、恥骨結合炎の診断によくつかわれます。 MRIはやわらかい組織をうつすのが得意で、骨以外の靭帯や筋肉などの炎症も分かりやすいのが特徴の1つ。時間のかかる検査のため、より精密に検査したい場合におこなわれます。 軽い痛みであればレントゲン撮影で済むでしょう。 妊娠中・授乳中にレントゲン・MRI検査はできる? レントゲン検査は放射線を照射するため、妊娠中や授乳中に検査してもいいのか不安ではないでしょうか。 レントゲン撮影は放射線被ばく量が少ないため、妊娠中も授乳中も可能です。 少量の放射線は空気中や大地、食物に含まれており、わたしたちは日頃から少量の被ばくをうけています。自然の被ばく量とレントゲンの被ばく量を比較してみましょう。 空気中から 大地から 宇宙から 食物から レントゲン(胸) 被ばく量 0.48mSv/年 0.33mSv/年 0.3mSv/年 0.99mSv/年 0.06mSv/1回 (参考:環境省) レントゲンの被ばく量の少なさが分かりますね。 帝王切開などの手術の事前検査でレントゲンを撮影したり、身長の低い方・胎児が大きい場合に産道を赤ちゃんが通れるか骨盤計測するためにレントゲンを撮ることもあります。また、放射線は母乳に影響しないため授乳中も検査ができます。 安心してレントゲン検査をうけてください。 また、MRI検査は磁気を利用した検査で、通常のMRI検査は胎児に影響しません。 ただし、造影剤をもちいるMRI検査は胎児に影響がでる報告があり妊娠中はおこなえません。造影MRIは血管の状態をみるときにおこなう検査で、恥骨結合炎疑いで検査することはまずないため安心してくださいね。 治療法と自宅でできるケア 妊娠中や育児中でもできる治療やケアをご紹介します。妊娠中や授乳中は飲める薬が限られますし、なるべく自力で治せたらいいですよね。病院での治療や自宅で出来るケアをまとめたので、ぜひ参考にしてください。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:①薬を飲む 恥骨結合炎の一般的な治療は、投薬や冷却、注射などです。妊娠中や授乳中は痛み止めが飲めないわけではありません。 しかし、種類が限られるため、なるべく受診して医師に処方してもらいましょう。妊娠中や授乳中に飲める痛み止め成分はアセトアミノフェンです。 アセトアミノフェンが主成分の市販薬もありますが、市販薬は他の成分も含まれているためかならず薬局の薬剤師やかかりつけの医師に相談しましょう。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:②冷やす 痛みが強い・炎症が強い場合は冷やすのも効果的です。保冷剤などをタオルで巻き、冷やしてみてください。 市販の冷湿布は妊娠中・授乳中につかえない成分が含まれているものがあります。湿布の成分は皮膚を通してからだに吸収されるため、おうちにある湿布を安易に貼らないようにしましょう。 湿布を使いたい場合は薬剤師に相談するか、病院を受診して処方してもらいます。 妊娠中・出産後の恥骨結合炎の治し方:③安静にする なるべく動かずに安静にすることも恥骨結合炎で大事な治療の1つ。 とはいっても、育児中だとなかなか安静にできないですよね。子どもが寝ているときになるべく一緒に寝たり、ネットスーパーを利用しできるだけ家で過ごすなど、痛みが強い場合は無理しないようにしましょう。 自宅でできる恥骨結合炎の治し方:④骨盤ベルト 骨盤ベルトを日頃から使い、骨盤を安定させると痛みの軽減につながります。 妊娠中は出産に向けてすこしずつ骨盤がひらき、胎児が大きくなることで恥骨への負担が増えます。出産後も骨盤はすぐ元にもどらないため、ベルトで骨盤を安定させましょう。 骨盤ベルトは産婦人科のある病院や助産院で購入できる場合があるので、恥骨の痛みを感じたらはやめに助産師や医師に相談してください。 市販の骨盤ベルトを選ぶ場合は、「妊娠中から産後までつかえる」と書いてあるなど、妊産婦向けの商品を選んでくださいね。 自宅でできる恥骨結合炎の治し方:⑤ストレッチや散歩 痛みが強い急性期は、痛み止めの内服や冷却をして安静にするのが基本ですが、痛みが慢性化している場合は軽い運動が効果的です。再発予防にもなるため、医師の診察で軽い運動の許可が出たら少しずつおこないましょう。 マタニティヨガや産後ヨガなど痛みの出ない範囲でおこなうといいでしょう。ベビーカーをつかい、お子さんとお散歩するのもおすすめです。 恥骨結合炎:産後の日常生活で気を付けるべき3つのこと 産後の恥骨結合炎は、赤ちゃんの抱っこやお世話・授乳時に無理な姿勢をとりやすく、恥骨結合炎が悪化することも。 出産後、育児中の恥骨結合炎との付き合い方についてまとめました。 気を付けること①赤ちゃんの抱っこ 出産後は赤ちゃんを抱っこすることが多いですよね。 抱っこするときは前かがみの姿勢になりやすいですが、前かがみは恥骨に体重がかかるため負荷がかかります。床など低い位置から赤ちゃんを抱っこするときは、なるべく背筋をのばし、片膝を立てて抱き上げるようにしましょう。 また、抱き上げたあとも、左右どちらかに体重がかからないよう注意し、片方の腰の骨に赤ちゃんを乗せる抱き方もひかえます。 抱っこして歩くときはなるべく骨盤ベルトを使用してくださいね。 気を付けること②授乳などお世話の姿勢 授乳時も前かがみになりやすいため、なるべく前かがみにならないよう床ではなく椅子に座り、授乳クッションをつかいましょう。 オムツ替えやお着換えなどのお世話も前かがみになりやすいですが、オムツ交換台を使用すると腰の負担が減りますよ。オムツ交換台は転落に十分注意しながら使ってみてくださいね。 気を付けること③恥骨結合離開 恥骨結合の痛みで気を付けなくてはいけないのは、恥骨結合離開です。 恥骨結合に炎症が起きるのとは違い、恥骨結合離開では、左右からつながっている恥骨の結合が離れてしまうことで、出産時に恥骨を強く圧迫されることで起こります。 とくに以下の状態であれば注意してください。 ・痛みが強い ・歩行が困難 ・安静や冷却、骨盤ベルトをしても痛みが改善しない 6週間以上改善がない場合は手術適応と考える医師もいます。 「恥骨結合炎だ」と自分で判断して我慢しているとなかなか完治しないため、痛みが強い場合ははやめに受診しましょう。 恥骨結合炎とうまくつきあって再発を予防しよう! ここまで、妊娠・出産における恥骨結合炎の原因や検査、ケアや注意点をご紹介しました。 妊娠や出産で骨盤まわりは変化しますが、痛みがでやすいなかでの妊婦生活や育児は大変ですよね。どうしても姿勢がくずれてしまったり、慌ててしまって腰や恥骨に負荷がかかることはよくあります。しかし、お母さんが健康でいることも大切なことです。 痛みがあるときはなるべく安静にし、しっかりケアしてください。また、痛みがひいても姿勢に気を付けたりヨガなどのストレッチや散歩をおこない、再発を予防しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 医学書院医療情報サービス,恥骨炎(恥骨結合炎) 坂本 飛鳥,星 賢治,岸川 由紀,田中 真一,蒲田 和芳,妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響:システマティックレビュー,Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol,10,No.1:1-8,2020 産婦人科学会,「母乳中放射性物質濃度等に関する調査」についてのQ&A 環境省,自然・人工放射線からの被ばく線量,放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成26年度版)第1章.放射線の基礎知識と健康影響 高須 厚, 日浅 浩成, 椿 崇仁, 飯本 誠治, 大野 尚徳, 山岡 慎大朗,創外固定で治療した出産に伴う恥骨結合離開の1例,中部日本整形外科災害外科学会雑誌,2019 ,62 巻 2 号,p. 379-380
最終更新日:2024.10.30 -
- 内科疾患、その他
- 内科疾患
「尿酸値が高いと言われたけど、どうすればいいの?」「痛風になりたくないけど、予防法がよくわからない」 こうした悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 高尿酸血症は痛風の主な原因であり、放置すると関節の炎症や腎臓障害など深刻な合併症を引き起こす可能性があります。しかし、適切な食事療法と生活習慣の改善により、尿酸値をコントロールし、痛風のリスクを大幅に下げることができるのです。 本記事では、尿酸とその体内での役割や尿酸値を下げるための具体的な方法まで、詳しく解説します。日常生活で実践できる痛風予防のヒントにしていただければ幸いです。 尿酸とは何か?その体内での役割と痛風への影響 尿酸とは、体内で作られる物質の一つです。プリン体という物質が分解されると、尿酸となります。 プリン体が取り込まれるまでには二つの経路があります。一つは特定の食品に含まれているプリン体と、体内で生成されるプリン体です。 尿酸は適量であれば、体に良い働きをすると考えられています。例えば、尿酸は体を酸化から守ったり、神経を保護したりなどです。 しかし、尿酸が体内に必要以上に蓄積すると問題が生じる可能性があります。そのため過剰な尿酸は健康に悪影響を及ぼす場合があります。 尿酸の生成と排出のメカニズム 私たちの体内では、尿酸の生成と排出のバランスが適切に保たれることで、尿酸値が一定の範囲内に維持されています。以下の表は、尿酸の生成要因と排出経路を簡潔にまとめたものです。 項目 説明 尿酸の生成要因 ・プリン体を多く含む食品の摂取 ・体内での代謝により生成 尿酸の排出経路 腎臓でろ過され、尿として排出される 尿酸は、プリン体と呼ばれる物質が分解されてできる老廃物の一種です。プリン体は、食事から摂取されるほか、体内でも生成されます。 一方、尿酸の約70%は腎臓で濾過され、尿として体外に排出されます。残りの約30%は腸管から排泄されると考えられています。 しかし、何らかの原因でこの生成と排出のバランスが崩れると、血中の尿酸値が上昇してしまいます。例えば、以下のような場合です。 バランスを崩す要因 説明 プリン体の過剰摂取 肉類、魚介類、ビールなど、プリン体を多く含む食品を過剰に摂取すると、尿酸の生成が増加する 腎機能の低下 加齢や腎臓病などにより腎臓の機能が低下すると、尿酸の排出が減少し、体内に蓄積されやすくなる このように、尿酸値を適正に保つには、バランスの取れた食生活と健康的な腎臓の機能維持が重要だといえるでしょう。 痛風と高尿酸血症の関係 高尿酸血症が長期的に続くと、尿酸が関節内に結晶として蓄積し、激しい炎症を引き起こすことがあり、痛風発作の原因の一つです。 痛風が適切に管理されない場合、以下のような合併症を引き起こすリスクがあります。 ・関節の損傷や変形 ・腎臓結石 ・腎機能障害 前述のように、尿酸は適度な量であれば体に必要な物質ですが、過剰になると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。痛風の管理において、尿酸値のコントロールは重要な役割を果たすでしょう。 ただし、尿酸値の上昇や痛風の発症には個人差があり、生活習慣や遺伝的要因なども関与していると考えられています。定期的な健康診断で尿酸値を確認し、異常が見られた場合は医療機関で適切な指導を受けることが大切です。 痛風発作の症状としては、通常、関節の激しい痛みと腫れ、発赤などが現れます。 特に、足の親指の付け根にある第一中足趾関節と呼ばれる関節が侵されることが多いですが、膝や足首、肘などの関節に症状が出る場合もあります。 痛みは突然現れ、数日から長くて2週間ほど続くことが特徴です。 尿酸値を上げる主な原因 尿酸値が上昇する原因は、大きく分けて「食生活」と「生活習慣」の2つがあります。自分の生活を振り返り、高尿酸血症のリスク要因がないか確認することが大切です。 食生活の影響:プリン体の多い食品とは? プリン体を多く含む食品の過剰な摂取は、尿酸値上昇の大きな原因の一つです。特に以下の食品には注意が必要です。 食品群 具体例 肉類 レバー、内臓肉など 魚介類 イカ、サーディン、アンチョビなど キノコ類 マッシュルーム、シイタケなど アルコール飲料 ビール、発泡酒など 表で示した食品に含まれるプリン体が体内で分解されると、尿酸が生成されます。そのため、これらの食品を過剰に摂取すると、尿酸値が上昇しやすくなります。 ただし、個人差もあるため、プリン体を多く含む食事を制限するだけではなく、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。 全体の食事内容をプリン体の多い食品を控えめにしつつ、野菜や果物、低脂肪乳製品など尿酸値を下げる効果が期待できる食品を積極的に取り入れるとよいでしょう。 例えば、ビタミンCが豊富なレモン、オレンジ、キウイフルーツ、ブロッコリーや、食物繊維を多く含む紅茶、ココア、ケール、ほうれん草などがあります。また、低脂肪乳製品やヨーグルトに含まれるカルシウムは、骨の健康維持に重要な栄養素です。 生活習慣とその影響:アルコール、運動不足、ストレス 食生活以外にも、以下の生活習慣が尿酸値に影響を与えます。 生活習慣 尿酸値への影響 アルコールの多飲 尿酸の排出を妨げる 運動不足 肥満のリスクを高め、尿酸値上昇につながる ストレス 直接的に尿酸値を上昇させる アルコールの過剰摂取は、尿酸の排出を阻害する直接的な影響があります。また、運動不足は肥満につながり、尿酸値上昇のリスク要因となります。さらに、ストレスを適切に解消できないと、それ自体が尿酸値を押し上げてしまう可能性があります。 このように、食生活だけでなく、生活習慣も尿酸値に大きな影響を与えます。自分の生活を見直し、アルコール摂取量の調整、適度な運動の実践、ストレス管理など、総合的なアプローチで尿酸値をコントロールすることが痛風予防につながるでしょう。 尿酸値を下げるための食事療法 高尿酸血症の改善には、適切な食事療法が重要な役割を果たします。尿酸値を下げる効果が期待できる食品を積極的に取り入れ、一方でプリン体の多い食品は控えめにすることが大切です。 尿酸値を下げる食品の選び方 以下の食品は、尿酸値を下げる効果が期待できます。 食品群 具体例 乳製品 低脂肪牛乳、ヨーグルト、チーズなど ビタミンCを多く含む野菜・果物 レモン、オレンジ、キウイ、ブロッコリー、いちごなど その他 コーヒー(カフェインを含まないものも可) 特にビタミンCは、プリン体の代謝を助け、尿酸の排出を促進する働きがあると考えられています。レモン水や野菜ジュースなど、手軽にビタミンCを摂取できる方法を取り入れるのもよいでしょう。 一方、プリン体が多く含まれる食品は控えめにしましょう。 具体的には以下のような工夫が大切です。 食品群 摂取量の目安 肉類 1日100g程度に抑える 魚介類 肉類と同様に控えめにする 野菜 積極的に摂取し、食事の中心にする 肉類や魚介類は、プリン体を多く含むため、食べ過ぎないように注意が必要です。一方、野菜は尿酸値を下げる効果が期待できる食材が多く含まれているため、積極的に摂取しましょう。 痛風予防に推奨される食生活のポイント 痛風予防のための食生活では、以下のポイントにも留意しましょう。 ・十分な水分補給で尿酸の排出を促す ・アルコール飲料の摂取を控える ・バランスの取れた食事を心がける ・間食や夜食を控えめにする ・適正体重の維持を目指す 痛風予防のために、十分な水分補給が重要です。尿酸は尿として排出されるため、水分摂取量が少ないと尿酸の排出が滞り、血中の尿酸値が上昇しやすくなります。 1日2リットル程度の水分摂取を目安に、こまめに水を飲むようにしましょう。ただし、アルコールや甘味飲料は尿酸値を上げる可能性があるため、避けましょう。 このように、痛風予防には継続した食生活の見直しを行いましょう。医師や栄養士の指示のもと、尿酸値を下げる食品を選び、プリン体の摂り過ぎに注意しながらバランスの良い食事を心がけましょう。 生活習慣の改善策 食事療法と並行して、運動習慣の獲得やストレス管理など、生活習慣すべての改善に取り組むことが大切です。 適度な運動の重要性と具体的な方法 適度な運動は、尿酸値を下げ、痛風のリスクを減らすのに効果的であるといわれています。運動の目安は以下の通りです。 項目 内容 頻度 週3回以上 時間 1回30分以上 種目例 ウォーキング、ジョギング、水泳など、自分に合った運動を選ぶ 運動習慣の獲得は、単に尿酸値を下げるだけでなく、肥満の予防にもつながります。肥満は高尿酸血症のリスク要因の一つであるため、運動を継続することが痛風予防に役立つ可能性があります。 ただし、運動の種類や強度は個人差があるため、医師のアドバイスを受けながら自分の体力や健康状態に合わせて、無理のない範囲で始めましょう。 アルコール摂取の管理と禁煙の効果 アルコールは尿酸値を上昇させる要因の一つです。痛風予防のためには、以下の点に気をつけましょう。 項目 内容 アルコール摂取量の見直し 適量を心がけ、過剰摂取を避ける アルコールの種類 特にビールなどプリン体を多く含む酒類は控えめにする 一方で、喫煙も尿酸値を上げるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、禁煙は痛風予防に役立つ重要な生活習慣の改善策の一つです。 運動、アルコール、喫煙といった生活習慣は、尿酸値に大きな影響を与える可能性があります。食事療法に加えて、これらの生活習慣の改善にも取り組むことで、痛風のリスクを下げられるでしょう。 ただし、生活習慣の改善は個人差が大きいため、自分のペースで無理なく取り組むことが大切です。また、痛風の症状がある場合や尿酸値が高い場合は、医療機関で適切な指導を受けましょう。 定期的な健康診断の重要性 高尿酸血症は、初期には自覚症状が乏しいことが多く、発見が遅れがちです。そのため、定期的に健康診断で尿酸値をチェックすることが大切になります。 早期発見と適切な管理こそが、痛風予防の鍵となるでしょう。 尿酸値のチェックと痛風予防のための定期検診 尿酸値のチェックと痛風予防のための定期検診 健康診断で尿酸値を確認し、高尿酸血症を早期に発見することが重要です。 次のような方は特に注意が必要です。 リスク要因 解説 痛風の家族歴 痛風の家族歴がある方は、高尿酸血症のリスクが高くなりやすい 肥満傾向 肥満は高尿酸血症のリスク要因の一つ すでに高尿酸血症と診断された方は、医師の指示に従って定期的な検査を受けることが大切です。 診断後も、尿酸値の推移を継続的にチェックし、適切な管理を行うことが重要です。 医師と相談するタイミングとその方法 以下のようなケースでは、医師に相談することをおすすめします。 ケース 説明 健診で尿酸値が高めだと指摘された場合 早期の段階で医師に相談し、適切な指導を受けることが大切です 痛風発作が疑われる症状がある場合 関節の激痛など、痛風発作を疑う症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう 早期の治療開始が、重症化を防ぐ上で非常に重要です。医師との相談では、食生活や生活習慣について正直に伝え、適切なアドバイスを求めることが大切です。 医師と連携を取りながら定期的に検査を受け、生活習慣の改善にも取り組むことで、痛風のリスクを効果的に下げることができるでしょう。 自覚症状がない場合でも、健康診断での確認は欠かせません。自分の健康は自分で守るという意識を持ち続けることが、痛風予防に役立ちます。 痛風は、早期発見と適切な管理によって、予防や症状の改善が期待できる病気です。 定期的な健康診断と医師との連携を通して、高尿酸血症の早期発見と継続的な管理に努めましょう。 生活習慣の改善と合わせて、総合的に痛風予防に取り組むことが大切です。 まとめ:尿酸値管理による痛風予防の長期的な利点 適切に尿酸値を管理し、高尿酸血症を改善することは、痛風予防だけでなく、全身の健康維持にもつながる重要なプロセスです。 生活習慣の見直しと尿酸値のコントロールを続けることで、以下のような長期的な利点が期待できます。 長期的な利点 説明 痛風発作のリスク減少 尿酸値を適切にコントロールすることで、痛風発作のリスクを大幅に下げることができます 合併症リスクの低減 高尿酸血症が長期間続くと、関節や腎臓などに合併症が生じるリスクがありますが、尿酸値の管理によってそのリスクを減らすことができます 健康的な生活の実現 尿酸値管理のために行う生活習慣の改善は、全身の健康維持にもつながります つまり、適切な食事療法や運動習慣の獲得、定期的な健康管理などを継続することで、痛風のリスクを下げながら、全身の健康も守ることができるでしょう。 そのため、高尿酸血症と診断されたことを、生活習慣の改善のきっかけと捉えることが大切です。 小さなことからでも続けることが大切であり、食事の工夫や運動、ストレス管理など、日々の生活の中で実践できる予防策を見つけていきましょう。 生活習慣の改善で、将来の健康につながる良い習慣を身につけることができるでしょう。 高尿酸血症は適切な対策を講じることで、十分にコントロールできる可能性のある病態です。 定期的な健診で尿酸値をチェックし、異常が見られた場合は早めに医師に相談しましょう。 一人一人が痛風予防に前向きに取り組むことで、健康で充実した人生を送ることができるはずです。 今日から少しずつでも、生活習慣の改善に取り組んでみましょう。無理のない範囲で、自分に合った方法で続けていくことが大切です。医師や栄養士など専門家のアドバイスを参考にしながら、自分のペースで痛風予防に取り組んでいきましょう。 健康的な生活習慣を身につけることが、尿酸値の改善や症状の緩和につながるでしょう。 例えば、朝食前の軽い運動を日課にしたり、野菜中心の食事を心がけたりなどが挙げられます。 また、就寝前のストレッチでリラックスと取り入れやすいものから、自分に合った方法で少しずつ改善を積み重ねていくことが大切です。 また、飲み会の際にはアルコールを控えめにし、プリン体の多い食事は避けるなど、高尿酸血症のリスクが高まる場面での工夫も効果的でしょう。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 MSD マニュアルプロフェッショナル版,痛風 千葉県栄養士会,かしこく食べる,痛風の予防と食事 東京都立病院機構,高尿酸血症・痛風の食事,高尿酸血症・痛風とは 順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部,高尿酸血症・痛風の食事療法 e-ヘルスネット,アルコールと高尿酸血症・痛風 e-ヘルスネット,高尿酸血症 e-ヘルスネット,高尿酸血症の食事 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病,高尿酸血症/痛風 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病の調査・統計,高尿酸血症/痛風 e-ヘルスネット,プリン体 沢井製薬,高尿酸血症・痛風ハンドブック
最終更新日:2024.10.25 -
- 内科疾患、その他
- 内科疾患
「痛風発作が起きたら一日で治したい!」「急な痛みに悩まされないで済む方法はないの?」 このような思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。 痛風発作は激しい痛みをともない、日常生活や仕事に大きな支障をきたします。しかし、適切な対処と予防策を講じることで、症状の急速な軽減と再発防止が可能なのです。 本記事では、痛風発作の現実から始まり、発作時の迅速な痛み対処法、そして長期的な予防戦略までを詳しく解説します。痛風と上手に付き合うためのヒントになれば幸いです。 痛風発作の現実:一日で本当に治るのか? 痛風発作は非常に痛みが強く、できるだけ早く症状を和らげたいと思うのは当然です。しかし、「一日で治る」という期待は現実的なのでしょうか?ここでは、痛風発作の原因と特徴について説明します。 痛風発作の原因と急性期の特徴 痛風発作は、体内で作られた尿酸が関節内に結晶として蓄積し、それが引き金となって起こる急性の炎症反応です。痛風発作の典型的な症状は以下の通りです。 ・激しい関節痛(主に足の親指の付け根に起こることが多い) ・発赤、腫れ、熱感をともなう ・触れるだけでも痛みを感じるほどの敏感さ 痛風発作は突然始まり、適切な治療を行わないと数日から長くて2週間ほど続くことがあります。この間、激しい痛みが持続し、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。 痛風治療の誤解と現実 「痛風は一日で治る」という言葉をよく耳にしますが、これは誤解です。実際には、痛風発作を完全に治すには数日から数週間を要します。 痛風発作が起こると、関節内の炎症を抑えるために、医師から消炎鎮痛薬やステロイド薬、コルヒチンなどの薬が処方されます。これらの薬を適切に使用することで、症状を速やかに和らげ、回復までの期間を短縮することは可能です。しかし、たとえ症状が改善されたように感じても、関節内の炎症が完全に治まるには時間がかかります。 したがって、痛風発作が起こったら、一日で完治を期待するのではなく、医師の指示にしたがって適切な治療を受けることが大切です。症状が軽くなったからといって自己判断で治療を中断すると、再発のリスクが高くなります。 痛風は長期的な疾患であり、発作を予防するためには日常的な生活習慣の改善が欠かせません。食事療法や運動習慣の見直し、定期的な検査と薬物療法など、医師と相談しながら継続的な管理を行うことが重要です。 痛風発作は一日で治るものではありませんが、早期の適切な対処と長期的な疾患管理により、症状をコントロールし、健康的な生活を送ることが可能です。痛風と上手に付き合うために、正しい知識を身につけ、医療従事者と協力しながら治療に取り組んでいきましょう。 痛風発作時の迅速な痛み対処法 痛風発作が起きてしまった場合、できるだけ早く痛みを和らげることが大切です。ここでは、発作初期における自宅での対処法と、医師による緊急治療のオプションを紹介します。 発作初期における自宅での対処法 痛風発作を疑ったら、まずは以下のような自宅での対処を試みましょう。 対処法 説明 注意点 安静にして患部を冷やす 氷嚢やアイスパックを患部に当てることで、炎症を抑え、痛みを和らげることができます 冷やしすぎには注意が必要です ※凍傷のリスクを減らすための具体例 ・直接皮膚に当てず、タオルを1枚挟んで使用する ・1回の冷却は20分を目安とし、これを1クールとする ・クール間は10〜15分の休憩を入れる ・1日3〜4クール程度を目安とする 水分を十分に摂取し、尿酸の排泄を促す 痛風発作時は、体内の尿酸値が高くなっています。十分な水分を摂取することで、尿量を増やし、尿酸の排泄を助けることができます - 市販の鎮痛消炎薬を使用する ロキソニンなどの市販の鎮痛消炎薬を使用することで、痛みと炎症を和らげることができます 使用する際は用法・用量を守り、副作用にも注意が必要です これらの方法で症状が和らぐ場合もありますが、効果が不十分な場合は迷わず医療機関を受診しましょう。 医師による緊急治療の選択肢 激しい痛みが続く場合や関節の腫れが強い場合は、医師による治療が必要です。代表的な治療オプションは以下の通りです。 治療の選択肢 説明 期待される効果 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の処方 NSAIDsは、炎症を引き起こす物質の生成を抑えることで、関節の痛みと腫れを和らげる効果が期待できます 痛みと炎症の緩和 ステロイド薬の内服または関節内注射 ステロイド薬は強力な抗炎症作用を持ち、速やかに症状を改善させる可能性があります。内服薬や関節内注射という形で投与されます 速やかな症状の改善 コルヒチンの処方 コルヒチンは、炎症を引き起こす白血球の活動を抑制することで、発作を鎮める効果が期待できます 発作の鎮静化 これらの薬剤は、炎症を速やかに抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。ただし、それぞれの薬剤には副作用のリスクもあるため、医師と相談しながら、最適な治療法を選択することが大切です。 痛風発作時は、早期の適切な対処が重要です。自宅での応急処置を行いつつ、症状が改善しない場合は速やかに医療機関を受診しましょう。医師と連携しながら、効果的な治療を受けることで、痛みを和らげ、回復までの期間を短縮することができるでしょう。 痛風発作の予防と管理 痛風発作を一日で治すことは難しいですが、予防と適切な管理により再発を防ぐことは可能です。ここでは、長期的な尿酸値管理の重要性と、生活習慣の改善策について解説します。 長期的な尿酸値管理の重要性 痛風発作を防ぐには、血中尿酸値を適正にコントロールすることが何より大切です。具体的には以下のような方法が有効です。 方法 説明 尿酸値を下げる薬物療法 アロプリノール、フェブキソスタットなどの薬を使用し、尿酸値をコントロールします 定期的な尿酸値のモニタリング 定期的な血液検査で尿酸値を確認し、必要に応じて治療方針を調整します プリン体の多い食品の制限 肉類、魚介類、ビールなどのプリン体を多く含む食品の摂取を控えめにします 医師と相談しながら、自分に合った尿酸値管理法を見つけることが重要です。個人差があるため、画一的な方法ではなく、自分の体の反応を観察しながら、最適な方法を探っていきましょう。 生活習慣の改善と発作予防策 日常生活の中でできる痛風予防策も忘れてはいけません。具体的には以下のような点に注意しましょう。 予防策 具体例 十分な水分補給で尿酸の排泄を促す 1日1.5〜2リットル程度の水分を摂取することを目安に、こまめな水分補給を心がけましょう 適度な運動で体重管理と血行促進 ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行うことで、体重管理や血行促進に役立ちます。ただし、急激な運動は避け、自分のペースで無理なく続けることが大切です ストレス管理とリラクゼーション ストレスは尿酸値を上昇させる要因の一つです。ストレス管理やリラクゼーションを心がけ、心身の健康維持に努めましょう アルコール(特にビール)の制限 アルコール、特にビールは尿酸値を上昇させやすいため、できるだけ控えめにすることが望ましいです。アルコールを飲む場合は、ビール以外の種類を選ぶなどの工夫も効果的です これらの生活習慣を見直すことで、痛風発作のリスクを下げることができます。ただし、生活習慣の改善は一朝一夕では難しいため、無理のない範囲で少しずつ取り組んでいくことが大切です。 医師や栄養士と相談しながら、自分に合った予防策を見つけ、長期的に実践していくことが、痛風とうまく付き合うための鍵となるでしょう。痛風は完治が難しい病気ですが、適切な管理により、発作を最小限に抑え、健康的な生活を送ることが可能です。 痛風発作と生活の質 頻繁に痛風発作を起こすと、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼします。激しい痛みによって行動が制限され、生活の質が低下してしまうことがあります。ここでは、痛風管理が生活の質に与える影響と、患者としての生活戦略について考えてみましょう。 痛風管理が仕事と日常生活に与える影響 痛風発作は突然起こるため、仕事の予定に支障をきたすことがあります。重要な会議やプレゼンテーションの当日に発作が起こってしまうと、欠席せざるを得ない状況になるかもしれません。また、激しい痛みのため集中力が低下し、仕事の効率が下がることもあるでしょう。 長期的な痛風管理を怠ると、関節の変形や機能障害につながる恐れもあります。関節が変形すると、歩行や家事などの日常的な動作が難しくなり、生活の質が大きく低下してしまいます。また、痛風発作を恐れるあまり、外出や運動を控えてしまう人もいるかもしれません。 しかし、適切な痛風管理を行えば、これらの影響を最小限に抑えることができます。医療チームと協力しながら、薬物療法や生活習慣の改善に取り組むことが大切です。 痛風患者としての生活戦略 痛風と上手に付き合うためには、以下のような生活戦略が有効です。 戦略 具体例 痛風発作に備えた応急処置キットを常備する ・鎮痛剤、氷嚢、補助具などを常に持ち歩く ・職場や旅行先にもキットを置いておく ストレスマネジメントの方法を身につける ・深呼吸やマインドフルネスなどのリラクゼーション技法を習得する ・趣味や運動などでストレス発散する時間を確保する 周囲の理解と協力を得る ・上司や同僚に病状を説明し、必要な配慮を求める ・家族や友人に協力を呼びかけ、サポート体制を整える 定期的な通院と自己管理を怠らない ・医師の指示に従い、定期的な検査と治療を受ける ・日々の食事、運動、服薬を自己管理し、病状の安定を図る これらの戦略を実践することで、痛風があっても充実した社会生活を送ることができるはずです。 たとえば、職場で痛風について理解を得るために、上司や人事部門に相談してみましょう。症状や治療の必要性を説明し、通院や休息のための配慮を求めることができます。また、同僚にも状況を伝え、サポートを求めることで、仕事上の負担を軽減できるかもしれません。 プライベートでは、家族や友人に痛風について話し、協力を求めることが大切です。発作時には家事や育児を代わってもらったり、通院に付き添ってもらったりするなど、具体的な支援を求めましょう。理解者を増やすことで、痛風とうまく付き合いながら、充実した生活を送ることができます。 痛風は生活に大きな影響を及ぼす病気ですが、適切な管理と周囲の支援があれば、その影響を最小限に抑えることができます。医療チームと相談しながら、自分に合った生活戦略を立て、実践していくことが重要です。痛みに負けず、前向きな気持ちで日々を過ごしていきましょう。 まとめ:痛風発作を効果的に管理するためのアプローチ 痛風発作は一日で完治することはできませんが、適切な対処と予防策により症状の急速な軽減と再発防止が可能です。 以下の表は、痛風発作の管理におけるポイントをまとめたものです。 管理のポイント 具体的な方法 発作時の対処 ・安静を保ち、患部を冷やす ・ 十分な水分を摂取 ・激しい痛みや発熱がある場合は医療機関を受診 ・医師の指示に従い、鎮痛剤や炎症を抑える薬を服用 長期的な尿酸値管理 ・定期的な血液検査で尿酸値を確認 ・必要に応じて尿酸降下薬を服用 ・プリン体の多い食品を控えめにする ・十分な水分摂取を心がける 生活習慣の改善 ・適度な運動(ウォーキング、ストレッチなど)を取り入れる ・ストレス管理の方法を身につける ・体重管理を行う 仕事との両立 ・上司や同僚に病状を説明し、必要な配慮を求める ・痛風発作時には在宅勤務や休暇を取得できるよう事前に相談 ・職場に応急処置キットを常備する ・通院や体調管理のための時間を確保する ・ストレスの多い仕事は可能な範囲で調整してもらう 痛風と向き合う姿勢が、充実した人生を送るための鍵となります。以下のようなアプローチが大切です。 ・痛みに負けずに前向きに取り組む ・医療チームと相談しながら、自分に合った痛風管理の方法を見つける ・痛風を自分の健康と向き合うチャンスととらえる ・痛風の治療に前向きに取り組む ・毎日の小さな習慣を積み重ねる 痛風発作は激しい痛みをともない、日常生活に大きな影響を及ぼしますが、正しい知識と適切な対処により、その影響を最小限に抑えることは可能です。発作時の迅速な対応、長期的な尿酸値管理、生活習慣の改善など、多角的なアプローチが求められます。 痛風と診断されたからといって、諦める必要はありません。痛風とうまく付き合いながら、充実した日々を送ることができるでしょう。 今回の記事がご参考になれば幸いです。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 MSD マニュアルプロフェッショナル版,痛風 千葉県栄養士会,かしこく食べる,痛風の予防と食事 東京都立病院機構,高尿酸血症・痛風の食事,高尿酸血症・痛風とは 順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部,高尿酸血症・痛風の食事療法 e-ヘルスネット,アルコールと高尿酸血症・痛風 e-ヘルスネット,高尿酸血症 e-ヘルスネット,高尿酸血症の食事 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病,高尿酸血症/痛風 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病の調査・統計,高尿酸血症/痛風 e-ヘルスネット,プリン体 沢井製薬株式会社,高尿酸血症・痛風ハンドブック
最終更新日:2024.10.28 -
- 内科疾患、その他
- 内科疾患
「痛風の発作がつらくて仕事や日常生活に支障が出ている」「痛風の薬を飲んでいるけれど、副作用が心配」といったお悩みをお持ちではないでしょうか。 痛風は適切な治療を行わなければ、関節の損傷や日常生活の質の低下を招く恐れがあります。しかし、正しい薬の選択と使用法を理解し、生活習慣の改善を併せて行えば、痛風をうまくコントロールすることができるのです。 本記事では、痛風治療に用いられる代表的な薬剤の特徴と副作用対策、また痛風予防のための生活習慣改善のポイントについて詳しく解説します。痛風とうまく付き合うための情報を提供できれば幸いです。 痛風とは? - 基礎知識から理解する 痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで発症する病気です。関節に尿酸の結晶が蓄積することで激しい痛みと炎症を引き起こします。痛風について正しく理解するために、その原因と症状についてみていきましょう。 痛風の原因と発症メカニズム 痛風の主な原因は、体内での尿酸の生成過多または排泄不足によって血中尿酸値が上昇することです。尿酸は、プリン体と呼ばれる物質が分解されてできる老廃物の一種です。 原因 説明 尿酸の生成過多 プリン体の分解によって尿酸が過剰に生成される。肥満の人にこの傾向が強い。 尿酸の排泄不足 腎臓での尿酸の排泄が適切に行われず、体内に蓄積する。アルコールはこの排泄を妨げる。 遺伝的要因は、尿酸の生成や排泄に関わる酵素の働きに影響を与える可能性があります。例えば、尿酸の生成に関わる酵素の活性が高い場合、尿酸が過剰に生成されやすくなります。一方、尿酸の排泄に関わる酵素の活性が低い場合、尿酸が体内に蓄積されやすくなります。 生活習慣も尿酸値に大きな影響を与える可能性があります。高プリン体の食事や過剰なアルコール摂取は、尿酸の生成を促進する可能性があります。また、肥満や運動不足は、体の細胞が血糖を十分に取り込めない状態を引き起こし、尿酸の排泄を妨げる可能性があります。 血中に蓄積した尿酸は、関節内で針状の結晶となり、激しい炎症反応を引き起こすことがあります。尿酸結晶が関節内の細胞に取り込まれると、炎症性物質であるインターロイキン-1βなどが放出されます。これらの炎症性物質は、関節内の滑膜細胞や軟骨細胞に作用し、さらなる炎症を引き起こします。この炎症反応が、痛風発作として知られる関節の腫れや痛みを引き起こすのです。 痛風発作を繰り返すと、関節への負担が蓄積し、将来的な関節の機能低下につながる可能性があります。したがって、痛風の早期発見と適切な治療が重要です。 痛風発作の兆候と初期対応 痛風発作は、以下のような突然の激しい関節痛で始まる場合があります。 ・足の親指の付け根(第一中足趾節関節)の激しい痛み ・足首、膝、手首などの痛み ・関節の赤みや腫れ、わずかな触れ合いでも痛みを感じる ・患部の熱感や皮膚の光沢 発作は夜間から早朝にかけて起こることが多く、安静時でも痛みが持続する場合があります。発作が続く間は歩行が困難になり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 痛風発作を疑ったら、以下の対処を試してみましょう。 患部を安静にする 冷却パックなどで患部を冷やし、炎症を和らげる 十分な水分を補給する ただし、これらは応急処置に過ぎません。激痛が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師の診断と指示に従って適切な治療を開始することが大切です。早期の適切な治療が、症状の改善と関節の損傷防止に役立つ可能性があります。 痛風発作が疑われる場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。医師と相談しながら、適切な治療方法を選択することが重要です。 痛風治療のための薬物療法 - 選択肢とその効果 痛風の治療では、痛みと炎症を抑える薬、尿酸値を下げる薬などが使用されます。それぞれの薬剤の特徴と効果を理解し、自分に合った治療法を選択することが大切です。 NSAIDsとその作用 痛風発作の急性期治療には、痛みや炎症を抑える薬がよく使われます。これらの薬は医療用語でNSAIDsと呼ばれますが、一般的には「消炎鎮痛剤」として知られています。 よく使われる薬の例は次の通りです。 イブプロフェン ロキソプロフェン ジクロフェナク NSAIDsの利点や注意点は以下の通りです。 利点 注意点 発作時の痛みを早く抑える可能性がある 胃腸障害のリスクがある 腎機能への負担がある NSAIDsは発作時の症状改善に有効な場合がありますが、副作用として胃腸障害や腎機能への負担があるため、長期間の使用には注意が必要です。使用する際は、医師の指示に従い、定期的な検査を受けることが大切です。 副腎皮質ステロイドの利点とリスク 副腎皮質ステロイドは、NSAIDsが使えない患者さんや重度の痛風発作に対して用いられることがあります。ステロイドは強力な抗炎症作用を持ち、速やかに症状を改善させる可能性があります。しかし、長期使用によって感染症リスクの上昇、骨密度の低下、血糖値の上昇などの副作用のリスクもあります。 コルヒチンの特性と使い方 コルヒチンは、痛風発作の予防と急性期治療の両方に用いられることがある薬剤です。この薬は、炎症を引き起こす白血球の活動を抑制することで、発作を抑える効果が期待できます。ただし、吐き気や下痢などの消化器症状を引き起こす可能性があるため、少量から開始し、慎重に用量を調整する必要があります。 痛風の薬物療法を行う際は、患者さんの状態や合併症、副作用のリスクを考慮して、適切な薬剤を選択することが重要です。また、定期的な検査を行い、薬剤の効果と副作用をモニタリングすることが求められます。医師と相談しながら、患者さん一人ひとりに合った治療方針を立てることが大切です。 市販薬と処方薬 - どう使い分ける? 痛風の治療薬には、医療機関で処方されるものと、薬局で購入できる市販薬があります。それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることが大切です。 市販薬の選び方と注意点 痛風発作時の一時的な痛みを和らげるために、ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を含む鎮痛消炎薬が市販されています。ただし、市販薬を使用する前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。 市販薬の利点と注意点は以下の通りです。 利点 注意点 すぐに購入できる 根本的な治療にはならない 一時的な症状緩和に役立つ可能性がある 副作用のリスクがある 症状が続く場合は医療機関の受診が必要 市販薬は症状を一時的に和らげるための対処療法です。発作が続く場合は、根本原因に着目した治療が必要になるでしょう。また、市販薬を使用する際は、用法・用量を守り、適切に使用することが重要です。過剰摂取や長期連用は副作用のリスクを高める可能性があります。 処方薬の効果と副作用の管理 一方、医療機関で処方されるのは、尿酸値を下げる薬剤です。代表的なものは、アロプリノールやフェブキソスタットなどです。これらの薬は、尿酸の生成を抑えたり、排泄を促進したりすることで、血中の尿酸値を下げる可能性があります。その結果、痛風発作の予防効果が期待できます。 処方薬の特徴は以下の通りです。 特徴 注意点 長期間の服用が必要な場合がある 定期的な検査でモニタリングが重要 肝機能障害や皮膚症状など副作用の兆候に注意が必要 処方薬は根本的な治療薬ですが、長期服用に伴うリスクもあります。服用中は医師の指示に従い、定期的な検査を受けて副作用をチェックすることが重要です。 このように、市販薬と処方薬はそれぞれ異なる役割があります。状況に合わせて上手に使い分け、薬の特性を理解した上で、医師の指導の下で適切に服用することが望ましいでしょう。痛風とうまく付き合うには、薬の正しい使い方を知ることが何よりも大切です。 痛風予防と生活習慣 - 再発防止のためにできること 薬物療法と並行して、生活習慣の改善に取り組むことが痛風の再発予防につながります。食事の工夫と適度な運動習慣が特に重要です。 食事と生活習慣の改善 痛風の予防には、バランスの取れた食事が大切です。 食事では、プリン体の摂取を控えめにすることが重要です。プリン体を多く含む食品としては、以下のようなものがあります。 ・レバー、腎臓、脳など内臓類 ・イワシ、サンマ、カツオなどの青魚 ・マッシュルーム、ほうれん草、アスパラガスなどの野菜 ・ビールなどアルコール飲料 これらの食品を過剰に摂取すると、尿酸値が上昇する可能性があるため、適量を心がけましょう。 一方、低脂肪乳製品や果物、コーヒーは、尿酸値を下げる効果が期待できる食品として知られています。バランスの取れた食事の中に、これらの食品を取り入れることも良いでしょう。 痛風を防ぐための日常のポイント 適度な運動習慣も、尿酸値を下げ、痛風の予防に役立つ可能性があります。ウォーキングやジョギング、水泳、自転車こぎなどの有酸素運動を、週に3〜5回、1回30分〜1時間程度行うことが目安です。無理のない範囲で、継続することが大切です。 運動の期待できる効果は以下の通りです。 項目 内容 効果 運動 週3〜5回、30分〜1時間程度の有酸素運動を目安 尿酸値を下げる可能性がある 水分補給の期待できる効果は以下の通りです。 項目 内容 効果 水分補給 1日2リットル程度の水分を意識的に摂取 尿酸の排泄を促進する可能性がある 前述したように、食事と運動、水分補給への意識的な取り組みが、痛風の予防や再発防止に役立つ可能性があります。 痛風予防のための生活習慣の改善は、薬物療法と並行して行うことで、より効果的な痛風管理につながります。無理のない範囲で、生活習慣の見直しを行っていくことが大切です。 痛風発作を経験したら - すぐにできる対処法 いざ痛風発作が起きてしまったら、迅速な対応が症状の緩和に役立ちます。自宅でできるケア方法と医療機関への受診のタイミングを知っておきましょう。 緊急時の自宅でのケア方法 痛風発作が疑われる場合、まずは患部を安静にして動かさないようにします。そして、冷却パックなどで患部を冷やすことが大切です。冷却によって炎症と痛みを和らげることができるかもしれません。 さらに、水分を十分に摂取し、尿酸の排泄を促進することも重要です。症状が軽度であれば、安静にして様子を見ることをおすすめします。 痛風発作時にすぐにすべきこと 痛風発作が疑われる場合、まずは安静にして患部を動かさないようにしましょう。冷却パックなどを用いて患部を冷やすことで、炎症と痛みを和らげることができる可能性があります。 また、発作時には水分を十分に摂取することが重要です。水分補給によって尿量が増加し、尿酸の排泄が促進される可能性があります。 症状が軽度で、過去に同様の発作を経験したことがある場合は、自宅で安静にして様子を見ることも可能です。しかし、以下のような場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 ・激しい痛みが続く ・関節の腫れが強い ・発熱を伴う 医療機関では、発作時の痛みと炎症を抑えるための治療が行われます。また、血液検査で尿酸値や炎症反応をチェックし、適切な治療方針が決定されます。 痛風発作を放置すると、関節の機能低下につながる可能性があります。また、発作を繰り返すことで、痛風結節(尿酸塩の塊)が形成され、関節の変形や皮膚の問題を引き起こす可能性もあります。 したがって、痛風発作が疑われる場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を開始することが重要です。医師と相談しながら、発作時の対処法や日常生活での注意点について理解を深めることが、痛風とうまく付き合っていくために役立つでしょう。 まとめ【痛風治療の基礎知識】効果的な薬の選び方と副作用対策 痛風は、適切な対策を行えばコントロールしやすい病気です。薬の選択と副作用への対策、そして食事や運動習慣の見直しが、痛風管理の鍵となります。一人ひとりに合った痛風とのつきあい方を見つけることで、快適な日常生活を取り戻せるでしょう。 医療従事者とよく相談し、自分に合った治療法を見つけていきましょう。 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献一覧 愛知県薬剤師会,17.痛風(高尿酸血症) 痛風・尿酸財団,処方される主な痛風の薬 MSD マニュアルプロフェッショナル版,痛風 千葉県栄養士会,かしこく食べる,痛風の予防と食事 東京都立病院機構,高尿酸血症・痛風の食事,高尿酸血症・痛風とは 順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部,高尿酸血症・痛風の食事療法 e-ヘルスネット,アルコールと高尿酸血症・痛風 e-ヘルスネット,高尿酸血症 e-ヘルスネット,高尿酸血症の食事 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病,高尿酸血症/痛風 日本生活習慣病予防協会,生活習慣病の調査・統計,高尿酸血症/痛風 e-ヘルスネット,プリン体
最終更新日:2024.10.24