What will happen?
脂肪肝や肝硬変、肝炎があると言われて放置していませんか?
肝臓はカラダの中で最も大きく、そして重要な働きをする臓器です。「肝を冷やす」「肝に命じる」など肝臓に関する言葉は意外と多いのも、その重要さを表していますね。
しかし症状が出にくいので自覚症状が出る頃には重症化している場合が多く、治療は厳しい道のりとなります。
幹細胞を用いた「再生医療」による肝臓の治療では、「幹」細胞が「肝」細胞へ変化し、肝臓の危険信号である脂肪肝の改善だけでなく、一度進行すると戻らない肝臓の線維化を溶解させ、損傷した組織を修復する作用があります。
まずは肝臓の働きについて
肝臓には、主に1. 代謝、2. 解毒作用、3. 胆汁の生成・分泌があります。
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1.代謝
私たちが食べたものが胃や腸で分解され、栄養素を肝臓が保管します。必要に応じて保管した栄養素からエネルギーを作り出します。
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2.有害物質の解毒・分解
私たちが摂取したアルコールや薬剤などを毒性の低い物質に変え、尿などに排泄するという解毒作用を持っています。
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3.胆汁の生成・分泌
主に脂肪の乳化とタンパク質を分解しやすくします。
また、コレステロールを体外に排泄する時にも必要なモノです。
脂肪肝とは
肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」を発症する人が近年、増加傾向にあり、人間ドックを受けた患者の20~30%は脂肪肝であると報告されています。
「脂肪肝」は、放っておくと肝臓の機能悪化や肝硬変、肝臓がんなどの深刻な病気に進展し、動脈硬化が進行しやすくなります。
また、糖尿病のある人に関しては、糖尿病そのものが悪化する原因になると言われております。脂肪肝から肝硬変を生じた場合においては治療法が確立されておらず、致死率も高いのが特徴です。脂肪肝は、カラダの信号が青から黄色になっていると考えてください。放置せずに早めの対策が必要であり、怖い病気なんだということを認識しなければなりません。
脂肪肝はカラダの危険信号が黄色になっていると考えましょう。
自覚症状がなくても恐ろしい病気で放置せず早いうちに治療しないといけません。
男性の4割が脂肪肝
痩せている人も脂肪肝に
脂肪肝とは、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎ、運動不足、肥満、無理なダイエットが原因と言われており、中性脂肪が肝臓に蓄積される病気のことを言います。
また、お酒の飲み過ぎによって、肝臓でアルコールが分解されるときに中性脂肪が合成されやすくなります。
また、肥満の人は肝臓での脂肪酸の燃焼率が低下することで中性脂肪がたまります。そして意外ですが、急激なダイエットをすることで栄養障害を引き起こし、「低栄養性脂肪肝」という状態になることもあるのです。
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通常
摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが取れていれば問題ありません。
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脂肪肝になる過程
脂質や糖質を摂りすぎて更に運動不足などが重なると、燃焼しきれない中性脂肪が肝臓に過剰にたまってしまいます。
脂肪肝の重症化リスク
お酒を飲まないからって
安心していませんか?
実は日本人の脂肪肝で多いのは飲み過ぎではなく、「食べ過ぎ」が原因の場合が多いのです。
この「非アルコール性の脂肪肝」は放置されることが多く、気付いた時には重症化している、というケースもあります。
このような症状に
治療効果が期待できます
- 疲れやすい
- 肩が凝る
- 頭がぼーっとする
脂肪肝には痛みなどの症状は無いのですが、血液が「ドロドロ」になることで、カラダの隅々まで酸素や栄養が届かなくなり、左記のような症状が出ることがあります。
当てはまる方は一度、血液検査を受けてみることをオススメします。肝機能を表すALT(GTP)の基準値は30(IU/L)以下ですが、20(IU/L)以上であれば脂肪肝予備軍と考えられます。
更にインスリン抵抗性も
進行しやすくなる
脂肪肝があると、狭心症や心筋梗塞のリスクが高くなります。また、糖尿病の方は糖尿病が悪化するリスクが高まります。更に、全身でインスリンが効きにくくなってしまう「インスリン抵抗性」が進行しやすくなってしまいます。
肝臓は、食後に急激に増加した血中のブドウ糖をとり込むことで、一定量の血糖値を維持するという機能をもっています。また肝臓は、インスリンがすい臓でつくられるための原料となる栄養素を供給しています。
そのため、過食や過度の飲酒、ウイルス性肝炎などによって肝機能が障害されると、糖尿病が誘発されやすくなります。糖尿病の方は、肝臓機能が低下しやすく合併症として肝臓病になる危険性があります。
脂肪肝で糖尿病が悪化するしくみ
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STEP01 正常な状態
本来なら、肝臓とインスリンが正常に働きブドウ糖を様々な臓器細胞へ送り出すことで血糖値が下がります。
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STEP02 肝機能低下~脂肪肝
肝臓機能が低下した状態だと血液中へ糖が流れず、肝臓に糖が取り込まれていき脂肪として蓄積されて脂肪肝が起こります。
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STEP03 糖尿病の悪化
脂肪肝になってしまった肝臓は、脂肪を利用して血液にブドウ糖を放出する働きが活発になり、血糖値が急上昇し、さらにインスリンが過剰分泌されます。
こうして、膵臓が疲れてしまい、本来の働きができない状態になります。本来の働きができない膵臓は、必要な量のインスリンを分泌できなくなるので糖尿病が悪化します。
つまり、脂肪肝や何らかの肝障害を持ったまま放置することは、肝硬変や肝ガンだけでなく、糖尿病の悪化や脳卒中などに罹患するリスクも高まる。ということを「肝」に命じておきましょう。
早めの対策が「肝心」なのです。
肝炎について
肝炎は、何らかの原因により肝臓に炎症が生じる疾患です。炎症により肝臓の細胞が破壊され、肝臓の機能が次第に低下していきます。肝炎の原因として最も多いものは、ウイルスの感染によって肝臓に炎症が起こる「ウイルス性肝炎」です。
治療せずに放置すると、肝硬変や肝がんなどのさらに重い疾患に進展していく場合があります。
肝臓の病気は
どのように進行するの?
正常 → 脂肪肝(急性肝炎・慢性肝炎) → 肝硬変や肝ガンへ少しずつ進行していきます。
原因
- 飲み過ぎ・食べ過ぎなどの生活習慣・肥満
- ウイルス性によるもの
1980年代以降は、脂肪肝の中に、肝臓の線維化(固くなる変化)が進行して慢性肝炎(脂肪性肝炎)となり、さらに肝硬変や肝臓がんへ進行するものがあるという事実が知られるようになってきました。
脂肪肝だと思って放置していたら、知らないうちに肝硬変となり、肝臓がんが突然発見される可能性があるのです。
肝硬変になるとどうなるの?
慢性的に肝炎状態が続くと、肝臓の線維化が進みます。線維化が増加し、肝臓自体が硬くなり肝硬変となります。
線維化や肝硬変は、再生機能に優れた肝臓でも元に戻らないと言われ、大変恐ろしい病気なのです。
初期の段階では食欲不振や全身の倦怠感などがありますが、進行していくと、黄疸(おうだん)という皮膚や白目が黄色くなる症状が現れます。これはビリルビンという黄色い色素が肝臓で代謝されなくなる為起こる症状です。
更に進行してくと、腹水や浮腫が現れたり、お腹に静脈瘤が出来てしまったりと、命に関わる状態になったりもします。
更に、肝性脳症という有毒なアンモニアが血液中に増えてしまい脳に到達することで、意識障害などや昏睡状態など重篤な症状を引き起こす合併症もあります。
また、幹細胞がんに発展するリスクが高くなります。
一般的な肝臓疾患の治療法
脂肪肝に関しては、確立された治療法はありません。生活習慣の改善が主な治療法となります。
そして自覚症状もほぼ無いため、放置されがちです。
肝硬変に関しても根本的な治療方法はなく、肝硬変自体がこれ以上悪化しないように、食事療法などが行われます。原因に対しての投薬などはあります(ウイルス性の場合は抗ウイルス薬など)が、肝硬変そのものは徐々に進行してしまいます。
ガンの場合は手術などの治療はありますが、肝炎や肝硬変そのものは治りません。
まとめると、現在の保険診療での治療は、脂肪肝も肝硬変も根本的な治療はありません。徐々に脂肪肝や肝炎が進行し、肝硬変や肝がんまで進行してしまえば、日常生活が困難となり、最悪の場合は生命までも脅かされることになってしまいます。
当院での肝臓疾患に対する再生医療
当院では、一般的な治療法は行わず、様々な細胞に分化することの出来る「幹細胞」を利用します。
幹細胞を培養して何千~何百万倍にも増幅させ、カラダへ戻し、正常な肝機能へ「再び戻す」ことを目的とした治療法です。
幹細胞の点滴投与(静脈注射)
自己脂肪由来幹細胞は、損傷した組織に働きかけ組織を修復する性質があり、弱った部分に直接幹細胞を送り込むことで修復を促します。関節や筋肉の疾患には、直接注射をすれば幹細胞は患部へ到達しますが、体内の臓器には直接注射をすることは出来なく、血管をたどってしか到達できません。この点滴投与に対して厚生労働省に届出し、受理されている医療機関がとても少ない実情がありますが、当クリニックでは、肝臓疾患の治療を目的とした再生医療を受けることが可能です。
幹細胞の点滴投与による改善
肝臓疾患の再生医療において
期待できる効果
肝臓疾患の治療として、先述した生活改善などの治療法がありますが、どれも根本的な治療法ではなく、肝硬変やがんへ進行しないための予防でしかありません。
「肝臓の再生医療」によって投与された1億個の幹細胞は、肝臓の炎症や線維化して硬くなってしまった組織を発見し、溶解・修復させることで、肝臓の機能が再び正常に機能する可能性を見出すことが出来ます。
また脂肪肝においては、脂肪が溜まって弱りつつある肝臓を回復する作用が期待され、さらに血管を幹細胞が駆け巡ることで血流の改善も促し、疲れやすいなどの症状の改善も期待できます。
肝臓が元気になり代謝が良くなれば、徐々に脂肪も少なくなり脂肪肝が改善されます。もちろん、生活習慣を見直すことも大事なポイントです。
※身体の中を1億個の幹細胞が駆け巡るので、他の弱った臓器も同時に改善されるなど、想定外の嬉しいことも期待できます。
※幹細胞のホーミング効果により、他の弱った臓器も同時に改善されるというメリットもあります。
個人差があるので「絶対に治ります」と断言できないのですが、
- 徐々に病気が進行していく不安や、合併症になるリスクへの恐怖に怯える毎日からの解放
- 運動や食事制限を「しなければならない」日常から解放されるかもしれない
こういった可能性が見出せることが、従来の治療法とは大きく違うところです。
脂肪由来幹細胞の点滴投与(静脈注射)による肝臓疾患の再生医療は、完治しないといわれる肝臓病の症状を根本的に改善できる可能性のある、画期的な治療です。
ウイルス性肝炎
肝炎ウイルスにはA~E型があり、EBウイルスやサイトメガロウイルスなどが原因となることもあります。ウイルス性肝炎の病状の進行状態により急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。感染経路として経口感染(A・E型)と非経口感染(B・C・D型)があります。
B型肝炎
感染して一過性感染で終わるものと持続感染するものがあります。主な感染経路として剃刀や歯ブラシの共有、入れ墨、ピアスの穴あけなどの血液感染、母子感染、性行為による感染です。日本では性行為による感染が最も多い。
急性肝炎では、倦怠感、食欲低下、黄疸、嘔吐、褐色尿などの症状があります。悪化すると劇症肝炎に移行することもあります。
出生児や乳幼児期に感染すると持続感染に移行し無症候性キャリアとなります。思春期移行に自己免疫機構が発達すると、ウイルスを破壊すると同時に肝細胞も破壊します。その後は約9割の人は肝機能に異常がない無症候性キャリアとなり、残る1割は慢性肝炎へ移行し肝硬変や肝癌になる人もいます。
治療
慢性肝炎の場合、ウイルスを排除する治療法はなく、今後肝硬変への移行を抑えたり、肝ガンへの対処を行うことが大事となります。
抗ウイルス療法(インターフェロン(IFN)や核酸アナログ製剤)や肝庇護療法、免疫療法(ステロイドリバウンド療法など)があります。
幹細胞による再生医療
破壊された肝細胞を正常の細胞に戻すことを目的にする治療。
C型肝炎
ウイルスに感染しても7割の人は急性肝炎にはならず、不顕性感染となることが多い。そのほとんどが慢性肝炎に移行しそのうちの3割の方が肝硬変になります。その後、肝硬変から肝ガンに移行しやすいとされています。肝不全となると、腹水、黄疸、意識障害などがみられます。
治療
インターフェロンフリーによって95%以上の方でウイルス排除可能です。
しかし、一度肝臓が破壊され線維化したものは戻らないため、肝ガンへと移行しないか経過観察とする。
幹細胞による再生医療
破壊された肝細胞を正常の細胞に戻すことを目的にする治療。
自己免疫性肝炎(AIH)
原因
中年女性に多く、自己免疫機序により肝細胞を破壊すると言われている。ウイルス感染や遺伝的要素も関連されていると考えられている。
症状
倦怠感、黄疸、食欲不振がよくみられ、関節痛や発熱がみられることもある。膠原病の合併症は30%ぐらいで認め、慢性甲状腺炎、シェーグレン症候群、関節リウマチなどがある。
治療法
ステロイドが第一選択となる。
脂肪肝
食事過多やアルコールの飲み過ぎ、運動不足により肝臓に脂肪が貯まる病気のことを言います。最近の研究ではアルコールを飲まなくても脂肪肝になりやがて肝炎や肝硬変、肝ガンへと進行することが分かってきました。これを非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といいます。確定診断として生検があります。
治療
食事制限と運動療法。
幹細胞による再生医療
肝臓ガン
肝ガンには、肝細胞が起源の肝細胞ガンと、胆管細胞が起源の胆管細胞ガン(肝内胆管ガン)からなる原発性肝ガンと、他部位からの転移性肝ガンが有ります。その内、約9割は原発性肝細胞ガンです。原発性肝細胞ガンの約75%はB型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)です。しかし最近では、非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)・糖尿病・高血圧症などの生活習慣病を背景とした非ウイルス性肝細胞ガンが増えています。
お酒を飲まない人の肝臓ガンの
リスクが高まっているんだね。