新世代の変形性股関節症、股関節の痛みの治療法
次世代の再生医療『分化誘導による関節の再生医療』とは
国内初!次世代の新たな再生医療『自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた関節症の治療』を厚生労働省に届出し、受理されました。この特許技術により『分化誘導による関節の再生医療』が実現し、従来の再生医療に比べて、高い再生能力を持った幹細胞治療ができるようになりました。
いずれ、幹細胞を使った再生医療はこのような「分化誘導」ができるように進化するだろうと言われていましたが、リペアセルクリニックでは、2023年12月に国内で初めて、この「次世代の再生医療」による治療を厚生労働省に届出し、受理されました。
その結果、より多くの関節軟骨、半月板、骨壊死部分などを再生させることが可能となりました。変形性ひざ関節症、変形性股関節症、半月板損傷、大腿骨頭壊死、ひざ関節の骨壊死、に対して高い治療効果が期待できます。
一度すり減って失った軟骨は
自分の力だけでは元に戻ることはありません
変形性股関節症になると
どうなるの?
何らかの原因で股関節の軟骨がすり減ることで炎症が起こり、歩くときや立ち上がるときに脚の付け根、太ももの前側やお尻に痛みが伴います。股関節の変形が進むと関節の動きが悪くなり、靴下が履きにくい、正座が難しい、寝ていても痛いなどの状態になります。
さらに進むと、脚の長さが短くなり、足を引きずりながら(跛行)歩くようになります。そして、一度すり減ってなくなった軟骨は、自分の力では元に戻ることはできないのです。
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初期
関節のすき間が保たれている
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進行期
関節のすき間が狭くなる
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末期
骨が変形する
従来の保険診療では
限界がある
そもそも股関節の治療で、ひざや肩のような関節注射をできるクリニックが少なく、主に痛みを緩和するための鎮痛剤の内服や体重の減少、リハビリテーションといった治療法しかありませんでした。私は、痛みが抑えられない患者さんに時々注射を行っていたのですが、ひざや肩のようには効き目が出ません。痛がる患者さんを前になんとも空しい心境でした。
そのまま放置すると
どうなるの?
股関節の変形が進んでくると、歩くことや日常生活に大きな制限がかかります。そうなると、人工関節などの手術を用いた治療を選択せざるを得なくなります。この手術は体に大きな負担がかかります。手術をしたくない、できない方は痛みを我慢しながら保存療法を継続するしか方法がありません。歩くことができなくなると、体力や筋力が低下し、そのまま車椅子になったり寝たきりになってしまう場合がとても多いのです。
かといって大きな手術を受けることで、体と心に大きな負担がかかってしまうのも事実です。また、たとえ人工関節の手術をしても思うように痛みが取れない可能性も少なからずあるのは確かです。今まで、このようなジレンマの中で患者さんの悩む姿を数多くみてきました。
人工関節術をしたくない方の
新しい選択肢
私が再生医療に出会うまでは、股関節の変形が進行し、いよいよ日常生活が困難になった患者さんには他の先生方と同様に人工関節の手術を用いた治療を勧めていました。それしか選択肢がなかったからです。
『手術にはリスクがあるのでしたくない』『仕事や家庭の事情で長期入院ができない』など皆さんやはり手術に抵抗があるのは当然ですよね。また、基礎疾患をお持ちの方や高齢で手術ができない方も沢山おられます。そこで当院では、従来の保存療法でも手術でもない治療法である再生医療に注目しました。
股関節の痛みでお困りの方、手術をどうしてもしたくない方がたくさん診察にお越しになります。再生医療の適応かを判断し、多くの症例の治療を行ってきました。
再生医療で人工関節以外の新たな選択肢をご提示したことで治療後、日常生活における動作が向上し、行動範囲が増え、旅行や趣味などをお楽しみいただけるようになれば医師として大変嬉しく思います。
あまり馴染みのなかった「再生医療」という言葉も最近では、知名度も上がってきており、体に大きな負担をかけない革新的な最新治療として大変期待されております。
変形性股関節症に対する
当院の再生医療とは
こんな方が再生医療の適応に
再生医療で人工関節術を
避けることができる
幹細胞を股関節に注射することにより、すり減った軟骨が再生され痛みが軽減し手術をしなくてもよくなる可能性が高くなります。今は初期の股関節の変形であったとしても、残念ながら今後必ず変形は進んでいきます。その予防対策としても再生医療の力が発揮できます。
変形が末期となる前に再生医療を受けると、人工関節術するほどの重症化を防ぐことができるのです。人工関節の手術には血栓症、感染症、出血、神経障害などの合併症のリスクが伴います。それに対し、変形性股関節症の症状を緩和する脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療は、すでに世界でも多数の症例報告と実績があり、国内においても大変注目されている最新・最先端の治療です。
当院の再生医療の特徴
1.当院独自の関節内ピンポイント注射
股関節の再生医療に求められる
精度の高い治療技術
膝関節と違い股関節は体の中で一番大きな関節でもあり、その分だけ幹細胞の数の多さがとても重要になります。さらに幹細胞の生存率が高く、質が良いものでないと股関節の再生医療の効果は期待できません。さらに解剖学的に膝関節と比較して関節の隙間が狭いため、幹細胞を注入しにくい構造になっています。
幹細胞の質と量の高い基準が求められること。そして一般的な注射では股関節内に上手く幹細胞を注入するのがとても困難であること。そういった理由で、国内において股関節の再生医療がほとんど行われていないという現実があります。
当院だから可能な、股関節内に
幹細胞をダイレクトに届ける治療
当院では「幹細胞の質と量」「股関節内に確実に幹細胞を届ける」というところにこだわっています。エコーや特殊なレントゲン装置、そして特殊な注射針を使用して股関節内へダイレクトに幹細胞を届けることが可能です。
当院では幹細胞の質と数において国内トップクラスの細胞加工室と提携することで、国内では治療が難しいとされている股関節の幹細胞治療の症例を数多く行ってきております。
特殊な針とエコー、特殊なレントゲン装置を使用して股関節内の軟骨損傷している部位を精査して、ダイレクトに幹細胞を注入します。図のピンクの部分に幹細胞が注入され軟骨を再生させる。
一般的な股関節の注射
股関節は関節包という袋に包まれています。一般的な股関節への注射では、図のように関節の外側に針を刺します。手技的にこの部位の方が注射をしやすいという理由です。しかし、変形性股関節症では関節の隙間が狭いため、ここから注入された幹細胞は関節内には到達するのが難しくなります。さらに重力がかかるので、関節の袋の下の方(図のピンクの部分)に幹細胞が溜まることになり、関節内への到達がますます困難となります。
2.幹細胞の数は多いほど効果が高い
一般的には1千万個ほどの幹細胞を投与することが多いのですが、当院では関節の状態に合わせて2,500万個~1億個以上という圧倒的な量で幹細胞を投与します。
それでは実際の写真を見てみましょう。
幹細胞の数は多いほど
治療成績がいい
写真を見ると、投与した幹細胞が多いほうが軟骨が沢山再生されているのがはっきりわかる!
関節の中に投与する幹細胞の数は1千万個程度というのが一般的なんだ。でも、当院では患者の症状に応じて、冷凍保存をしていないフレッシュな幹細胞を1億個以上投与できるんだよ。
投与する幹細胞の数が多いほど治療成績が良いというのは、海外の臨床データでも実証されているんだ。
幹細胞の数が多いほど、痛みが少ないんだね
3.独自の細胞培養技術
冷凍保存しないので
幹細胞の高い生存率が実現
CPC(細胞加工室)の比較
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当院のCPC
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他院のCPC
国内トップクラスのCPC(細胞加工室)を使うことで冷凍保存しなくても済むようになったんだ。
投与する幹細胞がフレッシュなほうが修復も早そうだね。
冷凍したマグロを解凍して食べるより、生のマグロを食べたときのほうがが美味しいと感じるのと似てるかも!!
実際、フレッシュな幹細胞が多ければ多いほど治療成績も良好なんだよ。
これは、海外の文献でも証明されているんだ。
また、当院ではフレッシュな幹細胞を1億個以上にまで増やすことができるんだ。
独自の細胞培養技術の
その他の特長
- 患者自身の細胞と血液から幹細胞を培養するため安心安全
- 添加物や薬品などの不純物を一切含まないため副作用のリスクが少ない
- 採取する脂肪は米粒2~3粒程度なので、身体への負担が少ない
複数回投与の場合のポイント
冷凍で作り置き保存の方式より、当院は毎回手間ひまかけて培養しているから、より数も多く、フレッシュな幹細胞が投与できます!
そのため高い治療効果が得られます。
4.脂肪の幹細胞を使う。骨髄や滑膜からの採取と比べ体の負担が少ない。
幹細胞は脂肪の中以外に、骨髄や滑膜、内臓などにも存在します。それぞれに治療効果の違いなど特徴はあります。当院では採取するのに安全性が高く、世界でも今注目されている脂肪由来の幹細胞を使用しています。
脂肪由来の幹細胞を使用
- 採取するのに安全性が高い
- 骨髄や滑膜内臓の幹細胞より体への負担が少ない
自己脂肪由来幹細胞治療の流れ
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下腹部周辺を局所麻酔して1センチほど切開し、脂肪を米粒2~3粒ほど採取します。
所要時間は20分ほどでほとんど痛みはありません。 -
CPC(細胞加工室)で培養する。
約4~6週間ほどかかります。 -
培養した幹細胞を股関節に注射します。
もう一つの再生医療
PRP(多血小板血漿)療法とは
PRP(多血小板血漿)療法とは、血液の中の血小板や成長因子だけを集めた成分を用いた治療法のことをいいます。その成分には早く傷を修復する効果があります。その効果を利用して股関節の痛みや炎症を抑えます。自身の血液を使うためアレルギーなどの副作用の心配はありません。
当院のPRPは当院独自の作り方です。
「幹細胞治療の効果を高める」という重要な役割もあります。
PRP治療の流れ
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採血
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遠心分離し血漿成分を抽出
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患部へ注射
じゃあ、幹細胞治療と
PRP療法はどう違うの?
幹細胞による再生医療では、幹細胞が軟骨に変化することで、すり減った軟骨を修復及び再生することができます。しかしPRPの中には幹細胞が含まれていないため、すり減った軟骨を作ることができないのです。PRPはヒアルロン酸の様に、関節の炎症を抑える効果だけとなります。
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PRP療法
血小板を多く含むPRPを取り出し、股関節に注入
幹細胞がなく、軟骨はできない
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幹細胞治療
身体から幹細胞を取り出し、股関節に注入
幹細胞から軟骨がつくられる
概要と原因
1次性 2次性 先天性股関節脱臼 臼蓋形成不全 など
1次性
原因が不明で関節が変形するもので欧米に多く見られます。
2次性
日本ではこの2次性が大半を占め、約90%は先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全によるものとなります。女性に多く見られます。もともと生まれつき、関節の構成する骨の異常が見られるのです。その他の原因として、事故などのケガの後遺症や体重増加、ペルテス病、大腿骨頭壊死、関節リウマチなどがあります。
先天性股関節脱臼とは
原因不明ですが、生まれつき股関節が脱臼しており、遺伝要素も関連があるとされています。
臼蓋形成不全とは
骨盤の寛骨臼の臼蓋という受け皿の部分で大腿骨の骨頭を受け止めているが、この臼蓋の先天性に不完全な成長で骨頭が浅かったり、成長する過程で臼蓋が上手く成長しない後天性のものがあります。
症状
- 歩くと脚の付け根が痛い
- 靴下が履きにくい
- 左右に揺れて歩いている
- しゃがめない
- 太ももが痛い
- 足の長さが左右で違う
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初期
関節のすき間が保たれている
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進行期
関節のすき間が狭くなる
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末期
骨が変形する
治療方法
脂肪由来の幹細胞による再生医療
手術には血栓症、感染症、出血、神経障害などの合併症を伴うリスクがあります。
再生医療を用いた治療ならご自身の細胞と血液を使用するため副作用のリスクの心配はなく安全に行えます。
保存療法
体重減少、筋力トレーニング、杖の使用などがあります。
片足で立った場合、股関節には体重の3倍の力が加わるので体重コントロールはとても大切です。
鎮痛剤の投与
非ステロイド性消炎鎮痛剤がよく使われます。
手術療法
手術には血栓症、感染症、出血、神経障害などの合併症を伴うリスクがあります。
特に血栓症は命に関わることもあります。
保存療法では効果がなく、日常生活に支障をきたす場合には手術を検討します。
手術には痛みが伴い、合併症のリスクもあることから慎重に進められます。
内反・外反骨切り術
大腿骨の転子部をくさび状に骨を切り、骨頭を内側に傾けるのを内反骨切り術と言います。逆に骨頭を外側に傾けるのを外反骨切り術と言います。これが適応なのは、骨頭が扁平化して変形して軟骨がすり減っている場合です。初期から進行期が適応です。切り離された骨をつなげるためにプレートを使用します。
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内反骨切り術
大腿骨の転子部をくさび状に骨を切り、骨頭を内側に傾けます
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外反骨切り術
大腿骨の転子部をくさび状に骨を切り、骨頭を外側に傾けます
寛骨臼回転骨切り術(寛骨臼移動術)
骨盤からはみ出ている骨頭を骨盤の寛骨臼で覆う手術です。手術時期は初期の段階で行います。この手術を行うことで将来人工関節をしなくても良い可能性が高くなります。ただ、痛みの軽い初期であり、また治療期間は入院期間も入れると約6ヶ月もかかるため、なかなか手術に踏み切れずに機会を逃してしまう場合があります。
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寛骨臼回転骨切り術
骨盤からはみ出ている骨頭を骨盤の寛骨臼で覆います
人工股関節置換術(THA)
臼蓋という受け皿のところにカップをつけ、大腿骨側にはステムという金属のインプラントを固定します。固定するときは関節の状態や患者さんの年齢によって、セメントを使う場合と使わない場合があります。約15年ぐらいからインプラントが緩んできてしますと、一度入れた人工関節を除去しもう一度人工関節を入れ替える再置換術が必要となります。全身麻酔をして入院は約1ヶ月ほど必要となります。 その場合には入院期間は3ヶ月ほどになることもあります。
ただし、人工関節の手術をしても痛みが残る場合もあります。
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人工股関節置換術
臼蓋にカップをつけ、大腿骨側にはステムという金属のインプラントを固定します
たとえ痛みが無くても、確実に軟骨はどんどんすり減って股関節の変形は進んでいきます。中には急激に変形の進む急性破壊性股関節症(RDS)というタイプもありますので定期的にレントゲンの検査は必要となります。