薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
症例紹介
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- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞治療で痛みが和らぎ、憂鬱だった心まで前向きに! 数年間苦しんだ膝の痛みが、幹細胞治療を受けて、半分以下に。人工関節手術の不安から解放され、活動的な日常を取り戻した患者様の、再生への旅をご紹介します。 「痛みと共に、心まで憂鬱になっていたのが、痛みが和らいで、心も前向きになった」とおっしゃる患者様。 このような顕著な改善は、どのように実現したのでしょうか? 患者様は、数年前から両膝の関節痛に悩まされていました。整形外科では、末期の変形性膝関節症と診断され、月1回のヒアルロン酸注射を続けていましたが、最近ではその効果も薄れてきていました。主治医からは人工関節置換術を勧められましたが、出血、感染、深部静脈血栓症などの合併症リスクへの不安と、これからもアクティブに活動したいという願いから、手術には踏み切れずにいました。 治療前の状態 数年来の両膝の痛み(右膝:10段階中6、左膝:10段階中8) 末期の変形性膝関節症と診断 ヒアルロン酸注射の効果減弱 レントゲンで両膝とも関節裂隙の狭小化が明らかに 歩行や日常活動に強い制限 末期の変形性膝関節症とは、関節軟骨がほとんど消失し、骨同士が直接接触する状態です。従来の医学では、この状態に対しては、人工関節置換術以外に根本的な解決方法はないとされてきました。 しかし、当院では、高齢の方や末期の変形性膝関節症に対しても積極的に幹細胞治療を行い、多くの患者様に満足いただける結果を提供してきました。 リペアセルクリニックの特徴 冷凍せずに培養した幹細胞の使用(生存率96%以上) 10,000例以上の豊富な実績 独自の分離シート技術と無添加培養 患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療 国内で唯一の最新の『分化誘導技術』 当院の優れた治療効果は、細胞の質と量へのこだわりによるものです。一般的な再生医療クリニックの細胞生存率が、約60%であるのに対し、当院では、独自の細胞培養技術により、96%以上の生存率を実現しています。 また、多くの施設では複数回投与の場合でも、幹細胞を一度に培養して冷凍保存し、都度解凍する方法をとっていますが、解凍過程で細胞はダメージを受け、活性が低下します。当院では、各回の投与ごとに新鮮な細胞を培養するため、元気な状態の細胞を届けることがが可能です。 海外の研究でも、投与する幹細胞の生存率と数が多いほど、軟骨再生効果が高いことが示されています。繰り返し投与することで、投与するたびに、軟骨欠損部に層状に軟骨が再生されていくため、末期の変形性関節症であっても、高い改善効果が期待できます。 リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンで、両膝とも関節裂隙は狭小化しています。 <治療内容>両膝に各5000万個細胞を計2回投与+PRP 両膝に5000万個細胞ずつ、計2回投与いたしました。 治療後の変化 右膝の痛み:10段階中6から2へ 左膝の痛み:10段階中8から4へ 歩行の安定性向上 日常生活動作の大幅な改善 活動範囲の拡大 2回目投与から3ヶ月後、診察時の患者様は「ここ数年苦しんでいた両膝の辛い痛みが、注射だけで半分以下になったので嬉しいです」と喜びを表現されていました。 治療前よりもスムーズに歩行されている様子です。(2回目投与から3ヶ月後) 人工関節手術の不安から解放され、アクティブな生活を続けられることで、患者様の活動範囲と、生活の質が大幅に向上しました。これまで、痛みのために制限していた活動も、徐々に再開できるようになり、前向きな気持ちで日々を過ごされている様子がうかがえました。 変形性膝関節症でお悩みの方、人工関節手術を勧められている方も、まずは再生医療の可能性をご検討ください。あなたも新しい一歩を踏み出してみませんか。 リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000例以上の実績に基づく確かな技術と、独自の培養方法で、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。国内で唯一の、最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『新時代の再生医療』による治療を提供します。 https://www.youtube.com/watch?v=UHJgZ07pr3M https://www.youtube.com/watch?v=yiyzGEF0KDg <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性膝関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.05.11 -
- 脊髄損傷の症例
- 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 幹細胞治療の症例
歩行と安眠を取り戻した奇跡 足のツッパリ感が消え、杖なしで歩行可能に。尿失敗がなくなり、夜間頻尿も改善して、朝までぐっすり眠れるようになった、70代女性の驚きの変化をご紹介します。脊椎手術後の後遺症に長年苦しみながらも、新たな希望を見出された患者様の物語です。 「壁に手をつかずに歩いたり、杖を使わずに立っていられるようになりました」と語られる患者様。 このような劇的な改善は、どのように実現したのでしょうか? 患者様は、4年前に後縦靭帯骨化症の手術を受けられましたが、一時的に改善した両足のしびれと歩行障害が、再度悪化。さらに、1年前には、歩行障害が原因で転倒し、左大腿骨頸部骨折を受傷されて、人工骨頭置換術も受けておられました。 治療前の状態 1年半前から四肢の筋力低下 脊椎専門病院で頸椎椎間板ヘルニアと診断 自力での歩行ができなくなり車椅子生活 効き手である右手も動かなくなった 後縦靭帯骨化症とは、背骨の間を補強している靭帯が、骨のように硬くなり、脊髄を圧迫してしまう疾患です。この患者様は、手術を受けたものの、完全な回復には至らず、70代になられたばかりで、大腿骨頸部骨折も経験されたことから、転倒への恐怖が強く、外出時には、常に旦那様の付き添いが必要な状態でした。また、排尿コントロールの問題や、夜間頻尿による睡眠障害にも悩まされていました。 リペアセルクリニックの特徴 冷凍せずに培養した幹細胞の使用(生存率96%以上) 10,000例以上の豊富な実績 独自の分離シート:高品質な幹細胞を厳選するための独自技術を採用 患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療 厚生労働省への届出・受理に基づく投与数の最適化(1億個から2億個へ進化) 当院では、脊椎の手術後の後遺症に対して、幹細胞の点滴投与に加えて「脊髄腔内ダイレクト注射療法」という、特殊な方法を提供しています。国内で、この脊髄内への幹細胞直接投与が可能な施設は、わずかしかありません。点滴治療では、血管に入った幹細胞は、全身を巡るため、損傷部位に届く幹細胞の数は限られますが、直接投与では、損傷した神経細胞に、より多くの幹細胞を届けることができます。当院では、患者様の負担を減らすために、細い26G針を使用し、痛みの軽減や、低髄液圧症候群の予防にも配慮しています。 リペアセルクリニックは「頚・腰椎ヘルニア」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 MRI所見 MRIにて、後縦靱帯骨化症がみられ、神経を圧迫しています。 <治療内容>脊髄腔内に直接2500万個細胞を計3回、点滴で1億個細胞を1回投与 こちらの患者様には、脊髄内に2500万細胞の投与を計3回、静脈点滴で1億個細胞を1回投与する治療計画を立てました。 治療経過と変化 足のツッパリ感が消失し、杖なしでも歩行可能に 近所であれば一人で外出できるようになった 尿失敗が完全になくなった 夜間頻尿が改善し、朝までぐっすり眠れるように 右手の巧緻運動機能の向上(ボタンが留められる、筆圧が強くなる) 生活の質の大幅な向上 治療開始から4ヶ月後には驚くべき改善が見られました。特に、夜間頻尿の改善による睡眠の質向上は、患者様の全体的な生活の質を大きく改善させました。ぐっすりと眠れることは、人間にとって、簡単なようで難しく、とても大切なことです。 診察時の患者様は、明るい表情で日常生活の変化について語られ、自信を取り戻されている様子がうかがえました。身体機能の改善だけでなく、精神的な不安からも解放され、より積極的に生活を楽しめるようになっておられます。 当院では、厚生労働省への届出・受理を経て、2億個の幹細胞一括投与を提供しています。リペアセルクリニック独自の豊富な治療経験から、1億個を2回に分けて投与するより、2億個を一度に投与する方が効果的であることが明らかになっています。 脊髄疾患の手術後も、後遺症でお悩みの方、「これ以上の改善は難しい」と言われた方も、新たな可能性を探してみませんか。 リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000例以上の実績に基づく、確かな技術と独自の培養方法で、患者様一人ひとりに、最適な治療プランをご提案いたします。 患者様に投与後の症状の変化を記録していただきました。 https://www.youtube.com/watch?v=XwpgBn9p2ns https://www.youtube.com/watch?v=Qf89eQKjTm0 <治療費> 幹細胞 硬膜内注射と点滴1億個(1回) 462万円(税込) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ヘルニアの再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.05.09 -
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
アクティブな生活を守る選択 - 人工関節手術の回避 「まだまだ自分の足で活動的に過ごしたい」—その強い願いを胸に、50代男性の患者様は、人工関節手術を回避する道を探し始めました。 数年前から、右股関節の痛みに悩まされ、半年前からは症状が悪化。整形外科で「末期の変形性股関節症」と診断され、人工関節手術を勧められたものの、アクティブなライフスタイルを諦めきれない患者様は、新たな可能性を求めて、当院の門を叩かれました。 痛み止めでも効果が乏しく、夜間の寝返りさえ困難な状況から、わずか1ヶ月で、痛みの軽減を実感。そして今、さらなる改善への期待を抱いています。 「足が軽くなったような気がします。」とおっしゃられる患者様。 このような変化はどのようにして実現したのでしょうか? 治療前の状態 数年来の右股関節痛 半年前から痛みが急激に悪化 夜間の寝返りも困難な強い痛み(10段階評価で10) 痛み止め内服でも効果乏しい 整形外科で「末期の変形性股関節症」と診断 人工関節手術を勧められていた まだまだアクティブに活動したいという強い希望があり、手術には踏み切れない状況でした。痛み止めを服用しても、十分な効果は得られず、日常生活に大きな支障をきたしていました。何か良い治療法がないかと探された結果、再生医療にたどり着き、当院を受診されました。 変形性股関節症は、加齢や過度の負荷により、股関節の軟骨がすり減り、骨と骨が直接こすれることで、痛みや炎症が生じる疾患です。特に「末期」と診断された場合、軟骨が著しく減少、または消失しており、一般的には、人工関節置換術が選択されます。しかし、人工関節には、耐用年数(10〜15年程度)の問題があり、特にアクティブな方の場合、活動制限を余儀なくされることも多く、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。 リペアセルクリニックの特徴 冷凍せずに培養した幹細胞の使用(生存率96%以上) 10,000例以上の豊富な実績 独自の股関節専用「ピンポイント注射」 患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療 当院では、人工関節置換術までの時間を延長する、あるいは完全に回避することで、患者様の生活の質を高いレベルで維持することを目指しています。特に、活動的な生活を望む方にとって、このアプローチは、大きな意義を持ちます。 当院の幹細胞治療の大きな特徴は、冷凍保存せずに培養した「生きた」幹細胞を使用している点です。この独自の培養方法により、生存率96%以上を誇る、強く活性化された幹細胞は、強力な抗炎症作用と軟骨修復・再生作用を発揮します。 さらに、股関節は膝関節と異なり、解剖学的構造上、幹細胞を軟骨損傷部位に届けることが難しいと言われていますが、当院では、特殊な針、エコー装置、レントゲン装置を駆使した「ピンポイント注射」という当院独自の方法により、確実に関節内の損傷部位へ、幹細胞を届けることを可能にしています。この技術により、幹細胞の本来の力を最大限に引き出すことができます。 リペアセルクリニックは「股関節の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンにて、関節が狭くなっていました。 <治療内容>右股関節に5000万個細胞を2回投与+PRP 右股関節に、5000万個の細胞を計2回投与しました。 治療経過と今後の期待 初回投与後1ヶ月で痛みが軽減(10段階評価で10→7) 2回目の投与でさらなる改善が期待される 投与後1年間にわたり効果が続く可能性 人工関節手術の回避と活動的な生活の維持 初回投与から1ヶ月後には、痛みの自己評価(10段階中)が治療前の「10」から「7」へと改善しました。 初回投与から約1ヶ月後の歩行の様子です。 まだ2回目の投与が残っており、さらに幹細胞治療の特徴として、効果は投与後1年程度にわたって、継続的に発揮されます。これは、幹細胞が長期間にわたって、強力な抗炎症作用と組織再生作用を、持続的に発揮するためであり、今後、さらに痛みの軽減が期待できる状況です。 一般的に、再生医療について、主治医に相談すると、反対されるケースが多いようです。これは、整形外科医が、自らの手術技術に自信を持っていることや、再生医療が比較的高額で、一般的ではなく、まだ未知の部分が多いとされているためかもしれません。しかし、当院では、変形性股関節症に対する幹細胞治療では、既に500例以上の実績があり、多くの患者様に満足いただける結果を提供してきました。再生医療の黎明期から、積極的に取り組んできたことで、末期の状態であっても、効果的な治療を実現しています。 新たな希望 「末期」という診断を受け、人工関節手術を勧められた方でも、適切な再生医療によって、症状の改善が可能であることを示すこの症例は、同様の悩みを持つ多くの方々に、新たな選択肢と希望をもたらします。特に、アクティブな生活を続けたい方にとって、人工関節手術による活動制限を回避できる可能性は、大きな意義を持ちます。 リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000例以上の実績に基づく確かな技術と、独自の培養方法で、患者様一人ひとりに、最適な治療プランをご提案いたします。 人工関節を回避して、アクティブな生活を続けたい方、変形性股関節症の痛みに悩まされている方、あなたも新しい一歩を踏み出してみませんか。国内で唯一の、最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『新時代の再生医療』による治療を提供します。 https://www.youtube.com/watch?v=ih7lpa9mCNs <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性股関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.05.07 -
- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
末期の膝関節症の苦痛から解放 - 幹細胞が再生させた軟骨 10年以上にわたる膝の痛みから、劇的に解放された、70代女性の物語。両膝の末期変形性関節症で、人工関節手術を勧められながらも、幹細胞治療によって、痛みが大幅に軽減し、「ギシギシ音も消えた」と実感できる回復を遂げられた、奇跡的な経過をご紹介します。 治療前は、膝の痛みで目が醒めることもあったのが、よく眠れるようになったと語られる患者様。 このような驚くべき改善は、どのようにして実現したのでしょうか? 70代女性の患者様は、10年以上続いた両膝の痛みが、近年さらに悪化し、整形外科で、両膝とも末期の変形性関節症と診断されました。定期的なヒアルロン酸注射も効果がなくなり、特に、坂道や階段での痛みが強く、平地でも20分以上歩けない状態でした。 治療前の状態 10年以上続く両膝の痛み(右膝:10段階中8、左膝:10段階中4) 両膝とも末期の変形性関節症と診断 ヒアルロン酸注射の効果消失 平地でも20分以上歩行困難 坂道歩行・階段昇降時の強い痛み 人工関節置換術を医師から推奨 主治医からは、両膝の人工関節置換術を勧められましたが、長期の治療期間への不安、体力低下の心配、術後の自然な歩行への懸念から、躊躇されていました。そんな時、両膝を同時に治療できる再生医療に希望を見出し、当院を受診されました。 変形性膝関節症の末期状態とは、関節軟骨がほとんど消失し、骨同士が直接接触している状態です。レントゲン検査でも、両膝とも関節裂隙が非常に狭くなっており、典型的な末期関節症の所見が確認されました。 リペアセルクリニックの特徴 冷凍せずに培養した幹細胞の使用(生存率96%以上) 10,000例以上の豊富な実績 独自の分離シート技術と無添加培養 患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療 厚生労働省への届出・受理に基づく投与数の最適化 当院では、末期の変形性膝関節症に対しても、積極的に治療を行い、他院で治療を断られた患者様にも、満足のいく結果を提供してきました。その秘訣は、高品質・大量の幹細胞を、複数回投与する方法にあります。 当院では、幹細胞を冷凍せずに培養することで、96%以上という高い生存率を誇っています。これは、一般的な再生医療クリニックの約60%と比較すると、圧倒的な差があります。 さらに、米粒2~3粒程度の脂肪組織から、1億個以上もの幹細胞を培養することが可能で、患者様の体への負担を最小限に抑えながら、両膝を同時に治療できます。海外の研究でも、幹細胞の生存率と数が多いほど、軟骨再生効果が高いことが証明されています。 リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンにて、関節間が狭くなっています。 <治療内容>両膝に各5000万個細胞を計4回投与+PRP 両膝に5000万個細胞ずつ、計4回投与いたしました。 治療後の変化 右膝の痛み:10段階中8から3へ(63%減少) 左膝の痛み:10段階中4から1へ(75%減少) 膝の屈伸時の「ギシギシ音」の消失 歩行距離の延長 階段の上り下りが楽に 日常生活の質の大幅な向上 半年後には、両膝とも痛みが大幅に軽減しました。特に印象的だったのは、患者様のお言葉です:「幹細胞を打つたびに、痛みが楽になっていき、屈伸時のギシギシした音もしなくなってきて、軟骨が再生されていっていると実感できました。」 この言葉からは、幹細胞投与のたびに、層状に軟骨が再生されていく様子が伝わってきます。これは、当院の「大量の生き生きした強い幹細胞」を複数回投与することで、実現した効果です。 膝の痛みが減少し、歩行が安定している様子です。 末期変形性膝関節症で悩んでいる方、人工関節手術を勧められている方も、あきらめる前に、再生医療の可能性をご検討ください。 リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000例以上の実績に基づく確かな技術と、独自の培養方法で、患者様一人ひとりに、最適な治療プランをご提案いたします。国内で唯一の、最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『新時代の再生医療』による治療を提供します。 https://www.youtube.com/watch?v=fPmLLnSN-8s https://www.youtube.com/watch?v=txPPS6ynrVs <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性膝関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.05.05
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC

LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
























当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
坂本理事長のブログ
藤間院長のブログ
スタッフブログ
トピックス
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- 内科疾患、その他
- 内科疾患
健康診断で尿酸値が高めと書かれていてドキッとした経験はありませんか?そんなときに真っ先にイメージされる痛風ですが、実はその痛みの原因は腎臓にも関係しています。 尿酸は体内の老廃物の一種で、痛風の原因としてよく知られていますが、尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くと、実は腎臓にも大きな負担がかかり、放置すると腎臓の機能低下を招いて将来的に透析が必要になることもあります。 尿酸値の高い状態が続くと痛風発作を起こすだけでなく、腎臓病や高血圧、心臓病、尿路結石などさまざまな病気を発症しやすくなることがわかっています。 本記事では、尿酸と腎臓の関係や腎臓に影響をあたえるメカニズムについて解説します。尿酸と腎臓のトラブルを予防・改善するポイントを一緒に見ていきましょう。 尿酸値と腎臓との関係|さまざまな疾患への影響 尿酸値が高くなると、体内の尿酸は結晶化してさまざまな場所にたまりやすくなります。足の親指の関節に結晶がたまれば激痛を伴う痛風発作を起こし、尿路にたまると尿路結石、腎臓にたまると腎結石(じんけっせき)になります。 腎臓に尿酸の結晶が沈着すると腎臓の組織に炎症を引き起こし、腎臓の働きが低下してしまいます。尿酸によるこうした腎臓障害を痛風腎(つうふうじん)と呼びます。 さらに尿酸値が高い方は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満といった生活習慣病を合併しやすいことも知られており、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患のリスクも上昇する傾向があります。 このように尿酸値は痛風だけでなく全身の健康、腎臓の健康と深く関わっています。 尿酸と腎臓が連動する仕組み 尿酸とはプリン体という物質が分解されてできる老廃物です。プリン体は食品や体内の細胞に含まれており、それらが分解されると尿酸が産生されます。 通常、この尿酸は血液を通して腎臓に運ばれ、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。健康な腎臓であれば体内の尿酸バランスは保たれますが、腎臓の働きが悪くなると尿酸を十分に排泄できずに血液中に溜まり、尿酸値が高くなってしまいます。 尿酸値が高い人ほど腎機能が低下している傾向は研究でも判明してますが、尿酸値が高いこと自体が腎臓を悪くする原因なのか、腎機能が低下した結果として尿酸が高くなっているのかは明確にはわかっておらず、両者が悪循環を起こす可能性も指摘されています。このように、尿酸と腎臓は密接な関係があるといえます。 検査値の見方を押さえて、尿酸値とクレアチニンの関係を知ろう 高尿酸血症と腎臓の関係を理解するには、血液検査の「尿酸値」と「クレアチニン値」に注目しましょう。 尿酸値がは高すぎると痛風や腎障害につながります。一方、クレアチニン値は腎臓のろ過機能を示す重要な指標です。 ここでは尿酸値が高くなる原因と、クレアチニン値からわかる腎機能の状態について具体的に解説します。 尿酸値が高くなる原因 尿酸値が上がる要因は生活習慣と体質(遺伝)です。まず生活面では過食・飲酒・運動不足が代表格です。ビールや内臓類・干物など高プリン体食品の多量摂取、肥満、さらには高血圧・糖尿病・脂質異常症などの併発が尿酸産生増と排泄低下を招きます。 一方、遺伝的素因も大きく、痛風患者の一親等内に家族歴があると高尿酸血症リスクは約2倍に跳ね上がると報告されています。 加えて、腎機能障害や白血病など細胞代謝が過剰に活発になる病態でも尿酸が蓄積するケースがあり、まずは食事・運動など日常習慣を整えた上で、異常が続く場合は医師の検査を受けることが大切です。 \まずは当院にお問い合わせください/ クレアチニン値が示す腎臓機能の指標 腎機能を知るカギは血液中のクレアチニン(Cre)です。クレアチニンは筋肉が動く際に生じる老廃物で、腎臓が正常なら尿へ排泄され血中濃度は低く保たれます。 男性0.6~1.0mg/dL、女性0.5~0.8mg/dL前後が目安ですが、筋肉量や年齢により変動するため数値だけで一喜一憂せず体格を加味した評価が必須です(文献1)。 Cre値と年齢・性別を組み合わせて算出するeGFR(推定糸球体ろ過量)は腎臓が老廃物をどれだけ濾過できるかを%換算した指標で、60mL/分/1.73㎡未満が3か月以上続くと慢性腎臓病(CKD)とみなされます(文献1)。 尿酸値が高い人はCre値も上がりやすいため、両指標をセットでチェックし早期に腎機能低下を掴むことが、痛風腎やCKDの進行を防ぐ第一歩になります。 痛風が腎臓に影響をあたえるメカニズム 痛風は関節だけの病気ではありません。合併症である高尿酸血症は腎臓にも深刻な打撃を与えます。血中で余った尿酸が針のように結晶化し、腎臓の細い管に詰まると、目詰まりを起こして炎症になります。 すると腎臓のろ過フィルター役割をする糸球体が痛み、老廃物を捨てにくくなるため腎機能が低下します。 さらに腎機能が低下することで痛風患者に多い肥満・高血圧・糖尿病が加わると悪循環になってしまいます。 長年放置すれば慢性腎臓病(CKD)や透析に至る恐れもありますので、尿酸値管理と生活習慣改善を早期に徹底しましょう。 痛風腎とは?放置する危険性 痛風腎(つうふうじん)とは、その名のとおり痛風(高尿酸血症)が原因で起こる腎臓障害のことです。痛風や高尿酸血症がしっかり治療・コントロールされずに長期間経過すると、尿酸塩の結晶が腎臓の深部(髄質)に析出して沈着し、腎臓の組織に慢性的な炎症を引き起こします。(文献2) 簡単に言えば、尿酸の結晶が腎臓に石のようにたまって腎臓を傷つけてしまった状態ですが、その結果腎臓の濾過機能が低下し、放置すると慢性腎不全へ進行して透析療法が必要になる可能性もあります。 痛風腎の怖いところは、これといった特有の自覚症状がない点です。尿が泡立つ(蛋白尿)・むくみが出る・血圧が上がるなど、症状が出るとすれば他の腎臓病と共通するサインばかりで、痛風腎に特有な症状はありません。 検査所見でも、尿検査でタンパク尿や尿潜血反応が出る、血清クレアチニン値が上がる等、一般的な慢性腎臓病(CKD)と同様の所見を示します(文献2)。 また、痛風のある方は前述のように高血圧、脂質異常症、耐糖能異常(糖尿病予備軍)など複数の生活習慣病を併せ持つことが非常に多いです。 そのため、痛風そのものによる腎障害(尿酸結晶による腎炎)に加えて、そうした生活習慣病が原因となる腎障害(たとえば高血圧性腎硬化症や糖尿病性腎症)が合わさり、より腎機能を悪化させているケースもしばしばあります。 痛風腎を予防・進行抑制するためには高尿酸血症を適切な治療をすると同時に、合併している生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の管理に努めることが重要です。 \まずは当院にお問い合わせください/ CKD(慢性腎臓病)とは CKD(慢性腎臓病)は腎機能の低下や腎障害が3か月以上続く状態で、日本では成人の7~8人に1人が該当するとされています(文献3)(文献4)。 代表的な原因は糖尿病や高血圧などで、自覚症状が乏しいため定期的な検査が重要です。CKD患者では腎機能低下により尿酸の排泄がうまくいかず、尿酸値が上昇する傾向があります。 一方で、高尿酸血症の人はCKDを合併しやすいこともわかっており、尿酸値を適正にコントロールすることが腎機能を守る上で重要です。 日本腎臓学会のガイドラインでは、高尿酸血症を伴うCKD患者に対して、血液中の尿酸値を下げるために行う尿酸降下療法の施術を考慮しても良いとされてます。尿酸と腎臓は密接に関係しているため、双方を総合的に管理することが求められます。(文献5) \まずは当院にお問い合わせください/ 痛風・腎臓病を予防する生活習慣の改善 高尿酸血症や腎臓病を予防・改善するためには、日常生活での取り組みが非常に大切です。 ここでは、尿酸値と腎臓の健康を守るために有効な生活改善のポイントをまとめます。どれも今日から実践できる内容ですので、無理のない範囲で取り入れてみましょう。 食事・水分摂取で予防する プリン体の摂取量を減らし、尿酸の産生を抑えることが基本です。 ビールなどのアルコール類やレバー・干物・魚卵といった高プリン体食品は頻度と量を控えめにし、主菜は鶏むね肉や白身魚を少量、野菜・海藻・大豆製品をたっぷり組み合わせ、タンパク質と食物繊維が豊富な食事を意識しましょう。 また、尿酸を体外へ流すには尿量の確保が不可欠です。水やお茶を1日1.5〜2リットルを目安にこまめに補給し、朝起きた直後・入浴前後・就寝前は必ずコップ1杯の水を飲むなど、ルールを決めてやってみましょう。 適度な運動・体重管理で予防する ウォーキングや早歩き、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を週3〜5回・1回30分程度続けると、エネルギー代謝が上がり肥満を防げる上、血糖値・血圧も整い尿酸値のコントロールに直結します。 筋トレはスクワットや腹筋など自重中心に無理なく行い筋肉量を維持しましょう。ただし、息を止めるような激しい無酸素運動は一時的に尿酸値を跳ね上げるため控えめに。 肥満は尿酸の産生過多と排泄低下の両方を招くので、BMI25以上の人は食事改善と運動を組み合わせ月1kgペースで減量を目標にします。 加えて高血圧・糖尿病・脂質異常症を放置すると腎臓への負担が倍増し痛風腎やCKD進行を招く恐れがあるため(文献2)、塩分を控えた食事・適正カロリー・血糖コントロールを徹底し、必要なら医師の治療を受けることが重要です。 ストレスの軽減・睡眠で予防する ストレスが強いと交感神経が優位になり、コルチゾール分泌が増えてプリン体代謝が活発化し尿酸値が上昇しやすくなります。 さらに睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、血圧上昇や食欲増進による体重増加が重なって腎臓への負担も増加します。 毎日30分の軽いストレッチや深呼吸、ぬるめの入浴でリラックスし、趣味や散歩など「自分が楽しい」と感じる時間を意識的に確保しましょう。就寝1時間前にはスマホを手放し、室内を暗めにしてメラトニン分泌を促進すると自然に眠りにつけます。 以上のポイントを実践することで、尿酸値のコントロールと腎臓の保護につながります。最初は難しく感じるかもしれませんが、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。 まとめ|尿酸値を下げて腎臓を守るために生活習慣を改善しよう 尿酸は高すぎると痛風になるだけでなく、腎臓にも悪影響を及ぼす可能性があります。 腎臓は尿酸を排泄する臓器であり、腎機能が低下すると尿酸が溜まってしまうため、お互いに影響し合う「持ちつ持たれつ」の関係にあります。尿酸値が高めと言われた方は、ぜひ一度腎臓の検査も受けてみてください。 逆に腎臓が悪いと言われた方も尿酸値の管理に注意が必要です。幸い、高尿酸血症や慢性腎臓病は生活習慣の改善や適切な治療によって予防・進行抑制が可能ですので、食事の工夫や運動習慣、定期検査など、できることから始めてみましょう。 日々の積み重ねが将来の健康につながります。もし不安なことやわからないことがあれば、遠慮せず主治医に相談してください。あなたの大切な腎臓を守り、痛風や腎不全にならないよう、今日からぜひ予防に取り組んでいきましょう。 参考文献 (文献1)腎援隊「クレアチニンやeGFRとは、どのような検査値ですか?」家族と考える慢性腎臓病サイト 腎援隊.https://jinentai.com/doctor_qas/post_14.html(最終アクセス:2025年04月22日) (文献2)日本腎臓学会「痛風腎とは?」日本腎臓学会 ホームページ.https://jsn.or.jp/global/general/_3204.php.(最終アクセス:2025年04月22日) (文献3)阿部雅紀ほか.「CKD診療ガイドライン2023」『日大医誌』82(6), pp.319‑324, 2023年.https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/82/6/82_319/_pdf.(最終アクセス:2025年04月22日) (文献4)東京都保健医療局「CKDってどんな病気?」東京都保健医療局.https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shippei/ckd/p2.html.(最終アクセス:2025年04月22日) (文献5)日本腎臓学会「CKD診療ガイドライン2024」日本腎臓学会 ホームページ.https://jsn.or.jp/data/gl2024_ckd_ch05.pdf.(最終アクセス:2025年04月29日)
2025.04.30 -
- 足部、その他疾患
- 足部
「足先がうまく持ち上がらず、歩くたびに引っかかる」 「下垂足の症状が長引いて辛い」 つま先が引っかかりやすくなり、歩行に支障をきたすことが特徴です。早く症状を改善したいと思っても、効果的なリハビリ法がわからず悩む方も少なくありません。 本記事では、下垂足のリハビリ方法と合わせて以下についても解説します。 下垂足のリハビリにおける注意点 下垂足のリハビリ以外での治し方 下垂足のリハビリでよくある質問 下垂足は正しい方法でリハビリを継続することで、症状の改善が期待できます。下垂足に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。 下垂足のリハビリ方法 リハビリ方法 目的 方法例 ポイント 足首・足指の運動 足関節や足趾の可動域を広げ、柔軟性と神経の働きを促進する 足首の上下運動(背屈・底屈)、足指のグーパー運動 違和感がある場合は無理せず、小さな動きから始める 筋力トレーニング 足首を持ち上げる筋肉(前脛骨筋など)を強化する チューブを使った足首の背屈運動、かかと上げ運動 正しいフォームを意識し、回数よりも一つひとつの動作を丁寧に行う ストレッチ 筋肉の緊張を和らげ、血行促進と柔軟性向上を図る ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)のストレッチ、足の甲の伸展 反動をつけず、ゆっくりと呼吸を止めずに行う 下垂足の改善には、筋肉と神経の機能回復を目指すリハビリが欠かせません。複数の運動をバランスよく取り入れるのが大切です。 足首・足指の運動 筋力トレーニング ストレッチ リハビリを実施する場合は、自己流ではなく、医師の指導のもと行いましょう。 以下の記事では、下垂足の原因や治らないときの対処法を詳しく解説しています。 足首・足指の運動 種類 目的 やり方(手順) 回数目安 足首の背屈運動 足首を持ち上げる筋力の強化 椅子に座り、つま先をすね側に引き寄せて数秒キープ 10回 足首の底屈運動 ふくらはぎの筋力強化 椅子に座り、つま先を下に伸ばして数秒キープ 10回 足首の回旋運動 足関節の柔軟性向上・血流促進 椅子に座り、足首を左右にゆっくり大きく回す 各方向10回 足指の運動 足指の筋力とバランス感覚の改善 足指をグーパーしたり、タオルを足指で掴んで持ち上げる 各動作10回 (文献1) 足首や足指を意識して動かすことは、下垂足リハビリの基本です。足首をゆっくりと上下させたり、足指を握ったり開いたりする運動は、関節の硬直を防ぎます。 足首や足指の運動を正しく行うことで、筋肉への神経伝達を促します。違和感があればすぐに中止し、医師に相談してください。 筋力トレーニング 種類 目的 やり方(手順) 回数目安 タオルギャザー 足指の筋力強化、細かな動きの改善 床にタオルを置き、足指でたぐり寄せる 10回程度 チューブトレーニング 足首の背屈・底屈筋の強化 セラバンドを足にかけ、足首を上下に動かす 各方向10回程度 カーフレイズ ふくらはぎ・足首周囲の筋力強化 つま先立ちになり、かかとを上下にゆっくり動かす 10回程度 (文献2) 下垂足では、足を持ち上げる筋肉の力が低下しているため、筋力トレーニングを継続的に行う必要があります。とくに前脛骨筋や足指を動かす筋肉の運動は、歩行を安定させるのに不可欠です。 無理をすると、悪化する可能性があるため、負荷をかけすぎずに回数を増やすのがポイントです。 ストレッチ ストレッチ名 方法 ポイント ふくらはぎのストレッチ 壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま伸ばす かかとは床につけたまま行う アキレス腱のストレッチ タオルを足裏にかけて両手で手前に引き、アキレス腱をゆっくり伸ばす ゆっくりと引きすぎないよう注意 下垂足では筋肉が硬くなり、柔軟性が低下することで歩行のバランスが乱れやすくなります。 柔軟性の低下などを防ぐには、無理のない範囲でストレッチを続けることが大切です。代表的な方法には、壁を使ったふくらはぎのストレッチや、タオルを使ったアキレス腱のストレッチがあります。 動作中に反動をつけたり無理に引き伸ばしたりするのは逆効果になるため、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。 下垂足のリハビリにおける注意点 リハビリは適切な方法で実践しないと効果を得られないだけでなく、かえって状態を悪化させる可能性があります。 リハビリにおける注意点は以下の6つです。 医師の診断・指示のもと行う 無理のない範囲で行う 継続して行う 転倒に注意する 装具は正しく着用する 日常生活に気を付ける 医師の診断・指示のもと行う 項目 内容 原因の多様性 下垂足は神経障害、外傷、脳疾患など原因がさまざまで、リハビリ法も異なる 自己判断のリスク 誤ったリハビリにより、症状の悪化や回復の遅れを招く可能性がある 医師の役割 医師は原因や症状の重さ、全身状態を考慮し、リハビリ計画を立てる 実施時の注意点 リハビリ開始前に医師の診断を受け、内容・頻度・負荷量などを指示に従って実施する (文献2) 下垂足の原因は腰や神経、脳の病気などさまざまであり、それぞれに適したリハビリ方法が異なります。 自己判断で始めると症状を悪化させるリスクがあるため、必ず医師の診断と指示に基づいて行いましょう。 無理のない範囲で行う リハビリは無理をすると、かえって悪化する恐れがあります。強い違和感が出たときに我慢して続けると、炎症や筋肉の損傷を招き、回復が遅れます。 体調や症状の変化に応じて、運動量や頻度を調整するのも大切です。地道な継続が、少しずつ機能を取り戻すことにつながります。 継続して行う 下垂足のリハビリは、短期間で改善が見込めるものではありません。神経や筋肉の回復には時間がかかるため、地道な継続が重要です。 調子がよく感じる日でも無理はせず、必要以上の負荷はかけず、少しずつ取り組むようにしましょう。 転倒に注意する 下垂足の方はつま先が持ち上がりにくくなるため、ちょっとした段差でも転倒しやすくなります。転倒を防止するために、リハビリは段差や物がないことを確認してから実施します。 転倒によって骨折やさらなる神経障害が起きるリスクもあるため、無理のない範囲で取り組みましょう。 装具は正しく着用する 装具を着用する際の注意点 装具を正しく装着するべき理由 ポイント 装具は正しい方法で装着する 誤った装着はリハビリ効果を妨げ、皮膚トラブルの原因になる 医師や義肢装具士の指導に従って装着 装着時に皮膚の状態を確認する 擦れやかぶれ、発赤が起こることがある 違和感があれば装着を中止し相談 装具の自己判断による調整は行わない 個人差により適正な位置や角度が異なるため、身体への負担やトラブルの原因となるおそれがあり 必ず専門家の判断を仰ぐ 装具は定期的なメンテナンスする 装具の劣化や不衛生が、機能低下や皮膚トラブルを引き起こすことがある 使用後は清潔に保ち、定期的に点検・交換 下垂足では、足首を安定させて歩行を助ける装具(足関節装具など)の使用が推奨されます。ただし、正しく装着しなければ、十分な効果が得られない可能性があります。 誤った装着により、皮膚トラブルや姿勢の乱れを招くこともあります。装具の選定や装着は、医師の指示に従い、不調を感じた際は速やかに相談しましょう。 日常生活に気を付ける リハビリだけでなく、日常生活での足の使い方を意識するのも大切です。無理に走ろうとしたり、階段を上り下りしようとすると、転倒してしまい、症状が悪化する可能性があります。 また、長時間立ち続けたり無理な姿勢をとったりするのは避け、足は無理に使いすぎず、こまめに休憩を取りましょう。 下垂足のリハビリ以外での治し方 治療法 内容の概要 特徴 物理療法 電気刺激や温熱療法などで筋肉や神経を刺激 筋力維持や血流改善に有効。違和感の緩和も期待される 薬剤療法 ビタミンB12や消炎鎮痛薬などを使用 神経の修復や炎症を抑える効果がある 手術療法 神経の圧迫除去や腱移行術などを行う 重度の神経障害や回復困難な場合に選択される 再生医療 幹細胞やPRP療法などで神経・組織の再生を促す 新しい治療法で、組織修復を目的とする 他の治療法を試す際は、必ず医師に相談しましょう。リハビリと併用して行われる治療法は以下の4つです。 物理療法 薬剤療法 手術療法 再生医療 リハビリ以外の治療法について解説します。 物理療法 効果 詳細 神経の刺激 電気刺激を与えることで、麻痺した神経や筋肉の働きをサポート 筋肉の活性化 電気刺激で筋肉を動かし、筋力低下や萎縮の予防に役立つ 血行促進 温熱やマッサージによって筋肉がほぐれ、血流が良くなり回復しやすくなる 違和感の軽減 神経や筋肉の緊張を和らげることで、違和感の緩和が期待できる (文献3) 物理療法は、神経や筋肉に刺激を与えることで、血流や機能の回復を促す治療法です。主な方法としては、電気刺激療法や温熱療法などが用いられます。 リハビリとの併用で治癒効果の向上が期待できる一方、症状や持病の兼ね合いで行えない可能性もあるため、医師に相談した上で実施されます。また、自己流のマッサージや温熱療法は症状を悪化させる恐れがあるため、行わないようにしましょう。 薬剤療法 薬の種類 主な役割・効果 注意点 ビタミンB群製剤 神経の機能を維持・回復を助ける(B1・B12など) 副作用は少ないが、継続的な服用が必要 抗炎症薬(NSAIDsなど) 神経の炎症を抑え、違和感や腫れを軽減 胃腸障害・腎機能障害のリスクがあるため長期使用に注意 鎮痛薬 神経痛やしびれなどの不快な症状を和らげる 眠気・めまいの副作用が出ることがある 神経賦活薬 しびれ・麻痺などの神経症状を改善 効果に個人差があり、医師の判断に基づく処方が必要 (文献4)(文献5) 薬剤療法では、下垂足の原因が神経の炎症や障害にある場合に行われます。神経の働きを助ける薬やビタミン製剤などを服用し、改善に向けて取り組みます。 薬剤はあくまでも補助的な役割であり、リハビリと並行した使用が大切です。薬は自己判断で調整せず、必ず医師の指示に従って服用しましょう。 手術療法 手術の種類 主な目的・効果 メリット デメリット 神経剥離術 圧迫されている神経の周囲組織を取り除き、神経の通り道を確保する 違和感や麻痺の原因を直接除去できる 手術リスク(感染・出血)あり 神経縫合・移植術 断裂した神経をつなぐ、または別部位の神経を移植して再生を促す 神経再生が期待でき、運動・感覚の改善に役立つ 回復に時間がかかる 腱移行術 正常な腱を移動させ、麻痺した筋肉の代用とする 足首の動きを補い、歩行機能が改善されやすい 術後にリハビリが必要 (文献4)(文献5) 手術療法は、神経の圧迫や断裂などが原因である場合に検討されます。手術療法では、原因を直接的に治癒できる一方、感染症や術後にリハビリが必要になる可能性があります。 また、回復には時間がかかるため、慎重な判断と医師の説明を踏まえた選択が重要です。 再生医療 再生医療は、損傷した神経や筋肉の再生を目的としています。下垂足の原因となる神経障害の根本的な改善が目指せる可能性があり、手術を必要としないことから、感染症や出血を起こすリスクがありません。 再生医療は限られた医療機関でしか受けられないため、事前に実施施設を調べ、自分の症状が適応となるかを確認しましょう。 以下では、再生医療について解説しています。 リハビリで改善しない下垂足は医療機関を受診しよう リハビリを続けても改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。下垂足は原因によって治療法が異なり、脳卒中など重大な病気が隠れていることもあります。 「リペアセルクリニック」では、リハビリで改善しない下垂足に対して、再生医療を活用し、傷ついた神経に回復を促します。 下垂足の症状にお悩みの方は、「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 下垂足のリハビリでよくある質問 リハビリはどのくらいの期間続ける必要がありますか? 下垂足のリハビリ期間には個人差があります。症状の原因や重症度、年齢や体力などによって回復までの期間は大きく異なります。 一概にいつまでに治ると断言はできません。リハビリのスケジュールや目標設定については、医師の診断を受けた上で段階的に進めることが大切です。 リハビリ中に違和感があった場合はどうすれば良いですか? リハビリ中に違和感やしびれなどが出た場合は、無理に続けず、すぐに中止して医療機関へ相談してください。違和感を抱えたままリハビリを継続すると、症状を悪化させる原因になりかねません。 自己判断せず、原因を確認しリハビリ内容を見直すことが大切です。 下垂足でも仕事は続けられますか 仕事の継続は、症状の程度と仕事内容によって異なります。デスクワーク中心であれば、無理な姿勢、長時間の座位は控えましょう。 立ち仕事がある場合は、医師と職場の両方に相談しましょう。 参考文献 (文献1) 辻慎太郎,安部惠子.「足底および足趾運動を活用したウォーミングアップの有効性」, pp.1-9, 発行年(2022) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsehs/67/4/67_199/_pdf/-char/ja?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年4月13日) (文献2) Zacharia Isaac,(2023). Rehabilitation for Other Disorders. MSD ManualProfessional Version https://www.msdmanuals.com/professional/special-subjects/rehabilitation/rehabilitation-for-other-disorders (Accessed: 2025-04-13) (文献3) 小林 将生ほか.「腰椎椎間板ヘルニアにより下垂足を呈した症例に対する電気刺激を併用した自転車エルゴメーターの有効性」『理学療法科学』, pp.1-4, https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/31/3/31_489/_pdf (Accessed: 2025-04-13) (文献4) Kyle L. McCormick, et al. (2024). Surgical Management of Foot Drop.Orthopedic Reviews https://orthopedicreviews.openmedicalpublishing.org/article/120047-surgical-management-of-foot-drop?utm_source=chatgpt.com (Accessed: 2025-04-13) (文献5) Stella Stevoska, et al. (2021).Tendon transfer in foot drop: a systematic review.PMC Pud Central https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9925604/?utm_source=chatgpt.com (Accessed: 2025-04-13)
2025.04.30 -
- その他、整形外科疾患
「尖足と下垂足の違いがわからない」 「尖足と下垂足の症状を見分けるポイントを知りたい」 尖足と下垂足の症状は似ていますが、原因や対処法が異なります。足の変形や歩きにくさが共通しているため、同じ症状と誤解されがちです。しかし、症状を適切に治療するには、両者の違いを知ることが大切です。 本記事では、尖足と下垂足の違いについてわかりやすく解説します。 尖足と下垂足の共通点 尖足と下垂足の違いを見分けるポイント 尖足と下垂足の治療法 違いを知ることが、正しい治療への第一歩になります。 尖足と下垂足の違い 比較項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 症状の現れ方 徐々に足首が下を向いた状態で固まり、可動域が狭くなる 急に足首が上がらなくなり、歩行時に足先が引っかかる 症状の性質 足首が過剰に下を向き、つま先立ちのような姿勢になる、関節の拘縮や変形を伴いやすい 足首の背屈ができず、足先が垂れ下がる、鶏歩や感覚障害を伴う 原因 脳卒中、脳性麻痺、脊髄損傷、筋ジストロフィー、アキレス腱の短縮、長期臥床など 腓骨神経麻痺、坐骨神経障害、腰椎ヘルニア、脳卒中、外傷、手術による神経損傷など 尖足と下垂足の症状はどちらも足に異常が現れ、歩行が困難になる疾患ですが、原因や症状、見た目に違いがあります。 見た目の足の形や、歩き方の特徴も異なります。尖足と下垂足の原因を解説します。 尖足の症状と原因 分類 内容 見た目の特徴 つま先で歩くためバランスが悪く、段差につまずきやすく、長距離歩行が困難になる 歩行への影響 足のアーチが崩れて扁平足や凹足になり、ハンマートゥや外反母趾を併発する場合がある 起こりうるトラブル 足首や足裏に違和感が出やすく、タコやマメができ、靴が合わなくなる 可動域の制限 足首を上に反らす動き(背屈)が制限され、関節の柔軟性が低下する 原因 脳卒中や脳性麻痺、脊髄損傷、筋ジストロフィー、糖尿病性神経障害、アキレス腱の短縮や長期臥床など (文献1) 尖足は、足首が底屈(足の裏側へ曲がる)方向に硬くなり、つま先が下を向いたまま伸びてしまう状態を指します。踵が接地しにくいのが特徴です。 主な原因としては、脳卒中や脳性麻痺、脊髄損傷など、脳や脊髄といった中枢神経系の障害によって起こる疾患が挙げられます。 下垂足は進行性の神経疾患の一部として現れる場合もあるので、症状が現れた段階での早期対応が大切です。 下垂足の症状と原因 分類 内容 足首の動きの制限 足首を上に反らす自力動作(背屈)ができず、足先が垂れ下がる状態になる 歩行への影響 足先が地面に引っかかりやすく、階段や段差でつまずきやすくなり、足を高く上げて歩く鶏歩になることがある 感覚障害 足の甲や外側にしびれや感覚の鈍さが現れることがあり、神経障害の影響で違和感を伴うこともある 筋力の低下 足首を持ち上げる筋肉(前脛骨筋など)の力が弱まり、足の動きが不安定になる 症状の現れ方 軽度ではつま先が少し引っかかる程度にとどまるが、重度では足首がほとんど動かせず、感覚障害や違和感が伴う場合がある 原因 脳卒中、腰椎ヘルニア、坐骨神経障害、末梢神経障害(腓骨神経麻痺など)、外傷や手術後の神経損傷など (文献2) 下垂足は、足首や足の指を持ち上げるための筋肉(前脛骨筋など)の力が弱くなり、足先がだらんと下に垂れ下がる状態です。この状態はドロップフットとも呼ばれます。 歩行時には、垂れたつま先が地面に引っかからないように、膝を通常より高く上げて歩く鶏歩(けいほ)と呼ばれる歩き方になるのが特徴です。 主な原因は、腰椎の問題(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など)による神経の圧迫や、腓骨(ひこつ)神経麻痺といった末梢神経障害などが挙げられます。また、脳卒中など重大な病気の可能性もあるため、に医療機関の受診が重要です。 以下の記事では、下垂足の原因について詳しく解説しています。 尖足と下垂足の共通点 共通項目 内容 歩行困難の症状がある 足首の動きに制限があるため、正常な歩行が困難になり、転倒やつまずきのリスクが高くなる 神経や筋肉に異常が起こる 神経や筋肉に異常が起こる いずれも神経や筋肉の障害によって、運動機能のバランスが崩れる 併存リスクがある 神経疾患や中枢性疾患などにより、尖足と下垂足の両方が同時または連続して発症するケースがある 尖足と下垂足は異なる状態ですが、いくつかの共通点も見られます。いずれも筋肉や神経の障害によって足の動きが制限され、日常生活に大きな影響を及ぼします。 尖足と下垂足の共通点は以下の3つです。 歩行困難の症状がある 神経や筋肉に異常が起こる 併存リスクがある それぞれの共通点についてくわしく解説します。 歩行困難の症状がある 項目 内容 共通点 尖足と下垂足はいずれも足の変形や筋肉・神経の異常により歩行が不安定になり、転倒のリスクが高まる 尖足による歩行障害 足先が常に下を向いてかかとが接地できず、つま先立ちのような歩き方になり、バランスが悪く転倒や足の違和感が起こりやすくなる 下垂足による歩行障害 足首が上がらず足先を引きずるように歩くため、段差でつまずきやすくなり、足の甲や外側にしびれや違和感を伴うことがある 尖足・下垂足ともに、歩行時のバランスが崩れやすく、日常動作に支障が出る場合があります。尖足は、かかとが浮いてつま先で歩くようになる状態です。一方で下垂足は、足先が上がらずにつまずきやすくなります。 どちらの症状も、装具やリハビリを適切に行わないまま放置すると、二次的な関節障害や転倒によるけがのリスクが高まります。 神経や筋肉に異常が起こる 項目 内容 共通点 尖足と下垂足はいずれも、神経や筋肉の異常により足首の動きが制限される共通点がある 尖足の場合 足首を下に曲げる筋肉が過剰に緊張・拘縮し、主に脳卒中、脳性麻痺、脊髄損傷、筋ジストロフィーなどが原因になる 下垂足の場合 足首を上に反らす筋肉が麻痺し、腓骨神経麻痺、腰椎ヘルニア、糖尿病性神経障害などが神経伝達の障害を引き起こす 尖足も下垂足も、足関節周囲の神経や筋肉に異常が生じることで発症します。尖足は足首が下向きに固まり、下垂足は足首を上げられなくなる状態です。原因は異なりますが、どちらも筋肉や神経に異常が起こり、足を動かす機能が低下します。 中枢神経(脳や脊髄)から末梢神経、筋肉まで、障害の部位によって発症の仕組みは異なりますが、運動機能がうまく働かなくなる点は共通しています。 併存リスクがある 項目 内容 併存の可能性 尖足と下垂足は異なる病態ですが、同じ原因から同時に発症するリスクがある 併存の要因 脳卒中や脊髄損傷、糖尿病性神経障害、拘縮、腓骨神経麻痺などにより、筋緊張や麻痺、末梢神経の異常が生じることで、尖足と下垂足が同時に現れることがある 併存による影響 両症状が重なると歩行障害が悪化し、転倒リスクの増加や関節の変形、慢性痛などの二次障害を引き起こす可能性がある 対策 原因疾患の管理を軸に、リハビリテーションや装具療法を併用し、機能の維持と症状の進行予防を目指す 尖足と下垂足は、原因疾患によっては同時に起こることがあります。 たとえば、広い範囲に及ぶ脳血管障害や複数の神経が障害される病気では、両方の症状が併発する可能性があります。 併発した場合、診断や治療は複雑になりますが、症状ごとに適切な対応が必要です。 尖足と下垂足の違いを見分けるポイント 尖足と下垂足は見た目や歩行の様子に違いがあります。注目すべきは、足の向きや足首の動き方、歩行時のクセ、障害を受けている筋肉や神経の部位などです。 足の向き 歩行時の状態 原因となる神経や筋肉 足関節の可動域 尖足と下垂足を見分けるポイントを解説します。 足の向き 比較項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 足の向き 足先が常に下を向く(底屈したままの状態) 足先が垂れ下がる(背屈できずダランと下がる) 特徴的な姿勢 つま先立ちのような姿勢で、かかとが浮いて接地しない 足を引きずるように歩き、つま先が地面に引っかかりやすい 動かしづらい方向 上に反らす(背屈)ができない 上に持ち上げる(背屈)ができない 尖足では、足首が下に曲がったまま固定されており、かかとが浮いてつま先だけが地面に接している状態になります。つま先立ちのような姿勢が続くのが特徴です。 一方、下垂足では足先がだらんと下がってしまい、歩こうとするとつま先が地面に引っかかりやすくなり、つまずきやすくなります。 歩行時の状態 比較項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 足関節の動き 足が常に下を向く(底屈したまま)ため、背屈ができない 足が上に持ち上がらない(背屈障害)ため、足先が垂れ下がる 歩行時の姿勢 かかとが地面につかず、つま先立ちのような歩き方になる 足先を引きずらないよう、膝を高く上げて歩く(鶏歩)ようになる 歩行の特徴 歩幅が狭くなり、バランスを崩しやすい 足先が地面に引っかかりやすく、つまずきや転倒のリスクが高まる 尖足では、足首が下に向いたまま固まるため、かかとが地面につきにくく、つま先で歩くような動きが特徴です。場合によっては、足裏全体を一度に地面につけるような不自然な歩行が見られます。 一方、下垂足では、足のつま先が垂れ下がって引っかかりやすいため、膝を高く持ち上げて歩く鶏歩(けいほ)の症状が現れます。また、足を引きずるように歩くため、足音が大きくなるのも下垂足の特徴です。 原因となる神経や筋肉 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 関与する動き 足を下に向ける(底屈) 足を上に持ち上げる(背屈) 主な原因筋・神経 腓腹筋、ヒラメ筋 腓骨神経、前脛骨筋、長趾伸筋 筋肉・神経の状態 筋肉が過緊張または拘縮し、足関節が底屈位に固定される 腓骨神経の麻痺により背屈筋が働かず、足先を持ち上げられなくなる 固定される足の向き 足先が下を向いた状態に固定 足先が垂れ下がった状態になり、引きずるような歩行になる (文献3) 尖足と下垂足は、原因となる神経や筋肉の種類にも違いがあります。尖足は、脳や脊髄といった中枢神経の障害によって、ふくらはぎの筋肉が過剰に緊張する痙縮(けいしゅく)が起こり、足首が下を向きやすくなります。 下垂足は、腓骨神経などの末梢神経の麻痺や、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)など足首を持ち上げる筋肉の筋力低下が主な原因です。障害される神経や筋肉の部位が異なる点が、見分ける際の重要なポイントです。 足関節の可動域 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 足関節の状態 足関節が底屈位に固定され、背屈(足を上に上げる動き)が他動的にも制限される 足関節の背屈が自動的に困難になりますが、他動的には背屈が可能な場合がある 可動域の特徴 関節自体が拘縮しており、柔軟性が低下している(構造的な制限) 筋力低下や麻痺で動かせなくても、関節構造には異常がないことが多い(機能的な制限) 主な原因となる障害 下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋など)の過緊張や拘縮 前脛骨筋など背屈筋を支配する腓骨神経の麻痺や筋力低下 見分けるポイント 他動的に背屈も難しい。歩行時はつま先立ちのようになり、かかとが接地しない 他動運動では背屈可能。歩行時は足先が垂れ、膝を高く上げて歩く鶏歩が見られる 足首の可動域にも違いが見られます。尖足では、筋肉の痙縮により足首が硬くなるのが特徴です。 一方、下垂足では、筋力の麻痺によって自分では足を持ち上げにくくなります。足関節の動きに注目すると尖足か下垂足の症状を判断する手がかりになるでしょう。 尖足と下垂足の治療法 尖足・下垂足の治療では、原因に応じて適切な治療法が選択されます。症状の状況に合わせて、治療が行われます。 尖足と下垂足の治療法は以下の5つです。 薬物療法 装具療法 理学療法 手術療法 再生医療 尖足・下垂足の治療法についてくわしく解説します。 また、以下の記事では、下垂足のリハビリ方法について詳しく解説しているのであわせてご覧ください。 薬物療法 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 治療の目的 筋肉の過緊張や痙縮を緩和し、関節の拘縮を予防・改善するのが目的 神経の炎症や障害の進行を抑えつつ、神経機能の回復を促す 使われる薬剤 筋弛緩薬(例:チザニジン、バクロフェン)抗痙縮薬(例:ダントロレン)ボツリヌス療法(注射) ビタミンB12製剤(末梢神経修復)神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンなど)ステロイド(炎症性疾患時) 対象となる異常 筋肉の過緊張・痙縮 神経の麻痺・炎症・障害 補助的な目的 薬で筋肉の緊張を抑えることで、リハビリや装具療法を円滑に行いやすくなる 違和感やしびれを軽減し、運動療法への移行をサポートする 尖足には、筋肉の緊張を和らげる治療が行われ、内服薬やボツリヌス注射で痙縮を抑え、歩行の改善が期待できます。下垂足では、原因が神経炎などの場合に薬物療法が選ばれることがあります。 薬物療法は症状を根本的に治療するのは難しいため、他の治療法と併用するのが一般的です。また、薬物療法による副作用が現れた際は、早期医師への相談が大切です。 装具療法 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 装具療法の目的 足関節の底屈を制御・矯正し、過度な緊張や変形を防ぐ 足先の垂れ下がりを防止し、歩行時のつまずきや転倒リスクを軽減 主に使用する装具 足底板や短下肢装具(AFO)など 短下肢装具(AFO) 装具による効果 関節の可動域を保ち、拘縮の進行を防止。歩行時のバランス改善と違和感の軽減が期待できる 足先を上げる動作を補い、膝を高く上げずに自然な歩行が可能。日常生活動作(ADL)の改善に役立つ 装具療法は、足関節の動きを適切に抑え、筋肉の緊張や変形を防ぐ目的で行われます。尖足には、足首の底屈を制限し、かかとが地面につくよう補助するタイプの装具を使用します。 下垂足の場合は、足先の持ち上げを支える短下肢装具(AFO)の使用が一般的です。使用にあたっては、自己判断はせず、医師の指導に従い行います。 装具に違和感がある場合は無理に使わず、早めに医師へ相談してください。また、装具を長く使うためには、定期的な点検や調整も大切です。理学療法 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) ストレッチ アキレス腱や足底筋を中心に伸ばし、関節の柔軟性を高めて拘縮を予防する アキレス腱の柔軟性を保つことで、足の過剰な底屈を防ぎ、歩行の安定性を高める 関節運動 背屈・底屈運動を繰り返し行い、可動域を広げて足首の動きを改善する 必要に応じて足関節の他動運動を行い、柔軟性を維持しながら底屈の悪化を防ぐ 筋力トレーニング 足関節周囲の筋力を強化し、つま先立ち歩行による不安定さを軽減する 前脛骨筋など背屈に関与する筋を鍛え、足先を持ち上げる力を回復させる 歩行訓練 装具と併用しながら、正しい足の接地と重心移動を意識した歩行を反復する 装具を使用しながら、足先を引きずらない自然な歩行パターンを習得する 理学療法の効果 拘縮予防と筋力維持により、歩行能力の改善と日常生活への自立支援が期待される 筋力回復と歩行安定により、転倒リスクの軽減や生活の質の向上が見込まれる リハビリが中心となる治療法であり、ストレッチや筋力トレーニングを継続的に行うことで、症状の改善を目指します。 尖足に対しては、拘縮予防や筋緊張の緩和を目的としたストレッチが重視され、下垂足では、前脛骨筋などの機能回復を目指す筋力トレーニングや歩行練習が行われます。 リハビリを実施する際は、医師の指導のもと継続的に取り組むことが大切です。 手術療法 項目 尖足に対する手術療法 下垂足に対する手術療法 手術療法のメリット 保存療法で改善しない筋や腱の拘縮・変形を根本から矯正できる可能性がある 損傷した神経や機能を代替する筋腱を用い、背屈機能を再建する つま先立ち歩行や足の違和感を軽減し、歩行の安定性を改善する 足先を引きずる症状や転倒リスクを軽減し、歩行能力の改善が期待される 手術療法のデメリット 感染・出血・神経損傷などの手術リスクが伴う 同様に手術侵襲による合併症のリスクがある 手術後の関節の可動域制限や装具の継続使用が必要になることがある 手術後もリハビリや装具療法が不可欠で、回復に時間がかかることがある 尖足や下垂足では、保存療法で効果が不十分な場合や症状が進行している場合に手術療法が検討されます。尖足に対しては、アキレス腱や後脛骨筋腱の短縮を改善するための腱延長術が行われます。 手術療法では、変形に対して根本的な改善が期待できる一方、術後の感染や出血、神経損傷のリスクに注意が必要です。手術はリスクを考慮し、医師と相談した上で検討するのが大切です。 再生医療 項目 尖足(せんそく) 下垂足(かすいそく) 原因 筋肉や腱の短縮・拘縮、神経障害 総腓骨神経の麻痺や損傷、筋力低下 再生医療の目的 筋肉や腱の柔軟性を回復させる、筋肉組織の再生 麻痺した神経や筋肉の再生・修復、足部の背屈機能の回復 期待される効果 筋・腱の柔軟性向上による足関節の可動域改善 足首や足指の背屈機能の回復による歩行の安定化 再生医療では、自分の幹細胞を使って、傷んだ神経の回復や筋肉の萎縮の改善を目指します。再生医療は手術を必要とせず、体への負担が少ない治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では、尖足や下垂足によって損傷した神経の再生を促します。 尖足・下垂足の症状にお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 尖足と下垂足の違いを理解し適切な治療を受けよう 尖足と下垂足の症状には似ている部分が多い一方、明確な違いがあります。原因や症状によって適切な治療法が異なるため、足に少しでも違和感があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、尖足や下垂足の原因を正確に見極めた上で、幹細胞を使った再生医療による治療も行っています。 尖足または下垂足の症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 参考資料 (文献1) Joan Pellegrino. (2024). Talipes Equinovarus (Clubfoot) and Other Congenital Foot Anomalies. MSD ManualProfessional Version https://www.msdmanuals.com/professional/pediatrics/congenital-musculoskeletal-anomalies/talipes-equinovarus-clubfoot-and-other-congenital-foot-anomalies (Accessed: 2025-04-14) (文献2) 深田 亮ほか.「下垂足および足底感覚障害を有する脊髄円錐部髄内腫瘍に対し,術後早期からトレッドミル歩行練習を実施した1例*」『理学療法学 第49巻第5号』2022年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/49/5/49_12264/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年4月14日) (文献3) 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる「腓骨神経麻痺」」公益社団法人 日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/peroneal_nerve_palsy.html(最終アクセス:2025年4月14日)
2025.04.30 -
- 足部、その他疾患
- 足部
「最近つま先が妙に引っかかる」 「足がもつれやすくなった」 その足のもつれは下垂足の症状かもしれません。下垂足とは、足首やつま先を持ち上げる筋肉や神経の働きが弱まり、足先が下がる状態です。 症状を重症化させないためにも、以下の内容を解説します。 下垂足とは 下垂足の原因 下垂足は治らないのは本当なのか? 下垂足の症状チェックリスト 記事の最後には、下垂足に悩む方から寄せられる、よくある質問をまとめています。ぜひ最後までご覧ください。 下垂足とは 症状 詳細 足首の背屈困難 足首を上に曲げられず、足先が垂れ下がる 歩行障害 足先が引っかかり、つまずきやすくなる。引きずる歩き方やすり足、鶏歩が見られる 鶏歩(けいほ) 膝を高く上げて歩く。垂れ下がった足先が地面に引っかからないようにするための歩行様式 足のしびれや違和感 足の甲や外側にしびれや違和感が出る 筋力低下 足首や足の筋肉の力が弱まる 下垂足とは、足首やつま先を持ち上げる筋力が低下する症状です。腓骨神経の働きが弱まることで、足首が上がらなくなり、足先が垂れ下がる状態です。 具体的には、スリッパが脱げやすくなったり、つま先が地面にひっかかり転ぶことが増えたりする症状が現れます。また、下垂足の症状には、脳卒中や糖尿病性神経障害、腓骨神経麻痺などの神経疾患が隠れている可能性があるので、放置せず早めに医療機関を受診しましょう。(文献1) 以下の記事では、尖足と下垂足の違いについて詳しく解説しています。 下垂足の原因 原因となる病状・状態 詳細 腓骨神経障害 足首を上げる神経(腓骨神経)が損傷して麻痺を引き起こす 代謝性|慢性疾患 糖尿病で神経がダメージを受け、足首を上げる力が弱くなる 腰椎の急性圧迫 ヘルニアなどで腰の神経の根元が強く圧迫される 血管性炎症 血管の炎症で神経への血流が悪くなり、神経がうまく働かなくなる 下垂足の症状はさまざまな原因で起こりえます。突然、足首の筋力が低下し、歩きにくいなどの症状が出た場合は、早急な医師への相談が大切です。 下垂足の原因は、以下4つです。 腓骨神経障害 代謝性|慢性疾患 腰椎の急性圧迫 血管性炎症 下垂足の原因について解説します。 腓骨神経障害 腓骨神経が傷つく原因 詳細 神経が圧迫される 日常生活や特定の状況で、神経が圧迫されて機能が低下する 長時間の足組みや正座 膝の外側で神経が圧迫され、一時的な麻痺を引き起こす 急激な体重減少 神経を保護する脂肪が減り、圧迫を受けやすくなる ギプス固定 足のケガなどでギプスを巻いた際に、その圧迫で神経が傷つく 外傷 外傷によって神経そのものが損傷を受ける 膝まわりの骨折・強い打撲 骨折や強い衝撃で、近くにある腓骨神経がダメージを受ける (文献1) 腓骨神経は足の筋肉を動かす役割があり、圧迫や損傷を受けると、つま先を上げにくくなります。圧迫の原因は、足を組む癖や長時間の正座などの習慣的な動作が挙げられます。それらの動作を習慣にしている人は注意が必要です。 また、打撲や骨折、手術の後遺症として神経が傷つき、腓骨神経障害を発症するケースもあります。腓骨神経障害が原因で引き起こる下垂足を防止するには、普段から神経に負荷をかけないことが大切です。 以下の記事では、坐骨神経痛に効くツボについて詳しく解説しています。 代謝性|慢性疾患 項目 糖尿病性ニューロパチー 腰部脊柱管狭窄症(L5神経根障害) 発症メカニズム 高血糖による末梢神経と血管の損傷により、足の神経が機能低下 脊柱管の狭まりによりL5神経根が圧迫され、筋肉の動きが弱まる 主な症状 足のしびれ、感覚の低下、下垂足 腰痛、足のしびれ、歩行時の悪化、下垂足 症状の進行 高血糖が続くと徐々に進行する 加齢やヘルニアにより徐々に進行 治療法 血糖コントロール、神経痛緩和薬、装具 薬物療法、リハビリ、装具、手術(必要に応じて) (文献2)(文献3) 下垂足は、糖尿病性ニューロパチーや腰部脊柱管狭窄症(L5神経根障害)などの慢性的な神経障害によって発症します。高血糖による神経損傷や、神経の圧迫が足の筋力低下を引き起こします。 いずれの症状も神経の圧迫や障害が原因であるため、早い段階での医療機関への受診が必要です。 以下の記事では、糖尿病の初期症状について詳しく解説しています。 腰椎の急性圧迫 項目 脳卒中(上位運動ニューロン障害) 脊髄腫瘍・円錐部病変 多発性硬化症(MS) 原因 脳内の血流障害で運動野が損傷し、下肢の麻痺を引き起こす 脊髄下部の腫瘍や病変で神経が圧迫・損傷される 中枢神経の脱髄により神経伝達が阻害される 主な症状 対側の下肢麻痺、足首や足指が上がらない 筋力低下、感覚障害、膀胱直腸障害を伴うこともある 下肢の運動障害、視力低下、感覚障害など 診断方法 MRI、CTなどで脳血流や病変を確認 MRIで腫瘍や圧迫部位を確認する MRIで脱髄の有無を確認する 治療法 血栓溶解・抗血小板療法、リハビリ 外科的切除や放射線治療 ステロイド・免疫調整療法 (文献4) 下垂足は、脳や脊髄の障害で発症します。とくに脳卒中(上位運動ニューロン障害)や脊髄腫瘍・円錐部病変は、重症化する前に早期発見が大切です。 筋力低下や感覚障害、排泄障害などの症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、脳卒中の前兆について詳しく解説しています。 血管性炎症 血管性炎症と下垂足の関係性 主な症状 血管の炎症が末梢神経への血流を妨げ、神経虚血を引き起こす 代表疾患 巨細胞性動脈炎(中型・大型血管が障害される) 神経虚血の仕組み 血管が炎症で狭くなり、酸素や栄養が届かず神経が傷つく 治療法 免疫抑制治療(ステロイド・免疫抑制薬)で炎症を抑える 治療の重要性 神経損傷は不可逆的なことが多く、早期治療が大切 (文献5)(文献6) 血管性炎症は、末梢神経に栄養を送る血管に炎症が起こり、神経がダメージを受ける症状です。中でも巨細胞性動脈炎は、下肢の神経に酸素や栄養が届きにくくなり、下垂足を発症します。 血管性炎症の疾患の中には、後遺症が出ることもあるため、少しでも異変を感じた際は早急に医療機関を受診しましょう。 下垂足の症状は治らないって本当? 分類 要因 詳細 改善が見込めるケース 原因疾患の治療 椎間板ヘルニアや脳卒中などの治療で改善できる可能性がある 血糖コントロール 糖尿病性神経障害では血糖管理で進行を抑え、改善する可能性がある 神経の回復 腓骨神経麻痺などで神経が自然に回復するケースもある リハビリ 足首の運動や歩行訓練で歩行が安定する可能性がある 改善が難しいケース 重度の神経損傷 神経が断裂・広範囲に損傷していると回復が難しい 進行性の神経疾患 慢性圧迫や進行性疾患では改善が見込めない可能性が高い リハビリ効果が限定的 筋力や関節の回復が不十分で補助具が必要になることもある (文献7) 下垂足が治るかどうかは、症状によって異なります。足を組む癖などで一時的に腓骨神経が圧迫されて起こった軽度の下垂足であれば、生活習慣を変えることで、改善する可能性があります。また、脳卒中などの重度の疾患でも早期発見し、治療を早い段階で開始すれば、症状の改善が期待できるでしょう。 一方治らないケースとして挙げられるのが、糖尿病性神経障害のように基礎疾患が進んでいる状態や、脳卒中などで後遺症の改善が難しいケースです。 原因や進行状況によって治る可能性は異なりますが「治らない」と諦めず、治療やリハビリを続けることが重要です。 下垂足の症状チェックリスト 足首が上がりにくい、つま先が引っかかる症状に加え、突然の発症または急速な悪化症状が現れたら、脳卒中や脳梗塞の可能性があるため、直ちに救急車(119番)を呼ぶか、すぐに医療機関を受診してください。症状が進行し重症化すると命に関わる危険性があります。 突然の発症または急速な悪化 下垂足と同じ側の顔が歪む・口角が下がる 激しい頭痛・吐き気・嘔吐 尿と便が出にくい・失禁してしまう おしりの周りやサドル領域(仙骨部)がしびれる・感覚が鈍い 外傷後の激しい違和感と腫れ 以下の記事では、下垂足の症状に対して効果が期待できるリハビリ方法をわかりやすく紹介しています。 突然の発症または急速な悪化 下垂足の症状がある日突然現れたり、数時間から数日の間に悪化したりする場合は注意が必要です。突然の発症は、単なる神経障害ではなく、脳卒中や脳梗塞、脳出血の前兆である可能性も考えられます。 脳が損傷を受けると、足の動きや顔の表情、言葉の機能が急に低下し、後遺症になる場合があります。症状が突然現れ、発声や言葉がうまく聞き取れない場合は、早急に対処が必要です。 下垂足と同じ側の顔が歪む・口角が下がる 顔に歪みや麻痺の症状が現れた場合、脳に障害が起きている可能性が高いです。脳梗塞などで脳の神経が損傷されると、顔と手足を動かす神経経路が同時に障害され、結果として顔面神経麻痺が起こります。 脳梗塞や脳出血は、発症から24時間以内の治療が回復の可能性を大きく左右します。脳梗塞や脳出血で一度脳の神経細胞が壊死すると、元に戻すことはできません。 鏡を見て明らかにいつもと表情が違う、表情が動かせない場合は、早急に救急車(119番)もしくは医療機関を受診しましょう。 激しい頭痛・吐き気・嘔吐 激しい頭痛や吐き気、嘔吐が現れた場合、脳出血や脳腫瘍の可能性があります。とくにこれまで体験したことのない激しい症状であれば、すぐに救急車(119番)を呼ぶ必要があります。 突然後頭部を殴られたような激しい頭痛は、くも膜下出血の典型的な症状です。発見が遅れると命に関わる危険性があります。ただの頭痛や吐き気だと判断せずに医療機関を受診することが大切です。(文献8) 以下の記事では、吐き気を伴う頭痛について解説しています。 尿と便が出にくい・失禁してしまう 下垂足と同時に尿と便が出にくい、または失禁してしまうなどの排尿・排便に関する異常が現れた場合、腰部脊柱管狭窄症や重度の椎間板ヘルニア、脳卒中を引き起こしている可能性があります。また、症状によっては緊急手術が必要です。 放置すると排泄障害や下肢の麻痺が残る可能性があるため、早急に受診してください。 以下の記事では、脳梗塞の後遺症について詳しく解説しています。 おしりの周りやサドル領域(仙骨部)がしびれる・感覚が鈍い お尻や太ももの内側、股間まわり(自転車のサドルが当たる部分)にしびれや感覚の鈍さ、温度がわかりにくいといった症状がある場合は、馬尾症候群の可能性があります。 神経が強く圧迫されて起こる重い病気の一つで、放置すると排尿や排便の障害につながることもあるため、早めに医療機関を受診することが大切です。 外傷後の激しい違和感と腫れ 外傷後に激しい違和感と腫れが現れた場合は、腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性が高いです。 考えられる症状の中でも、馬尾症候群は膀胱や直腸に異常が出るケースもあり、発症から48時間以上が経過すると後遺症になる確率が上昇します。(文献9) 放置すると神経機能の回復が困難になる可能性があるため、自己判断はせず、救急車(119番)を呼ぶ、もしくは医療機関を受診する必要があります。 下垂足が悪化する前に早めの医療機関の受診を 下垂足が引き起こされる原因によっては、緊急性の高い症状が隠されている可能性があり、少しの異変でも医療機関を受診する必要があります。 少しの異変でも早期発見が症状の重症化を防ぐことにつながります。 「リペアセルクリニック」では、下垂足に対して、幹細胞を活用した再生医療を提供しています。少しでも気になる症状があれば、ご相談ください。当院はどんな小さな不安にも丁寧に耳を傾け、早期発見につなげるお手伝いをしています。 下垂足の症状にお悩みの方は、「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 下垂足に悩む方からよくある質問 下垂足は自然に治りますか? 原因によって異なりますが、多くの場合は自然に回復することは難しく、適切な治療やリハビリが必要です。また、脳卒中や糖尿病性神経障害、腰椎疾患など重大な症状が隠れている場合もあるため、自己判断は禁物です。 下垂足を重症化させないためにも、早めの受診が大切です。 下垂足は再発しますか? 下垂足が再発するかどうかは、原因や再発リスクによって異なります。原因となった基礎疾患(糖尿病や腰椎疾患など)の管理が不十分だと、症状改善後に再発する可能性があります。 再発予防には、生活習慣の改善や、基礎疾患の継続的な治療などが不可欠です。 下垂足の予防法はありますか? 下垂足を確実に予防する方法はありません。しかし、下垂足を引き起こすかもしれない病気(糖尿病など)にならないように生活習慣を見直したり、原因となりやすい状況(たとえば足を長時間組むことなど)を避けたりすることが、結果的に下垂足の予防に役立つ場合があります。 下垂足はどの診療科を受診すれば良いですか? 下垂足の原因によって受診すべき診療科が異なります。以下の表を参考に、適切な診療科を受診してください。 診療科 受診の目安 整形外科 腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症、腓骨神経麻痺、骨折・外傷が原因の場合 神経内科 脳卒中、糖尿病性神経障害、筋ジストロフィーなど神経の病気が原因の場合もしくは、しびれ・麻痺などの神経症状がある場合 脳神経外科 脳卒中や脳腫瘍が疑われる場合 ご自身の症状に対してどの診療科を受診すれば良いのかわからない方は、「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 公益財団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる「腓骨神経麻痺」」公益財団法人 日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/peroneal_nerve_palsy.html(最終アクセス:2025年4月12日) (文献2) 「10章 糖尿病性神経障害」『糖尿病診療ガイドライン 2024』,pp.1-13,発行年 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/10.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献3) 「腰部脊柱管狭窄症」『整形外科シリーズ』,pp.1-2,2023年 https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0013CKA.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献4) 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/3806(最終アクセス:2025年4月12日) (文献5) Merck & Co.Inc. Rahway,NJ,USA「血管炎疾患の分類」MSD マニュアルプロフェッショナル版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/multimedia/table/%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%82%8E%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E5%88%86%E9%A1%9E(最終アクセス:2025年4月12日) (文献6) 「指定難病の診断基準等のアップデート案について情報提供のあった疾病(個票(見え消し))(第 58 回指定難病検討委員会において検討する疾病)」『第58回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会』,pp.1-204, https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001256854.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献7) Zacharia Isaac(2023),Rehabilitation for Other Disorders.MSD ManualConsumer Version https://www.msdmanuals.com/home/fundamentals/rehabilitation/rehabilitation-for-other-disorders(最終アクセス:2025年4月12日) (文献8) 公益財団法人 日本心臓財団「循環器病のトピックス」公益財団法人 日本心臓財団,2018年05月28日 https://www.jhf.or.jp/topics/2018/000943/?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年4月12日) (文献9) 宮本 雅史,中嶋 隆夫 .「診療ガイドライン」『腰椎椎間板ヘルニア 診療ガイドライン 改訂第2版』巻(号),pp.1-5,2016 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/11/105_2210/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年4月12日)
2025.04.30