専門医が語る、選ばれる再生医療
の安全性と秘密
【再生医療】治療の新たな選択肢に!
低リスクで元の元気な体に戻る治療法をプロがお話します!
なぜ!?当院が選ばれるのか??
そこには幹細胞の強さに秘密があった!!
独自の培養技術について詳しく解説を行います。
症例紹介
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- 肩関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
痛み10段階中10が0に!仕事を休まず回復を実現! 北国の港で週6日漁に出る40代男性の患者様は、数か月間悩まされ続けた右肩の激痛から完全に解放されました。腱板縫合手術を勧められ、最低でも3〜4か月の休業が必要と言われていたにもかかわらず、仕事を一日も休まずに痛みが0になったのです。 いったいどのような治療で、このような驚くべき回復を実現できたのでしょうか。 治療前の状態 右肩を酷使する漁師の仕事で腱板部分断裂 痛みの程度は10段階中10の激痛 関節鏡下縫合術を勧められる 手術には入院と3〜4か月の休業が必要 この患者様は、北国の港で漁師をされており、右肩を長年酷使されてきました。整形外科でMRI検査を受けたところ、腱板の部分断裂と診断され、放置すると断裂部が拡大して縫合できなくなるため、今のうちに関節鏡下での縫合術が勧められました。しかし手術には入院が必要で、術後は最低でも3週間の固定とその後のリハビリが必要となり、仕事への復帰は早くても3〜4か月かかるとのことでした。週6日漁に出ている患者様には、そのような長期間仕事を休むことは困難でした。 腱板が損傷すると肩関節の安定性が失われ、痛みや肩の挙上が困難になります。断裂部を放置すると時間とともに断裂は拡大し、最終的には縫合が不可能となります。縫合が不能の場合には太ももから筋膜を採取して橋渡ししたり、人工関節が必要となるため、一般的には断裂が小さいうちに手術が勧められます。しかし、手術後は数週間の装具固定が必要で、肩が固まってしまう拘縮のリスクや、縫着した腱板の再断裂のリスクもあります。 リペアセルクリニックの特徴 詳細については、こちらで当院独自の再生医療の特徴を紹介しています。 リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 MRI所見 MRIにて棘上筋の部分断裂を認めます。 <治療内容>右肩に5000万個細胞を計3回投与+PRP 右肩に5000万個の幹細胞を計3回投与いたしました。 治療後の変化 初回投与1か月後に痛みが半減 最終投与6か月後に痛みが完全に消失 漁師の仕事を一日も休まずに治療完了 初回投与後1か月で、治療前は10段階中10だった激痛が5まで改善しました。2回目投与後1か月で痛みは3となり、最終投与後6か月で痛みは完全に0となりました。 漁師という重労働の仕事を一日も休まずに治療を続けても、見事に痛みが消失しました。この治療法の最大の魅力は、患者様の社会生活を中断させないことです。入院が不要で固定期間もないため、家事や育児、仕事を休むことなく根本治療を目指すことができ、普段通りの生活をしつつ改善を図れます。なお、冷凍せず培養された生き生きした幹細胞でなければ、このような良い成績はみられないでしょう。 腱板損傷と診断された方で、入院や長期の休業を避けながら痛みを取りたい方に、当院の再生医療は新たな可能性を提供します。腱板損傷でお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 分化誘導( 1回 )55万円( 税込 ) PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 腱板損傷の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.11.25 -
- 脊髄損傷の症例
- 頚椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の症例
- 幹細胞治療の症例
手術を回避!80代でゴルフと海外旅行を楽しめる生活へ! 趣味のゴルフと海外旅行を楽しむアクティブな80代の患者様は、数年間悩まされた間欠性跛行と下肢のしびれから解放されつつあります。30分ほどで歩けなくなっていたのが、連続で歩ける距離が伸び、下肢全体にあったしびれが膝下に限局して、その程度も半分になりました。 手術を避けたいと願っていた患者様が、このような改善を実現できたのは、いったいどのような治療だったのでしょうか。 治療前の状態 数年前から腰痛と下肢しびれに悩む 30分ほどの歩行で間欠性跛行が出現 第4腰椎すべり症、腰椎脊柱管狭窄症と診断 ゴルフのスイング時の腰痛、海外旅行への不安 この患者様はご高齢ではありますが、趣味がゴルフと海外旅行という大変アクティブな方です。しかしながら、数年前から30分ほど歩行すると、下肢のしびれと疼痛が出現する間欠性跛行に悩まされるようになりました。近くの整形外科でMRI検査を受け、第4腰椎すべり症、腰椎脊柱管狭窄症と診断されました。内服薬を処方されましたが、症状は徐々に悪化し、ゴルフのスイング時には腰痛も出現し、海外旅行に行くのも不安になってきたそうです。 手術の選択肢もありますが、入院や全身麻酔が必要でリスクを伴います。また手術をしても神経症状がどこまで回復するか未知の部分もあり、手術に踏み切れずにいました。特に御高齢の患者様にとって、手術のリスクは大きな心配事となります。 リペアセルクリニックの特徴 詳細については、こちらで当院独自の再生医療の特徴を紹介しています。 通常の幹細胞治療では、点滴による静脈注射が一般的ですが、当院では、損傷部位に直接幹細胞を届けるため、国内ではほとんど行われていない、脊髄腔内へ直接投与する脊髄腔内ダイレクト注射を提供しています。これは、腰椎麻酔と同様の方法で、幹細胞をくも膜下腔に投与し、髄液の流れに乗せて、損傷部位に直接届ける画期的な方法です。当院の経験から、脊髄・神経系の疾患に対しては、このダイレクト注射が特に良い効果を示すことがわかっています。 また、点滴治療においては、厚生労働省への届出・受理を経て、2億個の一括投与を提供しています。リペアセルクリニック独自の治療経験から、この投与量の最適化により、治療効果が向上していることが明らかになっています。 リペアセルクリニックは「頚・腰椎ヘルニア」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 MRI所見 MRIにて脊柱管の狭窄を認めます。 <治療内容>脊髄腔内に直接2500万個細胞を計5回投与 この患者様には、脊髄腔内に直接2500万個細胞を計5回投与しました。 治療経過と変化 初回投与1か月後に連続歩行距離が伸びた 間欠性跛行が改善 下肢全体のしびれが膝下に限局 しびれの程度も半分に軽減 初回投与後1か月で連続で歩ける距離が伸び、間欠性跛行が改善しました。5回目投与後には、下肢全体にあったしびれが膝下に限局し、その程度も半分となりました。 従来の手術は、構造的問題の修復にとどまる対症療法ですが、幹細胞治療は、神経組織の再生を促進する根本治療です。この治療法により、手術前の患者様は手術で避けられないリスクから解放され、手術後の患者様は後遺症に対する新たな改善の可能性を得ることができます。患者様は従来の治療で必要とされていた長期間の入院生活から解放され、通院治療のみで神経の再生を目指すことができます。 脊髄腔内ダイレクト注射により、脊柱管の狭窄部で損傷した神経細胞に直接幹細胞を届けることができ、神経の修復・再生を促したことで、このような素晴らしい改善が実現したのです。手術で神経の圧迫を取り除かなくても、幹細胞による神経の回復促進により、症状が改善することが証明されました。ただし、冷凍せず培養された生き生きした幹細胞でなければ、このような良い成績はみられないでしょう。 脊柱管狭窄症によるしびれや痛みでお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。 <治療費> 幹細胞 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ヘルニアの再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:黄金勲矢
2025.11.24 -
- ひざ関節の症例
- 半月板の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
痛み改善で関節鏡手術を回避!ゴルフを再び楽しめるように! 3か月間悩まされ続けた左膝の痛みから解放され、念願のゴルフを再び楽しめるようになった40代の患者様。半月板切除手術を勧められていたにもかかわらず、わずか3か月で痛みが劇的に改善したのです。 いったいどのような治療で、このような回復を実現できたのでしょうか。 治療前の状態 ゴルフのスイングで左膝を傷めてから3か月間痛みが続く ヒアルロン酸注射を繰り返しても改善なし 半月板損傷と診断され手術を勧められる 痛みの程度は10段階中8と深刻な状態 この患者様は、近くの整形外科で半月板損傷と診断されました。何度もヒアルロン酸注射を受けられましたが効果は得られず、主治医からは関節鏡手術での半月板の縫合もしくは切除を勧められていました。お仕事が忙しく手術に時間を割けないため、手術以外で痛みを取る方法を探され、当院にいらっしゃいました。 半月板損傷の手術では、損傷が激しい場合や血行が悪い部位は、縫合してもくっつかないため、半月板の切除を選択せざるを得ません。実際、半月板手術のおよそ9割で切除が行われているのが現状です。しかし半月板を切除すると、膝のクッションがなくなるため、軟骨のすり減りが加速してしまいます。ある臨床研究では、半月板切除を受けた方の10年後を調査すると、3割の方が変形性膝関節症になってしまったとの報告があります。 リペアセルクリニックの特徴 詳細については、こちらで当院独自の再生医療の特徴を紹介しています。 リペアセルクリニックは「半月板損傷」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 MRI所見 MRIにて内側半月板の損傷を認めます。 <治療内容>左膝に5000万個細胞を2回投与+PRP 左膝に5000万個の幹細胞を計2回投与いたしました。 治療後の変化 痛みが10段階中8から2へ劇的に改善 初回投与後わずか3か月で効果を実感 大好きなゴルフを再び楽しめるように 手術や入院なしで日常生活に復帰 初回投与後3か月で、治療前は10段階中8だった痛みが2まで改善し、念願のゴルフも楽しめるようになられました。幹細胞が半月板の損傷部位に直接働きかけ、組織の再生・修復を促したことで、このような素晴らしい回復が実現したのです。 従来の手術は症状緩和を目的とした対症療法ですが、幹細胞治療は半月板組織の再生による根本的な治療です。この治療法の画期的な点は、従来必要とされていた長期入院や過酷なリハビリテーション、そして行動制限のための固定期間が一切不要であることです。なお、冷凍せず培養された生き生きした幹細胞でなければ、このような良い成績はみられないでしょう。 半月板損傷と診断された方で、半月板を温存しつつ痛みを取り、将来の変形性膝関節症への進行を予防したい方に、当院の再生医療は新たな可能性を提供します。 国内で珍しい、最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『次世代の再生医療』による治療を提供します。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 分化誘導( 1回 )55万円( 税込 ) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 半月板損傷の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:黄金勲矢
2025.11.22 -
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
痛み10段階中10が0に完全消失!40年続いた痛みからの解放 20代から40年間、股関節痛と闘い続けた造園業の患者様。人工関節を勧められても「絶対に避けたい」と頑張ってこられました。幹細胞治療により痛みが完全に消失し、活動的な生活を取り戻されました。 いったいどのような治療で、この奇跡的な回復を実現したのでしょうか。 治療前の状態 20代から40年間の右股関節痛 臼蓋形成不全による末期の変形性股関節症 痛みレベル10段階中10の激痛 造園業の仕事で股関節を酷使 整形外科で人工関節を勧められていましたが、仕事を続けるため、必死にダイエットや筋トレで対処されていました。しかし痛みは改善せず、限界を感じていらっしゃいました。 変形性股関節症が進行すると、保険診療では人工関節手術しか選択肢がありません。人工関節は耐用年数が約20年で、脱臼リスクもあり活動が制限されます。軟骨を再生させる治療法は保険診療には存在しません。 リペアセルクリニックの特徴 詳細については、こちらで当院独自の再生医療の特徴を紹介しています。 当院独自の関節内ピンポイント注射により、股関節内に確実に幹細胞を届けることが可能です。手術を避けながら、症状の改善を目指すことができます。 リペアセルクリニックは「股関節の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンにて関節の狭小化を認めます。 <治療内容>右股関節に5000万個の幹細胞を3回投与+PRP 右股関節に5000万個の幹細胞を3回投与いたしました。 治療後の変化 1回目投与後:痛み10→8に軽減 2回目投与後:痛み8→6にさらに改善 3回目投与1年後:痛み完全消失(0に) 投与のたびに段階的に痛みが軽減し、1年後には痛みが完全に消失しました。人工関節の可能性を大幅に減らしたと実感いただいております。 従来の手術治療が対症療法であるのに対し、幹細胞治療は股関節組織の再生による根本的な治療となります。この治療法の最大の魅力は、患者様の社会生活を中断させないことです。入院が不要で固定期間もないため、家事や育児、仕事を休むことなく根本治療を目指すことができ、普段通りの生活をしつつ改善を図れます。なお、冷凍せず培養された生き生きした幹細胞でなければ、このような良い成績はみられないでしょう。 臼蓋形成不全や変形性股関節症で人工関節を勧められている方、仕事や趣味を続けたい方にも、再生医療という選択肢があります。40年来の痛みでも改善の可能性があります。あなたもぜひ一度、当院へご相談ください。 国内で珍しい、最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『次世代の再生医療』による治療を提供します。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 分化誘導( 1回 )55万円( 税込 ) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> 脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性股関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.11.20
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞培養加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療




















当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
坂本理事長のブログ
藤間院長のブログ
スタッフブログ
トピックス
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- 靭帯損傷
- ひざ関節
- その他、整形外科疾患
「腫れて動かしづらい」 「しばらくすれば治ると思ったのに改善しない」 その靭帯の痛みが続くのであれば、靭帯損傷の可能性があります。靭帯は関節を安定させる重要な組織であり、損傷すると歩行や運動に支障をきたします。こうしたケガはスポーツだけでなく、段差での転倒や日常の動作でも起こることがあります。「全治までどのくらいかかるのか」「手術は必要なのか」といった不安を感じる人も多いでしょう。 しかし、受傷の原因や症状を正しく理解し、適切な治療やリハビリを行えば、回復までの道筋を明確にできます。 本記事では、現役医師が靭帯損傷について詳しく解説します。 記事の最後には、靭帯損傷に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 靭帯損傷について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください 靭帯損傷とは 項目 説明 靭帯の役割 骨と骨をつなぐ強靭な線維組織。関節の過度な動きを制御し、安定性を保つ 靭帯の構造 主成分はコラーゲン線維。伸縮性は乏しく、頑丈なロープのような構造をもつ 損傷の発生機序 許容範囲を超える外力によって、靭帯線維が部分的または完全に断裂することで発生 靭帯損傷の定義 捻挫のうち、靭帯自体が損傷したもの。スポーツ活動や日常動作中にも起こり得る 主な原因 急な方向転換、他者との接触、転倒、段差の踏み外しなどによる強い負荷 主な症状 受傷時の「ブチッ」とした音や感覚、関節の腫れ、痛み、可動域の制限 靭帯損傷は、関節を安定させる靭帯が、過度な力で伸ばされたり切れたりした状態を指します。 靭帯を損傷すると関節の動きが制限され、体重をかけた際に違和感が生じます。足首・膝・手首など負荷がかかりやすい部位に多く発生します。適切な治療で回復が見込めますが、放置すると再発や慢性的な関節不安定を招くため、早めの受診が必要です。 以下の記事では、肘関節の外側にある靭帯が傷つくことで引き起こされる肘外側側副靭帯損傷について詳しく解説しています。 靭帯損傷が起こりやすい部位 部位 主な損傷部位・特徴 主な原因 足首(足関節) 外側靭帯の損傷が最も多く、内反捻挫で発生する 段差の踏み外し、着地時のバランス崩れ、スポーツ中のひねり動作 膝(膝関節) 前十字靭帯・後十字靭帯・内外側側副靭帯の損傷がみられる サッカーやバスケットボールなどでの急な方向転換や他者との接触 手首(手関節) 転倒時に手をついた際の衝撃で損傷し、骨折を伴うこともある 転倒や転落、スポーツ・日常動作での手をつく動作 指 母指MP関節側副靭帯損傷(スキーヤーズサム)などが代表的 球技での突き指、スキー中の転倒による衝撃 肩 肩関節脱臼に伴い靭帯が損傷することが多い コンタクトスポーツや転倒時の強い外力 靭帯損傷は全身の関節で起こり得ます。とくに多いのは足首(前距腓靭帯)と膝(前十字靭帯・内側側副靭帯)です。これらの部位は体重を支えながら複雑に動くため、ねじれや外力の影響を受けやすい構造をしています。 スポーツでは急な方向転換やジャンプの着地などで損傷しやすく、日常生活でも段差の踏み外しや転倒によって発生することがあります。また、肩・肘・手首なども転倒や無理な動作で負担がかかると損傷することがあります。靭帯の部位によって治療法や回復期間が異なるため、正確な診断と早期の対応が必要です。 以下の記事では、外側側副靭帯の損傷で引き起こされる、外側側副靭帯損傷について詳しく解説しています。 靭帯損傷の初期症状 初期症状 詳細 受傷時の音や違和感 「ブチッ」「プチッ」といった断裂音や関節のずれを感じる。受傷直後の違和感や不安定な感触 腫れと関節内出血 靭帯損傷による炎症反応や出血による関節周囲の腫脹。皮下出血や内出血による赤紫色の変化 関節の不安定性と運動制限 関節を支える靭帯の損傷によるぐらつきや支えにくさ。痛みによる可動域の制限 (文献1) 靭帯損傷の初期には、関節周囲に腫れや熱感が生じ、動かしにくくなります。受傷直後に「何かが切れたような感覚」や「関節を支えられないほどの違和感」が主な特徴です。 靭帯が損傷すると内部で出血や炎症が起こり、数時間以内に腫れが強くなることがあります。 軽度の損傷でも放置すると症状が悪化し、見た目の腫れが引いても関節の不安定さが残る場合があります。早期に整形外科を受診し、必要に応じて画像検査を行いましょう。 以下の記事では、靭帯損傷の初期症状に関連する内容を詳しく解説しています。 【関連記事】 膝が痛い時に疑われる病気を一覧表で解説|立ったり座ったりがつらい方は要チェック 捻挫の後遺症とは|症状のチェック項目や治し方を現役医師が解説 受傷時の音や違和感 靭帯損傷の初期には、関節の内部で「ブチッ」「プツッ」といった音がすることがあります。これは靭帯の線維が断裂する際に生じる音で、中等度から重度の損傷でみられます。ただし、音がしなくても損傷している場合があり、音の有無だけで重症度を判断できません。 受傷直後には「じんわりとした違和感」や「関節が外れたような感覚」を伴うことがあります。これは靭帯損傷による安定性の低下や内部出血、炎症反応が関係しています。 損傷部位に触れると熱を帯びているように感じることもあり、これは炎症に伴う血流増加によるものです。こうした初期症状は損傷のサインであり、放置せず早めに整形外科で診察と画像検査を受けることが重要です。 腫れと関節内出血 症状・特徴 詳細 急速な腫れの出現 受傷後まもなく関節が腫れ、張ったように感じる状態。24時間以内の腫れは関節内出血の可能性 関節の張り感・圧迫感 関節内に血液や液体がたまり、関節包が膨らむような感覚 熱感・発赤 炎症や出血により患部が温かくなり、赤みを帯びる状態 可動域制限・動かしにくさ 出血や炎症による液体貯留で関節の動きが制限される状態 振動・打撲感(鈍痛) 関節内の血液や浮遊物質が刺激となり生じる不快感や違和感 (文献2) 靭帯損傷による腫れや関節内出血は、損傷した靭帯や周囲組織から血液や体液が関節包内に流れ込み、炎症によって関節が膨らむことで起こります。 関節の張り感や圧迫感、熱感が現れ、膝や足首では皮下出血を伴うことがあり、腫れが急速に強まったり動かした際に強い痛みを感じたりする場合は関節内出血が疑われます。 出血が多いと関節内圧が高まり、軟骨や滑膜に負担がかかることもあるため、冷却と安静を保ちながら速やかに整形外科を受診しましょう。 関節の不安定性と運動制限 症状 詳細 関節の不安定性 損傷した靭帯の支えが失われ、関節がぐらつきやすくなる状態。歩行時や動作時に膝が抜けるような感覚や膝くずれを伴うこともある。関節のずれやすさによる再受傷や変形のリスク 運動制限 腫れや痛み、関節内出血による可動域の制限。関節の曲げ伸ばしが困難となり、日常生活やスポーツ動作に支障をきたす状態。炎症や損傷部位の引っかかりも要因 靭帯が損傷すると関節を支える力が弱まり、不安定性が生じます。歩行時に膝が「ガクッ」と抜けるような感覚や、足首が繰り返し捻れる症状が代表的です。 軽度では運動時のみ、重度では日常動作でも関節の不安定性や可動域制限が現れ、膝の前十字靭帯損傷では階段昇降やしゃがむ動作が困難になります。 無理に動かし続けると関節軟骨や半月板など他の組織にも負担がかかり、二次的な損傷を招きます。不安定性を感じたら装具で固定し、医師の指導のもと段階的にリハビリを進めることが重要です。 靭帯損傷の原因 原因 詳細 スポーツによる靭帯損傷 急な方向転換やジャンプの着地、他者との接触によって生じる過度な関節への負荷 転倒や事故・外部からの強い衝撃 転倒時に手足をついた際の衝撃や交通事故によって加わる急激な関節への外力 加齢や慢性的な負荷 加齢による靭帯組織の変性や、長期間の過使用によって生じる持続的なストレス 靭帯損傷は、関節に通常を超える力が加わったときに発生します。とくに急な方向転換やジャンプ後の着地、段差での踏み外しなど、関節がねじれる動作で起こりやすいのが特徴です。 スポーツ中の衝撃だけでなく、日常生活での転倒や無理な姿勢でも生じます。加齢とともに靭帯の柔軟性や強度が低下すると、わずかな外力でも損傷しやすくなります。 再発を防ぐためには、原因を理解した上で正しい動作の習得や筋力バランスの改善に取り組むことが重要です。 以下の記事では、膝の痛みについて詳しく解説しています。 スポーツによる靭帯損傷 スポーツによる靭帯損傷は、ジャンプの着地や急な方向転換、急停止などで関節に強い力やねじれが加わることで発生します。サッカーやバスケットボールなどでは、対人接触による衝撃が直接靭帯に及ぶこともあります。 筋力不足や誤ったフォーム、同じ動作の繰り返しによる疲労は靭帯損傷のリスクを高めるため、予防には正しいフォームの習得と筋力の強化、十分な休養が不可欠です。 転倒や事故・外部からの強い衝撃 原因 詳細 転倒時の関節のねじれや過伸展 階段の踏み外しや路面での滑倒による急なねじれや過伸展による靭帯損傷 交通事故やスポーツでの衝突による外力 自転車・自動車事故やコンタクトスポーツの衝突によって生じる強い外力の集中 高所からの転落による着地衝撃 高い場所からの飛び降りや転落による着地時の過度な負荷の集中 スポーツ以外の日常生活でも起こり得る 段差でのつまずきや歩行中の転倒による関節への急激な衝撃 予期せぬ外的要因で回避動作ができない 突発的な事故や不意の衝突によって防御姿勢が取れず生じる靭帯への直接負荷 転倒や交通事故など、外部から強い力が加わった場合にも靭帯損傷は発生します。とくに膝や足首、手首は衝撃を受けやすく、転倒時に手をついたり膝をひねったりすると損傷が起こります。 衝撃が大きい場合には、複数の靭帯や関節包が同時に損傷する重症例もみられます。高所からの転落やスポーツ中の接触プレーでは、一瞬で強い外力が加わるため、早期の医療介入が必要です。 外傷後に関節の腫れや動かしづらさが続く場合は、速やかに整形外科を受診してください。 加齢や慢性的な負荷 加齢により靭帯の弾力性や強度が低下し、柔軟性が失われることで、わずかな負荷でも損傷しやすくなります。関節軟骨のすり減りや筋力低下によって靭帯への負担が増し、長時間の立ち仕事や無理な姿勢の継続も損傷を進行させる要因となります。 とくに肥満や偏った動作を繰り返す場合はリスクが高く、高齢者では転倒や身体機能の低下により靭帯損傷の危険性が増すため、注意が必要です。 靭帯損傷の全治までの期間 全治までの期間 詳細 軽度|Ⅰ度 靭帯の一部が軽く伸ばされた状態。回復までの目安は約2〜4週間程度。安静と固定による自然治癒 中度の損傷|Ⅱ度 靭帯の部分断裂がみられる状態。全治の目安は約4〜8週間(1〜2カ月)。安静・固定・リハビリの併用 重度の損傷|Ⅲ度 靭帯の完全断裂が生じた状態。全治まで3〜6カ月を要することが多く、手術や集中的リハビリが必要 靭帯損傷の全治期間は損傷の程度によって異なり、軽度のⅠ度損傷では数週間で日常生活に復帰できることが多いのに対し、完全断裂を伴うⅢ度損傷では回復までに数カ月から半年以上を要する場合があります。 回復期間は損傷部位や年齢、治療開始の時期、リハビリへの取り組み方によって異なり、膝の靭帯損傷では歩行が可能になる時期とスポーツ復帰が許可される時期に差が生じます。 焦って無理をすると再損傷のリスクが高まり、回復が遅れることもあります。医師の診断に基づいて段階的にリハビリを進めることが回復への近道です。 以下の記事では、捻挫の重症度について詳しく解説しています。 軽度|Ⅰ度 軽度の靭帯損傷の全治期間は、一般的に2〜4週間程度です。膝の軽度損傷では、炎症や腫れが落ち着くと日常生活レベルの動作まで回復することが多くみられます。 ただし、この期間は固定や安静、リハビリなどの保存療法を適切に行った場合の目安です。年齢や基礎体力、栄養状態、他組織の損傷有無、治療への取り組み方によって回復速度は異なります。 軽度の損傷でも自己判断で放置したりリハビリを怠ると、関節の不安定性が残ったり慢性化したりする恐れがあります。 中度の損傷|Ⅱ度 中等度の靭帯損傷の全治期間は、一般的に4〜8週間(約1〜2カ月)が目安とされています。回復期間は損傷部位や範囲、治療の適切さに加え、血流や可動性、年齢、体力、基礎疾患などによって大きく異なります。 リハビリを早く始めたり、無理に負荷をかけたりすると治癒が遅れる場合があるため、医師の指導のもとで段階的に運動を再開することが重要です。 重度の損傷|Ⅲ度 重度の靭帯損傷の全治期間は、一般的に3〜6カ月程度を要します。重度損傷では靭帯再建術を行うことが多く、とくに膝の前十字靭帯完全断裂では回復に半年以上を要する場合があります。 若年者や体力のある方は回復が早い傾向にありますが、リハビリの質と進度が機能回復の鍵となるため、医師の指導のもと計画的に進めることが大切です。 靭帯損傷の治療法 治療法 詳細 保存療法(固定・安静・リハビリ) 損傷の軽度〜中等度に行う基本治療。ギプスやサポーターでの固定、安静の保持、段階的なリハビリによる関節機能の回復 薬物療法 炎症や痛みの軽減を目的とした治療。消炎鎮痛薬や湿布、注射薬などによる炎症反応の抑制と疼痛緩和 手術療法 靭帯の完全断裂や保存療法で改善が難しい場合に実施。靭帯再建術や縫合術による関節安定性の回復 再生医療 損傷部位の自然治癒を促す治療法。PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞治療による組織再生の促進 軽度〜中等度の損傷では、固定・安静・リハビリを中心とした保存療法で回復を図り、必要に応じて炎症や痛みを抑える薬物療法を併用します。重度の損傷や再発を繰り返す場合は、靭帯再建術などの手術療法が検討されます。 近年では、自己修復力を高めるPRP療法や幹細胞治療といった再生医療も選択肢のひとつです。早期に正確な診断を受け、個々の状態に合わせた治療計画を立てることが回復につながります。 以下の記事では、膝の皿が痛い原因と治療法について詳しく解説しています。 保存療法(固定・安静・リハビリ) 施策 詳細 固定と安静 サポーターや装具で損傷部位を固定し、関節の動きを制限。炎症と腫れを抑え、靭帯回復を助ける治療 RICE療法(安静・冷却・圧迫・挙上) 受傷直後に患部を冷却・圧迫し、心臓より高い位置に挙上して安静を保つ処置。腫れや炎症の抑制 リハビリテーション 急性期後に行う関節可動域訓練や筋力強化、バランス訓練による段階的回復法 日常生活指導 動作の工夫や休息の取り方、再損傷防止のためのリスク管理 保存療法は軽度から中等度の靭帯損傷に有効な治療法です。靭帯は一定の修復能力を持つため、ギプスやサポーターで固定し安静を保つことで自然治癒を促します。 炎症が落ち着いたら理学療法で可動域と筋力を段階的に回復させます。身体への負担が少なく入院の必要もないため、日常生活への影響を最小限に抑えられます。過度な安静は筋力低下を招くため、医師の指導のもと計画的にリハビリを進めることが重要です。 以下の記事では、保存療法で使用される膝サポーターについて詳しく解説しています。 薬物療法 薬物 詳細 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) 痛みや腫れ、炎症の抑制を目的とした内服薬や湿布の使用。長期使用時の副作用への注意 鎮痛薬 強い痛みの軽減を目的とした一時的な使用。症状に応じた用量と期間の調整 ヒアルロン酸注射(関節症や疼痛緩和など目的限定) 関節内の潤滑改善と軟骨保護を目的とした注射療法。痛み軽減への応用 薬物療法は靭帯損傷における補助的な治療法です。消炎鎮痛薬を用いて炎症と症状を抑えることで、早期のリハビリ参加を促し治癒を促進します。 しかし、薬物療法だけで靭帯を完全に再生させるのは困難です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)では胃腸障害や腎機能への影響、注射薬では感染リスクなどの副作用に注意が必要です。 手術療法 手術法 詳細 靭帯再建術 患者自身の腱(ハムストリング腱・膝蓋腱など)を用いて新たな靭帯を作成。関節鏡で行うため傷口が小さく回復が比較的早い手術法 靭帯縫合術 部分断裂や複合損傷に対して断裂部を縫合。完全断裂では適応外となる場合が多い手術法 手術後の流れと期間 リハビリで筋力と柔軟性を回復。スポーツや日常生活への復帰まで6カ月〜1年を要する経過 手術療法は、靭帯が完全に断裂した場合や保存療法で改善しない場合に実施されます。手術による靭帯再建は関節の安定性を回復させ、半月板や関節軟骨の二次的な損傷、再断裂、変形性関節症のリスクを減らします。 手術は身体への負担が大きく長期間のリハビリを要するため、生活スタイルや損傷の程度を踏まえて医師と相談し治療法を選択することが重要です。 再生医療 再生医療は、損傷した靭帯の自己修復を促す治療法です。靭帯や関節の組織は血流が少なく自然治癒しにくいですが、血小板に含まれる成長因子や脂肪由来の幹細胞を利用することで修復を促進します。 代表的なPRP療法では、患者自身の血液から血小板成分を抽出して損傷部位に注入します。成長因子が炎症を抑え、症状の軽減に寄与します。 ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、実施できる医療機関も限られます。治療を希望する場合は、医師と相談して適応を確認しましょう。 前十字靭帯断裂に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 スポーツ外傷に対する再生医療についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。 靭帯損傷の予防法 予防法 詳細 運動前後のウォーミングアップとクールダウン 関節や筋肉を温め可動域を広げ、運動後に筋や靭帯を緩める習慣 筋力強化とバランストレーニング 関節周囲の筋力向上と姿勢制御力の向上による負荷分散 適切なフォームと装具の活用 動作の改善とサポーターなどの使用による関節保護 日常生活でのケアと体調管理 無理な動作回避と休養、疲労や体調不良時の負荷調整 靭帯損傷は、正しい知識と日常的なケアによって予防できます。運動前後のストレッチやウォーミングアップは関節や筋肉の柔軟性を高め、急な動きへの対応を助けます。筋力とバランスを整えるトレーニングも関節の安定性向上に有効です。 正しいフォームの習得やサポーターの活用によって関節への負担を軽減し、再発を防止できます。疲労をためない体調管理も重要です。 運動前後のウォーミングアップとクールダウン 靭帯損傷の予防には、日常的な準備運動と整理運動の習慣が欠かせません。ウォーミングアップで筋肉や関節を温めることで急な負荷への耐性が高まり、クールダウンは柔軟性を保ち損傷リスクを減らします。 加えて、関節周囲の筋力強化やバランストレーニングで安定性を高め、適切なフォームや装具の活用、無理のない生活と体調管理を徹底することで、靭帯への負荷を軽減できます。 筋力強化とバランストレーニング 筋力強化とバランストレーニングは靭帯損傷の予防に欠かせません。膝周囲の大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えることで関節への負担が分散され、靭帯への過度なストレスを軽減できます。 スクワットやランジ、バランスボール、片足立ち、バランスボードなどのトレーニングは、筋力と神経系の反応速度を高め、関節の安定性を向上させて転倒リスクを減らします。 筋力強化とバランストレーニングを組み合わせて行うことで相乗効果が得られ、関節の安定性が高まるため、定期的に正しいフォームで実施することが重要です。 適切なフォームと装具の活用 正しい運動フォームの習得は靭帯損傷予防の基本です。スクワットやランジでは膝がつま先より前に出ないようにし、膝が内側に入らないよう注意します。体幹をまっすぐ保ち、不適切なフォームによる靭帯へのストレスを避ける必要があります。 運動強度は自分の体力に合わせて段階的に進め、適切な休息を取り入れることが大切です。テーピングやサポーターは関節の動きを補助し、不安定な動きを制限して靭帯への負担を軽減します。 とくにスポーツ時やリハビリ初期に有効ですが、医師の指導を受けて正しく使用することが不可欠です。 日常生活でのケアと体調管理 項目 内容 RICE療法の実施 安静・冷却・圧迫・挙上の4つの基本処置で炎症と腫れを抑制 膝への負担軽減 無理な動作や長時間の立ち仕事を避け、杖やサポーターで関節を保護 栄養管理 タンパク質・ビタミンC・亜鉛を含むバランスの良い食事で組織修復を促進 十分な睡眠 疲労回復と治癒促進に不可欠な休養時間の確保 適切な運動療法 症状が落ち着いた段階でのストレッチや筋力トレーニングの継続 日常生活でのケアと体調管理は靭帯損傷の回復を大きく左右します。受傷直後はRICE療法を速やかに実施し、炎症や腫れを最小限に抑えることが重要です。 回復期には膝に過度な負担をかけず、栄養と休養をしっかり取り入れることが必要です。痛みや腫れが落ち着いた段階で、医師や理学療法士の指導のもと、痛みのない範囲で徐々に運動療法を進めます。 急な激しい運動は避け、段階的に負荷を上げることが再発防止と早期回復につながります。 靭帯損傷でお悩みの方は当院へご相談ください 靭帯損傷を放置すると慢性的な痛みや関節の不安定性につながり、将来的に変形性関節症を招く可能性もあります。早期に診断を受け、適切な治療を始めることが回復への第一歩です。 靭帯損傷の治療についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、靭帯損傷に対して再生医療を用いた治療をご提案しています。 再生医療は、患者自身の細胞が持つ修復力を活かし、損傷した靭帯組織の再生を促す治療法です。従来の治療法と比べて身体への負担が少なく、自然な回復を期待できるのが特徴です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 靭帯損傷に関するよくある質問 靭帯損傷は歩いて治りますか? 軽度の損傷であれば、適切な固定と安静により数週間で改善する可能性がありますが、歩行だけでは十分な治癒は得られません。 中等度以上の損傷では、無理に歩き続けると靭帯や関節に負担がかかり、治癒が遅れたり慢性的な関節不安定性を残したりする恐れがあります。 靭帯損傷の治療には、損傷の程度に応じた固定、段階的なリハビリ、医師による経過観察が不可欠です。 靭帯損傷が疑われる場合は、まず整形外科を受診し、画像検査による正確な診断を受けてください。損傷の程度を評価した上で、保存療法か手術療法かを含めた治療方針を決定します。 以下の記事では、歩けるけど痛い肉離れの症状について詳しく解説しています。 靭帯損傷でやってはいけないことは? 受傷直後に無理に動かしたり、痛みを我慢して運動を続けたりすることは避けましょう。アイシングや固定をせずに放置すると炎症が長引き、回復が遅れます。 また、自己判断でマッサージやストレッチを強く行うと組織修復を妨げる恐れがあります。受診を先延ばしにせず、早期に整形外科で診断を受けることが重要です。 以下の記事では、靭帯損傷でやってはいけないことについて詳しく解説しています。 膝の靭帯損傷の応急処置でやってはいけないことは?RICE処置の正しい方法から病院での治療まで解説 靭帯損傷を早く治す食べ物は? 特定の食品だけで靭帯損傷が早く治ることはありません。しかし、適切な栄養摂取は組織修復を支えます。 靭帯損傷の回復には、タンパク質・ビタミンC・亜鉛・鉄分・オメガ3脂肪酸を含むバランスの良い食事と十分な水分補給が重要です。 靭帯損傷でお風呂はいつから入れますか? 靭帯損傷の急性期は炎症や腫れが強いため、湯船は避けシャワーで済ませましょう。患部を温めると炎症が悪化する恐れがあります。 痛みが落ち着いた回復期には短時間の入浴が可能ですが、異常を感じた場合は冷却などの対処を行い、医師に相談してください。 靭帯断裂は自然治癒しますか? 靭帯が完全に断裂した場合、血流が乏しいため自然治癒はほとんど期待できません。放置すれば関節の不安定性が残ります。 部分断裂など軽度の損傷は固定やリハビリで回復する場合もありますが、完全断裂では手術が必要となることが多いです。 靭帯損傷は整形外科と整骨院どちらを受診するべきですか? 靭帯損傷が疑われる場合は、まず整形外科を受診してください。整形外科では画像検査により損傷の程度を正確に診断し、保存療法から手術まで適切な治療を受けられます。 整骨院では画像診断や医療行為ができないため、初期診断には不十分です。 参考文献 (文献1) 膝のねんざおよび関連する損傷(前十字靱帯断裂、半月板損傷、内側側副靱帯断裂、後十字靱帯断裂)|MSD マニュアル 家庭版 (文献2) NATIONWIDE CHILDREN'S When your child needs a hospital, everything matters.|Swelling: The Body's Reaction to Injury
2025.11.26 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
手足の震えや動作の遅れ、歩行のしづらさなどは「年齢のせいかも」と見過ごされがちな症状ですが、実はパーキンソン病が原因かもしれません。 進行性の神経疾患であるパーキンソン病は、早期の気づきと適切な対処が大切です。 予防や進行を遅らせるためにも、正しい知識を身につけておきましょう。 本記事では、パーキンソン病の原因や症状、診断・治療の選択肢まで、患者や家族が知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、パーキンソン病の治療で研究が進められている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。 パーキンソン病とは パーキンソン病は、脳内のドパミンを産生する神経細胞が減少して発症する神経変性疾患です。 主に以下のような運動症状(体の動きに関わる症状)があります。 手足の震え 筋肉のこわばり 動作の遅れ 姿勢のバランス障害 中高年に多く見られる疾患ですが、40歳未満で発症する若年性パーキンソン病も存在するため、若い人でも油断できません。 なお、パーキンソン病は厚生労働省により「指定難病」に分類されています。 指定難病とは、原因不明で治療法が確立していない長期療養が必要な疾患のうち、医療費助成の対象とされるものを指します。 パーキンソン病の初期症状・進行期症状 パーキンソン病は進行性の神経疾患であり、症状は段階的に変化していきます。 初期には、以下のような軽微な兆候が見られるのが特徴です。 片側の手足に震えが現れる 歩行時の腕の振りが小さくなる 動作が遅くなる 表情が乏しくなる 字が小さくなる 上記の症状は加齢による変化と区別がつきにくく、見過ごされてしまう場合がある点に注意が必要です。 やがて進行すると、以下のような症状が目立ってきます。 姿勢の不安定性による転倒 筋肉のこわばり 歩行障害(すくみ足、小刻み歩行) 嚥下障害(えんげしょうがい)や言語障害 自律神経症状(便秘、起立性低血圧など) 認知機能の低下や幻覚 進行期には日常生活に大きな支障をきたすようになり、介助が必要となるケースも少なくありません。 早期発見と適切な治療が、症状の進行を遅らせる鍵となります。 パーキンソン病の初期症状や進行度別の症状については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。 パーキンソン病の原因 パーキンソン病は、中脳にある「黒質」と呼ばれる部位の神経細胞が減少し、神経伝達物質であるドパミンの分泌が低下することで発症します。 ドパミンは、脳内で運動を円滑に調整する役割を担っており、不足すると手足の震えや動作の遅れなどの運動障害が現れるのが特徴です。 しかしながら、黒質の神経細胞がなぜ壊れてしまうのか、その根本的な原因はいまだ明らかにされていません。 遺伝的要因や加齢、環境因子(農薬や重金属など)が関与する可能性が示唆されていますが、決定的な因果関係は解明されていないのが現状です。 したがって、パーキンソン病の予防法や根治療法の確立には、さらなる研究が必要とされています。 パーキンソン病の診断 パーキンソン病の診断では、特徴的な運動症状の確認に加え、複数の補助的検査を組み合わせます。 ここでは、代表的な検査法を見ていきましょう。 血液検査 パーキンソン病は血液検査の結果だけで診断できないものの、甲状腺機能異常や肝機能障害など、類似の症状が現れる他疾患の除外診断に有効です。 また、特定の医薬品の副作用としてパーキンソン病に似た症状が現れる「薬物性パーキンソニズム」の原因となる、代謝異常や感染症の評価にも用いられています。 全身状態を把握し、安全な治療方針を立てるためにも欠かせない検査のひとつです。 MIBG心筋シンチグラフィー検査 MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)心筋シンチグラフィーは、自律神経機能の低下を評価する画像検査です。 MIBGとは放射性医薬品で、心臓の交感神経系の機能を調べるために使われています。 パーキンソン病においては、心筋へのMIBG取り込みが低下する傾向がある点を利用する方法ですが、あくまで補助手段として有用な検査です。 また、脳の神経細胞にできる異常なたんぱく質の塊が神経を壊すことで発症する「レビー小体型認知症」との鑑別や、診断の裏づけとしても用いられています。 DATスキャン DATスキャンは、脳内で運動を調整する役割を持つ「ドパミン神経」がどの程度機能しているか、画像として映し出す検査です。 「核医学検査」とも呼ばれ、微量の放射性薬剤を体内に注射し、薬剤が脳内のどこにどのくらい集まるかを特殊なカメラで調べます。 とくに調べるのは、運動制御に重要な部位「線条体(せんじょうたい)」にある「ドパミントランスポーター」というたんぱく質です。 ドパミントランスポーターの数が減っていると、ドパミン神経が減少していると判断されます。 パーキンソン病ではドパミン神経が少なくなっているため、DATスキャンでその変化を捉えることが可能です。 手の震えが見られる「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」など、他の病気との区別にも役立ち、より正確な診断につながります。 頭部CT・MRI検査 頭部CTやMRIは主に、脳出血や脳腫瘍、脳梗塞など他の神経疾患による症状との区別に用いられます。 パーキンソン病では、これらの検査で明確な異常が見られないケースが多いものの、進行した症例では黒質の萎縮などが確認される場合もあるため、鑑別診断としても不可欠な検査です。 脳血流スペクト検査 脳血流スペクト検査は、脳の各領域の血流状態を評価する検査方法です。 パーキンソン病では特定の部位に血流低下が見られる場合があり、進行度の把握や認知機能障害との関連性を確認するための補助的な検査として行われています。 また、レビー小体型認知症など、他の神経疾患との鑑別にも用いられています。 パーキンソン病の治療法 パーキンソン病の治療は、ドパミンの不足によって生じる症状を改善し、日常生活の質を維持することが目的です。 現在のところ根治療法は存在しておらず、主に薬物療法によって神経伝達のバランスを整えることが基本となります。 治療内容は、病状の進行や症状の現れ方に応じて段階的に見直されていきますが、薬でのコントロールが難しくなる進行期には、手術療法やデバイス補助療法も選択肢のひとつです。 個々の症状に合わせた適切な治療計画の立案が、長期的な病状管理には不可欠となります。 薬の種類 パーキンソン病の薬物療法では、ドパミンの補充・模倣・維持を目的とした複数の薬が使われます。 以下に主な薬剤をまとめました。 薬の種類 主な役割 特徴 レボドパ製剤 脳内でドパミンに変換される 最も効果的で広く使用される第一選択薬 ドパミンアゴニスト ドパミンのように働く 効果はやや穏やかだが作用時間が長い MAO-B阻害薬 ドパミンの分解を抑える 他の薬との併用で効果を補強する COMT阻害薬 レボドパの効果持続時間を延長する 薬効の「切れ」を緩和 抗コリン薬 アセチルコリンの作用を抑制する 震えに効果があるが副作用に注意 アマンタジン ドパミン放出を促進する 初期症状やジスキネジアに効果がある 薬剤は単独または組み合わせて使用され、患者の年齢、症状の程度、副作用リスクなどを考慮して処方されます。 手術療法 パーキンソン病では、内服薬による治療で十分な効果が得られなくなった場合、手術療法やデバイス補助療法が検討されます。 代表的な手術法が、脳深部刺激療法です。 脳の視床下核などの特定部位に電極を埋め込み、電気刺激を加えて異常な神経活動を抑制し、手の震えや動作の遅れなどの症状を改善します。 また、胃に設けた小さな穴にチューブを通し、薬を直接小腸に送り続けて薬の効果を安定させるレボドパ持続経腸投与療法も治療法のひとつです。 体内の薬の濃度を一定に保ち、薬の効き目が突然切れる「オン・オフ現象」の改善を目指します。 以下の記事では、パーキンソン病に対する先進医療や研究について紹介しているので、参考にしてみてください。 パーキンソン病における「再生医療」という選択肢 パーキンソン病の研究分野では、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療の開発が進められています。 iPS細胞にはさまざまな種類の細胞に変化できる「分化能」があり、細胞からドパミン神経前駆細胞を作り出して移植する臨床研究が行われているのです。(文献1) また、遺伝子を脳に注入することで、パーキンソン病の症状を改善する方法も試みられています。(文献2) 再生医療について詳しくは、以下をご覧ください。 パーキンソン病の予防法 パーキンソン病は原因が完全には解明されておらず、確実な予防法は確立されていません。 ただし、以下のような生活習慣が発症のリスク低減につながる可能性があります。 定期的な運動やウォーキングなどの身体活動 バランスの取れた食生活 十分な睡眠やストレスの軽減 上記のような生活習慣がパーキンソン病の発症を防げると断定されてはいませんが、健康維持の観点からも意識的に取り入れることが推奨されます。 健康的な生活を続けていくためにも、適度な運動やバランスの取れた食生活、十分な睡眠を心がけていきましょう。 まとめ|パーキンソン病は適切な対処で進行を遅らせよう パーキンソン病は進行性の神経疾患ですが、早期の診断と適切な治療、生活管理によって症状の進行を遅らせることは不可能ではありません。 現在では薬物療法が中心ではあるものの、運動や食生活、睡眠などの生活習慣や予防も含めて重要な要素です。 病気と上手に向き合い、医療機関との連携も欠かさずに生活の質を高めていきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、パーキンソン病など神経の病気でも研究が進められている再生医療を行っております。 また、公式LINEでは再生医療に関する情報を提供するとともに、簡易オンライン診断をご利用いただけますので、お気軽にご登録ください。 パーキンソン病に関するよくある質問 パーキンソン病が治った人はいますか? 現在の医療では、パーキンソン病を根本的に治す治療法は存在していません。 主な治療は症状の進行を抑えたり、生活の質を維持したりする対症療法です。 ドパミン神経細胞の減少を完全に回復させる方法は、現段階で確立されていない点に留意しておきましょう。 コーヒーはパーキンソン病の進行に影響しますか? 一部の研究では、カフェインを含むコーヒーの摂取がパーキンソン病の発症リスクを下げる可能性があるとしています。 ただし、進行を遅らせる効果が医学的に証明されているわけではありません。 予防や治療の手段として推奨されているわけでもないため、健康に配慮した上で適切な量を摂取すると良いでしょう。 コーヒー摂取の一般的な健康への影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。 パーキンソン病になりやすい性格は? パーキンソン病の患者には、以下のような性格の傾向があるとされています。 几帳面で細かいことにこだわる 変化を好まず、新しいことに慣れにくい ただし、これらの性格が直接的な原因になるとの確証があるわけではなく、あくまで統計的な傾向にすぎません。 パーキンソン病にかかった有名人はいますか? 国内外には、パーキンソン病を公表した著名人がいます。 海外では俳優のマイケル・J・フォックスやボクサーのモハメド・アリ、日本ではみのもんたさんのほか、故・岡本太郎氏や作家の三浦綾子氏などが挙げられます。 病気と向き合いながら活動を続けた方もいるので、パーキンソン病患者の励みになっているといえるでしょう。 パーキンソン病の寿命はどのくらいですか? パーキンソン病は進行性の病気ですが、生命予後が悪いわけではありません。 統計的には、平均寿命は一般の人と比べて2〜3年程度短くなるとされています。 適切な治療やリハビリテーションにより、発症から10年以上にわたって自立した生活を送ることも可能です。(文献3) パーキンソン病は何科を受診すれば良いですか? パーキンソン病の診療は、神経内科または脳神経内科が担当します。 専門的な診断や治療が必要となるため、最初は地域の医療機関やかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらいましょう。 (文献1) Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease|Nature (文献2) パーキンソン病の病態理解と治療の最前線|J-STAGE(日本内科学会雑誌) (文献3) 6 パーキンソン病|厚生労働省
2025.11.26 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
- その他、整形外科疾患
「走るたびにすねの内側がズキズキとする」 「足の痛みが日に日に強くなっている」 その症状はシンスプリントかもしれません。シンスプリントは、部活動やランニングに励む人が一度は経験することが多い代表的なスポーツ障害です。運動による負担の蓄積が骨膜の炎症を引き起こす主な原因です。初期対応を誤ると競技への復帰まで時間がかかることもあります。 本記事では、シンスプリントについて現役医師が詳しく解説します。 シンスプリントの原因 シンスプリントの初期症状 シンスプリントの治し方(治療法) シンスプリントはどこで診てもらうべきか シンスプリントの予防方法 記事の最後にはシンスプリントに関する質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 シンスプリントについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 シンスプリントとは 項目 内容 主な原因 筋肉の使い過ぎや足の構造・靴の問題によって骨膜に負担がかかること 症状の特徴 運動時や安静時に、すね内側へ広がる鈍い痛みが生じる 治療と予防のポイント 安静と運動量の調整を行い、ストレッチや靴の見直しで再発を防ぐことが重要 (文献1) シンスプリントは、すねの内側下方に生じる運動関連の骨膜炎で、脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれます。ランニングやジャンプ動作を繰り返すスポーツで発症しやすく、陸上競技、バスケットボール、サッカーなどの競技者に多くみられます。 原因は、下腿の筋群が脛骨の骨膜を過度に引っ張ることで、繰り返しストレスが加わり、微小な損傷と炎症が起こるためです。 初期には運動開始時の軽い違和感にとどまりますが、放置すると疲労骨折に移行する可能性があります。早期の発見と適切な対応が、競技復帰を早める鍵となります。 シンスプリントの原因 原因 詳細 オーバーユース(過度な練習や反復動作) 長時間の練習や繰り返し動作による骨膜への過剰な負担 筋力・柔軟性・体幹機能の不均衡 下腿や体幹の筋力不足、柔軟性低下による衝撃吸収力の低下 足部アライメントやフォームの乱れ 扁平足や回内足、誤ったランニングフォームによる負担の偏り 環境・個体差による影響 硬い路面、不適切な靴、成長期や体質による負荷の蓄積 シンスプリントは、骨膜に繰り返し負担がかかることで発症するスポーツ障害です。長時間の練習や急激な運動量の増加は骨膜へのストレスを高めます。 筋力や柔軟性の低下、足部のアライメント異常、環境要因などが重なり、骨膜への負担が蓄積してシンスプリントを発症すると考えられます。 以下の記事では、シンスプリントの原因について詳しく解説しています。 オーバーユース(過度な練習や反復動作) 原因 詳細 骨膜への繰り返しストレス 走行やジャンプ動作の反復による脛骨骨膜への牽引ストレスと微細損傷の蓄積 修復と負荷のバランスの乱れ 急激な運動量の増加や休養不足による修復機能の低下とダメージの慢性化 特定動作の反復による負担集中 長距離走や方向転換動作の繰り返しによる脛骨内側への局所的ストレスの集中 シンスプリントの主な原因は、運動負荷の過剰と回復期間の不足による不均衡です。急激なトレーニング量の増加や休息を取らない反復運動によって骨膜に小さな損傷が繰り返し起こり、累積したストレスが炎症を引き起こします。 運動量の急増や硬い路面での長時間の運動などによるオーバーユースが、シンスプリント発症の主な要因とされています。 筋力・柔軟性・体幹機能の不均衡 原因 詳細 筋力不足 ふくらはぎや足底の筋力低下による衝撃吸収力の低下と骨膜への負担集中 柔軟性低下 下腿後面やアキレス腱の硬さによる骨膜への牽引ストレスの増大 体幹機能低下 体幹の不安定さによるフォームの乱れと下肢への負担の偏り シンスプリントの原因は、筋力・柔軟性・体幹機能のバランスが崩れることです。ふくらはぎや足底の筋力が不足すると衝撃を十分に吸収できず、脛骨への負担が増加します。 さらに、柔軟性の低下により骨膜への牽引力が強まり、微細な損傷が起こりやすくなります。体幹の不安定さによってランニングフォームが乱れると、片側のすねに過剰な負担が集中します。 足部アライメントやフォームの乱れ 原因 詳細 足部アライメント異常 扁平足や過回内による足のアーチ機能低下と脛骨内側の負担増加 フォームの乱れ 体幹の不安定さや偏った接地による同一部位への繰り返し負荷 微小外傷の蓄積 小さなストレスの反復による骨膜・筋付着部の損傷蓄積と炎症誘発 シンスプリントの発症には、足部のアライメント異常やフォームの乱れが大きく関与しています。扁平足や過回内では足のアーチ構造が崩れ、着地時の衝撃を十分に吸収できず、脛骨内側に負担が集中して骨膜炎を起こしやすくなります。 ランニングやジャンプ動作で体幹が不安定になり接地が偏ると、毎回のステップで同じ部位に強いストレスがかかり、とくに片脚への荷重の偏りが炎症を助長します。 こうした不適切な動作が繰り返されることで、骨膜や筋付着部に微細な損傷が蓄積し、炎症が慢性化します。予防には、正しいフォームの習得や、インソール・靴による足部アライメントの補正が不可欠です。 環境・個体差による影響 原因 詳細 運動環境の影響 硬い路面や不整地でのトレーニングにより、着地時の衝撃が増し、足部に負担が集中 運動量・強度の急激な変化 トレーニング量や強度の急増による筋肉・骨膜への過剰負荷と疲労蓄積 個体差(足の形状・筋力など) 扁平足や回内足、筋力不足や柔軟性低下による骨膜へのストレス増大 身体的・技術的要因の複合効果 体幹の不安定やフォームの乱れと環境・個体差が重なることで発症リスク上昇 シンスプリントの発症には環境要因と個人の身体特性が関与しています。硬い路面や不整地での練習、クッション性の低いシューズは着地時の衝撃を増大させます。 運動量の急激な増加、扁平足や回内足などのアライメント異常、筋力不足や柔軟性低下が過剰な負荷と疲労蓄積の原因です。体幹の不安定性やフォームの乱れが加わると、発症リスクはさらに高まります。環境調整と身体機能改善の両面から対策を講じることが重要です。 シンスプリントの初期症状 初期症状 詳細 運動時の痛み・違和感 ランニングやジャンプ動作時に感じるすね内側の鈍い痛みや違和感 運動後の痛み・不快感 運動後に現れる鈍い痛みや重だるさ、不快感の持続 すねの圧痛・筋肉の張り すね内側を押したときの痛みや、ふくらはぎ全体の張りやこわばり シンスプリントの初期には、運動時のすね内側に鈍い痛みや違和感が現れます。症状が進行すると運動後にも重だるさや不快感が残るようになります。 また、すねの内側を押すと痛みを感じ、ふくらはぎの筋肉に張りやこわばりがみられます。初期段階で適切に対応すれば改善が期待できるため、早期発見と休養が重要です。 以下の記事では、シンスプリントの症状チェックのやり方を詳しく解説します。 運動時の痛み・違和感 初期症状 詳細 運動時の痛み・違和感 運動開始直後の骨膜および筋腱移行部への牽引ストレスによる鈍い痛みや違和感 運動後の痛み・不快感 運動終了後の休息時にも続く違和感や圧痛 骨膜・軟部組織のストレス 骨膜や周囲軟部組織への繰り返しの牽引ストレスや衝撃による微細な炎症・ストレス反応 シンスプリントは、すねの骨膜に繰り返しストレスがかかることで起こる障害です。ランニングやジャンプなどの運動により骨膜に微小な炎症が生じ、とくに運動開始直後に痛みや違和感が現れます。 初期段階では体が温まると症状が軽減することがありますが、これは異常反応のシグナルと捉えるべきです。症状が進行すると運動後や安静時にも違和感や圧痛が残るようになります。この段階での違和感を軽視せず、運動量の調整や医療機関を早めに受診することが重要です。 運動後の痛み・不快感 要因 詳細 骨膜・軟部組織への微小炎症 運動による繰り返しストレスで骨膜や筋付着部に炎症が起こり、運動後に痛みや不快感が出現 筋肉疲労と牽引ストレスの残留 ヒラメ筋や後脛骨筋の疲労により柔軟性が低下し、骨膜への牽引力が持続・増強 血流変化による炎症の顕在化 運動後の血流変化で炎症が表面化し、安静時に痛みを感じやすくなる状態 シンスプリントは、すねの骨膜やその周囲組織に繰り返しストレスがかかることで発症する障害です。運動後に痛みや不快感が強くなることが初期段階の典型的なサインです。 運動を続けることで、骨膜や筋付着部には微小な炎症が生じ、疲労した筋肉が硬くなることで骨膜への牽引ストレスが残りやすくなります。実際、シンスプリントは「繰り返しストレスによって発生する足の痛み・不快感」とされ、運動後に症状が強くなることが知られています。(文献2) また、運動中は血流が活発になり炎症反応を感じにくい一方で、運動を終えると筋肉の緊張緩和や循環の変化によって炎症が顕在化し、痛みや不快感が現れやすくなります。 運動直後よりも安静時のほうが痛みを感じやすくなるため、この段階で生じる違和感を放置せず、早めに休養を取り医療機関を受診することが重要です。 すねの圧痛・筋肉の張り シンスプリントでは、繰り返しの運動によって脛骨周囲の骨膜が引っ張られ、脛骨内側の骨膜炎により圧痛が生じます。また、ふくらはぎの主にヒラメ筋や後脛骨筋が疲労して硬くなると、筋肉の柔軟性が低下し、骨膜への牽引ストレスが増加します。これが筋肉の張りや痛みの原因となり、運動中や運動後に症状が強まります。 炎症が進行する前段階では、動作時や直後に押すと痛む、筋肉が硬いといった違和感が先行することが多く、これらは早期発見の重要なサインです。 炎症の拡大が疑われる場合、自己流のマッサージや強いストレッチは避けてください。違和感が続く場合は、整形外科での診察と適切な治療を受けることが重要です。 シンスプリントの症状進行と持続痛について 段階 状態 症状の特徴 初期段階 運動中・運動後に痛みが出現 休息により症状が軽減することが多い状態 進行段階 炎症・微細損傷の慢性化 運動中の痛みが強まり、休息後も症状が残存 重症段階 組織の修復能力を上回る負荷が継続する状態 安静時にも痛みが出現し、日常生活への支障 シンスプリントは、すねの骨膜や周囲組織に繰り返しストレスが加わることで発症します。初期段階では運動中や運動後に痛みが出現しますが、休息により症状が軽減することが多い状態です。しかし、適切なケアを行わず負荷を続けると、炎症や微細な損傷が慢性化し、症状が進行します。 骨膜や筋腱は休息や修復反応によってダメージを回復させる能力がありますが、修復が追いつかないほど負荷が加わり続けると、損傷と炎症が累積します。進行段階では運動中の痛みが強まり、休息後も症状が残存するようになります。 重症化すると安静時にも痛みが生じて日常生活に支障を来し、持続痛や強い局所痛がある場合は疲労骨折へ進展するおそれもあるため、早期対応が重要です。 シンスプリントの治し方(治療方法) 治し方(治療方法) 詳細 安静と運動調整 痛みの原因となる運動を一時的に中止し、運動量や強度を段階的に調整する休養と負荷管理 炎症抑制・物理療法 炎症や痛みを抑えるためのアイシング、超音波療法、低出力レーザー治療などの実施 ストレッチ・筋力トレーニング・リハビリ 下腿や体幹の柔軟性・筋力を整え、再発予防を目的とした段階的リハビリの実施 テーピング・装具(インソールなど) 足部アライメントを整え、衝撃や負担を軽減するためのテーピングやインソールの使用 薬物療法 炎症や痛みを緩和するための消炎鎮痛剤や外用薬の使用 再生医療 慢性化した場合に用いられる、自己修復を促すPRP療法(多血小板血漿注入)などの再生治療 シンスプリントの治療は、まず安静と運動量の調整により炎症の悪化を防ぎます。急性期にはアイシングや超音波などの物理療法で痛みと炎症を抑え、回復期にはストレッチや筋力トレーニングで柔軟性と安定性を取り戻します。 足部アライメントを整えるためのインソールやテーピングも有効です。症状が強い場合は薬物療法を併用し、慢性化例では再生医療を検討する場合もあります。ただし、再生医療は適用できる医療機関が限られており、患者の症状によっては適用できないケースもあるため、事前に医師との相談が不可欠です。 以下の記事では、治らないシンスプリントの治療法について詳しく解説しています。 安静と運動調整 シンスプリントの治療において、安静と運動調整が基本です。過度な練習や反復動作で生じた炎症は、運動を続けると悪化するため、安静により炎症を鎮静化させ、組織の修復を促します。運動を完全に止めるのではなく、症状を悪化させない範囲での運動量や内容の調整が大切です。 練習強度を下げる、回数を減らす、水泳や自転車など衝撃の少ない運動へ切り替えることで、体力を維持しながら回復を図ります。発症初期には患部に負担をかけない軽いストレッチや上半身トレーニングが推奨されます。 症状が軽快しても違和感が消えてから数日経過し再発がないことを確認した上で段階的に負荷を増やし、無理な練習継続による慢性化を避ける計画的な復帰が重要です。 炎症抑制・物理療法 シンスプリントは脛骨の骨膜に炎症が生じるため、炎症抑制と物理療法が治療の中心です。急性期には患部を安静にし、アイシングや非ステロイド性抗炎症薬で炎症を鎮めます。超音波療法などの物理療法は血流を改善し、組織修復を促進します。 症状が軽減したらストレッチや筋力強化運動を段階的に行って筋肉や骨膜の回復を促し、痛みが消えた後も急に運動強度を戻すと再発のリスクが高まるため、医師の指導に従い、段階的に運動量を増やすことが重要です。 ストレッチ・筋力トレーニング・リハビリ 項目 目的・内容 注意点 ストレッチ 筋肉や腱の柔軟性向上、関節可動域の拡大、怪我予防、血流促進 痛みの手前で止める、反動をつけない、怪我部位は専門指導のもとで実施 筋力トレーニング 筋力・持久力の向上、姿勢安定、関節保護、骨密度維持、代謝改善 正しいフォームの維持、負荷の段階的増加、呼吸を止めない、持病は医師に相談 リハビリテーション 機能回復、痛みや拘縮・筋萎縮の改善、日常・スポーツ復帰支援 過負荷を避ける、医師の計画に基づく実施、痛み時は中止、継続の徹底 ストレッチ、筋力トレーニング、リハビリテーションは、シンスプリントの根本的な改善に不可欠です。ストレッチはヒラメ筋や後脛骨筋を柔らかくし、骨膜への牽引力を軽減して痛みを和らげ、再発を防ぎます。 筋力トレーニングは足部アーチのサポート力や体幹の安定性を向上させ、運動時の負担を分散します。リハビリテーションでは痛みの程度に応じて運動負荷を段階的に調整し、筋肉や骨膜の耐久性を向上させます。これらは医師や理学療法士の指導のもと、個々の症状に応じて実施が重要です。 以下の記事では、シンスプリントに対して有効なリハビリ方法を解説しています。 テーピング・装具(インソールなど) 項目 目的・効果 注意点 テーピング 関節や筋肉の安定化、損傷部位の保護、痛みの軽減、フォーム補正 強く巻きすぎない、長時間の使用を避ける、皮膚トラブルに注意、根本治療ではなく補助的手段 装具 関節の安定・保護、変形や再発の予防、動作補助、痛み軽減、歩行や姿勢の改善 長時間使用による筋力低下に注意、医師の指示に従う、装着部の皮膚状態を確認 インソール 足部アライメントの矯正、荷重分散、歩行・ランニング効率の改善、スポーツ障害の予防 サイズや靴との相性を確認、定期的な見直し、合わない場合は使用を中止 テーピングとインソールは、シンスプリントの症状軽減と再発予防に有効な補助手段です。適切なテーピングは脛骨周囲の筋肉や骨膜を適度に圧迫し、筋肉の振動や骨膜への牽引力を抑制することで、痛みの軽減と炎症の進行予防に役立ちます。 また、足部の安定性を高め、床からの衝撃や不均等な負担を分散させることで、患部へのストレスを軽減します。さらに、テーピングは関節の過度な動きを制限し、筋肉や関節の過負荷を防ぐため、スポーツ活動時の怪我予防や再発予防に効果的です。 インソールは足部アーチをサポートし、歩行や運動時の足全体のバランスを整えることで、骨膜への負担を軽減します。これらの補助手段は、根本的な治療ではありませんが、ストレッチや筋力トレーニングと併用することで、症状の改善と長期的な再発予防が期待されます。 以下の記事では、シンスプリントにおけるテーピング方法について詳しく解説しています。 薬物療法 シンスプリントは脛骨の骨膜や筋腱付着部の炎症により発症するため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による炎症抑制が症状軽減に有効です。内服薬や外用薬は炎症と痛みを軽減し、日常生活やリハビリを行いやすくします。 ただし、薬物療法は過度な炎症反応をコントロールして自然治癒を助ける補助的な役割です。安静、物理療法、リハビリテーションと組み合わせることで効果が最大化されます。 薬物療法は短期間の使用が推奨されるため、市販薬を自己判断で長期間使用することは避け、医師の指示に従って服用してください。根本的な改善のためには、薬物療法に加えて運動量の調整や筋力・柔軟性の改善など、包括的なアプローチが欠かせません。 再生医療 シンスプリントは脛骨周囲の骨膜や筋腱付着部に繰り返しストレスが加わり、炎症や微細な損傷が生じる状態です。多くは安静や運動調整で改善しますが、症状が慢性化したり再発を繰り返したりする例も存在します。 難治性の症例では、脂肪由来幹細胞による組織修復促進や血小板に含まれる成長因子による抗炎症作用が期待される再生医療が治療の選択肢となる場合があります。 ただし、再生医療を実施できる医療機関は限られており、患者の症状や状態によっては適用できないケースもあるため、治療を検討する際には医師への相談が不可欠です。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 シンスプリントはどこで診てもらうべき? 項目 医療機関(整形外科) 整体・接骨院 診断 医師が診察・画像検査で原因を特定 画像検査ができず診断不可 対応内容 医学的治療・リハビリの計画 筋肉調整やマッサージ中心 適応範囲 炎症・骨膜障害・疲労骨折など幅広く対応 軽度の筋緊張緩和のみ (文献3) シンスプリントが疑われる場合、整形外科またはスポーツ整形外科の受診が基本です。自己判断でストレッチや湿布のみで対応すると、炎症が悪化して回復が遅れる可能性があります。 整形外科では問診・触診に加え、レントゲンやMRI検査などで疲労骨折との鑑別診断を行います。これにより症状の進行度を正確に評価し、適切な治療方針を決定します。 とくにスポーツ整形外科では、アスリートや運動習慣のある方を対象に、再発予防まで含めた包括的なリハビリを提供します。理学療法士が筋肉の柔軟性や体幹バランスを評価し、段階的な運動再開をサポートします。 なお、接骨院や整体などでの施術は一時的に症状が軽減したように感じられることがありますが、根本的な改善につながる医学的根拠は十分に確立されていません。まずは医療機関での正確な診断を受けることが重要です。 シンスプリントの予防方法 予防方法 詳細 運動量と休養の調整 運動量や強度を段階的に増やし、疲労を蓄積させないスケジュール管理。十分な休養日を設け、筋肉や骨膜の回復を促すバランス調整 身体機能の改善(筋力・柔軟性・フォーム) 下腿筋群のストレッチや筋力トレーニングによる衝撃吸収力の向上。ランニングフォームや着地動作の改善による負担分散 外的要因への対応(シューズ・インソール・環境) クッション性やフィット感に優れたシューズの選択。インソールによる足部アライメントの補正。硬い路面や傾斜地での練習回避 シンスプリントの予防には、運動負荷と身体機能、環境要因への多角的なアプローチが必要です。まず、急激な運動量の増加を避け、十分な休養を確保することで組織の修復を促します。 次に、下腿筋群や体幹の筋力強化、ストレッチによる柔軟性向上、正しいランニングフォームの習得を行い、衝撃吸収能を高めて負荷を適切に分散させます。 クッション性に優れたシューズの選択や足部アライメントに合わせたインソールの使用、硬い路面を避けた練習環境の見直しも重要です。これらの要素を総合的に実践することで、シンスプリントの発症リスクを効果的に低減できます。 運動量と休養の調整 シンスプリントの予防には、運動量の段階的調整と適切な休養の確保が基本となります。加えて、筋力強化やストレッチによる柔軟性向上、正しいフォームの習得といった身体機能の改善により、下腿への負担を軽減できます。 さらに、足に合ったシューズやインソールの活用、硬い路面の回避など外的環境を整備することも重要です。これらの対策を総合的に実践することで、シンスプリントの発症・再発リスクを抑制し、継続的な運動が可能になります。 身体機能の改善(筋力・柔軟性・フォーム) シンスプリントの再発予防には、身体機能の総合的な改善が重要です。筋力強化では、ヒラメ筋や後脛骨筋を鍛えることで骨への負担を軽減します。ゴムチューブを用いたふくらはぎのトレーニングや足指でタオルを引き寄せる運動が効果的です。 柔軟性向上ではヒラメ筋を中心としたストレッチを運動前後に習慣化し、フォーム改善では適切な着地方法や膝の角度、姿勢を段階的に習得することで、炎症リスクと脛骨への衝撃を軽減します。 適切な運動量の調整や休養を取り入れながら実践することで、衝撃を吸収する力が高まり、筋肉への牽引ストレスが減少し、荷重のバランスも整いやすくなります。 外的要因への対応(シューズ・インソール・環境) シンスプリントの再発予防には、練習環境やシューズなど外的要因への配慮が重要です。クッション性が低下したシューズや足に合わない靴を使用すると、着地時の衝撃が脛骨へ直接伝わり骨膜への負担が増大します。 競技特性や足型に合ったシューズを選び、定期的に交換することが大切です。扁平足や過回内がある場合は、医療用またはスポーツ用インソールで足のアライメントを補正し、荷重バランスを整えることが有効です。 また、アスファルトなどの硬い路面ばかりで練習せず、芝生やゴムトラックなど柔らかい地面を取り入れることで衝撃を軽減できます。これらの外的要因を見直すことは、身体への負担を減らし再発予防を支える重要な要素です。 シンスプリントを理解して適切な対策を講じよう シンスプリントは、スポーツを続ける人に多く見られる下肢の障害で、脛骨周囲の骨膜や筋肉に炎症やストレスが生じることで発症します。初期の段階で適切に対応すれば回復しやすいため、違和感を放置せず早めにケアしましょう。 運動量の調整やストレッチ、シューズの見直しなど、日常の工夫で負担を軽減できます。症状が続く場合や再発を繰り返す場合は、整形外科での診断とリハビリが必要です。 シンスプリントの治療についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、患者さまご自身の細胞や血液成分を用いる再生医療を行っており、損傷した組織の修復をサポートする治療の選択肢としてご案内しています。症状や状態に応じて、適切な方法を検討しご提案いたします。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 シンスプリントに関するよくある質問 シンスプリントは休養期間を設ければ改善しますか? シンスプリントは、適切な休養を取ることで改善が期待できる場合があります。初期症状であれば約2週間の安静で痛みが和らぐこともありますが、無理な運動再開は再発の原因になります。 症状が続く場合は医療機関での診察やリハビリが必要です。筋力や柔軟性の改善を並行して行うことが回復への近道です。 以下の記事では、シンスプリントの休むべき期間について詳しく解説しています。 家族がシンスプリントになったときはどうすれば良いですか? シンスプリントの回復には、休養とセルフケアに加え、心身のサポートが重要です。お子さまが痛みを抱えているときは、無理に運動を続けさせず安静を保つことが大切です。 症状が落ち着いたら、自転車や水泳など負担の少ない運動に切り替え、段階的に練習を再開しましょう。アイシングやテーピング、インソールの使用も有効です。 思うように動けない時期は焦りや不安を感じやすいため、ご家族が寄り添い、前向きな気持ちで回復に取り組めるよう支えることも大切です。痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 シンスプリントは走りながら治すことはできますか? シンスプリントは脛骨周囲の骨膜や筋付着部に炎症が生じる障害です。痛みを抱えたまま走り続けると疲労骨折へ進行するおそれがあるため、推奨されません。 初期の違和感程度であれば、医師の診断を受けた上で運動強度や距離を調整し、路面やシューズを見直すことで回復を図れます。 治療は安静や物理療法、筋力・柔軟性の向上を基本とし、症状が落ち着いてから段階的に運動の再開が望まれます。 以下の記事では、シンスプリントを走りながら治せるかについて詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) シンスプリント|MSD マニュアル プロフェッショナル版 (文献2) Medial tibial stress syndrome: conservative treatment options|PMC PubMed Central® (文献3) Shin Splint: A Review|PMC PubMed Central®
2025.11.26 -
- その他、整形外科疾患
病院で人工関節の手術を勧められて、不安や迷いを感じている方も多いのではないでしょうか。 人工関節置換術は、進行した関節の変形や軟骨のすり減りに対して有効な治療の一つとされています。 一方で、手術という大きな選択を前に「本当に自分に必要なのか」「術後の生活はどうなるのか」と考える方も少なくありません。 この記事では、人工関節の仕組みやメリット・デメリット、手術後に注意すべき点などを解説します。 手術を受けるか迷っている方や、他の選択肢も検討したい方は、最後までご覧ください。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 人工関節について気になることがある方は、ぜひご登録ください。 人工関節とは 人工関節とは、関節のすり減った部分を補うために使用される人工のパーツのことです。 金属やセラミック、ポリエチレンなどの素材でできており、股関節や膝関節のように体重を支える部位で使われるケースが多くみられます。(文献1) 損傷した関節面の一部または全部を人工関節に置き換える手術が「人工関節置換術」です。 ここでは、人工関節の役割と仕組み、人工関節置換術を受ける人の特徴について解説します。 人工関節の役割と仕組み 人工関節は、損傷した関節の代わりに骨の端同士がスムーズに動くための「接合部」の役割を担うものです。 関節の摩耗によって軟骨がすり減ると、骨同士が直接ぶつかり、痛みがあらわれたり動作の制限が起こったりします。 人工関節は、この痛みの原因を取り除き、動きを滑らかにするために使われます。 とくに多く使用される股関節および膝関節の人工関節の仕組みは、以下のとおりです。(文献2)(文献3)(文献4)(文献5) 関節部位 置き換える部位 仕組み 股関節 ・大腿骨の骨頭 ・骨盤の臼蓋 大腿骨側に付けたボール状の部品が、骨盤側に付けたカップ状の部品内でなめらかに回転し、自然な動きを再現する 膝関節 ・大腿骨と脛骨の接合面 ・必要に応じて膝蓋骨(しつがいこつ:膝の皿) 大腿骨側の部品が脛骨側の部品の上を転がるように滑らかに動くことで、スムーズな屈伸運動を再現する 関節の状態に応じて、一部だけを置き換える「部分置換」や、関節全体を置き換える「全置換」などの種類が選ばれます。 これらの手術によって、関節の痛みを和らげて可動域を改善し、歩行や階段昇降といった日常動作の質を高めることが期待できます。 人工関節を置換する主な部位 人工関節置換術は、関節の痛みや変形が進行し、薬やリハビリテーションでの改善が難しい場合に実施されます。 主な置換部位は、次のとおりです。(文献1) 股関節 膝関節 肩関節 肘関節 足関節(足首) 手指関節 これらの部位を人工関節に置き換えることで、痛みの軽減や機能の回復を目指します。 人工関節を置換するメリット 人工関節の手術によって得られる主なメリットは、以下のとおりです。(文献6) 外出や趣味など、生活の幅が広がる 痛みのストレスから解放され、精神的な負担も減る 歩く・立ち上がる・階段を上るなどの基本動作がスムーズになる 長年痛みとともに過ごしてきた方にとっては、生活の質(QOL)を改善できるきっかけとなるでしょう。 人工関節を置換するデメリット 人工関節は、変形性関節症や大腿骨頭壊死症などに有効な治療法ですが、人工物であることから以下のような注意点とリスクがあります。(文献6) 寿命があるため、再手術の可能性がある 転倒や強い衝撃などで破損するリスクもゼロではない 感染症や血栓症などの合併症リスクがある 脱臼や早期の摩耗を防ぐため手術部位によって動きが制限されることがある 手術を受ける際は、これらのデメリットもしっかり理解した上で検討しましょう。 【関連記事】 肩の人工関節のデメリットを医師が解説|7つのリスクと再生医療という選択肢 変形性股関節症|人工関節手術のデメリット・リスクと治療の代替案を紹介 人工関節置換術を受ける人の特徴 人工関節置換術は、以下のような状態の方に検討されることが多い手術です。(文献1)(文献7) 長年の関節の痛みで、歩く、立つなどの日常生活が困難になっている 薬やリハビリなどの保存療法では効果が出なくなった 関節の変形や骨の摩耗が進んでいる 医師から「関節の形や仕組みに根本的な異常がある」といわれた 膝関節を例にあげると、変形や軟骨のすり減りが進んだ変形性膝関節症や関節リウマチが、この手術の主な対象となります。 【関連記事】 変形性股関節症とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説 大腿骨頭壊死症の原因とは?生活習慣との関連性や予防法について紹介 人工関節置換術にかかる手術費用 人工関節置換術にかかる費用は合併症の有無や入院期間によって異なり、一般的には保険適用前で200万円前後かかるとされています。 しかし、日本では公的医療保険制度が適用されるため、自己負担額は総額の1割〜3割です。 高額療養費制度や更正医療を活用すると、さらに負担額は減り、結果的に数万円〜数十万円におさえられるでしょう。(文献8)(文献9) 人工関節置換術における入院期間の目安 入院期間は、一般的に2〜3週間ほどといわれています。 手術直後からリハビリテーションが開始となり、痛みが管理されれば、座ったり立ち上がったりする訓練が始まります。 入院中に杖を使った歩行や階段昇降の練習をおこない、自宅での生活に慣れることが目標です。 手術後の経過やリハビリテーションの進行、自宅生活の準備が順調であれば退院となります。 人工関節置換術後にやってはいけないこと 人工関節の手術を受けたあとは、生活状態によって置換部位の脱臼や人工関節の破損が起きやすくなります。 人工関節を長持ちさせるには、関節に負担をかける以下の動作は避けるようにしましょう。(文献10) 置換した部位 避けるべきこと 股関節 ・重いものをもつ ・深くしゃがむ、正座をする ・内股の姿勢やあぐらをかく ・急に体をひねる ・ハードな運動やスポーツをする 膝関節 ・リハビリテーションを自己中断する ・不摂生な生活で体重を増やす ・正座の姿勢をとる ・ジャンプやランニングなどの激しい運動をする ・膝に負担の大きい生活環境を放置する 手術後は医師や理学療法士の指導に沿って、少しずつ体を慣らすことが大切です。 【関連記事】 人工股関節手術後の生活における注意点とは?気を付けることやリハビリについて【医師監修】 人工膝関節置換術後にやってはいけないこと|生活上の注意点とは? 人工関節置換術以外の治療法 人工関節の手術は有効ですが、症状や年齢、生活環境によっては他の治療法も選択できます。 主な治療法をまとめると、次のとおりです。(文献7)(文献11)(文献12) 治療法 治療内容 保存療法 痛み止めやヒアルロン酸注射、運動療法、生活指導など 関節鏡手術 小さなカメラで関節内部を確認し、損傷部分を処置する手術 幹細胞治療 体の機能を修復する役割がある幹細胞を利用した治療(自由診療) これまでは、保存療法で十分な効果が得られなかった場合に、関節鏡手術や人工関節置換術が選択されるのが一般的な流れでした。 しかし最近では、保存療法と手術の間に位置する新たな治療として、再生医療が選択肢にあがることも少なくありません。 なかでも幹細胞を用いた治療は、他の細胞に変化する「分化能」を利用した治療法で、手術以外の方法を希望する方に検討されています。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックの公式LINEの登録をご提案します。 公式LINEが提供する再生医療に関する情報は、手術以外の選択肢を検討する上で役立つはずです。 【関連記事】 変形性股関節症の保存療法|手術を避けて症状改善を目指す治療法 変形性膝関節症の再生治療(PRP療法)の体験談|効果・費用も紹介 人工関節の手術を検討する前に知識をつけておこう 人工関節は、股関節や膝関節などの損傷を補い、痛みを和らげて日常生活を取り戻す治療法です。 一方で、部品に寿命があるため再手術が必要になる可能性や、動作の制限、感染などのリスクもあります。費用や入院期間も無視できない要素です。 手術以外にも、保存療法や再生医療などの選択肢を理解しておくことで、自分に合った治療法を検討しやすくなります。 人工股関節置換術を選択せず、再生医療による治療を受けた症例については、以下の記事をご覧ください。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 人工関節について気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 人工関節に関するよくある質問 人工関節の手術後はすぐに歩けるようになりますか? 膝や股関節の人工関節置換術の場合、杖を使用して歩けるようになるまでの期間は数日〜10日ほどです。(文献13) 手術後の状態によりますが、手術翌日からベッドの端に座る、平行棒や歩行器などの補助具を使用して歩く、杖で歩くと、段階的にリハビリテーションを進めるのが一般的です。 ただし、手術前に強い痛みによって運動が制限されていた方では筋力低下が進んでいる可能性があり、回復に時間を要するケースもあります。 人工関節を入れたら障害者手帳交付の対象になりますか? 人工関節を入れたからといって、必ず障害者手帳が交付されるわけではありません。(文献14) 以前は人工関節置換術を受けるだけで一律の等級を認定されましたが、平成26年の改正によって手術後の関節機能で判断されるようになりました。(文献14) そのため、手術後に関節の痛みや動きが明らかに改善した場合には、交付の対象とならないこともあります。 人工関節の寿命はどのくらいですか? 人工関節の技術が進歩して、パーツの寿命は延びています。 入れ替え手術が必要になる方の割合については、以下の報告があります。(文献15) 置換部位 入れ替え手術が必要な方の割合 股関節 ・術後20年:6人に1人ほど ・術後30年:4人に1人ほど 膝関節 ・術後20年:6人に1人ほど 年齢や体重、日常の活動量によって変わるため、若い方や活動量が多い方では摩耗が早まる傾向です。 関節に負担をかけない生活習慣や定期的な受診を続け、再手術のリスクを下げましょう。 参考文献 (文献1) 人工関節とは | 日本人工関節学会 (文献2) 人工股関節について - 人工股関節置換術|千葉市立青葉病院 (文献3) 新・股関節がよくわかる本Web版|公益財団法人股関節研究振興財団 (文献4) 人工膝関節手術|東京女子医科大学整形外科 (文献5) 人工膝関節置換術|焼津市立総合病院 (文献6) 人工関節②人工関節手術のメリット・デメリット|日赤和歌山情報局 Hot(ほっと) (文献7) 「変形性股関節症」|日本整形外科学会 (文献8) 高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省 (文献9) 自立支援医療(更生医療)の概要|厚生労働省 (文献10) 人工股関節置換術を受ける患者さんへ|東京医科大学病院 (文献11) 「変形性膝関節症」|日本整形外科学会 (文献12) 関節鏡・脊椎内視鏡ってご存知ですか?|川崎医科大学 総合医療センター (文献13) 人工膝関節について - 人工膝関節置換術|千葉市立青葉病院 (文献14) 「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について」の一部改正について|厚生労働省 (文献15) よくある質問 | 日本人工関節学会
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