元サッカー日本代表の橋本選手のその後
当院で膝の幹細胞治療をして早いものでもう3年が経ちました。幹細胞治療を行う前は膝の痛みのため約2年ほど試合には出場できない状態でした。ヴェルディ時代にラモス選手、武田選手、三浦選手といった名だたる選手と一緒にプレーしていた選手です。その頃はJリーグが始まってまだ間もない時で、カズ選手のいるヴェルディがとても強く、何度も年間優勝していたのを思い出します。
橋本選手とは実は地元が一緒で同じ校区だったのが後でわかりました。その校区でトップの公立高校出身でまさに文武両道です。そんな橋本選手のサッカー愛は強く、40代、50代になっても現役でプレーすることが目標だったそうです。しかし、膝の軟骨と半月板が損傷して思うようにプレーができていないところに幹細胞治療を知って当院を訪ねられました。
今でも、時々膝の調子を聞くため連絡は取り合っています。膝の幹細胞治療をして約半年後からは試合にも出てその後もレギュラー出場を継続されています。最近膝の調子を聞いたのですが、幹細胞治療をしてから、一度も膝の痛みは出ていないとの事でした。『あれほど激しいスポーツをしていても一度も痛みが出なかったんですか?』と私は何度も尋ねました。『全く痛くなく、とても調子いいです。17歳の時に膝の半月板損傷してからずっと膝の痛みに悩まされていたけど、今が、怪我をする前よりも絶好調です』と言われました。その時、私は2つの驚きがありました。
まず、幹細胞の力はすごいものだということ。そしてもう一つは、17歳に膝を痛めてからプロになって日本代表までいけるんだという事です。確かに橋本選手に限らず、マラソン、格闘技、テニスなどスポーツの第1線でプレーしている方を今までも沢山見てきましたが、プロスポーツ選手のプロ意識がものすごく高いということ。そして自分との戦い、怪我との戦いを24時間365日ずっと考えてプレーしている人のオーラというかエネルギーはやはり非凡人な強さを感じました。それだけに橋本選手は膝の故障は悔しかっただろうと思います。でも50代になってもプロとしてプレーできる夢は叶って欲しいと同時に再生医療で可能性は高いと感じました。
正直、プロスポーツ選手はどこか必ず怪我はあるでしょう。その痛みを感じさせないぐらいアドレナリンを出してプレーされています。だからなお怪我が治りにくく重症化してしまいがちです。そんな方達に少しでも痛みから解放され、選手としてできるだけ長い時間最高のプレーができるような後押しができればと思います。
再生医療医師監修:坂本貞範