変形性膝関節症と半月板損傷の関係性
変形性膝関節症が生じる前に半月板損傷が引き金となるという研究報告があります。
つまり、はじめに半月板損傷が何らかの原因で起こりその後軟骨がすり減って、関節の変形が起きるということです。
確かに、変形性膝関節症の方のMRIを撮影してみると全ての人に半月板損傷が見られます。
変形の強い方の場合には、半月板はほとんど擦り切れてなくなっている場合が多く見られます。
実際、私が人工関節専門病院で勤務していた頃の話ですが、人工膝関節の手術の際、変形している骨を切るのですが、そのとき半月板がほとんど削れて小さくなっていることがよくありました。
逆にいうと、変形性膝関節症の初期で痛みがなくても半月板損傷は必ず認めていることになります。半月板損傷をそのまま放置しておくと軟骨がすり減ります。
しかし、膝の痛みがなければわざわざ関節鏡の手術をする方はほとんどいませんよね。
もし手術となると、入院、リハビリとなれば1〜2ヶ月以上は仕事や学校を休まなければならないし、スポーツ選手にとっては致命的なことになるでしょう。
再生医療では、入院せずいつもの生活を送りながら治療ができます。簡単な注射だけで済むのです。当院では多くの半月板損傷の方を幹細胞で治療してきましたが、関節鏡の手術と同等、いやそれ以上の成績が見込めます。当院で治療されたプロのアスリート達も皆さん痛みは消失してすぐに復帰されました。
膝関節にメスを入れることなく、手術による合併症の心配もなく、さらに手術では不可能な半月板の修復ができるとなればとても理想的で素晴らしい治療方法だと思います。
もちろん、一言で幹細胞による再生医療といっても実はいろいろな種類があるのです。
病院やクリニックによって、それぞれの幹細胞の質と量が変わっています。幹細胞の製造過程で冷凍せず作成できるところは国内ではほとんど稀で、当院では冷凍せず培養された幹細胞にこだわっています。さらに、一般的には1000万個ほどの幹細胞を投与しますが、当院では2500万個をベースとして1億個までオーダーメイドが可能となります。
細胞数が多いほどできる軟骨も多いと証明されている文献もあります。元サッカー日本代表の橋本選手の場合、18歳の時に半月板を痛めてから、30代後半になるまで膝の痛みと戦いながら サッカーをしてきました。しかし膝の痛みで一軍から退き思うように試合にも出られない状態にまでなったのです。30代後半で何かの縁があって出会い、私のところで幹細胞治療を行いました。その後、3年経ちますが、今では一軍で毎試合90分フル出場し活躍されています。先日も膝の調子を聞いたのですが、『幹細胞治療を受けてから、完全に痛みが取れて試合フル出場しても痛みが再発することは一切なかった』と仰っていました。私はそれを聞いて改めて幹細胞の力はすごいんだなと思いました。
きっと、スポーツ選手で膝の故障で選手活動を断念されている人達が沢山いるんだろうと思います。しかし、まだまだ再生医療を知らない方、そして知っていたとしても、幹細胞治療の違いなどを知っている方はほとんどおられないでしょう。そんな方達に当院でのこの幹細胞治療を知ってもらいたいという思いから、YouTube『Dr.サカモトの再生医療チャンネル』で再生医療などについて発信しております。もし、治療で何か質問がある方はこちらまでご遠慮なくお問い合わせください。
再生医療医師監修:坂本貞範