関節内ピンポイント注射
当院の特徴として、膝の関節以外に股関節の幹細胞治療を希望される方が非常に多いことです。
まだ国内では股関節の幹細胞治療できる病院やクリニックは数少ないです。理由として、2つあります。1つ目は、膝関節と違い軟骨の損傷をしている関節内に幹細胞を届けることが難しいこと。2つ目は、膝関節と違い、股関節内に幹細胞を満たすためには多くの数の幹細胞が必要で、さらに生存率の高い生き生きとした幹細胞という質が求められるからです。
当院での幹細胞培養では、1つ目の課題を関節内ピンポイント注射という独自の技術でクリアしています。そして、2つ目の幹細胞の数については国内では珍しい、1億個の数まで幹細胞を増やして注入できます。そして質については冷凍せず培養する方法で高い生存率を確保しております。
幹細胞を100%関節内に届ける、そして幹細胞の数と質、この2つが揃っていて初めて高い治療効果が期待できるのです。他院で人工股関節術を勧められて、他に治療法がないかと探していて当院の幹細胞治療を知った多くの変形性股関節症の末期の方が来院されます。レントゲンとMRIで軟骨の失ったところに的確にピンポイント注射をすれば軟骨は必ず生成されます。投与して3年経った患者さんのレントゲンですがしっかりと関節の隙間が開いているのが分かります。
こんなことは今までの整形外科の常識ではあり得ませんでした。私自身も再生医療に携わる前ならおそらく信じなかったことでしょう。実際に幹細胞治療を行なって、手術をしなくても痛みが改善された方を沢山見てきました。もちろん、変形の度合いによっては幹細胞治療でも改善しにくい症例もあります。しかし、確率で言うと7割以上の方に満足していただける結果は出ています。おそらく一般的な幹細胞の培養方法と注入方法では、ここまでの好成績は出ないと思われます。こういう理由で、まだ多くの再生医療に携わっている医師は、変形性股関節症の末期に対して、治療を敬遠しがちであるのは間違いありません。
再生医療医師監修:坂本貞範