薬丸裕英さんを
イメージキャラクターに迎え
地上波にテレビCMを放送中
関節(膝、股関節、肩)編
脳卒中・ヘルニア編
LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
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当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省によって受理されることで行うことのできる治療となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
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症例紹介
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- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞治療で、痛みのない生活に! 3、4年前から、右股関節の痛みに悩まれていた患者様は、ある再生医療との出会いと別れを経て、当院にいらっしゃいました。 最初に受診された整形外科で、変形性股関節症と診断されたそうで、「何とか軟骨を再生させて人工関節は避けたい」と様々な治療法を探されたそうです。 そして、痛み始めてから1年後、他院にてSFV療法という再生医療を受けられました。一時的に痛みは和らいだものの、ちょうど1年でその効果が消えてしまったとのこと。「再生医療でも治らないのか」と、一度は効果を実感できただけに、大きな失望を感じられたそうです。 このSFV療法は、脂肪から150mlほど採取した細胞を、特殊な処理で濃縮し、その日のうちに注入する治療法です。この方法では、幹細胞は数十万個ほどしか入っておらず、治療効果は培養する方法と比べて、かなり低下してしまいます。 私たちとしては、軟骨の再生には「生きた細胞をたくさん、何度かに分けて届けること」が大切だと考えています。 当院では米粒2、3個分という少量の脂肪から、6週間かけて、片方の関節に最大1億個もの幹細胞を投与することができます。さらに、治療のたびに一から新しく細胞を培養するため、95%以上という高い生存率を実現しています。 独自技術の『分化誘導』と分離シート、そして化学薬品を使用しない方法で、強い幹細胞を培養します。 一般的な医療機関では、複数回の治療分をまとめて培養し、冷凍保存しますが、解凍する際に細胞が大きなダメージを受け、生存率は60%以下まで下がってしまいます。 リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 この患者様のレントゲンでは、右股関節の隙間が、わずかしか残っていない状態でした。 <治療効果>右股関節に1億個細胞を計3回投与+PRP 1億個の細胞を3回に分けて投与させていただきました。 治療から1年後、10段階中10だった痛みがほぼ消失し、「1年経っても痛みが戻る気配はありません。このまま痛みのない生活が続いてほしいです」と喜んでいただけました。 また、2年後の診察でも、痛みを感じることはほとんどなく、通院しているリハビリの先生から「可動域が広がってきている」と言われているようです。レントゲンを確認してみると、治療前と比べて、関節の隙間が広がってきていますので、軟骨の再生に伴い可動域が拡大してきたと考えられます。 私たちの経験から、当院の治療で一度痛みが改善すると、その効果は長く続くことが分かっています。変形性股関節症で人工関節を避けたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性股関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.02.26 -
- 肘関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
肘の痛みがほとんどなくなって嬉しい!と笑顔に 「右肩の治療で良い経験をしたから、今回も迷わず来院しました」そう話してくださった患者様は、両肘の痛みが出始めてすぐに、当院を受診されました。 以前、右肩の腱板損傷で手術を勧められた際、当院の幹細胞治療を選択されました。 レントゲン検査では、両方の肘関節で軟骨が擦り減っており、変形性肘関節症という診断となりました。この病気は、重労働の方やスポーツを楽しまれる方、過去のけがが原因で発症することが多く、痛みに加えて、骨のとげ(骨棘)や関節内の遊離物(関節ネズミ)によって、肘の動きが制限されることもあります。 従来の治療では、肘の動きが悪く、日常生活に支障がある場合、手術で骨のとげを取り除く方法が一般的です。しかし、これは症状を和らげる治療であり、すり減った軟骨を再生することはできません。また、人工関節という選択肢もありますが、股関節や膝の手術と比べると、安定性に課題があり、術後は両手で持てる重さが5~10キロまでに制限されてしまいます。 現在の保険診療では、軟骨を再生させる治療法がないため、再生医療が唯一の可能性となっています。当院では、全身のあらゆる関節の治療実績があり、中でも、肘関節は体重がかからない部分なので、比較的治療効果が得やすい特徴があります。 当院独自の冷凍せず培養する方法でつくられた、生存率95%以上の幹細胞により、高い治療効果が得られました。国内の幹細胞の製造方法は、医療機関によって全く異なります。当院の特徴として、無添加、冷凍せず培養、独自の培養シート、国内唯一の厚生労働省による認可として『分化誘導』などがあります。 そして、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000症例以上の実績に基づく確かな技術で患者様一人一人に最適な治療プランをご提案しております。 リペアセルクリニックは新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンでは、両肘の関節軟骨がすり減っていました。 <治療効果>両肘に2500万個細胞を1回投与+PRP計2回 治療計画として、PRP(血小板を濃縮した自己血液)治療2回と、2500万個の幹細胞投与1回を組み合わせることにしました。 PRPには豊富な成長因子が含まれており、体本来の治癒力を高めながら、幹細胞治療の効果も促進することができます。 治療から6か月後、10段階中6あった痛みが1まで改善しました。 「右肩の時と同じように良くなって本当に嬉しい」という患者様の笑顔に、私たちも大きな喜びを感じました。このように再生医療への信頼を重ねていただけることは、何よりの励みになります。 関節の痛みは、放っておくと徐々に進行し、日常生活に大きな影響を及ぼします。早期発見・早期治療が大切ですので、少しでも気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。 https://www.youtube.com/watch?v=Fl76KFeikmg <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.02.25 -
- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
膝の痛みが改善し、テニスやゴルフが楽しくできるように! 30年以上も趣味のテニス・スキー・ゴルフをされていた患者様が、1年前から両膝の痛みに悩まれ、当院を受診されました。 きっかけは、テニスの後に膝が腫れて、水がたまるようになったことだそうです。 近くの整形外科では、両膝の変形性関節症と診断され、定期的にヒアルロン酸注射を受けてこられました。日常生活には大きな支障はなかったものの、大切な趣味が楽しめなくなり、 主治医に相談されたところ「日常生活に問題がないので、人工関節の手術は必要ありません。 趣味は控えめにされてはいかがでしょうか。」と言われたそうです。 しかし、⻑年の生きがいである趣味を諦めることができず、「来シーズンには必ずスキーに復 帰したい」という強い思いで、当院の再生医療を選んでくださいました。 最近では、年齢を重ねてもアクティブに過ごしたい、と願う方が増えています。でも、人工関節にしてしまうと、耐久性や動きの制限から、活発な運動が難しくなってしまいます。かといって、注射や内服、リハビリだけでは、軟骨を再生させることができず、効果も限られてしまいます。 当院では、再生医療が始まった早い段階から、変形性関節症の治療に取り組み、多くの方に喜んでいただいています。その秘密は細胞の質と量へのこだわりにあります。化学薬品を一切使用せず、ご自身の血液で細胞をつくります。あまり知られていませんが、再生医療の幹細胞は、医療機関ごとに、培養の仕方が全く違います。 通常の医療機関では 6 割程度しか生き残れない細胞が、当院では 95%以上の高い生存率を誇ります。これは他の施設のように細胞を冷凍せず、投与のたびに新鮮な状態で培養しているからです。海外の研究でも、生きている細胞が多いほど軟骨の再生が進むことが分かっています。 リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 レントゲンでは、両方の膝の関節の隙間が狭くなっていました。 <治療効果>両膝に5000万個細胞を計2回投与+PRP 両膝に5000万個ずつの細胞を、2 回に分けて投与させていただきました。 治療から1年後、それまで10段階中10もあった痛みが、週 3 回のテニスやゴルフを楽しんでも、2程度にまで改善。2年経った今でも、その効果は続いており、素敵な笑顔で通院してくださっています。 このように幹細胞治療は、大切な趣味を続けたい方の願いに応える可能性を秘めています。 ぜひ一度ご相談ください。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性膝関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.02.24 -
- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
人工関節の手術を受ける前に、幹細胞治療を選んでよかった! 数年前から右膝の痛みに悩まれていた患者様が、当院を受診されました。 近くの整形外科で変形性膝関節症と診断され、ヒアルロン酸の注射や塗り薬での治療を続けてこられました。20年前から体力作りのためにテニスを始められ、今でも続けていらっしゃるそうですが「もしかしたら、テニスのし過ぎで膝を悪くしてしまったのかもしれません」とお話しされました。最近では痛みが強くなってきて、大好きなテニスが思うように楽しめず、とても辛い日々を送られていました。 定期健診で撮ったレントゲンを見ると、右膝の内側の軟骨がほとんどなくなってしまい、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)が直接くっつきそうな状態でした。主治医の先生からは「末期の関節症まで進行していますので、人工関節への置き換えをお勧めします」と告げられたそうです。しかし「人工関節にしてしまうとテニスを諦めなければならない。体力も落ちていってしまうのではないか」と不安な気持ちを抱えておられました。 そこで人工関節以外の方法で痛みを和らげ、もう一度テニスを楽しみたいとお考えになり、当院の再生医療にたどり着かれました。 リペアセルクリニックでは、米粒2~3粒ほどのわずかな脂肪から1億個以上の元気な細胞を培養することができ、これは他の医療機関と比べても群を抜いた数です。さらに細胞を冷凍せずに新鮮な状態で患部に届けることができます。このような方法で、骨と骨が直接触れ合うような重症の方でも痛みが良くなった例を数多く経験してきました。 ただし、正直に申し上げますと、症状が重い場合には十分な効果が得られないこともございます。そのことをお伝えしたところ「それでも治療を受けてみたい」と強く希望されました。 リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 レントゲン所見 詳しい検査の結果やはり末期の関節症でした。 <治療効果>右膝に5000万個細胞を計2回投与+PRP 右膝に5000万個の細胞を2回に分けて注入させていただきました。 うれしいことに、1回目の治療からわずか1か月で、とても強かった痛み(10段階中8)が随分と楽になり(10段階中3)、「2回目の治療が楽しみです」と笑顔で話してくださいました。 全ての投与が終わり、2回目の治療から1年後にお会いした時には、1日2時間のウォーキングはもちろん、テニスまでできるようになり、痛みもほとんど気にならなくなったとのことでした。「人工関節の手術を受ける前に、この治療を選んで本当に良かったです。これからも運動を続けて、体力を維持していきたいです」と喜んでいただけました。これは、当院独自の冷凍せず培養された、生存率の高い幹細胞だからこそ、このような末期の変形の方にも効果がみられたものと、あらためて実感しました。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 変形性膝関節症の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓ 再生医療医師監修:坂本貞範
2025.02.24
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「最近、手がしびれる…」そう感じたことはありませんか? 手のしびれでよく思いつくのは、首のヘルニア、脳梗塞や脳出血などでしょう。 しかし、他にも、『これ知っておけばよかった』という病気もあります。 今回は、手のしびれを引き起こす5つの主な原因と、そのメカニズムを分かりやすく解説します。 最近は、スマホやパソコンを長時間使う環境が増えてきましたよね。あと重たいものをよく持つ方も、注意が必要です。 さらに、ご自身でもある程度、セルフチェックできるような項目も紹介します。 手のしびれの原因5選とメカニズム 「最近、手がしびれるなぁ…」と感じて、不安を抱えていませんか?手のしびれは、人生で一度は経験することがあるぐらい、よく見られる症状です。 軽いしびれだからと言って、放っておくと後々治療しにくくなることもあります。 神経の障害というものは一度傷ついてしまうと、一生後遺症として残ることもよく見られます。 今回は、手のしびれの原因で、私が診察でよく経験してきた、5つの病気について、詳しく説明したいと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。 頚椎症・椎間板ヘルニア まず、首の骨(頚椎)に原因がある場合があります。 頚椎症:頚椎症は例えるなら、長年使い続けた家の柱や梁が歪んだり、ひびが入ったりするようなものです。 加齢とともに、首の骨も変形したり、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨のとげができたりします。 その結果、首の骨の近くを通る神経が圧迫され、手のしびれを引き起こします。特に、長時間のパソコン作業などで猫背姿勢になっている方は要注意です。 椎間板ヘルニア:椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション材(椎間板)が、まるでパンパンに膨らんだ風船のように飛び出し、神経を圧迫する病気です。 若い方でも、急に重いものを持ち上げた時などに発症することがあります。 ぎっくり腰のように、激しい痛みやしびれに突然襲われることもあります。 頸椎のヘルニアだと、手と足がしびれる可能性があり、腰椎ヘルニアだと、手のしびれは出ませんが足はしびれることはあります。 胸郭出口症候群 次に、胸郭出口症候群について説明します。 胸郭出口症候群は、首から腕、指先へと伸びる神経や血管の通り道である「胸郭出口」が狭くなり、神経や血管が圧迫されて手のしびれや痛み、だるさなどを引き起こします。 胸郭出口は、鎖骨と肋骨の間の狭い通路のような場所です。なで肩の方や、重い荷物を持つことが多い方は、この通路がさらに狭くなりやすい傾向があります。 神経や血管の通り道が、圧迫されて狭くなることで、しびれや冷感などの症状がでてきます。 整形外科の外来では、この胸郭出口症候群の症例は少ないので、医師からしても、なかなか診断に至るまで、時間がかかることがよくあります。 そして、診断されたら、私はまずリハビリと筋トレをしっかりやっていただいてます。経験上、リハビリと筋トレすることで、多くの方は治っています。 手根管症候群 手首にも、手のしびれを引き起こす原因が潜んでいます。 手根管症候群は、手首の手根管と呼ばれるトンネルの中で、正中神経という神経が圧迫されることで起こります。 この神経は、親指、人差し指、中指、そして薬指の半分に感覚を伝える役割を担っています。 手根管症候群になると、これらの指にしびれや痛み、時には腫れぼったい感じも現れます。特に、妊娠中や更年期を迎えた女性に多く見られます。 これは、ホルモンバランスの変化によって手根管が腫れやすくなるためと考えられています。また、手をよく使う仕事や趣味を持つ方にも発症しやすいです。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 末梢神経障害 末梢神経は、脳や脊髄から体の各部につながる神経のネットワークです。 末梢神経障害は、このネットワークが障害されることで、手足のしびれや痛み、感覚の異常などが現れます。 糖尿病やビタミン不足などが原因となることが多く、両手両足にしびれが現れることが多いです。 私の経験では、糖尿病を持っている方は、頚椎や腰椎のヘルニアによるしびれがでやすい方が多かったです。 やはり、糖尿病では神経が障害を受ける分、しびれやすくなるのでしょう。 脳卒中 最後に、最も注意が必要な原因として脳卒中があります。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の機能が障害される病気です。 手のしびれだけでなく、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、意識障害など、重篤な症状が現れます。 手のしびれが片側だけに現れる場合や、他の神経症状を伴う場合は、脳卒中の可能性を疑い、すぐに医療機関を受診する必要があります。 脳出血を起こしても、小さかったり、初期の時は、ほとんど症状が現れない場合が多く、少し進行して、歩くときに膝折れがする、しびれが出てきたなどを感じて、病院に行く方もよくおられました。 その時点で、CTやMRIをとらなければ、見過ごされることも考えられますので、疑いがあれば、CTやMRIを、医師に相談して撮影してもらいましょう。 手のしびれは、様々な原因で起こります。原因によって治療法も異なりますので、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。 手のしびれの前兆とセルフチェック 「最近、手がしびれる…」と感じたら、放っておかずに、まずはセルフチェックしてみましょう。 手のしびれは、誰しも一度は経験する身近な症状ですが、実は重大な病気のサインである可能性も潜んでいます。 早期発見・早期治療のためにも、ご自身のしびれをよく観察し、セルフチェック項目を確認することで、適切な医療機関の受診につなげることができます。 しびれの場所・範囲・時間帯 しびれの場所 手のしびれを感じた時、まず確認すべきことは「どこがしびれているか」です。 親指、人差し指、中指にしびれがある場合は、手根管症候群の可能性が考えられます。これは、手首にある神経の通り道が狭くなることで、神経が圧迫されて起こる病気です。 Point! 薬指の内側と外側を、指でなぞってみてください。もし中指側だけが痺れているなら、高い確率で手根管症候群と思われます。 そして、両手の母指球筋を比べてみて、平らになって、筋肉が痩せていると注意です。これがみられたら、進行した手根管症候群となります。 経験上、痺れが弱くても、母指球筋が小さくなっていたら、手術をして、これ以上悪くならないようにした方がいいでしょう。 進行すると、服のボタンが付けにくくなったり、お箸が持ちにくくなります。そうなると、手術しても、後遺症として戻らなくなる確率が高くなるのです。 一方、小指や薬指にしびれがある場合は、肘部管症候群の可能性も考えられます。これは、肘の神経の通り道が狭くなることで起こるしびれです。 よく、椅子などに肘の内側をぶつけると、指まで痺れることがありますよね。それは、肘部管症候群の原因である尺骨神経によるものです。 また、手の甲側がしびれる場合は、橈骨神経麻痺の可能性も考えられます。橈骨神経麻痺は、腕の外側から手の甲にかけて走る神経が圧迫されることで起こります。 例えば、腕枕をして寝てしまった後に、手がしびれている経験はありませんか? これは、橈骨神経が圧迫されたことによる一時的な麻痺によるものと考えられます。ひどい場合は、手のひらがだらんと垂れて、動かなくなることもよくみられます。 『朝起きたら、いきなり手が動かない』と心配されますが、2〜3ヶ月ほどリハビリなどをして様子を見れば、ほとんどの方は治ります。 急に手が動かなくなると、脳の病気かな?とかなり驚きますよね。。。 しびれの範囲 しびれの範囲も重要なポイントです。 もし、しびれが手全体に広がっている場合は、頸椎症や胸郭出口症候群などの、首や肩の神経が圧迫される病気が原因かもしれません。 手根管症候群では、手首より先の方しかしびれは出ません。 さらに、片方の手だけがしびれる場合は、脳卒中の可能性も考えられます。 脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりする病気で、手足の麻痺や言語障害など、命に関わる危険な症状を引き起こす可能性があります。 もちろん、頚椎症でも、片方だけのしびれもよくみられます。 しびれの時間帯 しびれが続く時間にも注目しましょう。 一日中しびれが続いているのか、特定の時間帯だけなのか、あるいは一時的なものなのか。こうした時間的な変化も、診断の重要な手がかりとなります。 例えば、夜間や早朝にしびれが強くなる場合は、手根管症候群の可能性が高くなります。 動作との関連性(特定の姿勢、動作で悪化など) 次に、手のしびれと、特定の姿勢や動作との関連性をチェックしてみましょう。 例えば、パソコン作業やスマートフォン操作など、手首を酷使する作業の後でしびれが悪化する場合は、手根管症候群の可能性があります。 また、首を後ろに反らすと手のしびれが悪化する場合は、頸椎症の可能性が高まります。 逆に、腕を頭の上に上げることでしびれが軽減する場合は、胸郭出口症候群の可能性も考えられます。 日常生活の中で、どのような姿勢や動作がしびれを悪化させるのか、または軽減させるのかを把握することは、原因を特定する上で非常に重要です。 随伴症状(痛み、感覚異常、脱力など) 手のしびれとともに、他の症状が現れることもあります。これらの随伴症状も、原因特定の重要な手がかりとなります。 例えば、しびれとともに、鋭い痛みを感じる場合は、神経腫瘍の可能性も考えられます。 神経腫瘍とは、神経に発生する腫瘍のことで、良性のものから悪性のものまで様々な種類があります。 稀なケースでは、指の神経に叢状(そうじょう)シュワン腫という良性腫瘍が発生し、鋭い痛みやしびれを伴うことがあります。 また、しびれとともに脱力感や、感覚が鈍くなるなどの症状が現れる場合は、神経の損傷がより深刻な状態である可能性があります。 その他、手のむくみや冷感なども、しびれの原因疾患によっては伴うことがあります。 過去の病歴 過去の病歴も、手のしびれの原因を特定する上で重要な情報です。 糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、末梢神経障害という合併症を引き起こし、手のしびれにつながる可能性があります。 また、過去に神経系の疾患を患ったことがある場合も、再発や新たな病気が隠れている可能性も考慮に入れる必要があります。 健康診断の結果や過去の治療歴なども含め、できるだけ詳細な情報を医師に伝えましょう。 ▼高血圧の症状はありませんか?併せてお読みください。 危険信号(麻痺の進行、意識障害など) 手のしびれとともに、麻痺の進行や意識障害、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状が現れた場合は、一刻を争う事態です。 これらは脳卒中のサインである可能性が非常に高く、緊急の医療処置が必要となります。 また、片側の手足だけがしびれる、顔の半分がしびれる、言葉が出てこない、呂が回らないといった場合も、脳卒中の前兆である可能性があります。 これらの症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶか、近くの医療機関に連絡してください。 手のしびれの治療法と予防ケア 「手のしびれ」と聞くと、つい軽く考えてしまいがちですが、実は様々な原因が潜んでおり、中には放置すると深刻な事態を招く病気も存在します。 早期発見・早期治療が何よりも重要です。適切な治療とケアによって、しびれを軽減し、快適な日常生活を取り戻せる可能性は十分にあります。 ここでは、手のしびれの主な治療法と、日常生活での予防ケアについてご説明します。 薬物療法 手のしびれの原因や症状に合わせて、様々な薬が用いられます。 例えば、神経の炎症や痛みを抑える薬、血行を改善する薬、神経の働きを助けるビタミン剤などがあります。 神経の炎症が強い場合は、ステロイド薬を使う場合もあります。これは、強力な消炎効果を持つ薬ですが、副作用にも注意が必要です。 また、糖尿病性の神経障害には、血糖コントロールを改善する薬も重要です。 しびれに効く薬は、最近色々と出てきてはいますが、しびれは薬でなかなか治りにくい部類となります。 どの薬を使うかは、医師があなたの症状や体質を考慮して慎重に判断しますので、自己判断で薬を飲んだり、やめたりすることは絶対に避けてください。 理学療法・作業療法 薬物療法だけでなく、理学療法や作業療法も重要な役割を担います。 理学療法:理学療法では、ストレッチやマッサージ、温熱療法などによって、硬くなった筋肉や関節を柔らかくし、血行を促進することで、しびれを和らげます。 胸郭出口症候群では、両腕の重みを支える筋肉をしっかり鍛えることが大切です。 作業療法:作業療法では、日常生活動作の練習や、自助具(日常生活を補助する道具)の使用指導などを通して、しびれがあっても支障なく生活できるようサポートします。 例えば、手根管症候群の患者さんには、手首のストレッチや、手首を安静に保つための装具の使用指導が行われます。 装具療法 手首や指を固定するサポーターや、頸椎を支えるコルセットなどの装具は、患部を安静に保ち、神経への負担を軽くしてくれます。 特に、手根管症候群や腱鞘炎など、手首の使い過ぎが原因で起こるしびれには効果的です。 装具の種類や使用方法も様々ですので、医師や理学療法士の指導のもと、自分に合った装具を選び、正しく使用することが大切です。 例えば、就寝時に手首を固定する装具を装着することで、夜間のしびれを軽減できる場合があります。 手術療法 多くの場合、薬物療法、理学療法、装具療法などの保存療法で症状が改善します。 しかし、神経の圧迫が非常に強い場合や、保存療法で効果が見られない場合には、手術が必要となることもあります。 例えば、手根管症候群では、母指球筋が痩せてきたり、服のボタンが付けにくくなる巧緻障害などが出た場合は、速やかに、神経を圧迫している靭帯を切開して神経を解放する手術が必要です。 頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因の場合は、首の骨の手術が必要になることもあります。 我々の手術の基準として、筋力低下、尿が出にくいなどの膀胱直腸障害となります。しびれに関しては、我慢ができないぐらいなら、手術を選択することもあります。 手術療法は最終手段であり、患者さんの状態に合わせて慎重に判断されます。 日常生活での注意点と予防法 日常生活での心がけも、手のしびれの予防や改善に大きく貢献します。 長時間同じ姿勢を続けることや、手首や指に負担がかかる作業を繰り返すことは避けましょう。 パソコン作業やスマートフォンの操作をする際は、こまめに休憩を取り、ストレッチをすることを心がけてください。 また、デスクワークをする際は、正しい姿勢を保ち、椅子や机の高さを調整することも重要です。 正しい姿勢を保つことで、首や肩への負担を軽減し、胸郭出口症候群などの予防にもつながります。 栄養バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠も、健康な神経を維持するために不可欠です。 そして、もし手のしびれを感じたら、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 MacGillis KJ, Mejia A, Siemionow MZ. "Hand compression neuropathy: An assessment guide." The Journal of family practice 65, no. 7 (2016): 462-71. Saeki Y, Hattori Y, Mane SA, Doi K. "Plexiform Schwannoma of Digital Nerve." The journal of hand surgery Asian-Pacific volume 28, no. 5 (2023): 609-613. Thapa L, Amatya R, Maharjan S, Gaurishankar N, Shrestha AM, Bhattarai S, Singh SN, Gongal DN, Devkota UP. "Cheiro-Oral Syndrome." Kathmandu University medical journal (KUMJ) 16, no. 62 (2018): 196-198. Slouma M, Zarrouk Z, Maatoug F, Dhahri R, Amorri W, Gharsallah I, Metoui L, Louzir B. "Fibrolipoma of the Median Nerve: An Overview." Current rheumatology reviews 18, no. 4 (2022): 298-304.
2025.02.15 -
- 脊椎
- 脊柱管狭窄症
- 脊椎、その他疾患
腰からお尻、足にかけて電気が走るような痛みやしびれ… それ、坐骨神経痛かもしれません。人体で最も太く長い坐骨神経が圧迫されると、痛みやしびれといった不快な症状が現れます。 実は、この坐骨神経痛、坐骨神経痛を放置してしまうと、徐々に歩行に支障をきたすことがあります。 主な原因は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などですが、長時間のデスクワークや運動不足も関係していると言われています。 この記事では、医師が効果的なストレッチ方法を解説します。 >>坐骨神経痛をやわらげるストレッチをすぐに見たい方はここをタップ<< 【予備知識】坐骨神経痛の症状と原因 坐骨神経痛は、腰部から臀部、下肢へと続く坐骨神経に圧力がかかったり、刺激されたりすることで、痛みやしびれなどの症状が現れる状態です。 この神経は、人体で最も太く長い神経であり、まるで電線のように腰から足の先まで電気信号を送っています。 しかし、何らかの原因でこの「電線」が圧迫されると、電気がうまく流れなくなり、痛みやしびれなどの不快な症状を引き起こすのです。 症状の特徴:痛みやしびれ、放置するとどうなる? 坐骨神経痛の症状は、人によって様々です。 電気が走るような鋭い痛み、ジンジンするようなしびれ、足の感覚が鈍くなる、といった症状が現れることがあります。 痛みやしびれは、お尻から太もも、ふくらはぎ、すね、そして足の甲や足の裏まで、坐骨神経が通っている場所ならどこにでも現れる可能性があります。 これらの症状は、長時間同じ姿勢を続けていたり、くしゃみや咳などお腹に力が入る動作をした際に悪化することがあります。 症状が重い場合は、歩いたり立ったりすることさえ難しくなることもあります。 坐骨神経痛を放置すると、痛みが慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 また、しびれがずっと残ったり、足に力が入らなくなって歩行が困難になるケースもあります。 特に、腰部脊柱管狭窄症の場合、放置すると排尿障害などの深刻な合併症を引き起こす可能性も懸念されます。 筋力が落ちたり、尿が出にくくなったり、便秘がちになると命に関わるため、我々医師は手術を勧めることになります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 原因:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など 坐骨神経痛の原因は様々ですが、代表的なものとして椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが挙げられます。 椎間板ヘルニアは、背骨のクッションの役割をしている椎間板の一部が飛び出し、坐骨神経を圧迫することで起こります。 20代に最も多く発症し、次に30~40代に多く見られます。 脊柱管狭窄症は、背骨に存在する神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで起こります。50歳以上の中高年に多く発症します。 ▼脊柱管狭窄症について、併せてお読みください。 梨状筋症候群は、お尻にある梨状筋という筋肉が坐骨神経を圧迫することで起こります。 その他にも、腰椎すべり症や腫瘍、感染症などが原因となる場合もあります。 ▼梨状筋症候群について、併せてお読みください。 ストレッチが必要!坐骨神経痛になりやすい人の特徴 坐骨神経痛になりやすい人の特徴としては、長時間のデスクワーク、猫背姿勢、運動不足などが挙げられます。 一定の姿勢で長時間座り続けるオフィスワークは、腰に大きな負担をかけ、坐骨神経痛を引き起こしやすくなります。 猫背姿勢も腰への負担を増大させるため、坐骨神経痛のリスクを高めます。運動不足は筋肉を弱らせ、腰を支える力を低下させるため、坐骨神経痛になりやすくなります。 また、冷えや肥満も坐骨神経痛を悪化させる要因となります。 体が冷えると血液の流れが悪化し、筋肉が固くなることで、坐骨神経痛の具合が悪化しやすく、坐骨神経痛の症状を悪化させやすく、注意が必要です。 坐骨神経痛をやわらげるストレッチ3選|効果的な方法と注意点も つらい痛みを何とかしたい、でも手術や薬には頼りたくない、そんな風に考えている方もいるかもしれません。 ご安心ください。ストレッチは、坐骨神経痛からくる症状を改善する効果的な対処法の一つといえます。 適切なストレッチを行うことで、硬くなった筋肉をほぐし、神経への圧迫を軽減することができます。 ここでご紹介するストレッチは、自宅で簡単に行えるものばかりです。ぜひ、試してみてください。 ハムストリングスのストレッチ ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉です。 この筋肉が硬くなると、骨盤が後ろに傾き、坐骨神経を引っ張ってしまうことがあります。結果として、痛みやしびれといった坐骨神経痛の症状を引き起こすのです。 ハムストリングスの柔軟性を高めることは、体幹の安定性にも繋がります。体幹が安定すると、腰への負担が軽減され、坐骨神経痛の予防にも効果的です。 ハムストリングスのストレッチ①|椅子に座って行う方法 椅子に浅く腰掛け、片方の足を前に伸ばします。 つま先を天井に向け、かかとを床につけたまま、上半身を前に倒していきます。 太ももの裏側に伸びを感じるところで、30秒間キープします。息を止めないように、ゆっくりと呼吸を続けましょう。 反対側の足も同様に行います。 ハムストリングスのストレッチ②|床に仰向けになって行う方法 仰向けになり、片方の足を天井に向けて伸ばします。 伸ばした足の膝を軽く曲げ、タオルやベルトなどを足の裏にかけます。 タオルやベルトを両手で持ち、息を吐きながら、足をゆっくりと自分の方に引き寄せます。 太ももの裏側に伸びを感じるところで、30秒間キープします。この時も、深い呼吸を心がけましょう。 反対側の足も同様に行います。 梨状筋のストレッチ 梨状筋はお尻の奥にある筋肉です。この筋肉が硬くなると、坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。 梨状筋症候群は、この梨状筋が原因で起こる坐骨神経痛です。 梨状筋のストレッチ①|床に座って行う方法 床に座り、両足を伸ばします。 ストレッチしたい側の足を反対側の太ももの上にのせます。 上半身を前に倒し、お尻の奥に伸びを感じるところで30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 梨状筋のストレッチ②|椅子に座って行う方法 椅子に座り、ストレッチしたい側の足を反対側の太ももの上にのせます。 上半身をゆっくりと前に倒し、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 お尻のストレッチ お尻の筋肉は、人体で最も大きな筋肉の一つである大殿筋をはじめ、中殿筋、小殿筋など複数の筋肉で構成されています。 これらの筋肉は、歩いたり、走ったり、階段を上ったりする際に重要な役割を果たしています。 お尻の筋肉が硬くなると、骨盤の歪みや姿勢が悪くなり、坐骨神経痛を引き起こすことがあります。 お尻のストレッチ|寝て行う方法① 仰向けになり、両膝を立てます。 片方の足を反対側の太ももの上にのせます。 反対側の手で太ももを持ち、胸に引き寄せます。 お尻に伸びを感じるところで、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 お尻のストレッチ|寝て行う方法② 仰向けになり、両膝を立てます。 片方の足首を反対側の膝の上に乗せます。 両手で反対側の太ももを抱え、胸の方に引き寄せます。 お尻に伸びを感じるところで、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 ストレッチは、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。もし、ストレッチ中に痛みやしびれが増強する場合は、すぐに中止してください。 また、ストレッチの効果を高めるためには、毎日継続して行うことが重要です。1回5~10分程度、1日数回行うのが効果的です。 お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うと、より効果的です。 ストレッチは坐骨神経痛の症状緩和に役立ちますが、根本的な解決にならない場合もあります。 症状が改善しない場合や悪化する場合は、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Kim B, Yim J. "Core Stability and Hip Exercises Improve Physical Function and Activity in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial." The Tohoku journal of experimental medicine 251, no. 3 (2020): 193-206. Deyo RA, Mirza SK. "CLINICAL PRACTICE. Herniated Lumbar Intervertebral Disk." The New England journal of medicine 374, no. 18 (2016): 1763-72. Owen PJ, Miller CT, Mundell NL, Verswijveren SJJM, Tagliaferri SD, Brisby H, Bowe SJ, Belavy DL. "Which specific modes of exercise training are most effective for treating low back pain? Network meta-analysis." British journal of sports medicine 54, no. 21 (2020): 1279-1287.
2025.02.15 -
- ひざ関節
膝がポキポキ鳴る… 誰しも一度は経験のあるこの音、実はただの老化現象や運動不足と安易に考えて放置すると、将来的な膝のトラブルにつながる可能性があることをご存知ですか? 階段の上り下り、立ち上がり、何気ない動作で鳴るこの音。 その原因は関節液の気泡、関節構造の問題、靭帯や腱の動きの3つに大きく分けられます。 世界中で推定6億5400万人が罹患している変形性膝関節症も、初期症状としてこのポキポキ音が挙げられるケースがあり、45歳以上の方で活動時に膝の痛みや朝のこわばりがある方は特に注意が必要です。 この記事では、膝がポキポキ鳴る原因を詳しく解説し、適切な対処法や自宅でできるストレッチ、日常生活での注意点まで、健康な膝を維持するための情報を網羅的にご紹介します。 膝がポキポキ鳴る原因3選 膝がポキポキ鳴る、という症状、多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。 椅子から腰を上げる時や、ふとした拍子に膝を屈伸させるときなど、日常生活の様々な場面で経験する、ありふれた症状です。 実は、このポキポキ音、ただの老化現象や運動不足と考えずに、きちんと原因を探ることが大切です。 なぜなら、放置すると将来的に大きな問題につながる可能性があるからです。 この記事では、膝がポキポキ鳴る原因を3つのカテゴリーに分けて解説します。 原因を正しく理解することで、適切な対処法を見つけ、健康な膝を維持することにつながります。 ①膝がポキポキ鳴るメカニズム 膝がポキポキ鳴る原因のメカニズムは、大きく分けて以下の3つに分類できます。 関節液の中の気泡 膝の関節の中には、関節液という滑液があります。これは関節の動きをスムーズにする潤滑油のような役割を果たしています。 関節を動かすと、この関節液の圧力が変化し、小さな気泡が発生することがあります。この気泡が弾ける時に、「ポキッ」という音が鳴るのです。 炭酸飲料の蓋を開けた時にプシュッと音が鳴るのと似ています。これはキャビテーションと呼ばれ、特に問題のないケースが多いです。 関節の構造的な問題 膝の関節は、骨、軟骨、靭帯、腱など、様々な組織で構成されています。 これらの組織に何らかの異常があると、関節を動かす際にポキポキと音が鳴ることがあります。 例えば、軟骨部分が磨耗していたり、半月板に傷みが生じていたりすると、関節の表面がデコボコになり、音が鳴りやすくなります。 これは、ギシギシいうドアを無理やり開けるようなイメージです。スポーツによるケガや加齢などが原因で起こり得ます。 靭帯や腱の動き 靭帯や腱は、骨と骨をつないで関節を安定させる役割を担っています。 これらの組織が骨の上を滑る時に、ポキポキと音が鳴ることがあります。 これは、運動不足や筋肉のバランスが崩れている人に多く見られます。 椅子に座りっぱなしのデスクワークや、同じ姿勢を長時間続ける作業などで、特定の筋肉が硬くなってしまうと、靭帯や腱の動きが制限され、音が鳴りやすくなります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 ②運動不足と膝がポキポキ鳴る関係 運動不足と膝のポキポキ音には、密接な関係があります。 運動不足になると、膝関節周辺の筋肉が衰え、関節を支える力が弱まります。 すると、関節のバランスが崩れ、関節液の中に気泡ができやすくなってポキポキ音が鳴りやすくなるのです。 また、筋肉の力が衰えると関節が硬くなり、靭帯や腱の滑らかな動きが阻害されるため、これもポキポキ音の原因となります。 例えば、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が弱くなると、膝のお皿(膝蓋骨)の位置がずれ、関節面との摩擦が増えて音が鳴りやすくなります。 さらに、運動不足は変形性膝関節症のリスクも高めます。 変形性膝関節症は、軟骨がすり減って骨同士がぶつかり、痛みや炎症を引き起こす病気です。 ③加齢による軟骨の摩耗 加齢もまた、膝がポキポキ鳴る原因の一つです。 年齢を重ねると、どうしても軟骨がすり減ってきます。 クッションの役割を担う軟骨が徐々に薄くなることで、骨同士が擦れ合う状態となり、関節を動かすたびにパキパキやコリコリという音が聞こえるようになります。 このような症状は、膝の変形性関節症が始まっているサインかもしれません。 運動不足で起こる膝のトラブル5選 膝がポキポキ鳴る、なんとなく違和感がある… それ、もしかしたら運動不足が原因かもしれません。 放っておくと、将来大きなトラブルにつながる可能性も。 今回は、運動不足が原因で起こる膝のトラブルを5つご紹介し、それぞれの症状や対処法をわかりやすく解説します。 ①膝の痛み 運動不足になると、膝周りの筋肉、特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)や後ろの筋肉(ハムストリングス)が弱くなってしまいます。 椅子に座りっぱなしの生活を想像してみてください。これらの筋肉はあまり使われていませんよね。するとどうなるでしょうか? 筋肉は、膝関節を支える重要な役割を担っています。 筋肉の力が衰えると、支える機能が低下し、膝関節への重みがかかりやすくなります。これが痛みの原因となるのです。 最初は、立ち上がったり、階段を上り下りする時に軽い痛みを感じる程度かもしれません。 しかし、そのまま運動不足の状態が続くと、歩くだけでも痛むようになり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。 痛みを感じ始めたら、まずは運動を控え、膝を安静にすることが重要です。 痛みが強い場合は、整形外科を受診して適切な治療を受けましょう。 ▼おすすめの膝サポーターについて、併せてお読みください。 ②関節の違和感、こわばり 運動不足は、膝関節の周りの筋肉や靭帯を硬くしてしまいます。 筋肉や靭帯は、関節をスムーズに動かすために必要不可欠な組織です。 これらの組織が硬くなると、どうなるでしょうか? 関節の動きが悪くなり、「膝が重だるい」「何となく動きが悪い」といった漠然とした違和感を感じ始めます。 さらに、朝起きた時に「膝が硬くて曲げづらい」といった明らかなこわばりを感じることもあります。 これは、関節液の循環が悪くなっていることも原因の一つです。 関節液は関節の動きを滑らかにする潤滑油のような役割を果たしていますが、運動不足になるとこの循環が悪くなり、こわばりを引き起こすのです。 このような症状は、特に運動不足の人に多く見られます。日頃から意識的に体を動かす習慣をつけることが大切です。 ③関節の可動域制限 関節の違和感やこわばりが進むと、関節の可動域、つまり膝を曲げ伸ばしできる範囲が狭くなります。 最初は正座がしづらくなるなど、特定の動作で制限を感じる程度かもしれません。 しかし、悪化すると歩く、しゃがむといった日常の動作にも支障が出てきます。 これは、関節の軟骨がすり減り、骨の表面がデコボコになることが原因の一つです。 なめらかに動いていた関節が、古い扉のように固くぎこちなくなってしまいます。 さらに、関節周囲の筋肉や靭帯が硬くなることで、関節の動きが制限されることも原因として挙げられます。 関節の可動域制限も、運動不足が大きな原因の一つです。 適切な運動を継続することで、関節の柔軟性を維持し、可動域制限を予防することができます。 ④筋力低下、バランス能力の低下 運動不足は、膝関節を支える筋肉、特に大腿四頭筋やハムストリングスの筋力低下を招きます。 これらは、膝の安定性を確保する上で、極めて大切な役割を持っています。 筋肉が弱くなると、膝関節が不安定になり、バランス能力も低下します。 その結果、つまずきやすくなったり、転倒のリスクが高まったりします。 高齢者の場合、転倒は骨折などの大きな怪我につながる可能性があるため、特に注意が必要です。 ⑤変形性膝関節症のリスク増加 運動習慣の不足により膝の周りの筋力が低下すると、軟骨にかかる圧力が増し、磨耗が加速します。 また、運動不足による体重増加も加わることで、膝関節への負荷がさらに大きくなっていき、変形性膝関節症のリスクを高めます。 ある研究では、膝のポキポキ音がいつも鳴る人は、全く音がしない人に比べて変形性膝関節症の発症リスクが3倍高いというデータもあります。 運動不足が続くと、膝の違和感や痛み、こわばり、可動域制限といった様々なトラブルを引き起こす可能性があります。 これらのトラブルは、日常生活の質を低下させるだけでなく、将来的に変形性膝関節症などの深刻な病気を引き起こすリスクも高めます。 日頃から適度な運動を心がけ、健康な膝を維持しましょう。 膝がポキポキ鳴る時の対処法3選 膝がポキポキ鳴ると、不安になりますよね。 もしかしたら病気のサイン?放っておいて大丈夫?と心配になる方もいるでしょう。 この記事では、膝がポキポキ鳴る時の対処法を4つご紹介します。 安心できる情報をお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 具体的な治療方法(運動療法、薬物療法、手術) 膝のポキポキ鳴る原因や症状によって、適切な治療方法は異なります。 主な治療法は以下の3つです。 運動療法 膝周りの筋肉を鍛えることで、関節を安定させ、痛みを軽減します。 ストレッチで関節の柔軟性を高めることも効果的です。 例えば、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで、膝のお皿(膝蓋骨)の動きを安定させ、ポキポキ音を軽減することができます。 薬物療法 痛みや炎症を抑える薬を服用します。痛み止めやヒアルロン酸注射などがあります。 ヒアルロン酸は、関節液の主成分であり、関節の動きを滑らかにする役割を果たしています。 手術 人工関節置換術など、重症の場合にのみ行われます。 変形性膝関節症が進行し、日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合に検討されます。 人工関節置換術は、損傷した関節を人工関節に入れ替える手術です。手術により痛みを軽減し、関節の機能を回復させることができます。 保存的治療(運動療法や薬物療法)で効果がない場合や、半月板の異常などの明確な疾患が背景にある状況では、手術が必要となることもあります。 半月板は、膝関節にあるC型の軟骨で、クッションの役割を果たしています。 半月板が損傷すると、膝の痛みや引っかかり、ポキポキ音などの症状が現れます。 ▼半月板断裂と損傷の違い、痛みの特徴や原因・治療法ついて、併せてお読みください。 家庭でできるストレッチ、運動 家庭でできるストレッチや運動をご紹介します。 膝下ストレッチ:椅子に座り、両足を床につけた状態で行います。 膝から下の骨を内側にねじるように動かします。左右10回ずつ繰り返します。 ふくらはぎの筋肉を伸ばし、膝関節の柔軟性を高める効果があります。 膝曲げ伸ばし運動:椅子に座り、片方の足をまっすぐ伸ばします。 伸ばした足をゆっくりと曲げ、また伸ばします。左右10回ずつ繰り返します。 大腿四頭筋を強化し、膝関節の安定性を高める効果があります。 フロッグ:仰向けに寝て、両膝を曲げ、足の裏を合わせます。 かかとをお尻に近づけ、両膝を床に近づけるようにします。 10秒間キープし、5回繰り返します。 内ももの筋肉を伸ばし、股関節の柔軟性を高める効果があります。 ランジ:足を前後に開き、両膝を90度に曲げます。 前の膝がつま先より前に出ないように注意します。 10秒間キープし、左右5回ずつ繰り返します。 太ももの筋肉を鍛え、バランス能力を高める効果があります。 これらの運動は、膝周りの筋肉を強化し、関節の柔軟性を高める効果があります。 毎日続けることで、膝のポキポキ音を軽減し、膝の健康を維持することができます。 日常生活での注意点 日常生活で気を付けるべきことをご紹介します。 体重管理:適正体重を維持することで膝への負担を軽減します。 肥満は膝関節への負担を増大させ、変形性膝関節症のリスクを高めるため、注意が必要です。 適切な運動:ウォーキングや水泳など、膝への負担が少ない運動を選びましょう。 激しい運動は、膝関節に大きな負担をかけるため、避けるべきです。 ストレッチ:毎日、入浴後などにストレッチを行いましょう。 ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、関節の動きをスムーズにする効果があります。 靴の選び方:低いヒールで、クッション性のある靴を選びましょう。 高いヒールやクッション性のない靴は、膝関節への負担を増大させるため、避けるべきです。 長時間同じ姿勢を避ける:デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽い運動をしましょう。 同じ姿勢を長時間続けると、筋肉が硬くなり、関節の動きが悪くなるため、注意が必要です。 膝のポキポキ音は、必ずしも病気のサインではありませんが、放置すると将来的に大きな問題につながる可能性もあります。 日頃から膝のケアを心がけ、健康な膝を維持しましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「膝の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Lavie CJ, Ozemek C, Carbone S, Katzmarzyk PT, Blair SN. "Sedentary Behavior, Exercise, and Cardiovascular Health." Circulation research 124, no. 5 (2019): 799-815. Duong V, Oo WM, Ding C, Culvenor AG, Hunter DJ. "Evaluation and Treatment of Knee Pain: A Review." JAMA 330, no. 16 (2023): 1568-1580.
2025.02.15 -
- 腱板損傷・断裂
肩の痛み、腕が上がらない… もしかしたら、それは肩腱板断裂のサインかもしれません。 150万人を超える患者がいると言われるこの症状、手術が必要となるケースも少なくありません。 一体どんな手術があるのか、入院期間は?費用は? 不安でいっぱいのあなたのために、肩腱板断裂の手術方法4つの選択肢、リバース型人工関節、内視鏡手術、腱板移植、それぞれのメリット・デメリット、そして気になる入院期間、リハビリ、費用まで、医師が解説します。 肩腱板断裂の手術方法4つの選択肢 肩の痛みや腕が上がらないといった症状に悩まされ、肩腱板断裂と診断された時、手術が必要と言われたら不安になるのも当然です。 手術にはどんな種類があるのか、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、気になることでしょう。 この章では、肩腱板断裂の手術方法について、具体的な例を交えながらわかりやすく解説します。 手術方法を選択する上で重要なポイントとなる、腱板の状態(断裂の大きさや筋肉の質)、年齢、生活スタイル、そして患者さん自身の価値観についてもお伝えします。 ▼肩腱板損傷、断裂について、併せてお読みください。 鏡視下腱板修復術 肩腱板を修復する手術では、内視鏡技術を活用した最小限の切開で実施されます。 肩周辺に1cm弱の複数の小さな穴を開けます。 これらの穴から細径の内視鏡カメラを挿入し、手術の全工程をモニター画面で確認しながら進めていきます。 腱板の修復では、骨に専用の固定具(アンカー)を設置し、それに取り付けられた縫合糸を用いて断裂部位を引き寄せ、結合させます。 ただし、損傷の程度が深刻な場合、通常の修復が難しいケースもあります。 そのような状況では、患者さんの大腿部から採取した組織を補強材として使用したり、可能な範囲での部分的な修復を行ったりするなど、状況に応じた対応が必要となります。 術後は、以下のような装具を約6週間必要とします。約3ヶ月ごろから、徐々に筋力トレーニングを開始して、術後半年ぐらいまでリハビリを行います。 腱板移植 腱板移植は、自分の体の一部から腱を採取し、断裂した腱板に移植する手術です。 主に、腱板の断裂が大きく、縫い合わせることが難しい場合に選択されます。 腱を採取する部位としては、太ももの裏側や背中などが用いられます。 移植した腱が周囲の組織とくっつき、新たな腱板として機能するまでには、時間と適切なリハビリが必要です。 メリット 自分の組織を使うため、拒絶反応のリスクがない。 比較的若い方やスポーツなど肩を活発に動かす必要のある方で、腱板の損傷が大きい場合に適応されることが多い。 デメリット 腱の採取部位に痛みや違和感が残る可能性がある。 移植した腱がうまくくっつかず、再断裂するリスクもゼロではない。 手術の難易度が高く、手術時間や入院期間が長くなる場合がある。 リバース型人工関節置換術 リバース型人工関節置換術は、特殊な人工関節を用いた手術方法です。 通常の肩関節とはボールとソケットの位置が逆になっているため、「リバース型」と呼ばれています。 私たちの肩関節は、上腕骨側にボール、肩甲骨側にソケットがあり、腱板がこのボールをソケットに引き寄せ、肩の安定性を保っています。 しかし、腱板が断裂すると、ボールがソケットから外れてしまい、腕をスムーズに動かせなくなります。 リバース型人工関節置換術では、このボールとソケットの位置を逆転させ、肩甲骨側にボール、上腕骨側にソケットを取り付けます。 これにより、断裂した腱板がなくても、三角筋という筋肉の力を使って腕を上げることができるようになります。 メリット 腱板が大きく断裂していても、腕を上げられるようになる可能性が高い。 比較的早期にリハビリを開始でき、日常生活への復帰も早い傾向にある。特に、高齢者や腱板の状態が悪い方に向いている。 デメリット 肩甲骨にボールがあるため、腕を内側に回す動き(内旋)が制限される場合がある。 例えば、背中に手を回す動作が難しくなることがある。 手術後、肩を動かす際に金属音がすることがある。 これは人工関節の特性によるもので、ほとんどの場合、日常生活に支障はない。 以前は65歳以上の方に適応されることが多かったが、近年では、より若い方にも適応が広がっている。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 通常の人工関節置換術とその違い 通常の人工関節置換術は、肩関節本来の構造を模倣し、上腕骨側にボール、肩甲骨側にソケットを取り付けます。 この手術は、腱板の機能がある程度残っている場合に適応されます。 リバース型人工関節置換術は、ボールとソケットの位置を逆にすることで、腱板がなくても三角筋の力を使って腕を上げられるようにします。 これは、腱板が大きく断裂している場合や、筋肉の質が悪く修復が難しい場合に有効な選択肢です。 それぞれの術式にはメリット・デメリットがあり、最適な手術方法は患者さんの状態によって異なります。 肩腱板断裂の手術をしても、再断裂や、術後に関節が固まる拘縮などの後遺症で、思うように痛みが取れないことが多く見られます。 そういった理由で、我々整形外科医の間では、よほどの痛みがあったり、生活が困難でないと手術は行わないようにしています。 そんな中で、幹細胞による再生医療が今、注目されています。 再生医療 肩腱板断裂の症状が、なかなか改善しない時の選択肢として、今、注目の再生医療があります。 リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000症例の実績に基づく確かな技術と独自の培養方法で、患者様一人一人に最適な治療プランをご提案いたします。 国内で唯一の最新の『分化誘導技術』を用い、当院は『新時代の再生医療』による治療を提供します。 そんな再生医療に興味のある方は、こちらから当院独自の再生医療の特徴を紹介しています。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=VZP1_3i_qEwcVrsQ 肩腱板断裂の手術後の入院期間・リハビリ・費用 肩腱板断裂の手術後、気になるのは入院期間やリハビリ、そして費用ですよね。不安な気持ち、痛いほどよく分かります。 私も医師として、患者さんのそういった不安に寄り添い、少しでも安心して治療に臨めるようにサポートしたいと思っています。 この章では、肩腱板断裂の手術後の入院期間、リハビリテーション、費用、そして日常生活での注意点について、具体的な例を交えながら分かりやすく説明します。 一緒に一つずつ確認していきましょう。 手術後の入院期間 入院期間は、手術の方法や患者さんの状態によって大きく異なります。 内視鏡手術:例えば、傷口が小さい内視鏡手術の場合、最短3泊4日で退院できるケースもあります。 これは、お腹を数cm切開する虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術で、5~7日程度の入院が必要になるケースと比較すると、かなり短い期間と言えるでしょう。 リバース型人工関節置換術:一方で、リバース型人工関節置換術などのように、より身体への負担が大きい手術の場合は、1~2週間程度の入院が必要になることが多いです。 これは、人工関節を入れることで身体への負担が大きくなるため、術後の経過観察をしっかり行う必要があるためです。 手術方法 入院期間の目安 関節鏡手術 3泊4日~1週間 リバース型人工関節置換術 1~2週間 また、高齢の方や一人暮らしの方の場合は、手術後の状態が安定するまで、少し長めの入院が必要となることもあります。 これは、自宅での生活に不安がある場合や、退院後のサポート体制が整っていない場合などに、入院中にリハビリテーションを進め、日常生活動作の練習を行うためです。 装具を装着する期間は約3週間程度ですが、その期間中ずっと入院する必要はありません。 医師や看護師、理学療法士と相談しながら、ご自身の状況に合った入院期間を決めていきましょう。 手術後のリハビリテーション 肩腱板断裂の手術後は、リハビリテーションがとても大切です。 手術で損傷した組織の修復を促し、肩の機能を回復させるためには、適切なリハビリテーションを行う必要があります。 リハビリテーションは、多くの場合手術の翌日から開始します。 入院中は、理学療法士の指導のもと、肩関節の可動域訓練や筋力強化訓練を行います。 退院後も、週に1回から3回程度、通院してリハビリテーションを継続することが推奨されます。 リハビリテーションの内容は、腱の治癒段階に基づいて調整されます。 初期のリハビリテーションでは、痛みを軽減し、肩関節の動きをスムーズにすることに重点を置きます。 その後のリハビリテーションでは、徐々に負荷を上げていき、筋力や持久力を強化していきます。 最近の研究では、ウェアラブルデバイス(手首や腕、頭など身に着けて使用するコンピューターデバイス)を使用して運動や姿勢のモニタリングを行うことで、より精密なリハビリテーションが可能になることが示唆されています。 肩腱板断裂の手術後のリハビリテーションに関する研究では、保存的なリハビリテーションと早期可動域訓練を比較した結果、可動域や機能状態に大きな差は見られませんでした。 しかし、早期可動域訓練は機能的な転帰にわずかな利点がある可能性がありますが、一方で再断裂のリスクもわずかに高まる可能性があることが示唆されています。 どちらのリハビリテーションプロトコルも、安全で再現性のある短期・長期的な転帰が示されています。 自宅でも、理学療法士に教えてもらったストレッチやエクササイズを毎日行うことが重要です。 手術から約3ヶ月後には、軽い作業ができるようになり、約6ヶ月後には、重労働やスポーツにも復帰できるようになります。 しかし、これはあくまで目安であり、実際には個人差があります。 手術費用 手術費用は、手術の方法、入院期間、使用する医療材料などによって異なります。 また、健康保険の種類や、高額療養費制度の利用によっても自己負担額が変わります。 費用の詳細は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。 一般的には、関節鏡手術の方がリバース型人工関節置換術よりも費用が安くなる傾向があります。 これは、関節鏡手術の方が入院期間が短く、使用する医療材料も少ないためです。 費用の目安としては、関節鏡手術で20万円~40万円程度、リバース型人工関節置換術で50万円~80万円程度かかることが多いです。 しかし、これはあくまでも目安であり、実際には医療機関によって大きく異なる場合があります。 手術後の生活の注意点 手術後、日常生活で特に注意すべきことは、再断裂を防ぐことです。 再断裂は、手術後の無理な動きや過度な負担によって起こります。 特に、手術後3ヶ月間は、重いものを持つ、硬いものを切る、雑巾がけなど、肩に負担のかかる動作は控えましょう。 また、手術後しばらくは、肩の痛みや動かしにくさが残る場合もあります。 痛みがあるときは、無理せず安静にすることが大切です。 日常生活動作で痛みが出る場合は、装具や補助具を使用するなど、工夫してみましょう。 そして、医師の指示に従ってリハビリテーションを継続することも重要です。 リハビリテーションによって、肩の機能を回復させ、再断裂のリスクを減らすことができます。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Bandara U, An VVG, Imani S, Nandapalan H, Sivakumar BS. "Rehabilitation protocols following rotator cuff repair: a meta-analysis of current evidence." ANZ journal of surgery 91, no. 12 (2021): 2773-2779. Longo UG, Risi Ambrogioni L, Candela V, Berton A, Carnevale A, Schena E, Denaro V. "Conservative versus surgical management for patients with rotator cuff tears: a systematic review and META-analysis." BMC musculoskeletal disorders 22, no. 1 (2021): 50. Di Benedetto P, Mancuso F, Tosolini L, Buttironi MM, Beltrame A, Causero A. "Treatment options for massive rotator cuff tears: a narrative review." Acta bio-medica : Atenei Parmensis 92, no. S3 (2021): e2021026. Longo UG, Risi Ambrogioni L, Berton A, Candela V, Carnevale A, Schena E, Gugliemelli E, Denaro V. "Physical therapy and precision rehabilitation in shoulder rotator cuff disease." International orthopaedics 44, no. 5 (2020): 893-903.
2025.02.15