膝関節のロッキングとは?原因となる疾患や前兆、放置するリスクを解説

公開日:2025.02.06 スタッフ ブログ 関節 健康 カラダの仕組み

「膝が急に激痛とともに動かなくなった…」
「しばらくすると動くようになったけど放置しても大丈夫かな?」

これは、膝関節に軟骨の欠片などが挟まり起きるロッキングという現象の可能性があります。ロッキングは半月板損傷や離断性骨軟骨炎、変形性膝関節症などの疾患で起こることがあります。ロッキングの原因となる疾患は、自然治癒が難しいため適切な治療を受けることが大切です。

本記事では、ロッキングがどのような現象かをはじめとして、以下を解説します。

再生医療についても詳しく解説しています。興味がある方はぜひ最後までお読みください。

ロッキングとは突然膝関節が動かなくなる現象

ロッキングとは、膝関節の隙間に異物が物理的に挟まることで、膝が突然ロックされたように動かなくなる現象です。損傷してちぎれた半月板(関節に加わる負荷を分散させる軟骨)の一部や、剥がれた軟骨の欠片などが関節内に滑り込んで挟まってしまうことが原因で起きます。

無理に動かそうとすると、関節内の組織が損傷するため強い痛みが現れます。ロッキングは緊急性の高い状態であるため、無理に動かそうとしないで、早めに医療機関を受診しましょう。

膝がロッキングしたときの対処法

もしロッキングが起きてしまったら、まず焦らないことが大切です。決して無理に膝を伸ばしたり曲げたりしないようにしてください。無理に動かすと、強い圧力がかかり挟まっている組織が潰れて激痛が生じます。

場合によっては激痛によるショック状態になることもあります。ロッキングが起きた際は、痛みのない膝の角度を探し、その位置でリラックスするのが大切です。力を抜いてリラックスできれば、ロッキングが解除されることもあります。

ロッキングが解除された場合でも、根本的な原因は残っている状態です。放置せず医療機関で適切な治療を受ける必要があります。ロッキングが解除されず自力で歩行が難しい場合は、家族など周囲の人に病院へ連れて行ってもらってください。周囲に誰もいない場合は救急車の要請を検討しましょう。

膝関節のロッキングを起こす原因となる疾患

膝関節のロッキングを起こす原因として、主に以下の疾患が挙げられます。

それぞれの疾患について詳しく解説します。

半月板損傷

半月板損傷とは、太ももとすねの骨の間にある半月板が損傷した状態のことです。スポーツで膝関節を怪我した際に起きることが多く、50歳代以降は明らかな怪我がなくても発症するリスクがあります。

発症すると、痛みとともに膝の引っかかり感が出現します。損傷が重度の場合は、半月板の欠片が関節内に挟まりロッキングが起きることがあります。

離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎とは、関節内に軟骨が剥がれ落ちてしまう障害のことです。スポーツなどにより繰り返される負荷や怪我により、軟骨の一部が剥がれてしまいます。

初期では、関節軟骨の表面に亀裂が入った状態で完全には剥がれていません。この段階の症状は運動後の膝の不快感や鈍い痛みです。

進行すると軟骨の欠片が完全に剥がれてしまい、関節内に漂ってしまいます。膝の曲げ伸ばしの際に軟骨の欠片が関節に挟まりロッキングが起きます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、繰り返す膝への負荷や加齢により軟骨がすり減り、膝に炎症が起きる病気です。初期症状は、階段の上り下りや立ち上がり時に現れる膝の痛みです。進行すると、O脚変形が生じたり、平地での歩行にも支障をきたしたりします。

変形性膝関節症では、軟骨がすり減り骨同士がぶつかることで骨棘(こつきょく:骨のとげ)ができます。この骨棘がなんらかの衝撃で折れてしまい、ロッキングの原因になることがあります。

膝関節のロッキングが起きる前兆と発症後の症状

ここでは、以下のような膝関節のロッキングが起きる前兆と発症後の症状について詳しく解説します。

前兆 膝の痛みや腫れ、違和感
発症後 膝の曲げ伸ばしができなくなる

前兆|膝の痛みや腫れ、違和感

ロッキングは以下のような前兆が膝に現れることがあります。

  • 持続する痛み
  • 腫れ
  • 引っかかり感
  • ズレ感
  • 脱力感

これらの症状が続いている場合は、早めに医療機関を受診するのをおすすめします。

発症後|膝の曲げ伸ばしができなくなる

ロッキングが起きると膝が一定の角度で固定されてしまいます。

例えば、半月板損傷が原因である場合は以下のような症状が現れます。

  • 膝が一定の角度で固定されて曲がらなくなる
  • 膝が完全に伸びきらず足を引きずってしまう
  • 膝の中に何かが挟まっているような明らかな違和感がある
  • 膝を動かすと「コクッ」というクリック音がなる

また、ロッキングが起きると歩けなくなるほどの強い痛みが現れます。

膝関節のロッキングを放置するリスク

ロッキングがたとえ自然に解除されたとしても、放置しないでください。原因が半月板損傷や離断性骨軟骨炎であった場合、放置すると変形性膝関節症へ移行するリスクが高まるためです。

変形性膝関節症は、進行すると歩行困難や就寝時の膝の痛みなど、日常生活に支障をきたす症状が現れる可能性があります。発症すると要介護のリスクが約6倍になるとの報告もあります。文献1)ロッキングが起きた際は、放置しないで原因となる疾患を治療しましょう。

膝関節のロッキングの解除と治療方法

膝関節のロッキングが起きた状態で受診した場合は、医師が手を使って関節を動かす「徒手整復(としゅせいふく)」などによって解除できることもあります。MRI検査の結果、損傷が軽度である場合は様子観察になるケースもあります。

以下のような状態の場合は手術を検討しなければなりません。

  • ロッキングが解除できない
  • ロッキングを繰り返す
  • 損傷が重度である

治療方針は以下のように原因となる疾患によって異なります。

病名 治療方針
半月板損傷 ・損傷部位に負担をかけないように安静にする
・保存療法によって改善しないまたは日常生活に支障をきたす場合などは手術を検討する
離断性骨軟骨炎 ・軟骨の欠片が剥がれていない場合は、安静にし、患部に体重をかけないようにする(松葉杖の使用など)
・剥がれてしまった場合は手術が必要になることがある
変形性膝関節症 ・膝へ負担の回避や体重管理、膝周囲の筋力トレーニングなどを行う
・保存療法で効果が見られないまたは骨の変形が重度の場合などは手術を検討する

痛みが強い場合は、飲み薬や塗り薬、湿布などで痛みを和らげながら治療を進めます。

膝関節の痛みに対する再生医療

膝の痛みに対する治療として再生医療が注目されています。再生医療とは、自分自身の細胞を痛みのある部位に投与して、体が本来備える自然治癒力を活用する治療方法です。

具体的な治療方法は以下の通りです。

再生医療の種類 詳細
幹細胞治療
(かんさいぼうちりょう)
組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法
PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法

手術や入院に不安を抱える方にとっての選択肢の一つです。当院「リペアセルクリニック」の膝の痛みに対する症例について知りたい方は、以下を参考にしてください。

【症例紹介】
“リペア幹細胞” 両膝の痛みが大幅に軽減!痛みのない日常を取り戻す!両変形性ひざ関節症 40代 女性
“リペア幹細胞” 痛み10段階中10が3に!フルマラソン復帰も夢じゃない!右膝外側半月板損傷 40代 男性

膝関節のロッキングの予防方法

膝関節のロッキングを予防するには、原因となる疾患を発症または悪化させないことが大切です。

そのためには、以下のように膝に負担をかけない生活を心がけましょう。

  • 正座や急な動きなどの動作は避ける
  • 重い物を持つのは避ける
  • 長時間の同じ姿勢は避ける
  • 膝を冷やさない
  • 肥満を解消する
  • クッション性の良い靴を選ぶ

軽いウォーキングなど、膝への負担が少ない運動習慣を取り入れることも効果的です。

なお、前提として原因となる疾患の早期治療が大切です。膝の痛みや腫れ、違和感などが長期間続いている方は、医療機関を受診して適切な治療やリハビリを受けましょう。

まとめ|ロッキングが起きたら無理に動かさず受診を

ロッキングは、突然膝が「ロック」されたように動かなくなる、とても怖い現象です。軟骨の欠片が関節に挟まることで起こります。

ロッキングが起きた際は無理に動かさないようにしてください。無理に動かすと、組織が潰れて激痛が生じ、ときには痛みのあまりショック状態になることもあります。

ロッキングが起きた際は、痛みのない膝の角度を探しその位置でリラックスすると解除できることがあります。解除されたとしても、根本的な原因が解決したわけではありません。そのまま放置しないで原因となる疾患の治療を受ける必要があります。

ロッキングが解除されず自力で歩行が難しい場合は、周囲の人に病院へ連れて行ってもらってください。周囲に誰もいない場合は救急車の要請を検討しましょう。

膝関節のロッキングに関するよくある質問

膝関節のロッキングを自分で治すことはできる?

ロッキングが起きたあとは、膝の痛くない角度を見つけて、その位置でリラックスすると解除されることがあります。しかし、これは根本的な原因が治ったわけではありません。根本的な治療をするために、医療機関を受診しましょう。

膝関節のロッキングはすぐ治る?

ロッキングは自然に解除されることがあります。しかし、ロッキングがすぐに解除されたからといって、治ったわけではありません。原因の疾患を適切に治療する必要があります。

膝が突然まっすぐ伸びない曲がらない原因は?

膝が突然まっすぐ伸びない曲がらない原因は、膝関節に軟骨の欠片などが挟まってしまったおそれがあります。原因は半月板損傷や離断性骨軟骨炎であり、適切な治療を受ける必要があります。

参考文献

(文献1)
変形性膝関節症診療ガイドライン2023|日本整形外科学会