肝硬変 幹細胞治療 60代男性
公開日:2025.04.16沈黙の臓器からのサイン― 末期肝硬変と向き合う新たな希望
「健康診断で肝機能の数値が気になる…」「お酒の付き合いが多くて心配…」「肝臓の異常を指摘されたけど、どうしたらいいか分からない…」こんな悩みを抱える方は、少なくありません。今回は、思いがけない形で末期の肝硬変が発見された、60代男性の患者様の治療経過をご紹介します。
治療前の状態
- ・末期の肝硬変
- ・出血傾向(抜歯時の止血困難)
- ・高ビリルビン値(6.2、正常値は0.4~1.5)
- ・肝機能の著しい低下
- ・肝移植の提案
「沈黙の臓器」と言われる肝臓の異変に気づいたのは、意外なきっかけからでした。歯の治療で抜歯をした際、なかなか出血が止まらなかったことから、病院を受診したところ、末期の肝硬変と診断されたのです。
数年前から、健康診断で肝機能の異常を指摘されていたものの、仕事の忙しさから、病院受診を先延ばしにしていたこと、また、付き合いでのアルコール摂取が多かったことが、今回の状態に影響していたようです。
肝臓は、体内最大の臓器で、栄養素の貯蔵、有害物質の解毒、胆汁の生成、さらには、血球の生成などを担う重要な役割を持っています。肝硬変になると、肝臓が硬くなって、正常に機能せず、黄疸や腹水、出血傾向などの症状が現れます。この患者様の場合、血を止める血小板の生成が低下し、抜歯時の出血が続いてしまったのです。
肝硬変の最も厳しい特徴は、症状が出た時には、すでに肝臓が線維化して硬くなっており、従来の治療では、元に戻らないと言われること。医師からは「肝移植しか助かる手立てがない」と告げられていたそうです。
リペアセルクリニックの特徴
当院では、患者様自身の脂肪組織から採取した幹細胞を、独自の分離シート技術を用いて、安全に取り出し、培養します。細胞を傷つけることなく分離でき、さらに、無添加・牛血清不使用の培養環境により、体内に入れても安全性の高い、純度の高い細胞を提供できるのが強みです。
また、冷凍せずに培養する方法で、96%以上という高い細胞生存率を実現しています。一般的な医療機関では、冷凍保存が多く、解凍時のダメージで、細胞の活性が大きく低下してしまいますが、当院では、投与のたびに新鮮な細胞を培養することで、最大の効果を引き出します。
当院の細胞培養は、わずか米粒2~3粒ほどの脂肪から、2億個もの元気な細胞を培養することが可能です。これらの細胞は、点滴により体内に入ると、「ホーミング効果」によって損傷した肝臓に自動的に集まり、炎症を抑え硬くなった組織を修復します。
なお、幹細胞治療の効果は、細胞数に比例することが知られており、当院は、厚生労働省へ2億個の幹細胞投与について申請をし、受理されました。これにより、従来の最大1億個よりも高い治療効果が期待できるようになりました。
<治療内容>1億個細胞を計6回投与
1億個の細胞を、計6回点滴投与する計画を立てました。
治療経過と変化
- ・ビリルビン値の改善(6.2→5.3)
- ・出血傾向の軽減
- ・肝機能の改善傾向
- ・残りの治療でさらなる効果を期待
患者様の実際のデータがこちらです。
肝機能の指標となるビリルビン値は、通常0.4~1.5ですが、治療前は6.2と高値だったものが、3回目の投与後には、5.3と改善傾向を示しました。
診察時には「気持ちが楽になってきた」という言葉も聞かれ、体調の回復とともに、精神的な面でも前向きな変化が見られました。残る3回の投与で、さらなる改善が期待されます。
再生医療分野で、豊富な経験を持つ当院の研究から、肝臓の再生には、十分な量の生きた細胞が必要であることがわかっています。従来の医療では、根本的な治療法がなかった肝臓障害に対して、幹細胞治療は、新たな可能性を開くものと言えるでしょう。
肝機能でお悩みの方は、早期の段階でご相談いただければと思います。「沈黙の臓器」である肝臓の異変に早く気づき、適切な対応をすることが重要です。
リペアセルクリニックでは、再生医療分野で豊富な経験を持つ専門医たちが、10,000例以上の実績に基づく確かな技術と独自の培養方法で、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。
<治療費>
幹細胞点滴 投与回数(1回)
242万円(税込)
<起こりうる副作用>
・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。
・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。
※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。
肝臓疾患の再生医療についてはこちらで詳しく説明しています。↓

肝臓疾患のお悩みに対する新しい治療法があります。
再生医療医師監修:坂本貞範