肩腱板損傷の再生医療!腕が上がらなくなった患者さんの症例を交えて手術をしない再生医療を医師が徹底解説!
2021.12.20
腱板損傷の再生医療・腕が90度以上、上がらなくなった症例を交え手術をしない再生医療を徹底解説!
解説/リペアセルクリニック大阪院:医師 坂本貞範
はい、みなさんこんにちは。Dr.サカモトです。
今日は、肩の腱板損傷に対する実際に行なった再生医療についてお話ししたいと思います。
今回、肩の再生医療を受けた方は、70代の女性。約20年前から少し肩の上がりが悪くなって、だんだんそれを放置していると徐々に徐々に動きも悪くなり痛みが強くなったということで、当院に来られました。
当院に来られた時は、腕の上がりが前にしても90度ぐらい、そして横にあげる外転でも90度ぐらい。特に上の物を取るときにすごく痛みが出るということで困っておられました。
まずレントゲン検査とMRIを行いました。こちらのレントゲンでは特に目立った所見はありません。
こちらのMRIを見てもらうと、ちょうどこの丸いところ、これは腱板ですけども、こちらの白く写っているところ、こちらが腱板の損傷している部分であります。
この肩の場合は、完全に断裂はしていませんが、部分断裂といいまして腱の一部が切れている状態です。
まず肩の腱板断裂についてですけれども、スポーツや怪我をして肩の腱板が切れる場合と、何もしなくても年齢がいくと肩の腱板がすり減って自然と切れる場合があります。
そして腱板が完全に切れた場合は、腕が全く上がりにくくなってしまうことや、部分断裂といいまして、完全に切れてはないですが、一部が切れると動かす時に痛い、もしくは動かす時に引っかかるといった症状がみられます。
根本的な治療としまして、今まで保険診療ではこちらの肩に穴を3つくらいあけまして、小さな関節鏡というカメラをいれます。
そのカメラを見ながら、部分断裂したところを、糸で縫ったり、もしくは断裂が大きいところは、からだの他の部分の筋肉を持ってきて塞ぐという手術も行われます。
本来ならこの小さな傷のある腱板も関節鏡の手術をするのが理想ですけれど、実際ほとんど痛みがなければ整形外科のお医者さんも「このままちょっと様子見ておきましょう。もうちょっとひどくなれば手術しましょう。」ということが多いです。
つまり従来の治療法では、腱板損傷が少しあったところで、日常生活にほとんど支障がなくて痛みがないときには、そのまま放置することが多いです。
その傷が段々大きくなっていよいよ腕が上がらなくなったり、痛みが強くなると腱板損傷の関節鏡のカメラなどをすることが多いです。
ただ本来ならこの小さな傷も放っておくっていうのは、本当は良くないことです。その小さな傷を埋めることができるのが、再生医療ですね。手術をしなくても傷を防ぐことができるのですね。
その他に再生医療の良いところといえば、腱板が損傷して部分断裂したところをもう一度同じ腱で再生させることができます。
従来の治療法なら失った部分断裂したところは、傷を閉じるか、他の筋肉で埋め合わせをするかしかなかったのですが、再生医療ではこの失った腱板の部分を腱という組織で新しく再生されることができます。
この方の場合も、肩の腱板の部分断裂した場所に幹細胞を投与しました。
投与して約1ヶ月ぐらいで肩の動きが良くなり、それでいて90度から上に上げる時に引っかかり感があったのは全くなくなりました。その後、半年後にはほぼ正常に動くまで改善しました。
こちらの動画が幹細胞する前とした後の動画です。このように肩の腱板損傷に対して全く手術をしなくても、幹細胞による再生医療で腱板を再生させて、ほぼ正常に戻すことができます。
今回は肩の腱板損傷の部分断裂に対して、幹細胞を行った実際の症例を紹介させていただきました。
ありがとうございました。
Dr サカモト(坂本貞範)
腱板損傷は、再生医療により手術せずに症状の改善を目指せます
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