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国内初!次世代の再生医療とは? 傷ついた組織を集中的に再生する『分化誘導による再生医療(幹細胞治療)』

公開日:2024.01.24

解説:リペアセルクリニック理事長:坂本貞範 医師

 

Dr:次世代の再生医療とは従来の幹細胞を使った再生医療をより進化させて、治療効果を何倍にも高めることができる新しい再生医療となります。

今回は、次世代の再生医療について説明したいと思います。その前に、そもそも再生医療とはなんなのかっていう話からしていきましょう。

まず、再生医療の中でよく出てくる幹細胞という話から説明していきましょう。

私たちの体の中に、皮膚や血液のように一つ一つ細胞の寿命が短いものは絶えず入れ替わりが行われているんです。

寿命がきて細胞が死んだとしても、それを新しい細胞で埋め合わせしてくれるんです。

この失われた細胞を、再び生み出して補充する能力をもったこの細胞のことを幹細胞と言います。

そうして今現在、日本国内の法律で行うことのできる再生医療は2種類あるんです。

一つ目は、今お話しした自分の体の中にある幹細胞を使うもの。そしてもう一つは、自分の血液を使うものとなります。

では、一つ目の幹細胞を使う再生医療について説明します。

幹細胞を用いた再生医療について

幹細胞は自分の体のいたる所に存在します。

脳の中や、心臓や肝臓などの臓器、筋肉、脂肪などといったいたる所にあるんです。一般的には、自分の体の中にある脂肪の中の幹細胞を使います。

脂肪なら、簡単に取り出すこともできますし、脂肪の中にある幹細胞は色々な組織に変化できる細胞ということでとても注目されているからです。

自分の体から脂肪を少しだけ取り出して、細胞加工室というところで脂肪の中にある幹細胞を取り出し、ある一定の数になるまでその幹細胞を培養し、それを点滴や局所に注射をして体に戻すという治療になります。

例えば、変形性膝関節症で軟骨がすり減ってしまった所に投与をすると、軟骨が再生されたり、脳梗塞の後遺症に対して点滴でこの幹細胞を投与することで、麻痺や痺れ、口語障害などを回復させるといった根本治療が可能となります。

この幹細胞による再生医療によって、膝や股関節の変形性関節症、膝の半月板損傷、肩の腱板損傷、首や腰などのヘルニアや脊柱管狭窄症、脊髄損傷、その他脳卒中や糖尿病、肝炎、脂肪肝、肝硬変などの疾患に対しても、根本的な治療が出来るということが大きな特徴となります。

従来の保険診療では、どうしても手術や薬による対症療法が基本となってしまいます。

つまり、関節の軟骨がすり減って痛みが強くなると人工関節の手術になったり、肩の腱板損傷に対しては断裂した鍵板を糸で結んだり、酷くなると人工関節の手術となってしまいます。

脳梗塞やヘルニアの後遺症に対しても、痺れや痛みに対しては薬を飲むか、また筋力が落ちてしまった場合でも、リハビリを継続しながら自然な神経の回復を待つことでしか方法はなかったんですね。

そういった意味でも、根本治療を目指せる幹細胞による再生医療は世界的に医学会でも、とても注目されている治療法なんです。

血液を使った再生医療について

そして二つ目の血液を使った再生医療、これはPRPと言いまして、採血の時みたいに注射器で血液を取り出して、遠心分離機という機械で血小板や成長因子といった血液内の成分を凝縮して、集めたものになります。

このPRPは、整形外科や美容、歯科、産婦人科の分野で主に使われています。

整形外科なら関節や腱鞘炎などに、美容ならですね直接顔に打つ、歯科ならインプラントの土台となる顎の骨を増やしたりとか、産婦人科なら不妊症の治療にも使われております。

ただ、PRPには幹細胞は入っていませんので、例えば変形性膝関節症で軟骨がすり減った所に投与しても軟骨を増やすことはできません。

このように、PRPは保険診療で行うヒアルロン酸注射と同じように、痛みを取るための対症療法となります。

自由自在に変化してくれる幹細胞

ひとつ目の幹細胞による再生医療では、体に入れた幹細胞が傷ついた所に集まって、そこの傷ついた組織に変化して再生させてくれる治療となります。

つまり幹細胞は神経の再生なら神経に、血管の再生なら血管に、軟骨の再生なら軟骨にという風に自由自在に変化してくれるんですね。

これが今現在、国内で行われている幹細胞による再生医療となります。

次世代の再生医療とは

しかし、ここで体に投与された幹細胞が傷ついた所に集まって、傷ついた組織だけを集中的に沢山再生してくれるととても効率がいいですよね。

これを可能にしたのが、次世代の再生医療となります。

この幹細胞は、傷ついた所に集まって傷ついた組織に変化することを分化と言います。つまり分化とは、幹細胞が血液や血管、軟骨や骨などと色々な組織に変化することを言います。

次世代の再生医療では、傷ついた組織がですね沢山再生できるように、この分化を誘導することができるんですね。

まとめると、次世代の再生医療とは幹細胞を特定の組織に分化するように誘導することができ、その分化誘導をすることで、目的とする組織への再生能力を高めることが可能となった画期的な新時代の再生医療となります。

そして、この分化誘導の過程において化学物質を使用したり、遺伝子操作などは一切行っておらず、私たちが本来持っている細胞の力を利用しており、安全性においては特に問題なく安心して治療を受けることが出来ます。

いずれ幹細胞を使った再生医療は、このような分化誘導が出来るように進化するだろうと言われていましたが、リペアセルクリニックでは2023年12月に国内で初めてこの次世代の再生医療による治療を厚生労働省に届出し、受理されました。

次世代の再生医療を使った関節の治療

では、具体的に次世代の再生医療を使った関節の治療について説明したいと思います。

まず、変形性膝関節症や変形性股関節症の場合、どのようにして関節の痛みが出るのかを説明したいと思います。

まず、関節の構造を説明します。関節には軟骨があり、その軟骨の下には軟骨下骨という骨があります。その軟骨には神経が存在しないため痛みは感じませんが、軟骨下骨には神経は存在するため痛みを感じます。軟骨がすり減ることで、その軟骨の下にある軟骨下骨が損傷して初めて痛みが出現します。つまり関節の痛みの大きな原因として、この軟骨下骨の損傷がとても深く関わっているんです。

そして、軟骨下骨には軟骨を作るための土台になるという大切な役割があります。軟骨下骨があることで、その上に軟骨が再生されるわけです。この軟骨下骨という土台が、損傷していたり欠損していれば幹細胞治療の際にどれだけ多くの幹細胞を投与しても、軟骨を思うように再生させることが難しくなります。

もう少しわかりやすく、土台となる軟骨下骨が再生されないと軟骨が再生されないかを、畑の土壌とそこで獲れる作物の収穫量との関係に例えてみましょう。

畑の土壌を軟骨下骨、獲れる作物を軟骨とします。畑の土壌の面積が大きければ大きなほど、獲れる作物の量はその分たくさん収穫できますよね。そして、土壌がないところでは作物は育ちません。

関節の軟骨の再生も同じことが言えます。

土壌である軟骨下骨が再生されなければ、その上にできる作物である軟骨は再生されません。つまり、どれだけ多くの面積の軟骨下骨を再生させるかで、その上に再生される軟骨の量が決まってくるのです。

従来の幹細胞治療では、関節内に投与された幹細胞の一部分しか、軟骨下骨や軟骨の再生に使われていませんでした。

そこで次世代の分化誘導による関節の再生医療では、まず軟骨の土台となる軟骨下骨がたくさん再生できるように、幹細胞を分化誘導します。その結果、軟骨下骨がたくさん再生されることで、従来の再生医療と比べて、より多くの軟骨を再生することが実現可能となりました。

そしてもうひとつ、次世代の分化誘導による関節の再生医療では、半月板損傷や骨壊死や靭帯損傷に対しても高い治療効果を発揮します。

次世代の再生医療では、従来の再生医療に比べて約20倍〜30倍の強さで炎症を抑えることができるのです。強い抗炎症作用になって、幹細胞による半月板の再生が促進されるのです。

どういうことかと言いますと、本来幹細胞には、炎症を抑える効果というものもあります。投与された幹細胞の一部分は、炎症を抑えることに使われます。

それに対して次世代の再生医療では、従来の幹細胞よりも強い抗炎症作用があることで、炎症を抑えることに使われる幹細胞がとても少なくて済むんです。

その結果、投与された幹細胞のうちの大部分の幹細胞が、半月板や骨壊死、靭帯損傷の再生に集中して使われることが可能になったんです。その分治療効果も高くなります。

また、ほとんどの半月板損傷では同時に軟骨の損傷も多く見られます。

この軟骨損傷は、放置しておくと徐々に徐々に拡大して、関節の変形へと進行していきます。

従来の関節鏡の手術では、半月板の切除や縫合などの対症療法となる治療は行いますが、同時に、損傷してる軟骨を修復する方法はなかったです。

しかし、幹細胞治療においては半月板と軟骨を同時に再生させる根本治療が可能となりました。

傷ついた組織を集中的に再生する次世代の再生医療!まとめ

今回は、次世代の再生医療についてお話をしました。

こちらの動画では、なぜリペアセルクリニックが選ばれるのかについて、具体的な幹細胞の培養の仕方を交えて、わかりやすく説明しておりますので合わせてみていただくと、より再生医療のことが深く理解できると思います。

今後ますます再生医療が発展していく中で、リペアセルクリニックでは次に新しい技術や、情報などを、どこよりもいち早く取り入れてさらなる高い治療効果を求め、治せなかったものを治せるようにと目指して、今後も治療に専念していきたいと思っております。

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ありがとうございました。

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リペアセルクリニックは、2023年12月に国内で初めて、「次世代の再生医療(幹細胞治療)」での治療を厚生労働省に届出し、受理されました。次世代の再生医療とは、これまでもご好評いただいていた再生医療(幹細胞治療)を更に改良したものです。

その特徴は、目的(傷んだ部分)とする箇所に対し、集中的に幹細胞を「誘導」させることで効果を最大に引き上げる『分化誘導』型の再生医療(幹細胞治療)を開発したことにあります。

幹細胞治療は、傷ついた組織の再生を促進させることで改善を即すものですが、「次世代の再生医療(幹細胞治療)」では、幹細胞の持つ特徴の1つである「様々な組織に変化する力『分化する力』」を強化。 神経・血管・筋肉・軟骨・骨などさまざまな組織の修復や再生を行います。

これによって従来、自然治癒が難しいとされていた損傷に対して治療が可能になりました。

  • 『分化誘導による再生医療(幹細胞治療)』
  • 軟骨再生の土台となる軟骨下骨の再生を分化誘導することで即します。
  • ・軟骨下骨がたくさん再生されることで、軟骨再生の土台がしっかりと出来上がります。
  • ・これにより、従来の再生医療(幹細胞治療)より多くの軟骨が再生可能となります。
  • ・更に、半月板損傷・骨壊死・靭帯損傷などにも高い治療効果を発揮します。
  • ・従来の再生医療に比べて、約20〜30倍の抗炎症作用により、痛みの減少などにも役立ちます。

このように「次世代の再生医療」とは、幹細胞を特定の組織へ分化するように誘導させることで 治療したい組織への強い働きかけを可能にする方法です。

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