症例紹介case introduction

紹介している症例は一部の患者様で、掲載以外の症例も多数ございます

左肩腱板損傷 幹細胞治療 60代女性

公開日:2025.02.17

幹細胞治療で肩の痛みが消失!60代女性

こちらの患者様は3年前から出現した左肩の痛みで当院を受診していただきました。

近くの整形外科を受診し肩関節拘縮とMRI撮影で腱板の部分断裂と診断されました。リハビリによる可動域訓練を行ってきましたが、拘縮と疼痛が続いており再生医療に興味をもたれ当院を受診していただきました。

主治医からは、関節鏡による腱板縫合術を勧められたそうです。しかし手術には踏み切れず、再生医療を受けてみたいと希望し受診していただきました。

肩関節は腱板が機能することにより上腕骨頭が関節窩(受け皿)に押しつけられ安定します。腱板が損傷すると、その安定性が失われ肩の挙上困難や痛みの原因となります。拘縮とは肩関節が固まって動きにくくなることで、その原因は痛みがあるため肩を長期間動かさなかったことです。この拘縮が痛みを悪化させ治療期間を長くしてしまいます。治療期間を長引かせないためには早期に痛みの原因を治療し、可動域訓練のリハビリを開始しないといけません。

保険診療ではこちらの患者様に対して関節鏡による腱板縫合術と関節解離術を行われると思います。腱板縫合術はアンカーを用いて断裂した腱板をもとの位置に縫着することです。関節解離術は麻酔をして用手的に固くなった関節包をはがすマニピュレーションを行ったり、関節鏡視下に特殊な器具を用いて関節包を関節の内側から焼き切ることを行います。

関節鏡による手術傷口は1㎝ほどのものが数か所できるだけで体への負担は少ないものとなります。しかし、縫合した腱板は再断裂のリスクが高くなります。手術後の数週間は縫着した腱板の安静を図るため装具固定を約6週間行います。そのため関節解離術を行っても固定期間中に関節包が再度癒着して拘縮が悪化してしまう恐れがあります。私自身も過去、腱板の手術を多く行なっていましたが、やはり再断裂の問題や、術後の拘縮という合併症がある一定数の方がおられ、せっかく手術をしたのに、逆に痛くなったという声もよく聞きました。整形外科医の中でも、肩の手術はむずかいというのが定説となっています。

一方、幹細胞は強力な組織再生作用をもっているため、注射するだけで損傷した腱板を再生・修復に導き、装具固定の必要もなく早期にリハビリを開始できます。当院では幹細胞投与治療と同時に、拘縮がある患者様にはエコーを使って、伝達麻酔下でのマニピュレーションを行い、拘縮に対しても治療を同時に行います。

当院では現在まで10,000例の症例のうち、腱板損傷に対しての幹細胞治療の症例数は500例以上にも及び、その治療効果は手術と同等かそれ以上を実感しています。

その理由は腱板を縫着する手術と違い、腱板自体を再生させるので再断裂のリスクがないことと、装具固定の必要がないため拘縮の悪化のリスクがないことが挙げられます。

治療の具体的な方法としまして、局所麻酔を用いて下腹部1㎝ほど切開し、米粒大の脂肪組織を3粒程度採取します。そして脂肪の中にある幹細胞を培養し、エコーガイド下に損傷した腱板に注射します。

一番大切なのは、投与する幹細胞の生存率です。当院では、国内では珍しい、冷凍せず培養する方法で、さらに、当院独自の培養方法で、オンリーワンの強い幹細胞を使用します。詳しくはこちらで説明しています。

 

MRI

左肩腱板損傷 幹細胞治療 60代女性
幹細胞投与前のMRIでは棘上筋腱の関節包側の部分損傷を認めました。

 

<治療効果>左肩に5000万個細胞を計2回投与+PRP

まず伝達麻酔下にマニピュレーションを行い、拘縮を取り除きました。その後5000万個の幹細胞をエコーガイド下にて、損傷した腱板部に、画像診断にて的確な位置に、2回投与しました。

投与4か月後には投与前の痛みが10点中4点であったのが1点に軽減しました。投与2年後には痛みは消失し、腕はどの方向にもに可動域制限なくスムーズに動くようになり、日常生活や趣味を何不自由なく楽しむことができるようになっていました。

また、MRI腱板の再生が確認できました。状態からして、このまま、様子を見れば、今後、痛みは完全に消失すると思われます。

 

<治療費>
・関節1部位  幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 
 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個
・PRP治療  16.5万円( 税込 )
<起こりうる副作用>
・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。
・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。

※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。

 

再生医療医師監修:坂本貞範

手術しなくても治療できる時代です。

肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

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