インフォメーション
LICENSE厚生労働大臣許可医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 承認済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「変形性関節症」「脳卒中」「糖尿病」「肝障害」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与を再生医療安全確保法のもと、自由診療にて提供しています。再生医療とは、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、厳しく審査が行われ、治療の妥当性・安全性・医師体制などが適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができます。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療は限界ではないだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んだり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼び、おすすめしています。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないおすすめの治療方法です。
- 1億の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
できなくなったことを、再びできるように
わたしは医学部卒業後、大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院で関節や脊椎の疾患、脊髄損傷などの外来や手術に従事しました。また、救命救急センターで脳卒中や心疾患などの内科疾患を幅広く経験しました。
膝や股関節の人工関節については専門病院で約1000例以上の手術とリハビリを手掛け、その後生まれ育った地元でクリニックを開業いたしました。開業してからも患者さまの痛みや苦痛を少しでも和らげ、人生をより楽しく、明るい気持ちで過ごしてもらいたいという思いを持ち続けて診療を行い、地域の皆さまに愛される医療を目指し在宅医療や訪問看護にも力を注いで参りました。
そんな道を進みながらも、わたしは常に患者さまにどうやったらより質の良い医療を提供できるだろう、という思いを抱き続けて模索を繰り返していました。やはり保険診療の範囲では限界があり、患者さまの生活の質を一定以上回復させることは叶わないからです。
そんな時に再生医療と出会い、新たな可能性を見出すことができました。
再生医療の凄いところは、安全性を担保しながら治療を行う事が出来、しかも一般的には治療が難しいと言われる症状に対しても劇的な回復を見込めるという事です。脳血管疾患や脊髄損傷などで深刻な後遺症を持つ方がみるみる回復していく様に、わたし自身も驚きの連続でした。
また、膝、股関節、肩など関節疾患により大好きなスポーツが出来なくなった方が復帰されたり、手術をするしか選択肢がなかった方に、手術に代わる新たな選択肢をご提供する事が出来るようになった事で、多くの患者さまから「この治療を受けて本当によかった」と大変喜ばれております。
「これ以上回復させることはできないのが常識」という概念を覆したのですから、本当に凄いことです。もちろん再生医療は不治の病を全て治すことのできる万全な治療ではありません。しかし、一般的な医療の効果をはるかに超えて結果を出せる可能性がある事を、わたしはたくさんの実績を通して確信に変えています。
そしてもちろん、脳血管疾患や脊髄損傷、整形外科分野の疾患においてリハビリも欠かせない大事な要素の一つです。再生医療×リハビリの相乗効果で回復の幅がかなり広がることでしょう。
再生医療は、わたしが求め続けていた「人生をより楽しく、明るく過ごしてもらいたい」という医療に対する思いそのものだと感じました。現在も日々たくさんの方々にご来院いただき、たくさんの笑顔を見ることが叶っています。患者ご本人さまやご家族が泣いて喜ぶ瞬間は、何度立ち会っても感慨深く、私の原動力になっております。
再生医療における無限の可能性
再生医療の治療は、幹細胞という細胞を用いて行う治療です。幹細胞はとても小さく、身体の中をすみずみまで巡り、人の手の及ばない細かな箇所にもアプローチしてくれるものですので、この治療はまだまだ無限の可能性を秘めており、今後も様々な症例が報告されることでしょう。様々な疾患で苦しむ方の希望になるだろうと、わたしは思っています。
また、当院では患者さまご自身の細胞を使いますので安全に治療をお受けいただけます。どうか安心してご来院ください。
「できなくなったことを再びできるように」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることのお手伝いができれば幸甚の至りでございます。
医療法人美喜有会理事長 坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
略歴
- 1997年3月
- 関西医科大学 医学部卒
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
- 1998年5月
- 大阪社会医療センター附属病院 勤務
- 1998年9月
- 大阪府立中河内救命救急センター 勤務
- 1999年2月
- 国立大阪南病院 勤務
- 2000年3月
- 野上病院 勤務
- 2003年3月
- 大野記念病院 勤務
- 2005年5月
- さかもとクリニック 開設(2023年3月譲渡)
- 2006年12月
- 医療法人美喜有会設立 理事長就任
- 2019年6月
- リペアセルクリニック大阪院 開設
- 2021年5月
- リペアセルクリニック東京院 開設
- 2023年12月
- リペアセルクリニック札幌院 開設
主な医学論文•学会発表
- 論文名:透析患者に対する鏡視下手根管開放術の費用と手術手技
論文掲載:日本透析医学会雑誌(1340-3451)37巻Suppl.1 Page770(2004.05) - 論文名:IBBC手技を使用したTKAの中期成績
論文掲載:日本人工関節学会誌(1345-7608)30巻 Page35-36(2000.12) - 論文名:寛骨臼巨大骨欠損の再置換法とその成績 同種骨による欠損壁の修復と水酸アパタイト顆粒による空洞の修復
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻2号 Page S319(2000.02) - 論文名:骨セメントと骨界面に水酸アパタイト顆粒を介在させる界面バイオアクティブ骨セメント手技(IBBC)
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻3号 Page S666(2000.03) - 論文名:外反母趾手術chevron法に対するPLAの使用経験
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)42巻1号 Page241-242(1999.01) - 論文名:亜急性に経過した膝蓋骨骨髄炎の1例
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)41巻4号 Page1107(1998.07)
当院で再生医療を
サポートする専門医
藤間 保晶 院長
Yasuaki Toma
略歴
- 1995年3月
- 三重大学医学部学科卒業
- 1995年4月
- 奈良県立医科大学 整形外科入局
- 1996年1月
- 奈良県立奈良病院 救命救急センターおよび麻酔科(救急医療、麻酔)
- 1997年1月
- 三重県大台厚生病院 整形外科(へき地医療)
- 1998年1月
- 大阪松原市立病院 整形外科
- 2000年1月
- 済生会富田林病院 整形外科
- 2002年1月
- 奈良県立三室病院 整形外科
- 2004年7月
- 済生会奈良病院 整形外科
- 2006年7月
- 市立奈良病院 整形外科
- 2008年7月
- 国立病院機構奈良医療センター 整形外科・リハビリテーション科
- 2017年1月
- 市立奈良病院 整形外科・リハビリテーション科
- 2019年4月
- 石心会(新東京石心会)グループ さいわい鶴見病院 関節外科
主な医学論文•学会発表
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論文名:Early bone in-growth ability of alumina ceramic implants loaded with tissue-engineered bone再生培養骨を導入したアルミナセラミックス製インプラントの早期骨形成能について
著者:Tohma Y, Tanaka Y, Ohgushi H, et al.
論文掲載:Journal of Orthopaedic Research 24(4): 595-603, 2006. -
論文名:Bone marrow-derived mesenchymal cells can rescue osteogenic capacity of devitalized autologous bone自家培養骨髄由来間葉系細胞による壊死骨の骨形成能救済技術の開発
著者:Tohma Y, Ohgushi H, Morishita T, et al.
論文掲載:Journal of Tissue Engineering and Regenerative Medicine 2(1): 61-68, 2008. -
論文名:Basic and Clinical Research into Alumina Ceramic Artificial Joint Prosthesis loaded with Tissue-engineered Bone再生培養骨を導入したアルミナセラミックス製インプラントを用いた基礎研究および実際の人工足関節手術での治療成績
著者:Tohma Y, Tanaka Y, Ohgushi H, et al.
論文掲載:Tissue Engineering Research Trends, Nova Science Publishers, Inc.: 183-197, 2008.
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4. 論文名:骨への幹細胞移植
著者:藤間保晶, 大串始, 田中康仁, 他.
論文掲載:病理と臨床27(4): 367-371, 2009. -
5. 論文名:Osteogenic activity of bone marrow-derived mesenchymal stem cells (BMSCs) seeded on irradiated allogenic bone培養骨髄由来間葉系細胞による同種壊死骨の骨形成能救済技術の開発
著者:Tohma Y, Dohi Y, Ohgushi H, et al.
論文掲載:Journal of Tissue Engineering and Regenerative Medicine 6(2): 96-102, 2012. -
6. 論文名:再生医療におけるアログラフト
著者:藤間保晶, 大串始, 田中康仁
論文掲載:再生医療における臨床研究と製品開発. 技術情報協会:109-115, 2013. -
7. 論文名:Reg Gene Expression in Periosteum after Fracture and its In Vitro Induction Triggered by IL-6. 骨折後の骨膜に再生遺伝子(Reg遺伝子)が出現することを発見し、インターロイキン6により誘導されることを見出した研究
著者:Tohma Y, Dohi Y, Shobatake R, et al.
論文掲載:Int. J. Mol. Sci. 18(11): 2257, 2017. - ほか多数
渡久地 政尚
Masanao Toguchi
略歴
- 1991年3月
- 琉球大学 医学部 卒業
- 1991年4月
- 医師免許取得
- 1992年
- 沖縄協同病院 研修医
- 1994年
- 沖縄協同病院 外科 勤務
- 2000年
- 癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
- 2008年
- 沖縄協同病院 内科 勤務
- 2012年
- 老健施設 かりゆしの里 勤務
- 2013年6月
- 医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
- 2014年9月
- 医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
- 2017年8月
- 医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
所属学会
圓尾 知之
Tomoyuki Maruo
略歴
- 2002年3月
- 京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業
- 2002年4月
- 医師免許取得
- 2002年4月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2002年6月
- 関西労災病院 脳神経外科 勤務
- 2003年6月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2003年12月
- 大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務
- 2004年6月
- 大阪労災病院 脳神経外科 勤務
- 2005年11月
- 大手前病院 脳神経外科 勤務
- 2007年12月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2012年3月
- 大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)
- 2012年4月
- 大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教
- 2014年4月
- 大手前病院 脳神経外科 部長
加藤 秀一
Hidekazu Kato
略歴
- 1997年3月
- 埼玉医科大学 医学部 卒業
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 三重大学附属病院 整形外科 研修医
- 1998年4月
- 伊賀市立上野総合病院 整形外科 勤務
- 2000年6月
- 鈴鹿中央病院 整形外科 勤務
- 2001年6月
- 三重大学医学部大学院 整形外科学 勤務
- 2003年4月
- 医療法人山本総合病院 整形外科 勤務
- 2004年4月
- 三重県立総合医療センター 整形外科 勤務
- 2006年4月
- 四日市社会保険病院 整形外科 勤務
- 2008年4月
- 医療法人博仁会 村瀬病院 整形外科 勤務
- 2008年9月
- 医療法人美喜有会
- 2009年4月
- 医療法人美喜有会 整形外科みきゆうクリニック 管理者
症例紹介
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- ひざ関節の症例
- 半月板の症例
- 手関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
今回の治療もよく効いてうれしい!幹細胞治療の効果 こちらの患者様は、数か月前からの両膝関節痛と左手関節痛のため受診していただきました。 患者様は以前、両変形性股関節症のため人工関節置換術を勧められていましたが、当院での幹細胞治療により人工関節を回避でき現在も痛みなく日常生活を送られています。趣味のヨガ、水泳、旅行を楽しまれているとのことでした。今回は、両膝と左手関節の治療に来ていただきました。 診察の結果、両膝の初期の変形性関節症と半月板損傷、左手関節はTFCC損傷と診断しました。TFCCとは手関節の小指側にある靭帯と線維軟骨の複合体のことで、手をついて転倒し強い捻りと背屈が強制されると損傷します。 こちらの患者様は以前に手関節の骨折を受傷した既往があり、その時に同時にTFCCを損傷した可能があります。変形性膝関節症の軟骨破壊は炎症と半月板・ 軟骨などの組織変性によって進行すると言われています。炎症を抑えると共に損傷した組織を再生することができれば、関節鏡や人工関節などの手術までの時間を延長できたり回避できると言われています。一旦人工関節になると、耐用性の問題などからアクティブな活動がかなり制限されてしまうため、高い生活の質を確保すると言う意味では人工関節までの時間を延長することはかなり意義のあることです。 唯一、関節内の抗炎症作用と組織修復・ 再生作用を持ち合わせるのが細胞を用いた再生医療です。当院では再生医療の黎明期から肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節、足関節とすべての関節に対して積極的に幹細胞治療を行い、患者様に満足のいく除痛効果をもたらすと同時に手術を回避することを可能としてきました。 こちらの患者様にも幹細胞治療を行うと除痛効果はもちろんのこと、損傷した半月板、軟骨、TFCCを再生・ 修復し変形性関節症の進行を予防し、手術を回避できると考え、股関節同様に幹細胞治療をお勧めしました。 レントゲン所見 レントゲンでは両膝にはごく軽度の関節裂隙の狭小化を認めました。左手関節は尺骨がごくわずかに橈骨に比べて長いことがわかります。 <治療効果>両膝と手関節に計1億個の幹細胞を投与+PRP 右膝に6000万個細胞、左膝に3000万個細胞、左手関節に1000万個細胞を1回投与しました。 その結果、3か月後には右膝は投与前10段階中2であった痛みが0に、左膝は投与前1であった痛みが0に、左手関節は投与前6であったのが1まで軽減しました。 手関節の治療は、本来は難しいのですが、当院の冷凍せず特殊なシートで培養された生存率の高い幹細胞であるからここまで痛みが軽減したものと自負しております。 患者様には「前回の股関節の治療と同様に、今回の治療もよく効いてとてもうれしいです。」と喜んでいただけました。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回~)132万円( 税込 )~ ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T00028 再生医療医師監修:坂本貞範
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- がん後遺症の症例
- 幹細胞治療の症例
乳がん術後後遺症のしびれや胃腸障害、倦怠感が改善! こちらの患者様は10年前以上前からの食欲不振、下痢、足のしびれ、肩こり、頭痛、疲れやすさを主訴に受診されました。 症状が出現したきっかけは、乳がんの手術と抗がん剤治療を受けたためだと話していただけました。治療のおかげで命は取り留めたものの、その後は食欲不振、下痢などの胃腸障害、倦怠感などに苦しめられてきたそうです。もともとやせ型であったにもかかわらず体重は10kgも落ち、体力や気力がなくなったそうです。根本的な治療法はなく苦しみに耐えてこられましたが、幹細胞治療に希望を見い出し受診されました。 足のしびれの原因は抗がん剤の副作用の末梢神経障害と診断されましたが、その他の食欲不振、下痢、倦怠感の原因は乳がんの主治医からは、はっきりとはわからないと言われたそうです。末梢神経障害による足のしびれや肩こりが少しでも楽になるように、幹細胞の点滴予定させていただきました。 具体的には下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり目的の細胞に分化したり傷んだ部位・組織を修復することです。今回は、幹細胞が傷んだ末梢神経の神経線維や細胞を修復してくれることを期待して投与します。また副次的な効果で食欲不振、下痢や倦怠感が少しでも改善されたらという思いもありました。 当然ながら、点滴する幹細胞は生きていないと思うようなホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は冷凍保存せず投与するたびに培養しているため、2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%以上の生き生きとした強い細胞です。さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには、点滴する幹細胞の数も重要と考えています。当院の細胞培養は、細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで2億個以上の数まで細胞培養が可能です。一般的な医療機関での幹細胞点滴は一度に1億個投与ですが、当院では厚生労働省から一度に2億個の幹細胞を投与できる許認可を取得しています。これによって、一億個投与では現れない高い治療効果が期待できるようになりました。 投与後の変化 こちらの患者様には、幹細胞点滴を計4回点滴投与しました。 投与開始後2か月で両足のしびれが軽減、食欲が増進しました。 ・天ぷらやフライドポテトなどの油物を食べれるようになった ・外出しても疲れなくなり外出が楽しくなった ・運転に集中でき周りがよく見えるようになった ・友人との外食も疲れず楽しめるようになった ・食べ物に興味がなかったが外出して美味しそうな店を探すのが趣味になった などなど生活が激変し、喜びの声をいただきました! 既存の保険診療では治らなかったこのようなありとあらゆる変化に、幹細胞治療の可能性には驚かされました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回~) 242万円(税込)~ <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000917 再生医療医師監修:坂本貞範
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- 肩関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
悩まされていた辛い肩の痛みが注射だけで楽に 70代女性 こちらの患者様は、4年前から出現した右肩の痛みで当院を受診していただきました。 近くの整形外科を受診、MRI撮影で腱板断裂と診断されました。以後、関節注射や投薬による保存的治療を行いましたが、最近の疼痛は10点満点中10点と強くなり、さらに痛みで肩を動かさないでいた為、肩の拘縮が起こってしまったそうです。また夜間の痛みは強く、寝られない日々を過ごしているとのことでした。 主治医からは、関節鏡による腱板縫合術を勧められたそうです。しかし手術には踏み切れず、再生医療を受けてみたいと希望し受診していただきました。 拘縮というのは、肩関節が固まって動きにくくなることです。この拘縮が痛みを悪化させ、治療期間を長くしてしまいます。治療期間を長引かせないためには、早期に痛みの原因を治療し、可動域訓練のリハビリを開始しないといけません。厄介なことに腱板損傷は最初は小さな断裂から始まりますが、それを放置しておくと徐々に断裂部位は大きくなり、終いには縫合が不可能になってしまします。縫合が不可能な大断裂・広範囲断裂の場合には大腿部から筋膜を採取して橋渡ししたり、人工関節が必要になってしまう場合があります。確かに関節鏡による手術は、傷口は1㎝ほどのものが数か所だけで済み、体への負担は少ないです。しかし手術後は数週間の装具による患部の固定、装具を外した後は数か月のリハビリ、入院も必要になります。術後の装具固定による肩関節の拘縮の悪化や、縫合した腱板の再断裂のリスクもあります。一方、強力な抗炎症作用と組織再生作用を合わせもっている幹細胞は、注射するだけで強い炎症を抑え、腱板も再生され、早期にリハビリを開始できるなどメリットが多いと考えます。 当院では現在まで腱板損傷に対しての再生治療の症例数は600例以上にも及び、その治療効果は手術よりも効果が高いというデータが出ています。 具体的な幹細胞治療の方法は、下腹部から1㎝程の創で米粒大の脂肪組織を米粒大2~3粒ほど局所麻酔下に採取し、その中にある脂肪幹細胞を分離して培養します。その際、当院独自の分離シートを使用することで化学薬品を使用せず、強い幹細胞を育てることが可能となりました。一般的には、脂肪分解酵素という化学薬品を使用します。当院では、化学薬品などアレルギーの原因となるものを使用せず、あくまで自身の血液と細胞で幹細胞を培養することにこだわっています。エコーガイド下に損傷した腱板に的確に注射します。 MRI MRIでは棘上筋の損傷とそれに伴い腱板は炎症を起こし分厚く腫大、関節内には強い炎症を示唆する水腫を認めました。 <治療効果>右肩に2500万個細胞を計2回投与+PRP 2500万個の幹細胞投与を計2回を行いました。 投与半年後には、痛みは投与前10点であったのが3点に軽減し、快適な日常生活を送られています。今後は拘縮をリハビリで改善していくと、さらに痛みも取れていくでしょう。 幹細胞による痛みの経過としては、約半年ほどでほとんどの痛みは楽になります。時々見られるのですが、投与後半年後までは半分ほど軽快して、投与後1年経ってから劇的に痛みが取れるという症例もあります。 患者様には「数年間悩まされていた辛い痛みが、注射をするだけで楽になったのでうれしいです。可動域訓練も毎日続けています。」と大変喜んでいただけました。 幹細胞注射により強い炎症が抑えられ痛みが改善し、拘縮に対するリハビリを前向きに取り組んでいただけるようになりました。患者様を良い循環に導くことができてよかったと思っています。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回~)132万円( 税込 )~ ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000109 再生医療医師監修:坂本貞範
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- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
両変形性膝関節症に幹細胞治療 こちらの患者様は10年前からの左膝関節痛、1年前からの右膝関節痛のため受診していただきました。 南の島で漁師をしている患者様は、仕事で膝へ負担がかかり両膝の痛みが出たと自己分析しておられました。近くの整形外科では両膝の進行期の変形性関節症と診断されました。ヒアルロン酸注射や内服での保存的加療を行ってきましたが、最近は痛みが悪化し漁師の仕事に支障をきたすようになったそうです。 いったん人工関節をしてしまうと耐用性の問題、可動域の問題などから仕事復帰が難しくなるため、選択肢にはないそうです。まだまだ引退することを考えていない患者様は、再生医療を頼って受診されました。 当院の変形性膝関節症の幹細胞治療効果は、末期に至る前の初期、進行期であれば80%から90%の方に満足のいく結果を残せています。末期の方であっても70%から80%の方に満足いただいています。その良好な治療効果は、当院の細胞の質と量へのこだわりによるものと考えています。 当院では冷凍せず幹細胞を培養し、さらに投与する度に培養しているため細胞の生存率は90%以上を誇っています。国内のほとんどのクリニックでは一度に培養して幹細胞を一度冷凍し、投与する際に解凍する方法をとります。それでは解凍する際に幹細胞は大きなダメージを受け、生存率が60%まで低下し、さらに生きている細胞も弱々しいものとなります。 さらに米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで1億個以上の数まで生き生きとした細胞の培養が可能です。これは、細胞培養時に用いる独自の特殊なシートや繊細な技術をもつ培養師さんのおかげです。一般的なクリニックでは生存率60%の2千万個ほどの幹細胞を投与しているため、実際には生きている細胞は1000万個ほどになってしまいます。一方、当院では冷凍せず培養された生き生きした幹細胞を1億個まで投与可能です。幹細胞の数が多いほど多く軟骨が再生され治療効果が高いということは海外の臨床データで実証済みです。 さらにご自身の血液を用いてかつ不純物や化学薬品を排除して培養しているため、アレルギー反応や副作用の心配もありません。 レントゲン所見 レントゲンでは両膝とも内側関節裂隙の狭小化を認めました。左の方が狭小化は強いです。 <治療効果>左膝に7000万個細胞を計3回、右膝に3000万個細胞を計3回投与+PRP 変形と痛みが強い左膝には7000万個細胞を計3回、右膝には3000万個細胞を計3回投与しました。 その結果、初回投与から3か月後には、左膝は投与前10段階中で9あった痛みが3に、右膝も投与前3であった痛みが0まで軽減しました。 今後も1年ほどかけて、左膝の痛みは軽減していくと思われます。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~) 132万円(税込)~ ・PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 ID T000139 再生医療医師監修:坂本貞範
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女性に多い肝臓の病気|症状・検査・治療法を解説します 「飲酒はほとんどしないし、脂肪肝も肝炎ウイルスの感染も指摘されたことがない。それなのに血液検査で肝臓の数値が高くなっていると言われた。」 それは、もしかしたら自己免疫性肝炎かもしれません。 自己免疫性肝炎は人体のなかで最大の臓器である肝臓に起こる病気で、特に女性に多く認められます。初めは異常に気が付きにくいことも多いです。しかし、放置すると肝硬変・肝不全・肝がんという重大な病態に至ることもあります。 なぜ自己免疫性肝炎は起こるのでしょうか。注意するべき症状はあるのでしょうか。どのような検査が必要で、どんな治療法があるのでしょうか? この記事では、自己免疫性肝炎の原因や疫学、また症状や検査・内科的治療について解説します。 女性に多い自己免疫性肝炎とは(肝障害の原因) 自己免疫性肝炎は、一般的に慢性に進行する肝障害をきたす病気です。 発症は60歳ごろがピークとされ、中年に多いとされています。男女比は1:4.3と、男性よりも女性に多いことがわかっています。日本には3万人強の患者さんがいると推定されています。 自己免疫性肝炎は国の定める指定難病です。一定の重症度を満たす場合は医療費が公費補助の対象となります。 自己免疫性肝炎の原因と合併症 自己免疫性肝炎の原因はまだ完全に明らかになっていません。しかしながら、さまざまな要素から、免疫が自身の身体を攻撃するために起こる「自己免疫疾患」と考えられています。実際に、自己免疫性肝炎では肝臓に免疫細胞が多く集まり炎症をきたしている所見が確認できます。 アルコールを全く摂取しない人でも、ウイルス性肝炎を起こすB型肝炎やC型肝炎の感染がなくても、この病気を発症することがあるのです。 特定の遺伝因子を持つ人が発症しやすいと言われています。しかし、一般的に行われている検診などで発症のしやすさを判定することはできません。また、家族内での発症も多くはないとされています。 自己免疫性肝炎は他の自己免疫疾患との合併が多く認められます。 たとえば下記のような疾患を患っている方は自己免疫性肝炎も発症するリスクが高まります。 〈自己免疫性肝炎に多い合併症の例〉 ・慢性甲状腺炎(橋本病) ・首が腫れる ・無気力になる ・体重が増える ・甲状腺に炎症が起こり機能低下する ・シェーグレン症候群 ・目が乾く ・唾液が出にくく、口が乾燥する疾患 ・関節リウマチ ・手、指などの小関節を中心とした腫れ ・痛み、こわばりなどを起こす疾患 自己免疫性肝炎の症状|セルフチェックは難しい? 残念ながら、「この症状があれば自己免疫性肝炎が疑われる」という特徴的なものはありません。 早期に発見される契機 は、無症状のまま健康診断などで肝障害を指摘されることが多いです。肝臓は別名「沈黙の臓器」と呼ばれています。肝障害は、自分では早期に 気が付きにくいのです。 一方で、急激な経過をたどる場合は以下のような自覚症状を認めること があります。下記の症状は自己免疫性肝炎に特異的ではありませんが、複数のものが該当する時は急激に進む重度の肝障害が起こっている可能性があるため早期に受診しましょう。 〈急性肝炎として発症する場合の症状の例〉 ・全身倦怠感 ・だるい感じがする ・易疲労感 ・ちょっとしたことでつかれやすい ・食欲不振 ・食欲低下のため食事が摂れない ・黄疸 ・全身の皮膚や白眼が黄色くなる ・尿の色が濃くなる また、一部の方は気付かない うちに病状がかなり進行して、肝硬変をきたしていることがあります。 自己免疫性肝炎の診断に必要な検査 様々な検査を行い、総合的に診断をします。 まず、血液検査で肝臓の障害があるか、またその程度を判断します。 ①AST(GOT)/ALT(GPT) ・健康診断でよく見る AST(GOT)/ALT(GPT)の上昇が参考になる所見です。 ・肝臓の機能に何らかの異常がある可能性を示しています。 ②IgG・自己抗体検査 ・免疫の関連の検査としてIgG(免疫の成分である抗体の量を見る検査)。 ・いくつかの自己抗体(自分の体を攻撃する抗体についての検査)も重要です。 ③B型・C型肝炎ウイルス検査 ・肝臓にダメージを与えるB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなどの感染の有無 ④画像検査 ・エコー、CTなどの肝臓の画像検査も必須です ・肝障害をきたす脂肪肝などの他疾患の有無、肝臓の硬さ、悪性腫瘍(とくに肝がん)の合併の有無を評価 ⑤肝生検 ・診断において特に重要なのは肝臓の組織の検査、肝生検です ・肝生検には経皮的肝生検と腹腔鏡下肝生検という2つがあります ・多くの場合は体に負担の少ない経皮的肝生検が行われます ・経皮的肝生検では実際にエコー下に肝臓を確認しながら、細い針を刺して組織を採取する ・出血などのリスクがある検査で終了後の安静が必要であるため短期間の入院が必要です ・肝生検で採取した組織は特殊な染色を行い、顕微鏡で観察します。 ・これにより、どこにどのような炎症があるか ・肝細胞のダメージはどうか ・肝臓の硬さ(線維化) ・進行具合などを確かめることができる 自己免疫性肝炎で特徴的なのは、インターフェイス肝炎(Interface hepatitis)と呼ばれるものです。 肝臓へ血液を運ぶ肝動脈、門脈や胆汁を運ぶ胆管が集まった「門脈域」に、リンパ球や形質細胞(一部のリンパ球が成熟した細胞)などの炎症細胞が集まります 周囲の肝細胞を破壊しながら炎症がさらに広がっていく様子が認められます このような所見は全例で見られるわけではありませんが、認められれば診断への重要な手掛かりとなります 肝生検は他の原因を除外し、自己免疫性肝炎の診断を確実にするために重要視されている検査です ただし、患者さんの体の状態が悪く、肝生検が安全ではない ケースには行いません 自己免疫性肝炎の治療法と副作用 治療の基本はステロイドです。 ステロイドは副腎皮質という臓器から分泌されるホルモンをもとにつくられた薬剤です。強力な抗炎症作用や免疫抑制作用をもつため、自己免疫性肝炎をはじめとする様々な自己免疫疾患の治療に用いられています。 プレドニゾロンというステロイドホルモン薬を体重1Kgあたり 0.6mg以上で開始します。例えば50Kgの人は1日あたり30mg以上が開始量です。重症度に応じてもっと多い量を使用することもあります。 開始後は、最低でも2週間程度は初期量の継続が必要です。以降は肝機能の数値(主にALT)を見ながら徐々に減量します。急いで減量・中止すると、再燃のリスクがあるからです。 他に、肝機能の改善を助けるウルソデオキシコール酸が処方されることがありますます 。また、治療困難例やステロイドを多く使えない場合にはという免疫抑制薬がステロイドと併用で用いられることもあります。 最も頻繁に使われるステロイドですが、長期に大量に使用すると様々な副作用をきたします。以下に副作用の例をご紹介します。 〈ステロイドの副作用の例〉 ・感染状態 ・骨粗鬆症 ・食欲亢進 ・高血圧、脂質異常、糖尿病などの生活習慣病の出現や悪化 ・体重増加、肥満 ・躁状態、うつ状態、不眠などの精神神経症状 ・消化管潰瘍 ・緑内障、白内障 副作用がないか適宜検査を行い、予防可能なものには対策をしていきます。気になる症状があれば主治医と相談をしましょう。 日常生活を送る上で気をつけること 日常生活では、栄養バランスの取れた食事をとり間食を控えることが大切です。また、外出時には人混みを避け、手洗い・マスク着用・うがいなどの感染予防行動を徹底しましょう。 注意しておきたいのが、続発性副腎機能不全です。ステロイド薬の内服により引き起こされた副腎皮質ホルモンの不足のことを指します。 生理的な量を超えるホルモンを長期で内服すると、副腎は本来のホルモン分泌を怠るようになります。長期内服者が薬を自己中断してしまうとホルモン不足が起こるかもしれません。また、手術や重症感染症のときにもステロイドの必要量が増えるのに十分量 が分泌できないため、対策が必要です。 副腎皮質機能不全となるとだるさ・脱力感・血圧低下・吐き気・嘔吐・発熱などの症状が認められます。重症になると意識を失ったりショック状態になったりすることもあるのです。 ステロイドを自己判断で減量、 中止をしてしまうと、病状悪化だけでなく命に関わる副腎機能不全をきたすリスクもあります。そのため、必ず医師の指示通りに内服をしてください。 進行するとどうなる?悪化を防ぐために 自己免疫性肝炎の多くは治療が有効である一方、最初は軽症でも放置をすれば命に関わる事態になります。 自己免疫性肝炎を放置すると炎症が沈静化せず、肝臓の線維化が進みます。肝臓の線維化が進行し、 固くなった状態が「肝硬変」です。 肝臓では栄養素の代謝やエネルギー貯蔵、有害物質の分解や解毒などが行われていますが、肝硬変が進むとその機能障害が起こります。肝臓の働きが大きく損なわれてしまった状態を「肝不全」と呼びます。 さらに、肝硬変は肝がんの発生が起こりやすいこともわかっています。肝がんは治療しても再発しやすい厄介ながんです。 肝硬変・肝不全・肝がんへの進行を防ぐのに重要なのは、早期から適切な治療を受けることです。自己免疫性肝炎では、治療により AST,ALT を基準値内に保つことができれば生命予後は良好とされています。 自己免疫性肝炎についてよくある質問 ここまで自己免疫性肝炎について記してまいりましたが実際に患者様からよくお聞きする質問から以下を抜粋いたしました。 Q:自己免疫性肝炎では、最終的にステロイドを止めることはできますか? A:経過によっては中止することが可能ですが、全員ではありません。中止できる場合も、多くの場合は年単位の時間がかかります。 また、中止した場合には再燃をするリスクもあります。減量や中止については個々のケースで大きく異なるので、主治医とよく相談するのが良いでしょう。 Q:原発性胆汁性胆管炎という病気も肝臓の自己免疫疾患と聞きましたが、違いはなんですか? A:どちらも中年以降の女性に多い自己免疫性疾患ですが、障害が起こる部位が異なります。自己免疫性肝炎では、肝細胞の障害が中心です。 原発性胆汁性胆管炎で起こるのは肝臓内の胆汁が通る管(胆管)の破壊です。そのため、胆汁の流れが滞り、ALPやγ-GTPなど胆道系酵素や黄疸 をきたすビリルビン値の上昇が目立ちます。 進行すると黄疸や皮膚のかゆみを生じます。こちらの病気も放置すると肝硬変へ進展します。各種検査で自己免疫性肝炎との鑑別を行いますが、2つの病態が合併していることもあります。 自己免疫性肝炎の症状・診断・治療のまとめ 心配な時は内科受診を! 自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありませんが、時にだるさや黄疸などをきたすことがあります。無症状で発見されることも多いです。 診断は血液検査・画像検査などを総合的に判断して行います。組織の検査は非常に重要とされています。 治療の第一選択薬はステロイドです。副作用も多いですが、対策をしながら長期に使用します。自己免疫性肝炎を放置すると命に関わる「肝硬変」に進展するため、診断を受けたら定期的に通院をして服薬 を続けてください。 健康診断で肝臓の数値が高いと言われた方や、肝臓が悪い時の症状に思い当たることがある方は、まずは医療機関で 精査を受けましょう。 No.9 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献 厚労省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班. 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン2021年 厚労省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班. 患者さん・家族のための自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック第2版 難病情報センター 自己免疫性肝炎 難病情報センター 原発性胆汁性胆管炎
最終更新日:2024.05.22 -
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肝臓に血管腫疑い!?その時どうすべき?内科医が解説 人間ドックなどの検査で急に「肝血管腫疑い」と言われたら、不安になりますよね。 肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性腫瘍です。基本的には消化器内科で診てもらう病態になります。 無症状かつ小さな病変であれば基本的に治療は不要ですが、定期的な検査が推奨されており、万が一有症状になった場合には治療の検討も必要です。 この記事では、皆さんが肝血管腫について正しい知識を得られるよう解説していきます。 肝血管腫とは? 先にも述べましたが、肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性の腫瘍です。肝臓は元々血管が多い臓器のため、血管腫ができやすいとされています。 肝血管腫は、「海綿状血管腫」と「血管内皮種」の2種に大きく分けられますが、ほとんどの症例は前者と診断され、そして臨床上問題を生じるのもほとんど前者となっています。 基本的には無症状のため、昔は剖検で見つかることが多かったのですが、近年の画像診断技術の発展に伴い、他の病気を探すための検査や人間ドックなどで偶然発見されることが多くなりました。基本的には消化器内科で診てもらう病態です。 成人の発生頻度は5%程度とされ、一般的には男性に比べて女性にやや多いと言われています。 肝血管腫の原因やリスク因子 肝血管腫が形成される原因は明らかになっていませんが、先天的な要素が大きいと考えられています。 乳児期に肝血管腫が生じる場合もありますが、通常は自然に消失していきます。 成人になって肝血管腫が発見された女性患者の調査報告では、女性ホルモン補充療法を施行した女性において肝血管腫の増大が見られ、結果として女性ホルモンとの関連が示唆されました。 女性ホルモンが実際にどのように肝血管腫に影響を及ぼしているのかまでは未だはっきりと解明されていませんが、妊娠や女性ホルモン療法は肝血管腫増大のリスクになり得ると考えられています。 ピルの服用が肝血管腫を増大させるかに関してとある研究がなされましたが、そちらでは有意に増大させないとの結果でした。ただし、ピルの長期服用は肝機能障害や肝腫瘍のリスクを上昇させる上、ピルと肝血管腫増大の関連を考える報告があるのも事実です。 肝血管腫の症状 多くの場合は無症状で、特徴的な症状はありません。 腫瘍が大きくなってくると徐々に周囲の臓器を圧迫し、結果として不快感や腹痛、右上腹部の膨満感、嘔気・嘔吐などが引き起こされます。 他の関連症状としては、頻度は少ないものの、発熱や黄疸(皮膚や白眼の黄染)、呼吸困難、心不全なども確認されています。 ・不快感や腹痛 ・右上腹部の膨満感 ・嘔気、嘔吐 ・発熱 ・黄疸(皮膚や白眼の黄染) ・呼吸困難 ・心不全 また、稀ではありますが、巨大血管腫を生じるカサバッハ・メリット症候群という病態があり、出血や多臓器不全で命に関わることがあります。カサバッハ・メリット症候群は基本出生児、あるいは幼少時期に巨大血管腫を生じるものですが、成人になって発症する例もあります。 上記のような症状を認めた際にはすぐに医師の診察を受けましょう。 肝血管腫の診断 無症状のうちは通常血液検査での異常も見られないため、画像的診断が行われます。 主な検査方法として、以下のものが挙げられます。 超音波(エコー)検査 超音波検査とは、体に超音波の出る機械を当て、それぞれの臓器から跳ね返ってきた超音波を画像化する検査です。 腹部超音波検査ではお腹をグッと押される感覚はありますが、被曝や痛みはありません。 低侵襲な検査で肝血管腫を発見するという点では優れますが、肝細胞癌や肝臓への転移癌との鑑別がしにくいという欠点があります。 その場合、造影超音波検査を用いることも可能ですが、患者さんの体格や術者の技量によって左右されてしまうため、通常はCT検査やMRI検査の画像と合わせて総合的に判断されています。 CT(造影コンピュータ断層撮影)検査 CT検査は、ベッドの上に上向きに寝た状態でトンネル状の装置に入り、X線の吸収率の違いを利用して体の断面を画像化する検査法です。 造影剤を使用しない単純CTでは肝血管腫の検出率は低いですが、造影剤を使用した造影CTであれば格段に検出率が上がります。 肝血管腫は他の肝臓癌と比べて血流の流れが遅いため、造影剤を使用すると全体がゆっくり染まるのです。 ただし、過去にアレルギーが出た人や糖尿病薬を服用している人、腎機能障害のある人、授乳中の人などは造影剤を使用する際に注意が必要となります。 該当される方は医師と注意事項に関してご確認ください。 CT検査は断面像が見られるので腫瘍の詳細を知ることができますが、被曝の問題や肝血管腫においては造影剤を使用しなければならない点が欠点となります。 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI検査とは、強力な磁場が発生したトンネル状の機械に入り、ラジオ波を体に当てることで様々な角度から断面像を作り出す検査です。 超音波検査やCT検査同様、必要時には造影剤も使用できます。 造影を含めたMRI検査が肝血管腫の確定診断において最も有用であると言われています。 こちらは被曝の心配なく腫瘍の詳細を知るのに適していますが、狭いトンネルの中に入る必要があるので狭所恐怖症の人には不向きな上、超音波検査やCT検査と比べてコストが高くなるのが難点です。 また、病院にもよりますが他の検査と比較して予約が取りにくいかもしれません。 肝血管腫の治療法や増大予防 治療方針を決定する際に重要なのが以下の点になります。 ・自覚症状 ・血管腫の増大傾向 ・血管腫が原因の合併症 小さな病変かつ無症状であれば、基本的に経過観察のみと考えて良いでしょう。 大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断される可能性が高いと思われます。 自覚症状があり、かつ大きい肝血管腫を指摘されている場合は、それ以上大きくならないよう、女性ホルモン補充療法やピルの中断が推奨されています。 妊娠に関しては判断が難しいところで、大きな血管腫が発見された場合には妊娠を勧めるべきでないと主張する報告もある一方で、巨大血管腫がありながらも合併症を生じることなく妊娠継続ができたとの報告もあります。 巨大血管腫があるために産婦人科領域の治療について相談したい方や妊娠をご希望の場合には、産婦人科の医師に加え、消化器内科や消化器外科の医師ともよく話し合いましょう。 治療の際には、消化器内科の医師より消化器外科や放射線科の医師へ紹介され、共に適切な治療を検討していきます。 稀ですが、次のような条件下では手術療法やカテーテル治療などの積極的治療が必要とされます。 ・カサバッハ・メリット症候群 ・血管腫の急速な増大 ・血管腫の増大とともに症状の増悪 ・血管腫が原因となった合併症が中等度以上 ・血管腫の破裂 カテーテル治療とは、血管内より血管腫に栄養を送る動脈へアクセスし、挿入した細い管を使って動脈を塞ぐ“肝動脈塞栓術”が施行されます。 肝動脈塞栓術は手術療法と異なり、根本的治療には至らず、多くの場合腫瘍の縮小はみられませんが、症状改善には有効とされています。 また、前段階として一旦肝動脈塞栓術を施行し、全身状態を改善してから手術に臨む症例もあります。 手術療法に関しては、腫瘍が肝臓から引き剥がせると判断された場合は“腫瘍摘出術”が選択され、それが難しい場合には腫瘍を肝臓の一部とともに取り除く“肝切除術”となります。破裂による緊急手術を除いて、手術成績は良好と報告されています。 何らかの理由で上記の治療が行えないと判断された場合には、放射線治療やステロイド治療も考慮されます。どちらも副作用があるため、患者に合わせて放射線量やステロイド量を適切に調整する必要があります。 2024年現在は血管腫を薬で治す研究も進められており、今後新しい治療法が出てくるかもしれません。 肝血管腫の診断が出たら気をつけるべきことは? 肝血管腫と診断された場合、やはり一番気になるのはサイズの変化です。 ある研究において、平均12ヶ月の経過観察を行なった結果を調べたところ、ほとんどの症例でサイズの変化がなかったものの、少数ながら増大する症例もあったのです。肝血管腫は10cmを超えると破裂のリスクが高まり、そして破裂した場合には命に関わります。 お近くのクリニックや内科での定期検査はぜひ行なってください。そしてもし気になるような症状や異変を感じた場合には、すぐ診療してもらいましょう。 無症状であれば、日常生活は基本的に普段通りで構いません。しかし、稀ではあるものの、スポーツの最中にボールが腹部に当たって肝血管腫が破裂した例や、歩行中に足を滑らせて転落した際に肝血管腫が破裂したなどの症例報告はあります。 外傷性破裂を防ぐため、高いところからの転落や腹部に強い衝撃が当たるようなリスクは避けるのが望ましいかと思われます。 まとめ・肝血管腫は定期的な検査を心掛けましょう 当記事の内容で肝血管腫に関する知識は十分得られましたでしょうか?肝血管腫は良性腫瘍であり、基本的には怖い病気ではありません。小さく、無症状なうちは治療も不要です。 しかし、大きくなってくると色々な症状を招くほか、破裂の危険が出てきます。自分の身を守るためにも、定期的な検査を心掛けましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.8 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献 松井昭義, 小野寺博義ほか. がん・生活習慣病検診における肝血管腫の検出状況について. 人間ドック.2007;22:35-39. Glinkova V, Shevah O, et al. Hepatic haemangiomas: possible association with female sex hormones. Gut. 2004;53:1352-1355. Ozakyol A, Kebapci M. Enhanced growth of hepatic hemangiomatosis in two adults after postmenopausal estrogen replacement therapy. Tohoku J Exp Med. 2006;210:257-261. Gemer O, Moscovici O, et al. Oral contraceptives and liver hemangioma: a case-control study. Acta Obstet Gynecol Scand. 2004;83:1199-1201. Mathieu D, Zafrani ES, et al. Association of focal nodular hyperplasia and hepatic hemangioma. Gastroenterology. 1989; 97: 154–7. Mikami T, Hirata K, et al. Hemobilia caused by a giant benign hemangioma of the liver: report of a case. Surg Today. 1998;28:948–952. Huang SA, Tu HM, et al. Severe hypothyroidism caused by type 3 iodothyronine deiodinase in infantile hemangiomas. N Engl J Med. 2000;343:185-189. Liu X, Yang Z, et al. Fever of Unknown Origin Caused by Giant Hepatic Hemangioma. J Gastrointest Surg. 2018;22:366-367. Smith AA, Nelson M. 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最終更新日:2024.05.16 -
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肝嚢胞について徹底解説!肝臓にできる“水ぶくれ”の原因とは? 肝嚢胞(かんのうほう)という病気をご存知でしょうか? 健康診断で行った超音波検査の診断結果に「肝嚢胞」と書いてあったり、別の目的でお腹のCTやMRIを撮った際にたまたま肝嚢胞を指摘されたりして、不安や疑問を感じた方も多くいらっしゃると思います。嚢胞とは、「液体がたまった袋状のもの」を指します。 なぜ肝臓に嚢胞が出来るのか?原因や症状について詳しく解説をしていきます。 肝嚢胞(肝のう胞)とは 嚢胞とは液体がたまった袋状のものを指し、これが肝臓にできたものを肝嚢胞といいます。健康診断や人間ドックで、腹部超音波検査や腹部CT検査を受けた際に偶然発見されることが多く、健康診断で超音波検査を行った方の約5人に1人の割合で肝嚢胞が見つかるというデータもあります。 肝嚢胞の原因や症状は? 肝嚢胞の多くは孤発性で無症状 肝嚢胞の大部分が生まれつきのものと考えられていて、見つかる数は1〜3個程度の、孤発性肝嚢胞と言われるものになります。それ自体では体に悪い影響を及ぼす心配のない良性のものが大半です。 無症状の場合には大きさも数cm程度で、通常ほとんど大きさが変わらないか、大きくなるとしても非常にゆっくりとした速度のため、一生の間に問題を生じるような大きさになることはほとんどありません。 まれに嚢胞自体が5〜10cmを超えるような大型・巨大なものになってくると、肝臓や肝臓の周りの臓器が圧迫されることでお腹が苦しくなったり、腹痛などを感じることがあります。肝臓自体への影響は少なく、血液検査で肝機能の異常がみられることはほとんどありません。 出典:Liver Cyst Symptoms & Treatment | Nexus Surgical 多発肝嚢胞症とは 肝嚢胞が肝臓に多発する病気です。こちらは孤発性とは異なり、嚢胞の数が増えたり大きくなったりすることが多く、それによる周囲への圧迫症状がみられやすくなります。また、嚢胞内に感染や出血がみられることがあり、それによる炎症が原因で発熱や肝機能異常を及ぼす可能性があります。 この病気の詳しい原因は分かっていませんが、女性の方がなりやすいことから女性ホルモンが原因の1つと疑われています。 また、家系の中で遺伝する例も報告されています。この患者さんの約半数で腎臓にも多発のう胞を認めることが分かっています。詳細は難病情報センターのホームページもご覧ください。 参照:肝臓疾患分野|多発肝のう胞症(平成22年度) その他の肝嚢胞の原因 とても稀ですが、エキノコックスという寄生虫の感染によって肝嚢胞ができるケースがあります。エキノコックスはキタキツネの糞に含まれていて、口を介して感染します。感染して10年以上かけて肝嚢胞が大きくなり圧迫症状や肝機能異常をきたし、死亡することもあります。 また、非常に稀なケースでは肝嚢胞が悪性化して肝臓癌になった例も報告されています。 肝嚢胞の検査は? 先にも述べた通り、肝嚢胞は検診などでの超音波検査で見つかるケースがほとんどであり、最も簡便に判断できる検査です。 他には腹部CTやMRIによっても確認できます。CTやMRIでは、嚢胞の壁や嚢胞液の性状を詳しく調べることができる検査で、超音波検査で嚢胞の性状が通常と異なっている場合や、嚢胞に対して治療を検討する場合にさらに詳しい情報を得るための検査として行うことがあります。 肝嚢胞の治療法は? 嚢胞による圧迫症状がなければ治療の必要はありません。それほど大きくなければそのまま自然経過をみる場合もあります。 嚢胞が大きく圧迫による腹部症状をきたしている場合や、嚢胞内感染などを起こしている場合には治療を行います。 治療方法は、お腹から嚢胞に向けて針を刺し、嚢胞液を吸引して抜くことで嚢胞を小さくする方法です。超音波で嚢胞を確認しながら行います。液体を抜いた後しばらくしてからまた液体が溜まってしまう場合が多く、再発を防ぐため液体を抜いた後にエタノールを注入して嚢胞を固定する方法もあります。 その他、外科的に嚢胞を切開、切除する方法もあり、より根治性が高い治療法です。近年では腹腔鏡による手術等、より体に負担の少ない方法も広まってきています。 いずれにしても、治療が必要なケースは嚢胞の圧迫による腹部症状がある場合になります。 まとめ・多くの場合心配ないが症状がある場合には受診を 肝嚢胞について解説いたしました。 肝嚢胞は多くの場合、無症状で偶然見つかるもので、症状がなければ経過観察で良いものになります。したがって多くの場合においては、極端に心配する必要はないといえます。嚢胞自体の大きさも急に大きくなることは珍しいですが、1年おきを目安に再検査で変化がないかどうかを確認していくのが安心です。 担当の内科医師と相談しながら方針を確認しましょう。 嚢胞が多発性であったり、大きい嚢胞で腹痛やお腹の圧迫感などの腹部症状がある場合には治療対象となる可能性がありますので、お早めに専門の医療機関にご相談ください。 No.7 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献: 白石 和仁,他:「当院における一年間の健診腹部超音波検査の現状について」,医学検査,2016; 65: 103–109. 伊藤 忠雄, 他:肝嚢胞と診断され経過観察されていた肝嚢胞腺癌の1例 日消外会誌 2009; 42(6) Liver Cyst Symptoms & Treatment | Nexus Surgical
最終更新日:2024.05.15 -
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高血圧の薬(降圧薬)その種類と効果、副作用とは?内科医が解説 高血圧の薬(降圧薬)は血圧を下げる薬のことを指します。高血圧は、まずは運動や塩分制限などによる生活習慣の見直しによって血圧の改善を図ったり、動脈硬化の予防が重要ですが、それでも難しい場合には降圧薬を使用します。 たくさんの種類があるため、実際に降圧薬を飲んでいらっしゃる方の中には、一体どういった違いがあるのか分からずに「ほんとうに飲んでいて大丈夫だろうか?」「何か悪い作用があるのではないか?」と心配になってしまうこともあるかと思います。 薬にはそれぞれ特徴とする作用と副作用があります。 この記事では、降圧薬について、種類ごとにその特徴を専門医が解説していきます。降圧薬についての正しい情報を身につけて健康な時間をすごせるよう、ぜひ最後までお読み下さい。 降圧薬|主な7種類と副作用や注意点 よく使用される降圧薬の種類は大きく分けて7種類。数種類を組み合わせた配合薬もあります 。 まず前提として、現在のガイドライン上では120/80mmHg未満を正常血圧としており、これを1つの目安として薬を処方しています。 最近ではより厳格な血圧管理が重要視されるようになり、血圧130〜139/80〜89mmHgになると、「高値血圧」と呼ぶようになりました。これより高くなり140/90mmHg以上になると「高血圧症」と診断します。 ①カルシウム拮抗薬:最も多く使われている薬 末梢の血管を拡張させることで血圧を下げる作用の薬です。現在国内で最も多く処方されている降圧薬です。その理由はなんといっても、確実な血圧降下作用と、副作用が少なく安全に使いやすい薬であることです。 医師側にとっても副作用が少ないことは処方のしやすさにつながり、高血圧の治療を開始する場合には、このカルシウム拮抗薬が第一選択として選ばれることが非常に多くなります。 主なカルシウム拮抗薬の商品名(後発品含む) ・アダラート ・アムロジピン ・アムロジン ・ノルバスク ・ランデル ・アテレック ・カルブロック ・コニール など カルシウム拮抗薬の副作用や注意点 副作用は、基本的に血圧を下げる作用によるものと考えることができます。したがって、血圧が下がりすぎてしまうことが原因で生じるめまい感や、動悸、頭痛、ほてり感、顔面紅潮、浮腫などがあります。また、歯茎が肥厚してしまう副作用もまれながら報告されています。 ・めまい感 ・動悸 ・頭痛 ・ほてり感 ・顔面紅潮 ・浮腫 ・歯茎の肥厚 など ②アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB):2番目に多く使われている薬 カルシウム拮抗薬に次いで多く使用されている降圧薬です。アンジオテンシンⅡ受容体は血管等に分布しており、アンジオテンシンという物質が結合することで強力な血管収縮作用を持ちます。ARBはこの受容体に結合することで、アンジオテンシンの結合を防ぎ、血管収縮作用を抑えることで血圧を低下させる作用を持ちます。この薬も副作用が少なく使用しやすい薬の一つです。治療の第一選択として使用することもありますし、カルシウム拮抗薬でも十分に降圧が得られない場合に上乗せして使うことも一般的です。 主なARBの商品名(後発品含む) ・オルメテック ・オルメサルタン ・アジルバ ・アジルサルタン ・ミカルディス ・テルミサルタン など ARBの副作用や注意点 カルシウム拮抗薬と同様に副作用は非常に少ない薬ですが、内服中に血中のカリウムが上昇することがあります。腎臓の機能が悪い方の場合には、定期的に腎機能やカリウム濃度等をチェックする必要があります。 また、妊婦の方や授乳中の方の服用は、赤ちゃんへの悪影響があるため禁忌です。 ・血中のカリウムが上昇 ・妊娠中、授乳中の服用は禁忌 ③アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬) ARBと似た名前の通り、アンジオテンシン系に作用する薬です。ARBはアンジオテンシンⅡが結合する受容体に作用する薬でしたが、ACE阻害薬はアンジオテンシンⅡ自体の産生を阻害することで血管収縮作用を抑え血圧を低下させます。 主なACE阻害薬の商品名(後発品含む) ・レニベース ・エナラプリルマレイン酸塩 ・エースコール ・テモカプリル塩酸塩 ・タナトリル ・イミダプリル塩酸塩 など ACE阻害薬の副作用や注意点 ACE阻害薬の有名な副作用として空咳があります。これはブラジキニンという物質の増強作用によるもので、特に日本人を含むアジア人に多いとされています。この副作用を逆手にとり、咳を誘発させることで誤嚥性肺炎を予防する目的で使用する場合もあります。 このACE阻害薬もARBと同様に、妊婦の方や授乳中の方の服用は禁忌となります。 ・空咳 ・妊娠中、授乳中の服用は禁忌 ④利尿薬 血圧の話でよく “塩分の摂りすぎに注意”と聞きますが、実際に日本人の塩分摂取量は、欧米人と比較しても多いことが分かっています。 具体的には、欧米人は1日8-9g程度なのに対し、日本人の塩分摂取量が1日10g程度です。さらに、日本人は白人に比べて食塩感受性が高いことが分かっており、塩分を取りすぎるとそれだけ体内に塩分(ナトリウム)が溜まり、その浸透圧によって水分が血管の中に引き込まれることで血液量が増加して血圧が上昇しやすくなる傾向があります。 利尿薬は、ナトリウムを含めて水分を尿として体外に排泄させることで、血管の中のボリュームを減少させて血圧を下げる作用を持ちます。高血圧に加えて心臓の機能が悪く体にむくみがある方や、これまで説明した薬でも効果が不十分な場合などに利尿薬を上乗せして使ったりします。利尿薬の中でもさらに作用に細かな違いがありますが、ここでは一括りに説明します。 主な利尿薬の商品名(後発品含む) ・ヒドロクロロチアジド ・フルイトラン ・トリクロロメチアヂド ・フロセミド ・ラシックス ・アゾセミド ・ダイアート など 利尿薬の副作用や注意点 体内の水分を排泄させる作用があるため、主に電解質の異常をきたすことがあります。 具体的には、低ナトリウム血症、低カリウム血症などがあり、自覚症状ではぼんやり感や倦怠感、手足の力の入りにくさ等として感じる場合があります。また、高尿酸血症、高中性脂肪血症などの代謝系への影響にも注意が必要となります。またトイレに行く回数や量が増える点も副作用として考える必要があります。 ・低ナトリウム血症 ・低カリウム血症 ・ぼんやり感 ・倦怠感 ・手足の力の入りにくさ ・高尿酸血症 ・高中性脂肪血症 など ⑤β(ベータ)遮断薬 心臓の筋肉に分布するβ受容体を遮断することで心拍数を減少させたり、心臓の収縮力を抑制することで血圧を下げる作用を持っています。最初から高血圧治療の第一選択とはなりにくいものの、心筋梗塞を発症した後の高血圧症や、交感神経が亢進している状態の病気(状腺機能亢進症など)に合併する高血圧症に積極的に使用されます。交感神経の作用で脈が速くなっている場合にも有効です。これまで紹介した降圧薬と併用して使うケースも多い薬です。 主なβ遮断薬の商品名(後発品含む) ・インデラル ・プロプラノロール ・メインテート ・ビソプロロール ・アーチスト ・カルベジロール など β遮断薬の副作用や注意点 自律神経に作用し、副交感神経優位になる薬です。気管支喘息などの呼吸器疾患を持っていて、吸入を行っている方などの場合には、正反対の作用の薬になるため症状の悪化を招く危険性があり注意が必要です。また、急に薬を中断したりすると狭心症や高血圧発作がおきる危険性があるため、中止する場合には徐々に減量していく必要があるのが注意点です。 ・呼吸器疾患の症状悪化 ・薬の中断による狭心症や高血圧発作 ⑥α(アルファ)遮断薬 末梢の血管に分布するα1受容体を阻害することで交感神経の作用を抑え、末梢血管を拡張させて血圧を下げる作用の薬です。高血圧の中でも、交感神経が活性化しやすい早朝に血圧が上昇しやすい高血圧の方の場合には、前日の寝る前にこの種類の薬を飲むことで朝の血圧上昇を抑える効果があります。また、褐色細胞腫による高血圧症のコントロールにも使用される薬です。 主なα遮断薬の商品名(後発品含む) ・カルデナリン ・ドキサゾシン ・ミニプレス ・プラゾシン など α遮断薬の副作用や注意点 この薬も自律神経に作用する薬であり、交感神経の作用を抑えることで起立性低血圧が起こったり、それに伴うめまいや失神をきたす可能性があります。したがってこの種類の薬を導入する場合には少量から開始し、副作用に注意しながら徐々に増量していくようにします。 ・起立性低血圧 ・伴うめまいや失神 ⑦ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRI拮抗薬) 体内で産生されるアルドステロンというホルモンの働きを阻害する作用の薬です。本来アルドステロンは、腎臓に作用して水を体内に吸収させて、血液量を増やす働きを持っています。これが阻害されることで、体内に水分が再吸収されなくなり、血液量が減って血圧を下げる効果があります。心不全や心筋梗塞後の心臓保護効果があり、心不全を合併している方の高血圧症に対して使用するケースがあります。 主なMRI拮抗薬の商品名(後発品含む) ・アルダクトン ・スピロノラクトン ・セララ ・エプレレノン ・ミネブロ など MRI拮抗薬の副作用や注意点 体液バランスを調節する薬であるため、電解質異常をきたす可能性があり、高カリウム血症に注意が必要です。特に糖尿病性腎症や中等度異常の腎機能障害がある方への使用は禁忌となっています。 ・高カリウム血症 ・腎機能障害を患っている方の服用は禁忌 降圧薬の配合剤について これまで紹介した作用機序の異なる種類の薬を組み合わせた治療薬になります。配合薬によって飲む薬の数が減り飲みやすくなることが最大のメリットになります。薬が増えること自体が嫌であったり、他の種類の薬も多く内服が大変であったりする患者さんにはよいことだと思います。 現在国内で処方可能な降圧薬の配合剤は大きく分けて3種類です。 カルシウム拮抗薬+ARB ・ザクラス ・アイミクス ・ミカムロ ・レザルタス ・エックスフォージ など ARB+利尿薬 ・イルトラ ・エカード ・プレミネント ・ミコンビ など カルシウム拮抗薬+ARB+利尿薬 ミカトリオ 配合薬の副作用はそれぞれ配合されている成分の副作用になります。配合薬の場合、名前だけでどの薬が配合されているかがわかりにくくなっているため、薬の配合されている量などには注意が必要です。 まとめ・降圧薬の分類と副作用、飲む際の注意点 たくさんある降圧薬を作用によって分類して解説していきました。血圧の薬は基本的には飲み続けることが大切ですので、お読みくださった方の中でもしご自身が降圧薬を内服されている場合、薬に対する正しい理解をつけていただくことで不安感などが解消されるきっかけになれば幸いです。それでも良くわからない場合には、ご自身の担当医の先生の診察時に、疑問点を聞いて確認してみると良いでしょう。 No.6 監修:医師 渡久地 政尚 参考文献 American Heart Association News2022.5.23 高血圧治療ガイドライン2019
最終更新日:2024.05.03