「冷えは大敵」って本当?体調や美容に与える影響と今日からできる対策
公開日:2021.10.29 スタッフ ブログ 豆知識 美容 健康「冷えは大敵」と、よく耳にしますよね。
実は、冷えは手足が冷たくなるだけの問題ではなく、血流の低下や自律神経の乱れ、免疫機能への影響など、体全体に関わる不調の引き金になる可能性があります。とくに女性は体の構造上、冷えの影響を受けやすいといわれています。
今回は、「冷えは大敵」といわれる理由や、体にあらわれる不調、日常生活でできる対策について、専門的な視点も交えながら、わかりやすく解説していきます。
ご自身の体をいたわるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「冷えは大敵」といわれる理由
「冷えは大敵」とよくいわれるのは、冷えによって血流が低下し、体のさまざまな不調につながる可能性があるからです。
冷えを感じやすくなる主な仕組みは、以下のとおりです。
- 寒さにさらされると、体は深部体温(体の中心の温度)を守ろうとする
- 手足などの末端の血管が収縮し、血流が減少する手足への血流が減ることで、冷えを感じやすくなる
- 冷えた状態が続くと、手足の冷えや腰・肩のこりなどの不調につながることがある
日常生活では、手足や下半身を意識して温める工夫が大切ですね。
靴下やレッグウォーマーで末端を守り、入浴で全身をしっかり温めることで、血流を保ちやすくなります。
こうした習慣を取り入れることで、冷えによる不調の予防につながるでしょう。
女性が体を冷やしてはいけない理由
女性が体を冷やしてはいけないといわれる背景には、いくつかの身体的な特徴があります。
- 男性より筋肉量が少ないため冷えやすい
- 女性ホルモンによって寒さへの反応が変化する場合がある
- 冷えが生理トラブルにつながる可能性がある
女性は男性に比べて筋肉量が少なく体温を生み出す能力が低いため、寒さにさらされると、冷えを感じやすい傾向があることが示唆されています。(文献1)
筋肉は体温を生み出す重要な器官です。
筋肉量が少ないと熱産生が低く、寒さへの対応力も弱くなります。
また、女性ホルモンは体温調節に関わっており、月経周期によって体温の調節レベルが変化する可能性が示されています。(文献2)
冷えと生理トラブルの関係も、女性にとって重要なポイントです。
体が冷えると子宮や骨盤周囲の血流が滞りやすくなり、以下のような症状につながる可能性があります。
- 生理痛の悪化
- 月経周期の乱れ
- PMS(月経前症候群)の悪化
「最近生理痛がひどくなった」「周期が不安定」と感じている場合、冷えが一因となっているかもしれません。
女性にとって冷えは、日常の不調だけでなく婦人科系の健康にも関わる問題です。毎日の習慣の中で、意識的に体を冷やさない工夫を取り入れていきましょう。
体が冷えると起こる症状
体が冷えると起こる主な症状は、以下のとおりです。
| 項目 | 主な症状 |
|---|---|
| 美容への影響 |
|
| 自律神経の乱れによる症状 |
|
| 身体への症状 |
|
| 消化器への症状 |
|
| 免疫力の低下による症状 |
|
詳しく紹介します。
美容への影響
血流が滞ると、肌細胞に酸素や栄養が届きにくくなり、肌荒れやくすみ、むくみなどの美容トラブルが起こりやすくなると考えられています。
「最近なんとなく顔色が冴えない」と感じるときも、実は冷えが影響しているかもしれません。
日常生活で体を温める工夫をすることは、健康だけでなく、美しい肌やいきいきとした印象を保つ上でも大切といえます。
自律神経の乱れによる症状
冷えは自律神経の働きと関係していると考えられ、不眠や疲労、めまいなどの症状につながることもあります。
自律神経は、体温の調整や血流、内臓の働きなどをコントロールする重要な役割を担っています。
私たちが意識しなくても、体のバランスを整えてくれている存在です。
冷え症の人を対象とした小規模な研究では、自律神経のバランスに特徴がみられ、手足の血流や皮膚の温度が低い傾向があると報告されています。(文献3)
自律神経の働きが変化すると、さらに冷えを感じやすくなる可能性があります。
体を温める習慣は、体調を整える一助になるかもしれません。
身体への症状
血流が悪化すると、全身の細胞に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、以下の様な不調が現れることがあります。
- 手足の冷え
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
血液は、酸素や栄養素を全身へ運ぶとともに、体内で生じた老廃物を回収する役割を担っています。
血流が滞ると筋肉に十分な酸素が供給されにくくなり、肩や腰のこりや痛みにつながることがあります。
「体質だから」とあきらめる必要はありません。
冷えを意識して体を温める習慣を取り入れることで、不調の改善に役立つ可能性があります。
消化器への症状
体の芯が冷えて血流が低下すると、胃や腸などの消化機能が十分に働きにくくなり、以下のような症状が現れることがあります。
- 食欲不振
- 下痢
- 消化不良
- 胃の不快感
消化管は、食べ物の消化や栄養の吸収を行うために、十分な血流によって支えられています。
しかし、体が冷えると体温を保とうとして血管が収縮し、内臓への血流も低下します。
胃腸の不調を感じたときは、食事内容だけに目を向ける必要はありません。
体を冷やさない生活習慣の意識をもつことも、改善の一助になります。
免疫力の低下による症状
体が冷えると、免疫機能に影響を及ぼして以下のような症状がみられる可能性があります。
- 風邪をひきやすくなる
- 体調を崩しやすくなる
- 感染症が長引きやすくなる
血液は酸素や栄養素だけでなく白血球を全身へ届ける役割を担っています。
白血球は、細菌やウイルスなどの異物を認識し、排除する働きを持つ免疫細胞です。
冷えによって血流が滞ると、免疫細胞が必要な場所へ行き渡りにくくなり、細菌やウイルスに対する防御反応が弱まることがあります。
体の芯が冷える状態が続くときは、生活習慣を見直すチャンスです。
体温や血流を意識したケアを取り入れることで、健やかな毎日を目指しましょう。
冷えを防ぐために今日からできる習慣
冷えは血流や自律神経、免疫機能など体のさまざまな仕組みに影響を与えます。
とはいえ、冷え対策に特別なことは必要ありません。
毎日の生活習慣を少し見直すだけで、冷えにくい体に近づくことができます。
ここでは、今日から取り入れやすい3つの習慣を紹介します。
- 身体を冷やさない生活習慣
- 適度な運動習慣
- 食事の工夫
この3つは「熱を逃がさない・熱を作る・熱の材料を整える」という、それぞれ異なるアプローチから冷え対策に働きかけます。どれか1つでもいいので、できることから始めてみてください。
身体を冷やさない生活習慣
冷えを防ぐためには、身体を冷やさない意識が大切です。小さな工夫がうれしい変化につながるかもしれません。
とくに意識したいポイントは以下のとおりです。
- お腹や首、手首、足首を冷やさない
- 入浴を習慣にする
お腹や首、手首、足首などは血管が皮膚の近くを通っており、外気の影響を受けやすい部位です。
腹巻きやレッグウォーマーを活用するのも良い方法です。外側からやさしく守ってあげましょう。
また、入浴も身体を温める習慣の一つです。
40℃前後の湯船にゆっくり浸かると、体の芯からしっかりと温まります。
日々の生活の中で身体を冷やさない工夫を積み重ね、冷えの予防や体調管理につなげましょう。
適度な運動習慣
冷え対策において、適度な運動は「体の中から熱を作る」という点で重要な習慣です。
運動によって筋肉を動かすことで熱が産生され、体温の維持につながります。また、血流も促進されるため、冷えの改善に直接働きかけます。
以下は、厚生労働省が目安としている成人の運動量です。(文献4)
- 1日60分程度の歩行(約8,000歩)を目安に体を動かす
- 週に60分以上のやや息が弾む運動
- 筋力トレーニングを週2~3日程度行う
すべてを行う必要はありません。できる範囲で取り入れることが大切です。少し体を動かすだけでも血流は変わります。
食事の工夫
冷え対策は、体の外から温めるだけでは不十分です。
食事を見直すことで、体の内側から熱を生み出しやすい状態を整えることができます。
食材には、旬や産地、加工の程度などによって、体を冷やしやすいもの・温めやすいものがあるとする考え方があります。(文献5)
| 身体を冷やしやすい食材例 | 身体を温めやすい食材例 | ||
|---|---|---|---|
| 夏野菜 |
|
根菜類や冬野菜 |
|
| 南国の果物 |
|
発酵食品 |
|
| 精製された食品 |
|
たんぱく質源 |
|
ただし、これらはあくまで一般的な分類であり、体への影響には個人差があります。
食事そのものにはエネルギー産生に伴う熱産生(食事誘導性熱産生)があり、1日3食を基本に整えることも大切です。
体内で熱を生み出すリズムを整えることは、冷えにくい体づくりの第一歩といえるでしょう。
まとめ|冷えを防いで健康維持につなげましょう
冷えは、単に手足が冷たくなるだけではありません。
血流や自律神経の働き、免疫機能など、体のさまざまな仕組みに関わっています。
女性の健康や美容にも影響を与える可能性があります。
「冷えは大敵」といわれるのも、こうした理由からです。
一方で、冷えは食事や運動などの生活習慣を見直すことで、予防や改善を目指せます。
冷え対策は、何もすべてを一度に完璧に行う必要はありません。できることから始めれば十分です。
まずは、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
参考文献
(文献1)
冷え症の生理学的メカニズムについて|JSTAGE
(文献2)
女性の寒さに対する生理的反応に対する卵巣ホルモンの影響 |PubMed
(文献3)
冷え症の生理学的メカニズムについて|JSTAGE









