米ぬか酵素風呂の効果|実感するための頻度・入浴方法を解説
公開日:2023.03.09 スタッフ ブログ 美容 健康 豆知識米ぬかには玄米に含まれる栄養素のおよそ60%が含まれており、さまざまな健康・美容効果が期待できます。(文献1)
近年、注目を浴びている健康・美容法の一つが、米ぬかの発酵熱を使用した乾式の入浴法です。
米ぬかをふんだんに使った浴槽に砂風呂のようなイメージで身を埋めると、自然の発酵熱により身体が温まる上、米ぬかによる美肌効果も見込めます。
今回は米ぬか酵素風呂に期待できる効果を健康面・美容面に分けて紹介するとともに、効果的な入浴方法を解説します。
米ぬか酵素風呂に入ってはいけない人の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる効果|健康面
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる健康面での主な効果は以下の5つです。
- 免疫力アップ
- デトックス(解毒作用)
- 冷え症の緩和(基礎体温の上昇)
- 筋肉の弛緩・肩こりや腰痛の軽減
- アレルギー(花粉症)・アトピー性皮膚炎など特定の症状の緩和
それぞれ解説します。
免疫力アップ
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる健康面での効果の一つが免疫力の向上です。
酵素風呂に一定時間入浴して身体が温まると、ヒートショックプロテイン(HSP)が増加するとわかりました。(文献2)
ヒートショックプロテインが増加すると白血球やリンパ球、樹状細胞のはたらきが活発化します。
白血球やリンパ球、樹状細胞はいずれも免疫に深く関わる細胞のため、はたらきが活発化すると免疫力アップが見込めます。
ヒートショックプロテインを増加させるための湯温の目安は以下のとおりです。
- 40℃:20分
- 41℃:15分
- 42℃:10分
酵素風呂の温度はおよそ60〜70℃にまで上昇しますが、体感的には40〜45℃程度と少し熱めのお湯につかる感覚です。(文献3)
体調変化を確認しながら、入浴する時間を調節するのがおすすめです。
デトックス効果(解毒作用)
デトックス(解毒作用)効果が見込めるのも、米ぬか酵素風呂に入ると期待できる健康面での効果の一つです。
デトックス(detox)は解毒を意味する「detoxification」が語源で、カドミウムやアルミニウム、水銀、ヒ素など体内の重金属(有害ミネラル)を体外に排出する健康法の一種です。(文献4)
米ぬか酵素風呂に入浴すると身体の内側から徐々に温まるため、汗を大量にかきます。
体内に蓄積された重金属は汗や尿、大便などから排出されるため、米ぬか酵素風呂で汗を大量にかくとデトックス(解毒作用)が見込めるのです。(文献5)
サウナにも似たような効果が期待できますが、体内の重金属や化学物質を排出する目的では長時間の入浴が必要なため、医師の指導を仰ぎましょう。(文献6)
冷え症の緩和(基礎体温の上昇)
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる健康面での効果の一つが、冷え症の緩和(基礎体温の上昇)です。
下着・靴による締め付けや同じ姿勢の維持、寒さなどによって血液循環が悪化すると、冷え症の発症リスクが増加します。(文献7)とくに低血圧や貧血を起こしやすい方は冷え性になりやすく、傾向として女性に多いです。
そこで、米ぬか酵素風呂に入ると身体が温まって血液の循環が促進されるため、冷え症を緩和する効果が見込めます。習慣的に米ぬか酵素風呂に入って血液循環を良好に保つと、基礎体温を上昇させる効果も期待できます。
基礎体温が上昇すると、免疫力の向上や新陳代謝の活発化につながる点もメリットの一つです。
筋肉の弛緩・肩こりや腰痛の軽減
米ぬか酵素風呂に入ると硬くなった筋肉が弛緩するため、肩こりや腰痛の軽減も見込めます。
肩こりに関しては発症のメカニズムが長年知られていませんでしたが、東京医科大学の研究により、筋疎血が肩こりを起こすとわかりました。(文献8)
肩こりが発生するメカニズムは次のとおりです。
- 肩まわりの筋肉が緊張して硬くなる
- 硬くなった筋肉に圧迫されて血行不良(=筋疎血)が起こる
- 筋疎血が起こった場所に発痛物質が蓄積する
- 筋肉痛のような症状が生じる
通常であれば血液の流れにより発痛物質が体外へと排出されますが、筋疎血状態が続くと発痛物質が蓄積し、やがて慢性的な肩こりへと移行します。
そこで、米ぬか酵素風呂に入ると硬くなった筋肉が弛緩しやすくなるため、発痛物質が体外へと排出され、肩こりを改善する効果が見込めます。
腰痛も同様に原因として血行不良が挙げられるので、米ぬか酵素風呂で筋肉を温めると改善が期待できるでしょう。(文献9)
アレルギー(花粉症)・アトピー性皮膚炎など特定の症状の緩和
米ぬか酵素風呂に入ると花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー性疾患に伴う特定の症状を緩和する効果が期待できます。(文献10)
花粉症の発症には免疫系の過剰な反応が関わっているため、米ぬか酵素風呂に入って免疫機能が正常化すると、くしゃみや鼻水などの症状を緩和する効果が見込めます。
ただし、42℃以上のお湯につかると花粉症に深く関わるヒスタミンが発生しやすくなるため注意が必要です。(文献11)
アトピー性皮膚炎も免疫異常により発症リスクが増加するため、米ぬか酵素風呂の効果で症状を軽減できる可能性があります。(文献12)
アトピー性皮膚炎に関しても、温浴による血行促進が症状を増悪させる可能性があるため、医師の指導下で正しい入浴の方法を学ぶのがおすすめです。
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる効果|美容面
米ぬか酵素風呂に入ると以下3つの美容効果が期待できます。
- 肌質の改善(保湿・角質除去)
- 傷んだ髪の毛の修復(うるおい・ツヤ)
- アンチエイジング効果(美白・色素沈着の軽減)
それぞれについて解説します。
肌質の改善(保湿・角質除去)
米ぬか酵素風呂に入ると期待できる美容効果の一つが、肌質の改善(保湿・角質除去)です。
米ぬかに美肌効果があることは古くから知られており、江戸名所百人美女では米ぬかを入れた袋で襟首を洗う女性の姿が描かれています。(文献13)
米ぬかには別名「美容ビタミン」とも呼ばれるビタミンB群が豊富に含まれており、新陳代謝を活発化させ硬くなった角質を柔らかくする効果が見込めます。
ビタミンB群と並び美容に欠かせないビタミンEも含まれており、皮膚を老化から守ったり、免疫を高めたりするのに効果的です。
米ぬかには加齢とともに減少するセラミドも含まれているため、米ぬか酵素風呂に入ると保湿効果も期待できます。
傷んだ髪の毛の修復(うるおい・ツヤ)
米ぬか酵素風呂に入ると傷んだ髪を修復し、うるおいやツヤを与えられる点もメリットの一つです。
米ぬか酵素風呂で身体を温めると大量の汗をかき、頭皮の毛穴に詰まった皮脂や汚れ、老廃物などを排出しやすくなります。毛穴の皮脂や汚れ、老廃物が排出されると、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が正常化して頭皮環境が改善し、健康な髪の毛を育てる土壌が整うでしょう。
米ぬかにはタンパク質やビタミン群も多く含まれており、髪の毛を修復したり、抜け毛を予防したりする効果も期待できます(ただし薄毛が改善するとは限りません)。
米ぬかには年齢とともに分泌量が減少する保湿成分の一種「セラミド」も含まれているため、髪の毛にうるおいやツヤを与える効果も見込めるのです。
アンチエイジング効果(美白・色素沈着の軽減)
アンチエイジング効果(美白・色素沈着の軽減)も、米ぬか酵素風呂に入ると期待できる美容効果の一つです。
米ぬかに含まれるビタミンEやフェルラ酸(γ-オリザノール)には高い抗酸化作用があり、肌を紫外線から守って日焼けのダメージを軽減する作用が見込めます。
ビタミンEにはメラニンの過剰な生成を抑制するはたらきもあるため、シミやそばかすなど色素沈着を防ぐ効果が期待できるのがメリットです。
また、ビタミンEには血液の循環を促進する作用があり、肌の健康状態を良好に維持するためには欠かせません。
フェルラ酸(γ-オリザノール)自律神経のバランス調整作用も報告されており、肌の健康状態を乱すストレスを緩和する際にも役立ちます。(文献14)
米ぬか酵素風呂の効果を実感しやすい頻度の目安
米ぬか酵素風呂の効果を実感しやすい頻度の目安は1週間につき1〜2回です。
米ぬか酵素風呂は毎日入っても問題ありませんが、体温が上昇しやすく大量の汗をかくため、慣れていないと湯あたりを起こしたり、翌日に疲れを残したりする可能性があります。
また、米ぬか酵素風呂を備えた入浴施設はまだそれほど数が多くないため、毎日入浴するのは現実的とはいえません。
最初は週に1〜2回の入浴から始め、体調変化を確認しながら2週間〜3週間おきに一度の入浴に切り替えていくのがおすすめです。
米ぬか酵素風呂の発汗効果などは1回の入浴でも感じられますが、体質変化を実感するまでには少なくても3カ月程度を要します。
米ぬか酵素風呂の効果的な入浴方法
米ぬか酵素風呂の効果を得るためには、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- 入浴前の準備
- 入浴中
- 入浴後のケア
それぞれについて解説します。
1.入浴前の準備
米ぬか酵素風呂に入る際は、事前にメイクを落としておきましょう。
メイクをしたままでの入浴が認められている施設もありますが、入浴中に大量に汗をかくため、メイクオフしてからの入浴がおすすめです。メイクオフしてから入浴すると、オプションで選べるパックも利用できます。
また、米ぬか酵素風呂に入浴すると大量の汗をかくため、事前の十分な水分補給を欠かさないようにしましょう。
2.入浴中
米ぬか酵素風呂は何も身につけずに入るケースもあれば、紙の下着を着用するケースもあるため、施設の決まりに従ってください。
入浴時間はおよそ15〜20分が目安です。慣れないうちに長時間入浴すると湯あたりを起こし、気分が悪くなる恐れがあるため注意しましょう。
米ぬかは髪の毛にも良い効果が期待できるため、シャワーキャップをせずに入浴するのがおすすめです。
3.入浴後のケア
米ぬか酵素風呂への入浴を終えたら、身体や髪の毛などに付着した米ぬかをシャワーで十分に洗い流してください。
身体の芯から温まって入浴後もしばらくは汗が止まらないので、備え付けのガウンを着て休憩室で休み、十分な水分を補給しましょう。
グルーミングアイテムを用意している施設もあるため、休憩の合間を利用してスキンケアを行うのもおすすめです。
米ぬか酵素風呂が逆効果?入ってはいけない人の特徴を紹介
米ぬか酵素風呂に入ってはいけない方としては、アレルギーをお持ちの方が挙げられます。
米ぬかに対するアレルギーをお持ちの方はもちろん、施設によっては浴槽にヒノキを使用しているケースもあるため、ヒノキアレルギーをお持ちの方も注意が必要です。
そのほかに入浴が制限される人、および注意すべき人の特徴は、一般的な温泉や銭湯などの入浴施設と変わりありません。
具体例としては以下が挙げられます。
- 妊娠中の女性
- 高血圧の方
- 心疾患をお持ちの方
- 発熱中の方
- 体調不良の方
- ケガがある方
米ぬか酵素風呂に入浴すると血液の循環が促進されるため、高血圧の方や心疾患をお持ちの方は事前に医師に相談してください。
妊娠中の女性は通常に比べて特別な注意が必要なため、入浴を希望する方はかかりつけ医に相談する必要があります。
米ぬか酵素風呂に限らず温浴は体調不良やケガ、発熱を増悪させる恐れがあるため避けてください。
米ぬか酵素風呂はがんの予防に効果がある?
がんの3大治療として手術療法、放射線療法、薬物療法が知られていますが、いずれも身体にかかる負担が大きなデメリットとされます。
しかし最近になり、植物由来のナノ粒子(pdNP)が従来のがん治療に替わる選択肢となり得ることが実証されました。(文献15)米ぬかは手ごろな価格で供給されるナノ粒子の原料であり、将来的にがん治療に革命をもたらす可能性を秘めています。
ただし、現状では安全性と有効性に関する試験がまだ十分とはいえず、抗がん剤として認められたナノ粒子は存在しません。また、体内に取り込むナノ粒子とは異なり米ぬか酵素風呂に関しては、がん治療はもとより予防効果も期待できません。
がんを予防(再発予防)したい方は、再生医療をご検討ください。当院「リペアセルクリニック」では免疫細胞療法を提供しており、オンラインカウンセリングも承っております。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
米ぬか酵素風呂の正しい入浴方法を守って効果を実感しましょう
米ぬか酵素風呂に入浴すると身体の芯からじわじわと温まり、血液の循環が促進されるため、免疫力アップや冷え症・肩こり・腰痛の改善などさまざまな健康効果が見込めます。
米ぬかにはビタミン群やフェルラ酸(γ-オリザノール)が含まれているため、肌質の改善や髪の毛のうるおい・ツヤを取り戻すなど美容面でも多くのメリットがあります。
米ぬか酵素風呂は体感温度がおよそ40〜45℃のため、入浴の際は15〜20分程度が目安です。
玄米を精製する際の副産物でもある米ぬかは抗がん作用のある化合物を複数含んでおり、将来的にはがん治療に革命をもたらす可能性があります。
ただし、米ぬか酵素風呂に関しては体内に米ぬかを取り込むわけではないため、がんの予防効果は期待できません。
がんの発症・再発を予防したい方には、再生医療を専門としているリペアセルクリニックの免疫細胞療法をご検討ください。
オンラインカウンセリングを実施しておりますので、気になる点があればお気軽にお問い合わせください。
\無料相談受付中/
参考文献
(文献1)
National Library of Medicine「米ぬか抽出物および発酵製品の抗がん活性と潜在的な臨床応用」(英文による解説)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9064785/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献2)
明治薬科大学セルフメディケーション学研究室「免疫力を上げよう!入浴編」
https://u-lab.my-pharm.ac.jp/~self-medication/wordpress/%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%8A%9B%E3%82%92%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%88%E3%81%86%EF%BC%81%E5%85%A5%E6%B5%B4%E7%B7%A8/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献3)
米ぬか酵素風呂haccola(ハッコラ)「米ぬか酵素風呂(酵素浴)について」
https://haccola-spa.jp/about/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献4)
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https://www.kenkou-club.or.jp/kenko_yogo/t_08.jsp(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献5)
医療法人全人会小西統合医療内科「体内に蓄積される「重金属」とは」
https://www.konishi-clinic.com/symptoms/heavy-metals.html(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献6)
National Library of Medicine「実践的な臨床デトックスプログラムの構成要素」(英文による解説)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17405694/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献7)
第一三共ヘルスケア「手足の冷え(冷え症)の原因」
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/11_teashinohie/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献8)
東京医科大学「肩こり」
https://tmuortho.net/sekitsuiblog/katakori/(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献9)
エーザイ株式会社「肩こり・腰痛の3大原因」
https://www.eisai.jp/articles/stiff_shoulders/cause(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献10)
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(文献11)
田辺三菱製薬「温熱蕁麻疹の原因・症状・治療法」
https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/solution/1237(最終アクセス:2025年5月19日)
(文献12)
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https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/12-%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%AD%A6-%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%80%A7-%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%85%8D%E7%96%AB-%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81(最終アクセス:2025年5月19日)
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