脳梗塞は一週間が山?危険な脳梗塞の初期症状6選や後遺症について【医師解説】
公開日:2021.11.26脳梗塞は、脳内の血管が詰まる病気のことです。詰まる血管が大きければ大きいほど脳のダメージを受ける範囲は広くなります。
発症後は一週間が山といわれており、それがなぜなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、脳梗塞の症状や「発症から一週間が山」といわれる理由をご紹介します。脳梗塞の危険度を知ることで、発症後の早期対応の重要さを学べるでしょう。
脳梗塞の原因
脳梗塞とは、なんらかの原因によって脳内の血管が詰まり、脳細胞が死んでしまう病気のことです。
ここでは、脳梗塞はどのような原因で発症するのかを解説します。
また、脳梗塞にはおもに3つの種類があり、その詳細については以下の記事で解説しています。脳梗塞の種類について詳しく知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
血管に脂質がたまる
脳梗塞の原因の1つとしてあげられるのが、血管内に脂質がたまることです。脂質がたまると血管に負担がかかり、傷がつきやすくなります。血管が傷つくとその部分にさらに脂肪がたまり、塊として形成され、それをプラークといいます。
このプラークが徐々に大きくなると血の流れが悪くなり、血栓(血の塊)が作られるのです。そして血栓によって血管が詰まり、脳梗塞を引き起こします。脂質がたまることで生じる脳梗塞の要因は、以下のとおりです。
- ・高血圧
- ・糖尿病
- ・脂質異常症
- ・飲酒
- ・タバコ
これらの要因によって脂質が増えると、脳梗塞の発症につながります。
またプラークが大きくなると小さな血栓ができて、それが一時的に細い血管に詰まることがあります。これによって生じた血流の低下が一過性脳虚血性発作(TIA)です。TIAを発症すると一時的にめまいやしびれなどが出ることがあり、これは脳梗塞の前兆ともいえるでしょう。
このような小さな症状を放っておくと、約5%の人が2日以内、そして10%〜20%の方が約3か月以内に脳梗塞を起こすといわれています。
小さなめまいやしびれがあった場合は放置せず、一度医療機関へ受診して脳のCTや全身の検査をするのをおすすめします。
心房細動の不整脈
脳梗塞の原因の2つ目が、不整脈によるものです。おもに心房細動と呼ばれる不整脈によって血栓ができ、それが脳の大きな血管を詰まらせると脳梗塞を引き起こします。
正常な心臓は、一定のリズムで鼓動しています。
しかし、心房細動による不整脈を引き起こすと、心臓のリズムが乱れやすくなるのです。鼓動のリズムが乱れると心臓への血流が滞りやすくなり、血栓の形成につながります。不整脈がある方は脳梗塞のリスクがあるため、一度心臓の検査をおすすめします。
脳梗塞によくみられる症状6選
脳梗塞によくみられる症状として、以下の6つがあげられます。
- ・顔のしびれや歪み
- ・呂律の回りにくさ
- ・感覚の低下
- ・手足の力の入りにくさ
- ・めまい(眩暈)や吐き気
- ・目のぼやけ・かすみ
このような症状が少しでもみられたら、脳梗塞の可能性があるので、迷わず病院へ受診して検査を受けましょう。早期に治療すればするほど、大きな後遺症を残さずに済むこともよくあります。
以下の記事では、脳梗塞の前兆を見逃さないためのチェックリストをご紹介しています。興味がある方はぜひこちらもご覧ください。
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1.顔のしびれや歪み
1つ目は、顔のしびれや歪みです。コップで水を飲むときにこぼれる、顔半分のしびれや歪みがみられるなどの症状が現れたときは、脳梗塞の可能性があります。
2.呂律の回りにくさ
2つ目は、呂律の回りにくさです。たとえば、舌や唇がうまく動かないと「ぱ・た・か・ら」という言葉がうまくいえなくなります。この症状も脳梗塞の初期からよくみられます。
3.感覚の低下
3つ目は、感覚の低下です。熱いコーヒーカップに触れたり、お風呂に入ってもあまり温度を感じなかったりする場合は、脳梗塞を疑ったほうが良いでしょう。
基本的に、脳梗塞は右半身か左半身どちらかに症状が現れます。半身のしびれや感覚の低下がみられるときには、脳梗塞の可能性があります。
4.手足の力の入りにくさ
4つ目は、手足の力の入りにくさです。脳梗塞の簡易的なテストとして、手を前に出した状態を保持してもらう方法があげられます。その際に片方の手が落ちる、または回転しながら落ちるなどが起きた場合は脳梗塞の疑いがあります。
また、ご飯を食べるときにお箸が持ちにくくなったり、服を着るときにシャツのボタンを閉めにくくなったりした際も脳梗塞の可能性があるので、すぐに検査したほうが良いでしょう。
5.めまい(眩暈)や吐き気
5つ目は、めまいや吐き気が起こることです。これは小脳という後頭部にある場所に梗塞が起きると、平衡感覚(姿勢を維持する感覚)が失われやすくなるからです。平衡感覚が障害されると、強いめまいや吐き気がみられます。
6.目のぼやけ・かすみ
6つ目は、目のぼやけやかすみなどの症状です。目の症状として「同名半盲」があり、これは両方の目と同じ方向の視野が欠損する状態のことです。脳梗塞によって脳の神経に障害が起こると、このような症状が現れます。
視野の半分が欠損する、なんとなく視界がぼやけるなどの症状が現れたら脳梗塞の可能性があります。
脳梗塞が「発症から一週間が山」といわれる理由は?
脳梗塞が「発症から一週間が山」といわれるのは、その時期の対応が今後の回復に大きく関係しているからです。
まず、脳梗塞を発症してから一週間程度の期間を「急性期」と呼びます。この時期は発症直後であるため、脳細胞の損傷が急速に進行している状態です。早期から適切な治療をすることで脳細胞の損傷を防ぎ、脳梗塞による影響を最小限におさえられます。
そして、急性期を過ぎて状態が安定した時期を「回復期」と呼びます。脳梗塞による影響を防ぎつつ、症状の改善を目指すには、いかに早く急性期から回復期へ移行させるかがポイントです。そのため、発症直後からの対応が非常に重要なのです。
脳梗塞を発症してからの治療法
脳梗塞の発症後4時間以内であれば、「血栓溶解療法」という治療が行われます。これは血栓を溶かす薬を点滴で静脈に入れる治療のことで、40%の確率で症状の消失が期待できます。なかには、症状の発見から診断までの過程で時間が経過している可能性もあるでしょう。
しかし、トータルで4時間以内であればこの治療法が有効とされています。
4時間が過ぎて、8時間以内に処置ができる場合に行われるのが、血管内にカテーテルを入れて血栓を除去する方法です。
脳梗塞の具体的な治療については、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
脳梗塞発症後は時期ごとのリハビリが重要
脳梗塞発症後は、時期によって以下の3つに分かれています。
- ・急性期
- ・回復期
- ・生活期(維持期)
それぞれの時期にあわせたリハビリの実施によって、症状の効率的な改善が期待できます。ここでは、各時期のリハビリ内容の詳細についてみていきましょう。
急性期のリハビリ
急性期は、発症直後から1週間程度の時期のことです。前述したように、脳梗塞の症状を改善するためには、この時期から治療やリハビリを行うことが非常に重要です。急性期で安静期間が続くと身体機能の衰えが進行するため、早期からリハビリが開始されます。
状態に応じて以下のようなリハビリを行い、筋力や関節の柔軟性低下を防ぎます。
ベッド上での関節を動かす運動
- ・座位姿勢の保持
- ・立ち上がり
- ・車イスへの乗り移り
- ・着替えやトイレなどの動作練習
- ・回復期のリハビリ
急性期を過ぎて状態が安定してきた時期を、回復期と呼びます。回復期に該当する期間は、脳梗塞を発症して1〜2週間から3〜6か月あたりが目安です。
この時期は状態が安定していることから、集中的なリハビリが開始されます。身体機能の改善はもちろん、退院後の生活や復職に必要な動作の獲得を目指すためのリハビリが行われます。在宅復帰に向けて、自宅環境の調整を行うこともあるでしょう。
生活期(維持期)のリハビリ
回復期のリハビリによって身体機能が改善し、普段の生活の自立や社会復帰を目指す時期が生活期(維持期)です。急性期と回復期は医療機関で入院している方が多いのに対して、生活期ではすでに退院している方もいるでしょう。
この時期のリハビリは、おもに患者さんの自宅や介護施設などで行われます。自宅や社会で問題なく過ごしてもらうために、リハビリによってその方の生活で必要な動作の獲得・改善を目指します。
また脳梗塞で入院した場合、どのくらいの費用がかかるのか気になる方もいるのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、脳梗塞を含む脳血管疾患の平均入院費用は、約90万円(3割負担の場合)とされています。脳梗塞の入院費用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ| 脳梗塞を発症したら早期の治療で後遺症の軽減を!
脳梗塞は脳の血管が詰まることで生じる病気で、発症するとさまざまな危険な症状が現れる恐れがあります。「脳梗塞は一週間が山」といわれるように、症状の早期改善を目指すためには、発症直後からの治療が重要です。
また、脳梗塞を発症して約1〜2年経つと、身体機能の回復は期待できないとされています。今の機能を維持するためには、リハビリの継続が重要です。
一方で、脳梗塞に対して幹細胞の「再生医療」による治療が注目されています。幹細胞の再生医療によって、10年以上経過した脳梗塞の方でも神経の再生・修復が行われ、手足の機能やしびれなどの改善を認めることもあるのです。
リペアセルクリックでは、この幹細胞による再生医療を行っています。脳梗塞の再生医療の治療には個人差はあるものの、ほとんど回復されないという後遺症が改善した事例も多数あります。
治療やカウンセリングには 日本全国、北は北海道から、南は九州、沖縄まで多くの患者様がご来院されています。
▼脳卒中を「再生医療(幹細胞治療)」で治療したい!治療できるか?など、
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