シナモンの効果5選!おすすめの食べ方と摂りすぎるリスクを紹介
公開日:2024.10.18 スタッフ ブログ 健康 豆知識ニッケイ属の内樹皮から得られる香辛料のシナモンは世界最古のスパイスであり、香りの高さからスパイスの王様とも呼ばれています。シナモンは料理やお菓子の風味にアクセントをつけるだけでなく、さまざまな健康・美容効果でも注目されています。
しかし、シナモンを過剰に摂取すると思わぬ健康被害を招く恐れがあるため注意が必要です。
今回はシナモンに期待できる5つの効果とおすすめの食べ方、および過剰摂取がもたらすリスクについて解説します。効果的な摂取のタイミングや適切な量も紹介するので、シナモンに興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
シナモンの効果5選
シナモンには主に以下5つの効果が見込めます。
- ダイエットのサポート
- 血糖値の安定化(糖尿病の予防)
- 毛細血管の修復
- 抗酸化・抗炎症作用(抗がん・アンチエイジング・白髪予防)
- 冷え性の緩和
それぞれについて解説します。
ダイエットのサポート
シナモンに期待できる効果の1つが、ダイエットのサポートです。
シナモンには、脂肪分解酵素のはたらきを活性化させる「アディポネクチン」の分泌を促進し、体内の糖質や脂肪の消費をサポートする効果が見込めます。(文献1)シナモンの独特の香りには食欲を抑制する作用もあり、小腹が空いた際にシナモンの香りを嗅ぐことで間食を控えやすくなります。
実際にシナモンのサプリメントを用いた海外の臨床試験では、体重やBMI、脂肪率に有意な減少が見られたと報告されました。(文献2)また、海外で行われたシステマティックレビューにおいて、シナモンの摂取後にビスファチン濃度が低下すると示唆されています。(文献3)
ビスファチンは肥満や糖尿病に関与するアディポサイトカインの一種で、シナモンによる濃度が低下すると肥満や糖尿病の改善・予防が期待できます。
血糖値の安定化(糖尿病の予防)
シナモンには血糖値の安定化(糖尿病の予防効果)も見込めます。
食事に伴い血糖値が上昇するとインスリンの分泌量が増加し、血液中のブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれます。血糖値の上昇が急激であればあるほどインスリンが過剰に分泌されるため、体脂肪が増加して糖尿病の発症・増悪リスクが増加します。
肥満や内臓脂肪の増加はインスリン抵抗性を高めるため、さらに血糖値が上昇する悪循環に陥りがちです。
シナモンにはインスリン抵抗性を改善し、血糖値を安定させるはたらきがあるため、糖尿病のリスクを下げる効果が見込めます。(文献4)
海外で行われた2型糖尿病患者140名を対象に行われた三重盲検プラセボ対照ランダム化臨床試験において、シナモン投与群ではプラセボ群に比べ、血糖値やBMI、内臓脂肪、インスリン抵抗性などに関して有意な改善が見られました。(文献5)
毛細血管の修復
毛細血管の修復もシナモンに期待できる効果の1つです。
株式会社資生堂リサーチセンターと大阪大学微生物学研究所の共同研究によって、毛細血管の内皮細胞周囲の壁細胞は加齢により減少するとわかりました。(文献6)
毛細血管の壁細胞の減少や、毛細血管内部の栄養分・酸素の漏出は動脈硬化を進行させ、生活習慣病のリスクを高める一因です。
シナモンに含まれている成分の1つ「シンナムアルデヒド」は、Tie2(タイツー)と呼ばれる受容体型チロシンキナーゼを活性化させる作用があります。(文献7)シンナムアルデヒドのはたらきによりTie2が活性化すると、毛細血管にできた細かい傷が修復されるため、血液中の栄養分や酸素の漏出が妨げられます。
毛細血管が滞りなく修復されると動脈硬化の進行を遅らせ、生活習慣病のリスクを下げる効果が見込めるでしょう。
抗酸化・抗炎症作用(抗がん・アンチエイジング・白髪予防)
シナモンには抗酸化・抗炎症作用(抗がん・アンチエイジング効果・白髪予防)などの効果も期待できます。
植物の多くが有害な紫外線から身を守るため自ら高い抗酸化作用を有するポリフェノールを生成しますが、シナモンに関しても例外ではありません。
シナモンに含まれるプロアントシアニジンと呼ばれるポリフェノールの一種には、紫外線をはじめとする外的ストレスを防ぐはたらきがあります。プロアントシアニジンの抗酸化作用はシナモンを摂取した人間にも有効で、紫外線による肌の老化や活性酸素の増加による白髪のリスクを下げる効果が見込めます。(文献8)
黒色腫を罹患させたマウスでの試験では、シナモンエキスの投与により腫瘍の増殖が有意に抑制されたと示唆されました。(文献9)
ただし、シナモンの成分が人間に対しても抗がん効果を発揮するかに関しては、エビデンスがいまだ不足しているといわざるをえません。
もしがん予防やアンチエイジングなどをご所望なら、再生医療もご検討ください。リペアセルクリニックでは、患者様のご希望に合わせて再生医療での治療を提供いたします。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
冷え性の緩和
シナモンに期待できる効果としては冷え性の緩和も挙げられます。シナモンはケイヒ(桂皮)とも呼ばれており、漢方治療に用いられる代表的な生薬の1つです。(文献10)
漢方においてシナモンには血液の流れを促進したり、身体を温めたりする作用が見込まれており、冷え性の改善に効果的です。血液循環の促進や体温の上昇で筋肉の緊張が緩和すれば、日本人にとっての国民病とも言える肩こりや腰痛の改善にもつながります。(文献11)
血液が身体のすみずみにまで送られると内臓の機能が向上し、生理痛や胃腸の不調を改善する効果も期待できるでしょう。
シナモンを美味しく摂れる!おすすめの食べ方・飲み方を紹介
シナモンはそのまま食べるのではなく煮込み料理に混ぜたり、粉末を飲料に入れたりするのが一般的です。
シナモンを美味しく摂れるおすすめの食べ方・飲み方の例は以下のとおりです。
- シナモンハニートースト
- シナモン×はちみつ紅茶
- シナモンコーヒー
- 豆乳×シナモンラテ
- 豚肉の赤ワイン煮込み
ハニートーストやフレンチトーストにシナモンパウダーを振りかけると、シナモンの香りが甘い味わいと絶妙にマッチします。
はちみつ紅茶やコーヒー、豆乳にアクセントとしてシナモンを加えるのもおすすめです。豚肉の赤ワイン煮込みなど毎日の献立にシナモンを加えると、料理のレベルがワンランクアップします。
取り入れやすいレシピを参考にして、シナモンを日頃から美味しく摂りましょう。
シナモンを効果的に摂るために適量・タイミングを知ろう
EC(欧州委員会)によると、平均的なクマリン含有量のシナモンの耐用一日摂取量は体重60kgの成人で2gです。(文献12)
ただし、家庭で使用するシナモンスティックやシナモンパウダーに関しては、上限値は設定されていません。
よほど過剰に摂取しない限り、シナモンによる健康被害を心配する必要はないと考えられています。
また、シナモンは医薬品ではないため、基本的にどのようなタイミングで摂取しても構いません。朝に摂取すると体温が上がりやすいため、冷え性などにお悩みの方は朝ごはんと一緒に摂取するのがおすすめです。
ダイエット中の方は、食前にシナモンを入れた飲み物を摂取すると、食欲を抑える効果や血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。
シナモンは漢方に用いられる生薬の一種ですが、化学的に製造された医薬品ほどの即効性は期待できません。ダイエット効果やアンチエイジング効果などを実感するためには、最低でも3カ月程度は摂取を続ける必要があります。
可能であれば毎日摂取すると、早期に効果を実感しやすくなるでしょう。
摂りすぎは逆効果!シナモンを意識的に摂る際の注意点
シナモンの過剰摂取には以下のリスクがあるため注意しましょう。
- クマリンが肝機能に影響を及ぼす可能性がある
- 妊娠中・授乳中の場合はホルモンバランスに影響を与えやすい
- 糖尿病をはじめとした薬物相互作用で身体に悪影響が出る可能性がある
それぞれについて解説します。
クマリンが肝機能に影響を及ぼす可能性がある
シナモンの過剰摂取は肝機能に影響を及ぼす可能性があると知っておきましょう。
シナモンの独特の香りは芳香成分のクマリンによりもたらされますが、クマリンを高用量で摂取すると肝機能障害のリスクが上昇すると指摘されています。(文献13)
通常の食事でクマリンを過剰摂取する可能性は低いですが、サプリメントを服用する方はクマリンの摂取量を1日あたり4.8mg以下(体重60kgの場合)に抑える必要があります。
シナモンは大きくセイロンとカシアの2種類に分類されますが、後者の方がクマリンを多く含むため、肝疾患をお持ちの方は注意が必要です。(文献14)
妊娠中・授乳中の場合はホルモンバランスに影響を与えやすい
妊娠中・授乳中のシナモンの過剰摂取は、ホルモンバランスに影響を与えやすいため細心の注意が求められます。
シナモンには毛細血管を修復する作用を持つシンナムアルデヒドが含まれていますが、子宮収縮を起こす可能性が指摘されています。(文献15)
現段階ではエビデンス(医学的根拠)を伴う研究結果やデータはありませんが、妊娠中は普段よりも厳重に健康を管理する必要があるため、万が一のことを考えてシナモンの摂取を避けましょう。
シナモンの成分が乳汁中に移行するかは不明ですが、母乳育児中はシナモンの摂取を控えた方が無難です。
糖尿病をはじめとした薬物相互作用で身体に悪影響が出る可能性がある
糖尿病をはじめ、なんらかの病気を抱えている方や医薬品を服用中の方は、シナモンの摂取にあたって注意が必要です。
薬物には相互作用(飲み合わせ)があり、特定の医薬品とシナモンを一緒に摂取すると、有効成分のはたらきを増強・減弱したり、副作用のリスクを高めたりする恐れがあります。
シナモンとの薬物相互作用の可能性が指摘されている医薬品としては、糖尿病や高血圧、ガン、関節炎、HIV、喘息、うつなどの治療薬が挙げられています。(文献16)
なんらかの病気をお持ちの方、もしくは服用中の医薬品がある方で、シナモンの摂取に関する不安がある方は、かかりつけ医や専門医に相談するのがおすすめです。
適度にシナモンを摂って健康・美容の効果を実感しましょう
世界最古のスパイスでもあるシナモンは料理やお菓子の風味づけに用いられるだけでなく、さまざまな健康・美容効果が見込まれるとわかりました。
シナモンには血行を促進したり身体を温めたりする作用があるため、冷え性や肩こり、腰痛などの不調を改善する際に有益です。
臨床試験の結果からシナモンにはインスリン抵抗性を改善し、血糖値を安定させる作用があると示唆されており、生活習慣病や肥満の予防にも役立ちます。
マウスを用いた実験では腫瘍の増殖を抑制する効果が確認されましたが、ヒトに対する抗がん作用に関してはまだエビデンスが十分とはいえません。
毎日のシナモンの摂取で不調の改善が見られない方や、より専門的なケアが必要な方には再生医療の選択肢があります。
再生医療は自らの細胞を活用する治療法で、疾患・免疫など幅広い分野へ適用されます。
健康に関するお悩みをお持ちの方で再生医療にご興味・ご質問がある方は、リペアセルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。
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参考文献
(文献1)
片倉の国産はちみつ専門店「はちみつとシナモンの健康相乗効果」
https://katakura-honey.com/?mode=f15&srsltid=AfmBOoqEUP3eNxX9u4Tfa5L2jXtpjsLceVxgURK7fpHXJMgxPqfaTF8e(最終アクセス:2025年6月5日)
(文献2)
National Library of Medicine「シナモンのサプリメントは肥満に良い影響を与える:ランダム化比較試験の系統的レビューと用量反応メタアナリシス」(英文による解説)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30799194/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献3)
National Library of Medicine「シナモンサプリメントのアディポカインおよび食欲調節ホルモンへの影響」(英文による解説)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38089418/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献4)
四谷内科・内視鏡クリニック「シナモンは血糖値を下げるのか!インスリンや肝臓への影響及び活用方法を紹介」
https://www.yotsuya-naishikyo.com/diabetes-lab/cinnamon/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献5)
National Library of Medicine「2型糖尿病患者におけるシナモンの有効性:ランダム化比較臨床試験」(英文による解説)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29605574/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献6)
J-STAGE「皮膚老化において重要な役割を担う血管・リンパ管」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/46/3/46_188/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献7)
日本メディカルハーブ協会「セイロンシナモン: 冷えに役立つハーブを学ぶ」
https://www.medicalherb.or.jp/archives/267740 (最終アクセス:2025年5月20日)
(文献8)
大正製薬「白髪」
https://www.taisho-kenko.com/disease/628/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献9)
National Library of Medicine「シナモン抽出物はNFκBとAP1の阻害を通じて腫瘍細胞の死を誘導する」(英文による解説)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20653974/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献10)
漢方生薬研究所「漢方生薬成分ケイヒの効能とは?血糖値の上昇を抑える漢方薬をご紹介」
https://www.herbal-i.com/kanpo-shoyaku/keihi/(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献11)
薬事日報「肩こり、腰痛は国民病」
https://www.yakuji.co.jp/entry54351.html (最終アクセス:2025年5月20日)
(文献12)
内閣府食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03690070314(最終アクセス:2025年5月27日)
(文献13)
内閣府食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05610540475(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献14)
東京都健康安全研究センター「シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査 」
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo59/01-19.pdf(最終アクセス:2025年5月20日)
(文献15)
西松屋「妊娠中に辛いものを食べても大丈夫?辛いものを食べる際の注意点を紹介」
https://www.24028.jp/mimistage/birth/4888/ (最終アクセス:2025年5月20日)
(文献16)
CNN「シナモン、一部の処方薬と相互作用を起こす可能性 新研究」
https://www.cnn.co.jp/fringe/35232820.html(最終アクセス:2025年5月20日)