症例紹介case introduction

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左変形性股関節症(臼蓋形成不全)に対する幹細胞治療 40代女性

まだ人工関節するのは早い 幹細胞で痛み消失 40代女性 

こちらの患者様は15年前からの左股関節痛のため受診していただきました。

患者様は先天性股関節脱臼のため、乳児期に左股関節の脱臼整復の手術を受けられました。その後30代で左股関節の痛みが出現するようになりました。

整形外科では臼蓋形成不全による変形性関節症と診断を受け、以来15年間左股関節の痛みと付き合ってこられました。先天性股関節脱臼とは、股関節が生まれつき緩かったり、臼蓋の屋根の形状が不完全な場合に大腿骨頭が臼蓋から外れた状態になります。脱臼した状態のままだと正常な股関節に成長できないため、装具療法、牽引や手術をしたりして脱臼を整復しなければなりません。骨頭への臼蓋のかぶりが浅い場合(臼蓋形成不全)には将来、変形性関節症となってしまうため予防的に骨盤の骨を切って臼蓋の屋根がかぶさるようにする手術などを行う場合もあります。

こちらの患者様は、そういった骨切り術は受けてはいませんでした。現在通院している整形外科では臼蓋形成不全による変形性股関節症と診断され、まだ40代と若いので人工関節をするには耐用年数の問題から早いと言われ、内服薬による対処療法が行われていました。人工関節の耐用年数は平均15年でどんなに長くても30年であるため、若い時期に人工関節を受けると将来的に入れ替えの手術(再置換術)が必要となってしまいます。そのため人工関節をするには60歳以降が望ましいとされています。

変形性股関節症の幹細胞治療を行っている施設は変形性膝関節症と比べて希です。それは股関節は膝関節と比べ解剖学的に隙間が狭い構造となっており幹細胞を注入しづらいことが一因と考えています。

私達は股関節内に確実に幹細胞を届けるということへのこだわりを持っています。エコー、特殊なレントゲン装置、そして針先が細くしなりがある特殊な注射針などを使用して確実に股関節内へ幹細胞を届けることはもちろんのこと、損傷部位に重点的に届くように工夫しています。さらに3種類の穿刺方法を使用し、患者様の股関節の変形の程度や形態に応じて選択し確実性を上げることに努めています。私達は生き生きした細胞を使用するのはもちろんのこと、これらの機器・技術を駆使して変形性股関節症への幹細胞治療も積極的に行ってきました。その症例数は数百例を数え、治療効果においても確かな成果を出してきました。

レントゲン

変形性股関節症763  2023-08-27 8.36.01

レントゲンでは左股関節の臼蓋の形成不全とそれにともなう関節裂隙の狭小化を認めました。

 

<治療効果>左股関節に1億個細胞を計2回投与+PRP

左股関節に1億個細胞を計2回投与しました。

初回投与後2か月で、投与前10段階中8であった痛みが0となり、投与後半年が経過しても痛みが0のまま過ごせています。

患者様からは「痛みと15年間も付き合ってきたから将来人工関節を受けるまで痛みから解放されることはないと思っていましたが、痛みから解放される時がこんなに早く来るなんて思ってもいなかった。」と大変喜んでいただけました。

臼蓋のかぶりが浅いことは改善できていないため将来的に痛みが再発する可能性は否めませんが、たとえそうだとしても人工関節を受けるまでに痛みなく過ごせる期間を提供できたので大変意義のある治療だったと思っています。

 

<治療費>
関節1部位 幹細胞数( 2500万個~1億個 ) 
投与回数( 1回~ ) PRP治療含む 
132万円( 税込 )~
<起こりうる副作用>
・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。
・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。

 

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再生医療医師監修:坂本貞範

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