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半月板損傷の手術で痛みは治る?メリットとデメリットについて医師が解説

半月板損傷
公開日: 2022.06.18 更新日: 2025.02.12

スポーツをする方や高齢者の中には、膝を痛めて半月板損傷になった方もいらっしゃるでしょう。手術によって本当に治るのか、悪化や再手術にならないのか治療に対し不安を抱える方もいるかもしれません。

半月板損傷の手術は、変形性膝関節症のリスクを減らせるメリットがある一方で、再手術の可能性があるデメリットもあります。メリットとデメリットを考慮し、医師と相談の上で手術するかどうかを検討すると良いでしょう。

本記事では、半月板損傷の手術の種類やメリットデメリットについて詳しく解説しています。本記事が半月板損傷になった方が手術を検討する材料となれれば幸いです。

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半月板損傷はスポーツマンや高齢者に多い

半月板損傷は高齢者やスポーツマンに多くみられる外傷です。

半月板は膝の内側と外側に位置し、膝関節に起こる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。加齢とともに弱くなるため、半月板損傷は老化現象のひとつとして普通に起こりうることです。

また、スポーツにおいては、急に体を曲げたりひねったりする動作を繰り返すと、半月板への負担が増して損傷するリスクが高まります。

半月板が損傷すると膝の曲げ伸ばしが不安定になったり、痛みや腫れで膝が動かなくなったりする場合もあります。

半月板損傷の原因や症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

半月板損傷の手術半月板損傷における2つの手術方法

半月板損傷後は、手術が必要な場合と不要な場合があります。最終的には損傷のレベルや年齢など個人の状態に合わせて手術を検討します。

半月板損傷の手術の種類は下記の2種類です。

  • 縫合術
  • 切除術

自分自身でもどのような手術があるのかを理解して、医師に相談して決めましょう。

軟骨をつなげる「縫合術」

「縫合術」は、その名の通り損傷した軟骨を縫い合わせて修復する手術です。

一般的に縫合術は以下の手順で行われます。

  • 膝の蓋近くに数か所穴をあける
  • 手術に関節鏡(小型カメラ)と使用する器材を体内に入れる
  • 関節鏡で患部を確認しながら縫い合わせる

縫合術は傷ついた軟膏を取り除く「切除法」と比べて、半月板の温存しやすいメリットがあります。そのため、縫合術が可能な状態であれば、こちらが優先的に選択されます。

その反面、考えられるリスクは半月板の再損傷と再手術です。半月板の再発は高くて5人に1人と低い確率ではありません。(文献1

その他、下記の合併症のリスクの可能性があります。

  • 感染症
  • 関節水腫(関節液が関節にたまり腫れ・痛みを生じる)

リスクも踏まえて慎重に検討しましょう。

損傷した部分を取り除く「切除法」

切除法は、文字通り半月板で損傷している部分を切除し取り除く手術です。損傷部位の縫合が難しい場合、多くの場合は切除術が選択されます。

一般的に切除法は、下記の手順で行います。

  • 膝の蓋近くに数か所穴をあける
  • 手術に関節鏡(小型カメラ)と使用する器材を体内に入れる
  • 関節鏡で患部を確認しながら少しずつ専用のハサミで切除する

半月板の損傷状態によっては、傷ついた軟骨のみ取り除いて正常な部分は残す方法も選択されます。

縫合術よりも感染症の合併リスクが少ない一方で、ロッキングの繰り返しが多くなり変形性膝関節症のリスクが高まるリスクもあります。

半月板の治療についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

半月板損傷の手術をするメリットは「変形性膝関節症のリスクを減らせる」

半月板損傷の手術を受けることで、半月板損傷が重症化して起こる「変形性膝関節症」のリスクを低減できる可能性があります。

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が摩擦によって変形することで膝の腫れや痛みを伴う病気です。加齢や肥満により膝関節に負担がかかって発症するケースが多くみられます。

変形性膝関節症の症状によっては、人工関節を入れる手術が必要になることもあります。

半月板損傷の手術は、長期的な目線で見ると、このような2次的な病気を防げるメリットがあるといえるでしょう。

半月板損傷の手術をするデメリットは「再手術の可能性がある」

半月板損傷は、早期の手術により慢性的な膝関節の病気を防げるのがメリットである一方、再手術のリスクがあるのがデメリットです。

手術により半月板の痛みや損傷が一時的に改善しても、再度激しい運動の繰り返しや加齢によって再発し、再手術となる可能性も否定できません。

膝の変性に伴う半月板損傷の場合、切除法は縫合術よりも変形性膝関節症へ進行する可能性が高まります。

半月板損傷の手術を検討する上で、どのようなリスクがあるのか不安がある方は、かかりつけの医師に相談しましょう。

半月板損傷の手術によって歩けるまでの期間が違う

半月板損傷をする場合、治療期間の目安は以下のとおりです。

  縫合術 切除術
入院期間 約2週間 約4日間
歩行可能期間 術後約2週間 術後の翌日から
スポーツ復帰 術後約3カ月 術後約1~2カ月

退院後はリハビリが必要になるため、定期的な通院が必要です。医師や理学療法士の指示に従って適切なリハビリを行いましょう。

半月板損傷の術後のリハビリについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

まとめ|半月板損傷の手術に臨む前にメリットとデメリットを考えましょう

半月板損傷の手術には、メリット・デメリットがそれぞれ存在します。これらを十分に理解した上で、手術を受けるべきか検討しましょう。

また、手術を受けても膝の痛みが改善されない場合、治療法の選択肢として、「再生医療」が挙げられます。

とくに幹細胞治療は、ご自身の脂肪から幹細胞を抽出し培養、患部に投与すると膝の痛みの改善が期待できる可能性があります。

当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による半月板損傷の治療が可能です。メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。

また、膝の症状を改善する再生医療が気になる方は、下記リンクも参考にしていただければ幸いです。

手術しなくても治療できる時代です。

膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

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半月板損傷の手術に関してよくある質問

手術にはどのくらいの費用がかかりますか?

手術にかかる費用は、病院や治療内容によって変動します。半月板損傷の治療は健康保険適応です。3割負担の方の場合、負担金は7〜20万円程度と考えられるでしょう。

いずれにしても、手術にかかる費用は高額です。負担が大きい場合は、高額療養費制度や限度額適用認定証の活用で費用の負担を減らすことも可能です。(文献2)(文献3

費用を減らせる金額は自身の収入や加入している保険区分によって変動します。詳しく知りたい方は、自身が加入している健康保険組合に問い合わせてみてください。

半月板損傷で手術をしない選択肢はないのでしょうか?

半月板損傷になっても、必ず手術しなければいけないわけではありません。半月板損傷が軽度の場合は、手術をしない方法を選択できます。

手術をしない治療法の例として、以下があります。

  • ヒアルロン酸の注入
  • 関節穿刺(かんせつせんし)
  • 鎮痛剤の服用

このほか、近年では自身の幹細胞を利用した再生医療による治療も可能です。当院「リペアセルクリニック」でも、再生医療による膝の痛みを対象とした治療を行っています。メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

 

参考文献一覧

(文献1)
緒方 悠太, 佐藤 孝二, 木内 正太郎, 田渕 幸祐. 外側半月板縫合術後3 ヵ月における身体機能の特徴. J-STAGE]. 2022年11月. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyushupt/2022/0/2022_54/_article/-char/ja/, 2024.11.10.

(文献2)
高額療養費制度を利用される皆さまへ. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html, 2024.11.10.

(文献3)
マイナ保険証または限度額適用認定証をご利用ください . 全国健康保険協会.https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/1137-91156/,2024.11.10.

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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