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離断性骨軟骨炎とは?膝や足首、肘などの好発部位別の原因や治療方法を解説
「離断性骨軟骨炎ってどんな病気?」
「具体的な原因や症状を知りたい」
離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)とは、スポーツ動作などにより関節内の軟骨が傷んでしまい、進行すると一部が剥がれてしまう病気です。初期は軽い痛みですが、進行すると変形性関節症(関節の骨が変形する病気)に移行するリスクがあるため放置してはいけません。
本記事では、離断性骨軟骨炎の概要をはじめとして以下を解説します。
離断性骨軟骨炎は、成長痛と勘違いされ放置されることがあります。見逃さないためにも、本記事で具体的な原因や症状の理解を深めてください。
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目次
離断性骨軟骨炎とは関節の中に軟骨が剥がれ落ちる障害
離断性骨軟骨炎とは、肘や膝などの関節の軟骨が傷んで、進行すると一部が剥がれてしまう病気です。肘の場合は野球肘とも呼ばれています。成長期の小中学生に多く見られる病気で、10代の男児に好発します。
主な原因は、スポーツ動作により繰り返される負荷です。基本的には運動を中止し、保存療法で経過を観察します。軟骨が剥がれてしまった場合や保存療法で治癒しない場合は、手術を検討しなければなりません。
離断性骨軟骨炎の好発部位別の原因
離断性骨軟骨炎の好発部位別の主な原因は以下の通りです。
| 好発部位 | 主な原因 |
|---|---|
| 膝・足首 | 繰り返す過剰な負荷 |
| 肘 | 不適切な投球フォーム |
それぞれの好発部位の原因について詳しく解説します。
膝・足首|繰り返す過剰な負荷
膝・足首の離断性骨軟骨炎は、繰り返される膝・足首への負荷により発症します。とくに膝関節では急激な動きや衝撃が影響します。
例えば、サッカーやバスケットボール、バレーボールにおける以下のような動作です。
- 繰り返されるジャンプ
- 急激な方向転換
これらの繰り返しの衝撃の積み重ねが発症の原因です。先天的な膝関節の不安定性が原因になることもあります。
肘|不適切な投球フォーム
肘の離断性骨軟骨炎は、繰り返される肘への負荷により発症します。野球の投球動作やバッティング動作の中で、繰り返される過度な負荷が主な原因と考えられます。
投球においてはオーバーユース(使い過ぎ)だけではありません。
以下のような要因から起きる不適切な投球フォームが発症の原因になります。
- 体幹や関節の筋力不足
- 肩や前腕、股関節、下肢の柔軟性の不足
- 体幹の回旋不足
- ボールの握り方の問題
以上を改善または修正して、正しい投球フォームを取得することは、再発を予防するためにも重要です。
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離断性骨軟骨炎のステージ分類
離断性骨軟骨炎をステージ分類すると以下のように分けられます。
| 分類 | 詳細 |
|---|---|
| グレード1 | 軟骨が軟らかくなっているが軟骨表面に損傷はない |
| グレード2 | 損傷部位は安定しているが軟骨表面の一部に亀裂が現れている |
| グレード3 | 損傷部位が不安定で軟骨が剥がれかかっている |
| グレード4 | 軟骨の一部が剥がれてしまい軟骨が欠けた状態になっている |
離断性骨軟骨炎の進行度別の症状
離断性骨軟骨炎の進行度別の症状を大別すると以下の通りです。
| 進行度 | 症状 |
|---|---|
| 初期 | 運動後に鈍い痛みや不快感が現れる |
| 進行時 | 強い痛みや関節の違和感が現れる |
以下では症状について詳しく解説します。
初期症状|運動後に鈍い痛みや不快感が現れる
初期症状は、運動後の鈍い痛みや不快感です。そのほかに特別な症状は現れません。発症後初期は軟骨に損傷がないためです。関節軟骨の表面に亀裂や変性が起き始めると痛みが強くなっていきます。
初期は軽い痛みであるため運動も可能です。この段階で放置して運動を続けると、亀裂が悪化して軟骨の一部が剥がれてしまいます。疑われる症状が現れている場合は医療機関の受診をしてください。
進行時の症状|強い痛みや関節の違和感が現れる
進行時の症状は強い痛みで、スポーツ動作にも影響をきたします。関節軟骨の亀裂や変性が起きているためです。
さらに進行すると肘や膝の曲げ伸ばしの際に、引っかかる感覚やズレた感覚が現れます。軟骨の一部が関節の中に剥がれてしまったためです。
軟骨の一部が関節に挟まると、ロッキングと呼ばれる「関節が急に動かなくなる症状」が現れます。ロッキングが起きた際は、無理に動かさず速やかに医療機関を受診してください。
また、これらの症状が長期に及ぶと変形性関節症に移行するおそれがあります。軽い痛みの段階から治療を受けましょう。
離断性骨軟骨炎の診断方法
離断性骨軟骨炎の診断方法は、関節の痛みや動きの診察のほか、以下のような画像検査を行って判断します。
| 検査 | 詳細 |
|---|---|
| レントゲン検査 | 進行状態を確認できる |
| 超音波検査 | 初期段階を早期発見するのに有用である |
| CT検査 | 剥がれた軟骨の大きさや位置を確認できる |
| MRI検査 | 初期段階のわずかな変化を診断できる |
MRI検査は超音波検査で代用できます。そのため、MRI検査は進行後に手術の必要性を判断する際に利用します。
離断性骨軟骨炎の治療方法
離断性骨軟骨炎の治療方法には、以下のようなものがあります。
それぞれの治療方法について詳しく解説します。
保存療法
ステージ分類のグレード2までは保存療法が適用されます。運動制限や安静を保ちながら自然治癒を促します。
投球やバッティングなどのスポーツ動作だけでなく、腕立て伏せなどの関節に負荷がかかる運動は禁止です。ギプスを巻くと治癒が促されるとの報告があり、必要に応じてギプス固定を行うこともあります。
保存療法を行いながら、定期的に画像検査を行い復帰の目安を判断します。多くの場合完全に治癒するまでに1年ほどは必要です。(文献1)本人の努力だけでなく、周囲にサポートをしてもらいながら治療を進めることが大切です。
手術療法
進行した場合や保存療法が効果を示さない場合には、手術療法が選択されます。手術にはいくつかの種類がありますが、軟骨の一部が剥がれていない場合と剥がれた場合で大別すると以下のように分けられます。
| 軟骨の状態 | 行われる手術内容 |
|---|---|
| 剥がれていない場合 | ・内視鏡(細い管の先端に小型カメラが付いた医療器具)を用いて、損傷部位に1mmほどの穴をいくつか開ける ・意図的に出血を起こして治癒を促進させる |
| 剥がれた場合 | ・剥がれた軟骨の状態が良い場合は、吸収性ピン(体に吸収されるピン)で元の位置に固定して再接合させる ・剥がれた軟骨の状態が悪いまたは大きい場合は、大腿骨などから採取した自分の軟骨を移植する |
スポーツ復帰の目安は手術により異なります。骨軟骨移植術の場合は、復帰まで3カ月以上の期間が必要です。
リハビリ療法
離断性骨軟骨炎におけるリハビリ療法は、保存療法の一環として行う場合と、術後に実施するものがあります。例えば、術後であれば関節の動く範囲の改善や筋力強化のリハビリを行います。
術後の投球のリハビリプログラムの一例を挙げると以下の通りです。
- シャドーピッチング
- ネットスロー
- 塁間半分の投球
- 塁間の投球
- 1〜3塁間対角線に投球
このように段階的にリハビリの強度を高めていきます。
再生医療
手術を必要としない再生医療も選択肢の1つです。再生医療とは、自己の細胞を損傷部位に注入して、身体が持つ自然治癒力を活かす治療方法です。
再生医療の種類には以下のようなものがあります。
| 再生医療の種類 | 詳細 |
|---|---|
| 幹細胞治療 (かんさいぼうちりょう) |
組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 |
| PRP療法 | 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 |
離断性骨軟骨炎などのスポーツ外傷の再生医療に関して、詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。
スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。
離断性骨軟骨炎の予防法
離断性骨軟骨炎の予防にはストレッチが有効です。
肘の離断性骨軟骨炎の予防を目的とした、ストレッチの一例を挙げると以下のようなものがあります。
- 片腕の手のひらを上にして伸ばし前に出す
- もう片方の手で伸ばした腕の指先を持ち手前に引っ張り伸ばす
投球だけでなくあらゆるスポーツ動作は、肩や肘、股関節、体幹などの連動が大切です。いずれかの部位の柔軟性が悪いと、なんらかの損傷のリスクが高まります。日頃から体全体のストレッチを取り入れるように心がけましょう。
まとめ|スムーズなスポーツ復帰のために適切な診断と治療を受けよう
離断性骨軟骨炎は、スポーツをしている小中学生に多く見られる病気です。軟骨が剥がれてしまうと、手術が必要になってしまうおそれがあるため早期発見が重要です。また、治療せずに放置すると、変形性関節症に移行するリスクが高まるため注意してください。
運動後に膝や足首、肘のいずれかに鈍い痛みや違和感がある場合は、成長痛と決めつけずに離断性骨軟骨炎を疑いましょう。膝や足首、肘に引っかかる感覚やズレた感覚がある場合は、軟骨が剥がれてしまったおそれがあるため、速やかに医療機関を受診してください。
当院「リペアセルクリニック」では、離断性骨軟骨炎などのスポーツ外傷に対しても再生医療を行っています。相談だけでもお気軽にご連絡ください。
離断性骨軟骨炎に関するよくある質問
離断性骨軟骨炎が完治するまでの期間は?
離断性骨軟骨炎が完治するまでの期間は、損傷の状態や治療方法などによって異なります。例えば、肘の離断性骨軟骨炎で保存療法の場合は、半年から1年ほどは必要と考えられます。(文献1)
適切な治療を受けずに放置するとどうなる?
放置すると慢性的な痛みが続き、スポーツ復帰だけなく日常生活にも支障をきたすおそれがあります。変形性関節症に進行するリスクも高くなるため、適切な治療を受けてください。
スポーツ復帰はいつごろになる?
スポーツ復帰の時期は、治療の進行状況や個々の症状によります。例えば、手術療法を受けた場合は、術後3〜10カ月と手術の種類によって差があります。(文献2)
大人も発症する?
離断性骨軟骨炎は、成長中の軟骨に見られるため大人が発症するのはまれです。軟骨が成長しきった大人の場合は、剥がれかけの軟骨であっても自然治癒が望めません。
(文献1)
野球肘:離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭OCD)|江戸川病院
(文献2)
外側型野球肘(肘離断性骨軟骨炎)|芦屋中央病院











