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離断性骨軟骨炎とは?主な原因や症状、治療法について解説

離断性骨軟骨炎とは?主な原因や症状、治療法について解説
公開日: 2023.08.24 更新日: 2025.03.31

膝に痛みを起こす原因の一つが離断性骨軟骨炎です。離断性骨軟骨炎は10代〜20代に起こるケースが多く、膝軟骨の損傷となるため、初期のレントゲン写真ではわからない場合もあります。

主な原因は明らかにされていませんが、サッカーや野球などのスポーツによる負荷や血流障害が離断性骨軟骨炎に影響していると考えられています。

本記事では離断性骨軟骨炎の症状や原因、治療法について解説します。治療法も紹介するので、関節の違和感に悩んでいる方は参考にしてください。

離断性骨軟骨炎とは

離断性骨軟骨炎(りだんせいなんこつえん)とは軟骨が関節内に剥がれ落ちて、膝にさまざまな症状を起こす病気です。

血流不良で軟骨の下に位置する「軟骨下骨(なんこつかこつ)」が壊死し、離断性骨軟骨炎は引き起こされます。

離断性骨軟骨炎を発症しやすい年齢は10代〜20代で、スポーツ選手に多く見られます。また、男女比は2:1で、男性に多い病気です。

離断性骨軟骨炎の好発部位

離断性骨軟骨炎が起こりやすい部位は大腿骨の内側が85%ともっとも多く、外側が15%です。また、膝蓋骨(しつがいこつ、膝の皿)でも、稀に発症します。

離断性骨軟骨炎が発症する主な関節は、以下の通りです。

  • 膝関節
  • 肘関節
  • 足首(距骨)
  • 肩関節

膝関節は離断性骨軟骨炎を特に引き起こしやすい部位で、なかでも大腿骨の膝に近い部分の大腿骨内側顆(だいたいこつないそくか)で見られます。

なお、大腿骨の外側で起こった場合、円板上半月板(えんばんじょうはんげつばん)を合併する可能性もあるため注意が必要です。

離断性骨軟骨炎の症状

離断性骨軟骨炎の症状は、進行するにつれて悪化していきます。早期発見が重要になるため、初期症状を理解しておくのが大切です。

ここでは、離断性骨軟骨炎の症状を段階別に紹介します。

初期症状

離断性骨軟骨炎の初期症状は、運動後の不快感や鈍い痛み以外に特に症状がありません。病気が発症して初めの段階では、傷んだ軟骨が遊離していない状態のためです。

軽い違和感のみとなるため運動できますが、初期症状を放置してしまうと、次第に骨軟骨片が遊離して関節軟骨の引っかかりやズレを感じやすくなります。また、大きな軟骨の欠片が関節内に剥がれ落ちると、膝の中でゴリッと音がする場合もあります。

進行時の症状

離断性骨軟骨炎が進行した場合、痛みの増大や関節に違和感を覚えるようになります。軟骨の表面に亀裂や変化が生じると痛みが強くなり、スポーツをする際、支障をきたします。

また、膝の曲げ伸ばしをする際、骨軟骨片が関節に挟まると膝がロックして動かなくなるロッキングを引き起こす場合もあるため注意しましょう。

ロッキングが起こった場合は、無理に動かさずすみやかに医師の診断を受けるのが大切です。なお、離断性骨軟骨炎の症状が長期的に続くと、変形性関節症へ移行するリスクが生じます。

当院「リペアセルクリニック」では、メール相談オンラインカウンセリングを受け付けておりますので、治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

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離断性骨軟骨炎の主な原因

離断性骨軟骨炎の原因は、明確にされていません。しかし、いくつかの原因によって症状を引き起こすと考えられています。

ここでは、離断性骨軟骨炎の主な原因を紹介します。

  • サッカーなどのスポーツによる膝や足首へ負荷
  • 骨の急速な成長による血流障害

離断性骨軟骨炎が発症する原因を知りたい方は、参考にしてください。

サッカーなどのスポーツによる膝や足首へ負荷

離断性骨軟骨炎の原因は、繰り返される関節への衝撃やストレスの可能性が考えられます。反復する衝撃やストレスによって軟骨下の骨に負荷がかかると血流障害を起こし、軟骨が遊離しやすくなるためです。

たとえば、サッカーや野球、バスケットボールなどの激しいスポーツではジャンプや急な方向転換をともないます。膝や足首、肘へ負荷がかかりやすい動作の影響により、血流障害や壊死を引き起こして離断性骨軟骨炎が発症する場合があります。

若年スポーツ選手に多いため、膝や足首、肘に負担が大きい激しい運動は、離断性骨軟骨炎の原因の1つです。

骨の急速な成長による血流障害

離断性骨軟骨炎の原因には、成長期や思春期による骨の急速な成長が考えられます。骨が急速に成長すると、血行障害や骨への負荷が強まるためです。

成長期の子どもの軟骨はもろく、骨や軟骨に血液が供給されなければ、関節の骨が弱くなり軟骨が剥離しやすくなります。離断性骨軟骨炎は成長期に見られる病気のため、身体の発育にも影響していると推測されています。

スポーツ選手だけでなく、血流障害によっても離断性骨軟骨炎は引き起こされる点をあわせて押さえておきましょう。

離断性骨軟骨炎の診断方法

離断性骨軟骨炎における初期症状の診断方法にはMRI検査を行います。軟骨の損傷が原因となり、初期では通常のレントゲン写真で診断するのが難しいためです。

症状が進行して、骨軟骨片が分離する時期ではレントゲン写真で診断可能です。

また、肘の離断性骨軟骨炎はエコーでスクリーニング検査と診断できます。膝の離断性骨軟骨炎についても、エコーでの診断が可能と報告されてきています。

骨の状態をより詳しく知り、手術の計画を立てる際はCTスキャンで診断するのが一般的です。

離断性骨軟骨炎の治療

離断性骨軟骨炎の主な治療法を紹介します。

  • 保存療法
  • 手術療法
  • リハビリ療法
  • 再生医療

ご自身の状態を踏まえたうえで、最適な治療法を検討しましょう。

保存療法

保存療法は、症状の緩和を目指す治療法です。離断性骨軟骨炎では関節の離脱や遊離がない場合、保存療法から試みます。

保存療法で実施される主な治療は、以下の通りです。

主な治療

治療内容

運動の制限

痛みが緩和するまでスポーツなどの運動を中断する

装具の使用

膝関節を固定して安定に保つため、ギブスやサポーターなどの装具を使用する

身長が伸びている発育期で軟骨片が離れていない場合、自然に修復されるのを期待して、膝関節の安静やサポーターなどの装具を使用する保存治療が選択されます。

痛みに対しては鎮痛薬や関節内注射などを行い、レントゲンやMRIで修復されている傾向が見られれば徐々に負荷を上げていきます。保存療法を試みて症状回復が見込めないときは、手術療法に切り替えるケースがほとんどです。

手術療法

症状が進行している、もしくは回復が見られない場合は、手術療法が選択されます。離断性骨軟骨炎の主な手術療法は、以下の通りです。

手術療法

手術内容

適応される症例

マイクロフラクチャー法

膝関節鏡を関節内に入れ、患部に数か所小さい穴を開けて出血により治癒を促進

比較的小さな範囲の軟骨が損傷されている場合

整復内固定術

不安定な骨軟骨片を骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定

軟骨片が剥離して、遊離している場合

骨軟骨移植術

腿骨の体重がかからない部分から円柱状の軟骨片を採取して、損傷した部分に移植

損傷範囲が比較的大きく、遊離した軟骨片の状態が悪くて骨癒合を期待できない場合

適応する術式は患者さんの状態や希望、術者によって異なります。治療法については状態を把握したうえで主治医と相談し、納得いく治療プランを検討するのが大切です。

リハビリ療法

離断性骨軟骨炎のリハビリ療法は、保存療法の一環として行うケースと手術後に実施するものがあります。

離断性骨軟骨炎では手術だけではなく、その後のしっかりとしたリハビリテーションも重要です。

リハビリでは、可動域訓練や筋力トレーニングを中心に行い、肘や膝に負荷のかからない動作を身につけていきます。

身体に負担のかからない動作がわかるため、離断性骨軟骨炎の症状が回復し、スポーツを再開したあとやストレッチにもリハビリは役立ちます。

再生医療

再生医療は手術を必要としない治療法です。治療法の一つとなる幹細胞治療では、患者様自身から採取した幹細胞を培養し、ひざ関節に注入します。

当院「リペアルセルクリニック」の幹細胞治療では、脂肪由来の幹細胞を治療に活用します。米粒2~3粒ほどの採取のため、体への負担が少なくて済みます。

手術しなくても治療できる時代です。

腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

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まとめ・離断性骨軟骨炎は早期診断と治療が重要

膝離断性骨軟骨炎は、主に10代~20代に起こりやすい病気です。膝関節の軟骨が関節内に剥がれ落ちて、痛みや引っかかりなどのさまざまな症状を起こします。

初期にはレントゲン写真でわからない場合が多いので、MRIでの精密検査が必要です。

治療法には保存療法や手術療法があります。手術療法は骨髄刺激法や整復内固定術、骨軟骨移植術などの術式がありますが、遊離した軟骨片の大きさや状態を総合的に判断して決定されます。

また、再生医療も選択肢の一つです。離断性骨軟骨炎は、症状が進行するとスポーツ復帰に時間を要します。早期発見・早期治療が大切になるため、ご自身の状態を踏まえたうえで、治療法を選択しましょう。

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離断性骨軟骨炎に関するよくある質問

離断性骨軟骨炎を放置していたらどうなる?

離断性骨軟骨炎を放置していると、次第に骨軟骨が剥がれてしまい、痛みが強くなります。骨軟骨が完全に剝がれてしまった場合、膝がロックされたように動かなくなるロッキングを起こしたり、関節が変形したりする可能性があります。

痛みが強く、日常生活にも支障をきたす際は、治療法ではなく手術療法となるケースも少なくありません。完治までに時間を要する可能性もあるため、異常を感じた場合は放置せずすみやかに受診しましょう。

離断性骨軟骨炎は治療するとどれくらいでスポーツ復帰できますか?

離断性骨軟骨炎は、一般的に完治するまでに半年以上かかる可能性があります。そのため、スポーツ復帰できるのは数ヶ月〜1年くらい時間を要します。

症状が軽い場合は、保存療法としてスポーツ活動を中断し、安静となるケースがほとんどです。痛みがなくなったあとは、レントゲンやMRIなどで経過を見て段階的にスポーツ復帰できるよう進めていきます。

なお、離断性骨軟骨炎は再発する可能性があるため、自己判断せず医師の指示のもと治療を受けるのが大切です。

離断性骨軟骨炎は大人でも発症しますか?

離断性骨軟骨炎は一般的に10代〜20代に多い病気ですが、大人でも発症する場合があります。骨や軟骨に血液が供給されなくなると、骨が弱くなり軟骨が剥離し離断性骨軟骨炎を引き起こす場合があるためです。

また、離断性骨軟骨炎は遺伝的要因によって発症する可能性もあります。放置すると変形性関節症へ移行するリスクが生じるため、違和感を覚えた場合は受診しましょう。

離断性骨軟骨炎は、若年層のみ発症する病気ではない点に注意が必要です。

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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