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閾値とは?意味・読み方を簡単に解説【医療従事者必見】

公開日:2021.03.31 スタッフ ブログ カラダの仕組み 豆知識

「閾値とは何かを知りたい」
「閾値の読み方は?」

みなさん、こんにちは。

早速ですが、医療や看護においては、閾値は「痛みの限界点」の意味で使われる場合が多いです。

ただ、普段はあまり見かけない言葉ですよね。

今回は、閾値にはどのような意味があるのか、医療現場でのサポートにおける使い方などを含めて解説します。

現在、医療関係の職場で働かれている方を始め、これから医療や看護の知識を学びたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

閾値とは?

閾値とは「何かの境界となる境目を値(数字)で表現するための方法」で「境界値」ともいいます。

あらかじめ定めておいた水準を超えたり、反応があったりした場合に「変化が起こる時点を数値的に表現する」などの意味があるのです。

ただ、パッと説明を見ただけだとわかりづらいですよね。

そこで、閾値を英語で表現してみると、以下の2つがあげられます。

*閾値の英語表記
【threshold(スレッショルド)】※科学的な表現
【limit(リミット)】※一般的な表現

一般的な表現で使われる「limit(リミット)」 だと、イメージがわきやすくないでしょうか?

そう「リミット=限界」の意味です。

痛みを例にとって、具体的なお話しをするとさらにわかりやすいかと思います。

「刺激を加えてもまったく反応しないものが、この値を超えた途端に反応する」といった「反応する・反応しないの境目」を値として表現する方法が「閾値」です。

つまり、医療や看護の現場では「痛みの限界点」といった使い方をするケースが多いのです。

具体的には、痛みを我慢するときの限界点、または痛いと認識される最低強度(痛みの感じやすさ、痛みのハードル)を指しています。

【痛みにおける閾値(限界点)】
・痛みの閾値が低い(下がると)→ 痛みを感じやすくなる。
・痛みの閾値が高い(上がると)→ 痛みを感じにくくなる。

たとえば、医療現場では患者様が、採血や注射などの処置を受けるときに、痛みが苦手で恐怖心などを感じるときがあります。

上記の場合「(痛みの)閾値が低い方」の認識に当てはまります。

ただ誤解しないでほしい点として、決して閾値が低い=悪いわけではありません。

痛みの閾値は個人差があるだけでなく、心理状態や体調、鎮痛剤の効果など、そのときの状況により変わります。

以下表で、痛みを感じにくくなる因子もまとめているので、医療関係の勉強をされている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

痛みが感じやすくなる因子(要因) ①恐怖感
②不安感
③疲労感
④不快感
⑤不眠
⑥内向的、心理状態
⑦孤独感
⑧うつ状態など
痛みを感じにくくなる因子 ①睡眠
②休息
③人との共感
④理解
⑤人との触れ合い
⑥気分転換となるリラックスした環境
⑦不安の軽減など

閾値の読み方

医療や看護において、閾値は「いきち」と読む傾向にあります。

しかし、工学の分野などでは「しきいち」と読むそうです。

日常生活であまり使う言葉ではないため、どのように読めば良いのか迷われる方も少なくないはずです。

閾値を活かして医療現場でサポートを行う

私たちのようにクリニックに勤務する身としては、患者様が感じる痛みの不安を和らげる意味合いで閾値を使います。

患者様の閾値(痛みに対する耐性)を上げるには、傾聴しながら、寄り添う姿勢が大切になります。

不安を解消しながら、治療や検査を受けていただくためにも、閾値は指標となる考え方なのです。

たとえ、我慢できないほどの痛みを感じていないときでも、誰しも治療や検査となると不安を感じるものです。

当院では、精神面でもサポートできるよう努めてまいりますので、集中して治療にお取り組みいただきたいと思います。

【痛みの不安が強い患者様へのご対応方法】

・リラックスできる環境を整えます
・不安を和らげる声かけを行います
・採血や注射の前に、状況に応じて
 鎮痛剤の内服やペンレスといった貼用剤を使います

現在、医療関係の勉強をされている方は、医療現場におけるコミュニケーションを解説した以下の記事も参考にしてみてください。

まとめ|閾値を理解して患者様に寄り添うのが大切

当院「リペアセルクリニック」では、患者様それぞれの痛みや、怖さといった「閾値」がある点を理解した上で、不安を和らげるための寄り添いを大切にしています。

具体的には、身体的な疼痛(ずきずきと痛むこと)を緩和するための看護サービスを行うのがポイントです。

また、精神的な不安などについては、スタッフよりお声がけをさせていただき、寄り添いながら治療を受けられるよう努めて参ります。

治療前にご心配な点、ご不安な点などがございましたら、どのような内容でもお気軽にお問い合わせください。

また、リペアセルクリニックでは、再生医療と呼ばれる新しい医療分野に取り組んでいます。

手術や入院を不要とする方法で、これまで難しかった症状に効果を上げ、患者さんにお喜びをお届けしています。 お悩みを抱えている方は、ぜひ当院にご相談ください。

【リペアセルクリニックへのご相談方法】
メール相談
来院予約
電話相談:0120-706-313(オンラインカウンセリングの予約)

閾値に関するQ&A

以下では分野別に、閾値に関する意味をまとめています。

Q.味覚における閾値とは?

A.味覚の閾値には「味を認識できるもっとも小さい濃度(刺激量)」の意味があります。(文献1

食事をしたときに感じる味の代表的なものは、甘味・塩味・苦味・酸味・うま味です。

味のなかでも、とくに酸味や苦みは刺激を感じやすく、閾値が低いと判断できます。

Q.ビジネス・ITにおける閾値とは?

A.ビジネスにおける閾値には「意思決定を起こさせる基準」の意味があります。

たとえば、お客様が商品の購入を決めるときに、基準となる価格が閾値の例にあげられます。

一方、ITにおける閾値とは「基準値を上下したときに、処理などが行われる値」の意味です。

閾値を設けてプログラムしておくと、例として基準値よりも低い数字が出た際、システムの状態に合わせて自動的に適切な対応を行えます。

Q.ランニングにおける閾値とは?

A.ランニング(運動)における閾値とは「運動にかかる負荷によって、体に変化が起こる基準」の意味です。

運動時はエネルギーの供給が間に合わないと、体内の乳酸が使われる傾向にありますが、運動時に負荷がかかるほど、血液中の乳酸濃度が高まります。

乳酸の濃度が閾値を超えると、乳酸の処理が追い付かずにきついと感じて、そのまま運動を継続すると最後は息があがってしまうのです。

ランニングでは、適切にトレーニングを重ねると、運動時の乳酸を抑えて、良いパフォーマンスを引き出せるといわれています。

【参考文献】

文献1)
年代別にみる味覚感度と食習慣について 2015,47-54p

 

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