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春の七草の覚え方|語呂合わせ・植物の種類・効果とともに紹介

公開日:2022.01.07 スタッフ ブログ 健康 豆知識

春の七草は古くから人日の節句(1月7日)に食されてきた7種類の植物(野菜)です。

近年では毎年1月7日になると、スーパーマーケットに七草がセットで置かれている光景を目にするのも珍しくありません。

平安時代の頃には七草を用いた粥(かゆ)を食べる風習が定着しており、かつては食物が乏しい冬の貴重な栄養食でした。

現在では年末・年始に増えやすい暴飲暴食で疲れた胃を休める目的で食べられています。

今回は七草がゆに用いられる春の七草の覚え方や、それぞれの食材に期待できる効果を解説します。

春の七草の覚え方|順番や語呂合わせを工夫して覚えよう

春の七草の覚え方はいくつかありますが、代表例として以下の3つが挙げられます。

  • 短歌調(五・七・五・七・七)
  • 七五調
  • 頭文字をとった語呂合わせ

短歌調の形式で覚えている方も多いのではないかと思いますが、一風変わった覚え方もあるのでご一読ください。

短歌調(五・七・五・七・七)

春の七草の短歌調の覚え方としては以下がよく知られています。

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ・春の七草

源氏物語の注釈書である河海抄では以下のように読まれています。(文献1

「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ・これぞ七草」

七五調

古今和歌集や新古今和歌集で好まれた七五調では、春の七草を次のように覚える方法があります。

スズナ・スズシロ・セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ

ただし、春の七草の七五調での覚え方は例が少なく、一般的には短歌調で覚える方が多いようです。

頭文字をとった語呂合わせ

春の七草の変わった覚え方として次のような語呂合わせがあります。

セナはゴッホとすずが2つ好き

それぞれ、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの頭文字を取っています。

「セナはスースー、ゴホッ」

こちらも春の七草の変わった覚え方の一つです。

そもそも「春の七草」とは?どんな植物(野菜)なのか紹介

春の七草は以下のとおりです。

呼び名 漢字 備考
せり:別名、シロネグサ せり科の多年草
なずな:ぺんぺん草 夏無(薺) アブラナ科の越年草、昔は普通の食材
ごぎょう:別名、おぎょう 御形(母子草) キク科の越年草、薬草
はこべら:別名、アサシラゲ 繁縷(小繁縷) ナデシコ科の越年草、薬草
ほとけのざ:別名、クオニタビラコ 仏の座(小鬼田平子) キク科の越年草
すずな:カブ 鈴菜・菘(蕪) 小さくかわいい白いカブ
すずしろ:ダイコン 清白(大根) ミニサイズの大根

次項ではそれぞれの植物(野菜)についてさらに詳しく解説します。

セリ

セリ(芹)はシロネグサの別名を持つ、セリ科セリ属の多年草です。

日本原産の植物で田んぼのあぜ道や湿地などに自生しており、独特の食感と香りが特徴で古くから食用として利用されています。

若葉が競り合うようにして成長し背丈を伸ばすことからセリの名が付けられています。

食用にする際は根元を切り落とし、根っこは茹でて火を通し、茎と葉は軽く茹でる程度に熱を入れるのが一般的です。

ナズナ

ナズナ(薺)はペンペン草やシャミセングサの別名を持つ、アブラナ科ナズナ属の一年生植物(越年草)です。

都会でも道端に自生しているのを見かけるケースが多く、若苗や若葉を食用にします。

ナズナは秋に発芽して冬を越し、夏になると枯れることから夏無と呼ばれ、転じてナズナの名が付けられたとの説があります。

ゴギョウ

ゴギョウ(御形:オギョウとも)はキク科ハハコグサ属の二年草(越年草)で、ハハコグサ(母子草)の古名です。

ハハコグサの名は茎葉全体に白い毛がほほける(ほおけ立つ)ことに由来しています。

古名のゴギョウは、桃の節句に厄除けとして御形と呼ばれる人形を川に流した古代の風習に由来すると考えられています。

若い茎もしくは葉を食用にするのが一般的です。

ハコベラ

ハコベラ(ハコベ:繁縷・小繁縷)はアサシラゲやヒヨコグサの別名を持つ、ナデシコ科ハコベ属の一年草です。

コハコベとミドリハコベを総称してハコベと呼んでおり、いずれも古くからハコベラの名で親しまれてきました。

本草和名には「波久部良」の名が見られ転化してハコベラと呼ばれるようになったと考えられていますが、語源に関しては明らかにされていません

春先の柔らかい先端部を食用にします。

ホトケノザ

ホトケノザ(仏の座)はコオニタビラコ(小鬼田平子)の古名で、キク科ヤブタビラコ属の越年草です。

ロゼット様の葉が仏の台座に見えることから、ホトケノザの名がつけられた経緯があります。

田平子の名は田んぼや畔に張り付く様子からその名が付けられており、名前の通り水田や畑で多く見かけられます。

茎が立つ前の根出葉を食用にします。

スズナ

スズナ(鈴菜・菘)はアブラナ科アブラナ属の二年草(越年草)であるカブ(蕪)の別名で、スズナ以外にもカブナやカブラナ、ホウサイ、ダイトウナなど多くの別名があります。

カブの丸い実の形が錫製の瓶子に似ていたことから、スズナの名が付けられたとの説が有力です。

寒い時期になると甘みが強くなり、実と葉が料理に用いられます

スズシロ

スズシロ(清白)はアブラナ科ダイコン属の越年草であるダイコン(大根)の別名です。

古語でスズは青を、シロは白を意味しており、大根の根が白く穢れ(けがれ)がない様子からスズシロの名が付けられたとの説が有力です。

当たり役がない役者を「大根役者」と呼びますが、大根はいくら食べても食あたりを起こさないほど消化に良い食べ物の一つです。

大根は実も葉も食べられます。

春の七草は縁起が良い食べ物でもある

七草がゆは古くから健康や長寿を願い食べられてきましたが、春の七草は以下で示す通り縁起が良い食べ物としても知られています。

七草の種類 縁起 意味
セリ 競り勝つ 勝利や成功を願う
ナズナ 撫でて汚れを払う 邪気を払い無病息災を願う
ゴギョウ 仏様の身体 日常生活における平安や世界の平和を願う
ハコベラ 繁栄がはびこる 一族の繁栄や発展を願う
ホトケノザ 仏様の安座 日常生活における平安や世界の平和を願う
スズナ 神を呼ぶ鈴 神様のご加護を願う
スズシロ 穢れのない純白 身や心の清潔を保つ

春の七草は「七草がゆ」として1月7日に食べるが一般的

七草がゆは一年の無病息災を願う目的で、平安時代から人日の節句(1月7日)に食されてきた行事食の一つです。

古代の日本にはもともと野草の若芽や茎などを粥に入れて食べる習慣がありましたが、中国から伝来した人日の風習が加わり、1月7日に七草がゆを食べて無病息災を祈る人日の節句が制定されました。

関東地方では1月6日の夜に七草をまな板の上に乗せ「七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン」と歌いながら包丁の背などでたたいて細かくし、翌朝の朝食の粥に用いたとの説があります。

現代ではクリスマスやお正月と続くイベントで疲れた消化管を休める意味も込めて、1月7日に胃に優しい七草がゆを食べる習慣が定着しています。

春の七草は効能とセットで覚えれば忘れにくい

春の七草にはさまざまな成分が含まれており、健康を増進する際に有益です。

主な成分および期待できる効果は以下のとおりです。

  • セリ:貧血予防
  • ナズナ:生活習慣病予防
  • ゴギョウ:鎮咳
  • ハコベラ:歯周病予防
  • ホトケノザ:健胃
  • スズナ:肌荒れ予防
  • スズシロ:整腸

セリには鉄分やカリウムが含まれており、貧血やこむら返りを予防する効果が期待できます。(文献2

ナズナにはビタミンAやB1・B2・C・E、カルシウム、鉄分などが含まれており、生活習慣病や骨の健康維持に効果的です。(文献3

ゴギョウ(ハハコグサ)は生薬「鼠麹草(そきくそう)」として、鎮咳・去痰・扁桃炎・のどの腫れに用いられてきました。(文献4)また、かつては歯磨き粉として使用されていたハコベラは歯周病の予防に役立つとされています。

食物繊維が豊富なホトケノザやスズナ、アミラーゼを多く含むスズシロには、消化を助けて胃腸を健康に保つ効果が期待できます。(文献5

春の七草は特徴や効果と一緒に覚えて毎年楽しんで食べましょう

旬の野菜は栄養価が高く、健康増進のために積極的に取り入れることが推奨されています。

春の七草も寒い時期に旬を迎えるため、1月7日に七草がゆにして食べると、年末年始の疲れた胃腸を休めるのに効果的です。

今回ご紹介した方法で七草の名前や特徴、効果などを覚えて、家族やパートナーと楽しんで食べましょう。春の七草は縁起が良い食べ物でもあり、受験を控えたお子さんと一緒に食べるのもおすすめです。

季節の変わり目には七草で身体の調子を整え、より専門的なケアが必要なときは再生医療の選択肢もあります。

セルフケアで改善が難しい身体の不調がある方は、リペアセルクリニックまでお気軽にご相談ください。

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参考文献

(文献1)
東邦大学「春の七草・秋の七草」
https://www.lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/nanakusa.pdf(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献2)
JAグループ「春・冬の旬野菜セリ」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=55(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献3)
チバニアン兼業農学校「ナズナの魅力と活用法を紐解く」
https://chibanian.info/20240504-929/(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献4)
公益社団法人日本薬学会「ハハコグサ」
https://www.pharm.or.jp/flowers/post_34.html(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献5)
八雲総合病院「1月が旬の大根の豆知識」
https://hosp.town.yakumo.hokkaido.jp/modules/dietitian_blog/index.php?page=detail&bid=138(最終アクセス:2025年5月22日)

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