糖化とは?肌の老化を引き起こす原因と食事でできる予防法を解説
公開日:2022.02.09 スタッフ ブログ 健康 豆知識「最近、肌がくすんできた気がする」「しっかり寝ているのに疲れが取れにくい」そんな悩みを抱えていませんか。その原因のひとつとして注目されているのが「糖化」です。
糖化とは、食事で摂った余分な糖が体内のタンパク質と結びつき、老化を進める反応のことです。肌のくすみやシワだけでなく、疲労感や生活習慣病のリスクにもつながります。
ただし、糖化は食事や生活習慣の見直しで対策が可能です。
今回の記事では、糖化の仕組みをわかりやすく解説した上で、肌や体への影響、今日から始められる具体的な予防法まで詳しく紹介します。
目次
老化の原因となる糖化とは?わかりやすく解説
糖化とは、体内で余った糖がタンパク質と結びつき、AGEs(エージーイーズ:終末糖化産物)と呼ばれる老化物質を生み出す反応です。この生成されたAGEsは、全身の組織を劣化させてしまいます。
身近な例でいえば、「玉ねぎの飴色炒め」がわかりやすいです。
透明だった玉ねぎをじっくり加熱していくと、玉ねぎに含まれる糖とアミノ酸が結びつき、少しずつ褐色に変わっていきます。これは「メイラード反応」と呼ばれる現象で、糖化はまさにメイラード反応と同じ反応が体の中で時間をかけて進んでいる状態です。
老化の原因としては「酸化」もよく知られていますが、糖化と混同されやすいポイントでもあります。両者の違いは以下のとおりです。
| 糖化 | 酸化 | |
|---|---|---|
| 原因 | 余分な糖がタンパク質と結合する。「体のコゲ」などと呼ばれる | 活性酸素が細胞を傷つける。「体のサビ」などと呼ばれる |
| 生成物 | AGEs(終末糖化産物) | 過酸化脂質など |
| 主な影響 | 肌の黄ぐすみ・血管の劣化 | シミ・炎症・細胞の老化 |
なお、糖そのものは体を動かすために欠かせないエネルギー源であり、「糖=悪」ではありません。問題になるのは、必要以上に摂りすぎて余った糖が、タンパク質と結びついてしまうケースです。
糖化が引き起こす肌・体のトラブル
糖化によって生まれるAGEsは、肌や血管、骨などさまざまな組織に蓄積し、体にトラブルを引き起こします。代表的な影響は以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
肌の黄ぐすみ・シワ・たるみが進行する
AGEsは、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンに蓄積しやすい性質を持っています。コラーゲン繊維がAGEs化すると硬く脆くなり、肌の弾力が低下してシワやたるみにつながるのです。
さらに、AGEs自体が褐色を帯びた物質であるため、肌が黄色くくすんで見える「黄ぐすみ」の原因にもなります。透明感のある肌を保ちたい方にとって、糖化は大敵といえます。
加えて、糖化はターンオーバー(肌の生まれ変わり)のリズムを乱す要因にもなります。ターンオーバーが滞るとメラニンの排出が遅れ、シミが残りやすくなるのです。
慢性的な疲労感や眠気を引き起こす
糖化の影響は肌だけにとどまりません。AGEsが血管の内壁に蓄積すると血管の機能が低下し、全身への酸素や栄養の供給が滞ります。その結果、慢性的なだるさや疲労感につながる場合があるのです。
また、糖質の多い食事をとったあとに血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」も、食後の強い眠気や倦怠感の原因です。
血糖値の乱高下は糖化を加速させる要因でもあるため、疲れやすさと糖化は密接に関わっています。
病気のリスクを高める
糖化が進んでAGEsが体のあちこちにたまると、肌や疲労感にとどまらず、さまざまな病気の引き金になる可能性があります。
以下の表に、AGEsが関わる代表的な病気とそのメカニズムをまとめました。
| 病気 | AGEsが関わるメカニズム |
|---|---|
| 動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞) | 血管を構成するコラーゲン繊維にAGEsがたまると、血管が硬くなり弾力性が失われる。動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる |
| 骨粗しょう症 | 骨はカルシウムとコラーゲンでできており、コラーゲンがAGEs化すると骨がもろく折れやすくなる。骨密度が正常でも骨折リスクが上がる場合がある |
| 白内障 | 目のレンズ(水晶体)を構成するクリスタリンが糖化してAGEsがたまると、水晶体がにごり、かすみ目や物が二重に見えるといった症状が起こる |
| 糖尿病の合併症 | 高血糖が続く糖尿病ではAGEsが体内に蓄積しやすく、神経障害(手足のしびれ)・網膜症(視力低下)・腎症(腎機能の低下)といった合併症の原因になる |
| アルツハイマー型認知症 | 脳内にできる「老人斑」からAGEsが検出されており、長年の糖化がアルツハイマー型認知症の一因ではないかと考えられている |
このように、AGEsの影響は血管・骨・目・脳・神経と全身に及びます。糖化の進行を抑えてAGEsをためない生活を続けることが、将来の病気リスクを下げる上で大切です。
あなたは大丈夫?糖化リスクのセルフチェックリスト
糖化のリスクは、日頃の食事や生活習慣に大きく左右されます。以下のチェックリストで、自分の糖化リスクを確認してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、体内で糖化が進みやすい状態にあるといえます。
- 朝食を抜くことが多い
- 丼物や麺類など炭水化物中心の食事が多い
- 甘い飲み物(清涼飲料水・ジュース)をよく飲む
- 食事のスピードが速い(早食いの自覚がある)
- 野菜をあまり食べない
- 食後に強い眠気を感じることが多い
- 甘いお菓子やスナック菓子をよく食べる
- お酒を飲む習慣がある(とくにビール・日本酒)
- タバコを吸っている
- 運動する習慣がほとんどない
- ストレスを感じやすい・睡眠不足が続いている
- 肌のくすみやシワが気になるようになった
| 該当数 | 糖化リスクの目安 |
|---|---|
| 0〜2個 | リスクは低めです。今の生活習慣を維持しましょう。 |
| 3〜5個 | やや注意が必要です。食事や運動の習慣を少しずつ見直してみてください。 |
| 6〜8個 | リスクが高い状態です。以下で紹介する予防法を積極的に取り入れましょう。 |
| 9個以上 | 糖化が進行している可能性があります。食生活と生活習慣の両面から見直しを強くおすすめします。 |
糖化を防ぐ食生活
糖化対策でもっとも効果的なのは、毎日の食事を見直すことです。厳しい食事制限ではなく、食品の選び方や食べる順番を工夫するだけで糖化リスクを大幅に下げられます。
ポイントは以下の3つです。
それぞれ順番に解説します。
高GI食品を控える
GI値(グリセミック・インデックス)とは、食後の血糖値の上がりやすさを数値化した指標です。一般的にGI値55以下を「低GI」、70以上を「高GI」と分類します。
高GI食品ほど血糖値が急上昇しやすく、糖化のリスクも高まります。そのため、ふだんの食事を低GI食品へと置き換えると、糖化のリスクを下げられます。
代表的な食品のGI値と置き換えの例は以下のとおりです。
| 食品カテゴリ | GI値が高い食品(GI値) | GI値が低い食品(GI値) |
|---|---|---|
| 主食(ごはん・パン) | 精白米(73)白パン(75) | 大麦(28)スパゲッティ(49) |
| いも類 | じゃがいも・ゆで(78) | さつまいも・ゆで(63) |
| シリアル・菓子 | コーンフレーク(81)米菓・せんべい(87) | ミューズリー(57)チョコレート(40) |
| 果物 | すいか(76) | りんご(36)オレンジ(43)バナナ(51) |
| 豆類 | ― | 大豆(16)レンズ豆(32)ヒヨコマメ(28) |
| 乳製品 | アイスクリーム(51) | 牛乳(39)フルーツヨーグルト(41) |
(文献1)
なお、玄米(GI値68)は中GIですが、精白米(73)よりは低いため置き換えの食品として有効です。
高GI食品を排除するのではなく、選び方を変える意識を持ちましょう。
抗糖化が期待できる食品・飲み物を取り入れる
低GI食品に加えて、糖化やAGEsの生成を抑える「抗糖化作用」が報告されている食品も取り入れましょう。食物繊維には糖の吸収を抑えてGI値を下げる働きがあり、タンパク質が多い食品ほどGI値が低くなる傾向もあります。
以下に、糖化対策におすすめの食品・飲み物をまとめました。
| 食品・飲み物 | 含まれる成分・期待される作用 |
|---|---|
| 緑茶 | カテキンにAGEsの生成を抑制する作用が報告されている |
| りんご・玉ねぎ | ケルセチンがAGEsの形成を抑える効果が報告されている |
| レモン・キウイ | ビタミンCがAGEsの生成を抑える働きを持つ |
| 豚肉・玄米 | ビタミンB1が糖の代謝を助け、余分な糖を体内にためにくくする |
(文献1)
いつもの飲み物を水やコーヒーから緑茶に変えたり、サラダに玉ねぎを加えたりと、日々の食事に上記の食材をプラスしてみてください。
食べる順番を工夫する
同じメニューでも、食べる順番を変えるだけで食後の血糖値の上がり方が変わります。おすすめは「ベジタブルファースト」と呼ばれる食べ方です。
- 野菜・食物繊維(サラダ、きのこ、海藻など)
- タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)
- 糖質(ごはん、パン、麺類など)
先に食物繊維を摂ると、腸での糖の吸収がゆるやかになり、食後の血糖値が急上昇しにくくなります。外食のときも、まずサラダやスープから手をつける習慣をつけるだけで効果が期待できます。
また、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。早食いは血糖値を急激に上げやすく、満腹感を得る前に食べすぎてしまう原因にもなります。一口30回を目安に噛む意識を持つと、糖化予防と食べすぎ防止の両方に役立ちます。
生活習慣で糖化リスクを下げる方法
食事の見直しに加えて、日常の生活習慣を整えることでも糖化リスクを下げられます。ここでは2つのポイントを取り上げます。
それぞれ見ていきましょう。
適度な運動を習慣にする
運動は、血液中の余った糖を消費する効果的な手段です。とくに、食後30分以内に軽いウォーキングを行うと、食後血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。
また、筋肉量を維持・増やすことで糖の代謝能力が上がり、余分な糖が体内にたまりにくくなります。激しいトレーニングでなくても、通勤時にひと駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使うなど、日常に取り入れやすい運動から始めてみましょう。
飲酒・喫煙を控える
アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解されますが、このアセトアルデヒドがタンパク質と結合してAGEsの生成を直接促進します。とくにビールや日本酒は糖質も多く含まれるため、「糖質による血糖値上昇」と「アセトアルデヒドによるAGEs促進」のダブルリスクに注意が必要です。
また、喫煙もAGEsの蓄積を加速させる要因として知られています。完全に禁止する必要はありませんが、飲酒の頻度や量を見直す、休肝日を設けるなど、できるところから改善していきましょう。
進行した糖化は治すことができる?
残念ながら、一度生成されたAGEsは体内で自然に分解されにくく、完全に元に戻すのは難しいとされています。
ただし、肌を構成するコラーゲンは数年かけて少しずつ入れ替わります。つまり、今から糖化の進行を抑える生活を続ければ、長期的に見て肌の状態が改善していく可能性は十分にあるのです。
ここまで紹介してきた食事や生活習慣の見直しは、年齢に関係なく今日から始められるものばかりです。少しずつでも良いので、取り入れてみてください。
まとめ|糖化は食生活や生活習慣を見直して対策しよう
糖化とは、余分な糖がタンパク質と結びついて老化物質AGEsを生み出す反応です。肌の黄ぐすみやシワ、疲労感、さらには動脈硬化などの病気リスクにもつながるため、見過ごせない問題といえます。
とはいえ、糖化は日々の工夫で進行を大幅に抑えられます。今日から始められる対策として、以下の3つを意識してみてください。
- 白米を玄米に置き換えるなど、低GI食品を選ぶ
- 野菜から食べる「ベジタブルファースト」を習慣にする
- 食後に10分程度のウォーキングを取り入れる
糖化を完全に防ぐのは難しくても、進行を遅らせるのは誰にでもできます。「今日の食事から1つ取り入れてみよう」などの気軽な一歩から、無理なく続けていきましょう。
糖化に関するよくある質問
糖化に効くサプリはある?
AGEsの生成を抑える作用が研究で報告されている成分はいくつかあり、サプリメントとしても市販されています。
代表的なものは以下の3つです。
| 成分 | 報告されている作用 | 研究の状況 |
|---|---|---|
| αリポ酸 | 糖の代謝を促進し、AGEsの蓄積を抑える。抗酸化作用もあわせ持つ | 2型糖尿病患者を対象とした臨床試験で、6か月間の摂取によりAGEsレベルが低下したと報告されている |
| ビタミンB6(ピリドキサミン) | AGEsの原因となる反応性カルボニル化合物を捕捉し、糖化を抑制する | 人体を対象とした介入研究があり、抗糖化メカニズムも確認されている |
| カルノシン | 糖化の中間体(グリオキサールなど)と反応し、AGEsの形成を防ぐ | システマティックレビューで36件中34件の研究がAGEs抑制効果を確認。ただしヒト臨床試験は2件のみ |
(文献2)
ただし、サプリメントはあくまで食事や生活習慣の見直しを補助する位置づけです。サプリだけで糖化を防げるわけではないため、まずは食生活の改善を優先した上で、補助的に活用しましょう。
糖化が進行すると糖尿病になる?
糖化がそのまま糖尿病になるわけではありませんが、両者は深く関係しています。
糖分や炭水化物の摂りすぎが続くと、血糖値を下げるインスリンの分泌が過剰になったり、インスリンが効きにくくなったりするのが主なメカニズムです。やがて「血糖値が高いまま下がらない状態」、つまり糖尿病につながる可能性があります。
糖尿病が進むと神経障害や視力の低下、腎臓の機能低下といった合併症のリスクも出てきます。
こうした事態を防ぐためにも、今回の記事で紹介した低GI食品の選択や食べる順番の工夫、適度な運動を日頃から意識して、糖化を進めない生活を心がけましょう。
参考文献
(文献1)
見直される糖尿病の食事療法|日本糖尿病学会誌第56巻第12号
(文献2)
Carnosine and advanced glycation end products: a systematic review|PubMed







