腰痛予防は早期対策が大切!今から意識・実践できることを紹介
公開日:2024.02.20 スタッフ ブログ 健康40歳以上の日本人のおよそ2,800万人が腰痛を抱えており、国民生活基礎調査において男女ともに一番の身体の悩みとされています。(文献1)
3カ月以上にわたり症状が続く慢性腰痛の多くが原因不明とされており、湿布や痛み止めを用いた対症療法を余儀なくされている方が少なくありません。
腰痛は複数の要因が複雑に絡み合って起こるため、まずは自分の腰痛の原因を把握した上で対策する必要があります。
本記事では腰痛が起こる3つの原因について解説するとともに、自宅や職場でもできる腰痛予防ストレッチを紹介します。
慢性的な腰痛に悩まされている方や、何をしても腰痛が治らないとお悩みの方は参考にしてください。
目次
腰痛の原因は複合的に絡み合って起きる
腰痛は主に以下3つの原因が複雑に絡み合って起きる傾向にあります。
それぞれについて解説します。
動作に原因がある場合
腰痛の原因の一つが日常の動作です。
たとえば、重い荷物を持ち上げる動作を繰り返したり、しゃがんだり立ったりを繰り返すと、動作のたびに腰に負担がかかります。
急な動作でぎっくり腰を発症するのは、腰への急激な負荷により筋線維が断裂したり、関節が瞬間的にズレたりする(腰椎捻挫)ためです。
また、パソコン仕事や車の運転などで長時間にわたり同じ姿勢を続けていると、上半身を支えるために腰やおしり回りの筋肉が緊張し、腰痛の発症リスクが増加します。
腰に対して瞬間的に動的な負荷がかかるケースはもちろん、静的な負荷が持続的にかかるケースでも、腰痛の発症リスクが高くなるため注意が必要です。
周囲の状況に原因がある場合
腰痛の発症は周囲の状況が原因の場合も少なくありません。
たとえば寒い屋外で長時間の作業を強いられると、血行不良により腰やおしり回りの筋肉が硬くなり、腰痛を発症しやすくなります。
トラックを運転する方が同一姿勢を続けた上、長時間にわたり全身が振動にさらされると、腰にかかる負担が増大して腰痛の発症リスクが増加します。
身体をひねった状態での作業を強いられる歯科医師などの職業に腰痛が多く見られるのも、周囲の状況に原因があるためです。
デスクワークだけでなく工場ライン工やガードマン、狭い場所での作業を強いられる方なども、周囲の状況が原因で腰痛を発症しやすい傾向にあります。
内面(自身)に原因がある場合
以下に挙げる内面(自身)の原因で、腰痛を発症しやすくなるケースがあります。
- 年齢とともに筋力が低下して、荷物の上げ下ろしがつらくなってきた
- 身体が疲れているのに寝つきが悪くて十分な睡眠がとれない
- 夜間の勤務時間が長くて自律神経のバランスが乱れ、身体の回復力が低下している
- ストレス状態が持続しており、心身ともに休まらないなど
腰痛には身体的ストレスだけでなく、精神的ストレスも深く関わっているため注意が必要です。
日本整形外科学会・日本腰痛学会が監修するガイドラインには、精神的ストレスが腰痛の発症に深く関わっていると記載されています。(文献2)
最近は職場での腰痛が問題になることも増えている
日本臓器製薬が東京大学医学部附属病院と共同で研究したところ、日本国内における腰痛が原因の経済的損失はおよそ3兆円に上ると判明しました。(文献3)
腰痛のために生産性が低下したり、休業を余儀なくされたりする事態は、多くの企業にとっても重大な懸念事項の一つであり、厚生労働省では職場における腰痛予防対策指針を策定しています。(文献4)
指針の主なポイントは以下のとおりです。
- 労働衛生管理体制
- リスクアセスメント
- 労働安全衛生マネジメントシステム
労働衛生管理体制に関しては、作業方法や作業手順などの作業管理、照明や床面などの作業環境管理、腰痛検診や腰痛予防体操などの健康管理が求められています。
リスクアセスメントは腰痛の発生につながる作業などの要因を見つけ出し、リスクの大きなものから対策を検討・実施する手法です。
労働安全衛生マネジメントシステムでは、リスクアセスメントの結果をもとにPDCAを回し、腰痛予防に継続的・体系的に取り組みます。
腰痛対策として日常生活で意識したい5つのポイント
腰痛対策として日常生活で意識したい5つのポイントは以下のとおりです。
- 立ち姿勢・座り姿勢を見直す
- 座ることが多い場合は1時間に一度は立ち上がるようにする
- 普段のスキマ時間やお風呂上がりにストレッチを行う
- 手軽な運動・筋トレを続けて基礎筋力を維持する
- 痛みを感じたとき・症状がひどいときは無理をしない
慢性的な腰痛を改善・予防するためにも、十分に理解しておくことをおすすめします。
立ち姿勢・座り姿勢を見直す
腰痛を予防・改善するためには、日常生活における立ち姿勢・座り姿勢の見直しが重要です。
腰痛には筋緊張が深く関わっており、なかでも筋・筋膜性腰痛症は筋肉や筋膜の緊張により引き起こされることがわかっています。
筋緊張は運動時だけでなく、姿勢を保持する際にも生じるため、立位・座位時は身体に無駄な力が入らないよう意識してください。
立っている際は胸を張るのではなく、頭についた紐を上から引っ張られるイメージで、上半身を自然に伸ばすよう意識しましょう。
椅子に座る際は坐骨(おしりの骨)に体重を乗せ、上半身に無駄な力が入らないよう意識するのがポイントです。
座ることが多い場合は1時間に一度は立ち上がるようにする
デスクワークや車の運転など座ることが多い場合は、1時間に一度は立ち上がるようにするのがおすすめです。
筋肉は使い過ぎで硬くなるだけでなく、使わない(同じ姿勢を継続する)ことが原因で硬くなるケースもあります。
長時間の同一姿勢で腰痛や肩こりが生じやすいのも、同一姿勢の継続による筋緊張が原因の一つです。
仕事の関係で立ち上がるのが難しい方は、両手を組んで大きく上に伸ばしたり、背中の後で手を合わせて大きく胸を反らせるなど、座ったままできる簡単な運動を取り入れましょう。
普段のスキマ時間やお風呂上がりにストレッチを行う
腰痛を予防・改善するためには、普段のスキマ時間やお風呂上がりにストレッチを行うのがおすすめです。
筋緊張は腰痛と密接な関係があるため、空いた時間で筋肉の柔軟性を確保するよう意識しましょう。
とくにお尻の筋肉やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)は股関節や骨盤とつながっているため、しっかりとストレッチするのがポイントです。
デスクワークの方は座りながらできるストレッチのやり方をいくつか覚えておくと良いでしょう。
また、お風呂上がりは筋肉が柔らかくなっているため、積極的にストレッチに取り組むのがおすすめです。
手軽な運動・筋トレを続けて基礎筋力を維持する
手軽な運動や筋トレを続け、基礎筋力を維持すると腰痛の予防・改善につながります。
とくにお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋・小殿筋)には骨盤を安定させ、腰にかかる負担を減らすはたらきがあるため、筋力が落ちないよう普段から鍛えるよう意識しましょう。
殿筋を鍛えるといっても、スポーツジムでハードなマシントレーニングを行う必要はありません。
自重でのスクワットでも十分に殿筋を鍛えられます。
両足を肩幅より少し広めに開き、両手をまっすぐ前に伸ばし、お尻を突き出した状態でひざの曲げ伸ばしを行いましょう。
頭が前に倒れると腰痛のリスクが高くなるため、両手をまっすぐ前に伸ばし、前方を見たままスクワットするのがポイントです。
痛みを感じたとき・症状がひどいときは無理をしない
腰痛の予防・改善にはストレッチや適度な筋トレが効果的ですが、痛みを感じたときや症状がひどいときは無理をしないでください。
ストレッチや筋トレで痛みを感じる場合は、腰の状態がよくないか、もしくはやり方が間違っている可能性があります。
正しいやり方でも痛みがでるときは無理をせずに、痛みが出なくなるまで無理なストレッチや筋トレは避けましょう。
腰がズキズキ痛む場合は炎症を起こしている可能性があるため、一時的に患部を冷やしたり湿布を貼ったりしても構いません。
自宅や職場でも実践できる!体勢別の腰痛予防ストレッチを紹介
腰痛の予防にはストレッチに取り組み、筋肉の柔軟性を保つ必要があります。
ここでは、体勢別の腰痛予防ストレッチを紹介します。
座っているとき
座っているときにおすすめのストレッチは以下の2つです。
ストレッチ法 | 伸ばす筋肉 |
---|---|
椅子に座って背中を丸める | 広背筋 |
椅子に座って太ももの裏を伸ばす | ハムストリングス |
座っているときにできるストレッチの一つが、椅子に座って背中を丸める方法です。
椅子に座った状態で組んだ両手を前に伸ばし、おへそをのぞき込みながら背中を丸めましょう。
広背筋を緩めることで猫背を解消し、腰にかかる負担を減らす効果が期待できます。
また、椅子に座って片足を前に伸ばし、太ももの裏側を伸ばすストレッチも腰痛予防に効果的です。
立っているとき
立っているときにおすすめのストレッチは以下の2つです。
ストレッチ法 | 伸ばす筋肉 |
---|---|
立った状態で腰を反らす | 大腰筋 |
立った状態で片足を後ろに上げて足首をつかむ | 大腿四頭筋 |
立っているときにできるストレッチの一つが、上半身を大きく後ろに反らす方法です。
両足を肩幅より広めに開き、両手をおしりにあてた状態でゆっくりと腰を反らせましょう。
腰を反らす際に頭も大きく後ろへ倒すのがポイントです。
ただし、腰の痛みが強いときは無理に反らさないでください。
また、立った状態で片足を後ろに上げ、足首をつかんで太ももの前側(大腿四頭筋)を伸ばすのも腰痛予防に効果的です。
寝ているとき
寝ているときにおすすめのストレッチは以下の2つです。
ストレッチ法 | 伸ばす筋肉 |
---|---|
仰向けで寝て両手で両ひざを抱え背中を丸める | 殿筋・広背筋 |
仰向けで寝て膝を抱え胸の方へ引き寄せる | 殿筋 |
寝ているときにできるストレッチの一つが、仰向けに横になって両手で両ひざを抱え、背中を丸める方法です。
赤ちゃんがお腹にいるときの姿勢をイメージして両手で両ひざを抱え、上半身を丸めておしりから背中の筋肉を気持ちよくストレッチしましょう。
仰向けに寝て片方の膝を両手で抱え、胸の方へ引き寄せるストレッチも殿筋を緩める際に効果的です。
右膝は左肩の方へ、左膝は右肩の方へひねりを加えてストレッチすると、より効率的に殿筋を緩められます。
すでに腰痛が発症して痛みが気になる・長引いているなら病院へ行きましょう
すでに腰痛を発症して痛みが気になる方や、症状が長引いている方は病院を受診しましょう。
腰痛以外に足のしびれや痛みがある場合、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症などを発症している可能性があります。
両足にしびれが出て歩行障害や排尿障害が見られる方は手術が必要なケースもあるため、自分の判断で放置するのは禁物です。
また、あまりにも激しい痛みがある方は、急性膵炎など内科系の疾患の可能性も疑われます。
腰痛がある方はまず医療機関を受診して原因を突き止め、適切な対策を講じることが重要です。
腰痛や他の病気の後遺症の治療には再生医療をご検討ください
慢性的な腰痛や他の病気に伴う後遺症を治療する際に、再生医療を受ける方法があります。
当院リペアセルクリニックの再生医療は、患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を培養・増殖させ、点滴や注射を用いて患部に投与します。
自分の細胞を用いた治療法のため副作用や拒絶反応のリスクが低く、日帰りで施術が受けられるため入院の必要がありません。
幹細胞には分化能(違う細胞に変化する能力)があり、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を始め、さまざまな外傷および後遺症への適応が可能です。
カウンセリングは無料で受けられるため、腰痛がなかなか治らないとお悩みの方、外傷に伴う後遺症をお持ちの方は、リペアセルクリニックまでお気軽にご相談ください。

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腰痛予防は早いほど良い!気づいたときから対策しましょう
腰痛の多くは原因不明とされていますが、日常の不良姿勢や運動不足、ストレス、加齢、誤った身体の使い方などさまざまな要因が複雑に絡み合った結果として発症する傾向にあります。
生活習慣に起因する腰痛に関しては、早期の予防・対策で早期改善が期待できます。
腰痛がひどくなって日常生活に支障をきたす前に、日頃からストレッチや適度な筋トレに取り組むのがおすすめです。
腰痛が治らない方や、外傷に伴う後遺症にお悩みの方は、再生医療を受ける方法があります。
当院リペアセルクリニックの再生医療は、患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を培養・増殖し、点滴・注射を用いて患部に注入するのが特徴です。
腰痛でお悩みの方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。
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(文献1)
現代腰痛事情|中外医学社
(文献2)
腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版|日本整形外科学会・日本腰痛学会
(文献3)
健康経営|日本臓器製薬