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母指CM関節症のリハビリで改善を目指す!自宅でできるストレッチやマッサージを紹介
親指の付け根あたりが痛む母指CM関節症を発症し、「ペットボトルの蓋が開けられない」「洗濯バサミがつまめない」など、当たり前だった日常動作がつらくなっていませんか。
「このまま痛みと付き合い続けるしかないのか」「手術しかないのか」と不安を抱える方も多いはずです。
しかし、母指CM関節症は自宅でできるリハビリ(運動療法)によって、症状を緩和し、関節の機能を維持・改善できる可能性があります。
本記事では、効果的で正しいリハビリの方法と、リハビリでも改善しない場合に検討したい治療法について詳しく解説します。
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目次
母指CM関節症はリハビリで改善を目指せる
母指CM関節症は、靭帯の緩みや構造的な不安定性により、CM関節に過剰な負担がかかることで発症します。この状態が続くと、骨同士の接触が増え、軟骨の摩耗や痛み、変形が進行していきます。(文献1)
リハビリでは、CM関節周囲筋を鍛えながら関節の支持性を補い、負担の軽減を図ります。
すり減った軟骨を元に戻すことはできませんが、関節の不安定性を抑え、症状をコントロールしやすくすることが目的です。
ただし、変形が進行している場合や安静時にも痛みが続く場合は、リハビリのみでは改善が難しいです。
その際は、治療方針を検討するために医療機関を受診しましょう。
自宅でできる母指CM関節症のリハビリ5選
母指CM関節症の痛みを緩和し、関節の安定化を目指すために、以下のリハビリ・エクササイズを無理のない範囲で試してみましょう。
それぞれ具体的な手順を紹介します。
1.母指内転筋ストレッチ
母指内転筋は、親指を内側に引き寄せる働きをする筋肉です。この筋肉が硬くなると、CM関節への負担が増えやすくなります。
ストレッチの手順は、以下を参考にしてください。
- 痛みのある手のひらを上に向け、リラックスした状態で開く
- 反対の手を手の甲側から回し、親指の付け根(母指球)を軽く支えながら親指が閉じないように固定する
- 人差し指〜小指を、付け根から伸ばす
- 心地良い伸びを感じる位置で、10〜20秒キープ
- 力を抜いて元に戻す
なお、痛みが強い場合は無理に伸ばさず、「心地よく伸びている」と感じる程度にストレッチしましょう。
2.親指の外転・伸展ストレッチ
親指を手の外側へ軽く引っ張る動作により、CM関節周辺の柔軟性を高めるストレッチです。
ストレッチの手順は、以下を参考にしてください。
- 手を机の上に置き、手のひらを横向きにする
- 親指を外側(手の甲側)へゆっくりと伸ばす
- 10秒ほど保持し、ゆっくり戻す
上記ストレッチは、朝起きたときや、手を使う作業の前後に行うと効果的です。
3.母指球(親指の付け根)のマッサージ
親指の付け根にある膨らみ(母指球)をほぐすと、周囲の筋肉の緊張が和らぎ、血流を促進します。
マッサージの手順は、以下を参考にしてください。
- テニスボールや野球ボールをテーブルに置く
- 親指の付け根の膨らみ(母指球)をボールに当てる
- 手の力を抜いて、体重をかけずに優しく圧をかける
- 小さな円を描くように、ゆっくりとボールを転がす
- 1〜2分程度、心地良いと感じる範囲で続ける
なお、マッサージを実施する際に痛みが強い場合は、深い圧をかけないでください。強く押しすぎると炎症を悪化させる恐れがあります。
4.第一背側骨間筋のエクササイズ
第一背側骨間筋は、人差し指を左右に動かす筋肉です。第一背側骨間筋のエクササイズは、親指のCM関節を直接動かす必要がないため、痛みが出にくく取り組みやすいのが特徴です。
エクササイズの手順は、以下を参考にしてください。
- 手を机の上に置き、手のひらを横向きにする
- 親指は動かさず、人差し指だけを天井方向へ持ち上げる
- ゆっくり下ろす
- 10〜15回繰り返す
上記エクササイズは、人差し指に輪ゴムをかけて軽い抵抗を加える方法も効果的です。
5.母指対立筋のエクササイズ
親指と他の指を合わせる動作で母指対立筋を鍛えると、CM関節の安定性が高まり、日常動作での負担軽減につながります。
エクササイズの手順は、以下を参考にしてください。
- 手を軽く開いた状態からスタートする
- 親指の先端と人差し指の先端を合わせ、軽く押し合う
- 2〜3秒キープし、離す
- 同様に、中指~小指と順番に合わせていく
- 各指3〜5回ずつ行う
上記エクササイズを行う際は、痛みを感じたら無理をせず、押し合う力を弱めてください。痛みと相談しながら、できる範囲で行いましょう。
母指CM関節症のリハビリを行う際の注意点
母指CM関節症のリハビリを行う際は、痛みを我慢しながら実施しないでください。
「痛いほど効いている」という考え方は適切ではありません。リハビリ中に強い痛みを感じたり、翌日まで痛みが残ったりする場合は、負荷が過剰になっている可能性があります。
そのようなときは無理をせず、一度中止して休息を取り、痛みが落ち着いてから負荷を下げて再開しましょう。
また、母指CM関節症のリハビリは、短期間で効果を実感できるものではありません。
1回に長時間行う必要はなく、毎日数分程度でも良いので、無理のない範囲で継続しましょう。歯磨きのように日常生活の中に組み込むと、負担なく続けやすくなります。
母指CM関節症がリハビリで改善しない場合の治療法
母指CM関節症は、リハビリを一定期間続けても十分な変化を感じられない場合があります。そのようなケースでは、病状の進行度に応じて、次の治療段階を検討する必要があるため、医療機関への受診が必要です。
リハビリ以降に検討される主な治療法は、以下を参考にしてください。
| 治療法 | 内容・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 保存療法(対症療法) | ・ステロイド注射による炎症の抑制 ・サポーターやスプリントによる関節の固定 ・関節への負担軽減を目的とした治療 |
・痛みの緩和が主な目的 ・関節の変形そのものを改善する治療ではない |
| 手術療法 | ・変形が進行した場合に検討される治療法 ・関節固定術、関節形成術などがある |
・入院が必要になることが多い ・術後は手を使いにくい期間が生じる ・ダウンタイムが数週間〜数カ月に及ぶ場合がある |
(文献1)
なお、リハビリで十分な改善がみられない場合でも、すぐに手術が必要になるとは限りません。
症状の程度や生活への影響、治療に対する希望を踏まえながら、医師と相談しつつ治療方針を検討しましょう。
以下の記事では、母指CM関節症の治療法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
手術を伴わない治療法「再生医療」という選択肢
「保存療法では十分な変化を感じにくい一方で、手術については慎重に検討したい」と考える方は、手術をしない治療法として再生医療も選択肢の一つです。
母指CM関節症における再生医療では、主に以下のような治療法が実施されます。
- 幹細胞治療:患者様から採取した幹細胞を用いる治療法
- PRP療法:患者様の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を用いる治療法
※軟骨を新たに生成する治療ではありません
これらの治療法は、幹細胞が持つ「他の細胞に変化する能力(分化能)」や、血小板に含まれる成長因子による「組織の修復・炎症を抑える働き」を活かしたものです。
患者様自身の細胞や血液を用いるため、拒否反応のリスクが少ないのが再生医療のメリットです。
当院「リペアセルクリニック」のCM関節症に対する再生医療については、以下の症例をご覧ください。
まとめ|軽度な母指CM関節症はリハビリで改善を目指そう
母指CM関節症は、早期に正しいリハビリを行えば、痛みをコントロールできる可能性があります。本記事で紹介したストレッチやエクササイズを、無理のない範囲で毎日続けてみてください。
ただし、2〜3カ月リハビリを続けても痛みが取れない場合は、医療機関への受診をおすすめします。
専門医に相談し、再生医療などの選択肢も含めて、ご自身に合った治療法を検討しましょう。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を行っております。母指CM関節症による痛みでお悩みの方は、ぜひご登録ください。
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母指CM関節症のリハビリに関するよくある質問
母指CM関節症は自分で治せる?
初期(ステージ1〜2)であれば、セルフケア(リハビリ・安静・装具)によって改善が期待できます。
ただし、一度すり減った軟骨が完全に元通りになる(完治する)わけではありません。
症状が落ち着いた後も、継続的なケアを行い、関節への負担を減らす生活習慣を心がけましょう。
リハビリを続けても治らない場合はどうすれば良い?
自己判断で漫然とリハビリを続けると、逆に関節を傷め、変形を進行させてしまうリスクがあります。
2〜3カ月続けても改善しない、あるいは痛みが増している場合は、リハビリの適応範囲を超えている可能性が高いです。
そのような場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
参考文献







