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- ひざ関節
- お皿付近に違和感
- 動作時の痛み
- 膝の慢性障害
「階段を下るたびに膝の前側の違和感がある」 「しゃがむと膝下がズキッとする感覚がある」 膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)は、膝のお皿(膝蓋骨)の下に位置する脂肪組織です。 「繰り返しの動作や外傷」「膝の動かし方のクセ」によって炎症や硬化(線維化)が生じると「階段の昇降」「しゃがむ動作」「正座・立ち上がり」の際に膝前面の痛みや違和感として現れることがあります。 本記事では、現役医師が膝蓋下脂肪体について詳しく解説します。 膝蓋下脂肪体と他疾患との違い 膝蓋下脂肪体が硬くなる原因 膝蓋下脂肪体のテスト方法や治し方 膝蓋下脂肪体の注意点 記事の後半では、膝蓋下脂肪体に関するよくある質問も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 膝蓋下脂肪体について気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 膝蓋下脂肪体とは 項目 内容 場所 膝のお皿(膝蓋骨)の下にある脂肪組織 別名 ホッファ脂肪体(Hoffa脂肪体) 主な役割 衝撃の吸収・関節の保護 働き 膝の曲げ伸ばしに合わせて形を変え、摩擦を軽減 特徴 神経や血管が豊富な組織 硬くなる原因 炎症・繰り返しの負荷・外傷 起こりやすい症状 膝前面の違和感・曲げ伸ばし時の不調 注意点 炎症の長期化による線維化 (文献1)(文献2) 膝蓋下脂肪体は、膝のお皿の下に位置する脂肪組織です。膝関節への衝撃を和らげるとともに、曲げ伸ばしに合わせて形を変えることで関節や周囲組織の摩擦を軽減します。 神経や血管が豊富なため刺激に敏感で、繰り返しの負荷や外傷によって炎症が起こりやすい組織です。炎症が慢性化すると線維化(硬化)が進み、膝前面の違和感や関節可動域の制限につながります。 膝蓋下脂肪体と他疾患との違い 疾患名 主な障害部位 特徴 膝蓋下脂肪体 膝のお皿の下の脂肪組織 膝前面の違和感・曲げ伸ばしで悪化 半月板損傷 半月板 引っかかり感・ロッキング 変形性膝関節症 関節軟骨 歩き始めの不調・関節変形 前十字靱帯損傷(ACL損傷) 前十字靱帯 腫れ・膝の不安定感 オスグッド病 脛骨粗面 成長期に多い・骨の突出 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) 膝蓋腱 ジャンプやダッシュ後の不調 膝蓋大腿関節症(PFOA) 膝蓋大腿関節 階段・しゃがみ動作で悪化 鵞足炎 膝内側の腱・滑液包 膝内側の不調 膝前面の痛みや違和感は、膝蓋下脂肪体炎のほかに半月板損傷や変形性膝関節症、膝蓋腱炎でも生じます。 それぞれ痛みの原因となる部位は異なりますが、症状の現れ方が似ているため、自己判断での鑑別は困難です。膝の違和感が続く場合は整形外科を受診し、触診や画像検査で原因を特定することが大切です。 膝蓋下脂肪体が硬くなる原因 原因 詳細 膝への継続的な負荷・繰り返しの動作 階段の昇降やしゃがみ動作、長時間の立ち仕事などによる膝前面への負担の蓄積 スポーツや転倒などによる外傷 打撲や転倒、ジャンプ・急停止動作による炎症や組織損傷の発生 手術や膝の疾患による影響 手術後の癒着や瘢痕形成、変形性膝関節症などによる関節機能の変化 膝蓋下脂肪体が硬くなる主な原因は、炎症の慢性化による線維化です。膝関節は日常生活でも繰り返し負荷がかかる部位であり、同じ動作の反復や外傷が炎症のきっかけになります。 炎症が続くと組織の柔軟性が失われ、膝の曲げ伸ばしで周囲組織との摩擦が増すことで症状が慢性化します。 また、手術後の瘢痕形成や変形性膝関節症などが脂肪体への負担を増大させ硬化につながるケースもあるため、症状が続く場合は整形外科を受診してください。 膝への継続的な負荷・繰り返しの動作 膝蓋下脂肪体が硬くなる原因として多いのが、膝への継続的な負荷や繰り返しの動作です。この組織は膝の曲げ伸ばしに合わせて形を変える構造上、階段の昇降やしゃがむ動作、ランニングなどの反復によって慢性的な刺激を受け、炎症が起こります。 炎症が続くと線維化(組織の硬化)が進み、膝の動きへの追従性が低下することで膝前面の症状が慢性化します。改善には膝への負担を適切に調整し、炎症の慢性化を防ぐことが重要です。 スポーツや転倒などによる外傷 スポーツ中の接触・転倒・膝への直接的な衝撃によって、膝蓋下脂肪体に炎症や出血が生じます。 とくにサッカーやバスケットボールなど急停止・方向転換・ジャンプを繰り返す競技は膝への負担が大きく、膝蓋下脂肪体に負担がかかりやすい競技です。 損傷した組織は修復過程で瘢痕(はんこん)組織を形成し、脂肪体の柔軟性が低下します。その結果、膝の曲げ伸ばしへの追従性が失われ、膝前面の違和感や可動域制限につながります。 以下の記事では、スポーツによる外傷について詳しく解説しています。 【関連記事】 前十字靭帯断裂後のスポーツ復帰の目安は?手術しないリスクなど現役医師が解説! 変形性膝関節症のスポーツ選手が早期復帰を目指せる治療法 手術や膝の疾患による影響 膝の手術後は組織の修復過程で炎症反応が生じ、炎症が強い場合や長期化した場合は膝蓋下脂肪体の線維化につながります。 線維化が進むと組織の柔軟性が失われ、膝の可動域制限や前面の違和感として現れます。 変形性膝関節症や半月板損傷などの膝疾患では関節内の炎症や荷重バランスの変化が脂肪体への負担を増大させるため、原因となっている膝疾患の治療と並行して、膝全体の状態を評価することが大切です。 以下の記事では、変形性膝関節症の手術について詳しく解説しています。 【関連記事】 変形性膝関節症の手術による成功率は?入院期間や費用も解説 変形性膝関節症の手術における高齢者リスクを医師が解説|費用や入院期間も紹介 膝蓋下脂肪体のテスト方法 項目 内容 検査名 ホッファテスト(Hoffa Test) 目的 膝蓋下脂肪体の炎症や挟み込みの評価 方法 膝蓋腱の両側を押さえながら膝を伸ばす検査 陽性所見 膝のお皿の下や周囲で症状の再現 確認できること 膝蓋下脂肪体が症状の原因となっている可能性 補助検査 圧痛確認・可動域検査・MRI検査 注意点 セルフチェックのみでの診断は困難 診断方法 診察・画像検査を含めた総合評価 ホッファテストは、膝蓋下脂肪体の炎症や挟み込みを確認する代表的な徒手検査です。 膝蓋腱の両側を押さえながら膝を伸ばし、お皿の下に症状が再現されるかを確認します。ただし、この検査単独で確定診断はできません。 実際の診療では圧痛の有無や膝関節の可動域、動作時の状態を総合的に評価し、必要に応じてMRI検査を実施します。 半月板損傷や膝蓋腱炎など類似した症状を呈する疾患も多いため、画像所見と診察所見を照合した上で診断を行います。 膝蓋下脂肪体の治し方 治し方 詳細 安静と活動量の調整 膝への負担軽減と炎症悪化の予防 リハビリや運動療法 筋力強化・柔軟性向上・膝機能の改善 薬物療法や注射療法 炎症の抑制と症状緩和の補助 手術療法 保存療法で改善しない場合の外科的治療 再生医療(膝関節の状態によっては検討される) 膝関節の状態に応じた機能改善の選択肢 膝蓋下脂肪体の治療は、症状の原因と重症度に応じて選択します。 まず安静・活動量の調整・リハビリなどの保存療法で膝への負担軽減と機能改善を図り、炎症が強い場合は薬物療法や注射療法を併用します。保存療法で改善が得られない場合は手術療法を検討します。 症状の背景に変形性膝関節症や軟骨損傷、半月板損傷などがある場合は、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療が選択肢となることがあります。ただし、これは膝蓋下脂肪体そのものへの治療ではなく、膝関節全体の機能改善を目的とした介入です。 再生医療は取り扱い医療機関が限られるため、希望する場合は専門機関への受診が必要です。いずれの治療も、症状や画像所見、生活背景に合わせて治療方針を決めることが大切です。 安静と活動量の調整 膝蓋下脂肪体に炎症が生じている急性期は、膝への負担軽減が優先です。深いしゃがみ込み・正座・階段昇降・ランニング・ジャンプなど脂肪体への刺激が大きい動作は一時的に制限します。 ただし、過度な安静は筋力低下や関節拘縮を招きます。症状が悪化しない範囲で活動を継続しながら、以下を参考に膝への負担を調整しましょう。 見直したい動作 膝への影響 長時間の立ち仕事 膝前面への負担の蓄積 膝を反らせた姿勢で立つ 膝蓋下脂肪体への圧迫 繰り返しのしゃがみ込み 膝の曲げ伸ばしによる刺激の増加 膝蓋下脂肪体への負担はスポーツに限らず、長時間の立ち仕事や膝を反らせた姿勢、繰り返しのしゃがみ込みなど日常動作の積み重ねでも生じるため、症状が長引く場合は生活習慣や身体の使い方の見直しが改善につながります。 リハビリや運動療法 膝蓋下脂肪体の治療においてリハビリや運動療法は中心的な役割を担います。 膝関節の柔軟性や可動域が低下すると脂肪体への圧迫が増すため、関節の動きを改善することが症状の緩和につながります。 リハビリや運動療法では以下の点を意識しましょう。 意識したいポイント 内容 膝の柔軟性を保つ 関節の動きを改善し、脂肪体への圧迫を軽減 太ももの筋力を鍛える 膝関節にかかる負担の分散 お尻周りの筋力を鍛える 下肢全体の安定性向上 無理のない範囲で継続する 過度な負荷による症状悪化の予防 正しい歩き方を身につける 日常生活での負担軽減 スポーツ動作を見直す ジャンプや着地時の負荷軽減 自己流で行わない 症状に応じた適切な運動の実施 リハビリでは筋力強化だけでなく、歩行や着地動作などの身体の使い方も確認します。膝蓋下脂肪体への負担を減らしながら運動機能の改善を図ることで、症状の軽減や再発予防が期待できます。 薬物療法や注射療法 炎症が強い場合は、消炎鎮痛薬(NSAIDs)などによる薬物療法を併用します。 炎症を抑えて日常生活への支障を軽減することが目的であり、根本的な原因への治療ではないため、リハビリや運動療法・生活指導と組み合わせて実施します。 保存療法で改善が乏しい場合は症状の程度や画像所見をもとに注射療法の適応を医師が判断するため、気になる症状がある場合は受診の上で相談しましょう。 以下の記事では、膝蓋下脂肪体に適用が検討される薬物療法と注射療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 膝のヒアルロン酸注射が効かないのは失敗が原因?効果を感じないのはなぜ? 【医師監修】アセトアミノフェンの効果とは?作用の仕組みや服用方法を解説 手術療法 手術療法は、保存療法を一定期間継続しても改善が得られず、日常生活やスポーツ活動に支障が続く場合に検討します。 炎症や線維化によって肥厚した脂肪体の切除や、挟み込み(インピンジメント)の原因となる組織の処置は関節鏡で行われることが多く、切開が小さいため身体への負担を抑えられます。 再生医療(膝関節の状態によっては検討される) 再生医療は、膝蓋下脂肪体そのものに対する標準治療として現時点では確立されていません。 症状の背景に変形性膝関節症や軟骨損傷などの変性疾患を伴う場合に限り、以下の疾患を対象として再生医療の適応が検討されます。 膝関節の状態 再生医療を検討する目的 変形性膝関節症 膝関節全体の機能改善 軟骨損傷 軟骨環境の改善と機能維持 半月板損傷 膝関節への負担軽減と機能改善 再生医療の適応は、年齢・症状の程度・画像所見をもとに医師が総合的に判断します。活動量の調整やリハビリ・運動療法と組み合わせながら治療を進めることが基本です。 「膝の違和感がなかなか改善しない」「スポーツを続けたいけれど手術は避けたい」とお悩みの方へ再生医療をご提案しています。再生医療は、膝関節の状態改善を目指す治療選択肢のひとつです。 以下では、変形性膝関節症に対する再生医療の症例を紹介しています。競技復帰や趣味の継続を目指したい方、できる限り自身の膝を維持したい方は、まずはお気軽にご相談ください。 膝蓋下脂肪体の注意点 注意点 詳細 過度な運動や負荷をかけ続ける 炎症の悪化や症状の長期化の原因 自己判断で強いマッサージやセルフケアを行う 組織への刺激増加による状態悪化のリスク 症状を放置したり治療を中断したりする 線維化の進行や再発リスクの増加 膝蓋下脂肪体の症状がある状態で膝への負荷を続けると、炎症が悪化して回復が遅れる原因になります。 自己判断による強いマッサージや過度なセルフケアも組織への刺激となり、症状を悪化させます。また、放置や治療の中断は線維化の進行・再発につながります。 症状の改善と再発予防には、医師の指導のもとで治療を継続することが前提です。 過度な運動や負荷をかけ続ける 膝蓋下脂肪体に炎症がある状態で過度な運動を続けると、脂肪体への刺激が繰り返されて炎症が慢性化し、線維化(硬化)へと進行します。 線維化が進むと膝関節の可動域制限につながり、改善までに時間を要します。とくに以下の動作は膝への負担が大きいため注意が必要です。 注意したい動作 膝への影響 ランニング 膝前面への反復的な負荷の増加 ジャンプ動作 着地時の衝撃による刺激の増加 ダッシュや方向転換 急激な負荷による脂肪体へのストレス 深いスクワット 膝蓋下脂肪体の圧迫増加 症状がある時期は無理に運動を継続せず、膝の状態に合わせて活動量を調整することで、炎症の悪化を防ぎ、回復を促しやすくなります。 自己判断で強いマッサージやセルフケアを行う 膝蓋下脂肪体は神経・血管が豊富な組織であり、炎症がある状態で強く押したり揉んだりすると症状が悪化します。 膝前面の症状は半月板損傷・膝蓋腱炎・変形性膝関節症など原因が異なる疾患でも生じるため、原因に合わないセルフケアは回復を遅らせます。 インターネットやSNSで紹介されている方法がすべての方に適しているわけではなく、症状が続く場合は医師の指導のもとで治療や運動療法に取り組んでください。 症状を放置したり治療を中断したりする 膝蓋下脂肪体の症状を放置したり治療を中断したりすると、慢性的な炎症から線維化が進行し、膝関節の可動域制限や機能低下につながります。 症状が一時的に軽減しても炎症や動作の問題が残った段階でリハビリを中断すると再発につながるため、膝をかばう動作による筋力低下や日常生活への影響が広がる前に治療を継続することが重要です。 半月板損傷や変形性膝関節症など他疾患が関与している場合もあるため「症状が改善しない」「悪化する」場合は早めに整形外科を受診してください。 改善しない膝蓋下脂肪体は当院へご相談ください 膝蓋下脂肪体による症状は適切な治療で改善が見込めますが、保存療法を継続しても改善が乏しい場合は他の膝疾患が関与している可能性があります。 炎症や線維化が慢性化すると日常生活やスポーツ活動への支障が広がるため、原因を正確に把握した上で治療方針を決定することが重要です。 改善しない膝蓋下脂肪体の症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。 「膝の違和感が続いている」「手術は避けたい」「スポーツや趣味を続けたい」とお考えの方で、症状の背景に変形性膝関節症や軟骨損傷、半月板損傷などの変性疾患が認められる場合は、再生医療も選択肢となります。 当院では、患者一人ひとりの症状や画像所見、生活背景を踏まえた上で治療方針をご提案しています。膝の不調が長引いている方や、将来への不安を抱えている方は、お気軽にご相談ください。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 膝蓋下脂肪体に関するよくある質問 膝蓋下脂肪体は自然治癒しますか? 炎症が軽度で膝への負担を軽減できれば、活動量の調整や安静で改善が見込めます。ただし、炎症が慢性化して線維化が進んだ状態では自然改善は難しくなります。 違和感が続く場合や日常生活に支障がある場合は、整形外科を受診してください。 膝蓋下脂肪体はいつからスポーツ復帰できますか? スポーツ復帰の時期は症状の改善状況や膝関節の機能回復の程度によって異なります。日常生活での支障がなく、膝の曲げ伸ばしやジョギング・ジャンプなどの競技動作で症状が再発しないことが復帰の目安です。 復帰を急ぐと炎症が再発・慢性化するため、医師や理学療法士と相談しながら段階的に運動量を増やすことが重要です。 膝蓋下脂肪体は整体や鍼治療で改善しますか? 整体や鍼治療で膝の違和感が一時的に軽減することはありますが、膝蓋下脂肪体に対する有効性は現時点で医学的に確立されていません。 膝の症状は半月板損傷や変形性膝関節症など他疾患が原因となることもあるため、まず整形外科で原因を特定した上で治療方針を決定します。 参考文献 (文献1) Infrapatellar fat pad syndrome: a review of anatomy, function, treatment and dynamics|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献2) Predisposing factors for Hoffa's fat pad syndrome: a systematic review|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information
2026.08.04 -
- ひざ関節
- お皿付近に違和感
- 膝部、その他疾患
「膝が最近、ミシミシ・ジャリジャリと音がする」 「膝に聞き慣れない音がするのに痛くないのはなぜ?」 膝を曲げると音が鳴るのに、痛みを感じないことはありませんか。実際、音は気になるものの、痛みを感じないので医療機関を受診するほどではないと考える人も少なくありません。 しかし、ミシミシ・ジャリジャリという関節音は、筋肉や軟骨に変化が生じているサインの可能性があります。 関節の動きに伴う音は、加齢や筋力低下、姿勢の崩れ、軟骨のわずかな変化など、いくつかの要因が関係します。 本記事では、現役医師が膝がミシミシ・ジャリジャリする原因・治し方を解説し、考えられる疾患についても紹介します。 記事の最後には、膝のミシミシ・ジャリジャリに関するよくある質問についてまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 膝がミシミシ・ジャリジャリするのに痛くない原因 原因 詳細 関節内の気泡や摩擦音によるもの 関節内に発生した気泡がはじける音や軟部組織同士がこすれる音 関節軟骨の擦り減りはじめによるわずかな変化 軟骨の軽度の摩耗による骨同士の接触や動きの乱れ 運動不足や筋力低下による関節の不安定性 大腿四頭筋などの筋力低下による関節のぐらつきやズレ 膝を動かしたときの音は、必ずしも異常とは限りません。違和感がなくても、関節内で軟骨や靭帯、筋肉にわずかなズレが生じている可能性があります。関節内の気泡が弾ける音や、筋肉・腱が骨にこすれる音も原因のひとつです。 加齢による軟骨の変化や筋力低下も関節の安定性を低下させ、音の原因になります。こうした現象は、日常生活に支障がなければ経過観察で問題ありません。しかし、このような音が続く、または違和感が強くなる場合には、早急に医療機関を受診しましょう。 関節内の気泡や摩擦音によるもの 内容 詳細 関節内の気泡(ガス)がはじける音 関節内の滑液に溶けている窒素や二酸化炭素が、膝の動きで気泡となり、破裂することで発生する「ポキッ」「パチッ」とした音 靭帯や腱が骨の突起を越える際の摩擦音 膝の曲げ伸ばし時に靭帯や腱が骨の出っ張りに引っかかり、動きとともに「ひっかかる・戻る」を繰り返すことで生じる摩擦音 違和感・腫れ・可動制限がなければ病的でないことが多い 生理的関節音であり、違和感や腫れ、動きの制限を伴わなければ日常的現象で経過観察が基本 膝から聞こえる音の中には、キャビテーションと呼ばれる関節内の気泡がはじけることで生じるものがあります。膝を曲げ伸ばしたときに関節内の圧力が変化し、一時的にできた気泡が破裂して、ポキポキ・ミシミシといった音が出ることがあります。 また、関節内の組織同士がこすれ合って摩擦音がすることもあり、これらの音は病気とは限らず、一時的な現象であるケースが多いです。通常であれば、心配いりません。ただし、音が出る頻度の増加や違和感、腫れなど他の症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 関節軟骨の擦り減りはじめによるわずかな変化 中高年になると、膝などの関節で軟骨が徐々にすり減り始めます。初期段階では、ミシミシ・ジャリジャリといった異音や違和感のみが現れることがあります。 関節軟骨は、骨同士の動きを滑らかに保つクッションのような役割を担う組織です。加齢や日常の負荷により、軟骨表面がざらつくと、関節の動きに摩擦が生じ、異音の原因になります。軟骨には神経がないため、摩耗してもすぐに症状が出るとは限りません。 こうした異音は見過ごされがちですが、進行すると軟骨の消耗が進み、違和感・腫れ・可動域制限などの症状を引き起こすおそれがあります。 変形性膝関節症などの疾患につながる可能性もあります。そのため、早期対応が重要です。不安がある場合は、整形外科での診察を受け、関節の状態を確認することが推奨されます。 運動不足や筋力低下による関節の不安定性 加齢や運動不足でこれらの筋力が低下すると、関節の安定性が損なわれ、動作時にわずかなズレや摩擦が生じやすくなります。 とくに大腿四頭筋が弱くなると、膝蓋骨(膝のお皿)の動きが不安定になり、骨同士の摩擦によって、ミシミシ・ジャリジャリといった異音が起こりやすくなります。また、筋力の低下は関節を不安定にし、関節内に気泡が生じる一因です。 高齢になると、加齢による筋力の低下(ダイナペニア)が進行し、運動習慣がなくても膝関節の不安定性が現れやすくなります。関節の安定を保つには、継続的な筋力トレーニングや歩行などで、関節周囲の筋肉を維持・強化することが有効です。 以下の記事では、膝がポキポキなる原因について詳しく解説しております。 膝がミシミシ・ジャリジャリの治し方 治し方 詳細 膝に負担をかけない生活習慣を整える 正しい姿勢の維持・体重管理・階段や正座を避ける生活上の工夫 筋トレとストレッチで膝の動きをなめらかに保つ 大腿四頭筋やハムストリングスの強化・関節の柔軟性維持 必要に応じてサポーターやインソールを取り入れる 膝への衝撃緩和・関節のズレ防止・歩行時の安定性向上 膝のミシミシ・ジャリジャリ音は、関節の軟骨のすり減りや筋力・柔軟性の低下が原因です。体重を適正に保ち、正しい姿勢で生活することが基本です。階段の昇降や正座を避け、膝に負担をかけない工夫しましょう。 また、大腿四頭筋やハムストリングスを鍛える筋トレやストレッチで関節を支える力を向上させることも大切です。必要に応じてサポーターやインソールを使用することで、膝への負担が軽減され、歩行も安定します。 膝に負担をかけない生活習慣を整える ポイント 詳細 日常動作や習慣の見直し 長時間の立ち仕事や座りっぱなし、不適切な姿勢、合わない靴の使用による膝への負担減少 体重管理 食事や運動による適正体重の維持による関節負担軽減 休息と活動のバランス 膝の使いすぎ・動かなさすぎを避け、筋力低下の予防 環境や動作の工夫 イスや机の高さ調整、正しい姿勢や歩行、急な動作や正座回避による膝への負荷軽減 膝がミシミシ・ジャリジャリする場合、生活習慣を整えることは非常に重要です。日常生活の中で不適切な姿勢や合わない靴の使用、長時間同じ姿勢を取ることは膝関節への負担を大きくします。 体重を適正に管理することも、膝への圧力を抑え、慢性的な摩耗や変形のリスク軽減につながります。また、膝の過剰な使用や不活動は筋力バランスの乱れを招き、関節への負荷を増大させる要因です。 イスや机の高さの調整や正しい動作の習慣化など、身近な生活環境を見直すことで、膝の異音の改善や将来的な関節疾患の予防が期待されます。 筋トレとストレッチで膝の動きをなめらかに保つ ポイント 詳細 膝周囲の筋肉が関節を支え、負担を和らげる 大腿四頭筋・ハムストリングス・お尻の筋肉の強化による膝の安定化 ストレッチによる動きのなめらかさ 筋肉や腱の柔軟性向上による関節内摩擦や引っかかりの予防 継続による将来的な膝トラブルの予防 変形性膝関節症などの進行抑制・関節機能の維持 膝の異音には、筋トレとストレッチによる筋肉強化と柔軟性向上が効果的です。太もも前や裏、臀部の筋肉を鍛えると、膝関節が安定し骨同士の摩擦が減ります。 ストレッチを加えることで膝回りの筋肉や腱の柔軟性が向上し、動作時の摩擦や引っかかりも生じにくくなります。運動を継続することで、膝の健康を維持し、将来的な関節疾患の予防にもつながります。 必要に応じてサポーターやインソールを取り入れる ポイント 詳細 膝関節の安定性向上 サポーター装着による関節のぐらつき防止と動作時の安定確保 膝への衝撃や負担の軽減 インソールによる衝撃吸収と荷重分散による膝負荷の軽減 関節の保温と血行促進 保温効果による血流促進と関節可動域の改善 違和感や不安感の緩和 圧迫と固定による膝感覚の安定化の向上 正しいサイズと使用方法の選択 自分に合った製品の選定と適切な装着による効果的使用 膝のミシミシ・ジャリジャリといった違和感に対しては、サポーターやインソールの活用が有効です。サポーターは関節を外側から支えることでぐらつきを安定させ、歩行や階段昇降など日常動作の負担軽減につながります。 インソールは足元から衝撃を吸収し、膝への力を分散する働きがあります。とくにO脚傾向や足裏のアーチが崩れている方に効果的です。また、サポーターには保温作用があり、血行を促進して関節の動きをなめらかにする働きもあります。 ただし、製品は自分に合ったサイズ・素材を選び、正しい装着方法で使用することが大切です。必要に応じて医師に相談しましょう。 膝がミシミシ・ジャリジャリするのに考えられる疾患 考えられる疾患 詳細 中高年に多い膝の構造的変化による疾患(変形性膝関節症・半月板損傷) 軟骨や半月板のすり減り・損傷による骨の接触やクッション機能低下 関節リウマチ 自己免疫反応による関節包の炎症と破壊・関節変形への進行 離断性骨軟骨炎 膝関節内の骨や軟骨の一部が剥がれることで生じる関節内の不安定性 膝のミシミシ・ジャリジャリ音は、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、離断性骨軟骨炎などが原因となることがあります。 いずれも進行すると痛みや変形を伴い、日常生活に支障をきたすため、早期に医療機関を受診することが重要です。 中高年に多い膝の構造的変化による疾患(変形性膝関節症・半月板損傷) 原因 詳細 変形性膝関節症(軟骨のすり減り) 加齢による軟骨の摩耗と滑らかな動きの低下、骨同士の直接接触による異音発生 半月板の変性・損傷 加齢による半月板の摩耗や亀裂、膝の曲げ伸ばし時のクリック音やゴリゴリ音の発生 中高年に多い膝の異音は、加齢や負荷による軟骨や半月板の摩耗により、骨同士がこすれ合うことが原因です。 また半月板が傷つくと、膝の動きで引っかかりや異音が出やすくなります。初期は痛みが目立たず、音や違和感だけしか現れないケースも多いですが、放置すると進行しやすいため、異音が長引く場合は早めに医療機関へ相談することが重要です。 以下の記事では、構造的変化による疾患について詳しく解説しています。 【関連記事】 変形性膝関節症の治療は早期発見が鍵!初期症状を見逃さないために 半月板損傷でやってはいけないこと7選!放置するリスクや注意点について医師が解説 関節リウマチ 膝がミシミシ・ジャリジャリと鳴る原因のひとつに、関節リウマチが考えられます。関節リウマチは、自己免疫の異常によって関節内に炎症が起こる疾患で、膝を含む複数の関節に症状が現れるのが特徴です。 炎症が続くと軟骨や骨が傷み、関節の動きがスムーズでなくなり、摩擦音や違和感が生じることがあります。初期には音や違和感のみで、腫れが目立たないこともあります。 左右の関節にこわばりが出る、朝の動き始めがつらいといった症状がある場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、関節リウマチについて詳しく解説しています。 【関連記事】 膝の関節炎とリウマチの違いとは?症状と治療法などを現役医師が解説 関節リウマチの原因を医師が解説|ストレス・飲酒・性格との関係性も紹介 離断性骨軟骨炎 離断性骨軟骨炎は、膝関節内で軟骨や骨の一部がはがれ、関節内で動くことで異音や違和感が生じる疾患です。成長期の若い人に多く、初期は軽い違和感だけのこともあります。 しかし、進行するとミシミシ・ジャリジャリといった音や引っかかり、膝が動かなくなることもあります。放置すると軟骨片が関節内を遊離し、関節のロッキングや変形を引き起こすおそれがあるため、早急に医療機関を受診することが大切です。 以下の記事では、離断性骨軟骨炎について詳しく解説しています。 【関連記事】 離断性骨軟骨炎とは?主な原因や症状、治療法について解説 離断性骨軟骨炎の完治期間は?リハビリの重要性や再発予防法を解説 膝のミシミシ・ジャリジャリ音が続くなら早めに受診しよう 膝の異音が一時的なものであれば、治療は不要であるケースがほとんどです。しかし、数週間以上続く場合や頻度が増えてきた場合は、関節や軟骨に変化が起きている可能性があります。 とくに中高年では、軟骨のすり減りや炎症性疾患が背景にあることも少なくありません。音に加えて動きにくさや腫れを感じるようであれば、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 当院では、膝のミシミシ・ジャリジャリ音から起こりうる関節形の疾患に対して、再生医療を選択肢の一つとしてご案内しています。再生医療は、膝の損傷した軟骨や組織の修復を促す治療法で、自己修復力を活かして、違和感の軽減や機能回復を目指します。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 膝のミシミシ・ジャリジャリに関するよくある質問 膝に音がするのは一時的なものですか?自然に治ることもありますか? 膝の音が「ポキッ」「パキッ」と高く、違和感がなければ一時的な関節内の気泡によるもので、自然に治ることが多いです。 ただし、ミシミシ・ジャリジャリといった低音が続く場合は、軟骨や半月板の損傷など関節の変化が疑われます。気になる症状が続くときは整形外科での検査をおすすめします。 膝の異音は年齢のせいですか?若い人でも起こりますか? 膝の異音は年齢だけが原因ではなく、若い人にも起こることがあります。加齢による軟骨の摩耗や関節の変形はリスクですが、運動歴、体重、筋力のバランス、遺伝なども原因です。 とくにスポーツをしている若年層では、靭帯や腱の動き、成長による影響で異音が出ることもあります。一時的な音で違和感がなければ心配ないことも多いです。しかし、違和感や音が続く場合は、整形外科での受診をおすすめします。 膝ミシミシ・ジャリジャリするときはストレッチやスクワットは控えるべきでしょうか? 膝にミシミシ・ジャリジャリといった音や違和感がある場合は、無理のない範囲でストレッチを行うと関節の動きがスムーズになりやすく、太ももや膝裏の柔軟性向上に役立ちます。 一方で、スクワットは膝への負荷が大きく状態を悪化させることがあるため、控えましょう。代わりに椅子に座って足を伸ばす運動など、膝に負担をかけにくい方法がおすすめです。腫れや違和感が強い場合は早めに医療機関を受診しましょう。
2025.07.31 -
- ひざ関節
- お皿付近に違和感
- 膝部、その他疾患
「膝を捻挫して歩けるけど痛い」という方の中には、病院に行くべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 結論、膝の捻挫後に歩けるけど痛い場合は、靭帯断裂など重症な可能性があります。 軽症な場合は適切な応急処置とセルフケアで早期に回復するケースもありますが、治療を受けずに放置してしまうと重症化するリスクがあります。 捻挫を放置することで、後遺症がでる場合や靭帯が完全に断裂して手術が必要になる可能性も少なくありません。 当院リペアセルクリニックでは、捻挫による痛みだけでなく「少し違和感がある」など些細なことでも無料でご相談を承っています。 「捻挫の痛みを早く治したい」「後遺症や手術は避けたい」という方は、ご自身の症状に適した治療法についてご相談ください。 ▼捻挫の早期回復に再生医療が注目 (こちらをクリックして)無料で相談しよう \お問い合わせはこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 膝を捻挫して歩けるけど痛いときに考えられる原因 膝を捻挫して歩けるけど痛いときに考えられる原因として、捻挫ではなく靭帯断裂などの重症な可能性があります。 捻挫とは、膝の曲げ伸ばしを行うための「関節包」や「靭帯」が損傷してしまう外傷のことです。 しかし、捻挫と診断されるのは軽症の場合に限り、損傷度合いが強く、靭帯が完全に切れている場合「靭帯断裂」という診断になります。 捻挫だと思って痛みを我慢して放置していたら靭帯断裂だったというケースも少なくありません。 受傷後に歩行できる場合でも、適切な治療を受けなければ関節が不安定になったり、再発しやすくなる(クセがつく)可能性があります。 近年の治療では、捻挫や靭帯断裂の早期回復が目指せる治療法として、再生医療による治療が注目されています。 「膝の痛みを早く治したい」「再発のクセがつく前に治したい」という方は、ぜひお問い合わせください。 \無料相談・お問い合わせはこちら/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 膝を捻挫して歩けるけど痛いときの症状 膝を捻挫すると主に以下のような症状が現れます。 受傷直後の強い痛み 内出血とむくみの発生 膝全体の腫れ 受傷直後は痛みが強いですが、機能は比較的保たれている事が多く、その後も痛みを我慢して普通に生活できる方もいます。 ですが、徐々に内出血とむくみが出てきて、膝全体が腫れてきます。 膝全体が腫れると、膝を動かす際に痛みが生じます。また、左右を比較すると動かせる範囲が狭くなる「可動域制限」がでてきます。 ひどい場合は痛みで足が地面につかないケースも。 ただし、「捻挫」であれば一時的な症状なので、数日で改善するケースが多いです。 いつまでたっても痛みが引かない、腫れがひどくなってきたという場合は「靭帯損傷」のレベルまで症状が悪化している可能性があります。注意しましょう。 以下の記事では、靭帯損傷の原因や治療法について解説しています。ぜひ参考にしてください。 「歩けるけど痛い」「膝がぐらぐらして不安定」は要注意! 「ただひねっただけだと思って様子を見ていたら、実は靭帯損傷だった。」という事例は意外に多いです。 膝には主に4つの重要な靭帯があります。 前後方向の安定性を保つ前十字靭帯・後十字靭帯、左右方向の安定性を保つ内側側副靭帯・外側側副靭帯です。これらはバスケットボールやサッカーなどのスポーツはもちろん、転倒などでも痛めるケースがあります。 「歩けるけれども痛みが続く」や「膝がぐらぐらして不安定」と感じるときは、これらの靭帯を痛めている可能性があります。 また、靭帯を痛めていると関節の中に血が溜まることが多いです。 「もしかしたら当てはまるかも」と思った場合は、自己判断せずに病院を受診しましょう。 歩けるけど痛い 膝がぐらぐらして不安定 「靭帯」や「半月板」を損傷している恐れがあります。自己判断はせず、病院を受診しましょう! また、膝のクッションや安定性を保つ役割をしている組織に半月板が存在します。半月板は左右に1つずつありますが、こちらも膝をひねって痛めた際に損傷してしまうことがあります。 年を取ると徐々にすり減って切れやすくなります。特に、高齢の方はバスの乗り降りなど少しの段差を下りただけでも半月板が切れてしまう恐れも。「ブチッ」という感覚を伴うのが特徴的です。半月板損傷は検査しないと判明せず、病院でMRIなどを撮影しなければなりません。 一口に「捻挫」と言っても、紹介したような損傷が隠れている可能性もあります。ちょっとでも違和感があるなら、病院に受診するようにしてみてください。 膝を捻挫して歩けるけど痛いときの対処法 膝をひねってしまった受傷直後は、RICE処置を行いましょう。 Rest:安静 Ice:冷やす Compression:圧迫 Elevation:挙上 スポーツはすぐに中止し、歩行もできればしない方が望ましいです。氷や保冷材などを使って膝を冷やしながら、包帯などがあれば圧迫してください。 また、寝ているときは心臓より高い位置に足をあげておくと、膝が腫れてくるのを予防できます。 しかし、自己判断での応急処置は症状を悪化させてしまうリスクもあるため、症状に適した応急処置について確認することが重要です。 当院リペアセルクリニックでも捻挫の症状に適した対処法や治療法についてご説明いたしますので、お気軽にお問い合わせください。 膝を捻挫して歩けるけど痛いときに受けるべき診断方法は? 問診と身体診察で、どのような怪我が疑わしいのか予想がつく場合もあります。 基本的には、まずレントゲンで骨折がないかどうか確認します。レントゲンだけではわからない場合は、骨をより詳しく見るためにCT検査を行うこともあります。その後、靭帯損傷や半月板損傷が疑われる場合にはMRI撮影を実施します。 レントゲン撮影 CT検査 MRI撮影 検査の結果、手術が必要な靭帯損傷などの疑いがなければ保存療法になります。 損傷した関節包や靱帯が修復する期間は、通常3週間前後です。この期間は激しい運動や重労働などはせず、安静にしていましょう。安静を保つ目的で、一定期間添木や松葉杖・サポーターなどの使用を指定するケースもあります。 痛みが強い場合は、飲み薬や湿布を処方する場合もあります。ただし、鎮痛薬は痛みを止めるだけで治ったわけではないので、一番大事なのは膝の安静です。 そのまま通常の生活に戻れる場合は、晴れて治療終了です。しかしながら、安静にしていた影響で筋力が低下したり、動きが悪くなることがあります。 その際はリハビリテーションを実施して膝関節の機能を戻すとともに、次の怪我の予防も同時に行うことが大切です。 膝を捻挫して歩けるけど痛いときによくある質問 膝を捻挫して歩けるけど痛いときによくある質問をQ&A形式で紹介します。 膝関節を含む捻挫の予防法や対処法はありますか? 運動をされる場合は、適切なストレッチやウォーミングアップが大切です。筋肉の柔軟性を保ち、温めてしっかりと動かせる状態にしてから運動を始めることで、関節に負担がかかりにくくなります。 また、普段から下肢の筋力が衰えないように意識してトレーニングをしておくことも重要です。さらに、自分の足に合った靴を選ぶことも転倒の予防になります。 膝関節捻挫を引き起こしてからスポーツに復帰できる目安は? スポーツ復帰には、痛みがなくなっていることが大前提です。痛みがあるまま再開すると、膝をさらに痛めたり、かばって別の部位の怪我を引き起こしかねません。 一般的に、通常の捻挫であれば2〜3週間で痛みが落ち着くので、軽い運動から再開するように指導します。 膝に過度な負担をかけないよう、サポーターなどの補助具を使用することも勧められます。 膝関節捻挫は何科を受診すればよいですか? 膝関節捻挫は外傷により発症します。よって、整形外科を受診しましょう。 とはいえ、受傷した時間が深夜や早朝だと、最寄りの整形外科医が受診の時間外の場合もあるでしょう。このような場合は、整形外科のある最寄りの大きな病院に問い合わせるか、厚生労働省が推奨している「♯7119」に電話で相談してみてください。 あきらかに緊急性がない場合は当院へご相談ください。国内で10,000以上ある実績を元に、親身に対応いたします。 膝を捻挫して歩けるけど痛いときは重症の可能性あり!早めに医療機関を受診しよう この記事では、膝関節捻挫について解説しました。 膝関節捻挫は直接的・間接的な原因から発症し、受傷直後に強い痛みを伴います。病院を受診せずに痛みを我慢しその後も様子をみてしまう方も多いのが現状です。しかし、裏側に潜む靭帯や半月板の損傷も考えられます。 自己判断で無理せず、最寄りの医療機関を受診するよう心がけましょう。 従来の治療では、症状に応じて約4〜8週間の固定期間が必要ですが、先端医療である再生医療による治療で痛み症状の早期改善が期待できます。 捻挫の痛みを早く治したい方は、この機会に再生医療がどのような治療をするのかお問い合わせください。 ▼捻挫の早期回復に再生医療が注目 (こちらをクリックして)無料で相談しよう \お問い合わせはこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00)
2023.08.28 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
関節リウマチとは、免疫の異常によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、朝のこわばりが続く病気です。放置すると関節の変形につながり、日常生活に支障が出ることもあります。 症状を少しでも軽くしたいと思っていても、日常生活で何に気をつければよいのか分からず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、関節リウマチで避けたい日常生活の10項目と、その代わりにできることを解説します。 あわせて、症状の時期によって変わる注意点や、治療薬との付き合い方で注意したい2つのことも紹介します。関節リウマチの症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 >>関節リウマチでしてはいけない10項目はこちらをチェック! ※タップで該当箇所にスクロールします。 また関節リウマチに対して既存の治療で改善が難しい場合、 再生医療が新たな選択肢となることがあります。 \関節リウマチに対する再生医療という選択肢/ 再生医療とは、患者様ご自身の細胞を活用し、損傷した組織の修復環境を整えることを目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 抗リウマチ薬や生物学的製剤を続けても関節の痛み・腫れが改善しない ステロイドや消炎鎮痛薬でも十分な効果が得られない 薬の副作用がつらい・これ以上薬を増やしたくない 手術(人工関節など)は避けたいが痛みを何とかしたい 慢性的な関節の痛み・こわばりで日常生活・仕事に支障が出ている >>再生医療専門「リペアセルクリニック」に無料電話相談する(9:00〜18:00) 実際の治療内容については、以下の動画でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=Dc0ftyAzLoASrI5o 「薬を飲み続ける以外の選択肢」として、まずは当院(リペアセルクリニック)の 無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。 辛い関節リウマチ改善を目指すなら、まずは無料相談! 関節リウマチのしてはいけない10項目一覧 ここで紹介する10項目は、関節に負担をかけやすい日常生活の習慣や動作をまとめたものです。 項目ごとに、悪化につながる理由と代わりにできることを以下の表にまとめました。 してはいけないこと なぜ悪化するのか 代わりにできること ①砂糖入り飲料・加工食品・赤身肉の摂りすぎ 摂りすぎると、症状の悪化や心臓・血管の病気のリスクと関わる可能性がある 飲みものはお茶や水に、主菜は魚や野菜中心に置き換える ②激しい運動・痛みを我慢しての運動 炎症のある関節に負担がかかる 水中ウォーキング、ストレッチ、リウマチ体操 ③冷房や冬の室内で関節を冷やす 痛みやこわばりが強まる 長袖やブランケットで保温する(腫れや熱感があるときは温めない) ④高い枕など首に負担をかける行動 首の骨(頚椎)がずれていると、神経を圧迫するおそれがある 低めの枕を使い、一度腰かけてから立つ ⑤肥満 膝や股関節に過剰な負担がかかる バランスのよい食事と無理のない運動 ⑥デスクワークや立ち仕事で同じ姿勢を長時間とる 関節がこわばり、負担が一か所に集中する 30分〜1時間ごとに姿勢を変える ⑦重いものを指先や手首だけで持つ 手指や手首に負担が集中する 両手で持つ、前腕や肩で支える、カートを使う ⑧正座や和式トイレなど膝を深く曲げる動作 膝に大きな負担がかかる 椅子の生活、洋式トイレ、補高便座 ⑨喫煙を続ける 病気の進行や死亡リスクと関わる 早めに禁煙する(禁煙外来を利用する) ⑩ストレスや疲れを溜める 全身が消耗し、体調を崩しやすくなる 十分な睡眠と休息をとり、家事を分担する 項目名をタップすると、それぞれの詳しい解説に移動します。 治療薬との付き合い方で注意したいことは、後半の見出しで解説します。 ①砂糖入り飲料・加工食品・赤身肉の摂りすぎ https://youtu.be/4LeBKWd3w2s?si=qFEX9A8IULDRFirM 「これを食べたら必ず悪化する」と言い切れる食品はありません。問題になるのは、特定の食品の摂りすぎや食事の偏りです。 これまでの研究から、控えめにしたい食品は以下の3つです。 砂糖入りの飲みもの・デザート 赤身肉・肉加工品 超加工食品(菓子パン・スナック・インスタント食品など) それぞれの根拠と、無理なく続けられる食事の工夫を紹介します。 砂糖入りの飲みもの・デザート 関節リウマチ患者217人に、20種類の食品が症状に影響するかを聞いた調査があります。症状が悪くなると答えた人が最も多かったのは、砂糖入りの炭酸飲料とデザートでした。(文献1) ただし、同じ調査で「食べものが症状に影響する」と答えた人は約4分の1(24%)でした。すべての方に当てはまるわけではありません。 また、米国の女性看護師約19万人を追跡した研究では、砂糖入り炭酸飲料と関節リウマチの発症との関係が調べられています。砂糖入り炭酸飲料を1日1杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、関節リウマチの発症リスクが63%高い結果でした。(文献2) 対象は、血液検査でリウマチに関わる抗体が見つかるタイプの関節リウマチです。なお、ダイエット飲料では関連はみられませんでした。 この研究は発症のしやすさを調べたもので、すでに関節リウマチの方の悪化を直接示したものではありません。甘い飲みものは、習慣的に飲みすぎないことを意識しましょう。 赤身肉・肉加工品 ここでいう赤身肉とは、脂の少ない部位のことではなく、牛・豚・羊などの肉を指します。 炎症性多発関節炎(複数の関節に炎症が起こる病気)を新たに発症した88人と、発症していない176人の食事を比べた研究があります。発症した人の方が赤身肉の摂取量が多く、赤身肉と肉加工品を多く食べる人ほど発症リスクが高い傾向がみられました。(文献3) ただし、赤身肉が原因かどうかまでは分かっていません。肉を避けるのではなく、食べすぎないことを心がけましょう。 超加工食品(菓子パン・スナック・インスタント食品など) 超加工食品とは、工場で何段階も加工され、砂糖・塩・油や添加物が多く使われた食品です。菓子パン、スナック菓子、インスタント食品、清涼飲料水などが当てはまります。 関節リウマチ患者56人の食事を調べた研究では、超加工食品を多く摂る人ほど、心臓・血管の病気のリスクを示す指標が高い結果でした。過去1〜2カ月の血糖の平均を反映するHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)も高い傾向でした。(文献4) 関節リウマチの方は、心臓や血管の病気にかかりやすいとされています。関節だけでなく全身の健康のためにも、超加工食品に頼りすぎないようにしましょう。 控えるより「置き換える」意識でバランスをとる 禁止食品を探すよりも、主食・主菜・副菜をそろえて食べることが大切です。好きな食品を我慢し続けるより、置き換える意識をもつと続けやすくなります。 置き換えの例は以下のとおりです。 控えたいもの 置き換えの例 炭酸飲料・甘い飲みもの お茶・水 菓子パン・スナック菓子 おにぎり・果物 ハム・ソーセージなどの肉加工品 魚(サバ・イワシなどの青魚) いきなりすべてを変えず、1日1品から置き換えてみましょう。お酒との付き合い方は、よくある質問で解説しています。 ②激しい運動・痛みを我慢しての運動 関節リウマチの方にも、適度な運動はすすめられています。問題になるのは、関節に強い衝撃や負荷がかかる運動と、痛みを我慢して続けることです。 治療薬は、効果がしっかり出るまで1〜3カ月かかることが多いです。その間は、激しい運動や重労働、重い荷物を長時間持つこと、長時間の歩行はなるべく避けましょう。(文献5) 「動かさないと固まる」と考えて、痛みを我慢して動かすのは逆効果になることがあります。避けたい運動と、取り入れたい運動を具体的に見ていきましょう。 避けたい運動・動作の例 関節リウマチの方が避けたい運動・動作の例は以下のとおりです。 避けたい運動 具体例 着地の衝撃が大きい運動 ・ジョギング ・マラソン ・ジャンプを伴うスポーツ(バレーボール、バスケットボールなど) 関節に強い負荷がかかる運動 ・重いバーベルやダンベルを持ち上げる筋力トレーニング これらの運動を続けたい場合は、主治医に相談してから行いましょう。 取り入れたい運動と強さの目安 関節に負担の少ない運動には、以下のようなものがあります。 水中ウォーキング(水の浮力で関節への負担が軽くなる) ストレッチ ヨガ・太極拳 リウマチ体操 リウマチ体操のやり方は、リウマチ体操の解説ページで確認できます。 運動の強さは、運動後1時間ほど休めば、次の活動が問題なくできる程度が目安です。翌日以降に疲れや関節の痛みが残る場合は、強さや時間を減らしましょう。(文献5) 足の関節に炎症がある場合は、無理に歩く距離を延ばさないようにしてください。歩かずに自宅でできる運動もあるため、主治医に相談しましょう。 運動量は、医師や理学療法士・作業療法士(リハビリの専門職)と相談しながら調整することをおすすめします。 安静にしすぎるのも逆効果 「安静」は、まったく動かさないことではありません。一日中座っている、寝ているなど動かなさすぎると、筋力が落ちて関節が硬くなります。 その結果、関節が動かせなくなる「拘縮(こうしゅく)」が起こることがあります。動かしすぎも、動かさなすぎも避けることが大切です。 ③冷房や冬の室内で関節を冷やす 関節を冷やすと、痛みが強くなったり、関節が動かしづらくなったりすることがあります。 とくに冷えやすいのは、以下のような場面です。 夏に冷房の風が直接当たる 冬の室内で足元が冷える トイレや脱衣所など、暖房のない場所に移動する 主な対策は以下のとおりです。 対策 具体的な方法 服装で保温する 長袖・長ズボンを着る、ブランケットをかける 首・手首・足元を温める ネックウォーマー、手袋、厚手の靴下を使う 部屋の冷えを防ぐ ホットカーペットを使う、トイレや脱衣所に小型の温風器を置く ただし、関節が腫れて熱をもっているときは、炎症が起きている可能性があります。その場合は温めないようにしましょう。 時期による過ごし方の違いは、炎症が強い時期と落ち着いている時期の注意点で解説しています。 ④高い枕など首に負担をかける行動 関節リウマチが進むと、首の骨(頚椎)にも炎症が起こり、首の痛みや動かしにくさが出ることがあります。 首に強い負担がかかると、頚椎がずれる「亜脱臼」を起こすことがあります。ずれた骨が神経を圧迫すると、手足のしびれやまひ、呼吸の障害が起こるおそれがあります。 首を守るために気をつけたい点は以下のとおりです。 場面 対策 枕 高すぎる枕は避け、首に負担がかからない低めの枕を選ぶ 朝の起き上がり ベッドから急に立ち上がらず、一度腰かけてから立つ 首の動き 朝は首を急に回さない。首の運動は医師の診察を受けてから行う 頚椎の亜脱臼があるといわれた方は、とくに枕を低くし、起き上がりをゆっくり行うことが大切です。 ⑤肥満 肥満だと膝や股関節など体重を支える関節に過剰な負担がかかり、炎症が悪化する可能性があります。体重管理を適切に行うことで関節への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐよう心がけましょう。 体重管理の観点からバランスの取れた食事と適度な運動が重要です。 ⑥デスクワークや立ち仕事で同じ姿勢を長時間とる 同じ姿勢を長く続けると、関節がこわばり、特定の関節に負担が集中します。定期的に姿勢を変えて、関節を休ませることが大切です。 ここでは、よくある3つの場面と対策を紹介します。 デスクワークやスマホ操作でうつむいた姿勢を続ける パソコン作業や読書などでうつむいた姿勢を続けると、首や腰に負担がかかります。首や腰に痛みがある方は、とくに控えましょう。 スマホ操作やタイピングで同じ動きを繰り返すと、手指の関節にも負担がかかります。対策は以下のとおりです。 30分〜1時間ごとに姿勢を変える 手首を伸ばすストレッチや、指を開いたり閉じたりする運動をする 画面を目の高さに近づけ、うつむく角度を減らす 台所仕事や立ち仕事で立ちっぱなしになる 長時間じっと立っていると、膝や足首の関節が圧迫されたままになります。 料理や家事で長く作業するときは、高めの腰掛け椅子を使い、こまめに脚を休めましょう。立ち仕事では、ときどき膝の曲げ伸ばしをすると負担をやわらげられます。 膝を曲げたままの姿勢で毎晩寝る 痛みがあると、体を丸めたり膝を曲げたりして寝てしまいがちです。この姿勢を毎晩続けると、膝が伸びにくくなることがあります。 腰が痛いときに膝の下に枕を入れるのは問題ありません。ただし、毎日続けると脚の筋肉が硬くなりやすくなります。 つらくない日は脚を伸ばして寝るようにしましょう。寝具は、体が沈み込みすぎない、やや固めのものがおすすめです。 ⑦重いものを指先や手首だけで持つ 関節リウマチは、手指や手首の関節に症状が出やすい病気です。重さだけでなく、指や手首に負担が集中する持ち方が、痛みや炎症の悪化につながります。 やりがちな場面と対策は以下のとおりです。 やりがちな場面 代わりにできること 重い鍋やコップを片手で持つ 両手で持つ、鍋つかみを使う 買い物袋を指に引っかけて持つ 持ち手の広いバッグを肩に掛ける 重い物を手先で運ぶ 前腕で支える、ワゴンやカートを使う 蛇口やドアノブ、ガス栓をひねる、雑巾を絞る レバー式に替える、補助具を使う 手を使う家事は、食洗機やフードプロセッサー、保温機能付きのポットなど、道具に任せるのも一つの方法です。 症状があるとうまくものが持てないこともあるので、周囲のサポートを得るのも大切です。 ⑧正座や和式トイレなど膝を深く曲げる動作 膝を深く曲げる動作は、膝の関節に大きな負担をかけます。正座のほか、和式トイレでしゃがむ、床から立ち上がる、浴槽で深くしゃがむといった動作も同様です。 主な場面と対策は以下のとおりです。 場面 代わりにできること 正座・床での生活 椅子とテーブルの生活に切り替える トイレ ・洋式トイレを使う ・補高便座(便座を高くする器具)や手すりをつける ・和式トイレにかぶせて洋式にする器具を使う お風呂 ・浴槽の横に台を置き、腰掛けてから入る ・浴槽内やシャワー用の椅子を使う ・滑り止めマットを敷く 住まいの環境を少し変えるだけでも、膝への負担は減らせます。 関節リウマチによる膝の関節炎について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 ⑨喫煙を続ける 関節リウマチの方には、禁煙が強くすすめられます。喫煙は病気の進行に関わるだけでなく、治療薬の効果を弱めたり、肺炎などの合併症につながったりすることがあります。 米国の看護師を長期間追跡した研究では、関節リウマチと診断されてから4年以内に禁煙し、それを続けた人は死亡リスクが低い傾向がみられました。 一方で、診断後も多くたばこを吸い続けた人ほど、死亡リスクが高い結果でした。(文献6) 「今さら」と思わずに、早めに禁煙に取り組みましょう。自力でやめるのが難しい場合は、禁煙外来の利用もおすすめです。 関節リウマチと喫煙の関係性を詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 ⑩ストレスや疲れを溜める 関節リウマチは、関節だけでなく全身が消耗しやすい病気です。心と体の疲れを溜め込まないことが大切です。 手がこわばってものがつかみにくいなど、日常生活の不自由さからストレスを感じやすい方も少なくありません。やりがちな例と対策は以下のとおりです。 やりがちな例 対策 仕事や家事を一人で抱え込む 家族と家事を分担する、職場に相談して働き方を見直す 休まず働き続ける 疲れたら休憩や昼寝をとる 睡眠不足が続く 十分な睡眠時間を確保する 痛みやつらさを周囲に言えない 家族や患者会などで悩みを相談する 痛みで眠れない日が続く場合は、我慢せずに主治医に相談しましょう。 関節リウマチの薬物療法でやってはいけない2つのこと 関節リウマチの治療は、薬で炎症を抑える薬物療法が基本です。そのため、多くの方に関わる内容です。 まだ診断を受けていない方や休薬中の方も、受診後や治療を再開したときの注意として参考にしてください。注意したいことは以下の2つです。 自己判断で薬をやめる・減らす 感染症対策をおろそかにする それぞれ詳しく解説します。 自己判断で薬をやめる・減らす 関節リウマチの治療薬には、痛みを抑えるだけでなく、関節の破壊を防ぐ役割があります。 「調子がよくなった」「副作用が心配」などの理由で自己判断でやめると、症状が再び悪化するおそれがあります。 薬を減らしたり変えたりする場合は、必ず主治医と相談しましょう。副作用が気になるときも、中断する前に主治医や薬剤師に相談してください。 感染症対策をおろそかにする 関節リウマチの治療薬の中には、免疫の働きを抑えるため、感染症にかかりやすくなるものがあります。主な薬は以下のとおりです。 薬の種類 どのような薬か 抗リウマチ薬 免疫の異常を抑えて病気の進行を防ぐ薬。代表的な有効成分はメトトレキサート(製品名:リウマトレックスなど) 生物学的製剤 炎症を起こす物質の働きを抑える注射や点滴の薬 JAK阻害薬 炎症を起こす信号を細胞の中で止める飲み薬。代表的な有効成分はトファシチニブ、バリシチニブ(製品名:ゼルヤンツ、オルミエントなど) ステロイド 炎症を強く抑える薬 とくにJAK阻害薬では、帯状疱疹(体の片側に痛みを伴う水ぶくれが出る病気)にかかりやすくなることが知られています。 日頃から、以下の感染症対策を心がけましょう。 対策 内容 インフルエンザの予防接種 毎年受ける。家族も一緒に受けるのが望ましい 肺炎の予防 関節リウマチの方は肺炎にかかりやすく、重症化することもあるため、肺炎球菌ワクチンについて主治医に相談する 帯状疱疹の予防 不活化ワクチン(生ワクチンではないタイプ)の接種について主治医に相談する 生ワクチン(弱めた生きたウイルスや細菌を使うワクチン) 免疫を抑える薬を使っている間は、原則として接種できない。接種前に必ず主治医に確認する 発熱時の服薬 熱などがあるときの飲み方は自己判断せず、主治医に相談する 手洗いやうがいなど、日常的な予防もあわせて続けましょう。 炎症が強い時期と落ち着いている時期で注意点は変わる 関節リウマチでは、「温める・冷やす」「動かす・休める」の正解が時期によって正反対になることがあります。 炎症が強い時期には、微熱が出る、疲れやすい、関節が腫れて熱をもつ、じっとしていても痛む、といったサインがみられます。時期ごとの注意点は以下のとおりです。 項目 炎症が強い時期 落ち着いている時期 関節の温度 冷湿布で冷やす 保温する(詳しくは③) 運動 激しい運動は控え、痛む関節は休ませる。痛みのない範囲で関節をゆっくり動かす運動は続ける 適度に動かす(詳しくは②) 受診 症状がなかなか引かなければ早めに主治医へ 定期受診を続ける 今どちらの時期か判断に迷う場合は、自己判断せず主治医に相談しましょう。 関節リウマチかも?と思ったらリウマチ科を早めに受診しよう 関節リウマチかもしれないと思ったら、早めにリウマチ科や膠原病内科(リウマチ専門医)を受診しましょう。 関節リウマチは、進行すると関節の変形や機能障害を引き起こし、日常生活に支障をきたす病気です。早く治療を始めるほど、関節の変形を防ぎやすくなります。 関節リウマチを疑う症状として、以下のようなものがあります。 朝、手指がこわばって動かしにくい状態が続く 手指や手首など複数の関節が、左右対称に腫れる・痛む 服のボタンが外しづらい びんの蓋が開けられない 床に落としたものが拾えない 朝起きたときにベッドから起き上がりにくい 当てはまる症状が続く場合は、早めに受診してください。 関節リウマチではない膝の痛みは変形性膝関節症かも?詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチの治療では、抗リウマチ薬・生物学的製剤・JAK阻害薬・ステロイドなどの薬物療法が中心です。 これらは症状を抑える効果が期待できる一方で、治療法ごとに以下のようなリスクや負担があります。 治療法 起こりうるリスク・負担 抗リウマチ薬(メトトレキサートなど) 肝機能障害、間質性肺炎(肺が硬くなり、息苦しくなる病気)、骨髄抑制(血液をつくる働きが弱まる)、感染症リスク、口内炎、吐き気など 生物学的製剤 結核などの感染症リスク、注射部位の反応、アレルギー反応、高額な治療費の継続負担 ステロイド 骨粗鬆症、糖尿病の発症リスク、感染症への抵抗力低下、満月様顔貌(顔が丸くなる)、体重増加など 人工関節置換術 感染症、脱臼、人工関節のゆるみ、血栓症(血のかたまりができる)、再手術の可能性 副作用の多くは、定期的な検査で早めに気づけます。気になる症状があるときは、主治医に相談しましょう。 薬との向き合い方は、「自己判断で薬をやめる・減らす」で解説しています。 再生医療 再生医療は病気の進行を抑える薬の代わりにはなりませんが、薬で炎症を抑えても関節の痛みが残る場合に選択肢の一つとしてご検討いただけます。再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。 当院で行っている再生医療は以下のとおりです。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に投与する治療方法 PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮し、患部に投与する治療方法 いずれも入院の必要はなく、日帰りで受けられます。症状や状態によって適応が異なり、効果には個人差があるため、医師とご相談のうえ検討することが大切です。 当院では、関節リウマチによる膝や手首の痛みに対して再生医療を行った症例があります。実際の治療経過は、以下の症例記事でご紹介しています。 【症例記事】 関節リウマチによる膝関節の痛みに対するPRP療法の症例 関節リウマチによる手首の痛みに対するPRP療法の症例 関節リウマチの治療を続けても関節の痛みが残る方は、当院の公式LINEからお気軽にご相談ください。 関節リウマチのしてはいけない10項目を守って悪化を防ごう 関節リウマチの悪化を防ぐには、関節に負担をかける生活習慣を避け、代わりの方法に置き換えることが大切です。10項目の一覧はこちらから確認できます。 あわせて、炎症が強い時期と落ち着いている時期で過ごし方を変えること、薬を自己判断でやめないこと、感染症を予防することも心がけましょう。治療を続けても関節の痛みが残る場合や、新たな症状が出てきた場合は、早めに医療機関を受診してください。 なお、当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。治療を続けても関節の痛みが残るなど、気になる症状がある方は、まずはお気軽にご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する まずは「関節リウマチの治療」について無料相談! 関節リウマチに関するよくある質問 関節リウマチとはどんな症状ですか? 関節リウマチの症状には、関節の動かし始めがスムーズにいかない「こわばり」や腫れ・痛みなどがあります。 関節リウマチは、免疫の異常により、関節の内側にある膜(滑膜)に炎症が起こる病気です。炎症が続くと、軟骨や骨が壊れて関節が変形することがあります。 万が一「関節リウマチかも?」と思ったら早めに受診しましょう。 関節リウマチの症状について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチは生物学的製剤で本当に治せますか? 現在の医療では、関節リウマチを完全に治す薬はありません。 生物学的製剤は炎症を起こす物質の働きを抑え、症状がほとんどない状態(寛解)を目指す薬です。効果が続けば、一部の方は薬を減らしたり休んだりできることもあります。 関節リウマチで使われる生物学的製剤について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチになりやすい性格はありますか? 関節リウマチになりやすい性格は、ありません。 ただ、我慢強い方は痛みをこらえてしまい、受診が遅れることがあります。また、ストレスは症状の感じ方に影響することがあります。 違和感があったら早めに受診し、不安があれば専門医に相談しましょう。 関節リウマチで絶対にしてはいけないこと(禁忌)はありますか? 医学的な禁忌(避けるべき薬や処置)は、服用している薬によって異なります。 たとえば、メトトレキサートなど免疫を抑える薬を使っている間は、生ワクチンは原則として接種できません。ご自身の薬の注意点は、主治医や薬剤師に確認しましょう。 生活面でとくに避けたいのは、喫煙と薬の自己中断です。 関節リウマチでもお酒は飲んでいいですか? 関節の症状が落ち着いていれば、適度な量なら問題ないとされています。ただし、飲みすぎには注意しましょう。 症状が落ち着いていないときは、お酒を控えてください。 メトトレキサートを服用している方は、肝臓への負担が重なります。飲む量や頻度を主治医に確認しましょう。 関節リウマチでやってはいけない仕事はありますか? 関節リウマチだからといって、一律に禁止される仕事はありません。 ただし、重い物を運ぶ、長時間の立ち仕事、寒い環境での作業、手指を酷使する細かい作業は、関節への負担が大きくなります。負担が大きい場合は、以下のような方法を検討しましょう。 職場に相談して作業内容を調整してもらう 主治医に診断書を書いてもらう 産業医と面談する 関節リウマチの靴選びで気をつけることはありますか? 靴は、足の長さだけでなく幅も合うものを選びましょう。先の細い靴やヒールの高い靴を日常的に履くと、足指の変形が進む原因になります。 ヒールの高い靴はできるだけ避けてください。足の変形や痛みが強い場合は、インソール(靴の中敷き)などの装具について主治医に相談しましょう。 参考文献 (文献1) Diet and Rheumatoid Arthritis Symptoms: Survey Results From a Rheumatoid Arthritis Registry|Arthritis Care & Research (文献2) Sugar-sweetened soda consumption and risk of developing rheumatoid arthritis in women|The American Journal of Clinical Nutrition (文献3) Dietary risk factors for the development of inflammatory polyarthritis: evidence for a role of high level of red meat consumption|Arthritis & Rheumatism (文献4) Ultra-processed food consumption associates with higher cardiovascular risk in rheumatoid arthritis|Clinical Rheumatology (文献5) 生活の注意|関節リウマチ|公益財団法人日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献6) Smoking behavior changes in the early rheumatoid arthritis period and risk of mortality during 36 years of prospective follow-up|Arthritis Care & Research
2022.08.19 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
関節リウマチは、関節の痛みや腫れを引き起こす慢性疾患で、日常生活に大きな影響を及ぼす場合もあります。 近年では、関節リウマチの治療法も進化し、とくに注射による薬物療法として高い効果が期待できる「生物学的製剤」の使用が広まりつつあります。 一方で、副作用についても気になるところです。 従来薬と比べてどう違うのか、どんな点に注意すべきなのかを知っておくことはとても大切です。 今回は、関節リウマチの注射治療における副作用や生物学的製剤と従来薬との違いについてわかりやすく解説していきます。 関節リウマチの注射治療の役割と主な副作用 関節リウマチは、免疫の異常によって関節が慢性的に炎症を起こす病気です。 放っておくと関節の変形や機能障害を引き起こし、日常生活にも支障をきたす可能性があります。 そのため、早期の治療と炎症のコントロールが非常に重要とされています。 関節リウマチの治療には、内服薬に加えて注射薬が使われるケースが増えてきました。 注射治療が選ばれる主な理由には、以下のような点があります。 即効性や効果の持続時間が期待できる 内服薬に比べて消化器への負担が少ない 自己注射が可能な薬もあり、通院の負担を減らせる とくに重症例や、内服薬だけでは効果が不十分な場合には、生物学的製剤やステロイド注射による治療が効果的な選択肢となります。 生物学的製剤は、免疫システムの特定の部分だけをターゲットにして炎症を抑える先進的な薬剤です。 一方、ステロイド注射は急性の炎症を素早く鎮める目的で使用され、特に痛みの強い関節に直接注入されることが多いのが特徴です。 こうした注射薬は高い治療効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要です。 たとえば、注射部位に腫れや赤みが出ることがあり、発熱や頭痛、倦怠感などの全身症状が出る場合もあります。 副作用の出方は個人差があり、すべての人に起こるわけではありませんが、使用前には医師と十分に相談し、定期的な経過観察が欠かせません。 関節リウマチの治療で使われる生物学的薬剤とは? 関節リウマチの治療は、主に抗リウマチ薬などの従来薬が中心でしたが、近年では「生物学的製剤」と呼ばれる新しい治療薬が広く使われるようになってきました。 本章では、以下3つの項目について解説します。 生物学的製剤と従来薬との違い 生物学的製剤の種類 どのように体に作用するのか 生物学的製剤と従来薬との違い 従来薬は、免疫全体の働きを広く抑制して炎症をコントロールする薬で、内服薬を中心とした治療方法のため、効果の発現に時間がかかる傾向があります。 一方、生物学的製剤は、炎症に関与する特定の物質(サイトカイン)や細胞にピンポイントで作用するため、即効性があり、より高い効果が期待されます。 しかし、生物学的製剤は注射や点滴による投与が必要で、治療費も高額になる傾向があります。 そのため、まずは従来薬で治療を開始し、効果が不十分な場合に生物学的製剤へ切り替えるという流れが一般的です。 生物学的製剤の種類 関節リウマチの注射治療に使われる生物学的製剤には、いくつかのタイプがあり、それぞれ炎症の原因となる免疫の働きに対して、異なるアプローチで作用します。 代表的な生物学的製剤は以下の4つです。 抗TNFα抗体(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブなど) 炎症を引き起こす「TNF-α」という物質をブロックし、関節の腫れや痛みを抑えます。 IL-6阻害薬(トシリズマブなど) 炎症に関与する「IL-6」というサイトカインの働きを抑制します。 T細胞共刺激阻害薬(アバタセプトなど) 免疫細胞同士の過剰な活性化をブロックし、炎症の連鎖を断ちます。 B細胞抑制薬(リツキシマブなど) 抗体を産生するB細胞の働きを抑えて免疫反応を和らげます。 それぞれの製剤には特徴や適応があり、患者様の病状や体質、他の合併症の有無などに応じて使い分けられます。 どのように体に作用するのか 生物学的製剤は、関節リウマチの炎症に関わる免疫反応の一部を「選択的に抑える」ことで効果を発揮します。 たとえば、関節内で過剰に分泌されるサイトカインに結合してその作用をブロックしたり、特定の免疫細胞の働きをコントロールすることで、関節の腫れや痛みを軽減します。 このような選択的な作用により、高い治療効果が得られる一方、免疫の一部を抑えるために感染症への注意が必要です。 治療を受ける際は、定期的な血液検査や医師の管理のもと、安全性にも十分配慮した継続的なフォローが行われます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用と生物学的製剤の注意点について 関節リウマチの注射治療として使用される生物学的製剤は、効果が高い反面、副作用や注意すべき点もあります。 ここでは、注射治療にともなう副作用やリスクについて詳しく解説します。 関節リウマチ注射のよくある副作用 関節リウマチの注射治療で比較的よくみられる副作用には、以下のようなものがあります。 注射部位の反応(発赤、腫れ、かゆみ、痛みなど) 倦怠感や軽度の発熱 頭痛、吐き気、筋肉痛 これらの副作用は、多くの場合は一時的で、自然に治ることがほとんどです。 とくに皮下注射(薬液を皮膚と筋肉の間にある皮下組織に注入する方法)の生物学的製剤では、注射部位に炎症反応が出ることがありますが、冷やすなどの対処で落ち着くこともあります。 関節リウマチ注射のまれに起こる重篤な副作用 一方で、まれではありますが、注意が必要な重篤な副作用も存在します。 代表的なものは以下の4つです。 感染症のリスク増加(肺炎、尿路感染症、帯状疱疹など) アレルギー反応(アナフィラキシー):急な呼吸困難や発疹、血圧低下などを伴うことがある 肝機能障害や血液異常(肝酵素の上昇、白血球や血小板の減少) 心不全の悪化や間質性肺炎の誘発(既往がある場合) 上記の副作用は頻度こそ低いものの、早期に対応することが重要です。 症状が出た場合は、自己判断で放置せず、必ず主治医に相談しましょう。 関節リウマチ注射の副作用が出やすいタイミングやリスク要因 副作用が出やすいタイミングとしては、投与開始直後や投与変更後の数回目までがとくに注意が必要です。 初回投与では、体が薬に慣れていないため、副作用が出やすくなる傾向があります。 また、以下のようなリスク要因がある場合、副作用の出現や重症化の可能性が高まります。 高齢者 免疫力が低下している人(糖尿病や慢性疾患がある場合など) 他の免疫抑制薬を併用している場合 感染症の既往がある、または現在感染している場合 肝機能や腎機能に問題がある場合 生物学的製剤は、免疫機能に直接働きかける薬のため、「副作用が出るかも」と事前に想定しておくことが大切です。 治療開始前には十分な検査や医師との相談を行い、使用中も定期的なモニタリングを続けることで、安全に治療を継続することができます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用に対する予防策と対処法 関節リウマチの注射治療には高い効果が期待できますが、副作用が心配という声も少なくありません。 副作用を防ぐため、治療前には血液検査や感染症の有無を確認する検査が行われます。 肝機能や腎機能のチェック、結核やB型肝炎などの検査を通して、安全に治療を始められるよう準備が整えられます。 注射後に、注射部位の赤みやかゆみ、軽い発熱などが出ることがありますが、多くは一時的なもので心配はいりません。 ただし、息苦しさや高熱、強い倦怠感などが出た場合は、副作用の可能性もあるため、早めに医師へ相談しましょう。 また、副作用が出やすいのは治療開始初期や、薬を変えた直後のため、体調の変化を記録し、気になる症状があれば遠慮せず医師に伝えることが大切です。 事前の検査と早めの対応によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 正しい知識と備えで、安心して注射治療に取り組みましょう。 まとめ|関節リウマチ注射の効果と副作用を正しく理解して治療に臨もう 関節リウマチの注射治療は、症状の進行を抑え、関節の機能を保つために非常に有効な手段です。 生物学的製剤の登場により、これまでコントロールが難しかった症状にも対応できるようになってきました。 一方で、副作用のリスクがあることも事実です。 しかし、治療前の適切な検査や準備、治療中の体調管理によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 また、万が一症状が現れた場合でも、早期に対応することで重症化を防ぐことが可能です。 大切なのは、注射治療の効果と副作用の両方を正しく理解し、自分の体と向き合いながら医師と協力して治療を進めることです。不安なことがあれば、一人で抱え込まず、医師に相談しましょう。 しっかりと情報を得て備えることで、安心して治療に臨み、日常生活の質を高める一歩につながります。
2022.02.25 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
関節リウマチとは、免疫の異常により、関節の内側を覆う膜(滑膜)などに炎症が起きる病気です。典型的な初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みが数週間続くことです。 「年齢のせいかもしれない」「しばらく様子を見てもよいのか」と迷い、受診のタイミングでお悩みの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、初期症状のセルフチェックや痛みが出やすい関節、似ている病気との見分け方、受診の目安について解説します。手指や足の関節の違和感が続いている方は、ぜひ参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチの痛みに悩んでいる方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 関節リウマチの初期症状【セルフチェック】 関節リウマチの初期症状は、こわばり・腫れ・痛みが特定の関節に数週間以上続くことが特徴です。気になる症状がある方は、以下の項目を確認してみてください。 チェック欄 項目 ▢ 朝や昼寝のあとに手指がこわばり、動かすうちに楽になる ▢ 指の付け根・指の第二関節・手首・足の指が腫れて痛む ▢ 腫れた関節を触ると、熱っぽくぶよぶよしている ▢ 腫れや痛みが数週間以上続いている ▢ 痛む関節が増えたり、日によって移り変わったりする ▢ 微熱やだるさが続いている 当てはまる項目がある方は、医療機関での相談をおすすめします。一方、「指の第一関節だけが硬く腫れる」「動かしたときだけ痛い」場合は、別の病気の可能性もあります。 このチェックはあくまで受診の目安です。関節リウマチの診断には、血液検査や画像検査が必要です。 ここからは、代表的な初期症状を詳しく解説します。 以下の記事では、関節リウマチの症状について詳しく解説しています。 朝のこわばり 朝のこわばりとは、関節を動かし始めるときに硬くて動かしにくく、使ううちに楽になる状態です。起きたときにもっとも強く感じるため、この名前で呼ばれます。 昼寝のあとや、長時間座っていたあとなど、関節を動かさなかった後にも起こります。関節の痛みより先に、最初の症状として現れることもあります。 「ぞうきんが絞りにくい」「物を握りにくい」といった形で気づく方も多いです。こわばりが長く続くほど、病気の勢いが強いと考えられてきました。 なお、以前の基準では「1時間以上続く朝のこわばり」が項目の一つでした。現在の分類基準には含まれていないため、時間の長さだけで判断しないことが大切です。(文献1) 関節の腫れ 関節リウマチの腫れは、関節の内側の膜(滑膜)に炎症が起きたり、関節に液体がたまったりすることで生じます。 腫れた部分は触ると柔らかく、弾力があります。熱っぽさを伴うこともあります。はっきり腫れていなくても、「なんとなく腫れぼったい」と感じる程度で始まることもあります。 はじめは痛みだけで腫れがない場合もありますが、通常は腫れを伴います。一方、骨のように硬い腫れは、関節の軟骨がすり減る変形性関節症でよくみられる特徴です。 関節の痛み 関節の痛みは、1つから数カ所の関節で始まり、数週間から数カ月のあいだに次々と別の関節に広がることがあります。いつも同じ関節とは限らず、かわるがわる痛むこともあります。 炎症を伴うため、熱をもったような痛みが特徴です。長い経過では左右の同じ部位に出ることが多いものの、必ず左右対称になるわけではありません。初期は片側だけのこともあります。 また、痛みは天候に左右されやすく、天気が崩れる前や雨の日、寒い日に強まりやすい傾向があります。季節では、春から梅雨にかけて悪化しやすいとされています。(文献2) 全身のだるさ・微熱 関節の症状と並行して、だるさや微熱、食欲の低下など全身の症状が出ることがあります。 関節リウマチは関節だけでなく、全身に炎症が起きる病気です。そのため、指の痛みに全身の症状が加わる場合は、指だけに起きる病気(ヘバーデン結節など)よりも、関節リウマチなどを疑う手がかりになります。 「疲れがたまっているだけ」と見過ごしやすい症状のため、関節の症状とあわせて記録しておきましょう。 関節リウマチの初期症状が出やすい関節・出にくい関節 関節リウマチかどうかを考えるときは、「どこの関節が痛むか」が大きな手がかりになります。出やすい関節と出にくい関節は以下のとおりです。 分類 主な関節 出やすい関節 ・指の付け根 ・指の第二関節(指先から2番目の関節) ・手首 ・足の指の付け根 ほかの病気で症状が出やすい関節 ・指の第一関節(指先に一番近い関節) ・親指の付け根(手首寄りの関節) ・足の親指の付け根 これらの関節は、変形性関節症(足の親指の付け根は痛風も)でよく症状が出ます。そのため関節リウマチを見分ける手がかりになりにくく、関節リウマチかどうかを判断する目安となる基準(分類基準)でも、評価の対象から外されています。(文献1) 第一関節だけに症状がある場合は、ヘバーデン結節など別の病気を考えます。ここでは、部位ごとの特徴を解説します。 手指・手首 関節リウマチの初期症状は、指の付け根や指の第二関節、手首に出やすいのが特徴です。 手指の症状は、日常の細かい動作で気づくことが多いです。 ボタンをかけにくい ペットボトルや瓶のふたを開けにくい 小さな物をつまみにくい 指輪がきつくなった こうした変化が数週間続く場合は、腫れている関節の場所を確認してみてください。 足の指・足の裏 関節リウマチは、足の指の付け根や足の裏の痛みから始まることもあります。 「少し歩くと足先や足の裏が痛い」といった症状は、靴が合わないせいや外反母趾のせいと思い込みやすいものです。 靴を替えても痛みが続く場合や、足の指の付け根が腫れている場合は、関節リウマチの可能性も考えて受診を検討しましょう。 膝・肘・肩 関節リウマチは、肘や膝など大きな関節から始まることもあります。 現在は60歳代の発症がもっとも多く、高齢で発症する方も増えています。(文献3)そのため、膝などの痛みを「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。 一方、両肩や首、腰の筋肉の痛みとこわばりが中心の場合は、リウマチ性多発筋痛症という別の病気も考えられます。後述の「関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方」で詳しく解説します。 関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方 関節の腫れや痛みが出る病気は、関節リウマチ以外にもたくさんあります。痛む場所と腫れの質感を比べると、見分ける手がかりになります。 主な病気の違いは以下のとおりです。 病名 痛む場所 腫れの質感 こわばりの特徴 多い年代 関節リウマチ 指の付け根・第二関節・手首・足の指 柔らかく熱っぽい 朝や安静後に強く、動かすと楽になる 60歳代が最多、女性に多い ヘバーデン結節・ブシャール結節 指の第一関節・第二関節 骨のように硬い 軽いことが多い 閉経期前後の女性 ばね指(腱鞘炎) 手のひら側の指の付け根 押すと痛むしこり 朝に指が引っかかりやすい 手をよく使う方、中高年の女性 リウマチ性多発筋痛症 両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉 関節の腫れは目立ちにくい 朝が最もつらく、午後に軽くなる 50歳以上、70〜80歳代に多い 全身性エリテマトーデス 手指など複数の関節 腫れは軽いことが多い 朝のこわばりが出ることがある 20〜40歳代の女性 乾癬性関節炎 指の第一関節を含む手足の関節 指全体が腫れることがある 朝のこわばりが出ることがある 乾癬(皮膚の病気)のある方 自己判断は難しいため、表はあくまで目安としてご覧ください。それぞれの病気について解説します。 ヘバーデン結節・ブシャール結節(変形性手指関節症) ヘバーデン結節・ブシャール結節は、指の関節が骨のように硬く腫れて変形する病気です。第一関節に起こるものをヘバーデン結節、第二関節に起こるものをブシャール結節と呼びます。 女性に多く、閉経期前後に発症しやすいとされています。初期に赤みや痛みが出ることもありますが、腫れは骨のように硬いのが特徴です。血液検査の炎症の値は、正常であることが多いです。(文献4) 腫れが柔らかく熱をもつ関節リウマチとは、この点が見分けの手がかりになります。 ばね指(腱鞘炎) ばね指は、指を曲げ伸ばしするときに引っかかる症状が特徴です。手のひら側の指の付け根に、押すと痛むしこりができることが多いです。 関節そのものではなく、指を動かす腱の通り道に炎症が起きる病気です。主に1本の指に起こります。 ただし、関節リウマチの初期にも腱鞘炎(ばね指)が起こることがあります。複数の指で繰り返す場合や、関節の腫れを伴う場合は、医療機関を受診しましょう。 リウマチ性多発筋痛症 リウマチ性多発筋痛症は、両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉に痛みとこわばりが出る病気です。50歳以上で発症し、70〜80歳代に多くみられます。 比較的急に始まり、2週間以内に典型的な症状がそろうことが多いです。朝がもっともつらく、午後には軽くなる傾向があります。発熱を伴うこともあります。(文献5) 手指の小さな関節が中心の関節リウマチとは、痛む場所が異なります。 以下の記事では、リウマチ性多発筋痛症について詳しく解説しています。 乾癬性関節炎 乾癬性関節炎とは、皮膚に赤みやかさぶた状のはがれが出る「乾癬」に、関節炎が合併した病気です。 関節リウマチでは起こりにくい指の第一関節にも炎症が起こる点が、見分けのポイントです。特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 皮膚の症状 ・皮膚が赤くなり、白っぽくはがれ落ちる 爪の変化 ・爪に小さなくぼみができる ・爪が分厚くなり、水虫のような見た目になる 皮膚の症状より先に、関節の症状が出ることもあります。関節の痛みとあわせて皮膚や爪の変化がある場合は、その点も医師に伝えましょう。 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデスとは、全身に炎症症状が現れる自己免疫疾患(免疫が自分の体を攻撃してしまう病気)です。発症には、遺伝や感染症、紫外線などが関わると考えられています。 関節リウマチと似ている症状は、関節の痛みや腫れです。ただし、関節リウマチとは異なり骨や軟骨の破壊は起きにくいのが特徴です。20〜40歳代の女性に多い病気です。 特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 蝶形紅斑 (ちょうけいこうはん) ・鼻から両頬にかけて蝶の羽のように現れる発疹 ・目立つ赤色が特徴でかゆみはない 円板状ループス ・顔面や頭、耳たぶなど円盤状に現れる発疹 ・かゆみはなく経過に伴い白くカサカサした状態になる 日光を浴びるとこれらの症状が出現または悪化するおそれがあります。 初期症状を放置するとどうなる?関節リウマチの進行過程 関節リウマチは、こわばり・腫れ・痛みといった初期症状から始まり、軟骨の破壊、骨の破壊、関節の変形へと進みます。進行すると、日常生活に支障が出ることもあります。 症状は2年を過ぎると、治療をしても完全な回復が難しくなります。そのため、できれば半年以内に治療を始めることが必要です。(文献2) 医師は進行の程度を「関節破壊の程度(ステージ)」と「日常生活への影響(クラス)」の2つで判断します。進む速さには個人差がありますが、ここではそれぞれの目安を解説します。 関節破壊の進行度(ステージⅠ〜Ⅳ) ステージは、レントゲン検査で関節の壊れ具合を確認して判断するものです。自覚症状だけでは判断できません。各ステージの目安は以下のとおりです。 ステージ 関節の状態 自覚しやすい変化 ステージⅠ(初期) 骨や軟骨の破壊はない こわばり・腫れ・痛み ステージⅡ(中等期) 軟骨が薄くなり、関節のすき間が狭くなる 痛みや動かしにくさが続く ステージⅢ(高度進行期) 骨と軟骨が壊れる 関節の変形が目立ち始める ステージⅣ(末期) 関節が壊れて動かなくなる 関節がほとんど動かせない 初期症状が出ている段階は、ステージⅠにあたることが多いです。この時期に治療を始めることが、関節を守るうえで大切です。 日常生活への影響(機能障害のクラスⅠ〜Ⅳ) クラスは、関節リウマチが日常生活にどの程度影響しているかを示す目安です。ステージと違い、ある程度はご自身でも判断できます。 クラス 生活の状態 クラスⅠ 健康な人とほぼ同じように生活や仕事ができる クラスⅡ 多少の障害はあるが、普通の生活ができる クラスⅢ 身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要 クラスⅣ 寝たきりや車いすの生活で、身の回りのことがほとんどできない 「ボタンがかけにくい」「箸が使いにくい」と感じ始めたら、生活への影響が出始めているサインです。早めに医師へ伝えましょう。 中期以降に起こる関節の変形 関節リウマチが進行すると、関節の骨や軟骨が壊れて変形し、関節を動かせる範囲が狭くなります。主な変形は以下のとおりです。 起こりうる関節の変形 特徴 尺側偏位(しゃくそくへんい) 手の指が小指側に傾いた状態 スワンネック変形 指の第二関節が反り、第一関節が曲がった状態 ボタンホール変形 指の第二関節が曲がり、第一関節が反った状態 外反母趾(がいはんぼし) 足の親指が外側に曲がり、足の人差し指にぶつかったり乗り越えたりした状態 ハンマートー 足の指が折れ曲がったような状態 屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく) 膝や肘が伸ばしきれなくなった状態 首の関節がずれやすくなると、後頭部の痛みや手のしびれ、手に力が入りにくいといった症状が出ることもあります。また、肘の外側や腰骨の上など、圧迫されやすい部位の皮膚の下にしこり(リウマチ結節)ができることがあります。 一度変形した関節は、手術以外で元に戻すのが難しいとされています。 関節以外の症状 関節リウマチは、関節以外にも症状が出ることがあります。全身の症状としては、疲れやすさや脱力感、体重減少、食欲低下などがみられます。 肺に炎症が起きて硬くなる間質性肺炎を合併すると、息切れや、痰を伴わない咳(から咳)が出ます。肺のまわりに水(胸水)がたまることもあります。 涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群を伴う場合もあります。 まれに、血管に炎症が起きて発熱などを引き起こす「悪性関節リウマチ」というタイプもあります。なお、関節の症状が強いリウマチを指す言葉ではありません。 以下の記事では、関節リウマチの合併症である間質性肺炎について詳しく解説しています。 関節リウマチが疑われるときの受診の目安と検査 関節リウマチは、早く見つけて早く治療を始めるほど、関節を守りやすい病気です。「何科に行けばよいのか」「どのような検査をするのか」がわかると、受診のハードルも下がります。 ここでは、受診の目安と、医療機関で行う検査について解説します。 何科を受診する?受診の目安 医療機関で行う主な検査 診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR) 受診前にメモしておきたい4つのこと それぞれ詳しく解説します。 何科を受診する?受診の目安 関節リウマチが気になる場合は、リウマチ科・膠原病内科、またはリウマチ専門医のいる整形外科に相談しましょう。膠原病内科は、免疫の異常で全身に炎症が起きる病気(膠原病)を診る内科です。 近くの専門医は、日本リウマチ財団の医療機関検索で探せます。 受診の目安となる症状は以下のとおりです。 関節の腫れや痛みが数週間続いている 痛む関節の数が増えてきた 朝のこわばりが毎日のように続いている 関節の症状に加えて、微熱やだるさがある 1つでも当てはまる場合は、早めに受診しましょう。 医療機関で行う主な検査 関節リウマチの診断では、血液検査と画像検査を組み合わせて判断します。主な検査は以下のとおりです。 検査 わかること リウマトイド因子(RF) ・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる ・健康な人でも陽性になることがあり、高齢者では4〜5人に1人が陽性 抗CCP抗体 ・関節リウマチに特徴的な自己抗体 ・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる ・関節リウマチ以外で陽性になることは少ない CRP・赤沈(赤血球沈降速度) ・炎症があると値が上がる血液検査で、体の中の炎症の強さを調べる 画像検査 ・レントゲンで骨が欠けていないか(骨びらん)を確認する ・関節エコーやMRIでは、より早い段階の炎症を確認できる RFが陽性でも、関節リウマチとは限りません。反対に、高齢で発症した関節リウマチでは、RFも抗CCP抗体も陰性のことが多いとされています。(文献6) 診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR) 関節リウマチの診断の目安として、2010年に米国と欧州のリウマチ学会が合同で発表した分類基準が広く使われています。以前の1987年の基準では、早い段階の患者様を診断しにくかったためです。 1カ所以上の関節に腫れを伴う炎症があり、ほかの病気が除外できる場合に、以下の4項目を点数化します。 症状がある関節の数 RF・抗CCP抗体の値 CRP・赤沈の値 症状が6週以上続いているか 合計6点以上で関節リウマチと分類されます。(文献1)最終的な診断と治療の開始は、診察や画像検査の結果もあわせて医師が判断します。 4項目のうち「関節の数」と「症状が続いている期間」は、ご自身でも記録できます。 受診前にメモしておきたい4つのこと 受診前に症状をメモしておくと、診察で症状を正確に伝えやすくなります。分類基準の項目にあわせて、以下の4つを記録しておきましょう。 腫れや痛みのある関節の場所と数(手足の絵に印をつけると伝わりやすい) 症状が始まった日(6週以上続いているか) 朝のこわばりが続く時間 発熱やだるさの有無、家族に関節リウマチの方がいるか、喫煙や歯周病の有無 関節の腫れは、日によって引いていることもあります。腫れているときにスマートフォンで写真を撮っておくと、受診日に症状が落ち着いていても伝えやすくなります。 関節リウマチの治療方法 関節リウマチの治療は、早い段階で抗リウマチ薬を始め、症状がほとんどなく病気が落ち着いた状態である「寛解(かんかい)」を目指すのが基本です。 近年は薬の進歩により、病気の進行を抑えられるようになってきました。生物学的製剤やJAK阻害薬も、抗リウマチ薬の一種です。主な治療方法は以下のとおりです。 薬物療法 生活指導・リハビリテーション 再生医療 ここでは、それぞれの概要を解説します。 薬物療法 薬物療法は、関節リウマチの治療の中心です。主に使われる薬は以下のとおりです。 薬の種類 治療上の特徴 従来型の抗リウマチ薬 ・免疫の異常に働きかけ、病気の進行を抑える ・治療の基本となる薬で、代表的な有効成分はメトトレキサート(製品名:リウマトレックスなど) 生物学的製剤 ・炎症を引き起こす物質の働きを抑える注射や点滴の薬 ・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う ・代表的な有効成分はアダリムマブ(製品名:ヒュミラ)、トシリズマブ(製品名:アクテムラ)など JAK阻害薬 ・炎症を伝える体内の信号を抑える飲み薬 ・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う ・代表的な有効成分はトファシチニブ(製品名:ゼルヤンツ)、バリシチニブ(製品名:オルミエント)など 痛みを抑える補助薬 ・痛み止め(消炎鎮痛薬)やステロイドで、痛みや炎症を一時的に和らげる ・病気の進行を抑える薬と組み合わせて使う 治療を始めたあとも定期的に効果を確認し、目標に届かない場合は薬の種類や量を見直します。 生活指導・リハビリテーション 生活指導とリハビリテーションは、薬で炎症を抑える治療と並行して行うものです。 炎症が強い時期は、関節を休ませることが大切です。腫れや痛みが落ち着いたら、関節を動かして動く範囲を保ちましょう。関節は保温を心がけ、冷房の風を直接当てないようにします。 日常生活では、太い持ち手のペンや瓶のふたを開ける道具など、関節に負担をかけにくい道具を使うのも一つの方法です。 リハビリテーションでは、関節の動く範囲や握力を保つ軽い運動を行います。関節への負担を減らし、変形を防ぐための装具を使うこともあります。 再生医療 再生医療は病気の進行を抑える薬の代わりにはなりませんが、薬で炎症を抑えても関節の痛みが残る場合に選択肢の一つとしてご検討いただけます。再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。 当院で行っている再生医療は以下のとおりです。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に投与する治療方法 PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮し、患部に投与する治療方法 いずれも入院の必要はなく、日帰りで受けられます。症状や状態によって適応が異なり、効果には個人差があるため、医師とご相談のうえ検討することが大切です。 当院で行った関節リウマチに対する再生医療の症例については、以下の記事をご覧ください。 【症例記事】 関節リウマチで膝関節の痛みが取れない・40代女性 関節リウマチ・高濃度PRPで手首の痛みが激減! 関節リウマチの治療を続けても関節の痛みが残ってお悩みの方は、当院の公式LINEからお気軽にご相談ください。 関節リウマチになりやすい人 関節リウマチは男性より女性に多く、男性の約3倍とされています。以前は30〜50代の女性に多いといわれていましたが、2020年代では60歳代の発症がもっとも多くなっています。高齢で発症する場合は、男女差が小さくなります。(文献3) 原因は完全にはわかっていません。免疫の異常に、遺伝や感染したウイルス・細菌の影響が関わると考えられています。また、喫煙や歯周病も発症のリスクを高めます。 「若くないから」「男性だから」関節リウマチではない、と思い込まないことが大切です。禁煙や丁寧な歯磨きなど、日頃の生活習慣にも気を配りましょう。 朝のこわばりや指の腫れが続いたら早めにリウマチ科を受診しよう 関節リウマチの初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みです。指の第一関節だけが硬く腫れる場合は、ヘバーデン結節など別の病気の可能性もあります。 放置すると軟骨や骨の破壊が進み、関節が変形することがあります。できれば半年以内に治療を始めることが大切です。腫れや痛みが数週間続く方、痛む関節が増えてきた方は、リウマチ科や膠原病内科などを早めに受診しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。関節リウマチの痛みでお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 関節リウマチの初期症状に関するよくある質問 ここでは、関節リウマチの初期症状についてよくいただく質問にお答えします。 関節リウマチの前兆となる症状は? 朝のこわばりが、関節の痛みより先に最初の症状として現れることがあります。 また、だるさや微熱などの全身の症状が先に出ることもあります。気になる症状がある方は、本記事のセルフチェックで確認してみてください。 片側の指だけが痛い場合も関節リウマチの可能性はある? 片側の指だけでも、関節リウマチの可能性はあります。 初期は1つから数カ所の関節から始まることが多く、必ず左右対称に症状が出るわけではありません。片側だけでも、腫れが数週間続く場合は受診をおすすめします。 血液検査でリウマトイド因子が陰性ならリウマチではない? 陰性でも、関節リウマチではないとは言い切れません。 リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性になるのは、関節リウマチの方の70〜80%程度です。とくに高齢で発症した場合は、どちらも陰性のことが多いとされています。 診断は、症状や診察、画像検査の結果をあわせて判断します。 関節リウマチでしてはいけないことは? 腫れて熱をもつ関節を無理に使うことは避けましょう。炎症が強い時期に関節を酷使すると、痛みや腫れが悪化するおそれがあります。 そのほか、以下の点にも注意が必要です。 関節を冷やす(冷房の風を直接当てるなど) 喫煙を続ける 自己判断で受診を先延ばしにする 自己判断で薬をやめる 気になることがあれば、主治医に相談しながら治療を続けましょう。 参考文献 (文献1) 関節リウマチ新分類基準(ACR/EULAR2010)|日本リウマチ学会 (文献2) 初めから起こる症状|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献3) 関節リウマチについて|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献4) 変形性関節症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献5) リウマチ性多発筋痛症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献6) 診断のための検査|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター
2021.12.10







