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胸椎椎間板ヘルニア|入院期間や費用について 背中の痛みや胸の痛み、足のしびれなどの症状がある場合、胸椎椎間板ヘルニアを発症しているかもしれません。 他の椎間板ヘルニアよりも発症するのは珍しいですが、放置すると足が動かない、尿や便が出ないなどの重い症状が現れる疾患です。症状によっては手術で治療を行います。 本記事では、胸椎椎間板ヘルニアに対する手術方法や入院期間、入院費用について解説します。特に胸椎椎間板ヘルニアと診断されて治療法が気になる方、さまざまな手術方法の違いを知りたい方はぜひ参考にしてください。 胸椎椎間板ヘルニアとは 私たちの背骨は、脊椎と医学的には呼ばれます。脊椎は、椎骨という骨が集まってできています。脊椎と脊椎の間には、クッションの役割がある椎間板と呼ばれる組織があります。 胸椎椎間板ヘルニアとは、年をとったり強い衝撃が加わることで、胸の部分にある椎間板が飛び出てしまい、周りの神経や背中にある脊髄を圧迫してさまざまな症状が現れる疾患です。女性よりも男性に発症しやすく、特に40〜50歳の方が発症しやすいです。 胸椎椎間板ヘルニアの症状 胸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は、足や胸部、背中のしびれやだるさ、痛みなどです。ひどい場合には、尿を貯める膀胱に影響がでて尿が出にくくなるなどの症状が見られます。 胸椎椎間板ヘルニアの治療法 胸椎椎間板ヘルニアの治療は、症状の強さに合わせてさまざまな治療法を行います。治療法には大きくわけて、手術なしで治療する保存的療法と、手術療法があります。ここではそれぞれの治療法について解説します。 手術なしの保存的療法 手術なしの治療法には、温熱療法、運動療法、薬物療法、ブロック療法などがあります。 温熱療法 温熱療法は、痛みやしびれがある部位を温めて、血の流れを改善することで緊張をとり、痛みをおさえる治療法です。症状が現れている部位に対して行う対症療法であるため、根本的に胸椎椎間板ヘルニアが治るわけではありません。 運動療法 運動療法は、ストレッチや体操などによって血の流れを改善し痛みをとる治療法です。病院以外でも接骨院などでも行われています。こちらも根本的に胸椎椎間板ヘルニアが治るわけではありません。 薬物療法 お薬を飲んだり、湿布などのはり薬を用いて症状をやわらげます。これも痛みなどがある部位に合わせて行う治療法であり、胸椎椎間板ヘルニアそのものを治療する方法ではありません。 ブロック療法 ブロック療法は、ブロック注射により痛みを改善させる治療法であり、胸椎椎間板ヘルニア自体を治すわけではありません。また、ブロック注射を行っても効果が乏しいこともあります。 手術療法 手術は、昔ながらの方法で手術をする観血的手術、内視鏡と呼ばれるカメラを使いながら行う内視鏡手術、そしてレーザー手術があります。 観血的手術 観血的手術とは、昔から行われている手術方法です。LOVE法、椎弓切除術、脊椎固定術などがあります。手術前には胸椎椎間板ヘルニアの状態を把握するためにさまざまな検査を行います。 LOVE法 LOVE法は、直接目で見て行う切開手術であり、日本で一番多く実施されている治療法です。背中側から切り始め、骨の一部を削ることでヘルニアを切除する治療法です。手術自体は約1時間で終わりますが、全身麻酔で手術を行うため、入院期間は約2週間ほどかかります。 椎弓切除術 従来から実施されている治療法であり、ヘルニアが大きい場合に行うことが多いです。 椎骨の後ろにある椎弓と呼ばれる部位を部分的に切り取って圧迫されていた神経を解放します。手術後はコルセットを1〜3ヶ月間身につけなくてはいけません。入院期間は2〜3週間程度です。 脊椎固定術 骨を削った後に、その骨や金属プレートを使って脊椎を固定する治療法です。入院期間は2ヶ月ほどと長くかかります。脊椎が完全に固定されるまでは3〜6ヶ月必要です。 内視鏡手術 従来の観血的手術とは違って、細長い内視鏡(カメラ)を用いて手術を行う治療法です。MED法、PED法などがあります。 MED法(内視鏡下椎間板摘出術) LOVE法と同じ手法を用いますが、目で見て行うのではなく内視鏡を用いてヘルニアを取り除く治療法です。内視鏡は小さい傷で行えるため、手術後の痛みも少ないというメリットがあります。手術は全身麻酔で行うため、入院期間は4〜7日間程度かかります。 PED法(経皮的髄核摘出術) 胸椎椎間板ヘルニアが発症している部位に局所麻酔を行い、特殊な細長い器具を入れてレントゲンでチェックしつつ、脱出した髄核を部分的に取り除いて神経への圧迫を解放し、ヘルニアによる症状を和らげる治療法です。日帰りもしくは数日間入院して行うことが多いです。保険診療で行うこともあれば、自費診療で行う場合もあります。 レーザー手術(PLDD) 椎間板内にレーザーを照射し、ヘルニアを部分的に蒸発させ縮小させることで神経の圧迫を弱める治療法です。入院期間は約1〜2日です。 胸椎椎間板ヘルニアの入院費用 胸椎椎間板ヘルニアに対する入院費用(3割負担)は次の通りです。 手術内容 入院費用 LOVE 約15〜30万円 椎弓切除術 約30〜40万円 脊椎固定術 約30〜40万円 MED法 約20〜25万円 PED法 約15〜20万円 これらの金額はあくまで目安であり、入院日数や医療費控除額などによって支払う金額が異なる場合があるのでご注意ください。 まとめ ・胸椎椎間板ヘルニア|入院期間や費用について 胸椎椎間板ヘルニアの症状がひどい場合などには治療として手術を行うことがあります。現代はさまざまな手術方法があるため、それぞれの手術方法についてよく医師と話し合って決めることが重要です。 入院期間や入院費用なども手術方法を選ぶ時に大切なポイントです。胸椎椎間板ヘルニアと診断された場合は、手術治療を含めてきちんと医師と相談し治療方法を決めましょう。 ▼万が一、手術後に後遺症が残ってしまった場合には、再生医療である幹細胞治療が適応になります。もし術後の後遺症にお困りであれば、ぜひ一度当院にご相談ください。 https://www.youtube.com/watch?v=0hyJR5VW3oY&t=63s ▼以下もご覧になりませんか 胸椎椎間板ヘルニア症状レベルと自然治癒の可能性について
最終更新日:2024.10.07 -
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胸椎椎間板ヘルニア、背中や胸が痛むことも!その症状を解説 「背中が痛い」、「胸が痛む」といった症状でお悩み場合、実は「胸椎椎間板ヘルニア」の可能性があることをご存知でしょうか。 胸椎椎間板ヘルニアは、加齢、年齢を重ねることが原因のひとつだと考えられておりいます。他の椎間板ヘルニアと比べて発症する確率は少ない珍しい疾患ではありますが、放置すると「足が動かない」「尿や便が出なくなる」といった重大な問題が発生する疾患でもあります。 胸椎椎間板ヘルニアを放置すると重症化の恐れ ・足が動かない ・尿や便が出なくなる 本記事では、胸椎椎間板ヘルニアとは、どのような疾患なのか、また、胸椎椎間板ヘルニアによる代表的な症状について解説します。 特に背中の痛みや、胸の痛みが気になる方、最近になって足に力が入らない、しびれがあるなどで歩きにくさを感じている方はぜひ参考にしてください。 胸椎椎間板ヘルニアとは 胸椎椎間板ヘルニアとは、老化や強い衝撃を受けて脊椎の胸部にある椎間板が飛び出た状態です。人間の背骨は首から腰まで合計24個ありますが、このうち胸の背骨である胸椎は8個あります。 そして椎間板とは、脊椎と脊椎の間のクッションのような組織であり、飛び出ると周囲の神経や脊髄を圧迫してさまざまな症状が出ます。発症するのは年齢は40~50歳が多く、男性にやや多いです。 胸椎椎間板ヘルニア以外にも、頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアなど、ほかの部位でも椎間板ヘルニアは発症します。 しかし、その中でも胸椎椎間板ヘルニアは起こりにくい疾患です。なぜなら、胸椎は肋骨とつながっており安定しているため、椎間板ヘルニアになりにくいと考えられています。 胸椎椎間板ヘルニアの診断 胸椎椎間板ヘルニアを診断するにはMRI検査が有効です。レントゲン検査では特に異常所見が目立たなくても、MRI検査を行えば椎間板ヘルニアの有無や脊髄が圧迫されている程度などを確認できます。また、治療として手術を行う場合にはCT検査などを行うこともあります。 胸椎椎間板ヘルニアの予防 胸椎椎間板ヘルニアを予防する有効な手段はありませんが、放置すると重大な問題を引き起こすことがあるため早めに医療機関を受診することが重要です。 胸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状 以下に、胸椎椎間板ヘルニアの症状について解説します。自身に当てはまる症状があれば医師に相談するようにしましょう。 胸椎椎間板ヘルニアによる背中の痛みや胸の痛み 胸椎椎間板ヘルニアが発症した時の代表的な症状として、「背中の痛み」「胸の痛み」があります。しかし、実際に認める頻度としては珍しいです。 椎間板ヘルニアになっている付近で背中の痛みを認めることもありますが、ヘルニアが発生する部位によって圧迫される神経やダメージを受ける神経が異なるため、患者さんによって痛みやしびれを感じる部位は異なります。 胸椎の椎間板の側から肋間神経と呼ばれる神経が左右どちらにも肋骨に沿って出ていますが、胸椎椎間板ヘルニアが肋間神経を圧迫すると「肋間神経痛」という痛みが現れます。肋間神経は背中から胸に向けて走っているため、背部痛や胸痛、わきの下あたりのしびれや痛みなどを引き起こします。 肋間神経痛の痛みは、ぴりぴりと焼けつくような感覚であったり、鈍い痛みとして感じることが多いです。また、痛みはずっと同程度である場合もあれば、姿勢の変化や体の動きに合わせて改善する場合や増悪する場合もあります。 また肋間神経痛による胸の痛みは、心臓が原因の胸痛と間違えられることがあります。 しかし、胸椎椎間板ヘルニアによる胸の痛みは、体の動きや姿勢の変化により変動することが多いため、心臓が原因の胸痛と区別できます。 胸椎椎間板ヘルニアによるその他の症状 背部痛や胸痛以外の胸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状として、ふくらはぎや太ももの脱力感やしびれ、痛みなどがあげられます。これらの症状は胸椎椎間板ヘルニアの初期症状として認められることが多いです。 また放置すると急激に足が動かしづらくなっていくこともあります。歩行障害を認める場合は手術を行います。 歩く時に足がもつれる、階段を昇り降りする時に足が心配になって手すりを持つようになるなどの場合には、胸椎椎間板ヘルニアの可能性があるため注意しましょう。 また、胸椎椎間板ヘルニアを発症すると、力をこめて便や尿を出そうとしても出せない状態(膀胱直腸障害)になることがあります。 胸椎の背中側にある脊髄は、便や尿を出す自律神経をコントロする神経が走っており、胸椎椎間板ヘルニアによってこの部位が圧迫されると突然便や尿が出ないという問題が起こってしまいます。膀胱直腸障害以外の症状は認めないこともあるため気をつけましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状 ・ふくらはぎや、太もも:脱力感、しびれ、痛み ・歩行障害:足がもつれる、ふらつく ・膀胱直腸障害:尿が出にくくなる ・排便障害:便が出にくくなる ・痛み:背中、胸(肋間神経痛とは区別する必要) まとめ・胸椎椎間板ヘルニア、背中や胸が痛むことも!その症状を解説 胸椎椎間板ヘルニアは40~50歳の方に多く発症する疾患です。代表的な症状として背中の痛みや胸の痛みがあげられます。特に多い症状は、肋間神経痛による背中の痛みや胸の痛みであり、焼けつくような痛みや鈍痛を認めます。 また、初期症状としては下肢のしびれや痛みなどを認めます。薬物治療やリハビリなどでは歩きにくさを改善することはできないため、歩きにくさを認めた場合には手術療法が検討されます。手術には神経麻痺や手術後の痛み、しびれなどの術後後遺症の危険性もありますが、放置すると病状が進行して歩けなくなることがあるため医師とよく相談しましょう。 また、少しでも胸椎椎間板ヘルニアを疑う症状に気づいた場合には、速やかに専門の医療機関を受診するようにしましょう。 ▼同じような症状もある肋間神経痛との違いも参考にされませんか 胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛、どう違う?症状でチェック!
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胸椎椎間板ヘルニアの保存療法!リハビリの種類や具体的な内容を医師が解説します 足のしびれや脱力感といった麻痺の症状を引き起こす「胸椎椎間板ヘルニア」。腰や首の椎間板ヘルニアに比べて稀な病気ですが、症状が進行すると病院での手術が必要な場合があるので注意が必要です。 麻痺がなく症状が軽い場合は、いきなり手術をするのではなく「薬物療法」や「リハビリ」などの「保存療法」が選択されます。 この保存療法について、本記事では胸椎椎間板ヘルニアのリハビリや運動の方法について解説します。 胸椎椎間板ヘルニアの保存療法について 胸椎椎間板ヘルニアは症状が進行すると筋肉を動かす神経まで圧迫され、脚の力が入りにくくなり歩くのに支障をきたします。 そうなるとリハビリや運動では治療は難しく手術が必要です。症状が軽い場合はまず手術を伴わない保存療法が選択されます。 ここではリハビリを含む保存療法の種類について紹介します。 薬物療法 ヘルニアによる痛みがある場合は、痛み止めの内服薬が利用されます。 また痛みや炎症により生じる筋肉の緊張に対して、筋弛緩薬が利用されることもあります。 内服薬のほかの薬物療法は注射を使った神経ブロックです。痛みの原因となっている神経を一時的に麻痺させることで、痛みの軽減を図ります。 装具療法 背骨が動くことによりヘルニアの症状が悪化する場合は、コルセットにより背骨の動きを制限して症状の悪化を防ぎます。 長期間のコルセットの装着は、背骨の周辺にある筋肉を弱めてしまうため、適切な装着時期は医師の指示を聞きましょう。 胸椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション リハビリには胸椎の椎間板にかかる負担を減らすための運動療法や日常生活の指導、痛みの緩和を目指す物理療法があります。 胸椎椎間板ヘルニアのリハビリとして以下のようなものがあります。 りハビリの種類 ・運動療法 ・物理療法 ・生活指導 それぞれ具体的な方法を解説します。 運動療法 運動療法は椎間板にかかる負担を減らすため、周辺の関節の柔軟性を高めたり筋肉の疲労を軽減したりするストレッチや筋力トレーニング(以下筋トレ)があります。 また痛みやしびれによる運動不足で低下した体力を向上するための有酸素運動も運動療法の1つです。 ストレッチ ストレッチでは胸椎の動きをスムーズにして痛みを和らげたり、腰や股関節といった周辺の関節が固まらないようにして胸椎の椎間板にかかる負担を減らしたりします。 具体的なストレッチの方法は「胸椎椎間板ヘルニアの痛みに!ストレッチで痛みを和らげる方法」で詳しく紹介しています。 筋トレ 筋トレにより背骨を支える体幹の筋肉を鍛えて椎間板にかかる負担を減らします。 具体的な方法は以下のようなものがあります。 体幹トレーニングの方法① 1.肩の真下に両手をつき、骨盤の真下に両膝をついて四つ這いになる 2.左手と右足を、体と水平になるようにあげる 3.手と足が離れるように伸ばした状態で10秒キープする 4.反対の手足も同様に行う 体を反ったり、ひねったりしないように意識しましょう。お腹に力を入れながら行うとより効果的です。 体幹トレーニングの方法② 1.両膝を立てた状態で仰向けになる 2.息をできるだけ吸い込む 3.口をすぼめてゆっくり息を吐きながらお腹を凹ます 4.できるだけお腹を凹ませた状態をキープしながら呼吸を繰り返す 5.30秒キープして力を抜く 先ほどの運動が背筋を鍛えるのに対して、今回の運動では腹筋を鍛える運動になります。 どちらも背骨により近い部分にある筋肉であるインナーマッスルを鍛える運動です。 インナーマッスルは体を動かすより、姿勢を安定させる働きがあり、背骨や椎間板にかかる負担を軽くしてくれます。 有酸素運動 有酸素運動により全身の筋力を維持して、健康な体を保ったり、低下した体力を向上させたりすることができます。 有酸素運動の種類としては以下のようなものがあります。 有酸素運動の種類 ・ウォーキング ・自転車こぎ ・水泳 ・軽いジョギング ・ハイキング ヘルニアだからといって症状が軽いのに安静にしすぎると全身の筋力や体力の低下を引き起こすため、かえって症状が悪化する危険性があります。 軽めの有酸素運動で良いので、少しでも体を動かすようにしましょう 物理療法 電気や熱の力を利用して血行を良くして、筋肉をほぐしたり、痛みを緩和したりする治療が物理療法です。 生活指導 椎間板へ負担のかかる作業や動作、姿勢は極力控えるようにしましょう。例えば中腰の姿勢を続けたり、重い荷物を上げ下ろししたりする動作です。 また猫背の姿勢は椎間板に負担をかけます。長時間のデスクワークやスマホの使用は猫背の姿勢を助長するので、適宜休憩を挟んで腰を反らすなどのストレッチを実施しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアのリハビリで注意すべきこと 胸椎椎間板ヘルニアで歩行が難しくなるような症状が出ている場合、リハビリでは治療は難しく手術をしなければ回復は困難です。症状があるからといって自己判断で運動を行わず、整形外科を受診して医師の指示を仰ぎましょう。 やってはいけない筋トレがあります。それは、「体を丸めるように腹筋運動」です。椎間板を圧迫するようなストレスがかかるため注意しましょう。 また、筋トレをいつから行うかは大切なポイントです。痛みが強まるときは控えて、症状が落ち着いてきてから始めるようにしましょう。 せっかくのリハビリをしても症状が悪化してはいけないので、医療機関での指示の下、注意点に気をつけて正しく実施しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアのリハビリは症状が軽い場合に実施|麻痺がある場合はすぐに病院を受診しよう 胸椎椎間板ヘルニアは症状が軽い場合は、リハビリを含む保存療法を実施して改善を待ちます。 リハビリには筋トレやストレッチ、有酸素運動などの運動療法や物理療法があります。できるだけ整形外科を受診して医師や理学療法士などの専門家に指導を仰いで実施するようにしましょう。 足に力が入らないような麻痺がある場合は、リハビリも有効ではありません。放置せずに病院を受診して必要な治療を受けるようにしましょう。 参照資料 標準整形外科.医学書院,東京,2020,pp550. 日本整形外科学会「胸椎椎間板ヘルニア」
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胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の違いについて?症状でチェック! 「胸椎椎間板ヘルニア」と「肋間神経痛」の違いはどのような点にあるのでしょうか。いずれも「背中に痛みを生じる」という症状が出るのですが、その他にも多くの違いがあります。 今回の記事では、胸椎椎間板ヘルニアおよび肋間神経痛について解説し、症状の違いについて述べていきます。 胸椎椎間板ヘルニアとは それでは、まずは胸椎椎間板ヘルニアについて解説していきます。 背骨、つまり脊椎は頭の方からおしりの方まで、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎の順に積み重なったような構造をしています。そして、胸椎は左右12対の肋骨と背中側で連結している骨となります。 胸椎に限らず、椎体と椎体の間には椎間板というクッションのような役割を果たすものがあります。 胸椎椎間板ヘルニアとは、椎間板の変性や損傷によって、椎間板の外側の部分である繊維輪という構造が破れ、内部のゲル状の物質である髄核(ずいかく)が椎間板の外に漏れ出る状態です。これが脊髄を圧迫することで脊髄圧迫症状が現れます。 胸椎は頚椎や腰椎のように前かがみ、後ろかがみでもほとんど動きません。そして、胸椎椎間板ヘルニアは外傷などの誘因がない場合が多いとされています。 胸椎椎間板ヘルニアの治療 胸椎椎間板ヘルニアで、歩行障害や膀胱直腸障害などの症状が現れている場合には、手術が行われます。薬物治療やリハビリでは、こうした症状を抑えることは難しいです。 肋間神経痛とは 肋間神経痛とは、胸椎椎間板ヘルニアのような病名ではなく、肋間神経という肋骨に沿って走っている神経が何らかの要因で障害を受けたことで突発的に生じた痛みのことを指します。 痛みは身体の片側に起こることが多く、深呼吸や咳、そして身体の向きや位置を変えたりすることでも強くなることがあります。 肋間神経痛の原因の一つとして重要なのが、「帯状疱疹」です。帯状疱疹は「水ぼうそうウイルス」によって起こるのですが、このウイルスは肋間神経の神経節という部分に潜んでおり、免疫力の低下などによって再活性化して起こるものです。帯状疱疹による肋間神経痛は、鋭く激しい痛みが片側の肋骨に沿って現れ、水ぶくれを伴う、赤い発疹もできるという特徴があります。 その他、肋間神経痛は特に原因がわからないものや、胸椎椎間板ヘルニアや側弯症によって脊髄から肋間神経が出る部分を圧迫されることに伴うものがあります。また、肋骨骨折で肋間神経が障害されることでも起こりえます。 さらに、稀ではありますが、肺がんなどの胸部の手術の際に、手術で使った器具が肋間神経を圧迫してしまい、それが術後にも影響を残し肋間神経痛として残存してしまうということもあります。 肋間神経痛の治療 肋間神経痛の治療は、原因がある場合にはその病気の治療をしていきます。一方で、特に原因となるような病気がない場合には、肋間神経ブロックという痛み止めの注射を行ったり、鎮痛薬の内服をしたりなどして症状を抑えることとなります。 胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の症状の違いをチェック 胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛は、同じように背中や胸部の痛みを引き起こす異なる状態です。しかしながら、以下のような違いがあります。 それでは、それぞれについて詳しく述べていきましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの症状 胸椎椎間板ヘルニアでは、背中や胸部の痛みは出ることもあるのですが、疼痛がないこともあります。また、体幹から下半身にかけての筋力低下や感覚の異常を伴うことが主な症状となります。 胸椎椎間板ヘルニアが進行すると、歩行障害や膀胱直腸障害も出現することもあります。 肋間神経痛の症状 肋間神経痛の痛みは通常背中から胸部にかけてみられ、特に身体の片側の肋骨の間の領域で感じられることが多いです。また、呼吸や姿勢を変えることによって症状が悪化することがあります。 帯状疱疹による肋間神経痛では、水ぶくれを伴う特徴的な皮疹が痛みと同じ部位に現れます。 肋間神経痛はしばしば局所的な鋭い痛みで、肋間神経の分布に従います。そして、痛みの範囲が明確な場合が多いです。 痛みの程度、場所 痛み以外の症状 胸椎椎間板ヘルニア ・背中や胸部 ・痛みがないこともある ・下半身にかけての感覚異常 ・進行すると下半身の麻痺が起こることもある 肋間神経痛 ・背中から脇腹、胸部にかけての鋭い痛み ・痛みの範囲は明確なことが多い ・肋間神経痛の原因が帯状疱疹の場合には、皮膚の発疹を伴うこともある まとめ・胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛、どう違う?症状でチェック! 今回は胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の症状の違いについて述べました。 背中から胸部にかけての痛みを生じる原因として、胸椎椎間板ヘルニアや肋間神経痛があります。厳密には、胸椎椎間板ヘルニアでも髄核が真正面でなく外側に飛び出すと、肋間神経痛の原因になることもありますが、腰椎椎間板ヘルニアより稀とされています。 いずれにしても、症状が続く場合や痛みが激しい場合は、早めに医療専門家に相談することが重要です。 胸椎椎間板ヘルニアによる歩行障害などの下半身の麻痺を治すためには、手術が必要となります。一方で、手術にも神経麻痺のリスクがあります。 当院は、大阪・東京・札幌にある再生医療専門クリニックです。胸椎椎間板ヘルニア術後の脊髄の障害に対しても、脂肪由来間葉系幹細胞治療を行っています。 この治療は、自分の脂肪から培養した幹細胞を脊髄腔内に注射または点滴投与するというものです。今までにも、麻痺の改善がみられたという患者さまからの声が寄せられています。 ▼胸椎椎間板ヘルニアの術後などの麻痺に対しての再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。 https://www.youtube.com/watch?v=4AOGsB-m63Y&t=141s 参考文献 「胸椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる Q8 急に胸が痛くなり続いています。 心臓や肺の病気でしょうか? - 呼吸器Q&A 一般社団法人 日本呼吸器学会 Q11 帯状疱疹とは何ですか? 公益社団法人 日本皮膚科学会 術後合併症について 国立がん研究センター 東病院 ▼胸椎椎間板ヘルニアの治療についてさらに詳しく記しました 胸椎椎間板ヘルニア症状レベルと自然治癒の可能性について
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胸椎椎間板ヘルニア症状と自然治癒の可能性について こんなお悩みではありませんか? 「胸椎椎間板ヘルニアといわれたが、詳しいことがよくわからない」 「自然に治る可能性はあるの?」 胸椎椎間板ヘルニアは非常に稀な病気のため、腰椎や頚椎のヘルニアよりも情報が少ないのが現状です。 本記事では胸椎椎間板ヘルニアについて解説していきます。特に症状レベルや自然治癒の可能性について知りたい方はぜひ最後までお読みください。 胸椎とはどこの骨? 胸椎とはいわゆる「背骨」=椎骨のなかでも、首の骨(頚椎)と腰の骨(腰椎)の間にあるものです。他の椎骨と異なり、胸椎は肋骨と繋がっているのが特徴です。 第一胸椎には第一肋骨、第二胸椎には第二肋骨…というように合計で十二の胸椎があり、それぞれの左右から肋骨が伸びています。 胸椎椎間板ヘルニアとは? 胸椎と胸椎(あるいは一番下の胸椎と一番上の腰椎)の間にある「椎間板」の成分が胸椎の後ろに飛び出してしまうことを「胸椎椎間板ヘルニア」と呼びます。腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアと比べると、非常に稀な疾患です。 椎間板は、椎骨が動くときに衝撃を吸収するクッションの役割があります。椎間板の外側は強固な線維の束(線維輪)に覆われ、内側には柔らかいゼリーのような「髄核」があります。 体をひねる・前に曲げる・後ろに反るなどの動作のとき、一つ一つの椎骨が滑らかに動いています。これが可能なのは、間にある椎間板が衝撃を吸収しているからです。 ところがヘルニアの方では、椎間板の変性により線維輪が壊れて中の髄核が飛び出してしまっているのです。胸椎椎間板ヘルニアでは、髄核はまっすぐ真後ろに飛び出すことが多いことがわかっています。 飛び出した髄核は、ときに真後ろに走る脊髄を圧迫します。すると、足の痺れや感覚の低下が起こります。病態が進行すれば歩行障害が起こることもあるのです。 なお、腰椎や頚椎では後側方に飛び出したヘルニアが、脊髄から伸びる神経の根本を圧迫して「神経根痛」という「ビリッとした」痛みを起こすことがあります。 一方の胸椎椎間板ヘルニアでは神経根痛は多くありません。横方向に飛び出すことが多くないからです。しかし、ときに肋間神経痛(脇腹の痛み)を起こす方がいます。 症状について 胸椎ヘルニアで多い症状は足のしびれや脱力ですが以下のような症状が起こることがあります。 胸椎ヘルニアの症状チェック・リスト ☐ 背中が痛む ☐ 脇腹が痛む ☐ 足の感覚が鈍い ☐ 足がもつれて歩きにくい ☐ 階段を降りるのが不安定で怖くなった ただし、患者さん全員にすべての症状が起こるわけではありません。また、特異的な症状というものはなく、別の病気でも同様の症状が起こることがあります。 診断はどのようにして行うか 疑わしい症状があれば、MRIを撮影して椎間板の脱出がないかを調べます。レントゲンでは診断はつきませんが、骨折など他の病気を探すためにMRIに先行して行うことが多いです。 ただし、胸椎椎間板ヘルニアは非常に稀な病気である上に、腰椎の病気と似た症状を起こすことが多いです。そのため、最初は腰椎の検査をされ、のちに胸椎椎間板ヘルニアだったと判明することもあります。 症状~軽症から重症まで~ 軽症例ではヘルニアはあるものの、後ろに走る脊髄の圧迫による症状はありません。 背中の痛みが起こることがあります。また、脇腹に「ビリッ」と走るような肋間神経痛を感じる方もいます。無症状で、たまたま画像検査などで発見されることもあります。症状がなければとくに治療の必要はありません。痛みがあれば痛み止めなどを使います。 脊髄の圧迫の初期では足が痺れたような感じがあります。また、足の感覚が鈍くなってくる方もいます。このような症状が出てくると要注意です さらに進行すると、 運動神経が侵されて足の筋力が落ちてきます。そして、段々と歩けなくなってきます。また、排尿に関わる神経が侵され、尿が出にくい、頻尿になるといったことも起こるのです。ひどい場合は全く尿が出ない「尿閉」となります。 歩行障害や排尿障害が進行すると、薬やリハビリなどの保存療法では良くなりません。放置すると日常生活に差し障るため、早期に手術を行う必要があります。 人によっては急激に麻痺が進行することもあります。歩きづらさを感じたら早いうちに受診をすることをお勧めします。 胸椎椎間板ヘルニアは自然治癒するの?可能性と注意点 一般的に椎間板ヘルニアは、自然に消失することのある疾患です。胸椎椎間板ヘルニアも自然経過で良くなる可能性は充分にあると言えるでしょう。その一方で注意しなければいけないこともあります。 胸椎椎間板ヘルニアは疾患自体が非常に稀なので、自然治癒の報告も限られています。ただし、同様の病態である腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアでは自然消失例が報告されているのも事実です。 このことから、胸椎椎間板ヘルニアについても一部の軽症例であれば自然によくなる可能性はあります。 しかしながら、自然に良くなるのを過剰に期待して自己判断で放置してしまうと、取り返しのつかない歩行・排尿機能の障害に陥ってしまうリスクがあります。 手術を受けない場合でも、定期的な経過観察のための受診は怠らないようにしましょう。そしてもし、歩きづらさなどを感じたら、早期に主治医に相談するべきです。 胸椎椎間板ヘルニア|自然治癒の可能性と注意点 可能性 胸椎椎間板ヘルニア:稀な疾患、自然治癒の報告例僅か 腰椎や頚椎の椎間板ヘルニア:自然消失例の報告例有 胸椎椎間板ヘルニア:一部の軽症例で自然治癒の可能性がある 注意点 ✕ 自然治癒を過剰に期待するのはNG ✕ 自己判断で放置すると歩行・排尿障害に陥る「リスクが大きい」 定期的な受診を怠らず、歩きづらさを感じたら、早急な受診をお勧めします 胸椎椎間板ヘルニアは予防できる? 胸椎椎間板ヘルニアは外傷などの特定の原因があって発症する疾患ではありません。そのため、現時点ではっきりとわかっている予防方法などもありません。 また、麻痺が出てしまうと、いくらリハビリテーションなどを行っても進行を予防することはできません。 まとめ・胸椎椎間板ヘルニア症状と自然治癒の可能性について 胸椎椎間板ヘルニアは非常にまれな病気です。 軽症の場合は対症療法のみで様子を見ることができる一方、足の麻痺などが出てしまうと手術を行わなければいけないことがあります。 自然治癒の可能性もありますが、一方で急激な進行を認めるケースがあるのも事実です。すぐに手術しない場合でも通院を怠らず、症状の変化に気をつけて過ごしてください。 この記事が参考になれば幸いです。 ▼こちらも参考にされませんか 胸椎椎間板ヘルニアの痛みに!ストレッチで痛みを和らげる方法 参考文献 大場哲郎, 波呂浩孝. 日本医事新報 (5084): 42-42, 2021. 岡田英次朗. 日本医事新報 (4994): 40-40, 2020. 小西明, 藤井基広, 増本眞悟, 石井秀典, 今井健, 角南義文. 整形外科と災害外科 48:(1) 10-12, 1999. 公益社団法人日本整形外科学会|「胸椎椎間板ヘルニア」
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「背骨を押すと痛い」「背骨の胸あたりを押すと痛む」部分を胸椎(きょうつい)といいます。首と腰の間にある部分で、胸椎は12個の骨から成り立っており、それぞれが左右12本ずつある肋骨(ろっこつ)とつながっています。 背骨を押すと痛みを感じるとき、ただの疲れや姿勢の問題だと考えられがちですが、実は神経や骨に関連する病気の可能性もあります。 本記事では、背骨に痛みを感じたときに考えられる5つの病気や改善方法などを専門医ができるだけわかりやすく解説します。最後まで読めば、痛みが悪化する前に適切な行動ができるようになるはずです。 背骨(胸椎)を押すと痛い原因 背骨を押すと痛い原因はさまざまですが、姿勢の悪さや筋肉、骨の問題であることがほとんどです。 例えば、主婦や事務労働をする方であれば、背中が丸まったような悪い姿勢(猫背)が主な原因として考えられるほか、年齢に伴う椎間板の老化なども挙げられます。 冒頭でもお伝えしましたが胸椎は肋骨と繋がっています。背中の真ん中あたり、肋骨に近い背骨を押すと、胸椎の後ろにある突起部分(棘突起:きょくとっき)に圧力がかかり、痛みの原因となるのです。 特に胸椎のあたりに痛みがある場合は、神経や筋肉、骨に関わる病気の可能性があります。 背骨(胸椎)を押すと痛いときに考えられる5つの病気 背骨(胸椎)を押すと痛いときに考えられる5つの病気は以下の通りです。 脊椎過敏症 胸椎椎間板ヘルニア 肋間神経痛 強直性脊椎炎 胸椎骨折 各疾患の症状などをできるだけ簡単に説明します。痛みがどの症状に当てはまるのか、チェックしながら読み進めていきましょう。 ①脊椎過敏症(せきついかびんしょう) 背骨を押すと圧痛が生じる病態として、脊椎過敏症があります。この病気の症状としては、背部や棘突起のあたりの痛みや押した際の痛み(圧痛)が出ます。 脊椎過敏症では、背部の痛み以外には特に症状はなく、予後も比較的良好です。この脊椎過敏症は、20歳代の女性、特に事務労働者や主婦に多く、背中が丸まったような悪い姿勢などの原因が あるのではないかと考えられています。数ヶ月から数年の間で自然に治っていくことが普通です。 ②胸椎椎間板ヘルニア(きょうついついかんばんヘルニア) 胸椎椎間板ヘルニアは、胸椎の椎体と椎体との間にあるクッションのような構造である椎間板が変性し、脊椎の外側に飛び出し、脊髄を圧迫する病気です。 胸椎椎間板ヘルニアの症状として、背部痛(背中の痛み)が生じることもあります。その他の症状として、体幹から下半身の感覚が低下することや、筋力低下がみられます。胸椎椎間板ヘルニアは、外傷などの明らかな原因がない場合がほとんどです。 また胸椎椎間板ヘルニアは腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアと比べてその頻度は少なく、歩行障害などの症状が現れた場合には手術を要することが多いです。 放置すると重症化の恐れがある胸椎椎間板ヘルニアの概要や症状について、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 なお、胸椎椎間板ヘルニアなどの痛みは、手術を必要としない再生医療によって改善が期待できます。興味のある方は、再生医療による回復の事例などを紹介した以下の動画もご覧ください。 ③肋間神経痛(ろっかんしんけいつう) 胸椎椎間板では、椎間板の中にある髄核(ずいかく)という構造が脊髄の真ん中を圧迫するですが、左右方向に髄核が飛び出すと神経根という脊髄から神経が出ていく部分を圧迫することもあります。すると、肋間神経痛の症状が現れます。肋間神経痛の症状としては、背中から胸にかけて、肋骨に沿ったような鋭い痛みが生じるというものです。 なお前述の胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛は、いずれも背中に痛みが出ますが、痛みの場所であったり症状だったりが異なります。 以下の記事で胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の違いについて詳しく解説したので、こちらも合わせてご覧ください。 ④強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん) 強直性脊椎炎は、仙腸関節という関節や腰、背中、首の脊椎の靱帯付着部に炎症が生じる病気です。さらに、胸椎の椎間関節にも炎症は起こります。 症状の多くは腰痛やお尻の痛みから始まり、徐々に背中全体や首にまで広がっていきます。症状が進むと、体を曲げ伸ばしすることが難しくなり、前屈みの姿勢となっていきます。体のだるさや疲れやすさ、体重減少、微熱、高熱などの全身の症状がでることもあります。 また、4人に1人の確率で目の病気である虹彩炎(こうさいえん)が起こりますが、早めに眼科治療を受ければ予後は良好です。 ⑤胸椎骨折(きょうついこっせつ) 骨粗鬆症や、腫瘍が骨に転移した際に、背骨が圧迫骨折をきたすことがあります。この場合にも、圧痛や体動時痛といった症状が生じることがあります。 骨折の程度によっては、脊髄損傷をきたすこともあり、胸椎と腰椎の移行部に骨折が生じた場合には、両下肢の麻痺症状などを引き起こす可能性もあります。 骨折の原因が骨粗鬆症などで軽度の圧迫骨折を来している際には、安静と簡易コルセットなどの外固定をすることで、3〜4週間でほとんどの症状が改善するとされています。 転移性骨腫瘍が原因である場合には、癌そのものに対する化学療法やホルモン治療が行われます。骨転移による痛みが強い場合には、放射線治療が有効な場合もあります。骨破壊が進行しており、脊髄への圧迫がみられるような際には、脊椎固定術も行われます。 脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。 背骨(胸椎)を押して痛いときの改善方法 背骨(胸椎)を押して痛いときの改善方法として以下の3つが挙げられます。 医療機関を受診する 正しい姿勢を意識する 普段の姿勢やストレッチなどで痛みを緩和できるかもしれませんが、まずは専門医の診断を受けることをおすすめします。 医療機関を受診する 前述してきたとおり、背骨の胸のあたりにある「胸椎」を押して痛い場合にはさまざまな原因があります。脊椎過敏症のように、胸椎を押したときの痛み以外に特に症状がなく、治療をしなくても自然に改善していくこともあります。 一方で、胸椎椎間板ヘルニアなどは、下半身の筋力低下や感覚低下といった神経症状がみられます。こうした場合、基本的には手術が必要となりますので、早めに整形外科などの専門医療機関を受診することをお勧めします。 背骨(胸椎)を押して痛いときは、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。当院「リペアセルクリニック」では、胸椎の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療を得意としていますので、まずはお気軽にご相談ください。 正しい姿勢を意識する 正しい姿勢は背骨にかかる負担を減らすことができます。特に猫背は背骨に負担がかかるので、背筋を適切に伸ばした状態をキープするようにしましょう。 日常の中で特に猫背になりやすい体制として、以下の3つが挙げられます。 スマホを操作するとき デスクワークをするとき 寝るとき 日常生活には背骨への負担がかかる場面が多くあるので、上記を参考にできることからはじめていきましょう。 まとめ|背骨(胸椎)に痛みを感じたらすぐに受診を! 本記事では、背骨(胸椎)を押して痛い原因や5つの病気、治療などについて解説しました。 胸椎椎間板ヘルニアなどの神経を圧迫する疾患では、治療が遅れると脊髄の神経が傷つき、麻痺が完全に治らない場合もあります。現在の医療では、一度傷ついた神経細胞を完全に修復することは難しいですが、当院は自己脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を、脊髄損傷にも応用しています。 背骨(胸椎)を押して痛い病気の中には、後々まで症状が残る場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。 再生医療に少しでもご興味のある方は、当院「リペアセルクリニック」までご相談ください。 背骨(胸椎)の痛みに関するよくある質問 Q.背骨(胸椎)が痛むときにストレッチをしても大丈夫ですか? A.痛みや症状によってはストレッチを避けて安静にするのが良いです。 例えば、胸椎自体の痛みがある場合は、骨折や脊椎炎などが考えられ、このような場合はストレッチは避けるのが無難です。 また、胸椎椎間板ヘルニアの場合は、ヘルニアを押し戻すような効果として、猫のポーズが有効な場合があります。 このように、自己判断でストレッチをすると症状を悪化させてしまいかねませんので、医療機関を受診しましょう。 なお、胸椎椎間板ヘルニアの痛みを予防するストレッチについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 参考文献 胸背部痛.日内会誌.2010;99:1686-1689. 脊椎過敏症 (medicina 14巻13号) | 医書.jp 胸椎(せなか)の症状一覧 - 日本整形外科学会 強直性脊椎炎(指定難病271) - 難病情報センター 「脊椎椎体骨折」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる 「転移性脊椎腫瘍」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
最終更新日:2024.10.07 -
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胸椎椎間板ヘルニアの痛みに!ストレッチで痛みを和らげる方法 「足が動きにくい気がする」、「両足のしびれが気になる」このような症状がある場合は、もしかすると胸椎椎間板ヘルニアかもしれません。 ヘルニアは腰や首だけでなく背中にある胸椎でも起こります。 本記事では胸椎椎間板ヘルニアについて解説し、痛みを軽減するためのストレッチを紹介します。自宅でも簡単にできる方法を紹介するので、ぜひ実践してみましょう。 胸椎椎間板ヘルニアとは?原因と症状について解説 ここでは胸椎椎間板ヘルニアとはどのような病気なのかを解説します。原因や症状についても紹介するので、自分自身に当てはまる方は早めに整形外科に受診しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの病態 背骨は脊椎と呼ばれ、椎骨と呼ばれるブロックのような小さい骨が積み重なってできています。椎骨の首の部分を頚椎、腰の部分を腰椎と呼び、頚椎と腰椎に挟まれた背中の部分を胸椎と呼びます。 椎骨と椎骨の間には、衝撃を吸収するクッションの役割をもつ椎間板があります。ヘルニアは、椎間板の中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)が、椎間板から突き出してしまい、近くの神経を圧迫してしまう状態です。 胸椎の椎間板で生じるヘルニアを胸椎椎間板ヘルニアと呼びます。胸椎は頚椎や腰椎より動きが少ないため、頚椎や腰椎に比べてヘルニアになることが少ないとされています。 胸椎椎間板ヘルニアの原因 椎間板ヘルニアは加齢や繰り返しかかる負担で椎間板が変化したり断裂したりして起こります。繰り返し椎間板に負担のかかる作業といえば、重い荷物を抱えたり、運転など長時間座ったりする作業です。 また動きや接触の激しいスポーツ、事故などの衝撃もヘルニアの原因となります。 前述のように胸椎は動きが少なく、頚椎や腰椎に比べると上記のような原因でヘルニアになるケースは少ないです。 胸椎椎間板ヘルニアの症状 胸椎椎間板ヘルニアの症状は以下のようなものがあります。 症状例 ・脚がしびれる ・脚に力が入らない ・歩くとふらつく ・お腹がしめつけられる ・背中や脇腹が痛む ・おしっこが出にくい、漏らしてしまう 胸椎椎間板ヘルニアによってうまく歩けなかったり、ふらついたりするのは、脚の筋力が低下してしまい、うまく力が入らないためです。 なぜ筋力低下が起こるのかというと、ヘルニアにより背中を通る神経が障害されてしまい麻痺してしまうからです。 さらに麻痺が進行すると、排尿を支配する神経も障害されるため、おしっこが出にくいなどの症状が出ます。しびれなどの感覚障害も症状の1つですが、痛みをともなうことは多くありません。 まれに、神経の障害の影響で背中や脇腹のあたりが痛む場合もあります。このような痛みを肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。腰椎のヘルニアでよく見られるような、腰から脚に広がる神経痛は胸椎椎間板ヘルニアでは少ないです。 胸椎椎間板ヘルニアの治療 胸椎椎間板ヘルニアの治療は症状の進行度合いによって変わり、保存療法と手術療法に分けられます。 それぞれの治療を選択する基準や治療の内容について紹介します。 胸椎椎間板ヘルニアの保存療法 ヘルニアがあっても症状が軽く、脚の筋力低下や排尿の障害などが伴わない場合は、コルセットや内服薬で痛みの軽減を図ります。 ヘルニアは症状が自然に治る場合もあります。症状が軽い場合は、まず保存療法で様子を見ます。 胸椎椎間板ヘルニアの手術療法 胸椎椎間板ヘルニアの症状が進行し、麻痺の症状が見られると保存療法での治療は困難です。 その場合、放置すると症状が徐々に進行してしまうため、できるだけ早くヘルニアを除去する手術が行われます。 手術は背骨の一部を取り除き、神経を圧迫しているヘルニアを除去する治療をします。 胸椎椎間板ヘルニア(予防)におすすめのストレッチ2選 胸椎椎間板ヘルニアの予防や、痛みの緩和をするためにオススメのストレッチを2つ紹介します。 特別な道具も必要なく自宅でも簡単にできる方法ですので、日頃の生活に取り入れてみましょう。 横になってする胸椎ストレッチ まずは寝た状態でできる胸椎のストレッチです。 胸椎が固くなると猫背になり、胸の前側が固くなります。 このストレッチでは胸の前側の筋肉を伸ばすことができ、姿勢の改善が期待できます。 横になって行う胸椎ストレッチ 1. 左側が下になるように両膝を曲げて背筋を伸ばした状態で横になる 2. 両肘を胸の前でまっすぐ伸ばし、両手のひらを合わせる 3. 右手を大きな半円を描くように頭上を通りながら水平に後ろまで動かす (このとき手の動きを追うように頭も動かす) 4. 右手を元の位置に戻して5往復程度繰り返す 5. 反対も同様に行う ゆっくりと動作を行い痛みが出ない程度の範囲で行いましょう。 四つ這いでする胸椎のストレッチ 四つ這いになって背骨の柔軟性を高めるストレッチを紹介します。 胸椎のストレッチに加えて、背骨を支える筋肉を働かせるためトレーニングの効果も期待できる運動です。 四つ這いで行う胸椎ストレッチ 1. 背中をまっすぐにして四つ這いになる 2. おへそをのぞき込みながら背中を丸めるようにゆっくり動かす 3. 目線を少し上にして両方の肩甲骨寄せながら背中をそらすようにゆっくり動かす 4. 5往復程度繰り返す 最初の姿勢では肩の下に両手を肩幅に広げて置き、腰の真下に膝がくるようにします。また背骨を一つずつ動かすような意識でゆっくりと実施するのがポイントです。 ストレッチを継続して胸椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげよう| 症状がある場合は早めの受診が大切 胸椎椎間板ヘルニアは症状が進行すると歩くのが難しくなり、排尿が障害される怖い病気です。 麻痺の症状は徐々に進行するので、放置せず早めに整形外科へ受診をするようにしましょう。 症状が軽い場合は保存療法が選択されますが、ストレッチを継続して胸椎の柔軟性を高めることで、椎間板への負担を軽減するのもオススメです。 ただし、症状があるからといってマッサージを受けるなど自己判断で治療を進めるのではなく、受診をして医師の指示による正しい治療を受けましょう。 ▼以下も参考医されませんか 胸椎椎間板ヘルニアとは?その症状と原因、治療について 参照資料 標準整形外科.医学書院,東京,2020,pp550. 日本整形外科学会「胸椎椎間板ヘルニア」
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ヘルニアの種類と後遺症に再生医療という新たな治療法を解説 ヘルニアには数多くの種類があります。代表的なヘルニアは椎間板ヘルニアです。 椎間板ヘルニアは、誰しも発症する可能性がある疾患の1つです。椎間板ヘルニアでは強い症状で悩んでいる場合などに手術療法を行います。しかし、場合によっては手術よりも、その後の後遺症に困ることがあり、注意が必要です。 本記事では、ヘルニアの種類と症状、そして再生医療と呼ばれる最新の治療方法について解説します。特に椎間板ヘルニアに不安がある方や、手術後の後遺症でお困りの方はぜひ参考にしてください。 ヘルニアの種類 ヘルニアとは、体の中にある臓器や器官などが本来あるべき部位から出てきてしまった状態です。さまざまな種類のヘルニアがありますが、ここでは代表的なヘルニアについて紹介します。 椎間板ヘルニアとは 椎間板ヘルニアとは、数多くある背骨の骨と骨の間の、椎間板と呼ばれる組織が飛び出した状態です。若い男性に比較的多い疾患であり、タバコを吸うことで発症しやすくなります。 椎間板には骨と骨とをつなぐクッションのような役割がありますが、飛び出すと周りにある神経を圧迫してさまざまな症状が出現します。 椎間板ヘルニアの症状 首(頚)にある椎間板が飛び出せば頚椎椎間板ヘルニアと呼ばれ、手のしびれや痛みなどの症状が現れます。 また、胸部や腰部の椎間板ヘルニアはそれぞれ胸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。 椎間板ヘルニアの検査 椎間板ヘルニアを診断するためにはMRI検査やCT検査、レントゲン検査などを行います。MRI検査は神経の状態をチェックするのに優れており、椎間板ヘルニアを診断するために最も重要な検査です。 椎間板ヘルニアの治療方法 椎間板ヘルニアの治療は、手術以外の治療(保存療法)と手術療法の大きく2つに分けられます。 保存療法 一般的に、椎間板ヘルニアは痛み止めの飲み薬や注射、コルセットなどの装具療法やリハビリなどで改善することが多いです。 椎間板ヘルニアの治療 ・痛み止めの飲み薬や注射 ・コルセットなどの装具療法 ・リハビリ しかし、椎間板による神経圧迫の根本的な治療ではないため、再発する可能性が高いです。 手術療法 しびれや痛みなどの症状が強い場合や保存療法では改善しない場合などには手術療法を検討します。 手術療法は、目で見て確認しながら治療できるというメリットがありますが、体にかかる負担や入院が必要となるケースも多く、患者さんの苦痛になりやすいというデメリットもあります。 また、椎間板ヘルニアの手術にはリスクがある場合もあります。手術の際に脊髄と呼ばれる背中の神経を傷つけてしまうと、手や足のしびれ、感覚異常などの脊髄損傷による症状が現れます。 当クリニックでは脊髄損傷に対して有効な最新の再生医療を用いた治療を行っています。 鼠径ヘルニア 鼠径ヘルニアは、いわゆる脱腸の状態です。症状としては、太ももの付け根にある筋肉のすき間から腸がお腹の外に飛び出して、膨らみや痛みを感じる疾患です。 先天性により生まれつき鼠径ヘルニアがある場合や、重い荷物を持つ、排便する時にお腹に力を入れる、年を取ることなどが原因で発症する場合もあります。 鼠径ヘルニアは、触診や超音波検査、CT検査などで診断します。そして基本的には手術療法でのみ治療できます。 発見したら速やかに手術をしないといけないわけではありませんが、脱腸がお腹の中に戻らなくなる嵌頓(かんとん)という状態となり、激しい痛みが出て腸が腐ってしまう場合があるため、早めに手術をしておくのがおすすめです。 原因 ・先天性(生まれつき) ・重い荷物を持つ ・排便時にお腹に力を入れる ・加齢 大腿ヘルニア 大腿ヘルニアの症状は、鼠径ヘルニアの近くから腸がお腹の外に脱出する疾患です。やせ型の高齢女性に多く見られます。 鼠径ヘルニアよりも嵌頓する危険性が高いため、速やかな手術療法が望ましいです。 臍ヘルニア 臍ヘルニアは、一般的に「でべそ」と呼ばれる状態です。 子どもの場合、産まれた時にへその緒がついている部位が閉じきれなかった場合に臍ヘルニアになります。また、大人では肥満、妊娠などが原因で臍ヘルニアを発症することもあります。 子どもでは成長とともに改善する場合も多いです。一方で大人の場合は改善することはほとんどなく嵌頓する危険性も高いため、基本的には手術を行います。 原因 ・子供:出産時、へその緒が閉じきれなかった場合 ・大人:肥満、妊娠など 再生医療 再生医療とは、自身の体を再生する力(治癒力)を利用した最新医療です。例えば、怪我をした時に自然にかさぶたができてやがて元の状態に戻っていきますが、再生医療ではこのような自然治癒力を利用しています。 近年、さまざまな医療分野の最先端の治療法として再生医療が用いられています。当クリニックでは、椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して再生医療である幹細胞治療を行っています。 再生医療「幹細胞治療」とは 幹細胞とは、さまざまな細胞に変化できる細胞のことです。まわりの細胞が傷ついたり細胞の個数が減ったりした時に、幹細胞が分裂してその細胞の代わりとなります。 幹細胞には、軟骨や皮膚などさまざまな細胞に変化できる分化能と呼ばれる機能があります。 当クリニックでは、お腹の脂肪(米粒2粒程度)を採取して幹細胞を培養し、規定量にまで増やしてから患部に戻す体への負担も少ない方法です。 自身の脂肪や血液を用いて再生医療を行うため、アレルギーや拒絶反応が起こりにくく、安全性が高いというメリットがあります。 当院独自の培養方法 当クリニックの幹細胞の培養方法は、一般的な医療機関で行われる冷凍して保存する方法とは異なり、冷凍せずに都度培養することで新鮮な幹細胞を投与することが可能です。 新鮮で元気、質の良い幹細胞を多く投与するほど治療効果が高いと報告されています。当クリニックは、独自の技術により幹細胞を1億個以上、増やせるため、高い治療効果を見込むことができます。 また、培養には余分な薬剤や不純物を使いません。さらに牛などの代替血液を用いません。ご自身の血液を用いて細胞を培養するためアレルギーや拒否反応などの合併症も極めて少ないです。 椎間板ヘルニアの術後後遺症に再生医療という選択肢 代表的なヘルニアの1つが椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは手足の痛みやしびれなどの症状が現れ、日常生活を送りにくくなる疾患です。 まずは保存療法を行いますが、改善が見られない場合や強い症状に悩む時には手術療法を選択するのですが手術後に手や足のしびれが残存したり、感覚異常などの術後、後遺症が出ることがあるため注意が必要です。 当クリニックでは、幹細胞を脊髄損傷部位に直接投与する脊髄腔内ダイレクト注射療法という国内でもほとんど行われていない最新の治療法で神経を再生することを目指しています。 一般的な再生医療では点滴によって細胞を体に戻しますが、損傷部位に到達する細胞は少なくなってしまいます。当クリニックの治療法では細胞を直接投与するためすべての細胞が損傷部位に到達でき、再生医療による効果がより期待できます。 治療自体は注射を行うのみであり数分で終了します。注射にともなう痛みも強くないため気軽に受けられる治療法です。また、幹細胞の点滴も同時に行えばさらに治療効果を期待できます。 椎間板ヘルニアの術後後遺症には、最新の再生医療である幹細胞治療がおすすめです。当クリニックでは独自の培養技術により高い安全性と効果をかねそなえた治療を数多く行っています。ご不明点がございましたらご遠慮なくお問合せ下さい。 https://youtu.be/4AOGsB-m63Y?si=sQ9ws8CluU_SRVWQ まとめ・ヘルニアの種類と再生医療の適応について ヘルニアは様々な種類があり、その中でも代表的な椎間板ヘルニアは比較的発症する可能性が高い病態です。保存療法での治療もできるものの、症状が強い場合には手術が必要となることもあります ただ手術は、術後に後遺症が残るケースも少なくありません。 そこで、注目されているのが再生医療です。再生医療はご自身の幹細胞を培養し、身体の治癒力を活用して再生を即す治療法です。当クリニックでは、椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して、最新の再生医療である幹細胞治療をお勧めしています。 この治療法は、幹細胞を直接損傷部位に投与することで高い効果を期待できます。また、治療自体は注射のみであり、身体にも優しく、安全性が高いとされています。 椎間板ヘルニアの術後後遺症に悩む方にとって、再生医療は新たな希望となるかもしれません。当クリニックでは独自の技術と豊富な経験を活かし、患者様の健康と快適な生活のために最善の治療を提供しています。 気になる点やご相談事がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。 椎間板ヘルニアの術後後遺症にお困りの方はぜひご相談ください。 ▼ヘルニアの手術の後遺症についても参考にされませんか 椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について
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胸椎椎間板ヘルニアとは?その症状と原因、治療について 胸椎椎間板ヘルニアをご存知でしょうか? 椎間板とは、背骨の間のクッションとなる組織です。それが、つぶれたり、変形したりして飛び出てしまうことを、椎間板ヘルニアと呼びます。ヘルニアとは、“飛び出る”という意味です。 人の背骨は全部で24個あります。これらのうち、首(頸椎)の背骨が7個、胸の背骨が12個、腰の背骨が5個あります。この胸の背骨の間にある椎間板がこわれて飛び出てしまうことを、❝胸椎椎間板ヘルニア❞と呼びます。 今回は、そんな胸椎椎間板ヘルニアについて解説していきます。 胸椎椎間板ヘルニアの原因と症状は? 椎間板の加齢による老化や、過度なスポーツが原因で引き起こる、胸椎椎間板ヘルニア。 胸椎椎間板ヘルニアの症状は、脚に出てきます。太ももやふくらはぎのしびれ、痛みが出ることがあります。脚の力が入らなくなったり、歩き方がおぼつかなくなったりします。最悪、歩けなくなることもあるので注意が必要です。 また、背中の痛みを感じることもあります。さらに、脇に放散する痛みがあることもあります。これを、肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。中には、背中や肋間神経痛は出ず、脚の症状だけが出ることがある人もいます。 胸椎椎間板ヘルニアの特徴は? 胸椎椎間板は、胸の背骨(胸椎)にできます。実は、胸椎のヘルニアは珍しい疾患で、首や腰のヘルニアよりも起こりにくい疾患です。 これは、胸椎が、肋骨とつながっていて安定している為です。その為、胸椎は首や腰にくらべて椎間板のストレスが少なく済み、椎間板ヘルニアが起こりにくいのです。 胸椎椎間板ヘルニアは、胸椎の下の方に多いと言われています。これは、背骨が前後に曲がって、バネのようになっているからです。 背骨は曲がっていることで、上下方向にバネのように動かすことができます。ちょうど、胸椎の下はバネが曲がるところなので、ストレスが多くかかります。その為、胸椎椎間板ヘルニアの好発部位となります。 肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)について 胸椎の椎間板の脇から、肋骨に沿って神経が出ています。この神経を肋間神経とよびます。この肋間神経が圧迫されると、肋骨に沿ったしびれや痛みが出ます。 よって、胸椎椎間板ヘルニアが肋間神経を圧排すると、肋間神経に沿ってしびれや痛みを生じます。その為、脇の下にしびれが走ることが多くなったら、胸椎椎間板ヘルニアを疑いましょう。 実はこわい、胸椎椎間板ヘルニア!? 実は、胸椎椎間板ヘルニアはとてもこわい病気でもあります。放っておくと、急に脚が動かなくなる可能性すらあります。 胸椎椎間板の後ろには、脊髄があります。脊髄は手足を動かす神経の大もとです。これが、椎間板ヘルニアで押されると、急に脚が動かなくなることがあります。 しかも、胸椎はもともと神経の通り道がせまいのです。その為、軽い椎間板ヘルニアであっても、症状が出やすく悪化しやすいと言われています。 急に尿や便が出ないことも!? また、胸椎椎間板ヘルニアの特徴として、尿を出したり、便を出したりする力がだめになることがあります。これは、胸椎の後ろを通る脊髄に、尿を出したり、便を出したりする自律神経を扱う部位がある為です。 その神経を障害されると「急に尿や便がでない!」といった症状が出ます。 胸椎椎間板ヘルニアの診断方法は? 適切な治療を受ける為には、適切な診断が必要です。実は、胸椎椎間板ヘルニアは診断が難しく、見逃されてしまうケースも多い病気です。診断には整形外科を受診しましょう。 レントゲン撮影やMRI画像検査で診断をおこないます。特に、MRIは椎間板がよく見えるので、確定診断につながります。 胸椎椎間板ヘルニアって、予防できる?薬で治るの? 残念ながら、有効とされる予防方法はありません。また、ヘルニアを治すのみ薬も現在ありません。 また、脚の動きが悪い場合は手術となるケースも多く、脚の運動障害は、薬や運動、鍼灸などでは改善することはできません。ですので、早めの病院への受診をしましょう。 まとめ・胸椎椎間板ヘルニアとは?その症状と原因、治療について 椎間板の加齢による老化や、過度なスポーツが原因で引き起こる、珍しい疾患の胸椎椎間板ヘルニア。 胸椎椎間板ヘルニアは、背骨の胸の部分にある椎間板が飛び出すことで引き起こされ、症状は脚のしびれや痛み、背中や脇の痛みとして現れることが多いです。特に胸椎は安定しているため、首や腰に比べてヘルニアが起こりにくいのですが、一度発症してしまうと身体に深刻な影響を及ぼしかねません。 胸椎椎間板ヘルニアは、脊髄を圧迫することで脚の力が入らなくなります。最悪の場合は歩行困難、尿や便の排出が困難になることもあります。症状が進行すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、生活の質が著しく低下する恐れがある怖い病です。 太ももやふくらはぎのしびれ、痛みが脚に出てきたり、脚の力が入らない、歩き方がおぼつかないなどの症状を感じたら、胸椎椎間板ヘルニアを疑ってみましょう。軽い椎間板ヘルニアであっても、症状が出やすく悪化しやすいと言われています。 診断は整形外科を受診し、レントゲンやMRI検査を行います。特にMRI検査は椎間板の状態を詳しく把握できるため、欠かせません。今起こっている症状を軽視せず早めの受診をおすすめします。 実は残念なことに、胸椎椎間板ヘルニアを予防する確実な方法はないのが実情で、治療薬も現状ではありません。そのため、症状が出た場合は早期の診断(検査)と早めの治療が必要です。場合によっては手術が必要となることもあり、放置すると症状が悪化するリスクが高まるので注意が必要です。 このように胸椎椎間板ヘルニアは放っておくと危険な病気です。脚や背中に異常や違和感を感じたら、早めに医療機関を受診し、専門的な診断と治療を受けましょう。 放っておくと、急に脚が動かなくなる可能性すらある怖い胸椎椎間板ヘルニアです。 自身の健康を守るためにも、体のサインに気をつけましょう。 ▼以下も参考にしていただけます 胸椎椎間板ヘルニア|入院期間や費用について
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