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くも膜下出血後の生活|手術と入院期間、治療後のリハビリを詳しく解説 「くも膜下出血の手術や入院について詳しく知りたい」 「くも膜下出血の後の生活はどのように送ればいい?」 このような悩みを抱えている方はいませんか? くも膜下出血は生活習慣病などが原因となり、突然発症する怖い病気です。大切なご家族が突然くも膜下出血になる可能性もゼロではありません。 具体的にどんな治療方法があり、入院期間はどのくらいなのか、治療後のリハビリの方法など気になる方もいることでしょう。 そこで今回は、くも膜下出血後の生活についてリハビリの方法を詳しく解説していきます。 くも膜下出血とは? くも膜下出血は、動脈瘤の破裂または頭部外傷などによって、くも膜と脳を取り囲む軟膜との間の、くも膜下腔と呼ばれる部位に出血が起こることで発症します。 発症すると重い頭痛を訴えますが、今までにないような頭痛を訴えて救急外来を受診した患者のうち、最終的にくも膜下出血を発症するのはわずか 10 %程度です。 関連する症状には、首の痛み、吐き気や嘔吐、羞明-しゅうめい-(異常に眩しさを感じること)などがあります。 くも膜下出血の手術について くも膜下出血の治療の一つとして手術を選択する場合があり、影響を受けた血管を修復し、動脈瘤が再び破裂するのを防ぐための手術を行います。 主に、「開頭クリッピング術」と「コイル塞栓術」と呼ばれる 2 種類の手術があります。 クリッピングとコイルのどちらを使用するかは、動脈瘤の大きさ、位置、形状などによって異なります。 コイルは、クリッピングよりも発作などの短期的な合併症のリスクが低いため、しばしば好まれる手術ですが、クリッピングよりも長期的な利点があるかは不明です。 ①血管内治療 : コイル塞栓術 血管内治療では、カテーテルと呼ばれる細い管を足や鼠径部の動脈に挿入し、血管を通って脳の動脈瘤に導きます。 次に、小さなプラチナコイルをチューブに通して動脈瘤に挿入し、動脈瘤がコイルで満たされると、再び破裂したりするのを防ぐことが可能になります。 ②開頭手術 : クリッピング クリッピングは開頭術とも呼ばれ、頭部に切り込みを入れ、動脈瘤の位置を特定します。そして、小さな金属製のクリップを動脈瘤の基部に取り付け、動脈瘤を密閉します。 時間が経つにつれて、クリップが配置された場所に沿って血管の内側の層が再生し、動脈瘤が永久に密閉され、再び破裂するのを防ぐことができます。 くも膜下出血の入院期間や費用は? 入院期間や費用に関しては、受ける治療内容や重症度によって左右されます。 治療内容に関しては手術以外にも保存治療もあります。また、コイルによる手術を受けた人は、クリッピング手術を受けた人よりも早く退院し、全体的な回復時間も短くなる可能性があります。 費用に関しては 3 割負担で 50〜70 万円程度と考えていいでしょう。手術内容や保険の内容によって以下のように異なります。 ・血管内コイル塞栓術:19〜55 万円 ・開頭クリッピング術:22〜65 万円 さらに、これらの種類の手術が緊急治療として行われる場合、入院期間は、受ける手術の種類よりも症状の重症度に大きく依存します。 どちらの治療を受けている場合でも、合併症を避けるために、しばらくの間注意深く監視する必要があり、基本的には、2 週間から 2 ヶ月程度は入院する必要があります。 くも膜下出血後の生活について くも膜下出血から元の生活に戻るまでの時間は、その重症度によって異なり、手や足の感覚の喪失や言語理解の問題(失語症)などの後遺症があるかどうかにも影響します。 重大な後遺症を残さないためにも早期のリハビリが必要 くも膜下出血後は少なからず後遺症が残るため、早期のリハビリが大切になります。 早期のリハビリ介入によって、くも膜下出血後の脳血管痙攣や再出血の頻度と重症度は軽減され、初期のリハビリテーションがいかに大切なのかわかります。 くも膜下出血のリハビリ方法 それでは具体的なリハビリ方法について以下の 3 つのステップに分けて説明したいと思います。 ①急性期 ②回復期 ③維持期 それぞれ詳しく説明していきます。 ①急性期リハビリ(治療後~14 日程度):廃用症候群の予防など 急性期には、身体の様々な機能がしにくくなり、褥瘡や足の血栓、感染症などさまざまな合併症が起こります。 また、ベッド上で動かず寝たきり状態になることで、筋肉が萎縮し衰え、関節が硬くなり運動機能が低下してしまうことを“廃用症候群”と言います。 この廃用症候群を予防するため、以下のようなリハビリを行います。 膝伸ばし運動 : 座った状態で片足の膝をゆっくり伸ばし、10 秒間保つ。 足の筋力運動 : 椅子に座り、背筋を伸ばして片足をゆっくり上げて下ろす 肩の上げ下げ運動 : 両肩を耳につけるイメージで、あげて下に落とす運動 手足の関節を動かす : 座った状態で手や足の関節を曲げて伸ばす 基本的には、座った状態でできる運動を行います。 ②回復期リハビリ: 日常生活動作の自立 急性期を脱し、病態や血圧が安定してきたら、症状の程度に応じて様々な回復期のリハビリに移りましょう。 日常生活を行う上で必要な基本動作が行えるよう運動機能を改善します。 基本動作の自立 : 寝返りをうつ、自力で座る、立つ 歩行訓練 : バランスを保つ、車いすへの移動、杖や歩行器などを用いた歩行練習 応用動作の訓練 : 手芸や工作、その他の作業 日常動作 : 食事やトイレ、着替え、入浴動作 さらに、食事ができるように嚥下機能を改善することも必要になります。 口の訓練 : 発声や舌・口・のどの筋肉を動かす運動 顔や首周りの訓練 : 首回りや肩の筋肉を動かす運動 間接的な嚥下訓練 : 水を含ませて凍らせた綿棒で喉の奥を刺激するなど 直接的な嚥下訓練 : ゼリーや水などの食物を用いる飲み込みの練習 そして、高次機能の改善としては以下のような特殊な訓練を行います。 ・風船、積木などの物を用いた訓練 ・繰り返し動作の練習 ・行動の順序を確認する練習 日常生活の動作に適応するためのリハビリを行っていきます。 ③維持期のリハビリ : デイサービス 維持期は、回復期で得た運動機能などを損なわないように機能を維持するために行うリハビリです。 ・生活の中の日常動作 ・散歩や軽い運動 維持期は生活期とも言われ、日常生活の中で取り戻した運動機能を低下させないように気をつける必要があります。 例えば、食事や着替え、入浴などはなるべく自分で行い、定期的に散歩やストレッチなどを行いましょう。 日帰りでリハビリなどの施設に通う、デイサービスなどもあります。ぜひ活用しましょう。 まとめ・くも膜下出血後の生活にはリハビリが欠かせない いかがでしたでしょうか。 今回は、くも膜下出血の手術後の生活について詳しく解説しました。くも膜下出血には大きく 2 種類の手術がありますが、重症度や治療内容によって入院期間や費用も異なります。 入院期間を短くして早く元の生活に戻るために欠かせないのが、入院時点で行う早期のリハビリです。完全に元の生活に戻るにはどうしても長期間かかり、なかなか根気強く続けるのが難しいかもしれませんが、続けることが大切です。 今回の記事がご参考になれば幸いです。 No.098 監修:医師 坂本貞範
最終更新日:2023.06.30 -
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女性のくも膜下出血は男性の2倍のリスク!今日から始める本気の予防策について 「女性の方がくも膜下出血になりやすいってほんと?」 「女性がくも膜下出血にならないための予防策について知りたい」 女性は、動脈瘤性くも膜下出血の発生の危険因子として認識されています。 そこで今回は、女性に「くも膜下出血」が多い理由や予防策について説明しますので、ぜひ参考にされてください。 くも膜下出血|女性は男性の2倍もの危険性! 女性は、くも膜下出血の発生の危険因子として認識されています。 日本におけるくも膜下出血は、【男性:女性= 1 : 2 】で、女性に多くみられ、男性では 50 歳代がピークですが、女性の場合は 50 〜 70 代に多く、ピークは 70 歳後半となります。 では、なぜ女性に多いのでしょうか。いくつか要因を見ていきましょう。 出産や女性ホルモンの変化は、くも膜下出血の発症リスクを高める 動脈瘤性くも膜下出血 の発生率は、男性よりも女性の方が 50 % 高くなっています。 このような性別の差が考えられる理由には、女性特有の出産の繰り返し、ホルモン要因などが考えられます。 出産を繰り返すと、くも膜下出血のリスクが増加します。これは、おそらく妊娠による高血圧と分娩中の血管の緊張によるもので、血管が弱くなり、動脈瘤の形成につながる可能性があるためです。 また、女性ホルモンの血中レベルはくも膜下出血のリスクに影響を与える可能性があります。 女性ホルモンであるエストロゲンには、くも膜下出血の原因となる動脈硬化を抑える作用があると言われていますが、特に 50 歳以上の女性においてエストロゲンが減少します。 したがって、女性ホルモンが減少する閉経後の高齢女性のリスクが高くなります。 女性はストレスを感じやすい また、女性の方がストレスを感じやすく、特に高齢になると女性ホルモンの分泌量の変化によって、気持ちが不安定になりがちです。 ストレスを溜め込んでしまうと、くも膜下出血のリスクとなります。 くも膜下出血、その他の危険因子は? くも膜下出血 (SAH) は誰にでも発生する可能性がありますが、最も一般的に 40 歳から 60 歳の間の人々に影響を及ぼします。 ただし、女性では 70 歳台でリスクが高まります。 くも膜下出血の可能性を高めるリスク要因には、次のようなものがあります。 くも膜下出血発症リスクを高める危険性 ・脳または体の他の場所にある未破裂の動脈瘤 ・以前に破裂した脳動脈瘤の病歴 ・喫煙 ・高血圧 ・線維筋性異形成(FMD)などの結合組織状態 ・多発性嚢胞腎の病歴 ・過度のアルコール飲酒歴 ・ワーファリンなどの血液希釈剤の使用 ・動脈瘤の家族歴 最も気をつけなければならないのが高血圧です。高血圧を誘発するものも原因となり得ます。 男性も必見!今日からできる、くも膜下出血の予防! では、そんな危険因子に立ち向かう予防策について、考えていきましょう。 主に生活習慣の改善を行うことで、そのリスクを抑えることができます。それぞれ詳しく説明していきましょう。 禁煙する 喫煙は高血圧の直接的な原因ではありませんが、くも膜下出血のリスクを大幅に高めます。 特に、女性は喫煙に対して男性よりも深刻な影響を受けやすくなっています。 喫煙は高血圧と同様に、動脈を狭くし、喫煙者で血圧が高いと動脈が急速に狭くなり、将来くも膜下出血になるリスクが劇的に高まります。 血圧コントロール 男女問わずに高血圧の方は、血圧コントロールを行いましょう。 高血圧の方は正常な方に比べ、くも膜下出血の発症リスクが 2~3 倍も高くなります。 ストレスケア 意外と知られていないのがストレスです。ストレスは血管を傷つけてしまい、くも膜下出血の原因となり得ます。 リフレッシュしてストレス発散するなどし、日頃からストレスを溜めないように工夫しましょう。 定期的に運動する 定期的な運動をすることで、心臓と血管を良好な状態に保ち、血圧を下げます。定期的な運動は体重を減らすのに役立ち、血圧を下げるのにも役立ちます。 成人は、毎週少なくとも 1 ~ 2 時間程度の有酸素運動 (サイクリングや早歩きなど) を行う必要があります。 身体活動には、スポーツからウォーキング、ガーデニングまで、あらゆるものが含まれます。運動にはリフレッシュ効果があるので、ストレスケアにも効果的です。 カフェインを減らす コーヒーを 1 日 4 杯以上飲むと、血圧が上昇する可能性があります。 コーヒー、紅茶、またはコーラや一部のエナジードリンクなど、カフェインが豊富な飲み物が好きな場合は、量を減らすことを検討してください。 バランスの取れた食事の一部としてお茶やコーヒーを飲むことは問題ありませんが、適度に飲むことが重要です。 まとめ・くも膜下出血|女性は男性の2倍のリスク!今日からしたい本気の予防策! いかがでしたでしょうか? くも膜下出血は、男性よりも女性の方がおこりやすく、これには女性ホルモンが関与していると考えられています。また、女性は出産やストレスを抱えやすく、喫煙に対しても影響を受けやすいため、日頃から対策することが大切です。 その他、動脈瘤や高血圧などの他の健康状態や生活習慣も関与しているため女性はもちろんの事、男性も注意していただきたい思います。 くも膜下出血予防するためには、生活習慣の改善が重要です。禁煙や血圧コントロールはもちろん、ストレスケア、定期的な運動、コーヒーをはじめとしたカフェインの摂取量に注意しすることが大切です。 そのためにも日ごろから生活習慣の見直しや改善、定期的な健康診断を受けて、ご自身の健康管理に努めてください。 今回の記事を参考にしていただき、症状や予防策に関して知っていただければ幸いです。 No.S097 監修:医師 加藤 秀一 ▼こちらも参考にされませんか くも膜下出血の原因と症状!予後とその生存率 について
最終更新日:2024.03.29 -
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くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は危険です! 「首の後ろの痛みを伴う頭痛がある場合、くも膜下出血の可能性がある!」というのは本当でしょうか? くも膜下出血は、脳を覆う薄い組織との間の領域で起こる出血です。この領域は、くも膜下腔と呼ばれます。くも膜下出血は、緊急を要する病気であり、発症後の迅速な診察と治療が必要な病気です。 この病気は、突然起こる「激しい頭痛」で気づくことが多いですが、「首の痛みを伴う頭痛」など、くも膜下出血の危険なサインにも注意が必要です。 そこで今回は、「くも膜下出血の前兆」や、頭痛が起こる場所のなかでも首の痛みを伴う場合の対処についてご説明します。ぜひご参考にしてください。 くも膜下出血の前兆 くも膜下出血は、くも膜下腔(くも膜と脳を取り囲む軟膜との間の領域) への出血です。症状としては、急速に発症する「重度の頭痛」、「嘔吐」「意識レベルの低下」、また「発熱のあるときに発作」が含まれる場合があります。 前兆から発症まで くも膜下出血の典型的な症状は、頭を蹴られたような、今までに経験したことのないような激しい頭痛で、数秒から数分かけて発症します。この頭痛は、しばしば後頭部に向かって起こり、吐き気や嘔吐が伴う場合もあります。 首の凝りや首の痛みを伴う頭痛も比較的一般的であり、首の痛みや、肩こりは「くも膜下出血の前兆」として現れます。 前兆|症状 ・急に起こる重度の頭痛 ・吐き気、嘔吐 ・意識レベル低下 ・発作(発熱時) ・首の痛みや、肩こり、などの違和感 前兆から発症までどのような症状を伴うのか、詳しくみていきましょう。 首の痛みを伴う頭痛がある時は、くも膜下出血を疑う 首のこりや、首の痛みを伴う頭痛は「くも膜下出血」に比較的一般的な症状ではありますが、鑑別すべき病気もあります。 例えば、「くも膜下出血」で起こる頭痛や肩こりは「髄膜炎」の症状に似ており、区別する必要があります。また、約 3 分の 1 の人は特徴的な頭痛以外の症状がない場合もあります。 通常、髄膜炎にはある発熱や発疹はくも膜下出血には見られません。 ただ錯乱、意識レベル低下または昏睡などの重篤な症状も首のこわばりや、その他の髄膜炎の兆候と同様に、存在する可能性があります。 同じ症状でも区別が必要 ・くも膜下出血:頭痛、肩こり、こわばり、錯乱、意識レベル低下、昏睡 ・髄膜炎:頭痛、肩こり、こわばり、錯乱、意識レベル低下、昏睡、+発熱や発疹 髄膜炎との区別にはMRI検査が重要 症状だけでは区別が難しい場合もあり、その場合は、病院で詳しく調べる必要があります。 MRI検査では、脳内の出血を検出でき、血管に染料を注入して動脈と静脈をより詳細に表示し (造影MRI検査)、血流を強調して調べることもできます。 CT検査でもわからない時にくも膜下出血の徴候を見つけることができます。 首の痛みを伴う頭痛がある時の対処法は? 首の痛みを伴う頭痛がある場合は、くも膜下出血の前兆である可能性が高いため、急に頭を動かしたり、以下のような行動は避けましょう。 これらの行動はくも膜下出血を誘発する恐れがあります。 くも膜下出血を誘発しかねない ・くしゃみ ・強い咳 ・過度な運動 病院へ行くべき危険な兆候は? くも膜下出血の症状は状況によって緊急度は異なる場合もあります。 雷鳴のような頭痛がある他に、特に以下のような症状がある場合は大変危険です。すぐに最寄りの病院に行きましょう。 病院へ行くべき兆候 ・意識と注意力の低下 ・吐き気と嘔吐 ・混乱や過敏性 ・めまい ・明るい光で目が過敏になる ・首と肩の筋肉痛 ・体の一部のしびれ ・発作 ・複視、盲点、片目の一時的な視力低下など、視力の変化 頸部硬直は、くも膜下出血の最初の発症から 6 時間後に現れます。瞳孔の散大と対光反射の消失は、頭蓋内圧の上昇による脳ヘルニアを反映している可能性があります。 眼が下方および外側を向いており、同じ側のまぶたを持ち上げることができない場合は、動眼神経の異常があり、後交通動脈からの出血を示している可能性があります。 発作がある場合、脳動静脈奇形などの病気が隠れている可能性もあります。 入院して安静にすることも大切 時には、入院して安静にして、リスクとなる血圧などの管理を徹底しましょう。自然に首の痛みを伴う頭痛は良くなるケースもありますが、血圧が高いとくも膜下出血のリスクとなり得るため、血圧管理を徹底します。 くも膜下出血のよくあるQ&A 最後に、首の痛みを伴う場合のくも膜下出血に関するよくある質問についてQ&Aでまとめました。 Q,くも膜下出血で首が痛くなるのはなぜ? A,頭の中に出血があることで、頭の中の圧力が上がり、これによって脳が圧迫されて痛みが出ます。 Q,首の痛みがある場合、どのように他の病気と区別しますか? A,他に原因がないのに、首の凝りと激しい頭痛を経験した場合、くも膜下出血の兆候である可能性があります。 CT検査は、脳の周りの血液とそれに続く可能性のある問題を検出できます。さらに、出血の原因を明らかにするために造影剤を用いてより詳しく検査できます。 さらに、MRI検査は、頭の内部の詳細な画像をとることができ、出血やその他の血管の問題を特定するのに役立ちます。 まとめ・激しい頭痛!くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う頭痛は危険! くも膜下出血は非常に危険であり、長期的な回復は発生する可能性のある合併症に依存します。特に、突然の首の痛みを伴う頭痛は、くも膜下出血を発症する前兆とも捉えられます。 くも膜下出血は、緊急を要する病気であり、発症後の迅速な診察と治療が必要です。この病気の前兆や典型的な症状、そして対処法について知っておくことが重要です。 首の痛みや、肩こりなどで違和感がある場合は、くも膜下出血を疑うべきなのですが、同じような症状で髄膜炎といった他の病気と区別も必要です。 そのためにはMRIや、CT検査が大切な役割を果たし、病院で詳しい検査や治療が必要です。症状が進行する場合や特定の兆候が見られる場合は、すぐに病院を受診することが大切です。 単なる肩こりや首の痛みなら自然に治るケースもありますが治らない場合は、くも膜下出血の可能性があります。首の痛みを伴う頭痛に関する質問や疑問には、ぜひ医療機関を受診し、ご相談ください。 今回の記事を参考にして、改めて前兆や対策に関して学んでおきましょう。 ご参考になれば幸いです。 No.097 監修:医師 坂本貞範 ▼くも膜下出血について更に詳しい内容は以下も参考にして頂けます くも膜下出血とは|その原因と治療、怖い再発について
最終更新日:2024.04.24 -
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くも膜下出血の原因と症状!予後とその生存率 について くも膜下出血 は、脳の周囲の空間に出血が起こることで引き起こされる生命を脅かす注意が必要な病気です。 そこで、今回はくも膜下出血の予後や生存率について詳しく解説していきます。 くも膜下出血の発症による高い死亡率 くも膜下出血は、破裂した動脈瘤、AVM(脳動静脈奇形)、または頭部外傷によって引き起こされる怖い病気です。ここ数十年間にわたって、くも膜下出血の予後は改善傾向にありますが、依然として高い死亡率のある病気とされています。 くも膜下出血の原因や症状は? くも膜下腔は、脳と頭蓋骨の間の領域であり、脳脊髄液で満たされ、脳を保護する浮遊クッションとして機能しています。 脳動脈瘤の破裂などにより、動脈壁が破裂し、脳のくも膜下腔に血液が放出されると、脳の内層を刺激し、脳への圧力を高め、脳細胞を損傷させてしまいます。 「くも膜下出血」の症状 ・激しい頭痛、突然の発症 ・吐き気と嘔吐 ・斜頸 ・光に対する過敏症(羞明) ・かすみ目または複視 ・意識の喪失 ・発作 くも膜下出血は病気以外、交通事故などによって、脳が頭蓋骨内で前後に衝突し、衝撃で血管が引き裂かれることでも、くも膜下出血は起こります。 くも膜下出血の生存率や平均余命について くも膜下出血の5年生存率は55%前後とされていますが生存率は年々改善しています。 くも膜下出血発症後の生存率は、その重症度と診断および治療の速さによって異なります。 一般に、未治療のくも膜下出血の 1 年死亡率は最大 65%もあり、これは治療を受けていない くも膜下出血患者の最大 65%が発症から 1 年以内に死亡したことを意味します。 ただし、適切な診断と治療を受ければ、1 年死亡率は約 18%まで下がります。 くも膜下出血の予後や見通しについて くも膜下出血の予後は非常に変わりやすく、初期のくも膜下出血の症状の重症度やおよびその他の合併症や損傷の有無に大きく依存します。 具体的な予後に関してですが、病院にたどり着いた人の中で以下のようなデータもあります。 ・3の1は病院で死亡する ・3 分の1は障害を待って生活する ・3 分の1が通常の機能に戻る このように、元の日常生活に戻るのはわずか30%程度となっています。 くも膜下出血の予後を左右する要因はある? くも膜下出血の予後は、次のようなさまざまな要因に左右されます。 くも膜下出血の予後要因 ・年齢 ・出血の場所と量 ・発症から治療までの時間 ・合併症 高齢で症状が重くなると、予後が悪化する可能性があります。 また、くも膜下出血が起こった部位や障害の程度によって、ある程度予後に影響を受けると考えられています。重度の外傷性くも膜下出血の人は、2倍の死亡リスクがあります。 くも膜下出血の予後を左右する可能性のある合併症は以下のとおりです。 くも膜下出血の予後を左右する合併症 ・発作 ・血管痙攣(脳の血管が狭くなり、血流が遮断される場合) ・最初の治療後に再び出血する ・水頭症(脳内の液体の蓄積) ・頭蓋内圧の上昇 ・脳ヘルニア ・脳梗塞(虚血性脳梗塞) 引き起こされる合併症により、予後を左右することもあります。 くも膜下出血の予後を改善するには? 患者が退院した後、重度のくも膜下出血発症後の個別化されたリハビリテーション療法を提供する施設で治療が継続される場合があります。 リハビリテーションを専門とする医師が、理学療法、作業療法、言語療法を含むリハビリ計画を立てます。 くも膜下出血後の患者が直面する一般的な問題には、身体的制限、思考や記憶の困難などがあります。 これは治療により時間の経過とともに消える可能性があり、 回復プロセスは長く、障害のレベルを理解し患者が機能を回復するには、数週間~数か月、または数年かかる場合があります。 くも膜下出血の再出血を予防する方法はある? くも膜下出血の大部分は、頭部外傷、または破裂した脳動脈瘤によるものです。 したがって、くも膜下出血の発生や再発を予防する最善の方法は、これら 2 つの状況のリスク要因を管理することです。 まず、頭部外傷を防ぐために、自転車やバイクに乗るとき、またはリスクの高いスポーツをするときは、常に安全を心がけてください。 転倒しやすい場合は、理学療法士または作業療法士と協力して、転倒を防ぐために自宅環境も整えましょう。 また、脳動脈瘤を発症するリスクを下げたり、既存の動脈瘤が破裂するのを防いだりするために、以下のような予防策があります。 クモ膜下出血の予防策 ・高血圧を管理する ・喫煙をやめる ・過度に重いものを持ち上げない(激しい運動やいきみは、動脈瘤の破裂を引き起こす可能性があります。) ・定期的に適度に運動する ・バランスの取れた食事を食べる 日頃から脳動脈瘤の発症リスクを下げたり予防をするなどして、リスク要因を管理することがとても大切です。 まとめ・くも膜下出血の原因と症状!予後とその生存率 について いかがでしたでしょうか? くも膜下出血は、依然として予後の悪い病気であり、早期の診断と治療次第では、重度の後遺症を残してしまいます。 早期の適切な治療を受けて、リハビリを行えば予後を改善できることがわかっているため、今回の記事を参考にして、改めて予後や改善策に関して学んでおきましょう。ご参考になれば幸いです。 No.S096 監修:医師 加藤 秀一 ▼以下の「くも膜下出血」の記事も参考にされませんか くも膜下出血とは?その症状と後遺症を医師が徹底解説!
最終更新日:2024.03.28 -
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くも膜下出血とは?その症状と後遺症を医師が徹底解説! くも膜下出血は、突然の激しい頭痛が特徴的であり、今まで感じた中で最悪の頭痛だと言う人もいます。 そして、後遺症がどのくらいで治るのか気になる方もいるかと思います。 そこで今回は、くも膜下出血の症状、後遺症について説明しますので、ぜひ参考にされてください。 くも膜下出血とは? くも膜下出血とは、脳の血管 (脳動脈瘤) の破裂によって引き起こされる非常に深刻な状態であり、脳と周囲の膜との間の空間(くも膜下腔)に出血があり、致命的になる可能性があります。 脳動脈瘤が破裂すると、脳への血液供給が低下することで、脳の正常な機能が損なわれてしまいます。 脳動脈瘤が発生する理由は正確にはわかっていませんが、次のような特定の危険因子が関与していることがわかっています。 発症の危険 ・喫煙 ・高血圧 ・過度のアルコール摂取 ・頭部外傷 喫煙や高血圧は動脈硬化のリスクを高め、脳の動脈瘤や破裂を引き起こします。 また、重度の頭部外傷はくも膜下出血を引き起こす可能性がありますが、これは外傷性くも膜下出血として知られる病気です。 くも膜下出血は前兆なく突然起こる病気ですが、血圧の急激な変動や頭痛や吐き気、意識レベルの低下など特徴的な前兆があることがわかっています。 また、咳や、重いものを持ち上げる、性行為などの肉体的な激しい行動や緊張をきっかけにくも膜下出血が発生することがあります。 くも膜下出血の症状 くも膜下出血の主な症状は次のとおりです。 くも膜下出血の症状例 ・今まで経験したことのない突然の激しい頭痛 ・極度の疲労感や気分不良 ・睡眠の問題 ・感覚や運動障害 ・光に対する過敏症(羞明) ・かすみ目、または複視 ・脳梗塞のような症状(ろれつが回らない、体の片側の麻痺など) ・意識消失、または痙攣 くも膜下出血の後に頭痛が起こることがよくありますが、時間の経過とともに緩和する傾向があります。 また、最初の数か月間は、極度の疲労を感じるのが普通であり、買い物に行くなどの簡単な作業でも、疲れを感じることがあります。また、不眠症や睡眠不足を訴える場合もあります。 さらに、手足の動きが悪くなったり、感覚がなくなったり、視覚や嗅覚、味覚に変化が現れる方もいます。 しかし、これらの変化は通常一時的なものであり、脳の腫れが引くにつれて通常、数か月かけて徐々に改善するため、治ったと勘違いしてしまう危険性があります。 くも膜下出血の治療や合併症は? くも膜下出血が疑われる人は、病院でCT検査を行い、脳の周囲に出血の兆候がないか確認して治療を行います。 通常、短期的な合併症を防ぐために薬が投与され、出血源を修復する治療が行われることがあります。 また、くも膜下出血は、治療を行う際に以下のような短期的および長期的な合併症を引き起こす可能性があります。 くも膜下出血の合併症 ・水頭症 ・出血 深刻な併症には、動脈瘤の再出血や、脳への血液供給の減少によって引き起こされる脳の損傷によるさまざまな機能低下があるため、合併症を起こさない治療が大切です。 くも膜下出血の後遺症にはどんなものがある? くも膜下出血は、適切な治療を早期に受けても後遺症が残る場合があります。 一般的に多くみられる後遺症 くも膜下出血は治療後の回復も、時間がかかるものであり、次のような後遺症が発生するのが一般的です。 くも膜下出血の後遺症 1.運動麻痺 右か左の手足が動かしづらくなる 2.感覚障害 痺れや脱力感 3.嚥下障害 物が飲み込みづらい 4.視野障害 半分の空間がうまく認識できない 5.高次脳機能障害 言葉がうまく話せない、理解がうまくできないなどの失語症、注意・集中ができない 6.認知や行動の障害 物事をうまく実行できない、最近の出来事を直ぐ忘れてしまう その他にみられる後遺症 そのほかにも次のような後遺症が現れることもあります。 くも膜下出血、後遺症 ・歩行不安定、尿便失禁 ・てんかん繰り返す発作 ・記憶などの認知機能障害 ・うつ病などの気分の変化 特に、認知機能障害はくも膜下出血の一般的な後遺症であり、ほとんどの人がある程度影響を受けます。 記憶の問題に関しては、発症前の記憶は通常影響を受けませんが、新しい情報や事実を思い出すのが難しくなります。 気分や思考にみられる後遺症 また、以下のような気分や思考の問題も現れます。 1.うつ病 気分が落ち込み、希望がなく、人生を楽しむことができない 2.不安障害 何か恐ろしいことが起こるのではないかという絶え間ない不安と恐怖感 3. 心的外傷後ストレス障害 (PTSD) 人は悪夢やフラッシュバックを通じて以前の外傷的出来事を追体験することが多く、孤立感、過敏性、罪悪感を経験することがある。 このような後遺症は、長期化するケースも稀ではなく、治療後のリハビリなどが重要になります。 くも膜下出血の後遺症を残さないための予防やリハビリについて くも膜下出血から回復するのにかかる時間は、その重症度によって異なります。 特に出血の部位は、手足の感覚の喪失や言語理解の問題(失語症)などの後遺症にも関連します。 治療後のリハビリ計画 そこで、治療後は急性期〜回復期にかけて理学療法士の下で実施されるリハビリ計画は、影響を受けた手足の感覚と動きを回復するのに役立ちます。 ・リハビリ専門医 脳損傷による機能回復を専門とする医師 ・理学療法士 エクササイズやマッサージなどの特定の技術の専門家 ・言語療法士 コミュニケーションの問題を認識し、治療を支援する専門家 ・作業療法士 着替えなどの日常生活で発生する可能性のある問題を特定する専門家 上記のようなさまざまな職種が関わっています。 くも膜下出血再発リスクを減らす予防法 また、治療後にくも膜下出血の再発リスクを減らすためにできることがいくつかあります。 再発リスクを減らすために ・禁煙や飲酒制限 ・定期的な運動 ・健康的な食事(減量など) まずは、喫煙や過度の飲酒などの生活習慣を改めましょう。 毎日同じ時間に起きて寝るという日課を設定して、定期的な運動も行いましょう。また、リラクゼーションの時間も取っておく必要があります。 くも膜下出血によくあるQ&A 最後にくも膜下出血に関するよくある質問についてまとめました。 後遺症がどのくらいで治るのか、仕事復帰の目安などについて解説します。 Q.くも膜下出血に特徴的な前兆はありますか? A.くも膜下出血に特徴的な前兆としては、血圧の乱高下があります。激しく上昇、下降する場合は可能性が高いです。また脳梗塞などと同じように頭痛や吐き気などの前兆が現れることもあります。 Q.後遺症を残さずに仕事復帰はできますか? A.くも膜下出血で後遺症なく仕事復帰できるのは、3~4割程度といわれています。完全に後遺症を残さないためにはリハビリが大切になります。 まとめ・くも膜下出血とは?その症状と後遺症について!医師が徹底解説! いかがでしたでしょうか? くも膜下出血は、突然起こると思われがちですが、血圧の変動や頭痛など特徴的な前兆があるため、少しでも不調があれば病院を受診することが大切です。 くも膜下出血は、突然におこる激しい頭痛が特徴的です。後遺症が残ることもあります。そのため、適切な治療や、リハビリのプランが重要になります。 喫煙や、高血圧といった危険因子を管理し、健康的な生活習慣を心がけることが再発を予防するポイントです。 また、後遺症の程度によっては、仕事復帰に時間がかかる場合もありますが、治療後のリハビリは再発リスクを低減させて、回復を早めるためにも大切ですので医療機関の指導の下、前向きお取組みされることをお勧めします。 いずれにしましても、くも膜下出血で後遺症を残さないためには早期治療、そしてリハビリが大切です。 今回の記事を参考にして症状や、後遺症などについて少しでも参考になれば幸いです。 No.094 監修:医師 坂本貞範 ▼くも膜下出血、以下の記事も参考にされませんか くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は危険!
最終更新日:2024.04.24 -
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くも膜下出血|その症状と原因、怖い再発について解説します 「くも膜下出血」は、脳と、くも膜の間に出血した血が溜ることをいいます。尚、くも膜とは、脳の周りを保護している3層の膜(硬膜、くも膜、軟膜)の一つです。 「脳」に関する病気は、死亡を伴う、命を落とす危険性が高いため、とても怖いものです。その意味で「くも膜下出血」も脳に関わる怖い病気の一つです。 ちなみに、この疾患は中年期40代以降から、発症リスクが高まるほか、男性よりも女性に多く発症しています。特に、喫煙や飲酒といった習慣がある場合や、高血圧の場合は、発症するリスク、その確率が高くなるとされています。 くも膜下出血が起こると激しい頭痛がおこるほか、死亡に至らずとも重い後遺症が残る可能性が高いことが知られていますが、実際には具体的なことは「よく知らない!」という人も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回は、くも膜下出血の症状や原因、治療方法などの概要に合わせて、再発予防の観点からも、その注意点を紹介してまいりましょう。 くも膜下出血の症状 くも膜下出血を発症した際の症状で、代表的なものとして挙げられるのが「頭痛」です。くも膜下出血に場合、痛みは徐々に訪れるのではなく、数秒でピークに達するのが特徴です。 症状としては、これまでに経験したことがないような激しい頭痛で、大げさではなく「ハンマーで思いっきり叩かれたような痛み」が突然起こるという具合に例えられています。脳内での出血量が少ないと痛みも少ないのですが、出血量が多くなると痛みも強なりく、意識障害を引き起こすケースも少なくありません。 また、くも膜下出血によって脳が圧迫されると脳細胞が破壊されてしうことで「麻痺やしびれ、言語障害などの後遺症」が残るケースは珍しくありません。 そこで、これまで体験したことのない激しい痛みが突然、頭に覚えた場合は、大至急、救急車の手配など緊急で医療機関の受診が必要であることを忘れてはなりません。意識がある状態で病院に到着することが生死を分けると言います。 ぜひ前兆や初期症状を見逃すことなく対応下さい。 くも膜下出血の特徴 ・急激な頭痛 ・経験したことのない激しい痛み ・意識障害が起こる可能性も ・後遺症つぉいて「麻痺やしびれ、言語障害」が起こる可能性がある くも膜下出血の原因 くも膜下出血は、「激しい頭痛に見舞われる」「後遺症が残る」など、危険で怖い病気の一つです。くも膜下出血の原因は、脳動脈にできる瘤(こぶ:脳動脈瘤/のうどうみゃくりゅう)にあります。 血管には、膜が薄く弱い部位あります。その弱い部位が強い血流を受けると膨らんで瘤ができてしまいます。その瘤に、高い血圧がかかるなどした場合に破裂してしまうのが「くも膜下出血」です。 脳動脈瘤は血流が強くなる部分、血管が分岐している箇所などにできやすいのが特徴です。 くも膜下出血の治療 くも膜下出血の治療法は、原因となる脳動脈瘤が再び破裂しないように、頭痛や後遺症が発症するのを防ぐことが目的になります。ただし、脳動脈瘤を小さくしたり、脳動脈瘤を消したり、無くしたりする方法は無いことから、脳動脈瘤へ血液が流れないようにする手術的治療が行われます。 脳動脈瘤へ血液が行かないようにする手術方法として代表的なものの一つは、開頭して行う手術で動脈本管と動脈瘤がつながっている部分(ネック)を専用のクリップで挟む「ネック・クリッピング」という治療法です。 また、二つ目に、脳動脈瘤のなかに血液が入らないようにするために、開頭をせずに血管を使ってカテーテルを動脈瘤まで進め、破裂した部位にプラチナ製のコイルを詰める方法があり「コイル塞栓術」という治療方法になります。 いずれの治療法であっても必要なのは術後の経過観察です。定期的な診察を受けることが大切です。 くも膜下出血の治療(手術) ・ネック・クリッピング(開頭) ・コイル塞栓術(血管から) くも膜下出血が危険で怖い理由は「再発」です くも膜下出血が起こった際に適切な治療が行われても安心してはいけません。くも膜下出血は、非常に恐ろしく危険な病気だと呼ばれるのは、「命にかかわる病気であること」、そして何よりも「再発率の高さ」が挙げられます。 その「再発には前兆」があります。そこで再発を防ぐために気を付けて欲しいことを記しました。 くも膜下出血を発症した場合、治療を受けることは当然ですが、それに満足しないでください。その後、再発しないように気をつけることが重要なテーマになります。くも膜下出血の再発を防ぐためには、その前兆を知っておき、常日ごろから注意するという意識が大切です。 今回は、「くも膜下出血の再発の前兆」と題して既に発症し、治療をうけたものの再発に注意すべき人に向けて、覚えておいて欲しい点を解説しました。また、併せて発症後の後遺症に対してもご説明してまいります。 1.くも膜下出血の再発の前兆、初期症状「動眼神経麻痺」とは くも膜下出血の再発の前兆、初期症状として代表的な症状が目に現れます。それが動眼神経麻痺」です。動眼神経麻痺とは、片方の瞼が開かなくなって、両目で物を見ようとすると物が2つに見えるようになる状態をいいます。 動眼神経麻痺は、大きくなった動脈瘤が動眼神経を圧迫するために起こります。そのため、「動眼神経麻痺になってしまうと動脈瘤が大きくなっている可能性があるります。 この動脈瘤が破裂してしまうと、くも膜下出血が再発してしまう可能性があるいため、この症状を忘れないでくださいす。また、大きくなった動脈瘤は動眼神経だけではなく、「視神経を圧迫」することもあります。 そうなると視力が低下したり視野が欠けたりするケースもあるのでそのような症状に気が付いたときは、何よりも早く病院で脳外科、脳神経外科などの医療機関を受診し、治療を受けてください。 動眼神経麻痺の特徴 ・両目でモノを見るとモノが二つに見える ・視力の低下 ・視野が欠ける 2.くも膜下出血の再発の前兆、初期症状「頭痛」に注意 動眼神経麻痺のほかにも、くも膜下出血の再発の前兆、初期症状として「頭痛」があります。視野の乱れと共に起こることがあり、くも膜下出血が再発する兆候として頭痛も疑って欲しいと思います。 その症状を感じた場合は、すでに少量の出血が生じている可能性が高いため、早急に治療すべきとの意識を持ってください。この際に「軽い頭痛」についてご注意ください。 初期症状として頭痛の程度はそれぞれで、例えば「軽い頭痛」の場合、「くも膜下出血」の再発の前兆とは考えずに見過ごしてしまいかねないことがあります。軽い頭痛であっても異常を感じたら念のため病院へ向かいましょう。 受診する際には、過去の既往症として「くも膜下出血を発症した」という情報を与えなければなりません。そうで無い場合、単なる風邪などと診断されてしまうケースが少なくないからです。 ついては、過去に「くも膜下出血」を発症したことがあるなら、重い軽いに、関わらず頭痛がある場合には明確に「過去、くも膜下出血を患った」という情報を伝えるようにすることが大切です。 その他にも症状を感じたなら、「いつもと違う」「初めての痛み」などと、症状の内容を詳しく医師に伝えるよう努めてください。 くも膜下出血の再発の前兆 ・動眼神経麻痺 ・めまい ・視力低下 ・頭痛(症状は様々、軽い場合も要注意) くも膜下出血の再発を防ぐのは定期的な検査 ここまで「くも膜下出血の再発防止」のために、知っておきたい前兆について記してまいりましたが、再発防止には定期的に検査を受けることが非常に重要です。 くも膜下出血の原因となる動脈瘤を検査で発見することができれば、動脈瘤が破裂してしまう前に処置することができるからです。くも膜下出血を発症して10年くらい経過してから治療した動脈瘤が再び大きくなったり、新しい動脈瘤ができて破裂したりする可能性もあります。 一度検査して問題なかったからと安心や、油断をせずに定期的に検査を受けるようにしましょう。 再発を防ぐために ・定期的な検査を受け続けることが何より大切 まとめ・くも膜下出血とは|その原因と治療、怖い再発について くも膜下出血の特徴について簡単に分かりやすいようにご紹介しました。発症時にハンマーやバットで突然殴られたような激しい頭痛に見舞われること。再発率が非常に高いため、くも膜下出血を経験したなら再発防止にも力を入れる必要があること等をご説明しました。 また、くも膜下出血は、危険です。死亡を免れても後遺症が残る可能性が高いとても怖い病気です。ここで記したような症状を感じたらすぐに病院の脳外科や、脳神経外科等の専門医療機関を受診してください。 手術による方法としては「ネック・クリッピング」や、「コイル塞栓術」というものがあります。 また、治療後であっても再発率は高いため、くも膜下出血の前兆を知っておくことは大切です。早期に対処すれば再発を防ぐ可能性が高まります。何度も申しますが何か頭に違和感を感じたら迷わず医療機関を頼りましょう。 ただ、くも膜下出血が早期に発見され、適切な処置を受けた場合でも麻痺や痺れといった障害が残る可能性が高いのが現実です。 障害については治療後、リハビリに励むことで改善を目指せますが慢性期に移行すると機能の回復は困難となり、最終的に身体を動かせなくなってしまいかねません。 そんな、くも膜下出血の後遺症でお困りの方へ再生医療の可能性を伝えることができればと考えています。興味があれば以下のリンクをクリックして下さい。 以上、くも膜下出血とは、その原因と治療、怖い再発について、記させていただきました。ご参考にしていただければ幸いです。 No.S053 監修:医師 加藤 秀一 ▼ 再生医療で脳卒中の治療する 脳卒中(脳梗塞、脳内出血)は、再生医療による幹細胞治療で復活を目指せます ▼こちらも参照されませんか くも膜下出血"女性は男性の2倍ものリスク!今日からしたい本気の予防策!
最終更新日:2024.03.28 -
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脳卒中の3つの症状と治療法!脳梗塞の再発を予防するコントロール方法について 厚生労働省によると、脳卒中は、2018年の1年間における死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万8,186人で全体の7.9%を占め、死因の上位から4番目という結果となっています。 その翌年、2019年においても、10万6,552人で全体の7.7%となり、こちらも2018年同様に死因の上位から4番目という結果になっています。 脳血管疾患で亡くなった方のうち、60%にあたるおよそ7万人の方が脳梗塞で亡くなっており、一命を取り留めたとしても、後遺症である麻痺が残り、寝たきりになってしまう場合も少なくない怖い病気です。 しかし以前、1950年頃より約30年間、脳卒中は日本人の死因の第1位でした。 少しではあるものの順位が下がったのは、1960年頃より脳卒中発症において最大のリスク原因である高血圧に対する治療が広く行われるようになり、脳卒中の発症を一定以上抑制することが可能になったからです。 また、脳梗塞の発症直後に閉塞した血管を再開通させ、神経細胞死を防止する血栓溶解薬(t-PA)が日本でも認可(2005年)され、さらにカテーテルで脳血管を閉塞している血栓を除去する血管内治療も認可(2010年)されるなど、脳卒中直後の超急性期において神経細胞死を防ぐ治療法も進歩してきました。 脳卒中の兆候を見つけたら即病院を受診 ・脳卒中は、その兆候を発見したら直ちに病院へ向かいましょう。 ・早期に治療を開始することで「後遺症が軽くなる可能性」があるからです。 治療を行うには検査が必要となり、その検査に1時間程度必要ですので症状を発見したら早急!遅くとも2時間以内を目処に速やかに病院で受診すべきです。この時間が症状を左右する可能性があります。 病院ではまず、問診、診察、採血、胸部レントゲン、心電図、頭部CT、頭部MRI、頸動脈エコー、心エコーなどの検査を行います。検査の結果、脳卒中と診断されると次は治療に移ります。 脳卒中の中でも「脳出血」、「くも膜下出血」、「脳梗塞」など各症状別に治療法は少し異なり、点滴や飲み薬による脳血流改善、血栓をできにくくする抗凝固療法や抗血小板療法、脳梗塞後に脳内で発生する活性酸素などの有害な物質を除去して、脳の障害を予防する脳保護薬の使用などがメインで行われます。 また、血圧、体温、脈拍などの全身状態の管理も行い、併せて日常生活動作の改善を目的としてリハビリも行います。 脳卒中の3つの症状とその治療法 1)脳出血 高血圧が脳出血の原因になることが多いので、降圧薬(血圧を下げる)を投与します。また、出血を止めるために止血剤を使用されることもあります。 さらに、出血によって脳が圧迫されるので、浮腫をとるための薬剤(抗浮腫剤)も投与します。また出血量が多い場合には、命にかかわる事もあるので、開頭手術によって血のかたまりを取り除く手術を行うこともあります。 2)くも膜下出血 脳の血管にできた「こぶ」が破裂して出血するので、破裂した部位をふさぐ手術をします。手術の方法は2通りあります。 開頭クリッピング術 頭の骨をはずして、「こぶ」の根元を洗濯ばさみのような道具(クリップ)ではさんでふさぎます。 血管内コイル塞栓術(動脈瘤塞栓術) 「こぶ」の中にコイルと呼ばれる細い金属をいれて「こぶ」全体をふさいでしまいます。カテーテルという細いストローのような道具を使って血管を通し、「こぶ」までコイルを運ぶので、開頭手術をすることはありません。 3)脳梗塞 脳梗塞は、脳の血管の動脈硬化が起きた部位に形成された血栓、あるいは心臓で出来た血栓によって脳の血管が詰まり脳が壊死してしまうものです。 脳梗塞がおこってから4.5時間くらいまでを超急性期といい、この時間内に詰まった血管を再開通させることができると、劇的に症状が改善する可能性があります。 脳梗塞がおこってから48時間以内であれば、血が固まるのを抑制する抗凝固薬を投与します。 脳梗塞の急性期のみに施行される治療には「t-PA」という点滴や、血管内治療などがあります。これらの治療を受けるには、発症してからの経過時間をはじめ、さまざまな条件があります。 それらをクリアする必要があり、そのため脳梗塞で病院に来られた方の2~5% (100人中で2~5人)程度しか、この治療は行われていません。 さらに、ルールを守って使っても 6%(100人に6人)程度の確率で症状が悪化するような脳出血を生じます。 うまくいけば劇的に症状が改善する一方で、効果が期待できなかったり、症状が悪化したりする可能性がある治療法であることを知っておいていただければと思います。 t-PA:組織型プラスミノゲン・アクティベーター(tissue-type plasminogen activator:t-PA) こちらの薬を点滴して血栓を溶かし、脳の血流を再開させます。t-PAを使用することで、3ヶ月後に自立した生活を送れる患者さんが、使用しなかった時と比べて約50%増加するとされています。 脳梗塞により脳神経細胞が死に至る経過は早く、適切なタイミングを逃すと、出血などの合併症で逆に症状が悪化する危険があります。基本的には発症してから4.5時間以内に治療が開始できる患者さんに限り、治療の対象となります。 (t-PAは2005年10月から日本で認可され、発症後3時間以内の患者さんを対象に使用されていましたが、2012年9月より対象となる治療間が4.5時間に延長されています。) 血管内治療 脳梗塞の血管内治療は、発症してから8時間以内の患者さんが対象となる治療です。 細いビニールの管(カテーテル)を足の血管から挿入して、脳の血管へ進めて、血管の詰まりの原因となっている血栓を溶解したり、回収したりして、閉塞した脳血管を再度開通させます。 具体的な方法として、カテーテルを閉塞した血管に導入し、血栓溶解剤(ウロキナーゼ)を投与する方法、バルーンを閉塞した血管に留置し血栓を破壊する方法。 また、メルシーリトリーバーという、先端がらせん状になっている柔らかいワイヤーで、脳の血管をつめている血栓をからめとって回収する方法。 ペナンブラという血栓を吸引する器具で、まるで掃除機のように血栓を吸引し回収する方法(柔らかい血栓も回収することが可能)などがあります。 t-PA療法の注意点 問題点としては、t-PA療法の適応対象となる時間「4.5時間」が強調されるあまり、「4.5時間を過ぎた場合は治療してもあまり意味がない」と誤解されることが多く、専門病院への受診を躊躇されるケースもみられます。 また発症時刻がはっきりとわからない場合では、発見から早急に病院へ搬送してもt-PA療法の適応とならないことがありました。しかし2019年3月より、頭部MRI検査で「発症からあまり経過していない可能性が高い」という所見がみられる場合には、t-PA療法を検討できるようになりました。 そして、脳卒中専門の病棟であるSCU(脳卒中ケアユニット)で従来使用される薬を用いた治療や急性期のリハビリテーションを積極的に行うことで、発症後4.5時間を過ぎて来院された患者さんでも良い治療効果が現れることも少なくないので時間にかかわらず専門施設でしっかりとした初期治療を始めることが重要です。 脳梗塞の再発予防 一度脳梗塞を起こすと再発しやすい傾向があり注意が必要です。統計的には脳梗塞発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%もの人が再発しています。 そこで、脳卒中の再発を予防するには、まず生活習慣の改善を行うことです。脳卒中の危険因子とされている高血圧や喫煙、多量の飲酒、糖尿病、肥満、運動不足などは脳卒中の発症の危険性が高まります。 医師、薬剤師、栄養士など専門職の指導に従い、規則正しい生活や禁煙、減塩や減量に取り組みましょう。 また再発予防として、抗血栓薬を処方されることがあります。脳卒中の原因によって処方される薬剤は違い、心臓が原因で発症した心原性脳塞栓症には抗凝固薬が、心臓以外の原因(血管由来)の非心原性脳梗塞には抗血小板薬が使用されます。 ①具体的な再発予防~危険因子のコントロール~ 脳卒中の危険因子は、再発の危険因子でもあります。過去に一度脳卒中を発症しているということは、すでに危険因子があるということなので、十分注意をしましょう。 脳卒中の危険因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、多量飲酒、肥満、喫煙、運動不足などです。これらを予防し、さらにコントロールしていくことが再発予防につながりますので、以下のようなことを心がけましょう。 禁煙 文字通りタバコを止めましょう 塩分の取り過ぎを控える 成人男性8g未満、女性7g未満で高血圧患者では6g未満 減量 標準体重を知ってダイエットを行う 食事に気を付ける 毎日5種類以上の野菜(350g/日以上)、魚、果物の摂取 減塩、低カロリー、低コレステロール入浴 節酒 アルコール換算20g程度(日本酒1合程度)に抑える 既往症に注意する 高血圧、脂質異常症、糖尿病、心臓病などがある場合には適切に治療する 運動 適度な運動を行う、ストレスや疲労をやめない 定期健診 定期的に健診を受け、血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖などをチェックする 水分を取る 脱水症状にも注意 ②具体的な再発予防~定期的な検査~ 脳梗塞が治まった後も年に1回程度専門病院へ行き、検査を受けることが重要です。CT、MRIの他に頸部の血管を検査する頚動脈エコーも脳梗塞再発予防には有用です。 ③具体的な再発予防~服薬継続~ 再発予防のためには、処方された薬をきちんと服用することも大切です。主治医の指示に従って、正しく継続して服用しましょう。なお、服用中に副作用が現れるなど気になることがある場合は、すぐに相談しましょう。 まとめ・脳卒中の3つの症状と治療法!脳梗塞の再発を予防するコントロール方法 脳卒中の治療には、手術・点滴・内服薬などがあります。 これらの中で内服薬な自分で管理をする必要があります。ところが、処方された量を決められた日数できちんと飲みきる人は意外と多くありません。実際のところ、薬を飲み残してしまう理由の大半は単なる飲み忘れです。 服薬カレンダーの使用や一包化するといった工夫で、その時間帯に服用すべきお薬を選ぶのは容易ですが、定刻に服薬することを思い出すことは、高齢者にとっては難しい面もあります。 定刻に服薬することを思い出すためには、お知らせ機能付きのピルケースやスマートフォン・携帯を利用してアラームや通知を設定し、飲み忘れを防ぎましょう。 以上、脳卒中の3つの症状とそれぞれの治療法、再発を予防する具体的なコントロール方法について解説にしました。参考にしていただければ幸いです。 No.S024 監修:医師 加藤 秀一 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の先端治療法として脚光を浴びています ▼以下のご覧いただけます 脳卒中の治療!リハビリについての予後予測 1.くも膜下出血とは?その症状と後遺症を医師が徹底解説! 2.脳梗塞になりやすい人とは?発症や再発予防で注意しておくべきこと 3.脳出血の初期症状をセルフチェック!早期治療で後遺症を残さない
最終更新日:2024.03.28