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「肩を動かすたびに痛みが走る…」このような症状でお悩みではないでしょうか。 肩の痛みは、多くの方が真っ先に五十肩を思い浮かべがちですが、実はインピンジメント症候群という別の疾患の可能性もあります。 この2つは症状が似ているため、自己判断は困難です。 しかし、原因や治療法が異なるため、正しい診断を受けて治療を受けることが痛みの早期改善につながります。 本記事では、インピンジメント症候群と五十肩の違いについて、医師の視点から詳しく解説します。 さらに、ご自宅でできるセルフチェック方法や、それぞれの症状に適した対処法もご紹介しますので、「この痛みの正体を知りたい」「適切な治療を受けたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。 インピンジメント症候群と五十肩の違い インピンジメント症候群と五十肩は、どちらも肩の痛みを引き起こしますが、その原因や症状には明確な違いがあります。 最も大きな違いは、肩の動かしやすさにあります。インピンジメント症候群の場合、痛みはあるものの肩を動かすことは可能です。 一方、五十肩では肩の可動域が著しく制限され、動かしたくても動かせない状態になります。 以下の表で、両者の主な違いを比較してみましょう。 項目 インピンジメント症候群 五十肩(肩関節周囲炎) 主な症状 腕を上げる時の痛み 肩の可動域制限と痛み 可動域 痛みはあるが動く 著しく制限される 夜間痛 あり(とくに寝返り時) あり(じっとしていても痛む) 発症年齢 傾向なし(スポーツ選手に多い) 40〜60代 原因 肩峰下での組織の挟み込み 肩関節周囲の炎症・癒着 病期 明確な段階分けなし 炎症期→拘縮期→回復期 この違いを理解し、ご自身の症状がどちらに該当するか、ある程度の見当をつけられますが、正確な診断には医師による詳しい検査が必要です。 インピンジメント症候群とは インピンジメント症候群は、肩関節内で腱や滑液包(関節の動きを滑らかにする袋状の組織)が骨と衝突し、炎症を引き起こす疾患です。 「インピンジメント(impingement)」は挟み込みや衝突を意味する英語で、まさにその名の通り、肩の中で組織が挟み込まれることによって痛みが生じます。 この症状の最大の特徴は、腕を横から上に上げる動作(外転動作)で強い痛みが現れることです。 とくに、腕が水平よりやや上の位置(60〜120度の範囲)で痛みがピークに達する「ペインフルアーク」と呼ばれる特徴的な症状を示します。 夜間痛も非常に特徴的で、寝返りを打った際や、痛む側の肩を下にして寝ようとした時に激痛が走ります。 これは、横になることで肩峰(肩甲骨の突起部分)と上腕骨頭の間のスペースがさらに狭くなり、炎症を起こした組織が圧迫されるためです。 テニスや水泳など腕を頭上に上げるスポーツ選手に多く見られますが、最近では長時間のデスクワークや猫背などの悪い姿勢による発症も増加しています。 猫背が続くと胸の筋肉が硬くなり、肩甲骨の位置がずれて筋肉バランスが崩れ、組織が骨に挟まれやすくなります。 また、40代以降は肩峰の形状変化や腱の柔軟性低下により発症しやすくなります。放置すると日常生活に支障をきたすため、早期の専門医受診が重要です。(文献1) 五十肩(肩関節周囲炎)とは 五十肩は、「肩関節周囲炎」や「凍結肩」とも呼ばれる疾患で、肩関節の周囲にある関節包や滑液包に炎症が生じ、最終的に癒着を起こすことで肩の動きが著しく制限される疾患です。(文献2) 「五十肩」という名前は、50代の方に多く発症することから付けられましたが、実際には40〜60代の幅広い年齢層で見られます。 五十肩の最大の特徴は、肩の可動域が段階的に制限されることです。 初期には痛みが主な症状ですが、徐々に肩が硬くなり、最終的には腕を上げることも後ろに回すこともできなくなります。 五十肩は3つの病期に分かれて進行します。 炎症期(急性期):この時期はジンジンする痛みが特徴で、悪化すると夜間痛が強く現れます。じっとしていても痛み、睡眠が妨げられることも少なくありません。肩を動かそうとすると激痛が走るため、自然と動かさなくなります。 拘縮期(慢性期):炎症による激しい痛みは徐々に和らぎますが、関節の癒着が進行し、可動域制限が顕著になります。痛みよりも「動かしにくさ」が主な症状となります。 回復期:癒着した組織が少しずつ緩み、可動域が改善していきます。ただし、完全に元の状態に戻るまでには相当な時間を要することが多いです。 五十肩の原因は完全には解明されていませんが、加齢による関節周囲組織の変性や、血流の悪化などが関与していると考えられています。 インピンジメント症候群との最大の違いは、五十肩では他人が強制的に腕を動かそうとしても動かない(他動運動の制限)ことです。 一方、インピンジメント症候群では、痛みはあるものの関節自体の可動域は保たれています。 セルフチェック|その痛みはインピンジメント症候群?五十肩? ご自宅で簡単にできるセルフチェック方法をご紹介します。 ただし、これらのテストはあくまで目安であり、正確な診断には医師による詳しい検査が必要です。 【インピンジメント症候群のセルフチェック】 セルフチェック方法 説明 ペインフルアークテスト 腕を体の横から頭上にゆっくりと上げてみてください。上げ始めは痛みが少なく、60〜120度の範囲で強い痛みが現れ、それを超えると再び痛みが軽減する場合は、インピンジメント症候群の可能性があります。 ホーキンステスト 肘を90度に曲げた状態で腕を前に伸ばし、そこから手首を下向きに回旋させます。この動作で肩の前面に痛みが生じる場合は陽性です。 夜間痛チェック 痛む側の肩を下にして横になった時に激痛が走る、または寝返りで目が覚めることが頻繁にある場合は、インピンジメント症候群の特徴的な症状です。 【五十肩のセルフチェック】 セルフチェック方法 説明 可動域制限テスト 腕を真上に上げる(屈曲) 腕を横から上に上げる(外転) 手を背中に回す(内旋) これらの動作で著しい制限がある場合は五十肩の可能性があります。 段階的悪化チェック 最初は痛みが主で、徐々に動かしにくくなった 夜間痛が強かった時期がある 現在は痛みより動きの制限が気になる このような経過を辿っている場合は五十肩の典型的なパターンです。 以下の症状がある場合は、より重篤な疾患の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。 腕や手に力が入らない しびれや感覚の異常がある 発熱を伴う 外傷後から症状が始まった 安静にしていても耐えがたい痛みが続く これらのセルフチェックで該当する項目が多い場合でも、自己判断での治療は避けてください。 とくに、五十肩とインピンジメント症候群では治療法が大きく異なるため、専門医による正確な診断が回復への近道となります。 原因と悪化させる生活習慣 インピンジメント症候群と五十肩の発症には、現代のライフスタイルが大きく関わっています。 とくに、長時間のデスクワークや不良姿勢は、肩関節周囲の筋肉バランスを崩し、症状を悪化させる主要な要因となります。 ここからは、インピンジメント症候群や五十肩を引き起こしやすい生活習慣について詳しく解説します。 要因を理解し、日常生活で意識的に改善して症状の予防や悪化防止につなげましょう。 姿勢・デスクワークの影響 現代社会では長時間のデスクワークが一般的ですが、この環境こそが肩の痛みを引き起こす最大の要因です。 パソコン作業のように同じ姿勢を長時間続けていると、肩関節周辺の筋肉が緊張し、血行不良を起こしやすくなります。 デスクワーカーの方は、1時間に1回は席を立ち、肩甲骨を意識的に動かすストレッチを行いましょう。 また、モニターの高さや椅子の調整により、自然と良い姿勢を保てる環境を整えることも重要です。 加齢・ホルモン・代謝疾患の関与 加齢による身体の変化も、肩の疾患発症に大きく関わっています。 40代以降になると、関節周囲の組織が衰えます。その結果、腱や靭帯の柔軟性が低下し、関節軟骨の摩耗も修復機能も衰えてきます。 そのため、若い頃なら自然に治癒していた軽微な損傷も蓄積され、やがて痛みや機能障害として現れます。 また、更年期を迎えた女性では、エストロゲン(女性ホルモン)の減少が関節周囲組織に影響を与えます。 エストロゲンには抗炎症作用があるため、その分泌が減少すると炎症が起こりやすくなり、五十肩の発症リスクが高まります。 そして、糖尿病を患っている方は、五十肩の発症率が高いことが知られています。(文献3) 高血糖状態が続くと、肩の動きを補助する腱板の損傷部分も血行不良になり、五十肩を引き起こす要因となってしまいます。 加齢やホルモンの変化は避けられませんが、自己管理と医師のサポートにより肩の疾患のリスクを軽減していきましょう。 治療の選択肢と期待できる期間 肩の痛みの治療には、症状の程度や患者さんの生活スタイルに応じてさまざまな選択肢があります。 大きく分けて保存療法と手術療法、そして近年注目されている再生医療があります。 多くの場合、まずは保存療法から始めて、効果が不十分な場合に他の治療法を検討するのが一般的ですが、それぞれの治療法について解説します。 保存療法:薬・注射・リハビリ 多くの肩の疾患で最初に選択される治療法です。以下の表にまとめました。 治療法 解説 薬物療法 痛み止めや筋弛緩薬により症状を緩和します。 注射療法 ステロイド注射やヒアルロン酸注射で直接的に炎症を抑制します。 ただし、ステロイド注射は1カ月に2〜3回程度に制限されます。 理学療法・リハビリテーション 関節の動きの改善、筋力強化、姿勢矯正を行います。 即効性はありませんが、根本的な改善が期待できる重要な治療です。 全体として、保存療法による症状の改善には3~6カ月程度を要することが多く、患者様には継続的な治療への理解と協力が必要です。 再生医療(PRP・幹細胞)の可能性 五十肩など肩の痛みに対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。 再生医療では、主にPRP(多血小板血漿)療法と幹細胞治療の二つがあります。 PRP(多血小板血漿)療法とは、自己血液から血小板を濃縮した成分を注入する治療法です。 一方、幹細胞治療とは、脂肪由来あるいは脊髄由来の幹細胞を用いる治療法です。他の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を、注射や点滴によって患部に届けます。 重度の症例でも適応となる可能性があり、手術を避けたい方にとって選択肢の一つとなるでしょう。 再生医療について知りたい方は以下のページリンクをご覧ください。 予防とセルフケア|今日からできること 肩の痛みは日常生活のちょっとした工夫で予防できることが多く、症状が出現してからでも適切なセルフケアにより悪化を防げます。 ここでは、今日からすぐに実践できる方法を簡単にご紹介します。 まず、姿勢の改善を意識しましょう。モニターは目から40cm以上離し、画面を見る角度は水平視線より下の15〜20度に調整しましょう。 椅子は座面の高さを調整でき、背もたれを活用して耳・肩・骨盤が一直線になるよう意識します。 日本人の平均座位時間は世界最長の7時間とされており、長時間の座位は疾患リスクを高めるため、こまめに立ち上がることが重要です(文献4)。 ストレッチでは、振り子ストレッチ(Codman体操)をやってみましょう。 肩をリラックスさせて立つ 体を前に傾けて痛みのある方の腕を下げる 机などに反対の手をついて体を支える 痛む側の腕を小さな円を描くように振る 前後左右に10回転ずつ行う 症状が改善してきたら徐々にスイングの直径を大きくしていきます。 このストレッチは重力を利用して肩関節の可動域を改善するため、五十肩やインピンジメント症候群の両方に効果が期待できます。 ただし、必ず痛みのない範囲で、無理をしないでください。 まとめ|最短で肩の痛みから解放されるには 肩の痛みに悩まれている多くの方が「五十肩だろう」と自己判断されがちですが、実際にはインピンジメント症候群の可能性も十分に考えられます。 本記事でお伝えした通り、この2つの疾患は症状が似ているものの、原因や治療法が大きく異なります。 二つの違いを見分けるには、以下のポイントが重要です。 インピンジメント症候群は「痛みはあるが動く」 五十肩は「動かしたくても動かない」 セルフチェックである程度の判別は可能ですが、正確な診断には専門医による詳しい検査が不可欠です。 治療方法は保存療法の他に再生医療もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療専門のクリニックとして、一人ひとりの症状に応じた幅広い治療選択肢を提供しております。 「この痛みがいつまで続くのか不安」「仕事に支障が出て困っている」といったお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。 一日でも早く痛みから解放され、快適な日常生活を取り戻していただけるよう、全力でサポートいたします。 参考文献 (文献1) 順天堂大学医学部附属順天堂医院「インピンジメント症候群」順天堂医院ホームページ https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/seikei/disease/disease12.html(最終アクセス:2025年5月25日) (文献2) 日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html(最終アクセス:2025年5月25日) (文献3) 村木孝行.「肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン」『理学療法学』43(1), pp.67-72, 2016年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/43/1/43_43-1kikaku_Muraki_Takayuki/_pdf(最終アクセス:2025年5月25日) (文献4) 健康管理事業センター「デスクワーク中の正しい姿勢について」健康管理事業センターニュースレター,2024年2月 https://www.kenkomie.or.jp/file/newsletter/k_202402.pdf(最終アクセス:2025年5月25日)
2025.05.30 -
- 腱板損傷・断裂
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- 上肢(腕の障害)
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
- 再生治療
2024シーズンからメジャーリーグに挑戦している山本由伸投手は、右肩の怪我により離脱を余儀なくされています。ロサンゼルス・ドジャースとの大型契約で注目を集めた山本投手は、デビューシーズンから肩の怪我に直面することになりました。 本記事では、山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷の詳細や怪我をした原因、怪我の治療法まで詳しく解説します。 山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷とは? 腱板損傷とは、肩関節の安定性を保つために重要な4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱の総称「腱板」に損傷が生じる状態です。特にプロ野球のピッチャーは投球動作で肩に大きな負担がかかるため、この怪我のリスクが高まります。 山本由伸選手の場合、MLBデビューシーズンとなる2024年に右肩の腱板に損傷を負いました。これはオーバーユース(使いすぎ)や投球フォームの問題、あるいは急激な環境変化による負担増加などが複合的に影響した可能性があります。 腱板損傷は軽度の炎症から完全断裂まで症状の幅が広く、重症度によって治療法や復帰までの期間が大きく異なります。 山本由伸選手が怪我をした腱板損傷を含む野球肩の種類 プロ野球選手、特にピッチャーが抱える肩の怪我は多岐にわたります。ここでは山本由伸選手が負った腱板損傷を含む、野球選手に多い肩の怪我について説明します。 上腕骨骨端線離開(こったんせんりかい) 「リトルリーグショルダー」とも呼ばれ、成長期に起こる投球障害です。成長期における過度の投球により成長軟骨が損傷することで、投球時や投球後に痛みを生じます。 「動揺性肩関節症」は「ルーズショルダー」とも呼ばれています。上腕骨と肩甲骨の間にある靭帯などが先天的に緩い状態にあり、その状態で肩を酷使すると周囲の組織を損傷してしまい、肩の痛みや不安定感を覚えます。 肩甲上神経損傷 棘下筋を支配する肩甲上神経が投球動作により引っ張られる、あるいは圧迫されるなどによって損傷を起こし、肩の痛みや肩の疲労感を覚えます。 インピンジメント症候群 野球肩の中で最も多くみられる症状で、靭帯や肩峰に上腕骨頭が衝突することで腱板が挟まれ、炎症を起こすことで肩の痛みを生じます。 山本由伸選手が怪我をした原因 山本由伸選手の腱板損傷の原因については、複数の要因が複合的に影響していると考えられます。 まず第一に挙げられるのは、日本からメジャーリーグへの環境変化による影響です。MLBとNPBでは投球間隔やボールの違い、マウンドの状態など様々な差異があります。特にMLBのボールは表面が滑らかで縫い目が低く、日本のボールと比べてグリップ感が異なります。 また、投球フォームの問題も一因と見られています。山本選手の投球フォームは非常にパワフルですが、肩に過度な負担をかけるリリースポイントであったという指摘もあります。特に最大の武器である150km/hを超える直球を投げる際には、肩への負荷は相当なものとなります。 そして、投球数や登板間隔の管理の問題も指摘されています。メジャーリーグでは先発投手としての役割や期待が大きく、適切な休息をとれなかった可能性もあります。 山本由伸選手の怪我の治療法 山本由伸選手の腱板損傷に対する治療法には、いくつか種類があります。ここでは主な治療法について解説します。 保存療法 保存療法は、手術をせずに行う治療法の総称で、腱板損傷の初期段階でまず試みられるアプローチです。休息と投球制限が基本となります。 特に初期対応としては、炎症を抑えるためのRICE処置(Rest:休息、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)が重要です。また非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や、場合によっては炎症部位への局所注射なども行われます。 急性期を過ぎたら、段階的なリハビリに移行します。肩関節周囲の柔軟性回復のためのストレッチングから始め、徐々に肩甲骨周囲筋や腱板自体の筋力強化エクササイズへと進めていきます。 手術療法 保存療法で症状が改善しない場合や、腱板の断裂が大きい場合には手術療法が検討されます。現代では低侵襲な関節鏡視下手術が主流となっています。 関節鏡視下手術では、小さな切開から内視鏡と専用器具を挿入し、腱板の修復を行います。断裂した腱板を元の位置に戻し、アンカーと呼ばれる特殊な縫合糸で上腕骨に固定します。 大きな切開を必要としないため、術後の痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。手術後は肩を固定し、数週間の安静期間を経てから段階的なリハビリを開始します。 完全な競技復帰までは選手の状態や損傷の程度によって異なりますが、一般的には6〜9ヶ月程度を要します。 再生医療 最新の治療法として、再生医療のアプローチも注目されています。PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞治療などが、従来の治療法を補完する形で用いられるようになっています。 PRP療法では、選手自身の血液から濃縮した血小板を損傷部位に注入します。血小板に含まれる成長因子が組織の修復を促進し、治癒を早める効果が期待されます。 また幹細胞治療では、骨髄や脂肪組織から採取した幹細胞を利用して損傷した組織の再生を促します。これらの治療は手術の必要性を減らしたり、手術後の回復を早めたりする可能性があります。 まとめ|山本由伸選手が負った怪我には再生医療も有効! 野球選手にとって肩の怪我は避けられないリスクの一つですが、その中でも「野球肩」は一般的に起こりえる問題です。 野球肩とは、投球動作やバッティングなど、腕を激しく使うことで肩関節周囲の筋や腱、骨が損傷や炎症を起こす状態を指します。この野球肩には、腱板損傷、リトルリーグショルダー(上腕骨骨端線離開)、ルーズショルダー(動揺性肩関節症)、肩甲上神経損傷、インピンジメント症候群など、さまざまな種類があります。 各症状は投球時や日常生活での痛み、肩の不安定感、疲労感などを引き起こし、生活の質を大きく損なう可能性があります。従来の治療法としては、痛みの軽減や肩の安静を目的としたリハビリテーション、または重症の場合は手術が行われてきました。しかし、これらの方法は長期の休養が必要な場合も多く、選手にとって大きな負担となることがあります。 そこで注目されているのが「再生医療」です。 再生医療は、体への負担が少なく、手術や入院を避けることができるため、治療期間が短縮されるというメリットがあります。この治療法は、多くの有名野球選手も実績があり、スポーツへの早期復帰を目指すための画期的な方法として今注目の最新の治療方法です。 メジャーリーグのドジャースに所属する山本由伸選手も、ぜひ再生医療を用いた治療を考えてほしいものです。なぜなら、選手生命を護ることができるからです。 肩の痛みや違和感を感じたら、早めの受診と適切な診断を受けることが重要です。肩の怪我を適切に治療し、スポーツを続けるためには最新の医療情報を活用し、専門医の指導を受けることが肝要です。 スポーツ選手は自分を護るためにも再生医療といった最新の治療法を知ることも大切です。 早期の回復を目指せる再生医療は、肩の怪我に悩む野球選手の救世主となり得ます。再生医療に興味があれば豊富な実績で症例数をリードする当院までお問い合わせください。 山本由伸選手が負った怪我についてのQ&A 検査はどのようにするの? 投手の肩の怪我を診断するための検査は複数回行われます。 まずは肩の可動域や痛みの位置を確認します。次にX線検査で骨の状態を確認し、さらに詳細な検査のためMRIを実施します。 MRIでは軟部組織の状態を可視化でき、筋肉や腱、靭帯の損傷を詳細に把握できます。山本選手の場合もこれらの検査に加え、必要に応じて超音波検査やCTスキャンなどの追加検査が行われているでしょう。 山本由伸選手と同様の怪我の復帰時期はいつくらいですか? 山本選手のような投手の肩の怪我からの復帰時期は、怪我の種類と程度によって大きく異なります。 一般的に投球肩の炎症や軽度の筋肉疲労であれば2〜4週間程度で復帰できるケースが多いですが、腱板の損傷や関節唇(ラブラム)の裂傷などの重度の損傷では3〜6ヶ月以上の長期リハビリが必要になることもあります。
2024.06.18 -
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メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸選手が発症!肩腱板損傷とは? 負傷者リストに入ってしまったようで心配です。野球選手にも多い肩腱板の損傷についてその原因と治療法を詳しく説明いたします。 日常生活の中で何気なく動かしているように思う肩ですが、思わぬケガが原因で強い痛みが出たり、動かせなくなったりすることがあります。 スポーツ障害でも多い腱板損傷は、そのような状態を引き起こすもののひとつです。 今回は、その腱板損傷について詳しくご紹介します。 肩腱板損傷とは?その症状について 腱板は肩に存在する筋で、板のように広がっているので腱板といいます。 腱板を構成するのは「肩甲下筋腱」「棘上筋腱」「棘下筋腱」「小円筋腱」という4つの筋肉です。これらが肩の骨を囲み、肩関節の安定性に働きかける重要な存在です。 その腱板が部分的、または完全に断裂するのが腱板損傷です。主な症状は痛みですが、軽い場合もあれば、動かせないほどの激痛、夜間に起こる痛みなど程度に差があります。 部分的な断裂では、肩を動かせないということはあまりありません。損傷が激しい場合、腕が上がらなくなったり、肩が動かしにくいという症状が出ることもあります。 肩腱板損傷の原因とは? 腱板損傷の原因について見ていきましょう。腱板損傷の原因は大きく3つにわけられます。 外傷 腱板損傷の原因で多いのが外傷、つまりケガです。転んで肩を強く打つ、手をついたときに肩に衝撃が加わるというのが腱板を傷つけてしまうことがあるのです。 オーバーユース スポーツ医療でも注目される腱板損傷ですが、ケガというよりも肩の使い過ぎが原因のことが多いです。 その代表的なスポーツが野球です。何度も繰り返しボールを投げることで、肩関節や腱板に負荷がかかってしまうのです。 加齢によるもの 加齢によって腱板損傷が起こることもあります。年齢を重ねると腱や軟骨など、身体の組織も衰えてしまいます。そのため、自分でも気が付かないうちに腱板が傷ついていることもあるのです。 肩腱板損傷の治療法とは? 肩の腱板損傷の治療法をご紹介します。近年期待されている治療方法についても見ていきましょう。 保存療法 肩の腱板損傷の治療は基本的には保存療法です。急性期には三角巾で固定し、患部の安静を保ちます。痛みや腫れがある場合は痛み止めの注射やヒアルロン注射を行うこともあります。 また、腱板が損傷した状態で無理に動かすと再発したり、ひどくなったりすることがあるので、リハビリも大切です。 手術 保存療法で痛みが改善しない、損傷がひどく肩の動きが悪いという場合には手術を検討します。損傷した腱板を手術によって直接修復するというものです。 近年は関節鏡といって皮膚を大きく切らない手術が行われています。術後1~2週間ほどで痛みが落ち着くことが多いですが、正常な肩関節の状態に戻すにはリハビリ期間を含めて6か月程度かかることが多いです。 再生医療 これまで腱板損傷の治療は保存療法と手術がメインでした。しかし、手術となれば治療やリハビリを含めてスポーツ復帰までの期間が長くなります。 そんな中、近年、腱板損傷の治療法として再生医療が注目されています。 再生医療は、自身の脂肪から採取した幹細胞を肩腱板に注射します。そして幹細胞が傷ついた腱板や組織を修復するというものです。 外科的な手術をしないで治療できるため、治療期間の短縮も期待できます。 まとめ・メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸が発症!肩腱板損傷について 今回は肩の腱板損傷についてご紹介しました。 今回の山本由伸選手をはじめとして、肩を酷使する野球などのスポーツで使い過ぎによって肩の腱板が傷つくことがありますし、加齢によって腱板損傷を起こすこともあります。 プロの選手のように日常からケアをしていても、発症することがあるため、注意が必要です。プロ野球選手のように選手生命という問題がある場合は無理もできません。 そこで近年、治療法として注目を集めているのが再生医療です。特に幹細胞治療は、自分の幹細胞を用いるので、副作用のリスクが少なく、治療期間も短くて済むというメリットがありスポーツをされている方に最適です。 もちろん、再生医療はスポーツ選手ではなくとも有効です。 肩の痛み、肩の腱板損傷でお悩みの方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。 ▼肩の腱板損傷の回復を目指す再生医療とは https://fuelcells.org/treatment/shoulder/ ▼スポーツ選手の選手生命を護る再生医療をご存知でしょうか https://fuelcells.org/treatment/sports/
2024.06.18 -
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「腕を上げると肩が引っかかる」 「洗濯物を干す動作がつらい」このような肩の違和感が続くと、「インピンジメント症候群ではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。 インピンジメント症候群とは、肩の動きに関わる腱や組織が肩峰の下でこすれることで、腕を上げたときに痛みや動かしにくさが生じる状態です。放置すると症状が長引き、日常生活やスポーツへの復帰に影響を及ぼす可能性があります。 しかし、インピンジメント症候群は適切な評価と治療を行うことで改善が期待できる疾患です。早めに医療機関へ相談し、症状に応じた対応を行うことが大切です。 本記事では、現役医師がインピンジメント症候群の治し方を詳しく解説します。リハビリやストレッチ方法もわかりやすく紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。インピンジメント症候群に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 インピンジメント症候群のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 インピンジメント症候群の治し方(治療法) 治し方(治療法) 詳細 保存療法(安静・動作制限・リハビリテーション) 肩に負担がかかる動作の調整や安静を基本とし、肩甲骨や腱板の機能改善を目的としたリハビリを行う治療 薬物療法 消炎鎮痛薬や外用薬を用いて肩関節周囲の炎症を抑え、症状の軽減を図る治療 ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射) 肩峰下滑液包にステロイド薬を注入し、局所の炎症反応を抑えることで症状の改善を目指す治療 物理療法(温熱療法・電気療法など) 温熱や電気刺激を利用して血流改善や筋緊張の緩和を図り、肩周囲の機能回復を促す治療 手術療法 保存療法で改善が乏しい場合に、肩峰下スペースの拡大や腱板修復などを行う外科的治療 再生医療 患者自身の血液や細胞を用いて組織の修復や機能回復を促すことを目的とした治療 インピンジメント症候群の治療は、保存療法が基本です。肩への負担がかかる動作を見直しながら、リハビリで肩関節の機能回復を図ります。症状の程度に応じて、消炎鎮痛薬などの薬物療法・ステロイド注射・温熱療法や電気療法といった物理療法を併用することがあります。 保存療法で十分な改善が得られない場合は、手術療法や再生医療が検討されますが、いずれも医師の診断が必要です。 保存療法(安静・動作制限・リハビリテーション) 目的 詳細 炎症を落ち着かせて症状の悪化を防ぐ 肩への負担を減らす安静や動作制限による炎症悪化の予防と症状軽減 肩関節の可動域を回復させる リハビリによる関節や周囲組織の柔軟性維持と可動域改善 腱板や肩甲骨周囲筋の機能を改善する 腱板や肩甲骨周囲筋を強化することで、肩関節の安定性を高める 手術を回避できる可能性がある 保存療法による症状改善によって手術を回避できる可能性 (文献1) インピンジメント症候群の治療は、手術を行わない保存療法が基本です。炎症を落ち着かせながら筋肉・関節の機能を改善し、肩関節の動きを正常に近づけることが目的です。 なかでもリハビリやストレッチといった運動療法は、肩関節の動きを整える上で中心的な役割を担います。運動療法を主体とした保存療法の有効性は、多くの研究で報告されています。(文献2) 薬物療法 目的 詳細 炎症の程度を和らげる手助け 消炎鎮痛薬などによる肩関節周囲の炎症反応の抑制 運動療法の効果を高めるサポート 炎症軽減による関節可動性の改善とリハビリ実施のしやすさ 継続的な治療環境を整える 炎症反応の一時的な軽減による理学療法やストレッチ継続の補助 (文献3) 薬物療法は、肩関節周囲の炎症を抑えることを目的に用いられます。炎症が強い状態では、肩を動かすたびに組織へ刺激が加わり、リハビリの進行に支障をきたすことがあります。 消炎鎮痛薬によって炎症を抑えることで関節の動きが改善しやすくなり、運動療法を進めやすくなりますが、薬物療法は原因そのものを治すものではなく、リハビリと併用する補助的な治療です。 ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射) 目的 詳細 炎症が強い時期の反応を抑える 肩峰下滑液包へのステロイド注射による局所炎症反応の抑制 リハビリの効果を高める補助 炎症軽減による肩関節可動性の改善と運動療法実施のしやすさ 治療を進めやすくする環境づくり 症状が強い時期の反応軽減によるリハビリ継続の支援 (文献4) ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射)は、肩峰下スペースの炎症を抑えることを主な目的とする治療です。 炎症が強い時期は肩を動かすたびに組織への刺激が生じ、リハビリやストレッチを進めにくくなります。そのため、注射によって炎症が落ち着くと関節の動きが改善しやすくなり、運動療法にも取り組みやすくなります。 物理療法(温熱療法・電気療法など) 治療法 詳細 温熱療法 肩周囲の血流促進による筋肉・組織の柔軟性向上と運動療法実施のしやすさ 電気療法 電気刺激による筋緊張の緩和と肩関節可動域訓練・筋力訓練の補助 インピンジメント症候群では、炎症によって筋肉のこわばりや肩周囲の緊張が生じ、リハビリの妨げになることがあります。 温熱療法は肩周囲の血流を促し、筋肉や組織の柔軟性を高めることで、運動に取り組みやすい状態を整える治療です。一方、電気療法は筋肉や神経に刺激を与え、筋緊張の調整や可動域訓練を補助します。 これらの物理療法は、リハビリやストレッチの前処置として併用され、運動療法の効果を高める補助的な治療です。 手術療法 保存療法を続けても症状が改善しない場合、手術療法が検討されます。手術の目的は、肩峰下スペースで生じている腱板や滑液包への圧迫を取り除き、組織が挟まれにくい状態をつくることです。 代表的な術式として、関節鏡を用いて滑液包の処置や骨を整える肩峰下除圧術が行われます。 腱板断裂や骨の変形など構造的な問題がある場合は、腱板修復術が選択されることもあります。手術の適応は、症状の程度や日常生活への影響をもとに判断されます。 再生医療 インピンジメント症候群では、腱や周囲組織への繰り返しの負担により、炎症やこわばりが慢性化することがあります。このような場合、運動療法に加えて組織の回復を促す目的で再生医療が検討されることがあります。(文献5) 再生医療のひとつであるPRP(多血小板血漿)療法は、血液から濃縮した血小板を患部に注射する治療法です。 血小板に含まれる成長因子が組織修復を促すと考えられており、インピンジメント症候群に対するPRP注射後に、肩関節の可動域や機能の改善がみられたとする報告もあります。(文献5) 従来の保存療法で十分な改善が得られない場合や手術を避けたい場合には、組織の修復プロセスへの働きかけが期待されるPRPや幹細胞などの再生療法が治療の選択肢として検討されることがあります。(文献6) 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 インピンジメント症候群におけるリハビリ・ストレッチ方法 リハビリ・ストレッチ方法 詳細 炎症に対するリハビリ・ストレッチ 炎症が強い時期に肩関節へ過度な負担をかけず、可動域の維持や関節のこわばり予防を目的とした軽い運動 猫背を改善するリハビリ・ストレッチ 胸郭や肩甲骨周囲の柔軟性向上による姿勢改善と肩関節への負担軽減を目的としたストレッチ 肩関節の動きを改善するリハビリ 肩関節後方組織の柔軟性向上や可動域の改善を目的としたストレッチや関節運動 腱板機能を改善するトレーニング 腱板や肩甲骨周囲筋の筋力強化による肩関節の安定性向上とインピンジメント予防を目的とした運動 インピンジメント症候群の改善には、肩関節だけでなく姿勢や周囲筋の機能を整えるリハビリ・ストレッチが欠かせません。炎症が強い時期は関節への負担を抑えた軽い運動で可動域を維持し、状態に応じて姿勢改善や肩甲骨周囲の柔軟性を高めるストレッチへ移行します。 さらに肩関節の動きを改善する運動や腱板・肩甲骨周囲筋のトレーニングを加えることで、肩関節の安定性を高め、再発予防と機能回復につなげます。 以下の記事では、インピンジメント症候群のリハビリ前に行うセルフチェックについて詳しく解説しています。 炎症に対するリハビリ・ストレッチ 肩を動かしていない状態でも違和感が出る場合や、夜間に症状が強くなる場合は、インピンジメントにより肩周囲の組織に炎症が生じている可能性があります。 このような時期は無理に運動を行うよりも、炎症を落ち着かせる対応を優先します。具体的には、肩のアイシングや安静時のポジショニング(肩の位置の調整)を行い、肩関節への負担を軽減する方法です。 ポジショニングでは、肩や肘の下にタオルなどを入れ、肩に負担がかかりにくい姿勢を保つことが大切です。 振り子運動 手順 動作 ポイント 1.上体を支える 痛みのない方の手を机や椅子の背もたれに置き、上体を安定させる 前傾姿勢になりすぎないよう注意 2.腕の力を抜く 痛みのある方の腕をだらりと下げ、完全に脱力する 肩に力が入らないよう意識する 3.身体をゆっくり動かす 身体を小さく前後・左右・円を描くようにゆっくり揺らす(1回20〜30秒) 腕を自分で動かさず、身体の揺れに任せる 4.腕が「つられて動く」状態をつくる 身体の揺れに合わせて腕が自然に動いている状態が理想 肩を動かす意識を持たないことが大切 振り子運動は、肩の症状が強い時期でも取り組みやすい基本的なリハビリです。腕の重みを利用して肩関節を軽く動かすことで、炎症によるこわばりの軽減や血流改善が期待されます。 方法は、症状のない側の手を机や椅子に置いて上体を支え、症状のある側の腕を脱力して自然に下げます。その状態で身体を小さく前後・左右、または円を描くようにゆっくり動かします。 振り子運動の姿勢は以下の画像を参考に行うと良いでしょう。 運動中は肩を意識して動かすのではなく、身体の揺れに合わせて腕が自然に動く状態を保ちます。症状が強く出る範囲まで動かさず、肩に力を入れないことも大切です。 入浴後など筋肉が緩みやすいタイミングで行うと取り組みやすく、状態に応じて振り幅を少しずつ広げていきます。 猫背を改善するリハビリ・ストレッチ 猫背になると肩甲骨の動きが妨げられ、肩関節の正常な動きが損なわれるためインピンジメントが起こりやすくなります。 肩関節を動かしにくい時期でも、姿勢改善のリハビリは肩関節を動かさずに行えるため、積極的に取り組むことが大切です。 ストレッチポールでのストレッチ 手順 動作 ポイント 1.準備 ストレッチポールを床に置き、頭から尾骨まで背骨に沿って仰向けに寝る ポールが背骨と一直線になる位置に調整する 2.足を安定させる 膝を軽く曲げ、足裏を床につけて安定させる この姿勢で背中・胸郭がリラックスしやすくなる 3.腕を広げる 両腕を自然に横へ広げる 肘を軽く曲げるなど、無理のない位置で行う 4.深呼吸する ゆっくり深呼吸しながら胸を開く(5〜10回) 呼吸を止めず、ゆったりと繰り返す 5.慣れてきたら 腕を大きく円を描くようにゆっくり動かす(肩回し)を加える 肩甲骨の可動性向上にも効果的 ストレッチポールを用いたストレッチは、猫背姿勢の改善と胸郭の柔軟性向上を目的としたリハビリです。ポールの上に仰向けで寝ることで背骨が自然に伸び、胸が開きやすい姿勢が得られます。これにより胸部前面や肩甲骨周囲の筋肉が伸ばされ、猫背による肩・背中のこわばり軽減が期待されます。 以下の画像のようにストレッチポールの上に仰向けで寝て、胸を開くように背中をストレッチしましょう。 ストレッチポールを背骨のラインに沿って置き、頭から尾骨まで一直線になる位置で仰向けになります。膝を軽く曲げて足を床につけ、両腕を無理のない位置に広げましょう。 そのままゆっくりと深呼吸を繰り返し、胸を開く意識で身体をリラックスさせます。慣れてきたら腕を円を描くように動かし、肩甲骨の可動性を高める運動を加えます。 Cat&Dogストレッチ 手順 動作 ポイント 1.準備 四つ這いになり、手は肩幅よりやや広め・膝は腰幅に置く 背骨が中立になる位置に身体を整える 2.Cat(猫のポーズ) 息を吐きながら背中を丸め、おへそを見るように背骨を伸ばす 両肩甲骨を外側に引き離す意識で背中全体を丸くする 3.Dog(犬のポーズ) 息を吸いながら背中をゆっくり反らせ、胸を前方に押し出す 肩甲骨を内側に寄せ、胸を軽く開く感覚で行う 4.繰り返す 2と3を呼吸に合わせてゆっくり5〜10回繰り返す 無理のない範囲で行う (文献7) Cat&Dogストレッチは、背骨(脊柱)や肩甲骨周囲の柔軟性を高め、猫背などの姿勢不良の改善を目的とした体操です。 四つ這いの姿勢で背中を丸めたり反らしたりする動作を繰り返すことで脊柱全体の可動性が高まり、肩や背中への負担軽減が期待されます。デスクワークなどで背中が丸まりやすい方にも取り入れやすい運動です。 Cat&Dogストレッチの姿勢は以下の画像を参考に行いましょう。 四つ這いの姿勢で手を肩幅よりやや広め、膝を腰幅に置き、背骨を中立の位置に整えます。息を吐きながら背中を丸めておへそを見るように動かし、息を吸いながら胸を前に出すように背中をゆっくり反らせます。 この動作を呼吸に合わせて5〜10回繰り返します。急に大きく動かすと肩や腰に負担がかかるため、背骨全体をゆっくり動かす意識で行いましょう。 肩関節の動きを改善するリハビリ 炎症が落ち着いてきた段階では、肩関節の可動域を改善するストレッチを取り入れます。肩後方の組織が硬くなると腕を上げる動作が制限され、肩峰下での衝突が起こりやすくなります。そのため、肩後方の関節包や周囲筋の柔軟性を高めるストレッチが有効とされており、無理のない範囲で行いながら可動域を徐々に広げていくことが大切です。 クロスボディストレッチ 手順 動作 ポイント 1.腕を上げる 症状のある側の腕を肩の高さまで上げる 肩に力を入れず自然な高さで止める 2.腕を引き寄せる 反対の手で肘を掴み、身体の内側へゆっくり引き寄せる 急に引きすぎず、無理のない範囲で行う 3.キープする 肩後方が伸びているのを確認しながら30秒保持する 呼吸を止めず、ゆっくり深呼吸しながら保持する クロスボディストレッチは、肩関節後方の柔軟性を高める運動です。腕を身体の前で反対側へ引き寄せ、肩後方が伸びる位置で保持します。反対の手で肘を支えると、姿勢を安定させやすくなります。 ストレッチは以下の画像を参考に行いましょう 肩後方組織の柔軟性が高まることで、肩関節の動きが改善しやすくなります。動作はゆっくり行い、強く引きすぎないようにしましょう。 スリーパーストレッチ 手順 動作 ポイント 1.横向きに寝る ストレッチする側の肩が下になるように横向きに寝る 身体がぐらつかないよう安定した姿勢を保つ 2.腕を肩の高さに合わせる 脇を開き、腕を肩の高さに合わせる 肩に力を入れず自然な位置に置く 3.肘を曲げる 肘を直角(90度)に曲げる(前ならえの形) 肩・肘・手首が一直線になるよう意識する 4.前腕を倒す 反対の手で前腕をゆっくり床方向へ内側に倒す 急に押し込まず、伸び感を感じる位置で止める 5.キープする 限界まで倒した状態で30秒ほど保持する 呼吸を止めず、肩後方の伸びを確認しながら保持する スリーパーストレッチは、肩の内旋可動域を改善する運動です。横向きに寝た状態で肘を90度曲げ、前腕を床方向へゆっくり倒します。 肩後方が伸びる位置で一定時間保持します。肩関節後方の柔軟性を高める方法として広く用いられており、無理に押し込まずゆっくり行いましょう。 腱板機能を改善するトレーニング 腱板(ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの筋肉の総称です。これらは肩関節を包み込むように位置し、関節を安定させながら腕を滑らかに動かす役割を担っています。 腱板の機能が低下すると肩関節の安定性が損なわれ、動きのバランスが崩れることでインピンジメント(肩峰下での組織の挟み込み)が起こりやすくなります。そのため、腱板の筋力や協調性を高める運動を取り入れ、肩関節の安定性と動作の改善を図ることが大切です。 棘上筋トレーニング 棘上筋は腱板を構成する筋肉のひとつで、腕を持ち上げる動作や肩関節の安定に重要な役割を担います。インピンジメント症候群では、この筋肉の機能が低下すると肩関節の動きのバランスが崩れ、症状の要因となることがあります。 そのため、リハビリでは棘上筋の筋力や働きを高めるトレーニングが取り入れられます。腱板は関節を安定させるインナーマッスルであるため、強い負荷よりも軽い負荷で丁寧に動かすことが大切です。 以下は腱板のひとつである棘上筋のトレーニング手順です。 手順 動作 ポイント 1.準備 腕を身体の横につけ、親指が上を向くようにする 肩に力を入れず自然な位置に腕を置く 2.腕を上げる 肘を伸ばしたまま、身体から腕が離れるようにゆっくり上げる 反動をつけず、ゆっくりと持ち上げる 3.元に戻す バレーボール1個分程度の高さまで上げたら、ゆっくり元の位置に戻す 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う 負荷を加える場合は、500mlのペットボトルやトレーニングチューブを使用します。軽い負荷で20〜30回を目安に3〜4セット行うのが一般的です。腕を高く上げすぎると他の筋肉が優位に働くため、無理のない範囲で行いましょう。 チューブがある場合、以下の棘上筋トレーニングも導入できます。 手順 動作 ポイント 1.チューブを握る 鍛えたい側の手でチューブを握る 握りすぎず、自然な力加減で持つ 2.チューブを固定する 反対側の足でチューブを踏んで固定する チューブがずれないよう足の中央で踏む 3.持ち上げる 肘を伸ばしたまま3〜5秒かけてチューブをゆっくり持ち上げる 反動をつけず、肩に力を入れすぎない 4.元に戻す 3〜5秒かけて元の位置にゆっくり戻す 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う この運動は1セット15回を目安に3〜4セット行います。動作を速くすると筋肉への刺激が弱まるため、ゆっくりとした動きで行いましょう。 棘下筋・肩甲下筋トレーニング 棘下筋と肩甲下筋は腱板を構成する筋肉で、肩関節の回旋動作を担い互いに反対の働きをします。これらが適切に機能することで肩関節の安定性が保たれ、腕を動かす際のバランスが整います。 以下の手順を参考に取り組みましょう。 ※反対の動きが肩甲下筋のトレーニングになります 手順 動作 ポイント 1.準備 脇を閉じ、肘を90度に曲げて身体の横につける 脇が開かないよう意識する 2.外旋(棘下筋) 脇を閉じたまま、前腕を外側へゆっくり開く 脇が浮かないようにし、肩だけを回す意識で行う 3.内旋(肩甲下筋) 脇を閉じたまま、前腕を内側へゆっくり戻す 反動をつけず、ゆっくりコントロールして行う これらのトレーニングはチューブなどを用いて軽い負荷で行い、回数を多めにするのが一般的です。腱板は関節を安定させるインナーマッスルであるため、強い負荷よりも丁寧な動作を繰り返すことが大切です。 また、1〜2kgのダンベルがある場合、以下のトレーニングも実施できます。 手順 動作 ポイント 1.横向きに寝る 身体の側部を床につけて寝転がり、膝と背中を軽く曲げる 身体が前後にぐらつかないよう安定した姿勢を保つ 2.肘を固定する 鍛えたい側の肘を身体につけ、前腕を床に対して垂直に曲げる 肘が身体から離れないよう意識する 3.持ち上げる ダンベルを持ち、胸の近くまでゆっくり持ち上げる 反動をつけず、肩の回旋だけで動かす意識で行う 4.元に戻す ダンベルが床につく手前までゆっくり下げる 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う この動作を15回で1セットとし、3〜4セット程度行います。ゆっくりとした動作を意識し、無理のない範囲で継続することが重要です。 インピンジメント症候群の治療目安 重症度レベル 詳細 回復期間の目安 軽度 日常生活への影響が少ない状態 1〜3週間 中等度 関節の動きに制限がみられる状態 3〜6週間 重度 日常生活にも影響が出る状態 6〜12週間以上 (文献8) インピンジメント症候群の治療期間は、症状の程度や原因によって異なりますが、保存療法を中心に数週間〜数カ月かけて徐々に改善していくケースが多いとされています。 炎症を落ち着かせながらリハビリで筋力や可動域を回復させるため、一定の治療期間が必要です。無理に肩を動かすよりも、適切な治療とリハビリを継続することが回復につながります。 インピンジメント症候群の治し方を正しく理解し適切な治療を講じよう インピンジメント症候群は、肩関節だけでなく姿勢や筋機能など複数の要因が関係することが多い疾患です。そのため、症状を抑える治療だけでなく、原因となる動作や姿勢を見直す必要があります。 保存療法やリハビリで改善が期待できるケースも多いため、医療機関で状態を確認しながら適切な治療を継続することが大切です。 インピンジメント症候群の治療にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、状態や症状に応じて、再生医療を治療選択肢のひとつとして検討できます。 インピンジメント症候群では、腱や周囲組織への繰り返しの負担によって炎症やこわばりが慢性化することがあります。こうした場合、再生医療が治療の選択肢として検討されることがあります。 再生医療は、身体本来の組織修復の働きを活かして改善を目指す治療法で、手術療法や長期的な薬物療法とは異なるアプローチとして用いられることがあります。適応や効果には個人差があるため、医師と相談しながら検討することが大切です。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 治療方法の選択肢のひとつとして、ぜひ以下の動画もご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=B4Vx0of7CsE インピンジメント症候群の治し方に関するよくある質問 インピンジメント症候群の再発を防止するにはどうすれば良いですか? インピンジメント症候群の再発予防には肩への負担を見直し、必要に応じて専門家にフォームや動作の指導を受けながら、運動後のアイシングや十分な休息を取り入れることが大切です。 再発を予防するために、以下のポイントを押さえておきましょう。 予防のポイント 内容 投球・送球フォームの見直し 医師や専門家の指導のもと、肩に負担がかかりにくいフォームへの調整 アイシング・休息の確保 運動後のアイシングや十分な休息による肩周囲組織の負担軽減 ウォームアップ・クールダウンの実施 運動前後の準備運動や整理運動による筋肉・関節の負担予防 肩周囲の筋力トレーニング 腱板や肩甲骨周囲筋の筋力維持による肩関節の安定性向上 ストレッチの習慣化 肩や背中の柔軟性向上による関節可動域の維持と負担軽減 ウォームアップ・クールダウンを習慣づけ、腱板や肩甲骨周囲の筋力トレーニングとストレッチを継続することで肩関節の安定性と柔軟性を保ち、再発予防につながります。 インピンジメント症候群に効くツボはありますか? ツボ 位置 肩髃(けんぐう) 肩峰のやや前下方、肩甲骨の端付近 肩井(けんせい) 首のつけ根と肩先の中間付近 インピンジメント症候群では、肩髃(けんぐう)や肩井(けんせい)などのツボが挙げられることがあります。 これらを指圧することで肩周囲の緊張が和らぐ可能性はありますが、ツボ刺激によってインピンジメント症候群そのものを改善できるかについては科学的根拠が十分とはいえません。 ツボ刺激のみに頼るのではなく、医療機関で状態を評価した上でリハビリや運動療法など適切な治療を行うことが大切です。 インピンジメント症候群の治療において禁忌はありますか? 注意点 理由 痛みを伴う運動やストレッチを無理に続けること 痛みを我慢して肩を動かすと炎症が悪化し、回復が遅れる可能性 腕を頭上に上げる動作や過度な負荷の運動 オーバーヘッド動作や重量トレーニングで腱板が骨に挟まれやすくなるため症状悪化の可能性 肩に強い負担がかかるトレーニング(ベンチプレス・アップライトローなど) 肩関節の圧迫が強まり、腱や滑液包への刺激が増えるため回復期は回避が推奨 痛みがある状態での過度な反復動作(投球・水泳など) 肩を繰り返し頭上に動かすことで炎症が悪化する可能性 (文献9) インピンジメント症候群の治療において禁忌とされる動作は多くありません。しかし、不快感を我慢して運動を続けたり、腕を頭上に上げる動作や高負荷トレーニングを行ったりすると、腱板や滑液包への刺激が増して症状が悪化する可能性があります。 とくに回復期は肩への過度な負担を避けることが大切です。医師や理学療法士の指導のもと、肩の状態に合わせて段階的にリハビリを進めることが望ましいとされています。 参考文献 (文献1) Effectiveness of conservative interventions including exercise, manual therapy and medical management in adults with shoulder impingement: a systematic review and meta-analysis of RCTs|BMJ Journals (文献2) An Update of Systematic Reviews Examining the Effectiveness of Conservative Physical Therapy Interventions for Subacromial Shoulder Pain|MOVEMENT SCIENCE MEDIA JOSPT (文献3) What is - Shoulder Impingement|Shoulder Impingement (文献4) Comparison of corticosteroid injection, physiotherapy and combined treatment for patients with chronic subacromial bursitis - A randomised controlled trial|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献5) Efficacy of Single Injection of Platelet-Rich Plasma in Shoulder Impingement Syndrome|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献6) Regenerative medicine: Do PRP and stem cell therapies help sports injuries heal faster? | UT Southwestern Medical Center (文献7) Cat-Cow Stretch: How To Do It and Benefits|Cleveland Clinic (文献8) Depends Severity Acute vs Chronic|Liv Hospital (文献9) Impingement Syndrome of the Shoulder|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information
2023.03.24 -
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- 肩関節、その他疾患
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競技や趣味にかかわらず、ゴルフをプレイしていれば「ゴルフ肩(スイングショルダー)」という症状を一度は耳にしたことがあるでしょう。また、既にゴルフ肩に悩まされている方も多いことと存じます。 そこで本記事では、ゴルフ肩(スイングショルダー)の症状や原因・治療法について当クリニックの医師が解説いたします。すでに悩まれている方、もしくは疑いのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、個別の症状などについては各自で判断することなく医療機関にてご相談されることをおすすめします。 【左肩が痛む?】ゴルフ肩(スイングショルダー)とは ゴルフ肩(スイングショルダー)とは特定の病名ではなく、日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状全般を指します。症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。 多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、とく特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいと言われています。 ゴルフ肩(スイングショルダー)に含まれる具体的な疾患名(または症候名)は以下のとおりです。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因 ゴルフは、クラブをスイングする際の非常に特殊な肩の動きを必要とするスポーツです。左右の肩がまった全く逆の動作をしなければならず、前方の肩はバックスイングの頂点で極端な内転姿勢になり、後方の肩は外転姿勢になるように伸ばされます。 この特殊な動作に加え、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わり、肩の障害を引き起こしかねません。 さらにゴルフでは、スイングを行う際にしばしば90°以上の水平および垂直の肩関節の運動を必要とします。 このような複数の動きが組み合わさることにより、肩の傷害の原因となることが指摘されています。頻繁にゴルフを行うことや長時間プレーすることも肩関節の障害のリスクと考えられています。 いずれの肩においても、「肩峰下インピンジメント」と呼ばれる病態が多くのゴルフ肩の原因となります。 ゴルフ肩の検査 ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく一連の状況が起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生するに至った経緯と症状の部位によりなされることが一般的です。 しかし、肩関節には骨や筋肉だけでなく神経や靭帯などさまざまな組織が存在するため、これらの傷害を詳細に検討するために関節のMRIを施行するケースもあります。 より高齢のゴルファーの場合には、インピンジメントなどの徴候や関節内組織の傷害だけでなく、肩甲骨と鎖骨のつなぎ目である肩鎖関節の位置関係や形態の変化を調べるためのレントゲン検査を施行します。 また、関節超音波(エコー)検査はさまざまな体勢で施行することができるだけでなく、関節注射などの処置のガイドにもなるため施行されることがあります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療法 https://www.youtube.com/watch?v=kyCLmM6YdvI ゴルフ肩(スイングショルダー)は一般的に専門家によるリハビリテーションが主な治療となることが多く、提供されるリハビリプログラムは専門家によって違います。 肩関節に負担をかけない肩甲骨の運動矯正、肩関節の内外転・内外旋のバランス調整、およびスイングの矯正などゴルフに特化したリハビリテーションが含まれます。 とくにゴルフでは体幹を安定させることとスイング動作における全身運動の改善が不可欠です。一方で、関節唇損傷など、手術による治療などの特殊な治療を要する場合もありますので、まずは専門家に相談しましょう。 なお、当院でも再生医療に注目した診療を実施しているため、まずはお気軽にご相談ください。 【プロセス】ゴルフ肩の完治期間 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療から競技への復帰は一般的に以下のようなプロセスを必要とします。 STEP1.症状の改善 運動負荷を減らし、状況に応じて消炎・鎮痛を行うなどして症状の改善に努めます。 症状が強いと協調運動に制限が出たり、リハビリテーションがうまく進まなかったりする可能性があるためまずは運動負荷を減らして症状の改善に努めます。 STEP2.筋力と柔軟性の強化 肩関節周囲の筋力と柔軟性を強化し、症状の改善だけでなく再発の予防や競技能力の向上を目指します。 競技前にウォームアップの習慣をつけることが効果的です。 STEP3.軽負荷による競技再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療と並行してゴルフの動作に特化(ゴルフ復帰)したリハビリを行います。 手術などの体の負担の大きな治療を要した場合でも、3~4週間以内には患部の腕を使った片手のパッティングを開始できて、ゴルフに特化したリハビリを進められます。 また、症状やリハビリの進行状況に応じてスイングを模した簡単な体のひねり運動を行うことも可能です。 経過後は体幹と全身の協調運動の強化を徐々に再開します。 専門家の指導のもと段階的に競技負荷を強くし、2~3ヶ月目には徐々に競技への復帰を目指します。 まとめ|症状が改善しないゴルフ肩は再生医療も検討してみよう ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因や治療について解説しました。ゴルフのスイングによる肩関節周囲組織の傷害は競技特有のものです。 リハビリテーションを含む治療には医師や理学療法士などのさまざまな職種の連携が不可欠となりますので、治療にあたっては、早期に整形外科・専門診療科に相談するようにしましょう。 また、手術を避けるための再生医療も注目されています。 注射だけの幹細胞治療を採用しており、手術や入院なしで当日帰宅が可能です。日常生活に支障をきたすことなく治療に取り組めますので、気になる方は下記のバナーより詳細をご覧ください。
2022.08.15 -
- 腱板損傷・断裂
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「肩こりだと思っていたのに、なかなか治らない」「これって何かの病気?」といった肩の悩みに不安を感じていませんか? 肩の痛みは、筋肉の疲労や姿勢のくずれ、加齢などが原因となることが多い一方で、内臓の病気やがんなど、見逃してはならない病気のサインとして現れる場合があります。 とくに、痛みが数週間続く、夜間や安静時に強まる、しびれや体重減少をともなう症状があるなら注意が必要です。 本記事では、肩の痛みに関係する病気や、見逃しやすい症状の特徴、受診の目安についてわかりやすく解説します。 肩の違和感に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 \肩の痛みの根本改善を目指す「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、肩の痛みの原因となっている腱板・組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 肩の痛みを根本的に治療したい 薬物療法やリハビリを続けているが改善がみられない 手術は避けたいが、このまま放置するのも不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院(リペアセルクリニック)では、肩の痛みに対する再生医療について無料カウンセリングを実施しておりますので、痛みに悩まされている方は一度ご相談ください。 まずは肩の治療について無料相談! 肩の痛みは重大な病気のサインかも 肩の痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因と思われがちですが、重大な病気のサインかもしれません。 ここでは、左右の肩に分けて注意すべき病気について解説します。 左肩だけ痛い場合の病気 右肩だけ痛い場合の病気 左肩だけ痛い場合の病気 左肩だけに痛みやこりが続くときは、単なる筋肉の疲れだけでなく、内臓や心臓の病気が関係している可能性があります。 とくに、心臓の異常による痛みは左肩や左腕にも広がることがあり、狭心症や心筋梗塞では胸の痛みと一緒に痛みを感じるケースがあるのです。 また、胃や膵臓などの病気でも、背中から左肩にかけて痛みが広がる関連痛として現れることがあります。 右肩だけ痛い場合の病気 右肩だけに痛みがある場合、肩や首まわりの筋肉や関節に原因がある可能性があります。 とくに、首の骨や椎間板が変化して神経を刺激すると、肩を動かすよりも首を動かしたときに痛みが強まることがあり、変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどが代表的な疾患です。 一方で、首や肩を動かしても痛みが変わらず、じっとしていても痛みが続くような場合は、内臓の病気が関係している可能性もあります。 たとえば、胆のう炎や胆石症などの胆のうの病気、肺炎・肺がん・気胸といった肺の病気では、右肩に関連痛として現れるケースがあるのです。 神経や関節のトラブルによる慢性的な肩の痛みでお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 まずは肩の治療について無料相談! 肩の痛みの原因として疑われる病気・ケガ 以下では、肩の痛みの原因として疑われる病気やケガについて、原因・検査・治療の観点から詳しく解説します。 肩関節周囲炎 肩峰下インピンジメント症候群 腱板断裂 石灰沈着性腱板炎 翼状肩甲骨(翼状肩甲) 反復性肩関節脱臼 肩の痛みは、「単なる肩こり」として片付けられがちですが、実は深刻な病気が隠れている可能性もあります。 とくに、痛みが長引く、夜間痛がある、腕の動きに制限が出る場合は注意が必要です。 いわゆる五十肩の「肩関節周囲炎」 肩関節周囲炎は、一般に「四十肩」「五十肩」と呼ばれ、肩の関節やその周囲の組織に炎症が起こることで痛みや動きの制限が出る病気です。 とくに、40~50代以降に多く見られ、肩を動かすたびにズキッとした痛みが走ったり、腕を上げにくくなったりします。 原因 ・加齢による組織の変化 ・過度な肩の使用 ・長期間の不動 ・糖尿病などの基礎疾患 検査 ・問診・身体診察 ・X線 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・消炎鎮痛剤やステロイド注射 ・ストレッチや運動療法 ・温熱療法や理学療法 肩関節周囲炎は、明確な原因を特定できないことも多いですが、加齢や肩の使いすぎ、糖尿病などが背景にあるケースが少なくありません。 治療は手術を伴わない保存療法が中心で、痛みをコントロールしつつ、可動域を回復させるリハビリが重要です。 五十肩(四十肩)の原因や治し方については、以下の記事も参考にしてみてください。 肩が上がらなくなる「肩峰下インピンジメント症候群」 肩峰下インピンジメント症候群は、肩を動かしたときに腱板(けんばん)や肩峰下滑液包(かつえきほう)が肩峰(けんぽう)とぶつかり、炎症や痛みが生じる病気です。 とくに、腕を横から持ち上げていく途中の角度で痛みが強くなりやすく、スポーツや家事・仕事など、日常生活の動作に支障をきたす恐れがあります。 原因 ・肩の使いすぎ ・筋力低下や肩関節の不安定性 ・加齢による腱板の弱化・肩峰の形状異常 検査 ・問診・視診 ・Neerテスト ・Hawkinsテスト ・X線検査 ・超音波・MRI検査 治療 ・安静と負担軽減・消炎鎮痛剤や外用薬 ・ストレッチと筋力強化のリハビリ ・ステロイド注射・関節鏡手術 治療は基本的に保存療法から始め、痛みの強さや回復状況に応じてリハビリや注射、さらには関節鏡手術が選択されるケースがあります。 適切な運動と肩のケアによって、症状の改善と再発予防を目指すことが重要です。 右肩に好発する「腱板断裂」 腱板断裂(けんばんだんれつ)は、肩関節を支えている筋肉の腱(腱板)が部分的、あるいは完全に切れてしまう病気です。 とくに中高年に多くみられ、肩の痛みや腕が上げにくくなる症状が現れます。 放置すると肩の機能が低下し、日常生活の動作に大きな支障をきたす場合もあるため注意が必要です。 原因 ・加齢による腱板の変性 ・肩の使いすぎによる摩耗 ・転倒や強い外力による損傷 ・重い物を持ち上げたときの過負荷 検査 ・ドロップアームテスト ・ペインフルアークサイン ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・保存療法(安静と痛みの管理・リハビリなど) ・手術療法(腱板修復術・人工関節置換術など) 腱板断裂の主な原因は、加齢による腱板の劣化と、スポーツや事故による外傷です。 診断では、問診と視診に加え、断裂の有無や程度を正確に評価するための画像検査が欠かせません。 治療は断裂の状態や年齢、日常生活の負担を考慮して選択され、軽症では保存療法、重症では関節鏡手術などが検討されます。 なお近年では、手術に代わる新たな選択肢として「再生医療」もあります。 再生医療は患者さまご自身の細胞を用いて損傷した腱板の再生を促すため、メスを使わず注射だけで治療が完了し、入院や長期のリハビリも必要ありません。 以下では、実際に当院の治療を受けられた方の症例を紹介しています。 https://youtu.be/cweMZTxZFg8?si=p3xAj6CCpIJBGSdM 「手術を勧められているが、できれば避けたい」「仕事を休めないので入院せずに治療したい」とお悩みの方は、再生医療専門の当院(リペアセルクリニック)に一度ご相談ください。 まずは肩の治療について無料相談! 腱板が再断裂する原因や治療方法については、以下の記事で詳しく解説しています。 40〜50歳代の女性に多い「石灰沈着性腱板炎」 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)は、肩の腱板にリン酸カルシウム(石灰)が沈着し、炎症を起こして強い痛みを生じる病気です。 40〜50代の女性に多くみられ、夜間に突然、肩が動かせないほどの激しい痛みが出る場合があります。 原因 ・腱板の血流低下による石灰化 ・肩の使いすぎによる負担 ・体質 ・遺伝的要因 検査 ・問診・身体診察 ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI 治療 ・保存療法(安静・ステロイド注射など) ・手術療法(超音波ガイド下洗浄療法・関節鏡視下手術) 画像検査で石灰の存在や位置を確認してから、まずは保存療法で炎症を抑制します。 改善が見られない重症例では、洗浄療法や関節鏡による石灰の除去が必要になるケースもあります。 肩甲骨の内側縁が浮き上がる「翼状肩甲骨(翼状肩甲)」 翼状肩甲骨(よくじょうけんこうこつ)は、肩甲骨が本来の位置にうまく固定されず、背中側へ浮き上がるように突出している状態です。 後ろから見ると、肩甲骨が翼のように浮き出て見えることから名づけられています。 肩や腕が動かしにくくなったり、痛みが出たり、力が入りにくくなったりするのが特徴です。 原因 ・長胸神経、副神経、肩甲背神経の麻痺 ・筋力低下や筋萎縮 ・手術や外傷後の影響 検査 ・視診・触診 ・壁押しテスト ・筋力評価、筋電図 ・MRI、超音波検査 治療 ・保存療法(リハビリ・電気刺激療法など) ・手術療法(神経移行術・肩甲骨固定術など) 翼状肩甲骨の原因は、主に神経の麻痺による筋力の低下です。 軽症の場合はリハビリ中心の保存療法が行われますが、重症では手術が検討されます。 肩関節に脱臼癖がついた「反復性肩関節脱臼」 反復性肩関節脱臼(はんぷくせいけんかんせつだっきゅう)は、一度肩関節が脱臼したあとに、軽い衝撃や日常の何気ない動作でも、繰り返し脱臼してしまう状態を指します。 とくに、若い世代のスポーツ選手に多く、肩の「外れそうな感じ」といった不安定感や痛みを伴うのが特徴です。 原因 ・初回脱臼による関節唇の損傷 ・スポーツや転倒による外傷 ・関節弛緩性や骨の形態異常 ・肩周囲の筋力不足 検査 ・問診・不安試験 ・X線検査 ・MRI ・CT 治療 ・保存療法(筋力強化のリハビリ・装具による関節保護など) ・手術療法(バンカート修復術・ラタジェ手術など) 反復性肩関節脱臼は、最初の脱臼で関節唇や靱帯が損傷することで、肩の安定性が損なわれて再発しやすくなります。 軽症の場合は保存療法を優先しますが、脱臼を繰り返す場合には、関節の安定性を回復させる手術が必要です。 肩の痛みとがんの関係性 肩の痛みは、肩関節や筋肉・腱のトラブルが主な原因ですが、「がん」が関わっているケースもあります。 がんは周囲の組織を壊しながら進行する性質があり、その過程で痛みが生じる場合があるのです。 肩に近い骨や脊髄にがんができた場合だけでなく、肺や肝臓、すい臓など横隔膜周囲の内臓にがんが生じたときにも、関連痛として肩の痛みが出る可能性があります。 では、以下で詳しく見ていきましょう。 肩や首にできるがん 肩や首のまわりにがんができると、肩の症状として直接痛みが現れる場合があります。 とくに、注意したいのが「骨腫瘍」と「脊髄腫瘍」です。 骨腫瘍は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨などの肩の周辺や首の骨(頚椎)にがんができ、肩の痛みを引き起こすことがあります。 骨にできるがんの多くは、内臓に発生したがんが転移したものですが、骨腫瘍は痛みの原因になるだけでなく、骨折を招いたり、腫瘍が神経を圧迫してさらに強い痛みにつながったりするのです。 脊髄腫瘍は首の脊髄にがんができる病気で、神経そのものに発生するケースと内臓のがんが転移するケースがあります。 腫瘍が大きくなると、肩の痛みに加えて手足のしびれや筋力の低下などの神経症状が現れることもあるため、早めの受診が必要です。 内臓にできるがん 内臓にできる肺がん・肝臓がん・すい臓がんなどが原因で、肩に痛みが出る場合もあります。 胸膜や横隔膜まわりの内臓が傷つくと、刺激が関連痛として肩に伝わることがあるのです。 とくに、腹痛・吐き気・下痢といった内臓症状や急激な体重減少、食欲の低下、原因不明の発熱が続くときは要注意です。 肩の痛みに加えて、全身の異常も感じられる場合には、整形外科だけでなく内科の受診も検討しましょう。 肩の痛みで病院を受診すべきタイミングは? 肩の痛みが首や背中、腕に広がる場合や、激しい外傷を受けた後は早期受診が必須です。 肩の痛みが単なる筋肉疲労や肩こりではなく、神経や内臓、骨に関わる疾患が原因の可能性があります。 とくに、しびれ・筋力低下・発熱・体重減少などを伴う場合や、安静時や夜間に悪化するケースでは注意が必要です。 決して自己判断せず、早めに医療機関で適切な診断を受けましょう。 再生医療|肩の痛みに対する治療選択肢 肩の痛みには、「再生医療」という治療法も選択肢になります。 再生医療は、手術を避けたい方や、日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適した治療法です。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs 身体への負担が少なく、入院の必要がないため、治療後すぐに普段の生活に戻れます。 再生医療には、「幹細胞治療」と「PRP療法」の2つの代表的な方法があり、どちらも注射や点滴によって、肩関節や腱の損傷部位へ直接アプローチできるのが特徴です。 ただし、肩の痛みに再生医療が向いているかどうかは、症状や状態によって異なります。 「自分の肩の痛みに再生医療は使えるの?」「手術との違いが知りたい」など、疑問がある方は、まずはお電話でご相談ください。 まずは肩の治療について無料相談! 肩の痛みを改善・予防するセルフケア方法 ここでは、肩の痛みの改善・予防に役立つセルフケア方法をご紹介します。 ストレッチ ↳背筋を伸ばすストレッチ ↳肩を上げるストレッチ ↳肩を回すストレッチ 入浴 肩の痛みは日常的な動作や姿勢が影響している場合が多いため、普段からのセルフケアがとても重要ですので、ぜひ参考にしてください。 ストレッチ 肩の筋肉を柔軟に保ち、肩の痛みを予防するにはストレッチが有効です。以下のストレッチを実践してみましょう。 背筋を伸ばすストレッチ 同じ姿勢が続いたときは、背筋を伸ばして姿勢を整えるストレッチをこまめに行うことが大切です。手順は次のとおりです。 1.立った状態で、背筋をまっすぐ伸ばす 2.両手のひらを天井に向けて持ち上げ、肘は軽く曲げて力を抜く 3.胸を大きく開くイメージで、肘をゆっくり後ろに引く 4.肩の力は抜いたまま、へそのあたりに軽く力を入れる 5.その姿勢を保ちながら、何度かゆっくり深呼吸を行う 背中から胸まわりが気持ちよく伸びている感覚を意識しながら、デスクワークや立ち仕事の合間に取り入れてみましょう。 肩を上げるストレッチ 普段あまり肩を大きく動かさない人は、肩を持ち上げる動きが不足しがちです。肩まわりをしっかり伸ばすストレッチは、次の手順で行います。 1.安定した壁に向かって立ち、両手を伸ばして、手のひらを壁につける(手の幅は肩幅、肘は伸ばす) 2.頭を前に倒し、両腕のあいだに頭を入れる 3.そのまま頭をゆっくり前方へ押し込む 4.肩から首にかけて伸びている感覚を意識しながら、深く呼吸を続ける 5.肩〜首がもっとも伸びていると感じる位置で、約30秒静止する 肩から首のラインが心地よく伸びる程度を目安に、無理のない範囲で毎日続けるのがポイントです。 肩を回すストレッチ 肩を外側に開くストレッチは、肩関節まわりの柔軟性を保つのに役立ちます。左右それぞれ、次のように行います。 1.安定した壁のそばで立ち、右肘を体の側面につけたまま90度に曲げる 2.右肘を体につけた状態のまま、右手のひらを壁につける 3.右肘と右手の位置を保ったまま、上半身をゆっくり左側にねじる 4.右肩が外側に開き、肩の前側が伸びている感覚を意識する 5.右肩が最も気持ちよく伸びている位置で、約30秒静止する 6.反対側も同じ手順で行い、左肩も同様に伸ばす 肩の前側〜胸のあたりが心地よく伸びる範囲で行い、肩を無理にひねらないよう注意してください。 入浴 肩の痛みを和らげる方法として、入浴は非常に効果的です。 とくに、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、血行が促進され、緊張した筋肉がやわらぎやすくなります。 半身浴で肩までお湯に浸かれば、全身を温めつつ肩まわりの疲れもほぐせるでしょう。 長めに浸かることでリラックス効果も高まり、疲労回復にもつながります。 入浴後は、筋肉が柔らかくなっているタイミングを活かして、肩甲骨や腕をやさしく伸ばすストレッチを取り入れるとより効果的です。 温浴と軽い運動を組み合わせることで、肩の痛みの予防や改善が期待できます。 まとめ|肩の痛みから考えられる病気を理解して適切な治療や検査を受けよう 肩の痛みは、筋肉のこりや加齢による変化だけでなく、首・背骨・内臓の病気が隠れているケースもあり、原因によって対処法が大きく異なります。 肩の痛みに加えて、しびれ・発熱・体重減少など全身症状をともなう場合には、早めの受診が重要です。 また、手術を避けたい方や長期の通院が難しい方には、幹細胞治療やPRP療法といった再生医療という選択肢もあります。 肩の再生医療の仕組みや実際の症例については、以下の動画でも詳しく解説しています。 肩の痛みの原因を正しく見極め、自分に合った方法で早期改善を目指しましょう。 「自分の肩の痛みは再生医療の対象になるのか?」「手術を勧められているが他の方法はあるのか?」とお悩みは、当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談で専門スタッフにご相談ください。
2022.03.16 -
- インピンジメント症候群
- 肩関節
「肩の骨が出っ張っている」 「骨に関する病気?」 鏡で肩を見たときに片側の骨が出っ張っていたり、硬いふくらみを触れたりすると、関節のずれや脱臼を心配する方は少なくありません。 肩の出っ張りは、骨格の特徴や肩関節・靱帯の変化によって目立つことがあります。スポーツ歴などによる関節損傷や脱臼後の変化が関係している場合もあるため、状態に応じた確認や治療が必要です。 本記事では、現役医師が肩の骨の出っ張りについて詳しく解説します。原因や治し方についても紹介し、記事の最後にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肩の骨の出っ張りについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肩の骨の出っ張りについて 肩の骨の出っ張りとは、鎖骨や肩甲骨の一部が皮膚の表面から目立って見える状態を指します。肩の上部には鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖関節があり、この関節の位置関係や周囲組織の変化によって骨の見え方が変わることがあります。 転倒やスポーツで肩に強い衝撃が加わると肩鎖関節を支える靱帯が損傷し、鎖骨の端が浮き上がったように見えることがあり、左右差として気づくことが多く、押すと沈むのが特徴です。 体型や筋肉量の変化によって骨が目立つだけのケースもありますが、外傷後に出現した場合や形の変化が続く場合は、整形外科で原因を確認することが大切です。 肩の骨が出っ張る原因 原因 詳細 肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう) 転倒やスポーツ外傷などで鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖関節の靱帯が損傷し、鎖骨の端が上方へ突出する状態 インピンジメント症候群 肩を動かす際に腱や滑液包が肩峰と上腕骨の間で挟まれ、炎症や機能障害が起こることで肩の骨が目立つ状態 腱板断裂(けんばんだんれつ) 肩関節を安定させる腱板が損傷・断裂し、関節バランスが崩れることで肩の輪郭が変化する状態 巻き肩・猫背による肩甲骨の位置異常 姿勢不良により肩甲骨が外側へ広がり、鎖骨や肩峰の位置関係が変化して骨が突出して見える状態 変形性肩関節症(へんけいせいかたかんせつしょう) 関節軟骨の摩耗や加齢変化によって関節周囲の骨に骨棘が形成され、肩の骨の形が変化する状態 鎖骨遠位端骨折・変形治癒 鎖骨骨折後に骨の位置がわずかにずれたまま癒合し、鎖骨の端が出っ張って見える状態 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩) 肩関節周囲の炎症や筋肉バランスの変化により肩甲骨や関節の位置が変化し、骨の突出が目立つ状態 肩の骨が出っ張って見える原因は、関節の位置変化・骨折後の変形・筋肉や靱帯の損傷など多岐にわたります。 とくに多いのは肩鎖関節脱臼や腱板損傷など肩関節周囲の障害で、関節のバランスが崩れることで鎖骨の端が上方に浮き上がって見えることがあります。 また、巻き肩や猫背などの姿勢の乱れで肩甲骨の位置が変化すると骨が突出しているように見えることがあり、関節の変形や骨折後の治癒過程によって骨の形状が変わることも特徴です。 肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう) 肩鎖関節脱臼とは、鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖関節に強い力が加わり、関節を支える靱帯が損傷して関節がずれる外傷です。 転倒による直接の衝撃やスポーツ中の衝突などをきっかけに発生することがあります。また、関節がずれると鎖骨の外側端が上方へ持ち上がり、肩の上部に骨が突出して見える場合があります。 関節周囲の腫れや腕の動かしにくさがみられることもあり、損傷の程度は軽度から重度までさまざまです。そのため、状態に応じて固定やリハビリなどの保存療法、または手術療法を含めた適切な評価と治療方針の検討が欠かせません。 インピンジメント症候群 インピンジメント症候群とは、肩関節を動かす際に肩峰と腱板の間で腱や滑液包が挟まれ、炎症や機能障害が生じる状態です。腕を上げる動作(肩の挙上)で起こりやすく、肩の内部で引っかかるような違和感がみられることがあります。 野球・テニス・バレーボールなど腕を頭上に繰り返し上げるスポーツでは肩への負担が蓄積しやすく、姿勢の乱れや肩周囲の筋力バランスの変化も発症の要因です。 以下の記事では、インピンジメント症候群について詳しく解説しています。 【関連記事】 インピンジメント症候群とは|原因や治療法をわかりやすく解説 野球肩|インピンジメント症候群の具体的なリハビリとストレッチの方法とは 腱板断裂(けんばんだんれつ) 項目 内容 症状の特徴 腕を上げにくい、肩に力が入りにくい、腕を動かした際の違和感などの変化 起こりやすい原因 加齢による腱の変性、肩の使いすぎ、転倒や衝突などの外傷 見た目の変化 肩関節の安定性低下による関節バランスの変化、肩の骨が目立つ状態 主な検査 診察による可動域評価、レントゲン検査、MRIなどによる腱板損傷の確認 主な治療法 安静や薬剤などの保存療法、リハビリテーション、状態に応じた手術療法 (文献1)(文献2) 腱板断裂は、肩関節を安定させる腱板が損傷・断裂することで起こる肩の障害です。加齢による腱の変化や肩の使いすぎ、転倒などの外傷が原因となることがあります。 腱板が損傷すると肩関節の安定性が低下し、腕を上げにくい・肩に力が入りにくいといった変化がみられるほか、関節のバランスが崩れることで骨が目立って見える場合もあります。 以下の記事では、腱板断裂について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】腱板断裂とは|原因・治療法・セルフチェックで知る症状のサインについて解説 肩腱板断裂の症状を医師が解説|夜間痛・有痛弧・力が入らないの見分け方 巻き肩・猫背による肩甲骨の位置異常 項目 内容 状態の特徴 姿勢の崩れによる肩甲骨の位置変化、肩甲骨の運動異常 主な原因 巻き肩や猫背などの姿勢不良、長時間のスマートフォン操作やデスクワーク 見た目の変化 肩甲骨の内側が浮き上がる翼状肩甲、肩や背中の骨が突出して見える状態 関連する影響 肩甲骨の動きの乱れによる肩関節への負担増加、肩の機能低下 (文献3)(文献4) 巻き肩や猫背などの姿勢が続くと、肩甲骨の位置や動きが乱れ、肩甲骨の運動異常が起こることがあります。 長時間のスマートフォン操作やデスクワークで肩が前方へ引き出される姿勢が続くと、胸側の筋肉が縮み、背中側の筋肉が弱くなることで肩甲骨の位置が変化します。 肩甲骨の内側が浮き上がる翼状肩甲がみられると肩や背中の骨が目立って見えるため、姿勢の改善と肩甲骨周囲の筋力調整が大切です。 変形性肩関節症(へんけいせいかたかんせつしょう) 変形性肩関節症とは、肩関節の表面を覆う軟骨が加齢や長年の負担によってすり減り、関節の形や動きに変化が生じる疾患です。軟骨が減少すると、骨同士が直接接触しやすくなり、関節の変形や機能低下につながることがあります。 中高年に多くみられますが、過去の脱臼・骨折などの外傷やスポーツ・仕事による繰り返し動作が発症の要因になる場合もあります。 進行すると可動域が制限されて腕を上げる・後ろへ回すといった動作が難しくなるほか、骨棘による骨の変化で出っ張りとして気づく場合もあるため、医療機関への受診が大切です。 鎖骨遠位端骨折・変形治癒 項目 内容 状態の特徴 鎖骨の外側(肩に近い部分)が折れる外傷 主な原因 転倒による肩の打撲、スポーツ中の衝突など強い外力 見た目の変化 骨折後の変形治癒による鎖骨の段差やふくらみ、肩上部の骨の突出 気づくきっかけ 肩の形の変化、肩外側の骨の突出、肩の動きでの違和感 (文献5) 鎖骨遠位端骨折は、鎖骨の肩に近い部分に起こる骨折です。転倒による肩への衝撃やスポーツ中の衝突などで発生することがあります。 骨折した鎖骨は自然に癒合することが多いものの、骨の位置がずれたまま治ると「変形治癒」となり、鎖骨の段差やふくらみとして残ることがあります。 肩の上部に骨が出ているように見えることがありますが、日常生活への影響が少ない場合も多く、形の変化や動きの違和感が続く際は整形外科での評価が必要です。 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩) 肩関節周囲炎は、肩関節周囲の腱・靱帯・関節包などに炎症が起こる状態で、一般に四十肩・五十肩と呼ばれています。 主に40〜60歳頃に多くみられ、加齢による関節周囲組織の変化が発症に関係すると考えられています。炎症が起こると肩関節の可動域が低下し、腕を上げる・後ろへ回すといった動作が難しくなることがあります。 以下の記事では、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)について詳しく解説していきます。 【関連記事】 【医師監修】四十肩と五十肩の違いとは?原因や治療法を詳しく解説 五十肩(四十肩)の治し方を経過別に解説!適切なストレッチの一例も 肩の骨の出っ張りがみられる場合の注意点 注意点 詳細 外傷後や見た目の変化が続く場合は医療機関を受診する 転倒や衝突などの外傷後に肩の骨の突出や左右差が続く場合、関節脱臼や骨折などの可能性の確認 腫れや動かしにくさなどの変化に注意する 肩周囲の腫れ、腕の可動域の低下、関節の違和感など関節や腱の障害を示す可能性 運動やスポーツ復帰は段階的に行う 肩関節への負担増加による状態悪化予防、筋力や可動域の回復を確認しながらの段階的な運動再開 肩の骨が出っ張って見える場合、骨格の特徴や姿勢の影響で問題のないケースもあります。一方、外傷や関節の損傷が背景にみられることもあります。そのため、見た目の変化だけで自己判断するのは避け、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 転倒や衝突後に骨の突出が目立つ場合は、関節脱臼や骨折の可能性があります。腕の動きにくさや肩周囲の腫れ、違和感を伴う場合は、関節や筋肉のトラブルが進行している可能性があります。 外傷後や見た目の変化が続く場合は医療機関を受診する 外傷後に肩の骨の出っ張りがみられる場合、鎖骨骨折や肩鎖関節脱臼が関係している可能性があります。肩鎖関節脱臼では靱帯の損傷によって関節がずれ、鎖骨の外側端が皮膚を押し上げるように突出して見えるのも特徴です。 損傷の程度によって治療方針は異なり、固定などの保存療法が選択される場合もあれば、手術が検討されるケースもあります。外見の変化だけでの判断は難しいため、画像検査で関節や骨の状態を確認することが重要です。 腫れや動かしにくさなどの変化に注意する 肩の骨の出っ張りに加えて腫れや動かしにくさがみられる場合、肩鎖関節や周囲の靱帯が損傷している可能性があります。 肩鎖関節の外傷では関節周囲に腫れが生じ、靱帯の損傷によって肩関節の安定性が低下することで腕を上げる動作や可動域に影響が出ることがあります。 腫れや可動域の制限がある状態で無理に肩を動かすと、関節への負担が増すことがあります。こうした変化が続く場合は肩の状態を確認し、適切な安静や治療につなげることが大切です。 運動やスポーツ復帰は段階的に行う 項目 内容 注意する理由 関節や靱帯が十分に回復していない状態での運動再開による肩関節への過度な負担 リハビリの基本 可動域回復 → 筋力強化 → スポーツ動作練習という段階的なリハビリ過程 回復への影響 関節の安定性回復、肩周囲筋の協調運動の改善 予防の観点 関節の不安定性や再受傷リスクの低減 復帰の方法 練習時間・運動強度・動作回数を段階的に増やす負荷調整 (文献6)(文献7) 肩の外傷や関節障害がある状態で急に運動を再開すると、関節や靱帯に大きな負担がかかることがあります。そのため肩のリハビリでは、可動域の回復→筋力強化→スポーツ動作へと段階的に進める方法が一般的です。 この過程を経ることで肩関節の安定性や筋肉の協調的な動きが回復しやすくなります。また、練習時間や運動強度を少しずつ増やすことで肩の状態を確認しながら復帰でき、再受傷の予防にもつながります。 肩の骨の出っ張りの治し方(治療法) 治し方(治療法) 詳細 保存療法(安静・固定・薬剤・注射) 肩関節への負担軽減のための安静や固定、薬剤や注射による炎症や関節周囲症状の改善を目的とした治療 リハビリテーション(運動療法・理学療法) 肩関節の可動域回復や筋力強化、肩甲骨周囲の筋肉バランス改善を目的とした運動療法・理学療法 手術療法(関節や靱帯の修復) 関節脱臼や靱帯損傷、腱板断裂など構造的な障害に対する関節や靱帯の修復を目的とした外科的治療 再生医療 患者自身の細胞や血液成分を利用し、損傷した腱や靱帯など組織の修復を促すことを目的とした治療 肩の骨の出っ張りは原因によって対処法が異なるため、医療機関で原因を確認した上で適切な治療を受けることが大切です。 軽度の場合は、安静・固定・薬剤・注射などの保存療法で対応することが一般的です。関節への負担を抑えながら、可動域の改善や筋力回復を目的としたリハビリテーションを行います。 関節脱臼や腱板断裂など構造的な損傷が大きい場合は手術療法が検討され、状態によっては再生医療が選択肢となることもあります。 保存療法(安静・固定・薬剤・注射) 保存療法 詳細 安静 肩関節の過度な動作を控えることによる関節・靱帯への負担軽減、損傷組織の回復環境の維持 固定 三角巾などによる肩関節の固定、関節の動き抑制による靱帯や周囲組織の修復促進 薬剤 消炎鎮痛薬などによる関節や腱の炎症の抑制、関節機能の改善を目的とした治療 注射 局所注射による関節周囲の炎症軽減、症状の緩和と関節状態の安定化 (文献8)(文献9) 保存療法は、肩関節や靱帯への負担を減らしながら組織の回復を促す治療です。安静や固定によって肩の動きを抑え、損傷した組織が回復しやすい環境を整えます。 薬剤や局所注射は関節や腱の炎症を抑える目的で用いられ、肩の状態を落ち着かせる効果が期待されます。肩の外傷や関節障害では初期治療として選択されることが多く、手術と比較して身体への負担が小さい点が特徴です。 リハビリテーション(運動療法・理学療法) リハビリ内容 詳細 可動域訓練 ストレッチや関節運動による肩関節可動域の維持・改善、関節の硬さの軽減 筋力強化 腱板や肩甲骨周囲筋の強化による肩関節の安定性向上 動作訓練 日常生活動作やスポーツ動作への段階的な機能回復訓練 再発予防 筋力バランスや動作の改善による肩関節への負担軽減、再受傷・慢性化の予防 (文献10)(文献11) リハビリテーションは、肩関節の機能回復を目的として行われる治療です。安静期間が続くと肩関節の動きが制限されやすいため、ストレッチや関節運動で可動域の回復を図ります。 腱板や肩甲骨周囲の筋肉を強化して関節の安定性を高め、日常生活やスポーツ動作に近い運動へ、段階的に進めていきます。さらに筋力や動作バランスが改善することで、再受傷や慢性化の予防にもつながります。 以下の記事では、腱板損傷に効果的なリハビリ方法について詳しく解説しています。 手術療法(関節や靱帯の修復) 項目 詳細 手術の目的 関節のずれの整復、損傷した靱帯の修復・再建による肩関節の安定性回復 手術が検討される場合 関節脱臼の程度が大きい場合、保存療法で改善がみられない場合 期待される効果 肩関節の力学的バランスの改善、日常生活動作やスポーツ動作の機能回復 予防の観点 関節の慢性的な不安定性や関節変形の進行予防 注意点 手術適応の慎重な判断、術後リハビリによる段階的な機能回復 (文献12)(文献13) 手術療法は、肩鎖関節脱臼などで関節のずれが大きい場合や、保存療法で十分な改善が得られない場合に検討される治療です。 関節を本来の位置へ整復し、損傷した靱帯を修復・再建することで肩関節の安定性回復を目指します。これにより日常生活動作やスポーツ動作の改善が期待されます。ただし、すべての症例で手術が必要となるわけではなく、状態に応じた適応判断が大切です。 以下の記事では、肩腱板断裂の手術方法と入院期間を詳しく解説します。 再生医療 項目 詳細 治療の特徴 患者自身の細胞や血液成分を利用した組織修復・再生を目的とする治療 対象となる可能性 腱板損傷や肩関節周囲組織の障害など腱・靱帯・軟骨の損傷 期待される作用 成長因子の分泌や細胞分化による組織修復環境の改善 検討される場面 保存療法やリハビリ、手術など従来治療で改善が十分でない場合 注意点 研究段階の領域を含む治療、適応判断や効果評価に医師による専門的評価が必要 (文献14) 再生医療とは、患者自身の細胞や血液成分などを利用し、損傷した組織の修復や再生を促すことを目的とした治療法です。 整形外科領域では、腱や靱帯、軟骨などの回復を助ける可能性のある治療として注目されており、肩の障害では腱板損傷などを対象とした研究も進んでいます。(文献15) 従来の治療で十分な改善が得られない場合に、治療選択肢として検討されることがあります。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 肩の骨の出っ張りは放置せず医療機関を受診しよう 肩の骨の出っ張りは、姿勢や骨格の特徴による場合もありますが、肩鎖関節脱臼や腱板損傷などが関係しているケースもあります。 外見の変化だけで原因を判断することは難しく、自己判断で様子を見るだけでは適切な対応につながらないことがあります。とくに外傷をきっかけに肩の形が変わった場合や、腕を動かした際の違和感や動かしにくさが続く場合は注意が必要です。 整形外科での診察や画像検査で骨・関節・靱帯の状態を早めに把握することが、状態に応じた治療やリハビリを進める上で大切です。 肩の骨の出っ張りについてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、肩の骨の出っ張りの症状に応じて、再生医療を治療選択肢のひとつとして提案させていただきます。 肩鎖関節の変化や肩周囲組織の障害が関係している場合、脂肪由来の幹細胞の「分化能」や血小板に含まれる成長因子の働きを活かした再生医療が治療の選択肢として検討されることがあります。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 肩の骨の出っ張りに関するよくある質問 肩の骨の出っ張りは自然に元に戻りますか? 肩の骨の出っ張りは原因によって異なり、姿勢の影響や軽い炎症であれば安静やリハビリによって改善することがあります。 一方、肩鎖関節脱臼や骨折後の変形など骨の位置や形が変化している場合は、出っ張りが残ることもあります。外傷後に出っ張りが続く場合は、整形外科での評価が大切です。 肩の骨の出っ張りが生まれつきあるのですが大丈夫でしょうか? 肩の骨の出っ張りが生まれつきある場合、骨の形や鎖骨の位置など体の個人差によることがあります。違和感や動かしにくさがなく左右差も大きくなければ、身体の特徴として経過観察となることも少なくありません。 ただし、外傷後に目立つようになった場合や左右差が大きい場合は、肩鎖関節脱臼や骨折などが関係している可能性もあるため、整形外科での評価が必要です。 肩の骨の出っ張りが気になる場合は何科を受診すれば良いですか? 肩の骨の出っ張りが気になる場合は、整形外科の受診が勧められます。問診や触診に加えてレントゲンやMRIなどの検査で、骨・関節・靱帯・腱の状態を確認します。 転倒やスポーツ後に出っ張りが目立つ場合は、肩鎖関節脱臼や骨折の可能性もあるため早めの受診が必要です。強い違和感や変形がある場合は、救急外来での診察が検討されます。 参考文献 (文献1) Rotator Cuff Tear|Cleveland Clinic logo (文献2) Rotator Cuff Tears|Orthoinfo (文献3) Association between kyphosis and subacromial impingement syndrome: LOHAS study|ScienceDirect (文献4) Scapular (Shoulder Blade) Disorders|OrthoInfo (文献5) Clavicle Fracture (Broken Collarbone)|OrthoInfo (文献6) Acromioclavicular Joint Injuries: Effective Rehabilitation|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献7) Rehabilitation and Return to Play of the Athlete after an Upper Extremity Injury|ScienceDirect (文献8) Acromioclavicular joint separation: Controversies and treatment algorithm | Published in Orthopedic Reviews (文献9) Nonoperative Management of Traumatic Acromioclavicular Joint Injury: A Clinical Commentary with Clinical Practice Considerations | IJSPT (文献10) Current trends in rehabilitation of rotator cuff injuries|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献11) Rotator Cuff and Shoulder Conditioning Program|OrthoInfo (文献12) Acromioclavicular joint separation: Controversies and treatment algorithm|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献13) Current Concepts in Management of Acromioclavicular Joint Injury|MDPI (文献14) Advances in Stem Cell Therapies for Rotator Cuff Injuries|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献15) Global research hotspots of stem cell therapy for rotator cuff injuries: A bibliometric and visualized analysis |ScienceDirect
2022.02.25







