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「心不全は治るのか」 「完治した人はいるのか」 心不全と診断された直後、予後や今後の生活への不安を感じる方は多くいます。心不全は、完全に元の状態へ戻ることが難しい疾患であり、長期にわたって管理が必要な慢性疾患です。 ただし、治療と生活習慣の管理によって状態を安定させ、日常生活を維持できるケースも少なくありません。 本記事では心不全の治療について解説します。記事の最後にはよくある質問もまとめていますので、あわせて参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 心不全について気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 心不全とは 項目 詳細 心不全の特徴 ゆっくり進行し初期は気づきにくい状態・改善と悪化を繰り返す経過・放置で進行する慢性的な状態 心不全の主な症状 労作時の息切れ・下肢や顔のむくみ・全身の倦怠感・急激な体重増加・仰臥位での呼吸困難 心不全の主な原因 高血圧による心負荷の蓄積・心筋梗塞や狭心症による心筋障害・弁膜症による血流異常・不整脈による拍動異常・心筋症による収縮機能低下 (文献1)(文献2) 心不全とは、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなる状態です。高血圧や虚血性心疾患などの原因疾患が心臓に長期間負担をかけ続けることで進行します。 心不全の初期は症状に気づきにくく、息切れやむくみが現れた時点ですでに病態が進行しているケースも少なくありません。重症化を防ぐには、早期診断と治療、生活管理の継続が求められます。 心不全が完治した人の実例と治る確率について 現在の医学では、心不全で低下した心機能を完全に元へ戻すことは難しく、完治はまれです。 ただし、原因疾患の治療と適切な管理によって症状がほぼ出ない状態まで回復し、長期にわたって安定した生活を送れる場合もあります。こうした状態は完治ではなく、寛解またはコントロールされた状態という位置づけです。 心不全に「治る確率」として示せる明確な数値はなく、原因疾患・重症度・年齢によって経過は大きく異なります。 予後の目安として、5年生存率は約50%と報告されていますが、この数字はすべての病期(ステージ)・年齢層を含めた統計であり、個々の状態によって見通しは変わります。 心不全の完治が難しい理由 難しい理由 詳細 心臓の機能低下が元に戻りにくいため 心筋のダメージや構造変化が回復しにくい状態。低下したポンプ機能の完全回復が困難な特性 基礎疾患の慢性化と加齢の影響を受けやすいため 高血圧や糖尿病などの持続的負担の蓄積。加齢による心機能や血管機能の低下 治療は症状コントロールが中心で再発を繰り返しやすいため 症状の改善後も再増悪しやすい経過。治療中断や体調変化による悪化リスクの存在 心不全の完治が難しい主な理由は、心臓の機能低下が構造的な変化を伴うためです。一度障害を受けた心筋は再生しにくく、機能の回復には限界があります。 高血圧や糖尿病などの基礎疾患が継続的に心臓へ負担をかける上、加齢による心機能の低下も重なるため、根本的な改善が困難です。 治療の目標も症状のコントロールと安定維持に置かれるため、増悪と安定を繰り返しながら進行する経過をたどりやすく、長期にわたる継続的な管理が必要になります。 心臓の機能低下が元に戻りにくいため 項目 詳細 心筋のダメージ 心筋梗塞などによる不可逆的な心筋障害。正常な筋肉へ戻りにくい性質 心機能低下の不可逆性 多くの心臓障害が元に戻らない変化として残存。完全回復が難しい特性 心臓構造の変化 心拡大や収縮力低下によるポンプ機能の低下。構造的変化の固定化 回復可能なケースの限界 原因除去で改善する例の存在。ただし一部に限られる傾向 (文献1) 心不全では、心筋の障害や心臓の構造変化によって機能低下が残りやすく、完全な回復は難しいのが現状です。ただし、アルコール性心筋症や不整脈が原因の場合、原因を取り除くことで心機能が改善するケースがあります。 こうした回復が見込まれる心不全は一部に限られており、多くは長期にわたる継続的な管理が必要な状態です。(文献2) 基礎疾患の慢性化と加齢の影響を受けやすいため 心不全の完治が難しい理由のひとつに、基礎疾患の慢性化と加齢の影響があります。心不全は高血圧・心筋梗塞・弁膜症・糖尿病など複数の疾患が重なって生じるため、原因を完全に取り除くことが困難です。 これらは治療でコントロールできても根治が難しい慢性疾患であり、心臓への負担が持続しやすい性質を持ちます。 加齢に伴う心機能・血管機能の低下も回復を妨げる要因となり、複数の問題が重なるほど回復が難しくなります。 以下の記事では、心不全の原因である疾患について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】高血圧とは|原因・症状・予防法・治療まで徹底解説 腎臓機能と高血圧を改善する方法|悪影響を及ぼす理由も現役医師が解説 治療は症状コントロールが中心で再発を繰り返しやすいため 心不全の治療は、心機能の完全な回復が難しいことを前提に、症状の改善と状態の安定維持を目的として行われます。 息切れやむくみの軽減、心臓への負担の軽減、悪化予防を軸に継続的な管理が必要です。感染症・生活習慣の乱れ・不整脈などを契機に状態が悪化することがあり、症状が落ち着いている時期も管理を緩めないことが大切です。 増悪と改善を繰り返す中で心機能は段階的に低下するため、再発や再入院を防ぐには治療の継続と日常生活の管理が欠かせません。 以下の記事では、日常で起こりうる感染症や不整脈などについて詳しく解説しています。 【関連記事】 コロナで咳が止まらない原因とは?対処法・セルフケアを解説 不整脈とストレスの関係性は?治し方を含め現役医師が解説 心不全の治療法 治療法 詳細 薬物療法 利尿薬や心機能改善薬の使用による症状軽減と心負荷の軽減。再発予防を目的とした基本治療 生活習慣の改善(塩分制限・体重管理・運動療法) 塩分摂取制限や体重管理による体液調整。医師指導下での運動による心機能維持と悪化予防 デバイス治療(ペースメーカー・ICDなど) 不整脈の管理や心拍調整を目的とした機器植込み治療。突然の心停止予防や心機能補助 補助人工心臓や心臓移植(薬物療法などで改善が難しい末期心不全で専門施設にて検討) 重症例に対する循環補助や根本治療としての外科的治療。専門施設での適応判断が必要な高度医療 再生医療 幹細胞などを用いた心筋修復を目指す治療法。研究段階を含む新しい治療選択肢 心不全の治療は、薬物療法を基本に生活習慣の改善を組み合わせ、症状の軽減と再発予防を図ることが中心です。 状態に応じてデバイス治療が行われ、末期例では補助人工心臓や心臓移植が検討されます。さらに、再生医療は損傷した心筋の回復を目指す新しい治療分野として研究・応用が進んでいます。 ただし適応や効果には個人差があり、限られた医療機関でしか実施されていない点に留意が必要です。 薬物療法 薬物療法は心不全治療の基本であり、心臓への負担を軽減しながら症状の改善と悪化予防を図ります。 血管拡張や血圧調整で心臓の働きを補助しつつ、利尿薬で余分な水分を排出することでむくみや息切れを軽減させます。長期的には、心機能の低下抑制と増悪・再入院リスクの低減を目的に継続されます。 症状が安定していても、患者自身の判断で中断すると急性増悪を招くリスクがあるため、処方された薬は指示通りに飲み続けることが前提です。 以下の記事では、心不全における薬物療法で使用される薬剤について詳しく解説しています。 【関連記事】 降圧剤(高血圧の薬)の種類と副作用を解説|生活習慣と併用して血圧を下げる方法【医師監修】 LDL(悪玉)コレステロールを下げる薬の種類一覧|服用を始める目安や必要性を解説 生活習慣の改善(塩分制限・体重管理・運動療法) 項目 詳細 塩分制限 体内の水分貯留を防ぎ心負担を軽減する管理 体重管理 体重変化から悪化の兆候を把握する管理 運動療法 体力維持と血流改善を目的とした医師の指導のもとで強度を調整した運動 (文献3)(文献4) 心不全の経過は日常生活の管理に大きく左右されます。塩分制限は体内の水分貯留を抑え、毎日の体重測定は状態悪化の早期発見につながります。 安定期には医師の指導のもとで適度な運動の継続が、体力維持と血流改善に有用です。これらは単なる補助ではなく、薬物療法と並ぶ治療の一環とされています。 以下の記事では、生活習慣の改善方法をわかりやすく解説しています。 【関連記事】 ウォーキングの5つの効果|正しい歩き方のポイントを解説 血圧を下げる方法|基準値や自分で測定する方法を解説 デバイス治療(ペースメーカー・ICDなど) 項目 詳細 ペースメーカー 心拍数低下時の電気刺激によるリズム維持と循環補助 ICD(植込み型除細動器) 致死性不整脈の検知と電気ショックによる突然の重篤化予防 CRT(心臓再同期療法) 心臓の収縮タイミング調整によるポンプ機能の効率改善 適応と位置づけ 薬物療法で効果不十分な場合に検討される補助的治療手段 (文献5)(文献6) デバイス治療は、薬物療法だけでは十分な効果が得られない場合に検討されます。ペースメーカーは心拍リズムを整え、ICDは致死性不整脈による突然死の予防を目的に使用されます。 一方、左右の心室の収縮タイミングを同期させることで心臓が血液を送り出す効率を改善するのが、CRTの特徴です。 適応は症状や心機能の程度によって判断されますが、適切に導入された場合には症状の安定と予後改善に寄与します。 補助人工心臓や心臓移植(薬物療法などで改善が難しい末期心不全で専門施設にて検討) 項目 詳細 適応 薬物療法やデバイス治療で改善困難な重症心不全例での検討 補助人工心臓(VAD) 心臓のポンプ機能を補助し、血流を維持する機械的な循環補助装置 心臓移植 機能低下した心臓を置き換える根本的治療 実施条件 年齢や全身状態、合併症を踏まえた厳格な適応判断 位置づけ 重症例における最終段階の治療選択肢 (文献7)(文献8) 補助人工心臓と心臓移植は、薬物療法やデバイス治療では改善が見込めない重症例に対して専門施設で検討される医療です。 補助人工心臓は、機械的に血流を維持することで全身状態の安定を図り、心臓移植の待機中に用いられるケースもあります。 心臓移植は心機能の回復が見込まれる一方、国内ではドナー不足により待機期間が長期に及ぶのが現状です。適応には厳格な条件があり、すべての患者が対象ではありません。 再生医療 項目 詳細 治療の目的 心筋修復と機能回復を目指す新しい治療アプローチ 期待される効果 心機能改善や運動耐容能向上の可能性 現在の位置づけ 標準治療として未確立の研究段階の治療 適応と実施 対象患者や実施施設が限定される慎重な適応判断 (文献9) 再生医療は、損傷した心筋へのアプローチを目的とした比較的新しい治療分野です。脂肪由来の幹細胞には他の細胞に分化する能力があり、心筋組織への働きかけが期待されています。 ただし、効果には個人差があり、現時点では標準治療として確立された方法ではありません。薬物療法などの基本治療を継続した上で、適応を専門医が個別に判断します。 リペアセルクリニックは心不全に対応している再生医療専門のクリニックです。心不全の症状にお悩みの方へ手術・入院を必要としない【再生医療】を提供しています。 詳しくは、心不全に対する再生医療の症例をご覧ください。 心不全との正しい向き合い方 正しい向き合い方 詳細 治療を継続し自己管理を徹底する 服薬継続と定期受診の維持。体調変化の把握と記録による状態管理 生活習慣を整える(食事・運動・体重管理) 塩分制限や適切な運動。体重管理による心負担軽減と再発予防 異変時は早めに受診し無理をしない 息切れやむくみの悪化時の早期受診。無理の回避による重症化予防 心不全の予後は、治療の継続と日常的な自己管理に大きく左右されます。処方された治療薬を継続し定期受診を守りながら、食事・運動・体重管理を徹底することで心臓への負担を軽減し、再発予防につながります。 息切れやむくみの悪化といった変化を早期に察知し、無理をせず受診することが重症化を防ぐ上で不可欠です。 治療を継続し自己管理を徹底する 心不全の症状安定と悪化予防には、治療の継続と自己管理が直結します。薬物療法や生活管理を中断すると症状が急激に悪化するリスクがあり、自己判断での治療中断は避ける必要があります。 体重増加やむくみ、息切れの悪化を早期に察知し、治療と自己管理を継続することが、重症化の防止と再発・入院リスクの低減につながります。 生活習慣を整える(食事・運動・体重管理) 項目 詳細 食事 塩分・水分管理による体液貯留の抑制と心負担軽減 運動 状態に応じた運動による体力維持と血流改善 体重管理 体重変化の把握による悪化兆候の早期発見 (文献10)(文献11) 心不全において食事・運動・体重管理は薬物療法と並ぶ治療の一環です。塩分と水分の摂取量を調整することで体内の水分貯留を抑え、心臓への負担軽減につながります。 安定期には医師の指導のもとで適度な運動を継続することが、体力維持と血流改善に有用です。毎日の体重測定は状態変化を把握する指標となり、急激な増加は悪化のサインとして早期対応につながります。 以下の記事では、生活習慣の改善について詳しく解説しています。 【関連記事】 サルコペニア肥満とは|セルフチェックや解消法を医師が解説 脂質異常症の改善は食事と運動が基本|発症の原因と改善方法・おすすめの食事を解説 異変時は早めに受診し無理をしない 項目 詳細 急速な悪化リスク 数日単位で進行する可能性のある疾患特性 早期受診の重要性 息切れ増悪やむくみ、体重増加時の速やかな受診対応 無理の影響 過活動による心負担の増大と症状悪化のリスク 早期対応の効果 重症化や再入院の予防につながる対応 (文献12)(文献13) 心不全は短期間で急激に悪化することがあり、体調変化への早期対応が経過を左右します。息切れの増強・むくみの悪化・急激な体重増加は悪化のサインであり、こうした変化が現れた際は速やかに医療機関へ連絡してください。 過度な活動は心臓への負担を増大させるため、体調に応じて活動量を調整することが再入院の予防につながります。 改善しない心不全でお悩みの方は当院へご相談ください 治療を継続しているにもかかわらず症状が改善しない場合、治療内容の見直しや専門的な評価が必要です。当院では現在の状態と治療経過を丁寧に確認した上で、治療方針の再検討を行います。 心不全の症状にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療を提供しており、心不全に対する治療の選択肢のひとつとして検討いただけます。 脂肪採取から細胞培養を経て、点滴または局所投与で行う流れです。適応については個別に判断しており、現在の治療経過や状態をもとに丁寧にご説明した上で進めます。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 心不全は治るのか気になる方によくある質問 心不全は高齢でも改善は期待できますか? 高齢であっても、薬物療法と生活管理によって症状を安定させ、日常生活の質を維持できるケースもあります。 ただし、加齢や複数の併存疾患が重なる場合、完治よりも現状維持を目標とする治療方針が現実的な選択となります。 年齢を理由に治療を諦める必要はなく、早めに医師へ相談することが状態を安定させるために重要です。 心不全の家族との向き合い方や注意点を教えてください 心不全の患者を支える上で、日常の変化に気づける環境を整えることが重要です。体重・むくみ・息切れの変化を日頃から確認することで、悪化のサインを早期に把握できます。 服薬・食事管理・通院の継続をサポートすることも家族の重要な役割ですが、過度な管理は本人の心理的負担になることがあるため、本人のペースを尊重した関わり方が求められます。 心不全で亡くなる前の症状や前兆ってありますか? 心不全には、状態が悪化する際に現れやすい症状や前兆があります。代表的なものとして、息切れの増強や安静時の呼吸困難、急激な体重増加といった変化が現れることがあります。 以下のような症状や前兆が現れた場合は注意が必要です。 項目 詳細 呼吸困難の増悪 労作時や安静時の息切れ・横になると苦しくなる呼吸状態 むくみ・体重増加 下肢や顔のむくみ・急激な体重増加による体液貯留のサイン 全身症状 強い倦怠感・食欲低下・活動量低下などの全身状態の悪化 不整脈・急変 危険な不整脈や急激な体調変化による重篤化リスク (文献14) 不整脈や意識レベルの変化を伴う場合は、より緊急性が高い状態と判断されます。こうした変化が見られた際は、自己判断で様子を見ず速やかに医療機関へ連絡してください。 以下の記事では、心不全で亡くなる前の症状について詳しく解説しています。 心不全の余命はどのくらいですか? 心不全は個人差が大きく、特定の余命を示すことはできません。目安として5年生存率は約50%と報告されていますが、進行度や基礎疾患によって経過は大きく異なります。 適切な治療と生活管理を継続することで、長期にわたって安定した生活を維持できるケースも少なくないため、診断後の管理の質が予後を左右します。 参考文献 (文献1) 重症心不全治療|日本内科学会雑誌 109 巻 2 号 (文献2) すでに心不全と言われている方のQ&A|日本心不全ネットワーク (文献3) ESC 診療ガイドライン - 急性・慢性心不全管理 (文献4) ESC 診療ガイドライン 急性・慢性心不全管理 患者さんに知っていただきたいこと|ESC (文献5) 植込み型心臓電気デバイス|特集 不整脈治療最前線 (文献6) 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)|不整脈非薬物治療ガイドライン (文献7) 心臓移植レシピエントの適応基準 | 一般社団法人 日本循環器学会 (文献8) 植込型補助人工心臓|開発・審査ガイドラインデータベース (文献9) 心不全に対する新しい心臓再生治療 ―心筋リプログラミング (文献10) 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン|心不全診療ガイドライン (文献11) 心不全予防に関する ステートメント|一般社団法人 日本心不全学会 (文献12) 大都市圏での高齢心不全患者の再入院防止を 目的とした地域連携|日本循環器学会専門医誌 循環器専門医第27巻 2018年 8月 (文献13) 地域のかかりつけ医と多職種のための 心不全診療ガイドブック|厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 (文献14) 心不全とはなにか|高齢者の心不全|公益財団法人 日本心臓財団
2026.05.31 -
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心不全は、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出しにくくなる状態です。 進行すると、息苦しさやむくみ、体重増加、強い倦怠感などが現れ、急な悪化では救急対応が必要になるケースもあります。家族が「亡くなる前の症状ではないか」と不安になる場面では、症状の種類や緊急性の目安を知っておくことが大切です。 本記事では、心不全で亡くなる前に現れやすい症状や原因になり得る主な疾患、慢性心不全の治療選択肢について解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状や体調に不安がある方は、ぜひご登録ください。 心不全で亡くなる前に現れやすい主な症状 心不全では、心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を十分に送り出しにくくなります。 進行すると、肺や体に水分がたまりやすくなり、呼吸困難やむくみ、強い倦怠感などが現れることがあるため注意しましょう。 症状の出方は個人差がありますが、初期・進行時・亡くなる前に近い時期では、次のような変化が目安です。 段階 現れやすい症状 初期 ・階段や坂道での息切れ ・動悸・疲れやすさ ・手足の冷え ・食欲不振 ・夜間頻尿 進行時 ・横になると苦しい ・夜間の咳 ・足首のむくみ・体重増加 ・胸痛 ・めまい・ふらつき 亡くなる前に近い時期 ・安静時の呼吸困難 ・強い疲労感 ・続く胸痛 ・反応の鈍さ ・意識レベルの低下 ただし、上記の症状があるからといって、すぐに亡くなる状態だとは限りません。 以下では、症状別により詳しく見ていきましょう。 息苦しさが続く「呼吸困難」 心不全が進行すると、息苦しさや息切れが目立つようになります。 心臓の働きが低下すると肺に水分がたまりやすくなり、体を動かしたときだけでなく、安静時にも呼吸がつらくなる場合があるのです。 とくに、次のような変化に注意しましょう。 少し歩くだけで息が上がる 会話の途中で呼吸が苦しくなる 横になると息苦しく、座っているほうが楽になる 夜間に咳や息苦しさで目が覚める 急性心不全や肺の病気などでも似た症状が出るため、横になれないほど苦しい、唇が紫っぽい、呼吸が浅いなどの変化があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。 足・手・顔・お腹などが腫れる「むくみ・体重増加」 心不全では、足や手、顔、お腹などにむくみが出る場合があります。心臓の働きが低下すると血液の流れが滞り、体内に余分な水分がたまりやすくなるのが原因です。 たとえば、以下のような変化に注意してください。 靴下の跡がいつもより深く残る 足首を押すとへこみが戻りにくい 靴がきつく感じる 食事量が増えていないのに短期間で体重が増えた場合も、水分の貯留が関係している可能性があります。 むくみだけでは緊急性は判断しにくいものの、息苦しさや尿量の減少、急な体重増加を伴う場合は注意が必要です。 いつもと違う「疲労感・倦怠感」 心不全が進行すると、いつもと違う疲労感や倦怠感が現れるのが特徴です。 心臓から全身へ送られる血液が不足すると、筋肉や臓器に酸素が届きにくくなり、少し動いただけでも強い疲れを感じやすくなります。 たとえば、以下のような変化が見られます。 着替えやトイレへの移動だけでぐったりする 食事中に休みたがる 以前より横になっている時間が増える 高齢者では、「年齢のせい」「体力が落ちた」と受け止められ、心不全の悪化に気づきにくい場合も少なくありません。 締めつけられるような「胸の痛み」 心臓に十分な血液や酸素が届きにくくなると、胸が締めつけられる、圧迫される、重く感じるといった症状が現れるケースがあります。 胸の痛みは、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が背景にある場合にも起こるため、以下のような症状を見逃さないようにしましょう。 胸の中央が苦しい 冷や汗を伴う 左肩や背中、あごに痛みが広がっている また、心不全そのものの進行だけでなく、原因となる心臓病の悪化が関係している可能性もあります。 頭がクラクラする「めまい・動悸」 めまいや動悸も心不全で現れる症状です。 心臓のポンプ機能が低下すると、脳や全身へ送られる血液が不足し、頭がクラクラする、ふらつく、脈が乱れるように感じることがあります。 たとえば、立ち上がったときに強くふらつく、脈が速い・飛ぶように感じる、胸の違和感を伴うなどの変化に注意しましょう。 高齢者の場合、めまいによって転倒し、骨折や寝たきりにつながるリスクもあります。動悸やめまいだけで心不全の末期とは判断できませんが、息苦しさや胸の痛み、失神を伴う場合は緊急性が高い可能性がある点に留意しておきましょう。 呼びかけに反応しないなどの「意識レベルの低下」 心不全が悪化すると、呼びかけへの反応が鈍い、会話がかみ合わない、ぼんやりしているなど、意識レベルの低下が見られるケースがあります。 心臓から全身へ送られる血液が不足し、脳に十分な酸素が届きにくくなることが関係しており、次のような様子が見られます。 名前を呼んでも反応が弱い 受け答えがいつもより遅い 急に眠り込む時間が増えた 目線が合わず、ぼんやりしている 意識レベルの低下は、心不全に限らず脳卒中や感染症、脱水、薬の影響などでも起こります。 原因を家庭で見分けるのは難しいため、呼びかけに反応しない、失神した、急に様子が変わった場合は、救急要請を検討しましょう。 心不全で亡くなる確率 心不全で亡くなる確率は、原因となる心臓病の種類や年齢、治療状況、重症度によって変わります。 心不全全体の年間死亡率は7〜8%、NYHA分類Ⅲ度では20〜30%、Ⅳ度では適切な治療を受けなければ2年以内に50%が亡くなるとされています。(文献1) 心不全の重症度を把握する際には、以下のNYHA分類(ニューヨーク心臓協会による重症度の分け方) が用いられています。(文献2) 分類 状態の目安 Ⅰ度 心疾患はあるが、日常的な身体活動で過度な疲労・動悸・息切れ・胸痛は起こらない Ⅱ度 身体活動に軽い制限があり、普段の活動で疲労・動悸・息切れ・胸痛が出る Ⅲ度 身体活動が大きく制限され、安静時は楽でも、通常より軽い活動で症状が出る Ⅳ度 身体活動ができず、安静時にも心不全症状や胸痛が出ることがある ただし、心不全では再入院を繰り返しながら、全身状態が低下するケースもあるため、死亡率の数字だけで個別の余命は判断できません。 息切れやむくみ、体重増加などの変化を早めに医師へ伝え、治療や生活管理を続けることが大切です。 高齢者が心不全で亡くなる前の末期症状 高齢者の心不全では、息切れやむくみなどの身体の変化だけでなく、不安や気分の落ち込みなど精神面の変化も見られる場合があります。 ここでは、家族が気づきやすい身体的症状と精神的症状について見ていきましょう。 身体的症状 高齢者が心不全で亡くなる前に近い状態では、心臓の働きが低下し、肺や全身に水分がたまりやすくなるため、呼吸の苦しさやむくみ、強いだるさなどが目立つ場合があります。 たとえば、以下のような症状を見逃さないようにしましょう。 横になると息苦しく座って過ごす時間が増える 足や顔のむくみが強くなる 食事量が減る 尿量が少なくなる また、夜間に咳が続く、会話だけで息が切れる、手足が冷たいなども注意したい症状です。 ただし、症状だけで「亡くなる前」と判断はできません。 急性心不全や感染症、脱水などでも似た変化が起こるため、息苦しさが急に強くなった、呼びかけへの反応が鈍い、動けないほどぐったりしている場合は、医療機関に相談しましょう。 精神的症状 心不全の末期に近い高齢者では、不安や気分の落ち込み、混乱などの精神的な変化が見られるのが特徴です。 息苦しさや強いだるさが続くと、眠れない、会話を避ける、表情が乏しくなるなど、普段と違う様子につながりやすくなります。 また、低酸素や全身状態の悪化、薬の影響などで、時間や場所がわからなくなる、つじつまの合わない話をすることも珍しくありません。 家族は「認知症が急に進んだ」と感じるかもしれませんが、心不全の悪化や別の病気が関係している可能性もあります。 急に受け答えが変わった、呼びかけへの反応が弱い、強い不安で眠れない状態が続く場合は、主治医や医療機関に相談してください。 心不全で亡くなる原因になり得る主な疾患 心不全は単独の病名ではなく、心臓の働きが低下して全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。ここでは、心不全の原因になり得る主な疾患を解説します。 虚血性心疾患 虚血性心疾患は、心臓の筋肉へ血液を送る冠動脈が狭くなったり、詰まったりする病気です。 狭心症や心筋梗塞が代表的で、心筋に酸素が届きにくくなると、心臓のポンプ機能が低下し心不全につながる場合があります。胸の痛みや圧迫感、冷や汗、息苦しさを伴うときは早めの受診が必要です。 高血圧性心疾患 高血圧性心疾患は、高い血圧が長く続くことで心臓に負担がかかり、心臓の筋肉が厚くなったり、硬くなったりする病気です。 心臓が血液を送り出すために強い力を必要とする状態が続くと、次第にポンプ機能が低下し、心不全の原因になる場合があります。高血圧は自覚症状が乏しいため、血圧測定や内服治療を継続することが大切です。 弁膜症 弁膜症は、心臓の中で血液の逆流や流れを調整している弁に異常が起こる病気です。 弁が十分に開かない、または閉じきらない状態になると、心臓が血液を送り出すために余分な負担を受けます。進行すると息切れやむくみ、動悸などが現れ、心不全につながる場合があるため、症状が軽くても定期的な検査が必須です。 心筋症 心筋症は、心臓の筋肉そのものに異常が起こり、心臓の働きが低下する病気です。 心筋が厚くなる、広がって薄くなる、硬くなって広がりにくくなるなど、タイプによって心臓への影響は異なります。 進行すると息切れや動悸、むくみ、疲れやすさが出る場合があり、心不全の原因になるケースもあるため、症状が続くときは循環器内科で相談しましょう。 心筋炎 心筋炎は、ウイルス感染などをきっかけに心臓の筋肉へ炎症が起こる病気です。 炎症によって心筋の働きが低下すると、血液を送り出す力が弱まり、心不全を起こす場合があります。風邪のような症状のあとに、強いだるさや息切れ、胸の痛み、動悸などが続くときは要注意です。 先天性心疾患 先天性心疾患は、生まれつき心臓の形や血液の流れに異常がある病気です。 心臓の中に穴がある、血管のつながり方に異常があるなど、種類によって心臓への負担は異なります。 小児期に治療を受けた方でも、年齢を重ねてから息切れや動悸、むくみが出る場合があり、心不全につながることがあります。過去に心臓病を指摘された方は、定期的な診察を受けることが重要です。 不整脈 不整脈は、脈が速くなる、遅くなる、乱れるなど、心臓のリズムに異常が起こる状態です。 不整脈によって心臓が効率よく血液を送り出せなくなると、動悸やめまい、息切れ、失神などが現れ、心不全の原因や悪化のきっかけになる場合があります。 脈の乱れを繰り返す、胸の違和感を伴う、急にふらつくときは循環器内科で相談してください。 更年期の動悸・不整脈の原因と対処法については、以下の記事でも詳しく解説しています。 肺疾患 肺疾患も、心不全の原因や悪化に関係する場合があります。 肺高血圧症や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで肺や右心系に負担がかかると、右心不全につながることがあるのです。息切れや咳、痰、むくみが続く場合は、心臓と肺の両方を確認する必要があります。 慢性心不全の治療には「再生医療」が選択肢の一つ 慢性心不全の治療では、薬物療法や生活管理、原因疾患への治療を継続することが基本です。 その上で、症状や全身状態によっては、再生医療が選択肢の一つになります。 再生医療とは、自分自身の細胞や血液を用いる治療法です。代表的な方法には、脂肪由来の幹細胞を用いる治療やPRP療法があります。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療(かんさいぼうちりょう) 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 いずれも、注射や点滴を通じて症状のある部位にアプローチする治療法であり、入院や手術を必要とせず、日帰りでの施術が可能です。 以下の記事では、心不全で心房細動や糖尿病などを抱える患者様に対して、幹細胞を点滴投与した当院での症例をご紹介しています。ぜひご覧ください。 まとめ|心不全で亡くなる前の症状を把握しておこう 心不全で亡くなる前に近い時期には、息苦しさやむくみ、体重増加、強い倦怠感、胸の痛み、めまい、意識レベルの低下などが現れる場合があります。 とくに、横になれないほどの呼吸困難や呼びかけへの反応の低下、失神などがある場合は、早めに医療機関や救急へ相談しましょう。 本記事の内容を参考に、ご家族が異変に気づきやすくなっていれば幸いです。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。治療の選択肢について知りたい方は、ぜひご利用ください。 参考文献 (文献1) 高齢者の心不全|日本心臓財団 (文献2) Classification of Functional Capacity and Objective Assessment|Professional Heart Daily|American Heart Association
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ストレスが続く中で胸の締め付けや息苦しさを感じると、「狭心症ではないか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。 狭心症は、心臓へ血液を送る冠動脈の血流が不足し、胸の痛みや圧迫感などが起こる病気です。 ストレスそのものだけで狭心症と決まるわけではありませんが、精神的な緊張や過労、睡眠不足、寒冷刺激などが発作のきっかけになる場合があるため注意しましょう。 本記事では、ストレスが関係する狭心症の種類や症状、検査・診断、治療法を解説します。あわせて、狭心症が疑われる方が控えたい生活習慣も紹介するので、受診や生活改善の判断にお役立てください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、一度ご利用ください。 ストレスが原因になる狭心症とは 狭心症は、心臓へ血液を送る冠動脈の血流が不足し、胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどが起こる病気です。 ストレスだけで冠動脈が狭くなるとは限りませんが、心拍数や血圧が上がり、心臓に負担がかかることが発作のきっかけになる場合があります。 とくに、もともと高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙習慣などがある方は、冠動脈に動脈硬化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。 動脈硬化が進んでいる状態で、強い緊張や過労、睡眠不足が重なると、階段を上ったときや急いで歩いたときに胸が締め付けられるような症状が出るケースがあります。 ストレスによる胸の違和感だと思っていても、胸の圧迫感、冷や汗、息苦しさ、肩・腕・あごへの痛みを伴う場合は、循環器内科で医師に相談しましょう。 ストレスが疑われる狭心症の種類・症状 ストレスが関係する狭心症は、症状が出る時間帯やきっかけによって疑われる種類が異なります。 ここでは、冠攣縮性狭心症・労作性狭心症・微小血管狭心症の特徴と症状を見ていきましょう。 冠攣縮性狭心症(異型狭心症) 冠攣縮性狭心症は、冠動脈が一時的にけいれんして狭くなり、心臓の筋肉に届く血液が不足するタイプの狭心症です。 動脈硬化で血管が狭くなる労作性狭心症とは異なり、安静時にも発作が起こることがあります。症状は、胸の圧迫感や締め付け感が中心です。 また、左肩や腕、奥歯に痛みが広がる場合もあり、夜間から早朝にかけて起こりやすく、数分から15分程度で治まるケースが多いとされています。 以下のような状態や習慣が発作のきっかけです。 精神的ストレス 睡眠不足 喫煙 寒冷刺激 飲酒 就寝中や朝方に胸が苦しくなる症状を繰り返す場合は、疲れや自律神経の乱れだけで判断せず、循環器内科で相談しましょう。 労作性狭心症 労作性狭心症は、階段を上る、急いで歩く、重い荷物を持つなど、体を動かしたときに胸の痛みや圧迫感が出やすいタイプです。 冠動脈が動脈硬化などで狭くなっており、運動や精神的ストレスで心臓が多くの血液を必要とした際に、十分な血流を確保しにくくなります。 症状は、胸の中央が締め付けられる、押される、息苦しいといった感覚が中心です。左肩・腕・首・背中・あごなどにも、痛みが広がる場合もあります。 多くは安静にすると数分程度で落ち着きますが、発作の頻度が増える、軽い動作でも症状が出る、安静時にも胸痛が起こる場合は注意が必要です。通勤中の坂道や家事中に胸の違和感を繰り返す場合、体力低下や疲労だけでは説明できないことがあります。 症状が出た動作や、休むと治まるかどうかを整理しておき、診察時に状況を的確に伝えましょう。 微小血管狭心症 微小血管狭心症は、太い冠動脈に明らかな狭窄が見つからないにもかかわらず、胸の痛みや圧迫感が起こるタイプです。 心臓の筋肉の中にある細い血管の働きが低下し、心筋に十分な血液が届きにくくなることで症状が出ると考えられています。 胸の締め付け感や息切れ、胸の不快感などが主な症状です。体を動かしたときだけでなく安静時に出る場合もあるほか、比較的女性に多く、閉経前後の年代で見られるケースがあります。 ストレスや疲労で症状が強くなることもあり、通常の検査で「冠動脈に大きな異常はない」と言われても、胸の違和感が続く場合は注意が必要です。 ストレスが原因で起こる狭心症の検査・診断 ストレスが関係しているように見える胸痛でも、狭心症かどうかは症状だけでは判断できません。 ここでは、胸痛があるときに行われる主な検査と、冠攣縮性狭心症の診断が難しい理由を解説します。 主な検査の流れ ストレスがきっかけのように感じる胸痛でも、診断ではまず症状の出方を詳しく確認します。 胸が痛くなった時間帯や持続時間、安静で治まるか、肩・腕・あごへの痛みや冷や汗を伴うかなどが判断材料です。 主な検査には、以下のようなものがあります。 問診:症状の時間帯や頻度、持続時間、喫煙歴、脂質異常症などを確認する 心電図:発作による心臓への影響を調べる 血液検査:脂質異常症などのリスクや全身状態を確認する 心臓超音波検査:心臓の動きや弁の異常を調べる 24時間ホルター心電図:心臓の拍動リズムなどの変化を捉える 問診に続いて心電図や血液検査、心臓超音波検査などにより、心臓への負担やほかの病気の可能性を調べます。 発作が夜間や早朝に起こる場合は、24時間ホルター心電図で日常生活中の心電図変化を確認したり、必要に応じて冠動脈CTや冠動脈造影検査を検討したりします。 冠攣縮性は診断が難しい 冠攣縮性狭心症は、発作が出ていない時間帯の検査で異常が見つかりにくいことがあります。夜間や早朝、安静時に胸痛が起こりやすい一方で、受診する頃には症状が治まっているケースがあるのです。 外来では心電図や血液検査、心臓超音波検査などを行いますが、発作時の変化を捉えられなければ、検査結果だけでは判断しづらい場合があります。24時間ホルター心電図を装着しても、その間に発作が起きなければ異常を確認できない事態もあり得ます。 診断の手がかりを増やすには、胸痛が起きた時間帯や持続時間、冷や汗や息苦しさの有無、飲酒・喫煙・睡眠不足との関係を記録しておくことが大切です。 検査で異常がないと言われても、夜間や明け方の胸の締め付けを繰り返す場合は、症状の経過を整理して医師に相談する準備をしておきましょう。 ストレスが原因で起こる狭心症の治療 ストレスが関係する狭心症の治療では、発作を抑える薬物療法と、発作のきっかけを減らす生活習慣の見直しを組み合わせるのが一般的です。 胸痛の原因が冠動脈の狭窄なのか、冠動脈のけいれんなのかによって、治療方針は変わります。 冠動脈に明らかな狭窄がない冠攣縮性狭心症では、血管のけいれんを抑えるカルシウム拮抗薬や硝酸薬などの内服治療が中心です。胸痛発作が起きたときには、医師の指示に沿ってニトログリセリンなどを使用する場合もあります。 一方、動脈硬化による狭窄が強い場合は、薬だけでなくカテーテル治療や手術が選択肢になります。 生活面では、喫煙、過度な飲酒、睡眠不足、寒冷刺激、過労などを避けることが大切です。ストレスを完全になくすのは難しくても、睡眠時間を確保する、仕事量を調整する、寒い朝の外出時に体を冷やさないといった、発作のきっかけを減らすように工夫しましょう。 ストレスが原因の狭心症でやってはいけないこと 狭心症の発作を防ぐには、薬だけでなく日常生活で心臓に負担をかける行動を減らすことも欠かせません。 ここでは、食事・運動・温度差・ストレス・嗜好品など、狭心症が疑われる方が注意したい生活習慣について解説します。 塩分・脂質・糖質の摂り過ぎ 塩分・脂質・糖質の摂り過ぎは、狭心症の背景にある高血圧や動脈硬化、脂質異常症などに関わります。 塩分が多い食事は血圧上昇につながり、脂質や糖質の過剰摂取は悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす要因になります。 たとえば、以下のような食べものをよく摂る方は注意が必要です。 加工食品 インスタント食品 揚げ物 脂身の多い肉 甘い飲み物 忙しい日ほど手軽な食事に偏りやすいため、麺類の汁を残す、揚げ物の頻度を減らす、甘い飲料を水やお茶に変えるなど、続けやすい工夫から始めましょう。 激しい運動 狭心症が疑われる場合、息が大きく切れるほどの激しい運動は避けましょう。急に強い負荷がかかると、心臓が多くの酸素を必要とする一方で、冠動脈の血流が追いつかず、胸の痛みや圧迫感が出る場合があります。 とくに、運動不足の状態から急にランニングを始める、重い荷物を一気に運ぶ、寒い朝に準備運動なしで体を動かすといった行動は避けてください。 運動そのものを避けるのではなく、医師に相談した上で、ウォーキングのような軽い運動から始めるのが基本です。また、胸の違和感や息苦しさ、冷や汗を伴う場合は無理をせず、その場で休んで症状の変化を確認しましょう。 急激な温度変化 急激な温度変化は、狭心症が疑われる方にとって心臓への負担になりやすい要素です。 寒い場所へ出ると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなり、結果として心臓が必要とする血液や酸素のバランスが崩れ、胸の痛みや圧迫感につながります。 たとえば、以下のような場面に注意してください。 冬の朝に暖かい布団から寒い廊下へ出る 脱衣所からいきなり熱い浴槽に入る 暖房の効いた室内から屋外へ急に出る とくに冠攣縮性狭心症では、寒冷刺激が発作の誘因になるケースもあります。 寒い季節は、起床後すぐに動き出さず、上着やマフラーで首元を温めてから外出しましょう。入浴時は脱衣所や浴室を先に暖めておくと、温度差による負担を抑えやすくなります。 強いストレス・過労・睡眠不足 強いストレスや過労、睡眠不足は、狭心症の発作につながる要因の一つです。 精神的な緊張が続くと交感神経が優位になり、血圧や心拍数が上がりやすくなります。心臓の働きが活発になる一方で、冠動脈の血流が十分に追いつかないと、胸の圧迫感や息苦しさが症状として現れます。 たとえば、以下のような生活が続いて十分な休息がとれていないときは注意が必要です。 仕事の締め切りが続く 家族の介護で休めない 睡眠時間が短い状態が続く 冠攣縮性狭心症では、ストレスや睡眠不足が夜間・早朝の発作に関わるおそれもあります。 ストレスを完全になくすのは難しいため、睡眠時間を削り続けない、休憩を予定に入れる、胸の違和感がある日は無理に予定を詰め込まないなど、負担を減らす行動から見直しましょう。 喫煙・飲酒の習慣 喫煙は、狭心症が疑われる方にとって避けたい習慣です。たばこは血管に負担をかけ、動脈硬化の進行に関わります。 本人が吸わない場合でも、家族や職場での受動喫煙が心臓への負担になるため、周囲の環境にも配慮してください。また、過度な飲酒は血圧や中性脂肪に影響し、冠攣縮性狭心症の発作に関わる場合もあります。 禁煙や節酒は、一人で続けにくいこともあります。必要に応じて主治医や禁煙外来に相談しながら、心臓に過度な負担をかけない生活へ切り替えていきましょう。 まとめ|ストレスに注意して狭心症を防ごう ストレスは、狭心症の直接的な原因と断定できるものではありませんが、発作のきっかけになる場合があります。 胸の締め付けや息苦しさ、肩・腕・あごへの痛み、冷や汗などを繰り返す場合は、疲労や緊張などと決めつけないことが大切です。 狭心症が疑われるときは、症状が出た時間帯や持続時間、運動・寒さ・飲酒・喫煙・睡眠不足との関係を記録しておくと、受診時に状況を的確に伝えられます。 ストレスによる胸の違和感が気になる方は、自己判断で様子を見続けず、循環器内科で相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状があれば、ぜひご登録ください。 ストレス性狭心症に関するよくある質問 ストレスで狭心症を発症したら労災認定されますか? 狭心症は、脳・心臓疾患の労災認定基準における対象疾病に含まれています。 ただし、「ストレスがあった」「仕事が忙しかった」という理由だけで、必ず労災認定されるわけではありません。 労災として認められるには、仕事による明らかな過重負荷が、発症の有力な原因と判断される必要があります。 判断材料になるのは、以下のような状況です。 発症前おおむね6カ月間の長時間労働や精神的負荷 発症前おおむね1週間以内のとくに過重な業務 発症直前から前日までの異常な出来事など(文献1) 残業時間や勤務表、業務内容、上司とのやり取り、発症前後の体調変化などは、認定判断の資料になります。 労災の可能性がある場合は、勤務先や労働基準監督署、社会保険労務士などに相談して、記録を整理しておきましょう。 狭心症の初期症状は? 狭心症の初期症状では、動悸や胸の痛み、胸が締め付けられるような圧迫感が見られる場合があります。 急に歩いたり、階段を上ったりした後に症状が出る場合は、動脈硬化などで冠動脈が狭くなり、心臓へ十分な酸素を送れなくなっているおそれがあります。 一方で、睡眠中やソファで休んでいるときなどに、突然胸の痛みや動悸が出るケースも見逃せません。 「運動していないから心臓ではない」と決めつけず、息苦しさや冷や汗、めまい、肩・腕・あごへの痛みを伴う場合は注意が必要です。 参考文献 (文献1) 脳・心臓疾患の労災認定|厚生労働省
2026.05.30 -
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胸の痛みや圧迫感、息苦しさがあると「狭心症かもしれない」と不安になる方も多いのではないでしょうか。 狭心症は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の血流が一時的に悪くなり、胸の締め付け感や痛みなどが現れる病気です。階段や坂道、早歩きなどで症状が出て、休むと軽くなる場合もあれば、夜間や早朝の安静時に胸の違和感が起こるケースもあります。 痛みは胸だけに限らず、左肩・腕・背中・顎・みぞおちなどに広がることもあり、肩こりや胃の不調などが心臓のサインとして現れるケースもあるため注意が必要です。 本記事では、狭心症の症状チェックリストをもとに、初期症状や病院へ行くタイミングを解説します。緊急性の高い症状や狭心症の種類、やってはいけない生活習慣、治療法まで紹介しますので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、ぜひご登録ください。 狭心症のセルフチェックリスト 狭心症が疑われる症状は、胸の痛みだけではありません。胸の圧迫感や締め付け感、息苦しさ、左肩や顎への痛みの広がりなども、受診を検討する目安です。 以下の項目に、当てはまるものがないか確認してみましょう。 胸の中央からみぞおちにかけて、締め付けられるような痛みがある 坂道や階段を上がると、胸が圧迫される感じがある 小走りや早歩きのときに、胸が苦しくなる 胸の痛みに吐き気や冷や汗を伴うことがある 胸の痛みが顎・のど・左肩などに広がる 高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されたことがある たばこを吸っている 急に息切れしたり、呼吸が苦しくなったりすることがある ただし、当てはまる項目がある場合でも、セルフチェックだけで狭心症かどうかは判断できません。 運動時に胸が苦しくなって休むと治まる、胸の痛みに冷や汗や吐き気を伴う、肩や顎まで痛みが広がるといった症状がある場合は、循環器内科に相談してください。 狭心症の初期症状と特徴 狭心症の代表的な初期症状は、胸の痛みや胸が締め付けられるような圧迫感です。 胸の中央あたりが重苦しい、胸を押さえつけられる、息が詰まるように感じるなど、痛み以外の違和感として現れる場合もあります。 症状は、運動時や階段を上ったとき、急いで歩いたときなどに出やすく、安静にすると多くの場合は数分以内、長くても15分程度で治まることが多いとされています。(文献1) したがって、「少し休めば落ち着くから大丈夫」と考え、受診せずに様子を見てしまう方も少なくありません。胸の違和感や軽い痛みであっても、心臓に血液を送る冠動脈の血流が悪くなっている可能性があります。 狭心症で病院に行くタイミング|受診が必要な症状 胸の痛みや息苦しさが一時的に治まると、病院へ行くべきか迷いやすいものです。 ここでは、早めに受診したほうが良い症状と、救急対応を考えるべき症状の目安を解説します。 早めに受診したほうが良い症状 胸の痛みや圧迫感が繰り返し出る場合は、症状が短時間で治まっても早めに循環器内科を受診しましょう。 狭心症では、階段を上る、坂道を歩く、重い荷物を持つなど、心臓に負担がかかったときに胸の苦しさが出ることがあります。 以下のような症状がある場合は、注意が必要です。 運動時や早歩きで胸が苦しくなる 休むと数分で症状が軽くなる 胸の痛みが左肩・腕・背中・顎に広がっている 息切れや動悸を伴っている 以前より症状が出やすくなっている 疲れや年齢が原因と考えて放置すると、症状の変化に気づきにくくなります。 胸の違和感が一度でも気になった場合は、症状が出た場面や続いた時間をメモし、医師に相談してください。 緊急性の高い症状 胸の痛みが強い、安静にしても治まらない、冷や汗や吐き気を伴う場合は、救急要請を検討する必要があります。 狭心症に似た症状でも、心筋梗塞など緊急性の高い病気が隠れているケースがあるのです。 次のような症状がある場合は、迷わず119番通報を検討してください。 胸の痛みや圧迫感が15分以上続く 安静にしても胸の苦しさが軽くならない 冷や汗、吐き気、息苦しさを伴う 胸の痛みが左肩・腕・背中・顎まで広がっている 意識がぼんやりする、強い不安感がある これまでにない強い胸の痛みが突然出た 「少し休めば治るかもしれない」と様子を見る間に、状態が悪化する場合もあります。 医師に伝えるべき情報 狭心症が疑われるときは、症状そのものだけでなく「いつ・どのような場面で・どのくらい続いたか」を医師に伝えると、診察時の判断材料になります。 伝えておきたい内容は、以下のとおりです。 胸の痛みや圧迫感が出た時間帯 階段・坂道・早歩き・安静時など、症状が出た場面 痛みが続いた時間 休むと症状が軽くなったか 左肩・腕・背中・顎・みぞおちへの痛みの広がり 冷や汗・吐き気・息苦しさ・動悸の有無 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの持病 喫煙歴や服用中の薬 症状が出たあとに記憶だけで説明しようとすると、痛みの時間や程度があいまいになる可能性があります。 受診前に症状をメモに記録しておくと、医師への説明がスムーズになります。 狭心症の主な3つの種類 狭心症は、症状が出るタイミングによって特徴が異なります。 ここでは、運動時に起こりやすいタイプと安静時にも起こるタイプ、夜間から早朝に多いタイプに分けて特徴を見ていきましょう。 運動時に発症しやすい「労作性狭心症」 労作性狭心症は、階段の上り下りや坂道、早歩き、運動などで心臓に負担がかかったときに起こりやすいタイプです。 心臓の筋肉に必要な血液が一時的に足りなくなり、たとえば、駅の階段を上ったときだけ胸が苦しくなる、急いで歩くと胸が締め付けられる、といった症状が現れます。 体を動かしているときに症状が出て、安静にすると数分で治まりやすいのが特徴です。 夜間就寝時や安静時に起こる「安静時狭心症」 安静時狭心症は、体を動かしていないときにも胸の痛みや圧迫感が出るタイプです。 夜間の就寝中や明け方、椅子に座っているときなど、心臓に大きな負荷がかかっていない場面でも症状が現れるケースがあります。 労作性狭心症のように「階段を上ったから苦しい」と原因を結びつけにくく、胃の不調や寝不足と勘違いされることも少なくありません。 胸が締め付けられる、息苦しい、冷や汗を伴うなど、いつもと違う症状があれば見逃さないようにしましょう。 夜間から早朝に多い「冠攣縮性狭心症(異型狭心症)」 冠攣縮性狭心症は、心臓に血液を送る冠動脈が一時的にけいれんし、血管の内側が狭くなることで起こるタイプです。 夜間から早朝の安静時に発作が出やすく、睡眠中や明け方に胸の痛みや圧迫感で目が覚める場合があります。胸の中央が締め付けられる、息苦しい、冷や汗を伴うなど、症状の出方は労作性狭心症と似ています。 ただし、運動していない時間帯に起こるため、胃の不調や寝不足と勘違いしやすい点に要注意です。また、喫煙や飲酒、ストレス、寒暖差などが関係するケースもあります。 狭心症の主な検査方法 狭心症が疑われる場合は、症状の出方だけで判断せず、心臓の動きや冠動脈の状態を検査で確認します。 ここでは、外来で行う基本検査から、日常生活中の心電図を調べる検査、冠動脈を詳しく見る精密検査まで、詳しく解説します。 外来でできる基本検査 狭心症が疑われる場合、外来では安静時心電図、運動負荷心電図、心臓エコーなどの基本検査を行います。心電図で確認するのは、心臓の電気的な動きや、心臓に負担がかかっているサインの有無です。 安静時の心電図で異常が出にくい場合は、ベルトコンベアや自転車型の装置で体に負荷をかけながら、心電図の変化を記録することがあります。階段や坂道で胸が苦しくなる方の場合、運動中の変化を調べる検査が診断の手がかりになるのです。 心臓エコーでは、心臓の動きや弁の状態、心臓全体の働きを画像で確認します。 日常生活の中で調べる検査 24時間ホルター心電図は、小型の心電図装置を体に付けたまま普段通りに過ごし、日常生活中の心電図を記録する検査です。 診察室で行う心電図だけでは捉えにくい、発作がない時間帯の異常も記録できます。 睡眠中や明け方の症状、家事や通勤中の胸の違和感など、外来の短い検査ではわかりにくい変化を調べやすい点が特徴です。 とくに、夜間から早朝に胸が苦しくなる方や、安静時に症状が出る方では、発作時の心電図変化を確認することが手がかりになります。 精密検査 冠動脈CTや心臓カテーテル検査は、心臓に血液を送る冠動脈の狭さや血管の状態を詳しく調べる検査です。基本検査だけでは判断しにくい場合や、狭心症の可能性が高い場合に検討されます。 冠動脈CTは、冠動脈の走り方や血管が狭くなっている程度を画像で確認するのが特徴です。 心臓カテーテル検査は、脚の付け根や手首などから細い管を入れ、心臓の血管の状態を調べます。 狭心症を防ぐためにやってはいけない生活習慣 狭心症が疑われる場合は、症状のチェックだけでなく、心臓に負担をかける生活習慣を見直すことも欠かせません。 ここでは、食事・運動・入浴・ストレス・喫煙や飲酒など、日常生活で注意したい行動について解説します。 心臓に負担をかける食品や食べ方 狭心症の予防では、塩分・脂質・糖質を摂りすぎない食事を意識することが大切です。塩分の多い食事は血圧を上げやすく、心臓に負担がかかります。 たとえば、以下のような食品や食べ方に気を付けてください。 インスタント食品や加工食品を頻繁に食べる 漬物・干物・麺類のスープなどで塩分を摂りすぎる 脂身の多い肉や揚げ物をよく食べる 甘い飲み物や菓子類が多い 満腹になるまで食べる習慣がある 食事は毎日の積み重ねなので、急にすべてを変える必要はありません。 まずは、麺類のスープを残す、醤油を直接かけず小皿につける、揚げ物の回数を減らすなど、続けやすい工夫から始めてみましょう。 心臓に負荷をかける激しい運動 狭心症が疑われる場合、息が上がるほどの激しい運動を急に始めるのは避けましょう。 運動そのものは生活習慣病の予防に役立ちますが、胸の痛みや圧迫感がある状態で無理をすると、心臓への負荷が大きくなります。 なかでも、全力で走る、重い荷物を何度も持ち上げる、急な坂道を休まず上るなどの動作には注意しなければなりません。 寒い朝に準備運動をせず外へ出て、早歩きやランニングを始める行動も、胸の苦しさにつながる場合があるため避けてください。 お風呂の温度や室温に注意 狭心症が疑われる方は、熱すぎるお風呂や急な温度差に注意が必要です。 高温の湯船や長湯では血圧が変動しやすく、発汗で体の水分が失われると、心臓や血管に負担がかかる場合があります。 冬場は、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなるため気を付けましょう。 入 浴前に脱衣所や浴室を暖める、湯温を熱くしすぎない、長時間の入浴を避けるなど、温度差を小さくするように工夫してください。体調がすぐれない日はシャワーで済ませるなど、心臓への負担を減らしましょう。 過度なストレスや睡眠不足 過度なストレスや睡眠不足は、血圧や自律神経の乱れにつながり、心臓に負担をかける要因になります。仕事や家庭の悩みで緊張が続くと、胸の圧迫感や動悸を感じやすくなる方もいるのです。 たとえば、忙しさが続いて睡眠時間が短い、休日も十分に休めない、強い不安を抱えたまま過ごしている場合は注意しましょう。疲労が重なると、胸の違和感があっても「寝不足のせい」と考えて受診が遅れてしまう場合もあり得ます。 ストレスを完全になくすのは難しいため、まずは睡眠時間を確保し、深呼吸や軽い散歩などで緊張をゆるめる時間を作りましょう。 喫煙・飲酒 喫煙は血管に負担をかけ、狭心症のリスクを高める要因になります。 たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させやすく、心臓へ送られる血液の流れにも影響するため、胸の症状がある方は禁煙を検討しましょう。飲酒も量が多くなると、血圧の上昇や生活習慣の乱れにつながります。 とくに、深酒をした翌朝に胸の違和感が出る、飲酒後に動悸や息苦しさを感じる場合は要注意です。 狭心症の治し方 狭心症の治療では、胸の痛みを抑えるだけでなく、冠動脈の血流を保ち、心筋梗塞へ進むリスクを下げることを目指します。 ここでは、薬物治療と手術による治療について詳しく見ていきましょう。 薬物治療 狭心症の薬物治療では、以下のような発作を抑える薬や、冠動脈の血流を保つ薬などが使われます。 血管を広げる硝酸薬 心臓の負担を減らすβ遮断薬 血管のけいれんを防ぐカルシウム拮抗薬 血栓をできにくくする抗血小板薬 薬の処方は、狭心症のタイプや症状の出方によって異なります。 たとえば、夜間から早朝に胸の痛みが出る冠攣縮性狭心症では、血管のけいれんを抑える薬が検討されることがあります。 カテーテル治療・手術 薬物治療で症状のコントロールが難しい場合や、冠動脈の狭窄が強いケースでは、カテーテル治療や冠動脈バイパス手術が検討されます。 カテーテル治療は、手首や足の付け根などから細い管を入れ、狭くなった血管を内側から広げる治療です。必要に応じて、ステントと呼ばれる筒状の器具を留置し、血流を保ちます。 冠動脈バイパス手術は、狭くなった血管を迂回する新しい血液の通り道を作る方法です。複数の血管に病変がある場合などに検討されます。 まとめ|狭心症は早めに症状をチェックしよう 狭心症は、胸の痛みや圧迫感だけでなく、息苦しさや冷や汗、吐き気、左肩・腕・背中・顎・みぞおちの痛みとして現れる場合があります。 たとえば、階段や坂道、早歩きで胸が苦しくなり、休むと軽くなる症状がある場合は、狭心症の可能性も考えて早めに循環器内科へ相談しましょう。 安静にしても胸の痛みが治まらない、15分以上続く、冷や汗や吐き気を伴う場合は、心筋梗塞など緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。これらの症状があるときは、自己判断で車を運転して病院へ向かうことは避け、119番通報を検討してください。 また、狭心症の予防・再発防止には、塩分・脂質の摂りすぎや喫煙・過度な飲酒など、心臓に負担をかける生活習慣を見直すことも大切です。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。ぜひ一度ご利用ください。 狭心症の症状チェックに関するよくある質問 肩こりは狭心症の前兆ですか? 肩こりの多くは、肩周辺の筋肉の緊張や血行不良によって起こります。 ただし狭心症では、心臓の痛みが脳に伝わる際に、他の神経に刺激が移る「放散痛」により、心臓から離れた左肩に痛みやこりのような違和感が出る場合があります。 肩の症状だけだからと放置せず、気になる場合は循環器内科に相談しましょう。 肩がズキズキと痛い原因や対処法については、以下の記事もご覧ください。 軽度の症状なら問題ないですか? 症状が軽いからといって、狭心症の心配がないとは判断できません。 狭心症は胸の強い痛みだけでなく、軽い違和感や息苦しさとして現れる場合があります。 なかには無症状で進行し、検査ではじめて冠動脈(心臓に血液を送る血管)が狭くなっていることが見つかるケースもあるのです。 参考文献 (文献1) 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)|KOMPAS–慶應義塾大学病院医療・健康情報サイト
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ショッピングモールや薬局で気軽に測れる血管年齢測定器で「実年齢より10歳以上高い」と表示され、本当に自分の血管はそんなに老化しているのかと不安になっている方もいるのではないでしょうか。 実は、指先で測るタイプの血管年齢測定器には、仕組み上どうしても誤差が生じやすい特性があります。数値だけを見て一喜一憂する必要はありません。 血管年齢とは、動脈の硬さや弾力性をもとに血管の状態を年齢で表した指標です。実年齢が同じでも生活習慣や体質によって個人差があり、日々の習慣を整えることで血管への負担を減らし、状態の改善が期待できます。 本記事では、指先式測定器があてにならないと言われる理由から、医療機関での正確な測定方法、血管年齢を若返らせる3つの習慣までを医師の視点でわかりやすく解説します。最後まで読むことで、数値に振り回されることなく、自分の血管のために何をすべきかを具体的に知ることができます。 血管年齢の数値が気になっている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 生活習慣病や血管の健康についてお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 血管年齢があてにならないと言われる2つの理由 ショッピングモールなどに設置された無料の血管年齢測定器(指先式)は手軽に使えますが、医療用の診断検査ではないため、数値に誤差が生じやすい特性があります。あてにならないと言われる理由は、以下の2つです。 測定機器によって精度に差がある 測定時の体調や環境で数値が変わる それぞれ詳しく解説します。 1.測定機器によって精度に差がある 指先式の血管年齢測定器は、フォトプレチスモグラフィ(指先に光を当てて脈波を読み取る方式)で測定した脈波をもとに、加速度脈波を解析する仕組みが用いられています。読み取った波形データを、各メーカー独自の換算式で「血管年齢」に置き換えて表示する仕組みです。 ここでポイントとなるのが、換算式がメーカーや機種によって異なる点です。そのため、同一人物でも同じ日に別の機器で測定すると、表示される血管年齢が大きく変わることもあります。 また、指先の毛細血管は細く、血圧カフ(腕に巻く帯)を使う医療機器と比べると、構造上どうしても誤差が出やすいです。 指先式の測定器は、あくまで「血管年齢の目安」として参考にする程度に留めておきましょう。 2.測定時の体調や環境で数値が変わる 指先の細い血管で脈を測る加速度脈波計は、測定時の体調や周辺環境の影響を受けやすい特性があります。数値に影響を与える主な要因は、次のとおりです。 緊張 運動の直後 飲酒 指先の冷え 測定クリップの圧のかかり方 環境光(屋外や強い照明下) ショッピングモールでの測定は、歩き回った直後や知らない空間での緊張、冷暖房の効いた環境など、測定条件が整いにくい状況が重なりやすい場面です。条件が悪い状態で測定すると、実際よりも数値が高く出てしまう場合があります。 なお、測定前には5〜10分ほど安静にし、カフェイン・喫煙・激しい運動直後は避けると数値が安定しやすくなります。ただし、それでも指先式は医療機器ほどの精度は出ないことを理解しておきましょう。 血管年齢を測る方法 より正確な血管年齢を知るには、医療機関での検査がおすすめです。血管年齢の測定には、主に血圧脈波検査(ABI検査・CAVI検査)が用いられます。 血圧脈波検査は、内科・循環器内科・人間ドックで受けられる検査です。仰向けに寝た状態で両腕と両足首に血圧カフを装着し、胸元に心音マイクをつけて血圧と脈波を同時に測定します。 検査時間は約5〜10分で、痛みや体への負担が少ない検査です。また、結果はその日のうちに医師から説明を受けられます。 血圧脈波検査でわかる2つの指標は、以下のとおりです。 指標 読み方 内容 正常値の目安 CAVI キャビィ 心臓から足首までの動脈の硬さ(動脈硬化の進行度) 8.0未満が正常 ABI エービーアイ 足首と上腕の血圧比で足の動脈の詰まりを確認 0.9以上が正常 なお、血圧脈波検査の費用は医療機関によって異なります。健康診断目的で受ける場合は自由診療となることが多く、2,000〜5,000円程度が目安です。 ただし、医師が「動脈硬化や血管疾患のリスクを評価する必要がある」と判断した場合は、保険適用となる可能性があります。 血管年齢が高くなる要因と動脈硬化が招くリスク 血管年齢が高い状態は、動脈硬化が進んでいるサインのひとつです。放置すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まるおそれがあります。 ここでは血管年齢が高くなる要因と、放置した場合に起こりうる病気について解説します。 血管年齢が高くなる要因 動脈硬化が招くリスク それぞれ詳しく見ていきましょう。 血管年齢が高くなる要因 血管年齢を高くする主な要因は、以下の4つです。 要因 内容 自律神経バランスの乱れ 交感神経が優位な状態が続き、血管が収縮し続けて老化が進む 運動不足 血圧の上昇を招き、血管の弾力性が失われていく 脂質・糖質・塩分の摂りすぎ 中性脂肪やコレステロールが増え、血管に負担がかかりやすくなる 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病) 複数重なるほど、動脈硬化のリスクが高まりやすい これらの要因が複数重なるほど、動脈硬化のリスクは高まります。心当たりがある方は、生活習慣の見直しを始めてみましょう。 動脈硬化が招くリスク 動脈硬化が進行すると、以下のような深刻な病気を発症する場合があります。突然命に関わるケースもあるため、注意が必要です。 疾患 内容 脳梗塞 ・脳の血管が詰まって脳細胞が壊死する ・手足の麻痺や記憶障害が残るリスクがある 脳出血 ・脳の血管が破れて出血する ・出血によって周囲の脳細胞がダメージを受けるため、障害が残りやすい 心筋梗塞 ・心臓の筋肉(心筋)への血流が止まり、心臓の組織が壊死する ・突然死に至るケースもある 狭心症 ・心筋への血流が阻害され、胸の圧迫感や発作が起こる ・深刻化すると心筋梗塞につながる 日本人の死因第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患であり、その多くに動脈硬化が関与しているとされています。(文献1)実年齢より血管年齢が10〜20歳高い方は、上記の疾患リスクが上昇する傾向にあるため油断は禁物です。 ただし、悲観する必要はありません。次項では、血管年齢の改善が期待できる3つの習慣を紹介します。 血管年齢を若返らせる3つの習慣 血管年齢を若く保つ上で意識したいポイントは、食事・運動・自律神経の3つです。 以下の習慣を意識してみてください。 習慣 取り組みのポイント ①バランスの整った食事 ・塩分は1日6g未満が目安 ・青魚(EPA)・大豆・緑黄色野菜・海藻類を意識して取り入れる(文献2) ②血流を促進する適度な運動 ・週4〜5日、1回30〜60分の有酸素運動が目安 ・1駅分歩く・階段を使うなど日常動作の工夫でも良い ③自律神経を整える生活リズム ・質の良い睡眠のため、就寝前のカフェイン・飲酒・スマホ使用を控える ・禁煙も有効 すべてを一度に始める必要はありません。無理をせず、一つずつ習慣化していきましょう。 なお、血管年齢を若く保つための食事法や生活習慣については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。https://fuelcells.org/topics/85816/ まとめ|血管年齢の数値を正しく測定して生活習慣改善を心がけよう 本記事では、血管年齢の正確な測定方法や若返り習慣について解説しました。本記事の要点は、以下の3つです。 ショッピングモールの指先式測定器は「目安」であり、誤差が出やすい仕組みがある 正確な測定は医療機関のABI・CAVI検査で受けられる 血管年齢の若返りには食事・運動・自律神経の3つを少しずつ整えることが基本 血管年齢の測定結果に一喜一憂するよりも、日々の生活習慣の見直しが大切です。指先式測定器で高い数値が出て不安な方は、まず医療機関で検査を受け、現在の血管の状態を確認してみましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 血管や生活習慣病でお悩みの方は、ぜひ一度ご登録ください。 血管年齢に関するよくある質問 血管年齢の平均はどれくらいですか? 血管年齢は、同性・同年齢の健康な人のCAVI平均値と比較して算出されます。CAVIとは「血管の硬さ」を評価する指標で、基準値は以下のとおりです。 CAVI値 評価 8.0未満 正常範囲 8.0以上9.0未満 境界域 9.0以上 動脈硬化が疑われる (文献3) CAVIが9.0以上の場合、動脈硬化が進んでいる可能性があり、心血管疾患などのリスクにおいて注意が必要とされています。(文献3) ただし、検査結果が正常範囲内でも、血管の状態は数値だけで判断できません。検査結果の見方については、医師に確認しましょう。 自宅で使える血管年齢測定器などはありますか? 市販の加速度脈波計を使えば、自宅でも血管年齢を測定できます。医療機関の検査ほど精度は高くありませんが、定期的な測定で数値の推移(傾向)を把握する目安にはなります。 価格帯は数千~数万円程度の製品が中心です。 なお、自宅測定で高い値が出た場合や気になる変化があった場合は、医療機関で精密検査を受けましょう。 血管年齢が80〜90歳と出たらどうしたらいいですか? ショッピングモールなどの無料診断で血管年齢が80〜90歳と表示された場合、測定誤差の可能性があるため、まず医療機関で正確な数値の測定をおすすめします。 仮に医療機関の検査でも血管年齢が高いと判定された場合、実年齢より10〜20歳高い状態が続くと脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが上昇します。 医師の指示に従いながら、食事や運動習慣を見直し、自律神経のバランスを整える生活を心がけましょう。 参考文献 (文献1) 死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合|厚生労働省 (文献2) 動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事|一般社団法人 日本動脈硬化学会 (文献3) 動脈硬化の臨床診断|日本動脈硬化学会
2026.05.30 -
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健康診断で血管年齢の高さを指摘され「血管年齢を若くするには何をすれば良いのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。 血管年齢とは、動脈の硬さや弾力性をもとに、血管の状態を年齢で表した指標です。同じ実年齢でも、生活習慣や体質によって血管の状態には個人差があります。食事や運動、睡眠などの日々の習慣を整えることで、血管への負担を減らし、状態の改善を目指せます。 本記事では、血管年齢を若くするための3つの習慣を中心に、食事のポイントや効果的な運動方法、注意したい病気までを医師の視点でわかりやすく解説します。 血管の健康が気になる方は、ぜひ本記事を参考に、できるところから生活習慣を整えてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。生活習慣病や血管の健康についてお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 血管年齢を若くする3つの習慣 「血管年齢を若くする」とは、血圧や血糖値、脂質値などを整え、血管のしなやかさを保ちやすい状態を目指すことを指します。食事・運動などの生活習慣を整えると、血圧や血糖値、脂質値の改善につながり、血管年齢を若く保ちやすくなります。 ここでは、日常生活で意識したい3つの習慣を紹介します。 バランスの整った食事 血流を促進する適度な運動 自律神経を整える生活習慣 なお、血管年齢は生活習慣だけで決まるものではなく、加齢や体質、持病などの影響も受けます。生活習慣の見直しは大切ですが、血管年齢の改善を保証するものではない点も理解しておきましょう。 1.バランスの整った食事 血管年齢が高い場合、血管の硬さや弾力性が低下し、動脈硬化が進んでいる可能性があります。 そのため、血管年齢の改善を目指す上では、動脈硬化を予防する食事を取り入れることが重要です。 なお、日本動脈硬化学会は、動脈硬化予防に役立つ食事として、以下のような食品を積極的に取り入れることを推奨しています。 食品カテゴリ 具体例 未精製穀類・雑穀 玄米、七分づき米、麦飯、雑穀、ライ麦パン、全粒粉パン、そば 魚 サバやイワシ、アジ、サンマなどの青背の魚 大豆・大豆製品 納豆、豆腐、高野豆腐 緑黄色野菜・その他の野菜 にんじん、ピーマン、トマト、キャベツなど 海藻・きのこ・こんにゃく わかめ、きのこ類、こんにゃくなど 甘味の少ない果物 グレープフルーツ、キウイ、オレンジなど (文献1) とくに青魚に含まれるEPA・DHAは、血液の流れを整える働きが期待できる成分です。一方で、揚げ物や加工食品に偏った食事は血管に負担をかけやすいため、控えることが望ましいといえます。 2.血流を促進する適度な運動 血管年齢を若く保つには、適度な運動で血流を促すことが効果的です。激しい運動は必要なく、軽いウォーキングやストレッチでも血管の弾力性を保つ働きが期待できます。 とくに意識したいのが、ふくらはぎを動かす運動です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身に溜まった血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。デスクワーク中心で座っている時間が長い方は、こまめに立ち上がってふくらはぎを動かす習慣をつけましょう。 3.自律神経を整える生活習慣 血管の収縮や拡張は、自律神経によって調整されています。自律神経のバランスが乱れると、血管の収縮と拡張の働きにも影響し、「血管の老化が進みやすくなる」と考えられています。 自律神経の乱れにつながる主な要因は、以下のとおりです。 慢性的なストレス 喫煙 睡眠不足 具体的な対策として、ストレスをため込まない工夫や、良質な睡眠の確保を意識しましょう。 たとえば、就寝前のカフェインやアルコール、スマホの使用を控えるなどの対策が効果的です。散歩や読書、趣味の時間を持つなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れてみましょう。 そもそも血管年齢とは? 血管年齢とは、血管の弾力性や柔軟性を数値化したものです。加齢によって血管の弾性が失われると、動脈硬化(血管が硬く詰まりやすくなった状態)が進みやすくなります。 血管年齢は実年齢より高い場合も低い場合もあり、生活習慣によって大きく左右される点が特徴です。たとえば40代でも食生活が乱れ運動不足が続いていれば、血管年齢が60代相当になっているケースも少なくありません。 血管年齢を左右する主な原因としては、以下の4つが挙げられます。 原因 内容 自律神経バランスの乱れ ストレスや睡眠不足で血管の収縮・拡張のコントロールが乱れる 運動不足 血流が滞り、血管の弾力性が低下する カロリー・塩分の摂りすぎ 血液がドロドロになり、血管に負担がかかる 生活習慣病 糖尿病・脂質異常症・高血圧などが動脈硬化を進行させる デスクワーク中心で運動不足になりやすい方や、外食・コンビニ食が続いている方は、知らず知らずのうちに血管に負担がかかっている可能性があります。 血管年齢の改善を目指すには、現在の血管の状態を把握することが大切です。まずは血管年齢を測定し、結果に応じて食事や運動などの生活習慣を見直しましょう。 血管年齢をチェックする2つの方法 血管年齢は、家庭用の計測器でも医療機関でも測定できます。チェック方法は、以下の2つです。 市販されている計測器で測る方法 医療機関で血管年齢を測る方法 それぞれの方法を理解して、自分に合った形でチェックしてみましょう。 市販されている計測器で測る方法 血管年齢は、指先を機器に入れて測定する加速度脈波計で調べられます。加速度脈波計は、指先の脈拍から血流の状態を読み取り、血管年齢を推定する仕組みが採用されています。 人差し指を機器に入れるだけで測定でき、数十秒ほどで結果が出るため、手軽に血管年齢を確認できる点が大きなメリットです。 ただし、加速度脈波計は指先の細い血管の状態をもとに推定するため、測定結果には誤差が出る場合があります。また、緊張状態や運動直後、飲酒、発熱などの影響を受けて数値が上下することもあるため、結果はあくまで目安として活用しましょう。 医療機関で血管年齢を測る方法 より正確に血管年齢を知りたい場合は、医療機関で受けられる血圧脈波検査がおすすめです。血圧脈波検査は、両手足の血圧を同時に測定し、血管の硬さや詰まりの有無を調べる検査です。 検査では、主にCAVI値とABI値の2つを確認します。 指標 確認できる内容 CAVI 動脈の硬さを評価する指標。血管年齢の目安として用いられる ABI 上腕と足首の血圧の比を調べる指標。足の動脈に詰まりがないかを確認できる 医療機関での検査時間は5〜10分程度と短く、比較的太い血管を対象に測定するため、指先で測る加速度脈波計よりも測定値の誤差が出にくいとされています。 無料測定や家庭用機器で異常を指摘された方は、医療機関でより正確な検査をしてみましょう。 医療機関での検査については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。 血管年齢を若くする食事のポイント 血管年齢の若返りを目指すなら、まずは毎日の食事を見直すことが大切です。ここでは、血管年齢を若く保ちやすい食事のポイントを3つ紹介します。 食事の栄養バランスを見直す 甘い物の摂取量を減らす 食べる順番を見直す それぞれ詳しく解説します。 食事の栄養バランスを見直す 血管年齢を若く保つためには、特定の栄養素だけを意識するのではなく、主食・主菜・副菜をそろえた栄養バランスの良い食事の心がけが大切です。 日本動脈硬化学会が推奨する「The Japan Diet」では、動脈硬化予防に役立つ食事として、魚・大豆製品・野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなどを積極的に取り入れることが示されています。(文献1) 具体的な推奨食品カテゴリは、以下を参考にしてください。 食品カテゴリ 具体例 未精製穀類・雑穀 玄米、七分づき米、麦飯、雑穀、ライ麦パン、全粒粉パン、そば 魚 青背魚など 大豆・大豆製品 納豆、豆腐、高野豆腐 野菜 緑黄色野菜、その他の野菜 海藻・きのこ・こんにゃく わかめ、きのこ類、こんにゃくなど 甘味の少ない果物 みかん、オレンジ、りんごなど なお、肉の脂身や動物脂、菓子類、甘味飲料、アルコール飲料などは、なるべく控えたい食品として挙げられています。 毎日の食事では、主食に玄米や麦飯を取り入れ、主菜に魚や大豆製品、副菜に野菜や海藻、きのこを組み合わせてみてください。 甘い物の摂取量を減らす 甘い物の摂りすぎは、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を招きます。血糖スパイクが繰り返されると、動脈硬化が進行しやすくなるといわれています。 とくに注意したいのが、ジュースや砂糖入りのコーヒー、スポーツドリンクなどの甘い飲み物です。固形物よりも吸収が早く、血糖値を一気に上げてしまいます。 ただし、甘い物を完全にやめる必要はありません。量と頻度のコントロールが大切です。 食べる順番を見直す 同じ食事内容でも、野菜(食物繊維)から食べる「ベジファースト」を意識しましょう。食物繊維を先に摂ることで、食後の血糖値の上昇をゆるやかにしやすくなります。 たとえば定食を食べる際は、最初にサラダや小鉢の野菜から箸をつけ、次にメインの魚や肉を食べ、最後にごはんを食べる流れが理想的です。 簡単に取り入れられる習慣なので、今日の食事から実践してみましょう。 血管年齢の若返りに効果的な運動とストレッチ 近年の研究では、体が硬い人ほど血管も硬くなりやすい可能性が示されています。 山本健太氏、家光素行氏らの研究では、20〜83歳の成人526人を対象に、体の柔軟性とbaPWV(血管の硬さを示す指標)の関係を調査しました。その結果、中年者・高齢者では、柔軟性が低い群のほうがbaPWVが高い傾向が示されたのです。(文献2) 体が硬い方ほど、ストレッチを取り入れることで血管年齢の若返りを期待できる可能性があります。ここでは、以下の2つのストレッチ・運動を紹介します。 血管伸ばしストレッチ かかと上げ運動 それぞれ詳しく見ていきましょう。 血管伸ばしストレッチ 血管伸ばしストレッチは、以下の5種類を組み合わせるのがおすすめです。 ストレッチ 実施方法 膝裏のストレッチ 1.立った状態で片脚を前へ出す 2.前に出した脚の膝に両手を置く 3.そのまま重心をかけて、膝の裏側をしっかり伸ばす 脚の付け根ストレッチ 1.正座の姿勢になり、両手を前につく 2.片脚をうしろへ伸ばす 3.視線を前に向け、背すじを保ったまま脚の付け根を伸ばす 太もも前面のストレッチ 1.脚を前に伸ばして座る 2.両手を体のうしろにつく 3.片脚を後方へ曲げ、前を見ながら太もも前面を伸ばす ふくらはぎストレッチ 1.壁の前に立ち、両手を壁につく 2.片脚をうしろに引き、かかとを床につける 3.前の膝をゆっくり曲げながら、後ろ脚のふくらはぎを伸ばす お尻のストレッチ 1.仰向けになる 2.片脚を抱え込む 3.頭を持ち上げずに、お尻まわりを伸ばす 実施のコツは、以下のとおりです。 1回20〜30秒キープする インターバルは10〜20秒とる 4週間以上継続する 呼吸を止めず、ゆっくり吐きながら伸ばす 違和感を覚えたらやめる(「痛気持ち良い」程度が目安) 毎日コツコツ続けると、柔軟性の向上とともに血管の状態にも変化が期待できます。 かかと上げ運動 ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。そのため、ふくらはぎの血行改善に効果的な「かかと上げ運動」を習慣化すると、血流の改善が期待できます。 かかと上げ運動の手順は、次のとおりです。 足を肩幅程度に開いて立つ かかとをゆっくり上げて、つま先立ちになる ゆっくりかかとを下ろす 10回を1セットとして、朝晩実施する なお、立った状態でのかかと上げが難しい方は、仰向けに寝て足首を曲げ伸ばしする方法でも効果が期待できます。 血管年齢が高い人ほど注意したい病気 血管年齢が高い状態を放置すると、さまざまな病気のリスクが高まります。代表的な疾患を、以下の表にまとめました。 疾患 内容 脳出血 ・血管が破れて脳内に出血する病気 ・半身麻痺・激しい頭痛・意識障害を引き起こす 脳動脈瘤・くも膜下出血 ・脳動脈のこぶが破裂する病気 ・死亡率は約30〜50%とされる 胸部・腹部大動脈瘤 大動脈に瘤(こぶ)ができ、破裂すると突然死のリスクがある 大動脈解離 ・大動脈の壁が裂ける病気 ・激しい胸の違和感を伴う 脳梗塞 ・脳の血栓で血流が途絶え、脳細胞が壊死する ・半身麻痺・言語障害を引き起こす 狭心症・心筋梗塞 ・冠動脈が詰まって心筋が壊死する病気 ・完全閉塞で心臓が止まることもある エコノミークラス症候群 ・静脈の血栓が肺に詰まる病気 ・長時間座りっぱなしの状態で起こりやすい 血管年齢が高く、高血圧を指摘されている方がとくに注意したい病気の一つが脳出血です。脳出血は、脳の血管が破れて出血する病気で、高血圧が主な原因の一つとされています。 脳出血の原因やストレスとの関係、予防法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 まとめ|血管年齢を若くするには日々の小さな習慣改善から始めよう 本記事では、血管年齢を若くするための習慣やチェック方法、効果的なストレッチ・運動について解説しました。 血管年齢を若くするためには、以下3つの習慣を整えることが大切です。 バランスの整った食事(青魚・野菜・大豆製品・根菜類) 血流を促す適度な運動(ストレッチ・かかと上げ運動) 自律神経を整える生活習慣(質の良い睡眠・ストレス管理) 一度にすべてを完璧にしようとする必要はありません。血管年齢が気になる方は、まず食生活の見直しから始めてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。血管や生活習慣病でお悩みの方は、ぜひ一度ご登録ください。 血管年齢を若くすることに関するよくある質問 血管年齢を若くするには何を食べたらいいですか? 血管年齢の若返りには、青魚(EPA・DHAが豊富)、大豆製品、緑黄色野菜、いも類・根菜類(ビタミンC)がおすすめです。これらの食材をバランスよく組み合わせると、血管の弾力性を保ちやすくなります。 一方で、甘い物や塩分の摂りすぎには注意が必要です。また、食べる順番を「野菜→タンパク質→炭水化物」のベジファーストに変えるだけでも、血糖値の急上昇を抑えられます。 血管年齢を若くするサプリはありますか? 血管年齢のケアでは、EPA・DHA、食物繊維、大豆由来の成分などを意識して摂ることが大切です。 日本動脈硬化学会が推奨する「The Japan Diet」では、動脈硬化性疾患の予防に役立つ食品として、魚、とくに青背魚、大豆・大豆製品、野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、未精製穀類などが挙げられています。(文献1) そのため、サプリを選ぶ場合は、青魚に含まれるEPA・DHA、海藻やきのこ類に多い食物繊維、大豆由来の成分を含むものがおすすめです。 ただし、サプリはあくまで補助的なものです。まずは魚や大豆製品、野菜、海藻類を日々の食事に取り入れ、食生活を整えることから始めましょう。 なお、サプリを利用する場合は、医師や薬剤師に相談すると安心です。 参考文献 (文献1) 動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事|一般社団法人 日本動脈硬化学会 (文献2) Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening|PubMed
2026.05.30 -
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健康診断でLDLコレステロールや血圧、血糖値の数値を指摘され、「このままだと動脈硬化が進むのではないか」「薬に頼らず生活習慣で改善したい」と感じていませんか。 動脈硬化は「サイレント・キラー」とも呼ばれ、自覚症状が出にくいまま進行する病気です。しかし、早めに生活習慣を見直すことで進行を抑え、改善が期待できます。 本記事では、動脈硬化の改善・予防に役立つ食事・運動・生活習慣の3つのアプローチを医師の視点から解説します。セルフチェック方法や医療機関での検査についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。血管の健康に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 動脈硬化を改善する3つのアプローチ 動脈硬化は、食事・運動・生活習慣の3つを見直すことで、進行を抑えられる可能性があります。一気にすべてを変えようとせず、できるところから取り組んでみましょう。 具体的な3つのアプローチは、以下のとおりです。 バランスの整った食事メニューに切り替える 血流を高める運動習慣を取り入れる 生活習慣を改善して自律神経を整える それぞれ詳しく見ていきましょう。 1.バランスの整った食事メニューに切り替える カロリーや塩分のとりすぎは、中性脂肪やLDLコレステロールを増やす原因になります。こうした状態が続くと、血管の内側に脂質が蓄積し、血管が狭くなったり血流が悪くなったりするおそれがあるのです。 以下のチェックリストに3つ以上該当する人は、食生活を見直してみましょう。 日頃から水分を十分にとれていない 濃い味付けの料理を選びがち 豆類・野菜・魚の摂取量が少ない 加工食品や外食に頼る機会が多い 間食が習慣化している 麺類や丼物などの単品メニューをよく食べる 日本動脈硬化学会が提唱する「The Japan Diet」では、魚や大豆製品、緑黄色野菜、海藻などを積極的にとり、肉の脂身や加工食品、アルコールを控えることを推奨しています。(文献1) なお、具体的なメニューについては、後述する「動脈硬化を改善・予防する食事メニュー例」で詳しく紹介します。 2.血流を高める運動習慣を取り入れる 運動不足は血圧の上昇を招き、血管の老化を進めやすくなります。とくにデスクワーク中心の方は、意識的に体を動かす習慣を取り入れましょう。 なお、本格的な筋トレやスポーツでなくても問題ありません。軽い散歩やストレッチ、体を大きく動かす家事などでも血行をよくし、血管の内皮細胞を活発化させる効果が期待できます。 詳しいストレッチの方法は、後述する「動脈硬化改善が期待できる運動やストレッチ」で紹介します。 3.生活習慣を改善して自律神経を整える 血管の収縮や拡張は、自律神経によってコントロールされています。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、血管が収縮しやすい状態が続き、血管への負担が増えることで老化が進みやすくなります。 以下のチェックリストに3つ以上該当する人は、自律神経のバランスが乱れ、動脈硬化のリスクが高まっている可能性があります。 日常的にストレスをため込みやすい 喫煙の習慣がある 夜更かしが多く、十分な睡眠をとれていない リラックスできる趣味や楽しみが少ない 人とのコミュニケーションに負担を感じやすい 以前よりも感動したり楽しんだりする機会が減っている 具体的な対策としては、定期的なストレス発散と良質な睡眠の確保が重要です。人との会話や散歩、読書、旅行など、自分が楽しめる時間を意識的に作りましょう。 また、就寝前のカフェインや飲酒、スマホの使用を控えると、睡眠の質が高まります。 そもそも動脈硬化とは? 動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールなどが蓄積し、血管が厚く硬くなる状態のことです。 動脈は、全身に酸素や栄養を届ける血管です。内側から内膜・中膜・外膜の3層で構成されており、内膜の下にLDLコレステロールなどが蓄積すると、「プラーク」と呼ばれるかたまりが作られます。(文献2)プラークが大きくなるほど血管の内側は狭くなり、血液がスムーズに流れにくくなるのです。 また、プラークが破れると血栓(血管の中にできる血のかたまり)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながりかねません。 動脈硬化は自覚症状が出にくいため、健康診断でLDLコレステロールや血圧、血糖値を指摘された場合は、早めに生活習慣を見直しましょう。 動脈硬化の進行度を確認する方法 動脈硬化の対策を始める前に、まずは血管の状態を把握することが大切です。ここでは、セルフチェックと医療機関での検査、2つの方法を紹介します。 セルフチェックで動脈硬化のリスクを確認する 医療機関でABI・CAVI検査を受ける それぞれ詳しく解説します。 セルフチェックで動脈硬化のリスクを確認する 動脈硬化のリスクは、医学的な基準値と生活習慣の両面からチェックできます。以下の医学的リスク基準に3つ以上該当する方は注意が必要です。 項目 基準の目安 年齢 ・男性45歳以上 ・女性55歳以上 血糖値 100mg/dL以上 脂質 ・中性脂肪150mg/dL以上 ・LDLコレステロール140mg/dL以上 ・HDLコレステロール40mg/dL未満 血圧 収縮期血圧140以上/拡張期血圧90以上 また、以下の生活習慣チェックリストに3つ以上該当する場合も注意が必要です。 喫煙習慣がある 血圧が高いと指摘されたことがある 睡眠時間が不足しがちである BMIが25以上、または腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上である 日常的にストレスを感じることが多い 週3日以上アルコールを飲む 運動する機会が少ない デスクワークなどで座っている時間が長い 魚より肉を食べる機会が多い 濃い味付けの料理を好む 満腹になるまで食べる習慣がある 該当する項目が多い方は、医療機関での検査を検討しましょう。 医療機関でABI・CAVI検査を受ける 医療機関では、血圧脈波検査によって動脈硬化の進行度を調べられます。血圧脈波検査は、両腕と両足の血圧を同時に測定し、CAVIとABIという2つの値を確認する検査です。検査時間は5〜10分程度と短く、体への負担も少ないとされています。 検査項目 確認できること 特徴 CAVI 血管の硬さ 動脈を伝わる脈波から、血管がどの程度硬くなっているかを調べる ABI 血管の詰まり 腕と足の血圧の比をもとに、足の血管が狭くなっていないかを確認する 血圧脈波検査は、比較的太い血管を対象に測定するため、測定値の誤差が出にくい点が特徴です。 なお、血圧脈波検査にかかる費用は、受診する医療機関や検査の目的によって変わります。健康診断や任意のチェックとして受ける場合は自由診療になるケースが多く、費用の目安は2,000〜5,000円前後です。 一方で、医師が動脈硬化や血管疾患のリスクを調べる必要があると判断した場合は、保険診療として検査を受けられる可能性があります。費用や保険適用の有無は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。 動脈硬化を改善・予防する食事メニュー例 日本動脈硬化学会の「The Japan Diet」によると、動脈硬化の進行を予防したい場合、以下のような食事が推奨されます。(文献1) 意識したいこと 具体例 脂質をとりすぎない 脂身の多い肉や動物性脂肪の多い食品を控える 糖質・嗜好品を控える 甘い飲み物、菓子類、アルコールのとりすぎに注意する 魚・大豆製品を増やす 魚、大豆、豆腐、納豆などを食事に取り入れる 野菜・海藻類を増やす 緑黄色野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどを選ぶ 主食を工夫する 玄米、雑穀、麦などを取り入れる 塩分を控える 薄味を意識し、塩分の多い食品を控える ここからは、上記の注意点を参考に具体的なメニュー例を紹介します。 【朝食】納豆と海藻を使った和食メニュー 【昼食】魚介とたっぷりの野菜メニュー 【夕食】焼き魚と大豆製品の満足感メニュー 毎日の食事メニューに取り入れてみてください。 【朝食】納豆と海藻を使った和食メニュー 朝食は、和食の基本をおさえつつ、未精製穀類と大豆製品をバランスよく組み合わせます。 区分 メニュー 主食 もち麦ごはん 汁物 わかめとえのきの減塩味噌汁 主菜 納豆(オクラやネギを添えて) 副菜 ほうれん草としらすのおひたし デザート 無糖ヨーグルトとキウイフルーツ 精白米にもち麦を混ぜることで未精製穀類を増やし、食物繊維をしっかり摂取できます。また、主菜には動物性脂質を含まない大豆製品(納豆)を選び、オクラを加えて野菜も補えるメニューです。 汁物には海藻ときのこをたっぷり入れ、出汁を効かせて減塩を意識しています。デザートには、糖分を抑えた乳製品と甘味の少ない果物を組み合わせましょう。 【昼食】魚介とたっぷりの野菜メニュー 昼食は、青魚と野菜・海藻・きのこを組み合わせ、手軽に作れる内容を意識しました。 区分 メニュー 主食 全粒粉パンのサンドイッチ、または玄米おにぎり 主菜 さばの水煮缶を使ったトマト煮込み 副菜 海藻サラダ(わかめ、ひじき、レタス)のノンオイル和風ドレッシング 副菜 きのこ(しめじやエリンギ)とこんにゃくのピリ辛炒め さばの水煮缶は骨まで食べられる上、青魚のEPA・DHAを手軽に摂取できる優れた食材です。トマトと一緒に煮込むことで旨味が増し、塩分を抑えられます。 主食は精製された白いパンやご飯を避け、全粒粉パンや玄米を選ぶのがポイントです。きのことこんにゃくの炒め物は食物繊維が豊富で、唐辛子などスパイスを使えば薄味でも満足感が得られます。 【夕食】焼き魚と大豆製品の満足感メニュー 夕食は、肉類を控えて魚と大豆製品を中心に据えたメニューです。 区分 メニュー 主食 雑穀米 汁物 豆腐となめこのすまし汁 主菜 鮭の塩焼き(減塩)、たっぷりの大根おろし添え 副菜 厚揚げと小松菜の煮浸し デザート りんご(少量) 夕食は肉類を控え、魚と大豆製品をメインに据えることが動脈硬化対策のポイントです。鮭は塩分控えめに焼き、大根おろしをたっぷり添えることでさっぱりと食べられます。 副菜には緑黄色野菜(小松菜)と厚揚げを合わせ、出汁の風味を活かした煮浸しにすると減塩につながります。汁物にも大豆製品(豆腐)ときのこ(なめこ)を取り入れることで、食物繊維をしっかり補える構成です。 動脈硬化改善が期待できる運動やストレッチ 近年の研究では、体の柔軟性が低い人ほど、血管も硬くなりやすい可能性が示されています。(文献3) 血管の柔軟性を保ちやすくなるため、日々の習慣として以下の運動やストレッチを取り入れてみましょう。 かかと上げ下げ運動 寝たままふくらはぎストレッチ 血管の柔軟性を高める効果が期待できるストレッチ それぞれ詳しく解説します。 かかと上げ下げ運動 運動不足は高血圧につながり、血圧が高い状態が続くと動脈硬化が進行しやすくなります。ふくらはぎは下半身の血液を心臓へ送り戻す「第二の心臓」とも呼ばれるポンプ機能を持っており、刺激することで血行改善が期待できます。 かかと上げ下げ運動の実施方法は、以下のとおりです。 楽な姿勢で立ち、軽く足を開く 両足でつま先立ちになる ゆっくりかかとを下ろす 10回を1セットとして、朝晩2回を目安に行う つま先立ちが難しい場合は、後述する「寝たままふくらはぎストレッチ」を代わりに行いましょう。また、椅子に座ったままアキレス腱から膝裏を30秒×1〜2回/日マッサージするのも、血行改善に効果的です。 寝たままふくらはぎストレッチ つま先立ちが難しい方には、寝たまま行えるストレッチがおすすめです。寝る前や朝起きたときに行うと、手軽に習慣化できます。 実施方法は、以下のとおりです。 仰向けになった状態で、両足のつま先を伸ばす つま先をゆっくりと上に引き上げる 10回を1セットとして、朝晩2回を目安に行う 寝たままできるストレッチなので、起床後や就寝前の習慣として取り入れてみましょう。 血管の柔軟性を高める効果が期待できるストレッチ 血管の柔軟性を高める効果が期待できる、5種類のストレッチを紹介します。実施方法は、以下表を参考にしてください。 ストレッチ 実施方法 膝裏 1.片足を前に出し、立った状態で膝を伸ばす 2.前に出した膝の上に両手を置く 3.上体を前に傾けて体重をかけ、膝裏をしっかり伸ばす 足の付け根 1.正座の姿勢になり、両手を体の前につく 2.片足をうしろへ引いて伸ばす 3.背筋をまっすぐに保ったまま、足の付け根を伸ばす 太もも前側 1.両足を前に伸ばして床に座る 2.両手を体のうしろにつく 3.片足をうしろへ曲げ、前を向きながら太もも前側を伸ばす ふくらはぎ 1.壁の前に立ち、両手を壁につける 2.片足をうしろへ引き、かかとを床につける 3.前の膝をゆっくり曲げながら、うしろ側のふくらはぎを伸ばす お尻 1.仰向けに寝た状態になる 2.片足を胸の方へ引き寄せて抱え込む 3.頭を持ち上げずに、お尻まわりを伸ばす 上記ストレッチを実施する際は、1つにつき20〜30秒キープし、左右2回ずつ行いましょう。ストレッチ間のインターバルは10〜20秒が目安です。 なお、無理に連続して行うと体に負担がかかるため、適度に休憩を挟みながら続けましょう。 動脈硬化が進行すると起こりやすい病気 動脈硬化が進行すると、重大な病気を引き起こす可能性があります。注意すべき主な病気は、以下のとおりです。 疾患名 症状・リスク 脳梗塞 ・脳の血管が詰まり、脳の細胞が障害を受ける ・手足の麻痺、言語障害、記憶力や思考力の低下などが残ることがある 脳出血 ・脳の血管が破れて出血する ・意識障害や頭痛、手足の麻痺などが起こることがある ・後遺症が残り、生活に支障をきたす場合がある 心筋梗塞 ・心臓の血管が詰まり、心筋に血液が届かなくなる ・胸の強い痛み、息苦しさ、冷や汗、吐き気などが起こることがある ・突然死につながるケースもある 狭心症 ・心臓の血管が狭くなり、血流が悪くなる ・運動時や寒暖差などをきっかけに胸の痛みや圧迫感が起こることがある ・放置すると心筋梗塞などの重い病気につながるおそれがある とくにデスクワーク中心の方は、座りっぱなしが続くと血流が悪くなりやすいため、こまめに立ち上がって体を動かすことが大切です。 ただし、食事や運動、生活習慣を整えることで、これらのリスクを下げられます。できることから一つずつ始めていきましょう。 以下の記事では、首の血管に関する動脈硬化についてまとめています。首の違和感に心当たりがある方は、ぜひ参考にしてください。 まとめ|動脈硬化を改善するには食事や生活習慣を整えよう 動脈硬化は、生活習慣の見直しによって進行を抑え、改善が期待できる病気です。バランスの整った食事メニューに切り替え、適度な運動や良質な睡眠を意識しながら、生活習慣を整えていきましょう。 ただし、一気にすべてを変えようとせず、一つずつ始めることが大切です。「今日の食事から見直してみる」「寝る前にストレッチを1セット行う」など、小さな一歩を積み重ねましょう。 また、定期的な健康診断やABI・CAVI検査で血管の状態をチェックすることもおすすめです。気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診してください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。血管の健康に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご登録ください。 動脈硬化改善についてよくある質問 動脈硬化改善に有効なサプリメントはありますか? 動脈硬化の予防や血管の健康維持に役立つ成分として、DHA・EPAなどの魚油由来の成分が知られています。日本動脈硬化学会のガイドラインでも、中性脂肪の低下を目的にEPA・DHAの摂取量を増やすことが推奨されています。(文献4) DHA・EPAの摂取で期待される働きは、以下のとおりです。 成分 期待される働き DHA ・青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の一種 ・血管の健康維持に関わる成分として知られている EPA ・青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の一種 ・中性脂肪(トリグリセライド)の低下を目的とした摂取が推奨されている 動脈硬化の改善を目的にサプリメントを購入する際は、DHA・EPAが多く含まれる商品を検討してみてください。 なお、DHA・EPAは、イワシ・サバ・サンマ・アジなどの青魚に含まれています。サプリメントで補う方法もありますが、まずは食事から青魚を取り入れることが基本です。 動脈硬化改善におすすめのレシピはありますか? 日本動脈硬化学会が推奨する「The Japan Diet」では、動脈硬化予防に役立つ食事として、魚・大豆製品・野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなどを取り入れ、肉の脂身や動物脂、菓子類、甘い飲み物、アルコールなどを控える食事が紹介されています。(文献4) 調理のポイントは、以下のとおりです。 ポイント 具体例 魚を主菜に取り入れる アジ、イワシ、サバなどの青背の魚を中心に、刺身・焼き魚・蒸し料理などで取り入れる 大豆製品を活用する 納豆、豆腐、高野豆腐などを主菜や副菜に加える 野菜や海藻類を増やす 緑黄色野菜、淡色野菜、海藻、きのこ、こんにゃくを副菜や汁物に使う 主食を工夫する 白米だけでなく、玄米、麦、雑穀、そばなどを取り入れる 動物性脂肪を控える 肉の脂身、鶏皮、ラード、牛脂、バターなどを控えめにする 減塩を意識する 出汁、香味野菜、すだち、レモン、大根おろしなどを活用して薄味にする 上記を参考に、日々のレシピを組み立ててみてください。 参考文献 (文献1) 動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事|一般社団法人 日本動脈硬化学会 (文献2) 動脈硬化性疾患とは?|一般社団法人日本動脈硬化学会 (文献3) Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening|PubMed (文献4) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|日本動脈硬化学会
2026.05.30 -
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「心筋梗塞を発症したあとの余命を知りたい」 「予後を良くするためにすべきことがあれば知りたい」 心筋梗塞を発症したあとの余命は、重症度や既往歴、発症後の生活習慣などによって個人差があるため、一概に数字では示せません。 本記事では、心筋梗塞後の余命、再発率、予後悪化させるリスク因子、良い影響を与える治療などについて解説します。心筋梗塞後は心身ともに不調が起きやすくなります。日常生活で注意すべき点も解説しているため参考にしてください。 なお、心筋梗塞のリスク因子である糖尿病に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。糖尿病のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 心筋梗塞をやったら余命はどのくらいになるのか 心筋梗塞後の余命は、数字で表すのは難しいとされています。重症度や既往歴、発症後の生活習慣など、さまざまな要因によって予後は変わるためです。 1990年に行われた調査では、心筋梗塞後の累積生存率(ある時点まで生存している確率)は以下の通りです。 生存年数 累積生存率 1年後 98% 3年後 90% 5年後 82% 7年後 71% 9年後 68% 11年後 62% (文献1) この調査では、平均年齢男性64歳・女性66歳の113例(男性99例、女性14例)を対象としています。 心筋梗塞後の再発率 心筋梗塞を一度発症すると、再発リスクは発症していない人の4〜6倍高くなります。(文献2)1年間で再発する割合は約6%との報告もあります。(文献3) 再発を予防するには、運動習慣や食生活の見直し、適正体重の維持、禁煙といった生活習慣の改善が重要です。また、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある場合は、厳重に管理する必要があります。 心筋梗塞の予後を悪化させるリスク因子 心筋梗塞の予後を悪化させるリスク因子として、以下が挙げられます。 リスク因子 詳細 高血圧 ・再発予防には十分な降圧が必要である ・目標血圧値は130/80mmHg未満である 脂質異常症 ・動脈硬化を進行させるため治療が必要である ・発症後早期からLDL(悪玉)コレステロール値100mg/dL未満を目指した積極的な治療が必要である 糖尿病 ・再発予防には早期から血糖値の管理が必要である ・糖尿病予備軍の段階でも心筋梗塞のリスクを高めるため検査で確認する 肥満 ・過体重は心筋梗塞のリスクを高めることがわかっている ・BMIが25kg/m2以上の方は減量に取り組む必要がある 喫煙 ・タバコの種類にかかわらず喫煙はリスクを高める ・本数を減らすのではなく禁煙が必要である 【関連記事】 【医師監修】高血圧とは|原因・症状・予防法・治療まで徹底解説 【医師監修】脂質異常症とは|症状・原因・改善方法を分かりやすく解説 【医師監修】糖尿病とは|症状や原因・予防法までを詳しく解説 心筋梗塞後の予後に良い影響を与える治療 心筋梗塞後の予後に良い影響を与える治療として、以下が挙げられます。 運動療法 食事療法 服薬管理 メンタルケア それぞれの治療について詳しく解説します。 運動療法 運動療法は、心筋梗塞を引き起こすリスクを下げる効果が期待できます。 その他にも、以下のような効果を期待できます。 血圧を下げられる 息切れや疲労感などの症状を軽減できる 心臓の働きの低下を抑えられる 運動に耐えられる能力を高められる HDL(善玉)コレステロールを増やし中性脂肪を減らす 心筋梗塞後の運動については医師による指導が必要です。自己判断による運動は控えてください。 食事療法 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある場合は、病状に応じた食事を摂る必要があります。 例えば、高血圧の方は以下のことを意識する必要があります。 1日の塩分量を6g未満に抑える(文献4) 漬物は自家製の浅漬けで少量にする 味噌汁は具だくさんにする 麺類の汁は残す 醤油などの調味料をむやみに使用しない 香辛料や香味野菜などを上手に使い味付けをする 外食や加工食品は避ける 高血圧の方は、余分なナトリウムを排出して血圧を調整する働きがあるカリウムを摂ることも効果的です。ただし、病状によってはカリウムを制限しなければならないため、医師に相談してください。 服薬管理 心筋梗塞後の患者様には、病状に応じたさまざまな薬が処方されます。適切に治療を進めるには、医師の処方どおりに服用し定期的に通院をする必要があります。 飲み忘れを防ぐために、以下のような工夫を取り入れましょう。 ポケット式のお薬カレンダーやピルケースを活用する 服薬管理アプリを活用する スマートフォンのアラームに服薬時間をセットする 薬局で一包化を依頼し、1回分の薬をまとめてもらう 旅行の際は薬だけでなく、保険証とお薬手帳も持参する 飲み忘れが心配な方は、家族にも協力を求めましょう。薬を飲むタイミングを共有しておくと、飲み忘れの防止につながります。 また、たとえ体調が良いときでも、自己判断で薬を中断してはいけません。医師の処方どおりに服用を続けましょう。 メンタルケア 退院後の生活ではメンタルケアも重要です。ストレスが心筋梗塞の発症に関連していることが明らかになっています。また、ストレスからタバコを吸ってしまう方もいるため注意が必要です。ストレスを抱え込まないために、家庭や職場などの環境を整えましょう。 具体的な対策としては以下が挙げられます。 「仕事を休んで申し訳ない」などと自分を責めない 家族とのコミュニケーションの時間を作る 人事担当と相談して業務内容や勤務時間を調整してもらう 不安や悩みは一人で抱え込まず、家族や医療スタッフに相談しましょう。 心筋梗塞後の生活の変化と気をつけること 心筋梗塞後は心身ともに不調が起きやすくなります。 日常生活では、以下のことに注意してください。 体調や自覚症状に注意する 天候に合わせて活動をする 受動喫煙に注意する それぞれについて詳しく解説します。 体調や自覚症状に注意する 心筋梗塞後は、とくに日頃から自分の体調や自覚症状に注意が必要です。例えば、「熱っぽい」といった体調不良がある場合は、運動を避けてください。運動を再開するのは、症状が消えて2日以上経過してからにしましょう。 また、運動後に「1時間経過しても疲労感が残っている」「運動した日の夜に眠れない」といったことがある場合は、運動の強度が高すぎる可能性があります。医師に相談して運動強度を調整してもらいましょう。 運動開始時と運動中に以下のような症状が現れている場合は、狭心症や心筋梗塞が再燃しているおそれがあります。 胸や腕、首、あごなどの上半身の不快感 失神 5分以上続く息切れ 腰痛 関節痛 これらの症状が現れた際は、速やかに運動を中断して医療機関に連絡してください。 天候に合わせて活動をする 暑い日や寒い日は心筋梗塞の発症リスクに影響するといわれています。暑い日に運動をする場合は、早朝や夕方の涼しい時間帯を選び、こまめに水分補給をして脱水を予防しましょう。 寒い日は「暖かくして外出する」「脱衣所を暖める」などの対策が有効です。冷たい空気を直接吸い込まないためにマスクの着用もおすすめです。 受動喫煙に注意する 受動喫煙は心筋梗塞のリスクを高めます。主流煙よりも副流煙のほうが有害物質を多く含んでいるためです。家族や職場の人などにも協力してもらい、徹底した禁煙対策をとる必要があります。 まとめ|心筋梗塞の発症後は継続して適切な治療とリハビリを受けよう 心筋梗塞後の余命は、重症度や既往歴、発症後の生活習慣などによって個人差があるため、一概に数字では示せません。心筋梗塞後の予後を良くするには、急性期の治療を終えたあとも、継続した適切な治療を受けることが重要です。 例えば、運動療法では息切れや疲労感の軽減、血圧値の改善といった効果を期待できます。ただし、運動内容は医師の指導が必要であるため、自己判断による運動は控えてください。 食事療法では、生活習慣病に応じた食事を続けることで再発リスクの低下につながります。長続きさせるためには、家族に協力を求めることが大切です。また、心筋梗塞後は心身ともに不調が起きやすくなります。体調不良が起きた際は無理をしないで十分に休むことを優先してください。 当院「リペアセルクリニック」では、心筋梗塞のリスクを高める糖尿病に対しても再生医療を行っています。まずは相談だけでもお気軽にご連絡ください。 心筋梗塞後の余命に関するよくある質問 発症すると長生きできない? 心筋梗塞を発症後1カ月以上生存した方を対象とした調査では、その後も生存し続けている割合は5年後82%、7年後71%、9年後68%と報告されています。 (文献1)心筋梗塞の予後に良い影響を与えるには、運動療法や食事療法、薬物療法などの適切な治療を受けることが重要です。 心筋梗塞の死亡率は? 急性心筋梗塞の死亡率として、以下のような報告があります。 搬送前死亡率 約38.4% 院内死亡率 約4.1% 生存退院率 約57.5% この数字を参考にすると、急性心筋梗塞を発症した方の約42.5%は死亡することがわかります。(文献5) 参考文献 (文献1) 急性心筋梗塞の長期予後|日本心臓財団 (文献2) 恐れるな、心筋梗塞!|洛和会ヘルスケアシステム (文献3) 心筋梗塞の再発をどうして防ぐか|日本心臓財団 (文献4) 高血圧|厚生労働省 (文献5) 不安定狭心症に対する積極的治療で急性心筋梗塞の発症を予防する|日本循環器学会
2026.05.30 -
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「健康診断で動脈硬化の疑いと言われたら、まず何をするべき?」 「放置するとどうなる?」 動脈硬化の疑いを指摘された場合は、二次健診を受診して適切な検査と診断を受けることが重要です。その後、必要に応じた治療や生活習慣の改善に取り組むことで、動脈硬化の進行を抑えられます。 動脈硬化は進行すると、将来的に脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの合併症につながる可能性があるため放置してはいけません。 本記事では、動脈硬化と言われたら優先的にするべきことをはじめ、見直すべき生活習慣、病状別の食事のポイントを解説します。健康診断後、次の行動がわからない方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。糖尿病などの生活習慣病でお悩みの方も、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 動脈硬化と言われたら優先的にするべきこと 動脈硬化と言われたら優先的にするべきことは以下の2つです。 医療機関で詳しい検査を受ける 生活習慣病の治療を受ける それぞれについて詳しく解説します。 医療機関で詳しい検査を受ける 健康診断などで、動脈硬化の疑いを指摘されたら二次健診を受診してください。 医師の判断によって、以下のような動脈硬化の進行状態を調べる検査を行います。 検査項目 詳細 ABI・PWV検査 両手と両足の血圧を同時に測定して、血管の硬さや血流の状態を調べる検査 頸動脈超音波検査 首の血管内の狭さやプラーク(脂質の塊のようなもの)の状態を調べる検査 動脈硬化を放置すると脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの生命に危険が及ぶ合併症につながる可能性があります。動脈硬化の指摘を受けた際は、早めに二次健診を受診してください。 【関連記事】 脳梗塞とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説 【医師監修】脳出血とは|症状・種類・原因を詳しく解説 生活習慣病の治療を受ける 動脈硬化は、以下のような生活習慣病によって進行します。 生活習慣病 特徴 高血圧 ・通常よりも血圧が高い状態 ・血管に負担がかかり動脈硬化が進行する 脂質異常症 ・血管内のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が通常よりも多い状態 ・血管内にプラークが蓄積して動脈硬化が進行する 糖尿病 ・血糖値を下げるインスリンの分泌量が減るまたは働きが悪くなる病気 ・高血糖により血管の内側が傷つき動脈硬化が進行する 高尿酸血症 ・血液中の尿酸が通常よりも多い状態 ・尿酸結晶が血管内に蓄積して動脈硬化が進行する 生活習慣病の指摘を受けている方は、早めに治療を始めましょう。 【関連記事】 【医師監修】高血圧とは|原因・症状・予防法・治療まで徹底解説 【医師監修】脂質異常症とは|症状・原因・改善方法を分かりやすく解説 【医師監修】糖尿病とは|症状や原因・予防法までを詳しく解説 動脈硬化と言われたら共通してするべきこと 動脈硬化と言われたら共通してするべきことは以下の通りです。 食生活全般を見直す 適度な運動を取り入れる 肥満を解消する 禁煙をする 節酒・禁酒をする ストレス管理を行う それぞれについて詳しく解説します。 食生活全般を見直す 病状によって改善するべき食事の内容は異なりますが、共通して以下のようなことに注意しましょう。 1日3食規則正しく食べる 夜遅い時間の高カロリー食は避ける 主菜は肉類よりも魚類にする 抗酸化作用のある色の濃い野菜を積極的に摂る 脂質の多いファストフードや揚げ物は避ける 外食はバランスよくおかずが摂れる定食メニューにする 食生活の改善を長続きさせるには、家族の協力が大きな助けになります。動脈硬化のリスクをパートナーや家族と共有し、一緒に続けることを意識しましょう。 適度な運動を取り入れる 適度な運動は、高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれにおいても重要な対策です。 運動内容も以下のような有酸素運動が共通して推奨されています。 ウォーキング スロージョギング ランニング ステップ運動 エアロビクスダンス サイクリング 運動の頻度は、1日30分・週3回以上を目安にしましょう。 肥満を解消する 動脈硬化の進行を抑えるには肥満の解消も重要です。肥満の解消は生活習慣病の改善および動脈硬化の進行の抑制につながるためです。一般的にBMI(体格指数)22kg/m2が適正体重とされています。 以下の計算式を参考にして、適正体重を目指してください。 適正体重の計算方法 (身長m×身長m)×22=適正体重 計算例 1.6×1.6×22=56.3kg(身長160cmの場合) 禁煙をする タバコには、ニコチンや活性酸素、一酸化炭素などの有害物質が含まれています。 これらの有害物質は、以下のように体に悪影響を与えて、高血圧と動脈硬化を進行させてしまいます。 有害物質 体に与える悪影響 ニコチン 交感神経を刺激して血圧が上昇する 活性酸素 脂質を劣化させて血管などの細胞を傷つける 一酸化炭素 血管の内側を傷つける 自分一人で禁煙ができない方は、禁煙外来の利用を検討しましょう。 【関連記事】 喫煙は血圧にマイナスな影響を与える?高血圧の原因や対策について現役医師が解説 節酒・禁酒をする 過度な飲酒は、動脈硬化を進行させてしまうリスクがあるため節酒・禁酒の取り組みは重要です。飲酒は少量から血圧を上昇させて、量が多くなるほどに血圧の上昇を引き起こします。 また、飲酒は中性脂肪を増加させます。一方で、血液中の余分なコレステロールを回収するHDL(善玉)コレステロールを増やす効果も期待できると言われています。しかし、中性脂肪とHDLコレステロールのどちらが増えやすいかどうかは、遺伝が関係しており人それぞれです。 そのため、HDLコレステロールが増えることを期待した過度な飲酒は控えてください。厚生労働省によると、1日のアルコール摂取量の目安は20gとされています。 アルコール摂取量20gの目安は以下を参考にしてください。 アルコール飲料 1日のアルコール飲料の適量 ビール 中ビン1本(500ml) 日本酒 1合(180ml) ウイスキー・ブランデー ダブル(60ml) (文献1) ストレス管理を行う 動脈硬化の進行を抑えるには、ストレス管理も重要です。精神的なストレスは動脈硬化を進行させるおそれがあるためです。 精神的なストレスによる動脈硬化を抑えるには、以下のような有酸素運動が有効とされています。 ウォーキング エアロバイク サイクリング スロージョギング また、精神的・身体的ストレスは、心筋梗塞の発症にも関連するとの報告があります。実際に、有職者の男性では仕事が始まる月曜日に、高齢女性では家事・介護の負担が高まる 土曜日に発症が多いという報告があります。(文献2) 【病状別】動脈硬化と言われたらするべきこと 動脈硬化の進行を抑えるには、原因となっている病状に応じた食生活の改善が重要です。 ここでは、以下の病状別に改善のポイントを解説します。 血圧が高い方 LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が高い方 血糖値が高い方 尿酸値が高い方 血圧が高い方 血圧が高い方は、1日の塩分量を6g未満に抑えることが重要です。(文献3)塩分の摂りすぎは、血圧を高める作用があるためです。 塩分を摂りすぎないために以下のことを意識しましょう。 漬物は自家製の浅漬けで少量にする 味噌汁は具だくさんにする 麺類の汁は残す 醤油などの調味料をむやみに使用しない 香辛料や香味野菜などを上手に使い味付けをする 外食や加工食品は避ける また、カリウムは腎臓から塩分を排泄しやすくする作用があります。カリウムが豊富な野菜や果物、大豆製品を積極的に摂りましょう。一般的な血圧の管理目標は「診察室血圧:130/80mmHg未満」「家庭血圧:125/75mmHg未満」とされています。(文献4) LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が高い方 LDLコレステロールや中性脂肪が高い方は、脂質や糖質、アルコール飲料を制限する必要があります。 LDLコレステロールや中性脂肪を下げるために以下のことを意識してください。 LDLコレステロールを下げるポイント ・肉料理を減らす ・揚げ物の頻度を減らす ・食物繊維を積極的に摂る ・スナック菓子や洋菓子を控える 中性脂肪を下げるポイント ・ご飯は大盛りにしない ・魚類を積極的に摂る ・節酒をする ・間食を減らす 脂質異常症の目標値は、患者様の病状によって異なります。正確な目標値を把握するために、医療機関を受診して医師に確認しましょう。 血糖値が高い方 血糖値が高い方は、とくに急激に血糖値を上げないことが重要です。 以下の取り組みを行い血糖値の急激な上昇を予防しましょう。 ご飯を大盛りにしない 毎食野菜から先に食べる ラーメンとチャーハンのような組み合わせをしない 水分はお茶や水にする 甘い物はときどきにする 麺類は具だくさんのものを選ぶ 休肝日を週2回以上設ける 1日3食の規則正しい食生活が基本です。食事は「ゆっくりとよく噛んで腹八分目」を心がけてください。血糖の正常化を目指すのであれば「HbA1c:6.0%未満」にする必要があります。(文献5) 尿酸値が高い方 尿酸値が高い方は、レバーや魚の干物、魚卵などプリン体が多い食品を控える必要があります。他にも過度な飲酒や肉中心の食事は尿酸値を高めてしまいます。 尿酸値が高い方は、以下について意識しましょう。 ご飯を大盛りにしない 肉料理を減らす 揚げ物の頻度を減らす 甘い物を控える 食物繊維を積極的に摂る 牛乳やヨーグルトを取り入れる 休肝日を週2回以上設ける 焼酎やウイスキーなどのアルコール飲料はプリン体が少なめです。しかし、アルコール飲料自体が尿酸値を高める働きがあるため、過度の飲酒は控えてください。尿酸値の目標値は6.0mg/dL以下です。(文献6) まとめ|動脈硬化と言われたら早めに医療機関を受診しよう 健康診断などで動脈硬化の疑いを指摘された場合は、まずは二次健診を受診して適切な検査と診断を受けることが重要です。結果に応じて、生活習慣病などの治療が必要であれば早めに始めてください。 動脈硬化の進行を抑えるには、食生活の乱れや運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣の改善が必要です。食生活の改善を長続きさせるには、パートナーや家族の協力が大きな助けになります。 どのような点に気をつけるべきかは、病状によって異なります。医師に相談しながら、生活習慣の改善や治療を進めていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、糖尿病に対する再生医療のご相談を受け付けております。詳しくはお気軽にお問い合わせください。 動脈硬化と言われたあとに気になること 動脈硬化は治りますか? 動脈硬化は年齢とともに進行するものであり、硬くなった血管を元に戻すのは難しいです。生活習慣の改善などにより進行を抑えることはできます。 動脈硬化に悪い食べ物はなんですか? 動脈硬化に悪い食べ物は塩分や脂質、糖質が多いものです。病状によって主に控えるべき食べ物は異なります。食事内容の見直しのポイントがわからない場合は、医療機関に相談しましょう。 動脈硬化に良い食べ物や飲み物はありますか? 動脈硬化に良い食べ物は、青魚や野菜類、大豆製品などが挙げられます。これらを取り入れて、主食・主菜・副菜をバランス良く食べることが大切です。 参考文献 (文献1) アルコール|厚生労働省 (文献2) 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス|厚生労働省 (文献3) 高血圧|厚生労働省 (文献4) 【日本高血圧学会】高血圧管理・治療ガイドライン2025を発表|日本栄養士会 (文献5) 糖尿病診療ガイドライン 2024|日本糖尿病学会 (文献6) 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン|日本痛風・尿酸核酸学会
2026.05.30 -
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「心筋梗塞の前兆として現れるのはどんな症状?」 「見逃しやすい症状はある?」 「胸の痛みはおさまったけど問題ない?」 心筋梗塞の代表的な前兆は、突然の強い胸の痛みです。「締め付けられる」「押しつぶされる」といった表現で訴えられることが多いです。他にも、背中や肩、腕、みぞおち付近など、心臓から離れた場所に痛みが広がる「放散痛」として現れることもあります。 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病を持つ方は発症リスクが高い傾向です。本記事では、心筋梗塞の代表的な前兆や疑われる際の対応方法、発症のリスク因子、予防方法を解説します。 症状がおさまったとして、心筋梗塞の前段階である不安定狭心症の可能性もあります。疑わしい症状を経験したことがある方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。生活習慣病について疑問や不安がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 心筋梗塞の代表的な前兆【チェックリスト】 心筋梗塞の前兆として現れるのは以下のような症状です。 症状 具体的な症状 強い胸の痛み 締め付け感、圧迫感、絞られる感覚、重苦しさ、胸焼けなどを伴う痛み 放散痛 背中、肩、両腕、歯、みぞおち付近に現れる痛み その他の症状 冷や汗、吐き気、嘔吐、息苦しさ、喉の熱さなど 強い胸の痛みは代表的な症状です。また、胸の痛みや放散痛は、数分から10分程度で消失して繰り返すことが多くあります。一方、20分以上痛みが続く場合は心筋梗塞を強く疑う必要があります。(文献1) 心筋梗塞は治療が遅れると危険な状態になる可能性が高まります。短時間でおさまる発作であっても、繰り返す場合や頻度が増している場合は、心筋梗塞に移行するリスクがあるため、速やかに医療機関を受診してください。 ここからは、心筋梗塞の症状について詳しく解説します。 胸の痛みや締め付け感、胸焼け 心筋梗塞の代表的な前兆として現れるのは強い胸の痛みです。 胸の痛みは以下のような感覚を伴うことが多いです。 締め付けられる感覚 圧迫される感覚 絞られる感覚 重苦しい感覚 胸が焼けるような感覚 症状の強さは個人差が大きいです。これらの症状は、安静にしてもおさまらない特徴があります。 背中や肩、腕、胃の痛み 痛みは放散痛として、以下のような部位に現れることがあります。 背中 肩 両腕 歯 みぞおち付近 放散痛は女性に多く見られる傾向があります。筋肉痛や肩こり、あるいは胃腸の病気と勘違いしないようにしなければなりません。 体位の変更や圧迫、深呼吸によって変化する痛み、針で刺すようなチクチクとした痛みは心臓由来ではない可能性があります。ただし、気になる症状がある場合は自己判断せず、医療機関にご相談ください。 その他の症状 その他にも以下のような症状が前兆として現れることがあります。 冷や汗 吐き気 嘔吐 息苦しさ 喉の熱さ 歯・あごのうずき 女性や高齢者、糖尿病の方は、吐き気や嘔吐、息苦しさなどの症状だけが現れることがあります。男性は冷や汗を伴うことが多いです。 【受診の目安】心筋梗塞の前兆が現れたときの対応方法 前述した症状が数分から10分程度続く場合は、心筋梗塞を疑ってください。たとえ症状が落ち着いたとしても、速やかに医療機関での治療が必要です。急激に状態が悪くなり突然意識を失うケースもあります。 移動中の急変に対処するために救急車を呼ぶことをおすすめします。周囲にいる方は、救急車が到着するまでAEDを用意してそばについておきましょう。 胸の痛みなどの症状が数分から20分程度でおさまる場合は、不安定狭心症の可能性もあります。不安定狭心症は心筋梗塞の前段階にあたるため、症状が消えても治療が必要です。 とくに徐々に発作頻度が増えて持続時間が長くなっている場合は、心筋梗塞を発症するリスクが高いため医療機関を受診してください。 心筋梗塞のリスク因子 心筋梗塞において、以下のことがリスク因子になるとの報告があります。(文献2) 狭心症 高血圧 脂質異常症 糖尿病 喫煙 それぞれについて心筋梗塞との関係性を詳しく解説します。 狭心症 狭心症とは、動脈硬化や冠動脈のけいれんなどにより冠動脈(心臓の筋肉に酸素と栄養を送る血管)が狭くなり、心臓の筋肉への血流が不足する状態です。心臓の筋肉に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。発症すると、心筋梗塞と同様に突然締め付けられるような強い胸の痛みが現れます。 狭心症には以下のように種類があります。 狭心症の種類 特徴 安定狭心症 発作の出現の仕方が安定している狭心症 不安定狭心症 冠動脈が閉塞する危険性が高い狭心症 冠れん縮性狭心症 けいれんによって一時的に冠動脈が狭くなる狭心症 とくに不安定狭心症は、心筋梗塞の前段階にあたり早急に治療が必要です。 【関連記事】 狭心症の症状チェック|やってはいけない生活習慣を解説 高血圧 高血圧とは、正常値よりも血圧が高い状態のことです。血圧が高い状態が続くと、血管が厚く硬くなり動脈硬化が進行します。 動脈硬化は、大きな血管から小さな血管まであらゆる部位で起き、心臓の血管で進行すれば心筋梗塞や狭心症のリスクが高まります。高血圧は、後述する脂質異常症・糖尿病・喫煙によっても引き起こされます。 【関連記事】 【医師監修】高血圧とは|原因・症状・予防法・治療まで徹底解説 動脈硬化は改善できる?今日から始められる食事・運動・生活習慣の整え方を医師が解説 脂質異常症 脂質異常症とは、血液内に流れる脂質のバランスが崩れている状態です。血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が通常よりも多くなってしまうと、血管の内側に余分な脂が沈着してしまい、プラークという塊ができてしまいます。 プラークが増えると血管の弾力性が失われて動脈硬化が進行します。プラークは柔らかくもろいです。大きくなった不安定なプラークが壊れると、血栓ができてしまい、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクがあります。 【関連記事】 【医師監修】脂質異常症とは|症状・原因・改善方法を分かりやすく解説 糖尿病 糖尿病とは、血糖値を下げるインスリンの分泌量が減るまたは働きが悪くなり、高血糖(血液中の糖が多い状態)になる病気です。高血糖の状態が続くと、血管の内側を傷つけてしまい動脈硬化が進行してしまいます。 また、血糖値がやや高い糖尿病予備軍の方も、心筋梗塞を引き起こすリスクが高まる傾向です。糖尿病の方だけでなく、糖尿病予備軍の方も早期から血糖値を管理する必要があります。 糖尿病の治療において、再生医療も選択肢の一つです。糖尿病に対する再生医療について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。 【関連記事】 【医師監修】糖尿病とは|症状や原因・予防法までを詳しく解説 喫煙 喫煙は、たばこの種類に関わらず心筋梗塞の発症リスクを高めることがわかっています。加熱式タバコや電子タバコといった新型タバコにおいても、心臓の病気の発症リスクを高める可能性が指摘されています。 心筋梗塞の発症リスクを下げるためには、吸う量を減らすのではなくタバコをやめることが重要です。また、他人のタバコの煙を吸い込む受動喫煙も同様にリスクがあるため、家族や周囲の人も注意が必要です。 【関連記事】 喫煙は血圧にマイナスな影響を与える?高血圧の原因や対策について現役医師が解説 心筋梗塞の発症を予防する方法 心筋梗塞の発症を予防するには、以下の取り組みが重要です。 生活習慣病を治療する 禁煙をする 生活習慣を改善する それぞれについて詳しく解説します。 生活習慣病を治療する 心筋梗塞を予防するには、生活習慣病を早期に治療することが重要です。生活習慣病を放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞のリスクがさらに高まるためです。 以下に該当する方は、医療機関を受診して治療を始めましょう。 検査項目 診断基準の目安 生活習慣病 血圧 140/90mmHg以上 高血圧症 LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症 120~139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症 トリグリセライド(中性脂肪) 150mg/dL以上(空腹時) 175mg/dL以上(随時採血) 高トリグリセライド血症 Non-HDLコレステロール 170mg/dL以上 高non-HDLコレステロール血症 150~169mg/dL 境界域高non-HDLコレステロール血症 空腹時血糖 126mg/dL以上 糖尿病 HbA1c 6.5%以上 (文献3)(文献4) 禁煙をする 心筋梗塞の予防において禁煙は重要な取り組みです。心筋梗塞の再発リスクにおいては、禁煙すると43%減少するとの報告もあります。(文献3)なかなか禁煙できないのは、ニコチンへの依存が原因です。 一人で禁煙が難しい場合は、禁煙外来の選択肢もあります。禁煙外来では、プログラムにもとづいた禁煙指導やニコチンパッチの処方などの専門的なサポートを受けられます。禁煙に成功すれば健康面だけでなく、出費を削減できるのもメリットです。 生活習慣を改善する 生活習慣病の予防・治療において、生活習慣の改善は重要です。高血圧・糖尿病・脂質異常症の多くは、食生活の乱れや運動不足、肥満といった生活習慣が原因であるためです。 例えば、高血圧の予防・治療においては、以下のような生活習慣の改善が推奨されます。 塩分は1日6g未満にする(文献5) 野菜や果物を積極的に摂る 適正体重を維持する 散歩など有酸素運動を取り入れる 節酒・禁煙をする 食事において糖尿病では糖質、脂質異常症では脂質など、主に控えるべきものは病気によって異なります。生活習慣の改善方法がわからない場合は、医療機関に相談しましょう。 まとめ|強い胸の痛みや締め付け感などは心筋梗塞の代表的な前兆 心筋梗塞の代表的な前兆は、突然の強い胸の痛みです。締め付け感や圧迫感、胸が焼ける感覚といった表現で訴えられることが多いです。背中や肩、腕、みぞおち付近など、心臓から離れた場所に放散痛として痛みが現れることもあります。 他にも、冷や汗や吐き気、息苦しさといった症状が現れることがあります。放散痛や吐き気、息苦しさは女性に多く、男性では冷や汗を伴うことが多い傾向です。 心筋梗塞は発症からできるだけ早期の治療が重要とされています。疑わしい症状が現れている場合は、救急車を呼んで速やかに医療機関に向かいましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、糖尿病に対する再生医療のご相談を受け付けております。詳しくはお気軽にお問い合わせください。 心筋梗塞の前兆に関するよくある質問 病院に行くタイミングはいつですか? 締め付けられるような強い胸の痛みや放散痛などの疑わしい症状が現れた場合は受診をしましょう。心筋梗塞を発症したらできるだけ早く治療を受けることが重要です。 どんな痛みが現れますか? わかりやすい症状は突然の強い胸の痛みです。締め付け感や圧迫感、絞られる感覚、重苦しさ、胸焼けといった感覚が伴うことが多いです。 どんな人がなりやすいですか? 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある方はリスクが高い傾向です。健康診断などで指摘を受けている方は、早めに治療を始めましょう。喫煙も心筋梗塞の発症リスクを高めるため注意が必要です。 参考文献 (文献1) 知っておきたい循環器病あれこれ|循環器病研究振興財団 (文献2) 急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版)|日本循環器学会 (文献3) 心筋梗塞で命を落とさないために大切な7つのこと|日本冠疾患学会 (文献4) 脂質異常症|厚生労働省 (文献5) 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|日本高血圧学会
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腰痛が生じる場合、肝臓の不調が原因の可能性があります。肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、自覚症状が出ないまま進行しているケースがあります。重症化を防ぐためにも、早めの受診が重要です。 肝臓が原因の場合、一般的な腰痛とは異なる特徴があるため、違いを理解し自身の症状を見極める必要があります。 本記事では、肝臓と腰痛の関係性について解説します。痛む場所や特徴、見分け方もまとめているので、参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝臓の不調が原因の腰痛が疑われる症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝臓と腰痛の関係性 肝臓の不調が腰痛として現れるケースがあり、両者には関連があると考えられています。 ここでは、肝臓と腰痛が結びつく理由を詳しく解説します。 肝臓の不調と腰痛には関係性がある 肝臓の不調が腰痛として現れるケースがあるため、双方には関係性があるといわれています。肝臓は栄養素の代謝や解毒作用など、生命維持に欠かせない機能を持つ重要な臓器です。 肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれており、痛覚神経がほとんどありません。そのため、不調があっても自覚症状が出にくく、気づかないうちに進行する場合があります。 肝臓は右上腹部にあり、稀に神経を介して背中や腰に痛みが出る関連痛が起こる場合があると考えられています。関連痛とは痛みの原因とは別の部位に感じる痛みのことです。 すべての腰痛が肝臓と関係するとは限らない 関係性はありますが、腰痛の原因がすべて肝臓の不調とは限りません。腰痛が生じる原因の多くは、筋肉や姿勢、骨格の問題といわれています。 具体的な腰痛の原因は、以下の通りです。 デスクワークによる長時間の座り姿勢 腰に重いものを持ち上げるといった過度な負荷 運動不足による筋力の低下 反り腰や猫背などによる骨盤のゆがみ 腰痛の種類は、原因がはっきりしている特異的腰痛とはっきりしていない非特異的腰痛に分かれています。(文献1)そのため、必ずしも腰痛と肝臓が関係するわけではない点に注意が必要です。 肝臓が原因の腰痛を見分ける症状の特徴 肝臓が原因の腰痛には、特徴があります。 ここからは、肝臓が原因の腰痛に見られる症状の特徴を解説します。肝臓の不調が原因か見分けたい方は、参考にしてください。 痛む場所が右側の腰や背中で鈍痛が出る 肝臓が原因の場合、右側の腰や背中に鈍痛が生じる傾向といえます。肝臓は、体の右側に位置するためです。一般的な腰痛は腰全体や片側、中央部分など原因によってさまざまな箇所に痛みが生じます。 そのため、右側に違和感を覚えた場合は、肝臓が要因の可能性があります。また、痛みの性質も異なり、一般的な腰痛は動作によって痛みが強まりやすい点が特徴です。対して、肝臓が原因の腰痛は鈍い痛みや圧迫されているような症状が見られます。 ただし、右側の腰痛には、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの脊椎疾患の可能性もあるため、自己判断するのは避けましょう。 倦怠感や黄疸など腰痛以外にも症状が見られる 肝臓の不調が原因の場合、腰痛以外にも症状が見られます。主な症状は、以下の通りです。 倦怠感 疲労感 食欲不振 吐き気 黄疸 一般的な腰痛は、腰周辺にのみ痛みを伴います。しかし、肝臓が原因の腰痛は、腰痛とあわせてさまざまな全身症状が現れます。 黄疸は、肝臓の不調を表す代表的な症状の一つです。肝機能が低下する重いサインとなるため、症状が見られた際は、専門機関を受診しましょう。肝臓が原因の腰痛か見極める際は、複数の症状が見られるかチェックすることが大切です。 安静にしていても痛みが続く 肝臓が原因の腰痛は、安静にしていても痛みが続く傾向にあります。一般的な腰痛は、前屈みや体をねじる動作など、特定の姿勢や動作で痛みが悪化します。一方、肝臓が原因の場合は動作と関連なく痛みが続きます。 また、肝臓が原因の場合と一般的な腰痛の違いは、痛みが強まるタイミングです。肝臓が原因の場合は、夜間や安静にしていても、痛みを伴います。 対して、一般的な腰痛は起床時や長時間同じ体勢をとった場合に痛みが生じます。肝臓が原因の腰痛か判断する際は、動作や痛みを感じるタイミングにも注目しましょう。 腰痛が生じる肝臓の病気 肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、腰痛が生じる場合はなんらかの病気によって引き起こされている可能性があります。 腰痛が生じる肝臓の病気には、以下の4つが考えられます。 脂肪肝 肝炎 肝硬変 肝臓がん 各病気の概要や原因を解説するので、参考にしてください。 脂肪肝 脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が蓄積されている状態のことです。放置すると、肝炎や肝硬変、肝がんに進行するリスクがあります。 脂肪肝の主な原因は、以下の通りです。 アルコールの飲みすぎ 肥満 糖尿病 運動不足 脂肪肝が進行して肝臓が腫大すると、腰痛を伴う場合があります。ただし、腰痛が生じるのは稀です。脂肪肝は症状が出にくく、異変に気付いたときには深刻化している可能性があります。原因に心当たりがあり、腰痛が生じた場合は医療機関の受診を検討しましょう。 肝炎 肝炎はウイルス性やアルコール性などさまざまな種類がありますが、いずれも肝臓細胞の炎症が原因で細胞が破壊される病気です。自覚症状がない場合が多いため、気づかないうちに肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。 肝炎が発症する主な原因は、以下の通りです。 ウイルス感染 一部の薬剤の服用 アルコールの飲みすぎ 肥満 自己免疫疾患 肝炎の原因は、ウイルス感染が8割を占めています。(文献2)また、肝炎では腰痛以外にも、倦怠感や黄疸、むくみなどの症状が現れる場合があります。 肝硬変 肝硬変とは、肝臓が長期にわたってダメージを受けることによって、肝臓が硬くなり次第に小さくなって機能しなくなる病気です。主な原因は、以下の通りです。 肝炎 脂肪肝 アルコールの飲みすぎ 肝硬変は、肝炎や脂肪肝の進行で起こるため、予防が欠かせません。肝硬変は無症状のケースが多く、進行すると食欲低下や倦怠感などを引き起こし、悪化すると黄疸といった全身症状とともに腰痛が現れる場合があります。 進行するまで自覚症状が出にくいため、定期的な受診が大切です。 肝臓がん 肝臓がんは、肝臓にできるがんです。ほかの病気と同様に、自覚症状がほとんどなく、医療機関での検診などで異常が見つかるケースも少なくありません。 肝臓がんは、肝炎ウイルスが長期間体内に留まることで発症すると考えられています。肝炎ウイルスから肝硬変に進行し、肝がんになるケースが多い傾向といえます。 また、アルコールの飲みすぎや肥満などの生活習慣病も肝臓がんの原因の一つです。症状が進行すると、腰痛のほか腹部にしこりや痛み、圧迫感などの症状が現れる場合があります。 肝臓の不調と腰痛が関係している場合の受診目安 肝臓の不調が関係している場合、一般的な腰痛とは異なる痛みや症状が現れます。腰痛とあわせて以下の症状が見られる場合は、肝臓の不調の原因が考えられるため、医療機関を受診しましょう。 右側の腰や背中に鈍い痛みが続く 腰痛とあわせて全身の倦怠感・吐き気が続く 皮膚や目の白い部分が黄色く、黄疸の症状が見られる 尿の色が濃くなったり、便の色が白っぽくなったりと変化が見られる 安静にしていても強い痛みを引き起こす とくに、日常生活に支障をきたすほどの症状が見られる場合は、医療機関に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝臓の不調が原因の腰痛が疑われる症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝臓の不調が腰痛に関係している場合の対処法 肝臓の不調が原因となる腰痛では、生活習慣を見直すことが大切です。肝臓は病気が隠れていても無症状の場合が多く、進行しないと気づかない場合があります。 肝臓の負担を軽減することが予防策になるため、次のように健康的な生活習慣を意識しましょう。 バランスの良い食生活を心がける 飲酒量を調整する 適度に運動する アルコールを飲む際は、水分を一緒にとり、アルコールの分解を促進するなどの対策も効果的です。肝臓を労わることで腰痛が軽減できる場合があるため、健康的な生活を心がけましょう。 肝臓と腰痛の関係性を理解し受診すべきか見極めよう 肝臓の不調と腰痛には関係性があるといわれており、何かしらの病気が潜んでいる可能性も考えられます。肝臓の病気は無症状で進行しなければ気づけないため、腰痛とあわせて倦怠感や黄疸などの症状が現れます。 一般的な腰痛と異なる症状が見られた場合は、専門機関を受診しましょう。肝臓と腰痛の関係性を理解し、医療機関を受診すべきか見極めることが大切です。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝臓の不調が原因の腰痛が疑われる症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝臓と腰痛に関するよくある質問 肝臓の不調による腰痛におすすめの運動は? 肝臓の不調による腰痛の緩和には、軽い運動がおすすめです。なかでもストレッチは肝臓周辺の筋肉の緊張を和らげ、血流を促進するのに効果的です。 腰痛緩和には、次のストレッチが挙げられます。 ストレッチ 概要 上体反らしストレッチ 足を肩幅より少し広めに開いて立ち、上体を反らす 両膝抱え込みストレッチ 両手で膝を抱え、ゆっくりと胸の方へ引き寄せる 仰向けひねりストレッチ 仰向けに寝て、両腕を肩の高さで真横に広げ、片側へゆっくり倒す ストレッチをする際は、無理のない範囲で行いましょう。 肝臓の不調による腰痛で検査したい場合は何科を受診すべき? 肝臓の不調による腰痛が現れている場合は、内科もしくは消化器内科を受診しましょう。どのような病気が原因か調べるためには、精密検査を受ける必要があります。 肝臓は無症状なケースがほとんどのため、異常が見られた場合は速やかに医療機関を受診し、早期に対応することが大切です。 肝臓の検査ではどんな検査をするの? 肝臓の検査では、血液検査や画像検査、ウイルス検査などを組み合わせて行うのが一般的です。 検査 概要 血液検査 AST(GOT)やALT(GPT)などの数値から、肝機能の状態や炎症の有無を確認する 超音波検査 超音波を当てて肝臓の状態を画像で確認し、脂肪肝や腫れ、腫瘍の有無を調べる ウイルス検査 B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスへの感染の有無を調べる 検査結果をもとに、必要に応じてCTやMRIなどの精密検査が追加される場合もあります。症状や既往歴に応じて内容は異なるため、医師の判断に基づいて適切な検査が行われます。 参考文献 (文献1) 理学療法ハンドブック|日本理学療法士協会 (文献2) Q&A|知って、肝炎|厚生労働省肝炎対策国民運動事業
2026.04.30 -
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マッサージしたり、湿布を貼ったりしてもなかなか良くならない長引く腰痛にお悩みではありませんか? 腰痛といえば、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなどを連想しがちですが、内臓の不調が原因で起こる腰痛も存在します。内臓疾患が原因の場合、放置すると重篤な状態につながる危険性があるため、早期に原因を特定することが重要です。 本記事では、内臓からくる腰痛の特徴や、原因となる主な疾患について解説します。 一般的な腰痛との見分け方や、症状別に何科を受診すべきかの判断基準も紹介するので、長引く腰の痛みに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。つらい腰の痛みでお悩みの方は、ぜひ公式LINEにご登録ください。 内臓からくる腰痛(内臓腰痛)とは 内臓からくる腰痛には、大きく分けて「内臓疲労」と「内臓疾患」の2つのケースがあります。 内臓疲労 内臓疾患 主な要因 暴飲暴食 睡眠不足 など 胃潰瘍 尿管結石 膵炎 など 腰痛が起こる仕組み 疲労した内臓が硬くなり、周囲の筋肉や骨を圧迫する 炎症や腫瘍が神経を刺激したり、痛みが背中や腰に響いたりする 内臓の疲労と疾患では対処法が異なるため、自分の腰痛がどのような原因からきているのか正しく見極めることが重要です。 内臓からくる腰痛の5つの特徴 内臓疾患が疑われる腰痛には、一般的な腰痛とは異なるサインがあります。病気の進行を防ぐためには、内臓からくる腰痛の特徴を見逃さず、早期に医療機関を受診することが大切です。 ここでは、内臓疾患が原因の腰痛にみられる5つの代表的な特徴について解説します。 1.姿勢や体勢を変えても痛みが変わらない 姿勢や体勢を変えても痛みの程度が変わらず、安静にしていても痛みが持続する場合は、内臓疾患が原因である可能性が疑われます。 筋肉や骨格の問題からくる腰痛は、一般的に特定の動作や姿勢によって痛みが変化します。そのため、痛みが和らぐ、あるいは悪化する条件がはっきりしないケースは、内臓疾患を疑う指標になります。 内臓からくる腰痛は、活動の有無や姿勢に関係なく常に痛む点が特徴です。安静にしていても痛みが変わらない場合や、どの体勢をとっても楽にならない場合は、内臓疾患が隠れている可能性を疑い、早めに医療機関を受診する必要があります。 2.痛みが徐々に増していく 数カ月かけて徐々に増していく痛みも、内臓からくる腰痛の特徴です。がんをはじめとする悪性腫瘍などの進行性疾患が隠れている場合、病状の進行に伴って痛みが増していくからです。 筋肉疲労やぎっくり腰などは、適切なケアや時間の経過とともに、少しずつ痛みは和らいでいきます。一方で、内臓からくる腰痛の場合は、マッサージを続けたり湿布を貼ったりしても改善せず、次第に痛みが強くなっていく傾向があります。 セルフケアしても痛みが悪化していく場合は、症状を軽視せず医療機関で詳しい検査を受けましょう。 3.体重減少を伴う 腰痛に加えて、原因不明の体重減少が見られる場合も内臓疾患を疑う必要があります。特別な理由がない体重減少は、体内で深刻な問題が起きているサインであり、重篤な疾患が隠れている際によく見られる兆候の一つです。 具体的には、以下のような体重減少を伴う場合に注意しましょう。 ダイエットしているわけではないのに体重が減った 食事量や運動量を変えたわけではないのに体重が減った 半年間で体重が5%以上減ってしまった 体重減少を伴う腰痛は、膵臓がんや胃がんなどの悪性腫瘍が隠れている可能性があるため、早めの受診が必要です。 4.発熱や吐き気などの全身症状がある 腰や背中の痛みのほかに、発熱や吐き気などの全身症状を伴う場合も、内臓疾患が疑われます。一般的に、筋肉や骨が原因の腰痛では、高熱や吐き気、血尿といった全身症状を伴いません。 たとえば、急性腎盂腎炎の場合、腰の痛みとともに、38度以上の高熱や悪寒、吐き気を伴うことがあります。また、尿管結石の場合には、強烈な痛みに伴って吐き気や嘔吐、血尿が出る場合があります。 腰痛とともに発熱や吐き気などの全身症状が現れた場合は、内臓の異常を疑うようにしてください。 5.食事・飲酒・月経周期などと連動して痛む 腰痛が起こるタイミングに規則性がある場合は、特定の臓器の不調が考えられます。内臓は食事や生理的な周期の影響を受けやすく、特定の臓器に負担がかかるタイミングで痛みが誘発される場合があります。 腰痛と連動する行動や周期の例は、以下のとおりです。 食事: 脂っこい食事をとったあとに痛む 飲酒:アルコールを飲んだ数時間後に痛む 月経周期: 月経周期に合わせて腰痛が強くなったり下腹部痛や不正出血を伴ったりする 特定の行動や周期と連動する痛みは、腰痛の原因となっている臓器を突き止めるための手がかりになります。 【疾患別】腰痛を引き起こす主な内臓の病気 腰痛を引き起こす内臓疾患は多岐にわたり、主に「消化器系」「泌尿器系」「婦人科系」「循環器系」の4つに分類されます。 ここでは、4つの系統ごとに腰痛の原因となる代表的な病名と症状について紹介します。ご自身の痛みの特徴や随伴する症状と照らし合わせ、適切な受診科を判断する参考にしてください。 消化器系の病気 みぞおちや腹部から背中や腰にかけて響くように痛む場合は、消化器系の病気が疑われます。胃や膵臓などは体の奥深くに位置しており、炎症や腫瘍ができると、腹部だけでなく後ろ側の背中や腰にまで痛みが響きます。 腰痛の原因となる代表的な消化器系の病気は、以下のとおりです。 胃・十二指腸潰瘍 胆石症 膵炎(急性・慢性) 膵臓がん とくに膵臓の病気では、背中の中央から左側にかけて重く鈍い痛みが現れやすい特徴があります。この場合、仰向けに寝ると痛みが強まり、前かがみに丸まると楽になる傾向があります。 食事と連動する痛みや、前かがみで楽になる腰背部の痛みがある場合は、消化器系の病気を疑いましょう。 泌尿器系の病気 背中や脇腹から腰にかけて痛みがあり、排尿のトラブルや発熱を伴う場合は、泌尿器系の病気が疑われます。腎臓や尿管などの泌尿器に結石が詰まったり、細菌感染が起こったりすることで、神経が刺激されて痛みが生じる場合があります。 腰痛の原因となる代表的な泌尿器系の病気は、以下のとおりです。 尿管結石 急性腎盂腎炎 水腎症 尿管結石は、突然激痛が走り、血尿や吐き気を伴うことが多いのが特徴です。一方で、急性腎盂腎炎では、腰に鈍い痛みが生じるとともに、悪寒や38度以上の高熱を伴うことが多く、排尿時痛などの膀胱炎症状が先行する場合もあります。 突然の激しい痛みや血尿、高熱を伴う腰痛の場合は、泌尿器系の病気を疑いましょう。 婦人科系の病気 女性で、月経周期に連動して腰痛が強くなる場合は、婦人科系の病気が原因となっている可能性があります。骨盤内にある子宮や卵巣の腫瘍によって神経が圧迫されたり、月経のたびに炎症が起きて神経を刺激したりして腰痛が生じるためです。 腰痛を伴う婦人科系の病気には、以下のものがあります。 子宮内膜症 子宮筋腫 卵巣腫瘍 特徴として、月経周期に連動して痛みが強くなるほか、激しい月経痛や下腹部痛を伴ったり、不正出血が見られたりする点が挙げられます。鎮痛薬が効かないほどの慢性的な腰痛がある場合や、月経に連動して痛む場合は、婦人科疾患を疑ってみてください。 循環器系の病気 突発的な胸の痛みや、背中から腰にかけて激しい痛みが起きた場合には、循環器系の病気が疑われます。大動脈などの太い血管が裂けたり、心臓の血管が詰まったりして強烈な痛みが周囲に放散されたことによる症状である可能性が高く、緊急を要する場合があります。 腰痛を引き起こす代表的な循環器系の病気は、以下のとおりです。 急性大動脈解離 腹部大動脈瘤 心筋梗塞 循環器系の病気は初期症状がほとんどなく、進行してから急激に症状が現れる特徴があります。突発的な激痛がある場合は、一刻も早い救急要請や受診が必要です。 内臓からくる腰痛と一般的な痛みの見分け方 長引く腰痛が、内臓疾患によるものか、それとも整形外科的な問題によるものかを見分けるためには、痛みの現れ方を観察しましょう。一般的な腰痛と内臓からくる腰痛の痛みの現れ方の違いは、下表のとおりです。 痛みの種類 痛みの現れ方や特徴 一般的な腰痛(筋肉・骨格などが原因) 「前かがみになったときに痛む」「特定の姿勢をとると痛みが走る」など、特定の動きで悪化する 「横になって安静にしていると楽になる」など、軽快する条件がはっきりしている 内臓からくる腰痛(内臓疾患などが原因) 痛みの増悪・軽快がはっきりしない 姿勢や動作に関係なく、安静にして横になっていても痛みが持続する 特定の動作に関係なく、安静にして横になっていても腰の痛みが持続する場合は、内臓疾患が疑われます。痛みの条件が当てはまらない場合は、整形外科的な問題ではない可能性を考慮し、注意深く観察しましょう。 内臓からくる腰痛の症状がある場合に受診すべき診療科 内臓からくる腰痛が疑われる場合は、症状に合わせて適切な診療科を選ぶ必要があります。以下で、初動の判断基準について解説するので、ぜひ参考にしてください。 まずは整形外科で画像検査する 発熱や血尿といった明らかな内臓の症状がなく、何科を受診すべきか迷った場合は、まず整形外科を受診するのが基本です。腰痛の多くは筋肉や骨、関節、神経といった運動器に原因があるからです。 整形外科では、レントゲンやMRIなどの画像検査を行い、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった運動器の異常がないかを診断できます。画像検査によって運動器に異常がない場合には、他科を紹介してもらう流れが一般的です。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。どの診療科を受診すればよいか迷っている方は、ぜひ公式LINEから気軽にご相談ください。 症状に応じて内科・婦人科・泌尿器科の受診を検討する 内臓疾患特有の危険なサインが現れている場合は、症状に応じて各専門科を受診しましょう。 内科:安静時の痛みや発熱、体重減少などがある場合 泌尿器科:血尿や排尿痛などがある場合 婦人科:月経周期との連動や不正出血、下腹部痛がある場合 症状に合わせて適切な診療科を選ぶことが、迅速な診断と早期の治療につながります。 長引く腰痛や内臓疾患が疑われる場合は早めに医療機関を受診しよう 腰痛は誰にでも起こり得るよくある症状ですが、「セルフケアで改善するだろう」「そのうち治るだろう」と自己判断で放置すると、深刻な病気が進行してしまうおそれがあります。 とくに、安静時も痛む場合や、発熱や体重減少を伴う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。早期受診により、適切な治療を受けられるだけでなく、「大きな病気かもしれない」という不安から解放されるメリットもあります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。長引く腰痛や気になる症状がある方は、ぜひ公式LINEにご登録ください。
2026.04.30







