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乳がんの手術後の痛みはいつまで?すぐに受診すべき痛みについても解説

乳がん術 後痛み
公開日: 2024.08.28 更新日: 2026.01.31

「乳がんの手術後の痛みはいつまで続くの?」
「受診すべき痛みやその他の注意すべき症状はある?」

手術の傷の痛みに関しては、数日から数週間で落ち着きます。しかし、手術により静脈や神経を損傷していた場合は、数カ月以上にわたり痛みが長引くこともあります。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みや、手術側だけの腫れを伴う痛みは、感染症やリンパ浮腫のおそれがあるため注意が必要です。

本記事で、乳がんの手術後の痛みをはじめとして、以下を解説します。

  • 放射線治療による痛み
  • 受診すべき痛み
  • 痛みを引き起こす合併症
  • 痛みを軽減する方法

再発・転移が疑われる症状に関しても解説しています。乳がんの手術後の痛みに関して詳しく知りたい方は参考にしてください。

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乳がんの手術後の痛み【経過別】

乳がんの手術後の痛みは、以下のような経過をたどります。

経過 痛みの主な原因
手術直後から3日 切開による痛み
手術後3〜20日 感覚の回復による痛み

それぞれについて詳しく解説します。

手術直後から3日|切開による痛み

手術直後は、手術時に切開した傷の痛みが目立ちます。傷の痛みのピークは3日程度です。文献1)感覚が鈍くなっていることもあり、3日を過ぎると少し治まります。痛みの他にも赤みや腫れ、熱感などの症状が現れます。

手術後3〜20日|感覚の回復による痛み

手術後3〜20日は、傷の修復が進み突っ張り感が現れます。2〜3週間経過すると、感覚が戻ってくるため痛みも少し現れてきます。文献1

この時期に、摩擦や伸展による刺激、テープを剥がすときの刺激などを傷に与えてしまうと、傷がきれいに治らないおそれがあるため注意が必要です。また、紫外線は避けてください。

刺激を与え続けてしまうと、傷跡の組織が過剰に増殖して、外に盛り上がってしまうケロイドと呼ばれる状態になるおそれがあります。ケロイドになってしまうと痛みやかゆみが増強します。ケロイドを予防するためにも、傷のケアは医師や看護師の指示に従って丁寧に行ってください。

乳がんの手術後の放射線治療による痛み

乳がんの手術後は、残っている可能性のある微細ながん細胞を消滅させるために放射線治療を行います。通常、照射中に痛みは現れません。

首の付け根辺りに照射する場合は、食道の一部に放射線が当たるため、飲み込む際に一時的な痛みが現れることがあります。乳房温存手術後の照射は、乳房の痛みや軽度の腫れなどの副作用が現れることがあります。

乳がんの手術後の受診すべき痛み|感染症や再発・転移

乳がんの手術後に注意すべきは、感染症やリンパ浮腫、再発・転移です。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みがある場合は感染症を疑ってください。

手術側だけ腫れて痛みが伴う場合は、リンパ浮腫のおそれがあります。再発・転移が疑われる痛みは、腰痛や関節痛、骨の痛みなどです。

再発・転移は、痛みだけで判断するのは難しいため、以下のような項目を確認してください。

  • 乳房の一部に盛り上がりがないか
  • 乳房に赤みや腫れ、へこみ、ひきつれはないか
  • 乳頭に陥没やただれはないか
  • 乳頭から透明、茶色、赤色の分泌物は出ていないか

疑われる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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再発予防のための再生医療

がんの再発予防の治療方法の一つとして再生医療があります。再生医療とは、自己の細胞を特定の部位に投与して、体が持つ自然治癒力を引き出す治療方法です。

がん予防または再発予防を目的とした高活性NK細胞免疫療法という治療方法があります。NK細胞(ナチュラルキラー)とは、体内に潜む細菌やウイルス、がん細胞を発見して攻撃する白血球の一種です。

高活性NK細胞免疫療法では、培養をして数を増やしたNK細胞を投与することで、免疫力を高めることができます。

がん予防に関する再生医療について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。

手術しなくても治療できる時代です。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。

乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症

乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症として、以下が挙げられます。

  • 乳房切除後疼痛症候群
  • Mondor病(モンドール)
  • リンパ浮腫

それぞれの合併症について詳しく解説します。

乳房切除後疼痛症候群

乳房切除後疼痛症候群とは、手術による神経損傷が原因で長期間痛みが続く合併症です。乳房や脇、上腕の内側にピリピリチクチクとした痛みやしびれが、数カ月から数年にわたり続く場合があります。

乳房切除後疼痛症候群は以下の割合で出現しており、まれな合併症ではありません。

  • 国内報告:術後2年以内で30%
  • 海外報告:術後6カ月で52%、術後9年でも48%(文献2

なお、上記の出現割合は、脇の下にあるリンパ節とその周囲の脂肪組織を切除する腋窩郭清(えきかかくせい)を実施した場合です。日常生活を妨げるほどの痛みが現れる場合は、痛み止めの薬で対応するのが一般的です。

Mondor病

Mondor病とは、静脈に炎症と閉塞が起きる合併症です。乳がんの手術が原因で発生することがあります。主な症状は、脇の下から上腕の内側にかけて現れる、線状のつっぱり感や痛みです。通常は1〜3カ月ほどで改善する良性の合併症です。

術後1年ほど続くこともありますが、乳がんの再発とは関係ありません。Mondor病が現れている時期の上肢のリハビリは、医師と相談しながら無理のない程度に続けてください。

リンパ浮腫

リンパ浮腫とは、リンパ液が過剰に溜まった状態のことです。乳がんの手術で、リンパ節を切除したことにより起きる場合があります。脇の下に放射線治療を行うと、リンパの流れが悪くなってリンパ浮腫が起きることもあります。

リンパ浮腫の主な特徴は以下のとおりです。

  • 手術側の腕や脇の下がむくむ
  • 炎症が起きやすい
  • 痛みが現れないことが多い
  • 皮膚の変色はない

悪化すると治りにくい特徴があります。「上腕に左右差がある」「腕がだるい、重たい、腫れている」などの症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。

乳がんの手術後の痛みを軽減する方法

乳がんの手術後の痛みを軽減する主な方法は以下のとおりです。

  • 痛み止めを服用する
  • 圧迫しない衣類を選ぶ

それぞれについて詳しく解説します。

痛み止めを服用する

乳がんの手術後の痛みをできるだけ和らげることは重要です。最初に痛みを我慢すると、後々まで痛みが残ってしまうことがあるためです。

手術後に使用する痛み止めには、以下のような種類があります。

痛み止めの種類 特徴
非ステロイド性抗炎症薬 体内の炎症や痛みに関わる物質の合成を阻害して痛みを鎮める
アセトアミノフェン製剤 脳の中枢神経に作用して痛みを鎮める

副作用の観点から痛み止めの服用に抵抗がある方もいます。しかし、術後の痛み止めの服用は一時的なものです。短期間の痛み止めの服用で副作用が現れることは少ないです。

圧迫しない衣類を選ぶ

乳がんの手術後に締め付けの強い衣類を着ると、痛みやむくみの原因になります。

とくに下着は以下を参考にして選択してください。

  • 圧迫されないゆったりサイズ
  • 肌にやさしく伸縮性のある素材
  • ワイヤーの入っていないタイプ
  • 着脱や留め外しがしやすいもの
  • 肩ひもが食い込みにくい幅広いもの
  • パッドの取り外しが可能なもの

乳がん用の補整下着も販売されています。ワイヤー入りの下着の着用は、医師に確認してからにしましょう。

まとめ|乳がんの手術後の痛みが急激に悪化した場合は医療機関に受診しよう

乳がんの手術直後の痛みは、通常は数週間で落ち着きます。慢性の痛みは、乳房切除後疼痛症候群やMondor病などにより起きることがありますが、出現の有無や痛みの持続期間には個人差があります。

注意すべき症状は「傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛み」「手術側だけの腫れを伴う痛み」「急激な痛みの悪化」などです。これらは、感染症やリンパ浮腫などなんらかの合併症が起きている疑いがあります。

腰痛や関節痛、骨の痛みなどに加えて、乳房にへこみやひきつれなどが現れている場合に関しては、再発・転移のおそれがあります。気になる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。

当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的とした免疫細胞療法を行っております。詳しくは以下をご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。

乳がんの手術後の痛みに関するよくある質問

一般的にいつまで痛みは続く?

手術後の急性期の痛みは数週間で改善します。一方、慢性の痛みについては、出現の有無や痛みの持続期間に個人差があります。

術後1〜2年続く痛みの原因は?

神経損傷による乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。まずは痛みの原因を調べるために医療機関を受診してください。

チクチクする痛みは問題ない?

チクチクする痛みは、神経の損傷が原因で起こる乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。再発に関連のない痛みですが、適切な対応をするために医療機関を受診しましょう。

参考文献

(文献1)
乳癌手術後の傷のケアについて|総合南東北病院

(文献2)
ペインクリニックにおける加療により乳房切除後疼痛症候群の症状が改善した2症例|日本ペインクリニック学会誌