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種子骨炎はどのくらいで治る?回復期間や注意点を解説

「歩くと足の親指の付け根が痛む」
「足の親指が痛くて反らせない」
こうした症状は、種子骨炎のサインかもしれません。
種子骨炎は、地面を踏み込む際などに負荷がかかりやすい足の親指の付け根「種子骨」が炎症を起こしてしまう病気です。
この記事では、種子骨炎が治るまでの期間について治療法や再発予防対策とあわせて解説します。
症状に不安がある方や治療をいつまで続ければ良いのか不安を抱えている方は、ぜひ記事を最後までご覧ください。
目次
種子骨炎はどのくらいで治る?4週間から6週間ほどが目安
種子骨炎は症状の重さにもよりますが、ほとんどの場合約4週間〜6週間ほどで治ります。
種子骨炎は軽度〜中程度であれば、歩くと痛みが出る、赤く腫れる程度です。
手術などは行わず、テーピングやサポーター、痛み止めなどの保存療法で改善する場合がほとんどです。
しかし、重度になると変形や骨壊死といった症状も現れ、手術を伴うケースも多いため、完治まで数カ月かかる場合もあります。
種子骨炎とは?
種子骨炎とは、足の親指の付け根部分にある「種子骨」に炎症が起きる病気です。
ダンスやランニング、長時間の歩行など踏み込む動作を繰り返すことで、足の裏に継続的な負荷がかかることで炎症が生じます。足のアーチが高い人やハイヒールをよく履く人も種子骨周辺に負荷がかかりやすいため、種子骨炎を起こしやすいです。
放置して負荷をかけ続けているうちは自然に治る可能性は低く、根本的な原因を解決する必要があります。
種子骨炎の主な症状
種子骨炎の主な症状は足の親指付け根部分の強い痛みです。
運動中(とくにジャンプの着地時)、歩行中、そのほか靴底の薄い靴やヒールの高い靴を履いた際などにも患部に強く痛みを感じます。患部を押したり、手で親指部分を反らすと強く痛む場合も種子骨炎の可能性が高いです。
まれに患部が熱を持ち、種子骨周辺や親指が赤く腫れてしまうこともあります。
痛みを放置していると疲労骨折や骨壊死に至る可能性もあります。痛みを感じた際は早めに医療機関を受診してください。
種子骨炎になりやすい人の特徴
種子骨炎にかかりやすい人の特徴は以下の通りです。
- スポーツ、ダンスなどで長時間足に負担をかけている。
- 外反母趾や凹足(足のアーチが異常に高い状態)など足の形に問題がある。
- ハイヒール、靴底が柔らかくて薄い靴をよく履く。
また、年齢としては小学生〜中学生に多く見られます。大学生以上になると減少する傾向がありますが、大人になっても日常生活の中で発症してしまうことはあるため注意が必要です。
種子骨炎の治療法
種子骨炎の主な治療法は患部を安静にし治療を進める「保存療法」です。必要に応じてアイシングや痛み止め薬を服用します。
ほとんどの人が保存療法によって症状が改善されますが、数カ月症状の改善が見られない場合は手術療法も検討されます。
それぞれの治療法について以下で紹介します。
保存療法
種子骨炎を治すには、安静が重要です。
- 運動や長時間の歩行は避ける。
- 重い荷物は持たない。
上記は治療中に必ず守るべき点です。
そのほか、痛み止め薬の服用、アイシングなどによって炎症を抑えます。
また、テーピングも大切です。母趾の反りを抑えることを目的としたテーピングを施します。
テーピングは誤った方法で行うと逆効果になる可能性もあるため、医師の指導のもと行いましょう。
テーピングのほかにもインソールや、足裏用のサポーターの使用も有効です。痛みがひどい場合、ステロイド注射を打つ場合もあります。
手術療法
保存療法を継続しても症状が改善されない場合、手術療法も検討されます。
手術では、種子骨の全摘出、もしくは部分摘出をします。
しかし、種子骨を取り除くと足のバランスが崩れ、足の変形や可動性の低下が見られる可能性があります。医師と十分な相談をした上で判断しましょう。
種子骨炎の再発予防策
種子骨炎は再発しやすい病気のため、予防のためには足に負担をかけている根本的な原因を取り除くことが重要です。日常生活での工夫により、種子骨炎の再発リスクを下げられます。
具体的な予防方法について以下で解説します。
靴を見直す
種子骨は、スポーツや歩く際にとくに負荷を受けます。
体重がかかるだけでなく、踏み込む動作で地面に力を伝える際にも大きな負担がかかっています。
ハイヒールや靴底が薄い靴を履くことが多い人は、靴を見直す必要があります。 以下を参考に、ご自身に合った靴を選びましょう。
【避けるべき靴】
- ハイヒール:仕事で必要な場合は低く太めのヒールを選び、着用時間を短くする
- 靴底が薄い靴:クッション性が高い靴底の靴に変更する
- サイズが合わない靴:足先の締め付けがきつい靴や靴の中で足が動く靴
【おすすめの対策】
- 足のサイズにぴったり合った靴を選ぶ
- 自分の足に合わせたインソール(中敷き)を作成する
- 保護パッド付きインソールを使用する
- 種子骨炎専用のインソールを検討する
ハイヒールや靴底が薄い靴を頻繁に履く人は、定期的に靴を見直しましょう。種子骨炎の人向けのインソールなどもあるため、気になる方はぜひ調べてみてください。
足のストレッチ
種子骨炎を防ぐためには、足先の負担を軽減することが重要です。
そのため、ふくらはぎのストレッチを行いましょう。
ふくらはぎが柔らかくなると、足首の可動域が上がり、足先への負担を減らせます。
【立って行うストレッチ】
- 壁に手をついて片足を大きく後ろに引く
- 後ろ足のかかとを床につけたまま膝を伸ばす
- 前足は軽く膝を曲げ、体重を前にかけて後ろ足のふくらはぎを伸ばす
- 足を入れ替えて反対の足のふくらはぎも伸ばす
【寝転がって行うストレッチ】
- 床に仰向けに寝転がる
- 両足を上げて足首をバタバタと上下に動かす
【座って行う場合】
- 足を組み、ふくらはぎを揉む
- とくに固くなりやすい下部分、ふくらはぎの膨らみ終わりからかかとにかけてを重点的に揉む
まとめ|種子骨炎は4〜6週間の治療期間が必要!
種子骨炎は約4〜6週間で症状が改善されます。
テーピングや痛み止め薬を活用しながら安静にしていれば、ほとんどの人は良くなりますが、もし効果がない場合は注意が必要です。
炎症を放置していると、骨が壊死、あるいは変形を起こしてしまうことがあります。
その場合手術によって骨を摘出しなければならず、症状の改善に数カ月かかることもあります。
また、種子骨炎は再発も多いため、普段の生活の中で予防策を立てることが重要です。
靴底が薄い靴は種子骨への負担を高めるため、クッション性の高い靴やインソールを活用しましょう。足のストレッチも効果的です。足関節の可動域を広げることがケガ予防につながります。
適切な治療と予防対策を継続することで、種子骨炎の再発を防ぎ、快適な日常生活を送りましょう。
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種子骨炎に関してよくある質問
種子骨炎とはどんな病気ですか?
種子骨炎とは、足の親指の付け根にある「種子骨」が炎症を起こしてしまう病気です。
歩行時やスポーツをした際、足の親指の付け根に強い痛みが起こります。
走ることの多いスポーツ、ダンスをしている人や、足のアーチが高く足の付け根部分に継続的に負荷がかかりやすい人がよくなってしまいます。
種子骨炎はどれくらいで治りますか?
種子骨炎は適切な治療を進めていれば、ほとんどの人が4週間〜6週間で症状が改善します。
種子骨の変形や骨壊死などによって手術が必要な場合、治療期間が数カ月に及ぶ可能性もあります。
種子骨炎になってしまった場合気を付けるべきことはありますか?
種子骨炎になった場合、まずは安静が重要です。運動や長時間歩くことは避け、重い荷物もなるべく持たないようにしましょう。
テーピングや装具のサポートも有効です。テーピングは母趾が反らないよう制限する目的で行います。
親指の根元、土踏まずをつなぐような形でテーピングしますが、自己流で行うとやり方を誤ってしまい足に余計に負担をかけてしまう可能性があります。
テーピングをする場合、医師の指導のもと実施してください。
種子骨炎は再発しやすいため予防が大事です。靴が原因の場合は自分の足に合った靴に見直すことで再発予防になります。また、足周りのストレッチをすることで可動域が上がり、ケガをしづらくなります。