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捻挫、歩けるけど痛い!そんなときの対処法

捻挫、歩けるけど痛い!そんなときの対処法

捻挫はよくある怪我ですが、多少痛みがあっても、歩ける場合が少なくありません。そこで、捻挫したあと、歩けるけど痛い場合の対処法についてご紹介してまいります。また、捻挫の原因や症状、治療法についても解説します。

以下のような疑問のある方はいませんか?本記事を参考にしながら対処の仕方を学びましょう!

  • 「足をくじいたあと、歩いて痛みがある場合どうすればいい?」
  • 「捻挫した後の対処法が知りたい」
  • 「足をひねったあと、痛みがあって気になる」

捻挫

捻挫で歩けるけど痛いときの対処法

捻挫で損傷がひどくないときは、痛みがあっても歩ける場合が多いです。しかし、何もせずに放っておくと、炎症が強まって痛みや腫れの症状が悪化したり、捻挫の再発につながったりします。

そのため、捻挫で歩ける場合でも、正しい対処法の実施が大切です。

怪我をしてすぐの対処法としては、「RICE処置」をしましょう。RICE処置により、捻挫の直後に生じる炎症を抑えて、痛みや腫れ、出血の軽減を図ります。

  • RICE処置は以下の4つの方法を言います。
  • ・Rest:安静
  • ・Icing:冷却
  • ・Compression:圧迫
  • ・Elevation:挙上

RICE処置

まずは足首に体重がかからないように座ったり、横になったりして安静にします。その後、アイスパックなどで冷やして、包帯やテーピングで圧迫します。

可能であれば台などで心臓より足が高い位置にくるようにして、足首の出血でたまった血液を心臓に戻すようにしましょう。

また、歩けても痛いときは、足の関節が動いて、損傷した靱帯に負担がかかっている可能性があります。

テーピングで足首を固定しておくと、足首が動かず損傷部位のストレスを軽減させるとともに、捻挫の再発予防につながります。テーピングの代わりに、捻挫用の足関節サポーターを使用しても良いでしょう。

ただし、靱帯の損傷の程度やその後の治療に関しては、専門家による診断を受ける必要があります。痛くても歩けるからといって放置せずに、お近くの整形外科を受診しましょう。

  • 捻挫した時の対処法

  • ・足首に体重を掛けない
  • ・座ったり、横になって安静にする
  • ・台などで心臓より足が高くなるようにする
  • ・アイスパックなどで冷やす
  • ・包帯やテーピングで圧迫する
  • ・症状を自己判断せず医療機関を受診する

捻挫の治療

捻挫の治療は、手術をしない保存療法が中心に行われます。重症で関節が著しく不安定になった場合や、スポーツ選手で活動性の高い場合は、靱帯を修復する手術が必要になる場合があります。

保存療法は「損傷の重症度や経過に応じた固定」と「再発防止の運動療法」です。

それぞれ、具体的な方法を解説します。

損傷の重症度や経過に応じた固定

RICE処置などの初期治療後には、重症度に応じて固定を行い、靱帯の修復を図るのが大切です。

固定には次のような方法があります。

  • 初期治療
  • ・損傷が軽度の場合:装具やテーピングによる固定
  • ・損傷が重度または複数の靱帯が損傷している場合:ギプスによる固定

軽度の場合は、1週間程度ギプスや装具による固定をしたあと、3週間程度のテーピング固定をします。

重症の場合は、3〜6週間のギプス固定が必要です。

再発防止の運動療法

捻挫が回復したら、うちに捻るのを予防するために、足首を外にひねる作用のある腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えましょう。

チューブを使ったトレーニングは負荷を簡単にかけられるため、オススメの方法です。

具体的な方法は以下の通りです。

  • 再発防止トレーニング
  • 1.両足をくっつけてチューブで縛る
  • 2.かかとを離さず、小指側をあげるような意識で、つま先を外に開く

また、固定の期間中に足首の動きが固くなっているため、ストレッチをするのも良いでしょう。

タオルを足のつま先に引っ掛けて、タオルの両端を両手にもって、引っ張るようにすれば、足首の柔軟性を高めるストレッチが可能です。

以上のような方法で、うち返しを防ぐための筋力や柔軟性を保つようにしましょう。

捻挫とは、足首をひねって靭帯等が損傷する怪我

捻挫とは、関節が無理な範囲に強制的に動いてしまうことで、靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう:関節を包む膜)が損傷してしまう怪我です。

足首の捻挫では、スポーツ動作や段差を踏み外すことで、足を内側に無理にひねってしまい、発生することが多いです。その場合、足の外側にある靱帯が損傷します。

足首の外側には以下の3つの靱帯があります。

  • 足首の靭帯

  • ・前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)
  • ・後距腓靱帯(こうきょひじんたい)
  • ・踵腓靭帯(しょうひじんたい)

この中で、最も多く損傷するのが「前距腓靱帯」で、後距腓靱帯の損傷はまれです。1つではなく、複数の靱帯が同時に損傷する場合もあります。捻挫の程度は、靱帯の損傷具合によって次の3つに分けられます。

捻挫の症状

主な症状は、損傷した部分の腫れや痛みです。痛みは損傷部位を指で押さえたときにみられる圧痛(あっつう)があります。

また、怪我したときと同じように、内側に足首をひねった動きを再現すると痛みがあります。損傷による内出血が生じていたり、熱をもっていたりするのも症状の1つです。

靱帯の損傷がひどい場合は、靱帯による関節の固定力が弱まり、関節が不安定になってしまいます。その結果、捻挫を再発しやすくなるため注意が必要です。各症状は、捻挫の程度によって、みられる症状が異なります。

  • 捻挫の程度
  • ・1度捻挫:靱帯の損傷がなく、無理に伸ばされた状態
  • ・2度捻挫:靱帯が部分的に切れている状態
  • ・3度捻挫:靱帯が完全に切れた状態

スポーツ医療の治療

まとめ・捻挫かもしれないときは正しい対処をして早めに受診しよう

捻挫かもしれないと思っても、多少の痛みを我慢して歩ける場合は、そのままにしてしまうかもしれません。

捻挫は日常生活やスポーツ中によく起こる怪我ですが、痛みがあっても歩ける場合が多い怪我です。捻挫は関節が無理な方向に動いて靭帯や関節包が損傷することを指し、足首の捻挫が特に一般的です。

捻挫の程度によって、靭帯が伸びただけの軽度のものから、完全に切れてしまう重度のものまで様々です。捻挫をしたら、まずはRICE処置を行いましょう。これにより、捻挫直後の炎症を抑え、痛みや腫れを軽減できます。

歩ける場合でも痛みがあるときは、テーピングやサポーターで足首を固定し、損傷した靭帯に負担をかけないようにしましょう。適切な固定は、捻挫の再発予防にもつながります。ただし、痛みが強い場合や腫れがひどい場合は、専門医の診断を受けましょう。

捻挫の治療は、保存療法が基本です。固定が必要な期間は損傷の程度によりますが、軽度なら装具やテーピングによる短期間の固定、重度ならギプスによる長期間の固定が必要です。

さらに、捻挫から回復した後は、再発防止のために足首の筋肉を鍛える運動療法をお勧めします。例えば、腓骨筋を鍛えるためのチューブトレーニングや、足首の柔軟性を高めるためのストレッチなどが有効です。

捻挫を軽視することなく適切な対処と治療を行うことで、早期の回復と再発防止を目指しましょう。正しい知識と対処法を身につけて、日常生活はもちろんスポーツを安心して楽しみましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.118

監修:医師 坂本貞範

 

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