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更年期の動悸・不整脈が気になる方へ|原因と対処法を解説

更年期不整脈
公開日: 2025.07.31

「最近、心臓がドキドキする回数が増えた」「急に息苦しくなり、不安を感じるときがある」

このような不調が増えたなら、更年期のホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。

更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少により、自律神経の働きが不安定になりやすく、不整脈や動悸などの症状が現れる場合があるのです。

本記事では、更年期に起こる不整脈や動悸の原因から、症状、診断方法、予防・対処法までわかりやすく解説します。

とくに、心と体の不調を抱える更年期世代の方は参考にしてみてください。

更年期と不整脈の関係性

更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。

エストロゲンが減ると自律神経のバランスが乱れ、動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状が現れやすくなるのです。

ただし、更年期だからといって誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります。

また、不整脈の症状は更年期障害によるものだけでなく、心疾患など他の病気が原因の可能性もあるため、自己判断せず医療機関での正確な診断が重要です。

更年期に起きる動悸の症状

更年期における動悸の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった不快感として現れます。

日常生活の中で突然出現し、数秒から数分で収まる場合が多いのが特徴です。

動悸に伴って、息切れや胸の圧迫感、不安感を同時に感じるケースもあります。

とくに安静時や夜間に起こりやすく、寝つきが悪くなる原因になる場合も少なくありません。

動悸の頻度や持続時間には個人差がありますが、継続的に「何もしていないのに心臓が急に速くなる」と感じる場合は注意が必要です。

自律神経のバランスの乱れが原因で心拍調整がうまくいかなくなっている可能性があり、早期に医療機関で検査・診断を受けましょう。

脈が飛ぶ不整脈「期外収縮」とは

「期外収縮」とは、心臓が通常よりも早く1回だけ拍動し、そのあとに一拍の休止が生じる不整脈を指します。

脈が一瞬抜けたように感じられるのが特徴です。(文献1)

正常な心拍に混じって突然早い拍動が起こり、その後に長めの休止が生じるため、脈が一瞬抜けたように感じられます。

多くの場合、健康な人にも見られる良性の不整脈であり、一時的であれば治療の必要はありません。

しかし、更年期の女性はホルモンバランスの変化や自律神経の不調が関与し、頻度が増す場合があります。

また、胸の違和感や不安感を伴う場合は心臓疾患の可能性があるため、医療機関で検査を受けましょう。

更年期に起こりやすい不整脈・動悸・息切れの原因

更年期に見られる不整脈、動悸、息切れの主な原因は、エストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れです。

エストロゲンは心血管系の安定にも関与しており、減少すると交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心拍の変動を引き起こしやすくなります。

また、次のような要因も症状を悪化させる要素です。

  • ストレスや不安:更年期には心理的な影響を受けやすく、緊張や不安が心拍数を上昇させる
  • 睡眠障害:ホルモン変動によって睡眠の質が低下し、夜間の動悸や不整脈の発生リスクが高まる
  • 体力の低下や運動不足:筋力や心肺機能の低下が息切れや動悸を助長する原因となる
  • カフェインやアルコールの摂取:刺激物の影響で心拍が不規則になる

上記の要因は単独でも症状を引き起こしますが、複数が重なると症状が強く現れる場合があります

また、更年期には血圧の変動が激しくなる傾向もあり、血圧の急激な上昇や下降が息切れの原因となる点にも留意しておきましょう。

症状が慢性化する前に生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。

更年期に起こりやすい不整脈の診断・治療

更年期に起こる不整脈の診断では症状の詳細な問診に加え、心電図やホルター心電図(24時間心電図)などの検査を行います。(文献2)

不整脈の種類や頻度、持続時間を確認し、危険性の有無を評価するのが目的です。

必要に応じて血液検査や心エコー検査も追加され、心疾患や甲状腺機能異常など他の疾患との区別も行われます。

治療は不整脈の種類や症状の重さによって異なり、軽度であれば経過観察やストレス管理、規則正しい生活、適度な運動といった生活習慣の改善が中心です。

重症で日常生活に支障をきたす場合は、抗不整脈薬などの薬物療法が行われます。

いずれにしても不整脈が気になるなら、深刻な状態になる前に医療機関で適切な診断を受けましょう。

更年期の不整脈による動悸・息切れの対処法・予防法

更年期における不整脈や動悸、息切れの症状は、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

症状に応じた適切な対処法を知り、予防につなげていく意識が大切です。

ここでは、代表的な対処・予防法を解説します。

ホルモン補充療法

更年期の不整脈がエストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れが原因と判断されると、ホルモン補充療法(HRT)が提案される場合があります。

ホルモン補充療法とは、更年期症状の改善を目的とした治療の一つです。(文献3)

飲み薬や貼り薬、塗り薬などの方法があり、身体の状態に合わせて選択されます。

ただし、副作用として不正出血・乳腺の張り・頭痛、さらに子宮体がんや乳がん、血栓症のリスクがあるため定期的な検診が必要です。

リスクを十分に把握した上で、医師に相談しながら検討しましょう。

漢方薬

漢方薬は、体質や症状に応じて処方される自然由来の治療法です。

副作用が比較的少なく、子宮体がんや乳がんなどの持病があってホルモン補充療法が難しい方や、軽症の方の選択肢の一つとなります。

漢方は全身のバランスを整えることを目的としており、体質や症状に応じて処方されるため、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や眠気などさまざまな更年期の不調に対して用いられる場合があります。

生活習慣を見直す

更年期中のストレス・疲労・睡眠不足は、不整脈による動悸・息切れの症状を悪化させる恐れがあります。

不整脈の負担を減らすべく、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。

  • 食事:バランスの良い食事を1日3食摂り、イソフラボンやビタミンE・C・食物繊維の摂取を意識する
  • 睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠・起床を心掛ける
  • ストレス管理:趣味やリラックス時間を確保し、精神的負荷を減らす

上記のような生活習慣が自律神経を安定させる基盤となり、軽微な動悸・息切れの症状悪化を防ぐことにつながります。

無理のない範囲で、家族の協力も得ながら実践していきましょう。

運動する

有酸素運動は心肺機能を高めて血行を促進し、自律神経の調整にも効果が期待できます。

ウォーキング・サイクリング・水中運動などを週に3~5回、各30分程度だけでも続けてみましょう。

また、運動は生活習慣病予防や体力維持にもつながります。

無理のない範囲で日常的に取り入れてみましょう。

飲酒や喫煙を控える

アルコールは中性脂肪やコレステロールを増やし、タバコは動脈硬化を進行させます。

微小血管の機能低下を招き、動悸や息切れ、胸痛などを悪化させる可能性があるため控えるべきです。

また、飲酒と喫煙は自律神経に刺激を与え、とくにタバコは血管の収縮を促進し、心臓への負担を大きくします。

更年期の不整脈による動悸・息切れを悪化させる原因にもなるため、控えましょう。

こんな症状があったら要注意|更年期の不整脈セルフチェック

更年期の不整脈や動悸・息切れが気になる場合、自覚症状の客観的な把握が重要となります。

自己チェックの方法の一つが、「簡略更年期指数(SMI)」です。

更年期障害の症状を点数化するチェック表で、動悸や息切れを含む10項目に対して自己評価を行います。

症状 なし
顔がほてる 10 6 3 0
汗をかきやすい 10 6 3 0
腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
息切れ・動悸がする 12 8 4 0
寝つきが悪い・眠りが浅い 14 9 5 0
起こりやすく、イライラする 12 8 4 0
くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0
頭痛・めまい・吐き気がよくある 7 5 3 0
疲れやすい 7 4 2 0
肩こり・腰痛・手足の痛みがある 7 5 3 0

症状の程度に応じて自分で〇をつけ、点数を計算しましょう。

症状の強弱の目安は以下の通りです。

  • :毎日のように出現
  • :毎週みられる
  • :症状として強くはないがある

合計点を以下と照らし合わせ、医療機関を受診する際の目安にしてください。

  • 0~25点:上手に更年期を過ごしており、これまでの生活態度を続けていきましょう
  • 26~50点:食事や運動に注意しながら、無理のない生活を心掛けましょう
  • 51~65点:医師の診察を受け、生活指導・カウンセリング・薬物療法を受けましょう
  • 66~80点:半年以上長期間の計画的な治療が必要な状態でしょう
  • 81~100点:精密検査を受け、更年期障害のみの場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう

(文献4)

ただし、簡略更年期指数はあくまで目安です。

点数が50点以下の場合でも、具合が悪いときは医療機関を受診してください。

まとめ|更年期の不整脈による動悸を予防しよう

更年期に見られる不整脈や動悸は多くの場合、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れに起因しています。

突然の胸のドキドキや脈の乱れが起こると不安になりますが、早期に対処すれば日常生活に大きな影響もなく過ごすことも可能です。

症状が続く場合には、婦人科や循環器科で検査・診断を受けましょう。

更年期の動悸は体からのサインです。

放置せず、自身の身体と向き合いながら適切なケアを心がけてください。

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更年期の動悸や不整脈に関するよくある質問

更年期の不整脈が気になる場合は何科を受診すれば良いですか?

更年期に不整脈や動悸が気になる場合は、まず「婦人科」でホルモンバランスを確認します。

ただし、症状が軽度であれば婦人科で問題ありませんが、胸痛や強い動悸がある場合は心疾患の可能性もあるため「循環器内科」を受診しましょう。

更年期の動悸はどれくらい続きますか?

動悸の持続期間は個人差があるため一概にいえないものの、2~3年以上続く場合もあります。(文献5)

エストロゲンの変動が大きい50歳前後の更年期に動悸が起こりやすいですが、60歳を過ぎても持続するケースがある点に留意しておきましょう。

一般的には、更年期の終わりとともに軽快する傾向があるとされています。

症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師機関を受診してください。

動悸が治らないときはどうすれば良いですか?

動悸が継続する場合は、まず医療機関で精密検査を受けましょう。

心電図やホルター心電図により、心臓由来の異常かどうかが判断されます。

心疾患でない場合は更年期障害として判断され、ホルモン補充療法や漢方薬による対処法が一般的です。

また、生活習慣の見直しも重要になります。

男性にも更年期障害はあるのですか?

男性にも、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる更年期障害が起こる場合があります。

男性ホルモンであるテストステロンの分泌低下により、疲労感や抑うつ、不眠、性機能低下などが現れるのが特徴です。

症状が気になる場合は、泌尿器科または男性更年期に詳しいクリニックに相談しましょう。

参考文献

(文献1)
「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も。受診の目安は?|家庭画報.com

(文献2)
不整脈の診断・治療|キタ・クリニック

(文献3)
ホルモン療法とは?更年期対策でやるべき3つの理由|更年期相談室

(文献4)
簡略更年期指数PDF|東京大学医学部附属病院

(文献5)
更年期の動悸や息切れの原因、対処法。症状セルフチェック法や不整脈など他の病気との違いも丁寧に解説。|白金高輪海老根ウィメンズクリニック

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