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【医師監修】潰瘍性大腸炎とは|症状・原因・治療法を解説

「下痢や血便が続いている」
「腹部に違和感や痛みを感じる」
市販薬を服用しても症状が改善せず、慢性的な不調に不安を感じていませんか。こうした症状の背景には、難病指定されている炎症性腸疾患のひとつ「潰瘍性大腸炎」が潜んでいる可能性があります。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じ、再発を繰り返す慢性疾患です。しかし、早期に診断を受け、適切な治療を行うことで、症状をコントロールしながら安定した生活を送ることができます。
本記事では、現役医師が潰瘍性大腸炎について詳しく解説します。
- 潰瘍性大腸炎の初期症状
- 潰瘍性大腸炎の原因
- 潰瘍性大腸炎の治療法
- 潰瘍性大腸炎における注意点
記事の最後には、潰瘍性大腸炎についてよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
潰瘍性大腸炎とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 疾患の概要 | 大腸の粘膜に炎症やびらん、潰瘍が生じる慢性の炎症性腸疾患。症状が悪化する活動期と、落ち着く寛解期を繰り返す経過。日本では難病に指定され、長期的な医療管理が必要な疾患 |
| 主な原因 | 免疫の異常による大腸粘膜への過剰な炎症反応。遺伝的体質や生活環境、腸内細菌の乱れなどが複雑に関与する多因子性の疾患 |
| 注意すべきポイント | 症状が軽くても定期的な受診・検査が必要。進行により重症化する可能性があるため、医師の指示に沿った治療継続が重要 |
(文献1)
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が生じる炎症性腸疾患のひとつです。炎症は主に直腸から始まり、大腸全体に広がることもあります。
原因は明らかではありませんが、免疫の異常反応や腸内環境、遺伝的要因などが関与すると考えられています。症状は血便や下痢、腹部膨満、倦怠感など多様で、寛解と再燃を繰り返すことが特徴です。
日本の患者数は約166,060人(平成25年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)で、人口10万人あたり約100人と報告され、米国の約半分にとどまっています。(文献1)
医療受給者証交付件数は年々増加傾向にあり、早期診断と長期的な管理が重要とされています。
潰瘍性大腸炎になりやすい人
| 発症しやすい人の特徴 | 内容 |
|---|---|
| 若年〜成人期 | 10〜30代の若い世代に多い発症傾向。60代以降の発症は少ないものの、加齢に伴いみられることもある慢性疾患 |
| 家族歴がある人 | 親や兄弟などの近親者に潰瘍性大腸炎や炎症性腸疾患(IBD)がある場合に高まる発症リスク。遺伝的体質を背景に持つ傾向 |
| 腸内環境・生活環境の影響を受けやすい人 | 腸内細菌の乱れや食生活の偏り、高脂肪食、都市型の生活習慣などによる影響。抗生物質の使用歴も関連要因 |
| 免疫応答や腸バリア機能に傾きがある人 | 腸粘膜の防御機能が弱く、免疫が過剰に反応しやすい体質。アレルギー体質や自己免疫疾患の既往を持つ人に多い傾向 |
(文献2)
潰瘍性大腸炎は、10〜30代の若い世代を中心に発症が多くみられる疾患です。明確な原因は解明されていませんが、免疫の異常反応や腸内環境、生活習慣、遺伝的要因などが複雑に関与すると考えられています。
とくに、近親者(親・兄弟・子ども)に潰瘍性大腸炎や類似の炎症性腸疾患(IBD)がある場合には、発症リスクが高まることが報告されています。体質や環境が重なって発症に至る多因子性の疾患です。(文献2)
潰瘍性大腸炎とクローン病の違い
| 比較項目 | 潰瘍性大腸炎 | クローン病 |
|---|---|---|
| 発症場所 | 大腸(とくに直腸)に限局し、炎症が連続して広がる | 口から肛門までの消化管全体に発生し、飛び飛びに炎症が起こる |
| 炎症の深さ・形態 | 炎症は大腸粘膜の表層にとどまり、浅い潰瘍やびらんが連続してみられる | 炎症が腸壁の深部まで及び、深い潰瘍や縦走潰瘍、石畳状の粘膜変化を呈する |
| 主な症状 | 下痢、血便、腹痛、発熱、倦怠感 | 下痢、腹痛、体重減少、発熱、倦怠感、口内炎や肛門周囲の症状 |
| 合併症 | 大腸がん、貧血、関節炎など | 腸閉塞、瘻孔、膿瘍、栄養障害など |
| 病変の範囲と連続性 | 大腸粘膜に連続性のある炎症 | 消化管全域に不連続性の炎症 |
(文献3)
潰瘍性大腸炎とクローン病は、いずれも免疫の異常が関与する炎症性腸疾患です。潰瘍性大腸炎は大腸に限局し、直腸から連続的に広がる炎症が特徴です。炎症は粘膜の表層にとどまり、浅い潰瘍を形成します。主な症状としては血便が多くみられます。
一方、クローン病は口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こり得る疾患です。炎症は腸の深層まで及び、非連続的に深い潰瘍を形成します。主な症状としては腹痛や体重減少が目立つ傾向があります。
また、瘻孔や腸管狭窄などの合併症を伴うこともあります。両疾患とも正確な診断と個々に適した治療が必要です。
潰瘍性大腸炎の初期症状
| 初期症状 | 詳細 |
|---|---|
| 血便・下痢が続く | 大腸の炎症による血便や水様便が続く状態 |
| 腹部の不快感・張り | 炎症やガスによる腹部の膨満感や違和感 |
| 排便回数の増加・残便感 | 排便回数が増え、すっきりしない感覚が続く状態 |
| 倦怠感・微熱などの全身症状 | 炎症や貧血によるだるさや微熱がみられる状態 |
潰瘍性大腸炎の初期には、血便・下痢・腹部の張りなどの消化器症状が中心に現れます。発症初期は風邪や一時的な腸炎と区別がつきにくいこともありますが、症状が長引く場合は注意が必要です。
腸粘膜の炎症が進行すると、排便回数の増加や、全身のだるさ、微熱などが出ることもあります。症状は軽度から重度まで幅があり、良くなったり悪化したりを繰り返すのが特徴です。慢性化すると大腸の機能低下を招くため、早期の受診・治療が必要です。
潰瘍性大腸炎は自然に治ることが少なく、早期に治療を開始することが症状改善の近道となります。
血便・下痢が続く
潰瘍性大腸炎では、大腸の粘膜が炎症により傷つくことで出血し、赤い血液や粘液が便に付着します。ゼリー状に見えることもあり、痔など他の疾患と見分けがつきにくい場合があります。
腸の炎症により排便回数が増えて下痢が続くことがあり、重症の場合は脱水を起こすおそれがあるため注意が必要です。
血便や長引く下痢は潰瘍性大腸炎の初期症状の可能性があります。自己判断せず早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
腹部の不快感・張り
腹部の不快感は、潰瘍性大腸炎による腸の炎症で腸の動きが乱れ、ガスや便が滞ることで生じる重苦しさや張りを指します。腸内にガスが溜まると腹部膨満感が生じます。痙攣や炎症によりガスの排出が妨げられ、鋭い痛みではなく鈍い違和感が持続したり強弱を繰り返すのが特徴です。
これらの症状は活動期に悪化しやすく、放置すると重症化する恐れがあります。腹部の不快感や張りが続く場合は、早めに医療機関を受診し、医師の指導のもとで適切な治療と生活管理を行うことが重要です。
排便回数の増加・残便感
潰瘍性大腸炎では大腸の粘膜炎症により腸が過敏となり、便を十分に貯められなくなることで排便回数が増えることがあります。
排便後に便が残っているように感じる残便感は、炎症によって腸の感覚や動きが変化することで生じます。排便回数の増加や残便感が続く場合、炎症の悪化が考えられるため、医師への相談が大切です。
倦怠感・微熱などの全身症状
潰瘍性大腸炎では大腸の炎症により免疫が慢性的に活性化し、エネルギー消耗や栄養吸収の低下、貧血などが重なることで、休んでも疲れが取れない倦怠感やだるさが生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。
活動期には微熱が続くことがあり、これは感染症ではなく、腸の炎症が原因です。また、血便による鉄分不足や食欲低下により、貧血や体重減少を伴う場合もあります。
これらの症状は風邪や疲労と見分けにくいものの、腸の炎症が全身に影響している可能性があります。倦怠感や微熱が長く続く際は、早期に消化器内科を受診しましょう。
潰瘍性大腸炎の原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 免疫異常(腸内での過剰な免疫反応) | 腸の粘膜に免疫細胞が過剰に集まり、自己の腸組織を攻撃してしまう自己免疫反応。免疫物質(TNFαやサイトカイン)の過剰産生による炎症の持続 |
| 遺伝的・環境的要因 | 潰瘍性大腸炎になりやすい遺伝的体質に、食生活の欧米化やストレス、衛生環境の変化などが重なって起こる発症リスクの上昇 |
| 腸内環境の乱れ | 腸内細菌のバランスが崩れ、免疫の調節がうまく働かなくなる状態。抗生物質の使用や食生活の影響による腸内フローラの異常 |
潰瘍性大腸炎は、免疫異常による自己免疫的な炎症反応が大腸粘膜に生じる疾患です。発症には遺伝的背景だけでなく、生活環境や食生活の変化も関与しています。
とくに腸内の細菌バランスの乱れが炎症を悪化させることが知られています。このように、複数の要因が複雑に絡み合っているのが特徴です。改善には早期の診断と治療、生活習慣の見直しが欠かせません。
免疫異常(腸内での過剰な免疫反応)
潰瘍性大腸炎の原因のひとつである免疫異常とは、本来ウイルスや細菌から身体を守る免疫が誤って自分の大腸粘膜を攻撃してしまう状態を指します。
この過剰な免疫反応により大腸の内側に炎症が生じ、ただれや潰瘍が発生します。その結果、下痢・血便・腹痛などの症状を引き起こします。
なぜ免疫が異常を起こすのかは完全には解明されていません。しかし、遺伝的要因や食生活、ストレス、腸内細菌の乱れなどが関与すると考えられています。
治療では、免疫調整薬を用いて免疫の過剰反応を抑え、炎症を鎮めることで症状の安定と再燃の予防を図ります。
遺伝的・環境的要因
潰瘍性大腸炎は遺伝性の疾患ではありませんが、家族に同疾患や炎症性腸疾患を持つ人がいる場合は、発症しやすい体質的な傾向があるとされています。複数の関連遺伝子が報告されていますが、遺伝だけで発症が決まるとは限りません。(文献4)
環境要因として、食生活の欧米化や腸内細菌の乱れ、ストレス、生活リズムの不規則化、喫煙などが免疫の異常反応を誘発し、腸の炎症を引き起こすとされています。
このように、潰瘍性大腸炎は遺伝的体質と環境的要因が重なって発症すると考えられています。そのため、日常生活の見直しも疾患の管理に欠かせません。
腸内環境の乱れ
腸内には数百兆個の細菌が生息し、腸内細菌叢(腸内フローラ)として消化や免疫機能に重要な役割を果たしています。
健康な腸内では善玉菌と悪玉菌のバランスが保たれていますが、潰瘍性大腸炎ではこの均衡が崩れ、悪玉菌の増加と善玉菌の減少により慢性的な炎症と腸粘膜の防御機能低下を招きます。
腸内環境を整えるには食生活の見直しが大切です。野菜や発酵食品を積極的に摂取し、脂肪や糖質の過剰摂取を控えましょう。適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理も腸内環境の改善に役立ちます。
潰瘍性大腸炎の治療法
| 治療法 | 詳細 |
|---|---|
| 薬物療法 | 炎症を抑え、症状を改善するための薬剤を用いる治療法 |
| 栄養療法・食事管理 | 腸に負担をかけず、栄養状態を保つための食事調整 |
| 手術療法 | 内科的治療で効果がない場合に行う外科的治療法 |
| 再生医療 | 幹細胞を利用して炎症や損傷した腸粘膜を修復する治療法 |
潰瘍性大腸炎の治療は薬物療法が中心で、腸の炎症を抑えて症状の寛解と維持を目指します。栄養療法や生活習慣の調整も再発予防に欠かせません。薬物療法で十分な効果が得られない場合は、外科的治療が検討されます。
近年は再生医療も難治例への新たな選択肢として期待されていますが、実施できる医療機関は限られており、すべての患者に適用できるわけではありません。治療法の選択は医師と相談し、継続的に行うことが大切です。
もちろん活動期にはこれらを控えることを意識していただきたいですが、寛解期には極端な制限をせず、バランスを意識した食生活を心がけてください。
薬物療法
薬物療法は潰瘍性大腸炎治療の基本であり、腸の炎症を抑えて症状を改善し、再発を防ぐ効果があります。5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤は、腸粘膜に直接作用して炎症やただれを鎮め、腹痛や血便などの症状を和らげます。
また、寛解期を維持することで再燃を防ぎ生活の質を保てる上、5-ASA製剤は局所的に作用するため副作用が比較的少ないのが特徴です。
症状が重い場合は、ステロイドや免疫調節薬、生物学的製剤を併用し、免疫の異常反応をより強力に抑えます。早期からの薬物治療により、重症化や手術のリスクを軽減が期待されます。
栄養療法・食事管理
| 区分 | 詳細 |
|---|---|
| 栄養療法の役割 | 体力維持と栄養補給を目的とした補助的治療 |
| 寛解期の食事 | バランスの良い食事を規則的に摂取 |
| 活動期の食事 | 脂肪・繊維・刺激物を控え腸への負担を軽減 |
| 栄養補給法 | 経腸栄養や静脈栄養による体力回復 |
| 生活習慣の管理 | 睡眠・ストレス軽減・適度な運動の継続 |
潰瘍性大腸炎では、腸の炎症により下痢や血便が続くことで体力や栄養が低下しやすくなります。栄養療法は炎症そのものを治すものではありませんが、体力維持や栄養補給を目的とした重要なサポート療法です。
寛解期にはバランスの取れた食事を心がけ、活動期には脂肪分や繊維、刺激物を控え、腸への負担を減らします。食事摂取が困難な場合は、経腸栄養や静脈栄養による管理を行います。また、十分な睡眠、ストレス管理、適度な運動も症状の安定に役立ちます。
手術療法
| 手術が検討される場合 | 詳細 |
|---|---|
| 大腸に穴が開く・大量出血が止まらない場合 | 腸の穿孔(せんこう)や重度出血による命に関わる危険な状態 |
| 重症例や劇症例で薬物療法が無効な場合 | 強い炎症が続き、薬での改善が見られない状態 |
| 巨大結腸症(中毒性巨大結腸症) | 炎症により大腸が異常に膨張し、破裂の危険がある状態 |
| 大腸がんや高異型度腫瘍が見つかった場合 | がんや前癌病変の発生による外科的切除の必要性 |
薬物療法で改善しない重症例や合併症を伴う場合は、病変部の大腸を切除し小腸で便を一時的に貯める袋(回腸嚢:かいちょうのう)を作って肛門につなぐ回腸嚢肛門吻合術(かいちょうのうこうもんふんごうじゅつ)による根治を目指します。
術後は排便回数が一時的に増えますが、長期追跡研究では、409名の患者で平均1日6回、夜間2回程度の排便で機能が維持されたと報告されています。(文献5)
別の報告でも、1日8回以下の排便で良好な機能が示されました。多くの患者で日常生活が可能な状態が維持されています。(文献6)
再生医療
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 目的 | 炎症で傷ついた腸粘膜の修復促進と組織再生の支援 |
| 対象 | 薬物療法で十分な改善が得られない難治性潰瘍性大腸炎 |
| 期待されること | 腸粘膜の再生による長期的な病状安定と生活の質の維持 |
| 実施に関して | 実施できる医療機関が限られており、医師との相談が必要 |
(文献7)
再生医療とは、傷ついた組織を患者自身の細胞を用いて修復・再生を目指す治療法です。潰瘍性大腸炎では、炎症で損傷した腸粘膜の修復を促すことを目的としています。
とくに、薬物療法で十分な改善が得られない難治性の症例において、将来的な治療選択肢として注目されています。治療は医師の判断のもとで行われ、症状や状態に応じた適切な計画が必要です。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
潰瘍性大腸炎における注意点
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 薬剤の自己中止を避ける | 症状が落ち着いても医師の指示なく薬を中断しないこと。再燃や悪化を防ぐための継続的な服薬管理 |
| 生活習慣を整える | 規則正しい食事・十分な睡眠・適度な運動を心がけること。ストレス軽減と腸への負担軽減 |
| 定期的に受診・検査する | 症状の変化や炎症の再発を早期に把握するための定期的な通院と検査 |
| 感染症に注意する | 免疫抑制薬使用時の感染リスクへの配慮。手洗いやうがい、ワクチン接種などによる予防対策 |
潰瘍性大腸炎の治療を続ける上で、日常生活での注意が大切です。薬は症状が落ち着いても自己判断で中止せず、医師の指示に従って継続することが再燃予防につながります。
規則正しい生活や十分な休養、バランスの取れた食事を意識し、腸への負担を減らします。また、定期的な受診と検査で炎症の確認も欠かせません。
免疫抑制薬を使用している場合は感染症のリスクが高まるため、手洗いやワクチン接種などの予防を心がけましょう。
寛解期を「完治した」と誤解して治療を中断してしまうケースもありますので、医師と相談しながら治療を継続していくことが大切です。
薬剤の自己中止を避ける
潰瘍性大腸炎は、症状が落ち着いている寛解期でも腸の炎症が完全に消失しているわけではありません。薬を自己判断で中止すると炎症が再び悪化し、再燃を繰り返すことで重症化する可能性があります。さらに、大腸がんの発生リスクや緊急手術の可能性も高まります。
治療には5-アミノサリチル酸(5-ASA)などの抗炎症薬を継続的に服用することが重要です。症状が軽くても自己判断で中断せず、不安がある際は医師に相談しましょう。
実際には炎症が継続していることがほとんどです。薬剤の中断や暴飲暴食が再燃のきっかけとなり、寛解期前よりも症状が悪化してしまうケースもありますので、十分な注意が必要です。また、寛解期に過度な食事制限を続けると、かえって再発しやすい状態を招くこともあります。医師の指示に従い、適切な治療と食生活のバランスを心がけてください。
生活習慣を整える
潰瘍性大腸炎では、過労や睡眠不足、ストレスが再燃の要因となるため、生活習慣を整えることが症状の安定につながります。
十分な睡眠と休息を確保し、体調に応じて無理のない生活を心がけることが大切です。ストレスは症状悪化の引き金となるため、趣味やリラックス法で心身を整え、寛解期には軽い運動やストレッチを取り入れて体力と腸の働きを保つことが推奨されます。
食事は脂質や刺激物を控えて栄養バランスを重視し、定期的に医師の診察を受けて治療と生活管理の両面から病状を安定させることが再発予防に欠かせません。
定期的に受診・検査する
| 検査項目 | 詳細 |
|---|---|
| 問診・診察 | 下痢や血便、腹痛、発熱などの症状確認による治療効果と副作用の評価 |
| 血液検査 | 炎症の程度(CRP・白血球数)、貧血や栄養状態、薬剤副作用の確認 |
| 便検査 | 便中カルプロテクチンによる炎症の評価と感染性腸炎の除外 |
| 大腸内視鏡検査 | 炎症範囲や粘膜治癒、大腸がん合併の有無を確認 |
| 腹部X線検査(レントゲン) | 腸内ガスの貯留や腸管合併症の有無を補助的に評価 |
| CT検査 | 重症例での穿孔や合併症の確認目的で実施。潰瘍性大腸炎の直接評価は限定的 |
(文献7)
潰瘍性大腸炎では、定期的な受診と検査により炎症の再燃や合併症を早期に発見し、適切な治療へつなげることが大切です。血液検査では炎症や貧血、栄養状態を、便検査では腸の炎症マーカーや感染の有無を確認します。
大腸内視鏡検査は粘膜の治癒状態や発がんリスクを評価するため、発症から数年経過後は年1回以上が推奨されます。(文献8)
また、寛解期でも自己判断で通院や治療を中断せず、症状の変化を記録・申告が大切です。バイオ医薬品や免疫抑制剤使用中は高頻度のモニタリングが必要です。
再燃のわずかな兆候を見逃さないよう注意深く診察することで、症状を上手にコントロールしていきます。また、薬の飲み忘れがないかも毎回確認していますので、受診の際には正直にお伝えください。
感染症に注意する
潰瘍性大腸炎では、治療に免疫抑制剤や生物学的製剤を使用することが多く、免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなります。
さらに、腸の炎症や潰瘍によって腸壁のバリア機能が低下し、細菌やウイルスへの抵抗力も弱まります。発熱や悪寒、倦怠感、腹痛、下痢の悪化など感染を疑う症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
感染予防として、手洗い・うがい・マスクの着用と換気の徹底に加え、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種も推奨されます。免疫抑制薬使用中は主治医と連携し、体調変化に注意しながら治療を継続することが大切です。
潰瘍性大腸炎でお悩みの方は当院へご相談ください
潰瘍性大腸炎は、症状をコントロールしながら長期的に付き合っていく必要のある慢性疾患です。薬物療法の継続や食事管理によって炎症の再燃を防ぎ、症状の安定を図れます。
症状の改善がみられない場合や体調の変化を感じたときは、自己判断で治療を中断せず、医療機関を受診することが大切です。
潰瘍性大腸炎についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、潰瘍性大腸炎に対して再生医療を用いた治療を行っています。
潰瘍性大腸炎に対しては、再生医療による腸粘膜修復の研究が進められており、幹細胞を利用して損傷した組織の再生を促すことで、炎症による粘膜障害を改善できる可能性があります。
ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
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潰瘍性大腸炎についてよくある質問
潰瘍性大腸炎は感染しますか?
潰瘍性大腸炎はウイルスや細菌による感染症ではなく、免疫が腸粘膜に過剰反応して炎症を起こす自己免疫性疾患のため、家族や周囲に感染する心配はありません。
潰瘍性大腸炎で早死にすることはありますか?
潰瘍性大腸炎は、重篤な合併症がある場合を除き、適切な治療と管理を続けていれば一般の方と死亡率に大きな差はありません。(文献9)
重症例や炎症が長く続く場合は、大腸がんなどの合併症リスクが高まるため注意が必要です。しかし、多くの患者は再燃と寛解を繰り返しながらも、適切な治療により長期にわたり安定した生活を送れます。
潰瘍性大腸炎と診断されましたが障害者手帳の取得はできますか?
潰瘍性大腸炎は指定難病に含まれており、症状の程度や生活への影響によっては障害者手帳を取得できる場合があります。詳細は以下の表をご覧ください。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象 | 指定難病であり、中等症以上や頻繁な通院・生活支障がある場合 |
| 支援内容 | 医療費助成、税制優遇、就労支援などの公的支援 |
| 申請条件 | 医師の診断書と必要書類の提出による審査 |
| 注意点 | 症状や治療状況により取得可否が判断される |
| 相談先 | 居住地の自治体窓口および主治医 |
とくに中等症以上の方や、頻繁な通院が必要な方、日常生活や仕事に支障がある方が対象です。
手帳を取得することで、医療費助成や税制優遇、就労支援などの公的支援を受けられます。申請には医師の診断書が必要であり、症状や治療経過が重要な判断要素です。
軽症でも医療費負担が大きい場合は助成対象となることがあります。不明点がある場合は、医師や自治体窓口に相談しましょう。
潰瘍性大腸炎の患者は性行為を行ってはいけませんか?
潰瘍性大腸炎は感染症ではないため、性行為によってパートナーにうつる心配はありません。基本的に性行為は問題ありません。
ただし、下痢や出血、腹痛などの症状が強い時期は、体調や腹部への刺激で不快感が生じやすいため、無理を避けて体調が落ち着いてから行うことが望ましいです。
ステロイドや免疫抑制薬を使用中は体調管理に注意が必要です。心配な場合は医師へ相談し、適切なタイミングを確認しましょう。
潰瘍性大腸炎を患っている芸能人はいますか?
潰瘍性大腸炎を公表している有名人は以下の方々です。
| 氏名 | 職業 | 詳細 |
|---|---|---|
| 高橋メアリージュン | 女優 | 2014年に潰瘍性大腸炎を公表し、闘病を乗り越えて活動を継続 |
| 井澤こへ蔵 | 俳優 | 「トイレは1日40回」と語り、疾患と向き合う経験を発信 |
| 天羽希純 | アイドル | 痛みで動けないほど辛い時期を告白し、同じ疾患の人を励ます発言 |
疾患を抱えながらも治療と向き合い、活躍を続けている姿は多くの患者に希望を与えています。
参考文献
Ulcerative colitis|MAYO CLINIC
Ulcerative Colitis vs Crohn’s Disease|UCLA Health
難病の潰瘍性大腸炎の発症に関連する3つの遺伝子を発見―遺伝的な要因を背景にした、粘膜免疫応答の調整異常が発症原因と突き止める―|理化学研究所















