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高血圧の薬はグレープフルーツ以外にも注意?一緒に食べてはいけない柑橘類を医師が解説

高血圧 薬 グレープフルーツ以外
公開日: 2024.04.25 更新日: 2026.07.31

高血圧の薬を服用している方にとって、グレープフルーツとの飲み合わせに注意が必要なことはよく知られています。

しかし、「レモンやみかんなど、ほかの柑橘類はどうなのか」「朝に薬を飲んで、夜に食べるなら問題ないのでは」といった疑問や不安を抱えている方も少なくありません。

本記事では、高血圧の薬との飲み合わせで一緒に食べてはいけない柑橘類を一覧で紹介します。高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの注意点や、おすすめの代替食品についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

高血圧の薬とグレープフルーツを一緒に食べてはいけない理由

グレープフルーツと一部の薬を一緒に摂取することは避けるべきとされています。

理由としては、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分が、薬の代謝に大きく影響を与えてしまうためです。

また、高血圧が及ぼす腎臓などの臓器への悪影響については、以下の記事もあわせてご覧ください。

薬を分解する酵素の働きを阻害するから

グレープフルーツに含まれる特定の化学成分(主にフラノクマリン類)は、小腸の上皮細胞に存在する薬物代謝酵素(とくに「CYP3A4」というシトクロムP450酵素)の働きを阻害してしまいます。(文献1

この酵素は、代謝して体外へ排出しやすい形に変える働きを担っています。しかし、フラノクマリンによってこの酵素の働きが妨げられると、薬の成分が適切に分解されないまま体内に吸収されてしまうメカニズムが働きます。

薬の血中濃度が急上昇して副作用のリスクが高まるから

酵素の働きが阻害され、薬が分解されずに体に吸収されると、血液中の薬物濃度が予期せず急上昇してしまいます。

血圧を下げる作用を持つ「カルシウムチャネル拮抗薬」を例に見ていきましょう。この薬の本来の薬効は、血管を拡張させることで血圧を下げることです。

しかし、フラノクマリン類との相互作用によって薬剤の効果が強まりすぎると、過度に血圧が下がり、以下のような副作用を引き起こすリスクが高まってしまいます。(文献2

  • めまい
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 動悸
  • 倦怠感 など

とくにカルシウム拮抗薬で影響が大きく、薬剤によって程度が異なります。

【一覧】グレープフルーツ以外でフラノクマリン含有量が高い・低い柑橘類

グレープフルーツ以外にも、高血圧治療薬と相互作用を起こしやすい柑橘類があります。注意すべき柑橘類と、心配が少ない柑橘類を一覧で紹介します。

フラノクマリン含有量が高い柑橘類

フラノクマリン含有量が高い主な柑橘類は以下のとおりです。(文献3

  • スウィーティー
  • メロゴールド
  • バンペイユ
  • レッドポメロ
  • ダイダイ
  • ブンタン
  • ハッサク
  • サワーポメロ
  • メキシカンライム
  • 甘夏ミカン
  • パール柑
  • サンポウカン

これらの柑橘類は、グレープフルーツと同様にフラノクマリンを多く含むため、高血圧治療薬などを服用している間は摂取を避けましょう。

果汁の場合

果汁(ジュース)の場合でも、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユなどはグレープフルーツと同程度のフラノクマリンが含まれていることがあります。(文献4)

フラノクマリン類の量が多いほど、CYP3A4の阻害も強くなる傾向が報告されています。

そのため、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユなどはグレープフルーツと同様に、果実そのものだけでなく、果汁や100%ジュースなどを飲む際にも十分な注意が必要です。

果皮の場合

フラノクマリン類は、果汁よりも果皮(皮)に数十倍から数千倍も多く含まれていることがわかっています。(文献4)とくに、メロゴールドやスウィーティー、甘夏ミカン、サワーポメロなどの皮には多く含まれています。

果肉はリスクが少なくても皮に成分が多い柑橘類もあるため、摂取する際は注意しましょう。

フラノクマリン含有量が比較的低い柑橘類

一方で、フラノクマリン含有量が低く、相互作用の心配が少ないとされる柑橘類は以下のとおりです。(文献3

  • ネーブルオレンジ
  • 温州ミカン
  • ポンカン
  • イヨカン
  • デコポン
  • ユズ
  • レモン
  • スダチ
  • カボス

これらの柑橘類は、少なくとも果汁にフラノクマリンはほぼ含まれていないため、CYP3A4酵素との相互作用の心配は比較的少ないと考えられます。

ただし、前述のとおり、ネーブルオレンジやレモンのように果皮には微量のフラノクマリン類が含まれるものもあるため、皮の摂取には注意が必要です。

高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの5つの注意点

高血圧の薬と柑橘類を一緒に食べるときは、5つのポイントに注意しましょう。

  • フラノクマリンによる酵素の阻害は回復に時間がかかる
  • フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を選ぶ
  • 果物漬けやマーマレードなどの加工品にも注意する
  • どうしても食べたいときは専門家の意見を参考にする
  • 誤って食べてしまった場合は安静にして様子を見る
  • 以下でそれぞれ解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.フラノクマリンによる酵素の阻害は回復に時間がかかる

服薬期間中は原則としてグレープフルーツなどの摂取を避けましょう。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンによる小腸のCYP3A4酵素の阻害は不可逆的であり、回復に時間がかかるためです。

よくある誤解として「朝に薬を飲んで、夜にグレープフルーツを食べるなら大丈夫」というものがあります。しかし、一度阻害された酵素の働きが元の状態に回復するまでには数日かかるとされており、数時間タイミングをずらしただけでは、薬との相互作用を防げません。

高血圧の薬を服用している期間中は、グレープフルーツの摂取を完全に避けるのが基本です。

2.フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を選ぶ

柑橘類を食べたい場合は、フラノクマリンの含有量が低いものを選びましょう。柑橘類のなかには、フラノクマリンの含有量が少ないものもあります。

ミカンやオレンジなど、影響の少ない柑橘類で代替するのも一つの方法です。ただし、果皮に含まれるフラノクマリンの含有量が高い場合もあります。あらかじめ含有量を調べておくとよいでしょう。

3.果物漬けやマーマレードなど加工品にも注意する

生の果物やジュースだけでなく、マーマレードなどの加工品を摂取する際にも十分な注意が必要です。薬の代謝を阻害するフラノクマリンは、柑橘類の果汁よりも果皮に数十倍から数千倍も多く含まれているためです。

具体的には、皮を丸ごと使うマーマレードやジャム、ピールなどの加工食品には、フラノクマリンが多く残っている可能性があります。

また、チューハイなどのサワー系飲料や、ミックスフルーツジュースの中にグレープフルーツ果汁が隠れているケースも考えられます。

薬を服用している期間は、生のグレープフルーツやジュースを避けるだけでは不十分です。加工食品や飲料を口にする際も原材料表示を確認し、グレープフルーツなどの成分や皮が含まれるものは避ける習慣をつけましょう。

4.どうしても食べたいときは専門家の意見を参考にしよう

どうしても特定の柑橘類が食べたいときや、新しいサプリメントを試したい場合は、自己判断を避け、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。薬剤師や医師は、高血圧薬との飲み合わせに関する専門的な知識を持っています。

主治医や治療薬に精通した薬剤師に相談すれば、安全な食べ方を教えてくれたり、場合によっては影響の少ない薬への変更を検討してくれたりする可能性があります。

また、グレープフルーツ成分などが濃縮されたサプリメントも、予期せぬ相互作用を防ぐためには事前の確認が欠かせません。

高血圧の治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを減らすためにも、摂取すべきでない食品や飲み物、サプリメントを避けることが大切です。

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5.誤って食べてしまった場合は安静にして様子を見る

万が一、フラノクマリンを多く含む果物や加工品を食べてしまった場合は、直ちに運動や外出を控えて安静にしましょう。薬の効果が強く出すぎてしまい、急激な体調の変化が起こる可能性があるためです。

具体的には、軽度のめまいや頭痛から、血圧が下がるとショック症状や心臓にかかわる症状が出るおそれもあります。もし明らかな異変や強い症状が出た場合には、速やかに医療機関を受診して医師の指示を仰いでください。

高血圧の薬と一緒に食べられる代替食品

グレープフルーツなどの特定の柑橘類を避ける必要がある場合、ほかのビタミンCが豊富な食品を代替として取り入れることがおすすめです。

柑橘類に豊富に含まれるビタミンCは、抗酸化作用を持ち免疫機能のサポートなどに必要な大切な栄養素です。

しかし、特定の柑橘類は高血圧治療薬などと相互作用を起こすリスクがあるため、薬の効果に影響を与えない別の食品から補う必要があります。

薬の代謝に影響を与えないおすすめの代替食品として、以下が挙げられます。(文献5

  • ピーマン
  • 赤ピーマン
  • ブロッコリー
  • トマト
  • イチゴ
  • キウイ など

ピーマンやブロッコリーはビタミンCが豊富で、免疫機能のサポートにも役立つ食品です。また、トマトやイチゴ、キウイなども日常的に取り入れやすい食品です。服薬中は相互作用のリスクがある柑橘類を控え、栄養豊富な代替食品を活用して、健康的な食生活を送りましょう。

高血圧によるダメージを受けた血管の修復には再生医療という選択肢も

高血圧は放置すると血管に持続的なダメージを与え、動脈硬化を進行させて脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な疾患を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

薬による血圧のコントロールも重要ですが、すでにダメージを受けた血管自体の修復は従来の対症療法では難しい場合があります。

再生医療は傷ついた血管の修復や、脳梗塞の予防・後遺症改善のための新しいアプローチとして注目されている治療法です。

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グレープフルーツ以外にもフラノクマリンが多い柑橘類には注意しよう

高血圧の薬を服用中でも、種類を正しく選べば柑橘類を楽しむことは可能です。グレープフルーツ以外にも相互作用を起こしやすい柑橘類がある一方で、影響の心配が少ない柑橘類も多く存在するからです。

ただし、薬の代謝を阻害するフラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。

そのため、果肉や果汁なら心配が少ない柑橘類であっても、皮ごと使われている加工品などには十分な注意が必要です。

高血圧の薬との飲み合わせが気になりつつも「どうしても柑橘類が食べたい」というときは、本記事の内容を参考にしていただければ幸いです。

高血圧の薬とグレープフルーツの飲み合わせに関するよくある質問

りんごジュースやオレンジジュースなら高血圧の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

りんごジュースやオレンジジュースは、グレープフルーツのようにCYP3A4酵素を阻害することはないため、高血圧の薬の効果を過剰に強める心配は少ないとされています。

しかし、花粉症などで使う一部のアレルギー薬と一緒に飲むと、小腸のOATPというトランスポーターの働きが阻害され、薬の吸収が悪くなることが報告されています。

薬の効果を得るためには、どのような薬も水または白湯で飲むのが基本です。

高血圧の薬の種類によってグレープフルーツによる影響は異なりますか?

同じ高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)でも、種類によってグレープフルーツの影響の受けやすさはさまざまです。

たとえば、ニソルジピンやフェロジピン、ニフェジピンなどは影響を強く受けやすく、一緒に摂ることで血圧が下がりすぎるリスクが高いとされています。一方で、アムロジピンやジルチアゼムなどは比較的影響が少ない薬です。

ただし、影響の程度には個人差もあるため、自己判断で薬を飲み分けたりせず、必ず医師の指示に従ってください。

高血圧の薬以外にもグレープフルーツの影響を受ける薬はありますか?

高血圧の薬以外にも、CYP3A4酵素で代謝される多くの薬がグレープフルーツによる影響を受けます。代表的なものとして、主に以下が挙げられます。(文献6

  • 免疫抑制剤(シクロスポリンなど)
  • 高脂血症治療剤(シンバスタチンなど)
  • 降圧剤(フェロジピンなど)
  • 一部の抗アレルギー薬 など

これらの薬を服用している場合も、グレープフルーツやフラノクマリンを含む柑橘類の摂取には十分な注意が必要です。

参考文献

(文献1)

グレープフルーツと薬物の相互作用 -「健康食品」の安全性・有効性情報|国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

https://hfnet.nibn.go.jp/column/detail825/

(文献2)

3.高血圧 – 薬事情報センター|一般社団法人愛知県薬剤師会

https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3517.html

(文献3)

グレープフルーツの成分と薬物と相互作用について|一宮市立市民病院

https://municipal-hospital.ichinomiya.aichi.jp/data/media/yakuzaikyoku/DRUG_INFORMATION/DI_News/2021/dinews2021.pdf

(文献4)

酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング|医療薬学Vol.32, No.7(2006)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/32/7/32_7_693/_pdf

(文献5)

Vitamin C in Disease Prevention and Cure: An Overview|Indian J Clin Biochem. 2013 Sep 1;28(4):314–328

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3783921/

(文献6)

安全対策業務 Q2.グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか。|独立行政法人医薬品医療機器総合機構

https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0017.html