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こたつの腰痛対策・予防|痛くならない座り方を解説
こたつで過ごす時間が増える冬場は、腰への負担が無意識のうちに蓄積しやすい季節でもあります。実は、何気ない姿勢や座り方が腰痛の悪化を招くケースも少なくありません。
本記事では、こたつによる腰痛の原因や対策、痛みが続く場合に考えられる疾患や治療法について、医学的な視点から詳しく解説します。
腰痛を予防し、寒い季節を快適に過ごすための参考にしてみてください。
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目次
こたつで腰痛になる原因
腰まわりが重だるいと感じているなら、こたつでの姿勢や過ごし方が悪化要因になっている可能性が考えられます。
ここでは、なぜこたつで腰痛が悪化してしまうのか、骨盤の傾き・血流低下・硬い床での座り方の3つの視点から解説します。
骨盤が後ろに倒れてしまう
こたつに座る際、床にそのまま座ったり、背もたれのない状態でリラックスしたりすると、骨盤が後ろに傾きやすくなります。
骨盤の後傾により背骨が丸まると、腰椎(腰の骨)や椎間板に大きな負担がかかる恐れがあるため注意が必要です。
骨盤の後傾が起こると、次のような流れで腰痛が生まれやすくなります。
1.骨盤が後傾し、背骨の自然なカーブが失われる
2.腰椎部・椎間板・筋・靭帯に、不自然なストレスが加わる
3.長時間その姿勢が続くと、筋疲労・血流低下・神経への負荷が増大する
こたつで、「背もたれなしで床に座ったまま」「ソファや椅子に移動せずそのまま」「猫背で前かがみになってしまう」という状況では、骨盤の後傾が起きやすくなります。
こたつに座って腰痛を感じているなら、骨盤の傾きに着目してみましょう。
よくない姿勢で血流が悪くなる
こたつで長時間過ごすと姿勢が固まりやすくなり、筋肉が緊張・硬直してしまう場合があります。
血流が悪くなると、腰まわりの筋肉・靭帯・筋膜が疲れをため込む状態になり、次のような悪循環が起きかねません。
1.筋肉が硬直して動きにくくなり、周辺の血流が悪化する
2.血流が低下して酸素・栄養が届きにくくなり、疲労物質がたまる
3.神経・筋・筋膜に刺激が加わり、痛みを感じる
さらに、こたつの暖かさでリラックスモードに入ると自然と姿勢が崩れやすく、背中を丸めた状態や前のめりになりがちです。
「こたつに入ると動くのが億劫になって、いつの間にか長居していた」「腰がじんわり重だるい」という場合には、血流が悪くなっていないか意識してみましょう。
硬い床に直接座っている
床が硬すぎると背骨に余計な負担がかかり、腰痛の原因になるケースがあります。
とくに、「畳・フローリング+薄い座布団」という状態では、寝具やチェアに比べて支えが乏しいため注意が必要です。
硬い床に直接座り続けると、以下のような状態になる場合があります。
- 坐骨(お尻の下部の骨)に圧が集中し、筋肉・骨・神経に負荷がかかる
- 座る位置が低いため、膝・股関節・腰に不自然な角度が生まれやすい
- 支えがない分、背中や腰の筋が姿勢を保とうとして常に緊張状態になる
上記のような状況では、骨盤・腰椎・筋肉・神経に対し、疲れの蓄積やストレスの継続が起こりやすくなります。
腰痛を軽減するためには、硬い床に直接座らないようにしましょう。
こたつの腰痛対策
こたつで長時間同じ姿勢を続けたり、床に直接座ったりすると、腰に大きな負担がかかるため注意が必要です。
ここでは、こたつを使いながら腰への負担を軽減するための具体的な工夫を紹介します。
クッションや座椅子を活用する
床に直接座ると骨盤が後ろに傾きやすく、腰に負担が集中します。
骨盤の後傾を防ぐためには、クッションや座椅子を使って座面を高くし、骨盤を立てた状態を維持するのが有効です。
とくに、背もたれのある座椅子を使用すると、腰を支える力が分散し、長時間座っていても姿勢が安定します。
座布団を重ねて高さを調整する方法もありますが、すぐにずれてしまう場合は、形状がしっかりしたウレタン素材のクッションや座椅子を利用しましょう。
同じ姿勢を長時間続けない
こたつに入っていると、つい長時間動かずに過ごしてしまうことがあります。
しかし、同じ姿勢を取り続けると筋肉が硬直し、血流が低下しやすくなるため注意しなければなりません。
30分から1時間に一度は立ち上がったり、姿勢を変えたりして、筋肉や関節にかかる負荷をリセットすることが重要です。
とくに、腰まわりや太もも、背中の緊張をこまめにほぐすことで、筋疲労の蓄積を防げます。
こまめに動きを取り入れて筋肉の柔軟性を維持し、腰への負担を減らしましょう。
足元を温める
こたつのヒーターを切ると、上半身は布団で保温されますが、足元に冷えが残る場合があります。
冷えは血管を収縮させて血行不良を引き起こし、筋肉のこわばりや関節の動きにくさの原因になるため注意しましょう。
とくに、足先の冷えは下半身全体の血流を滞らせやすく、腰部の循環にも影響を及ぼします。
厚手の靴下を重ねて履いたり、湯たんぽを使ったりして、足元を集中的に温める方法が効果的です。
また、こたつ布団のすき間から冷気が入り込まないように注意すれば、下半身全体の冷えを防げます。
ストレッチで筋肉をほぐす
座ったままの姿勢が続くと、腰・股関節・背中の筋肉が緊張しやすくなります。
筋肉がこわばると、血流が阻害され、痛みや違和感が現れるケースも少なくありません。
こたつから出るタイミングで軽いストレッチを取り入れることで、筋肉の柔軟性が保たれ、疲労の蓄積を防げます。
おすすめなのは、太ももの裏(ハムストリングス)やお尻の筋肉を伸ばすストレッチです。
無理のない範囲でゆっくり伸ばし、腰部への間接的な負担を軽減していきましょう。
硬い床に直接座らない
硬い床に直接座るとお尻の骨に圧力が集中し、周囲の筋肉や神経にストレスがかかります。
また、床からの冷えで下半身の血流が悪くなると、腰の違和感や痛みが生じやすくなるため注意が必要です。
畳やフローリングの上に、クッション性のあるマットを敷いたり、厚めの座布団を活用したりすることで、硬さによる圧迫を和らげられます。
長時間のこたつ時間を快適に過ごすためにも、冷えと圧迫の両方を防ぐ工夫を取り入れていきましょう。
座椅子に座るならフラットヒーターのこたつを選ぶ
腰痛防止を優先するなら、ヒーターの構造も確認してこたつを選ぶことが大切です。
一般的なこたつは中央にヒーターが突出しているため、座椅子の背もたれがヒーターにぶつかってしまい、無理な姿勢になってしまう場合も少なくありません。
フラットヒータータイプのこたつは、天板の裏に出っ張りが少なく、座椅子を使っても自然な姿勢を保ちやすくなるのがメリットです。
ヒーターの出っ張りがない分、脚を広げたり背中をまっすぐにしたりといった動きもスムーズに行えます。
継ぎ脚でテーブルの高さを調整する
こたつの高さが低すぎると、上半身を前かがみにして食事や作業をする体勢になり、腰や背中に負担がかかります。
このような姿勢が続くと、骨盤の後傾や背中の丸まりにつながり、腰痛が生じる原因になるため注意が必要です。
こたつが低すぎる場合は、継ぎ脚を取り付ける方法があります。
こたつの高さを数センチ上げると姿勢が起きやすくなり、背中を伸ばした状態で座ることが可能です。
とくに、食事やパソコン作業などで長時間こたつを使う場合には、こたつの高さを調整してみましょう。
こたつで寝るときの腰痛対策
こたつで寝る習慣は、腰にとって大きな負担になります。
ここでは、こたつで寝るときに腰の負担をできるだけ抑えるための対策を見ていきましょう。
枕の高さ・角度を調整する
こたつで横になる際、頭の高さが合っていない枕やクッションを使うと、首や腰の自然なカーブが崩れ、腰に余計な負担がかかります。
とくに、枕が高すぎると背骨のS字カーブが乱れ、骨盤や腰椎にストレスが集中しやすくなるため注意しましょう。
逆に、低すぎても首が後ろに反り、肩や腰まわりの筋肉が緊張します。
こたつで横になる場合は、厚すぎないタオルや低めのクッションを使い、首から背中、腰までが緩やかなS字カーブを描く自然なラインを保つ工夫が大切です。
頭から腰までの角度が安定すれば、腰への負担を抑えた状態で仮眠をとれるようになります。
うつ伏せでは寝ない
うつ伏せで寝ると、腰が反った状態で長時間固定される状態になり、腰椎や筋肉への負荷が大きくなります。
結果、背骨全体の配列が乱れ、腰まわりに強い緊張を生じさせる原因になるのです。
また、顔を左右どちらかに向けて寝る姿勢は、首や肩にも無理なねじれが加わります。
こたつで寝るときは、できるだけ仰向けや横向きの姿勢がおすすめです。
仮眠の際には寝姿勢にも十分注意を払い、翌朝の腰痛リスクを軽減していきましょう。
寝る前にストレッチする
こたつで寝る前に軽いストレッチを取り入れると、腰まわりの筋肉がほぐれ、血流を促進する効果が期待できます。
とくに、長時間座っていた後や寒さで身体がこわばっているときには、筋肉が緊張した状態のままで寝ると、起床時に痛みが出やすくなります。
ストレッチは、太ももの裏やお尻、腰の筋肉を中心に、無理のない範囲でゆっくりと行うことが重要です。
筋肉をあらかじめ緩めておくと、睡眠中の姿勢が安定しやすくなり、腰への負担も軽減されます。
こたつの腰痛予防|痛くならない座り方
こたつで過ごすとき、注意すべきは骨盤の傾きです。
床に直接座ったり、背もたれがない状態で前かがみになったりすると、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まり、腰椎に大きな負担がかかります。
骨盤が後ろに倒れた姿勢が長時間続くと、筋肉が緊張し血流が悪化するため、立ち上がったときに腰の痛みを感じる原因になるのです。
こたつを使う際は、座面に厚めのクッションを敷いて骨盤が立ちやすい高さを確保するほか、できれば背もたれ付きの座椅子を使うと姿勢が安定します。
骨盤を垂直に保って腰の自然なカーブを意識すると、こたつに座った状態でも腰への負担を最小限に抑えられるので実践してみてください。
こたつで腰痛が続くなら要注意|隠れた疾患の可能性
こたつで過ごした後に腰痛が長引く場合、単なる姿勢の問題だけでなく、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの疾患が隠れている可能性があります。
とくに腰から脚にかけてのしびれ、片側の足の筋力低下、長時間歩くと脚が痛むといった症状がある場合は注意が必要です。
保存療法で改善が見られない場合は、再生医療も選択肢になります。
再生医療には、幹細胞を患部に投与する「幹細胞治療」や、血液に含まれる成長因子の働きを活かす「PRP療法」があり、いずれも入院や手術を伴わず、日帰りで施術可能です。
体への負担が少ないため、術後の後遺症や慢性的な症状に悩む方の選択肢の一つとなります。
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対する再生医療の内容については、以下の症例記事をご覧ください。
まとめ|こたつに正しく座って腰痛を予防しよう
こたつでの腰痛は、姿勢や座り方を見直すことで大きく軽減できます。
座椅子やクッションの工夫、定期的なストレッチ、体を冷やさない配慮など、日常の工夫で腰への負担を減らしていきましょう。
ただし、痛みやしびれが続く場合は、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛といった疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
保存療法で改善しないケースでは、手術を避けたい方に適した新しい治療法として、再生医療という選択肢もあります。
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こたつの腰痛に関するよくある質問
テレワークでパソコン作業するのに適したこたつは?
こたつでテレワークやパソコン作業を行う場合、座面の高さと硬さが腰に影響します。
座面が高すぎると足を伸ばしにくくなり、低すぎると前かがみの姿勢になりやすいため、どちらも長時間の作業には不向きです。
また、座面が柔らかすぎると骨盤が後ろに倒れやすくなり、腰椎に無理な力が加わります。
作業しやすい高さのこたつを選ぶほか、適度な硬さと高さを備えた座椅子やクッションを組み合わせると良いでしょう。
堀ごたつは腰痛防止に向いている?
堀ごたつは、腰痛防止に向いています。
床面を掘り下げて椅子のように座れる構造で、腰にかかる負担を軽減しやすいのが特徴です。
足を下ろせるスペースがあるため骨盤が立ちやすく、背筋を伸ばした姿勢を保ちやすくなります。
通常のこたつよりも自然な座位姿勢がとれるため、腰痛が気になる人にとって有効です。













