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五十肩(四十肩)の治し方を経過別に解説!適切なストレッチの一例も

五十肩の治し方
公開日: 2026.02.27

「五十肩の治し方を知りたい」
「ストレッチなど自分で取り組めることはある?」
「やってはいけないことはある?」

五十肩は回復経過に沿った治療が必要です。経過に応じた適切な治療やリハビリを進めなければ、悪化するおそれもあるため注意が必要です。

本記事では、五十肩の回復経過の詳細をはじめとして以下を解説します。

症状チェックリストについても解説しているため、自分がどの段階であるのかの目安を知ることができます。回復経過に応じた適切な治療を進めるために本記事を参考にしてください。

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五十肩(四十肩)の治し方は経過によって異なる

五十肩は、以下のような回復経過をたどり、各時期によって治療方針が異なります。

経過 病状 治療方針
炎症期 ・炎症が起きている
・強い痛みがある
・理学療法(肩の使い方と休め方の指導)
・薬物療法(痛み止めの内服薬や湿布、注射)
拘縮期
(こうしゅくき)
・痛みが治まってくる
・肩の動きが悪くなる
・理学療法(徐々に肩を動かす機会を増やす)
・薬物療法(必要により継続する)
寛解期
(かんかいき)
・痛みがほぼ消失する
・肩のを動きが徐々に良くなる
・理学療法(積極的に肩を動かす機会を増やす)

五十肩の治療は理学療法や薬物療法による保存療法が基本です。拘縮期を過ぎても肩の動きが改善しない場合は、手術を行う場合もあります。

経過別の五十肩の治し方【症状チェックリスト】

以下は五十肩の経過を判断する簡易的なチェックリストです。

症状チェックリスト チェック
①夜間に肩の痛みがある
②起床時に肩の痛みがある
③反対側の肩を触れられない
④脇を締めて腕を外に広げられない
⑤背中が触れられない
⑥おへそが触れられない
⑦着替えがしにくい
⑧髪が洗いにくい
⑨肩より上に手を挙げづらい
結果の見方 病期
①か②があてはまる+③~⑨が3つ以下 炎症期
①か②があてはまる+③~⑨が4つ以上 拘縮期
①と②もあてはまらない+③~⑨が1つ以上 寛解期

文献1

これらはあくまでも目安です。正しい診察を受けるために医療機関の受診を推奨します。

ここからは、経過別の五十肩の治し方について解説します。

炎症期|安静に過ごす

炎症期は肩に炎症が起きている状態で、安静時や夜間に痛みが現れるのが特徴です。無理に動かすと症状が悪化するため安静にする必要があります。

肩に負担を与えず安静に過ごすポイントは以下の通りです。

仰向けに寝る場合 肘の下にクッションなどを敷き、肘が肩よりも下がらないようにする
横向きに寝る場合 痛みのある肩は上側にして、肩が内側に下がらないようにクッションを脇に挟む

肩を動かさないことで拘縮(こうしゅく:関節や筋肉が硬くなること)が進んでしまいますが、安静に過ごして炎症を鎮めることが優先です。

医療機関を受診すれば、肩の休め方と使い方の指導、痛みを軽減する内服薬と湿布の処方をしてもらえます。痛みが強い場合は炎症を鎮める注射も有効です。

拘縮期|患部を温める

拘縮の症状が中心に現れる時期です。肩の痛みは治まっていきますが、あらゆる方向に対して肩の動く範囲が狭くなります。入浴やホットパックで肩周りを温めて筋肉をほぐし、無理のない範囲でゆっくりと肩を動かしていく必要があります。

医療機関で行う治療は、以下のような理学療法が中心です。

理学療法 詳細
物理療法 専用の医療機器を用いて筋肉の緊張や痛みを軽減する
徒手療法 理学療法士の手によって関節や筋肉の柔軟性の改善を図る
運動療法 適切な運動により関節や筋肉の活動性を高める

理学療法は、炎症期から拘縮期に移行する時期に行うのが重要と考えられているため、医療機関で適切な治療やリハビリを受けることを推奨します。なお、痛みの程度によって薬物療法は継続します。

寛解期|積極的に動かす

痛みがほぼなくなり肩の動きが徐々に良くなる時期です。積極的なリハビリで肩の動く範囲を回復させる必要があります。患者様自身でストレッチやエクササイズを行い、肩を動かす機会を増やしていくのが重要です。

医師や理学療法士の指導を受けながら、適切なストレッチやエクササイズを行ってください。ただし、ストレッチなどを行っても「肩の動きが改善しない」「痛みが増す」場合は、速やかに中断して医師に相談しましょう。

なお、拘縮期を過ぎても肩の動きが改善しない場合は、鏡視下肩関節授動術(きょうしかかたかんせつじゅどうじゅつ)という手術を行うことがあります。

鏡視下肩関節授動術とは、拘縮の原因となっている関節包(かんせつほう:関節を包む膜のような組織)を切り、拘縮を改善する手術です。

五十肩の痛みに対する再生医療

五十肩の痛みに対して再生医療でアプローチする選択肢があります。再生医療とは、自己の細胞を痛みのある部位に投与して、体が本来持つ自然治癒力を活性化させる治療方法です。

具体的な治療方法は以下の通りです。

再生医療の種類 詳細
幹細胞治療
(かんさいぼうちりょう)
組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法
PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法

五十肩に対する当院の再生医療の症例については、以下を参考にしてください。

自分で取り組める五十肩の治し方

自分で取り組める五十肩の治し方には、以下のような方法があります。

それぞれについて詳しく解説します。

適切なストレッチを行う

経過に応じた適切なストレッチやエクササイズは、筋肉をほぐして関節の動く範囲の拡大につながります。

経過 エクササイズ 手順
拘縮期 膝上運動 1.椅子に座り膝に手を置く
2.手のひらを太ももの上で滑らせながら腰に手を移動させる
テーブル運動 1.テーブルの前に立ちタオルを敷く
2.肘を伸ばしてタオルに両手を付ける
3.そのままの状態で体を前に倒しながら手を滑らせる
寛解期 Y-W運動 1.椅子に背筋を伸ばし座る
2.両腕を広げて肘を曲げた状態で肩付近まで挙げる
3.両腕を斜め上45°に広げる
4.両肘を脇に付けるように肩甲骨を寄せる
前後運動 1.タオルを用意し立位の姿勢をとる
2.体の前でタオルを両手で肩幅程度に持つ
3.タオルを持ったまま両腕を肩の高さまで挙げる
4.息を吐きながら腕を前方へ伸ばし、骨盤を後方へ引いて背中を丸める
5.タオルを体の後方へ回し、お尻のあたりで肩幅程度に持ち直す
6.息を吸いながら肩甲骨を中央に寄せるイメージで胸を張る

それぞれ10〜15回を目安にして、1日2〜3回セット行いましょう。

肩に負担をかけない動作を習得する

五十肩を治すには肩に負担をかけないことも重要です。

肩に負担をかけない動作のポイントは以下の通りです。

  • 物を取る際は腕だけを伸ばすのではなく、体ごと対象物の正面に向ける
  • 荷物を手で持つのはできるだけ避け、リュックサックや買い物カートを活用する
  • 衣服を着るときは、痛みのある側の腕から袖を通し、脱ぐときは痛みのない側から抜く
  • 長時間の運転はできるだけ避け、脇が開きすぎないようシートを前に調整する
  • 座っているときは、肘掛けにタオルなどを敷いて高さを調整し肩への負担を減らす

日常の動作における肩への負担を軽減し症状の悪化を防ぎましょう。

生活習慣を改善する

以下のような方は五十肩になりやすいとされています。

  • 血糖値の高い方
  • 中性脂肪値や悪玉コレステロール値が高い方
  • 甲状腺の病気がある方
  • デスクワークなどにより長時間の同じ姿勢が多い方

糖尿病や脂質異常症、甲状腺の病気などがある方は適切な治療を受けてください。また、血糖値や中性脂肪値などが高めである方は、食生活の改善や適度な運動習慣を取り入れて、生活習慣病を予防しましょう。

長時間の同じ姿勢が多い方は、時々休憩をして「肘で円を描くように肩を回す体操」などを行い、肩周りの筋肉をほぐすのが効果的です。

五十肩の方がやってはいけないこと

五十肩の方がやってはいけないことは以下の通りです。

それぞれについて詳しく解説します。

治療を受けずに放置する

五十肩は自然治癒するとされていますが、適切な治療を受けずに放置していると、肩の動く範囲が狭くなる後遺症が発生するおそれがあります。たとえ自然治癒したとしても、原因となる不良姿勢や生活習慣病などを治療しないと再発するリスクもあります。

以下のような症状がある方は五十肩を疑ってください。

  • 肩を動かすと鋭い痛みがある
  • 安静にしていても肩が痛い
  • 夜間にズキズキとした肩の痛みがある

後遺症を発生させないためには、炎症期から拘縮期の治療やリハビリが重要です。疑われる症状がある方は医療機関を受診してください。

痛みがあるときに無理に動かす

炎症期に無理な運動をすると炎症が悪化し、回復が遅れるおそれがあります。肩を動かした際の鋭い痛みや夜間のズキズキとした痛みは、炎症期の症状の特徴であるため、無理に動かすのは避けてください。

痛みのない程度に動かすのは問題ありません。とはいえ、無理な動きをしてしまうと悪化するおそれがあります。医療機関を受診して、適切な動作の指導を受けることを推奨します。

自己流のストレッチやマッサージを行う

自己流のストレッチやマッサージを行うのは避けてください。誤った方法は、症状を悪化させて回復を遅らせるおそれがあります。

また、ストレッチなどを積極的に行い始めるのは寛解期に入ってからです。自分で行う前に、医師や理学療法士のもとで適切な治療と指導を受けてください。

まとめ|五十肩は経過に応じた適切な治療が重要

五十肩は回復経過に応じた適切な対応と、専門的治療を組み合わせることで改善が期待できます。例えば、炎症期においては安静を保ち炎症を鎮めることを優先しなければなりません。必要時、痛み止めの服用や湿布の活用、炎症を鎮める注射なども行います。

拘縮期と寛解期においては、痛みの具合を確認しながら徐々に肩を動かすストレッチやエクササイズを取り入れます。この間に誤ったストレッチやエクササイズをしてしまうと、回復を遅らせるリスクもあります。医療機関を受診して、医師や理学療法士から回復経過に応じた適切な治療と指導を受けてください。

当院「リペアセルクリニック」では、五十肩に対して再生医療を行っています。気になる症状がある方はお気軽にご連絡してください。

五十肩の治し方に関するよくある質問

ストレッチは効果がある?

時期と方法を適切に選べば効果的です。誤った方法や炎症期におけるストレッチは、症状を悪化させるおそれがあります。セルフストレッチは、医師や理学療法士の指導を受けましょう。

一瞬で治す方法はある?

即効性のある治療方法は存在しません。ステロイド注射などは炎症を鎮めて痛みを軽減する治療であり、関節の硬さなどが改善されるわけではありません。五十肩の治療は1年から3年ほどかかります。(文献1

五十肩の症状に似た病気はある?

五十肩と似た症状が現れる病気には、インピンジメント症候群や腱板断裂(けんばんだんれつ)などがあります。原因や治療方法が異なるため、正しい診断を受けて適切な治療を受けることが重要です。

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参考文献

(文献1)
理学療法ハンドブックシリーズ13 肩関節周囲炎|日本理学療法士協会