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- 肘関節、その他疾患
- 肘関節
「テニス中に肘の外側を痛めた」 「テーピングをしながら様子を見ているけれど、本当に効果があるのかを知りたい」 このようなお悩みを持たれている方もいらっしゃることでしょう。 テーピングには、ケガの防止や応急処置など、複数の目的や効果があります。 本記事では、テーピングの方法や目的、効果などについて解説します。 整形外科を受診するタイミングについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 肘の外側におけるテーピングの巻き方 ここでは、肘の外側が痛むときのテーピング方法を紹介します。第三者に巻いてもらう方法です。 本項目で紹介する方法では、キネシオロジーテープと呼ばれるテープを5本使用します。キネシオロジーテープとは、皮膚にしっかりと貼りつく伸縮性があるテープで、筋肉や筋膜の動きをサポートしたり循環を良くしたりする働きがあるものです。(文献1) また、以下で紹介しているものはあくまでも一例です。テーピングの方法は使用するテープによって異なります。購入したテープの取扱説明書や注意書きなどをよく読んでから行いましょう。 1本目の巻き方:短橈側手根伸筋の補助 1本目のテープを巻く前に、肘を90度に曲げて、手首を手のひら側に向けてください。その体勢で、肘から手首に向かってテープを貼ります。 テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 2本目の巻き方:総指伸筋の補助 1本目のテープと同じく、肘から手首に沿ってテープを貼ります。貼る場所は、1本目のテープよりも、やや小指側です。 1本目同様に、テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 3本目の巻き方:長橈側手根伸筋の補助 1本目、2本目のテープと同じように、肘から手首に沿ってテープを貼ります。貼る場所は、やや親指側です。 1本・2本目同様に、テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 4本目の巻き方:手首の補助 テーピング前に、手首の位置を元に戻します。それから手首の周りに沿って、テープを巻いていきましょう。 テープは手首を1周できる長さに合わせてカットしてください。 5本目の巻き方:前肘部の補助テープ 5本目のテープは、前肘部の内側を一周させるようにして巻きます。その際、テープが肘にかからないようにしてください。 テープは前肘部を1周できる長さに合わせてカットしてください。 肘の外側にテーピングを行う目的 肘の外側にテーピングを行う目的は、主に以下の3つです。 外傷予防 応急処置 再発予防 外傷予防 肘の外側にテーピングする目的の1つが、ねんざや打撲といった外傷の予防です。ケガをしていない部分をテーピングで固定し、関節の保護や可動域制限をはかります。 肘関節以外で外傷予防のテーピングが行われている部位は、足関節や手関節、指関節などです。(文献2) 応急処置 テーピングは、ねんざや打撲といった外傷に対する応急処置にも使われます。 以前、外傷の応急処置は、RICE(ライス)と呼ばれていました。 Rest:休ませる Ice:冷却する Compression:圧迫する Elevation:挙上する 現在は一部変更されて、PORICE(ポリス)と呼ばれています。 Protection:保護する Optimal Loading:適切な負荷をかける Ice:冷やす Compression:圧迫する Elevation:挙上させる テーピングは、圧迫の役割を担います。 PORICEをはじめとする捻挫の応急処置については、下記の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 再発予防 テーピングの目的で最も多いとされるものが、外傷の再発予防です。(文献2) 一度損傷した関節は不安定さが残り、通常とは異なる方向に動くこともあります。関節の動揺性と呼ばれるものです。不安定な関節をテーピングで補強および安定させることにより、動揺性が軽減され、同じ場所での外傷を防げます。 肘の外側へのテーピング効果 肘の外側にテーピングする効果は、主に以下の2つです。 痛みを軽減する 精神的な負担を軽減する 痛みを軽減する テーピングは、関節の部分的な圧迫および可動域制限により、痛みを軽減する効果があります。 外国の研究論文では、テーピングはサポーターよりも肘の外側痛を軽減する効果があると示されました。(文献3) ただし、テーピングに直接の治療効果はありません。テーピングをしていても、無理な運動をした場合は、ケガが悪化する可能性があります。 精神的な負担を軽減する 肘や膝といった関節のケガは再発しやすいといわれています。再発への不安がストレスになることもあるでしょう。 痛みやケガの原因にあわせた正しいテーピングにより、再発への不安を軽減できます。ストレス軽減のためにも、テーピングは正確に行いましょう。 肘の外側にテーピングする際の注意点 肘の外側にテーピングする際の注意点は、主に以下の2つです。 長時間のテーピングは控える 必要以上に圧を強めない 長時間のテーピングは控える 再発予防のために行う運動時のテーピングは、3~4時間が限度です。応急処置目的で行う安静時のテーピングは、一般的に3日間程度を目安とすることが推奨されています。 同じテープを長時間貼り続けると、皮膚に汗や汚れが付着して、かぶれを引き起こす可能性があります。 必要以上に圧を強めない 必要以上に強い圧でテーピングを行うと、痛みやしびれなどの血行障害および、筋肉や腱の損傷を引き起こす可能性があります。テーピングの過度な圧迫により、末梢神経が圧迫され、しびれや感覚異常などの神経障害が生じる可能性もゼロではありません。 テーピング時は、テープが皮膚に食い込んでいないか、痛みやしびれがないかなどを確認しましょう。 テーピングで肘の外側痛が改善しない場合は医療機関を受診しよう テーピングの主な効果は痛みの軽減ですが、施術しても改善しないケースもあります。 強い痛みのため日常生活に支障をきたしている、腕を動かすことが難しいといったときには、速やかに医療機関を受診して診察や治療を受けましょう。 当院においても、肘関節痛の治療を行っております。メール相談やオンラインカウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。 肘の外側の痛みとテーピングに関するよくある質問 ここでは、肘の外側の痛みとテーピングに関するよくある質問を2つ紹介します。 寝るときはテーピングを外した方が良いですか? 基本的に寝るときはテーピングを外す方が良いでしょう。長時間のテーピングは、皮膚のかぶれや血行障害を起こす可能性があるためです。 またテーピングの効果は、関節可動域の制限による外傷および再発の予防です。寝ているときは関節を大きく動かすことが少ないため、テーピングの効果も少ないといえます。 肘の外側が痛いときの治し方を教えてください 肘の外側が痛むときの治療法は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服や湿布薬の利用、ステロイド注射、手術療法などです。 医療機関によっては、再生医療による治療も行っています。肘の痛みで手術を受けたくない方は、再生医療も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。 リペアセルクリニックでは、再生医療による肘関節痛の治療を受けられます。メール相談やオンラインカウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 日本医事新報社「テーピングの基本」日本医事新報社ホームページ https://www.jmedj.co.jp/files/item/books%20PDF/978-4-7849-5873-3.pdf(最終アクセス:2025年3月19日) (文献2) 日本スポーツ協会「テーピング 総論」日本スポーツ協会ホームページ https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/AT/text2018.06taping.pdf(最終アクセス:2025年3月19日) (文献3) Alireza Shamsoddini. (2019).The Immediate Effect of Taping and Counterforce Brace on Pain and Grip Strength in Patients with Tennis Elbow.Journal of Archives in Military Medicine, 7(1-2),pp.1-5. https://brieflands.com/articles/jamm-86314.pdf(最終アクセス:2025年3月19日)
2025.03.31 -
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「肘の外側が痛い」 「ツボを押すと痛みが楽になると聞いたので、詳しいことを知りたい」 このような思いや疑問を持たれている方も多いことでしょう。 肘の外側には痛みに対して有効なツボがいくつかあります。 本記事では、肘の外側にあるツボの効果や、ツボ押し以外のセルフケア、医療機関での治療内容について解説します。 肘の痛みに関する複数の対処法がわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。 肘の外側にあるツボ|曲池(きょくち) 曲池は、肘を曲げたときにできるシワの外側、一番端にあるツボです。 効果 肘から腕、肩にかけての痛みやこりに有効です。上半身の血行促進や、免疫系の調整にも効果があるとされており、東洋医学において重要なポイントであるといわれます。 押し方 押すときは、反対側の中指を使います。1・2・3とカウントしながら押して、4・5・6とカウントしながら指を離してください。押すときに息を吐き、離すときに息を吸います。 強く刺激しないように、優しく押しましょう。 肘の外側にあるツボ|肘髎(ちゅうりょう) 肘髎は、曲池のツボから肩側に向かって親指一本分上のところにあります。 効果 肘関節の痛みをはじめとする上肢の不調に有効なツボです。テニス肘や野球肘と呼ばれる、スポーツ障害にも効果があるツボで、上肢の血行を促進します。 押し方 反対側の親指で、軽く押します。1・2・3とカウントしながら押して、4・5・6とカウントしながら指を離してください。押すときに息を吐き、離すときに息を吸います。 強い刺激は避けて、痛いけれど気持ちが良い程度の強さで押しましょう。 肘の外側にあるツボ|手三里(てさんり) 手三里は、肘の外側から指三本分下(手首側)にあるツボです。 効果 肘や肩、腕の痛みやこりなどの不調に有効なツボです。胃腸の調子を整えたり、免疫力をアップしたりする効果もあります。 押し方 反対側の親指で軽く押します。1・2・3とカウントしながら押して、4・5・6とカウントしながら指を離してください。押すときに息を吐き、離すときに息を吸います。 皮膚に傷や炎症があるときはツボ押しを避けてください。強い刺激ではなく、痛いけれど気持ちが良い程度の強さで押しましょう。 肘の外側が痛む原因 肘の外側のツボ部分や、その周辺が痛む原因としてあげられるのは、主に以下の3つです。 上腕骨外側上顆炎(テニス肘) 変形性肘関節症 肘頭滑液包炎 症状や原因を表で示しました。 病名 症状 原因 上腕骨外側上顆炎 物を持ち上げたときや手首を動かしたときに、肘の外側が痛む 肘から前腕にかけての部分を繰り返し動かすことによる炎症が原因 テニス肘とも呼ばれるが、日常生活上の動作でも発症する場合がある 変形性肘関節症 肘の痛みや動かしにくさなどが生じる 加齢や肘の使いすぎなどによる、肘関節の軟骨の変形が原因 肘頭滑液包炎 肘がブヨブヨと腫れて、痛みが生じる 肘の使いすぎや炎症、細菌感染などが原因 以下の記事でも、肘の外側が痛む原因について解説していますので、あわせてご覧ください。 【関連記事】 テニス肘とは、テニス経験がなくても発症します!肘の痛みでお悩みの方へ 肘頭滑液包炎とは?肘が腫れてブヨブヨ痛い症状・治療法について現役医師が解説 肘の痛みに対するツボ押し以外のセルフケア 肘の外側が痛むときの対処法(セルフケア)は、ツボ押し以外にも複数あります。 主なセルフケアは以下のとおりです。 安静 アイシング ストレッチ サポーター着用 安静 肘に痛みを感じたときは、無理に動かさず安静にしましょう。肘を休ませることで痛みが和らぐケースが多くあります。 長時間のスマホ操作や、重い荷物を無理して持つなどの動作は、肘に負担がかかる原因です。できる限り控えてください。 痛みを我慢して動かすと症状が悪化したり、長引いたりします。無理をせず早めに対処することが大切です。 アイシング 肘が痛むときは、炎症が起きていると考えられます。冷たいタオルや氷のう、アイシングサポーターなどを活用して痛みがある部分を冷やしましょう。冷やすことで炎症が抑えられて、痛みが軽減します。 なお、冷湿布には炎症を抑えたり痛みを和らげる作用があるものの、冷やす効果は少ないとされています。(文献1) ストレッチ ストレッチによる手首や指の曲げ伸ばしは、肘への負担軽減や痛みの予防に有効です。 ストレッチの方法は以下のとおりです。 腕を前に伸ばして、手のひらを下に向ける 反対の手で、手首をゆっくり曲げる 気持ち良いと感じる部分で止めて、15秒ほどキープする 痛みが強いときは無理に動かさないでください。 サポーター着用 肘用のサポーターには、関節を固定して保護するはたらきや、肘への衝撃を吸収して痛みを和らげる効果があります。また、筋肉や腱への負担を軽減する役割もあります。 日常生活の中で生じた痛み、スポーツで酷使したことによる痛み、両方に有効です。 サポーター着用時は、ずれやゆるみがないように調整して、きつく締めすぎないようにしましょう。きつく締めすぎると、血行不良により痛みやしびれが悪化する可能性があります。 肘用のサポーターは、痛むときの対処だけではなく、予防にも有効です。 肘の外側が痛むときの治療法 ツボ押しを含めたセルフケアを続けても、肘の外側が痛む場合は、整形外科で治療を受けましょう。 医療機関での治療法は主に以下のとおりです。 薬物療法 ステロイド注射 手術療法 再生医療 薬物療法 NSAIDsと呼ばれる、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニン、フェルビナク、モービックなど)の内服薬や湿布薬が処方されます。 内服薬を長期間飲み続けると、胃もたれや腹痛といった消化器系の副作用が出る場合もあります。薬を飲んでいて、副作用と思われる症状が現れた場合は、速やかに医師もしくは薬剤師に相談しましょう。 ステロイド注射 物が持てないほどの強い痛みがあるときや、痛みにより日常生活に支障をきたしているときには、ステロイド注射をする場合もあります。 ステロイド注射による鎮痛効果は、1~2か月程度続きますが、その後再び痛み出す場合もあります。根本的な治療ではなく、保存療法の1つと考えると良いでしょう。 ステロイド注射で痛みを和らげている間に、並行してリハビリを行い、根本的な症状改善につなげるケースもあります。 手術療法 薬物療法やステロイド注射を続けても痛みが治まらないときには、手術をする場合もあります。肘の外側の変形した部分や炎症を起こしている部分(腱組織や滑膜ヒダなど)を切除する手術です。 肘の外側を切開して行う方法や、内視鏡を用いて肘関節内から変性部分を切除する方法などがあります。(文献2) 損傷した腱や靱帯の手術に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 再生医療 肘の痛みを治療する選択肢の1つが再生医療です。自分の脂肪や血液から採取して培養した幹細胞を身体に戻す幹細胞治療や、血小板を多量に含む血漿を患部に注射するPRP療法などがあります。 幹細胞治療もPRP療法も、自分の脂肪や血液由来のものを使用するため、アレルギー反応や拒絶反応などの可能性が低い治療法です。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。肘の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 肘の外側が痛むときはツボや各種セルフケア、病院での治療で対処しよう 肘の外側が痛む原因は、肘の使いすぎや加齢による変化、炎症などさまざまです。 肘の外側が痛むときは、ツボ押しを含めたセルフケアを行い、それでも治らない場合は我慢せずに整形外科を受診しましょう。 薬物療法やステロイド注射、手術療法といった治療を受けられます。 再生医療も選択肢の1つであると覚えておくと良いでしょう。 肘の外側のツボに関するよくある質問 ここでは、肘の外側にあるツボに関するよくある質問を2つご紹介します。 スマホ肘に効くツボはどこですか? スマホ肘とは、長時間スマホ利用が原因で起こる、肘の痛みやしびれなどの症状です。 スマホ肘には、「曲池」や「手三里」などのツボが有効とされています。自分でツボを押すほか、鍼灸院でハリやお灸などの施術を受けることもツボ療法の1つです。 肘の内側のツボが痛む原因は何ですか? 肘の内側のツボが痛む原因としては、以下のようなものがあげられます。 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘) 変形性肘関節症 肘部管症候群 本記事で紹介したツボやセルフケアで痛みが引かないときは、整形外科を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 奈良県医師会「湿布を正しく使えていますか?」奈良県医師会ホームページ, 2023年12月8日 https://nara.med.or.jp/for_residents/16053/(最終アクセス:2025年3月19日) (文献2) 社会福祉法人恩賜財団済生会支部北海道 済生会小樽病院「肘外側の痛み、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)をご存知ですか」済生会小樽病院ホームページ https://www.saiseikai-otaru.jp/hotnews/detail/00001039.html(最終アクセス:2025年3月19日)
2025.03.31 -
- テニス肘
- 肘関節、その他疾患
- 肘関節
朝起きてふとコップを持っただけなのに、肘の外側にズキッと痛みが走る。こんな経験はありませんか?何もしていないのに肘の外側が痛い場合、最も多い原因はテニス肘(上腕骨外側上顆炎)と呼ばれる状態です。 テニス肘とは名前のとおりテニスが原因で起こる肘の障害ですが、実際にはテニスなどのスポーツをしていなくても誰にでも生じる可能性があり、むしろテニス肘を発症した人の90%以上はテニス以外の要因で起こっているとの報告もあります。(文献1) もともとテニス肘は中年以降のテニス愛好家が発症しやすいためその名前がつきました。しかし、テニスをやってなくても肘の外側が痛むと、雑巾を絞る、物を持ち上げるといった何気ない動作でも痛みが走り、生活に支障をきたします。 本記事では、肘が痛くなってしまう主な原因と、肘外側の痛みを和らげるセルフケアの方法、さらに専門的な治療法について解説します。併せて、症状が長引く場合の受診の目安や早めに対策する重要性についても触れていきます。 何もしてないのに肘の外側が痛む主な原因 肘の外側が痛むと聞くと、テニス肘を連想される方も多いでしょう。しかし運動習慣がない場合でも、長時間のデスクワークやスマホ操作、重いものを持ち上げるなど思わぬ動作で肘周囲に負担がかかっている可能性があります。 パソコン作業やスマホ操作では肘や前腕の筋肉を固定した姿勢を長時間続けることが多く、それが腱の炎症を引き起こす原因になり得るのです。代表的な疾患から、その他の疾患によって発生した原因についてもみていきましょう。 テニス肘やスマホ肘などの代表的疾患 肘の外側が痛む原因としてまず疑われるのがテニス肘です。テニス肘は正式名称が上腕骨外側上顆炎と呼ばれ、肘の外側にある腱が使い過ぎによって損傷、変性すると起こる障害です。 ものをつかんで持ち上げたり手首をひねる動作で肘の外側に痛みが生じ、安静にしているときには痛みがほとんどないことが特徴です。(文献2) 繰り返しの手首や指の動作により肘の腱付着部(外側上顆)に過度の負担がかかると、小さな断裂や腱の摩耗が蓄積して炎症と痛みを引き起こします。(文献3)このため、テニスなどのスポーツ選手だけでなく、パソコン作業や家事など日常生活で手首・肘をよく使う人にも起こり得ます。 実際、テニス肘は肘の痛みの原因として非常に一般的で、米国の統計では人口の約3%が毎年発症するとされています。(文献1)また、近年スマートフォンやパソコンの使い過ぎによるスマホ肘と呼ばれる症状も増えています。 スマホ肘の多くはテニス肘、またはゴルフ肘として診断されますが、とくに肘の外側に痛みが出るケースが多いとされています。(文献4)スマホの画面を指でタッチしながらスライドさせる操作を頻繁かつ長時間続けたり、スマホ本体を長時間手で支えて持つような動作が肘に負担をかけ、腱付着部に炎症が起こって痛みが発生します。 症状としてはテニス肘と同様に、手のひらを下に向けて物を持ち上げたりドアノブを回す動作で肘に鋭い痛みが走り、逆にこうした動作をしなければ痛みはあまり出ない点が特徴です。スマホ肘も基本的にはテニス肘と同じく使い過ぎによる腱の障害なので、原因となる動作を控えて安静にすると、自然に改善します。 テニス肘について気になる方は、以下解説した別の記事についてもあわせてご確認ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 神経痛やその他疾患との関係 肘の外側の痛みは、多くの場合は筋肉や腱の問題(いわゆるテニス肘)ですが、神経の痛みが関与しているケースも考えられます。 肘の周囲には橈骨(とうこつ)神経など複数の神経が走行しており、神経が圧迫・刺激されると肘の外側の痛みや腕の不調が生じます。(文献5) 例えば、橈骨神経が肘付近で締め付けられる後骨間神経症候群(橈骨トンネル症候群)は、肘から前腕にかけての痛みや手指の麻痺を引き起こし、テニス肘と症状が似ているためテニス肘と誤認されることもあります。 一方で、肘の内側に痛みやしびれが生じる場合は、尺骨神経が肘の内側で圧迫される肘部管症候群の可能性があります。 肘部管症候群では、肘の内側(小指側)に痛みが走るほか、手の小指や薬指にしびれ、感覚麻痺が現れるのが典型的な症状です。肘の外側が痛むテニス肘とは症状の部位が異なるため、しびれを伴う場合はこのような神経障害との鑑別が必要になります。 そのほか、肘の関節自体の疾患が痛みの原因となることもまれにあります。例えば、肘の内側の尺骨神経が圧迫されて発症する肘関節の変形性関節症も原因のひとつに考えられます。 しかし、肘関節の変形性関節症は明らかな外傷歴がある場合や長年にわたり肘関節に負荷がかかった場合に起こることが多く、突然発症するケースは稀です。 肘外側の痛みを和らげるセルフケア 肘の外側の痛みが軽度の場合は、セルフケアで症状が改善されるケースがあります。痛い部分を安静に保ちながら、無理のない範囲で筋肉や腱をほぐすことを心がけましょう。 以下のサポーター活用やストレッチを取り入れるだけで、肘周辺の負担を大幅に軽減できる可能性があります。 サポーターの活用 肘の外側の痛みがあるときは、市販の肘用サポーターを活用するのも効果的です。肘の少し下、前腕の部分に専用バンドで圧迫を加えると、肘の腱付着部への負荷が分散され痛みが軽減します。(文献5)(文献7)サポーターを使用する目的としては、肘を曲げて伸ばした際の腱の付着部にかかる緊張を緩和するためです。 正しい位置や装着方法については医師や理学療法士に相談して、自分に合った使い方を指導してもらいましょう。 ストレッチの実施 痛みを和らげ、再発を防ぐにはストレッチによるケアも重要です。肘の外側に付着する筋肉(手首や指を伸ばす前腕伸筋群)を日頃から柔軟に保つため、手首や指のストレッチをこまめに行いましょう。(文献2) 腕をまっすぐ伸ばした状態で、手のひらを身体の外側に向け、指先を下に向けたまま反対の手で指先をゆっくり押し込んで手首を曲げるストレッチが効果的です。このようなストレッチは可動域の維持や筋力の回復、硬直の緩和に役立ちます。(文献5) 日常動作の改善と定期的なケア 肘の外側の痛みを悪化させないためには、日常生活での動作の工夫や定期的なセルフケアも欠かせません。まず痛みを感じる動作や肘に負担のかかる動作(重い物を持つ、手首を強くひねる作業など)は可能な範囲で控え、同じ動作が続く場合は途中でこまめに休憩を入れるようにしましょう。 とくに近年では長時間のパソコン作業やスマートフォン操作によって肘に負担をかけているケースが多いため、作業環境や姿勢を見直すことも大切です。スマホを使用する際には肘を長時間曲げっぱなしにしない工夫(スマホスタンドを利用する、落下防止用のホールドリングを使う等)をするだけでも肘への負荷軽減に効果があります。(文献4) また可能であればスマホよりパソコンを使う、利き手と反対の手も活用する、といった方法で特定の肘にかかる負担を分散させましょう。痛みが強い間は長時間のスマホ操作は避け、途中で肘を伸ばしたり肩を回したりといったストレッチ休憩を取り入れることも有効です。(文献4) さらに、痛みが和らいだ後も定期的にストレッチや軽い筋力トレーニングの継続が再発予防の鍵となります。 肘周りの柔軟性と筋力を維持すると、肘の痛みの再発防止になります。また、日常生活では肘や手首だけで物を持ち上げず、体全体を使って持つようにする、重い荷物は両手で持つようにする等、動作の癖を見直すことも大切です。小さな積み重ねですが、こうしたセルフケアの継続が肘の健康維持につながります。 何もしてない肘外側の痛みにおける治療について 肘外側の痛みが続く場合、または痛みが強く生活に支障が出る場合には、医療機関での受診を検討しましょう。 X線や超音波などの検査を行うことで、テニス肘をはじめとした、肘の外側の痛みの原因を正確に把握しやすくなります。適切な治療法を選択すると、長期的な改善や再発予防が期待できます。 専門医が行う治療と再生医療の紹介 肘の外側の痛みが長引く場合やセルフケアで改善しない場合は、整形外科など専門医による治療を受けることを検討しましょう。医療機関ではまず痛みや炎症を抑えるための保存的治療が行われます。 保存療法の多くは痛みの軽減に有効で、実際テニス肘患者の80~95%は手術をせずに治療で改善するとの報告もあります。(文献5)以下、専門医が行う治療についてまとめた表になります。 治療法 内容 メリット 注意点 保存療法 痛みや炎症を抑える内服薬・湿布サポーターやテーピングリハビリテーション(ストレッチ・筋力強化)安静・アイシングなど日常生活でのセルフケア 大半のテニス肘は保存治療で改善し、手術を回避できる。治療費や身体への負担が比較的少ない。 改善に時間がかかる場合がある。日常動作の制限やセルフケアの継続が必要。 ステロイド注射 痛みの強い部分にステロイド薬を局所注射し、炎症・痛みを素早く抑制 即効性が高く、痛みを急速に和らげられる。 繰り返しの注射で腱付着部が弱くなるリスク長期的には状態が悪化する可能性があるため、慎重に使用。(文献5) 再生医療 PRP療法・幹細胞治療 血液や細胞を用いて組織の修復力を高める治療法。 PRP療法:高濃度の血小板血漿を注入。成長因子が炎症を抑え、損傷組織の修復を促進。幹細胞治療:脂肪由来などの幹細胞を移植組織の再生をサポート 従来の保存療法で十分改善しない痛みにもアプローチ可能。副作用リスクが低い。(自己細胞由来)入院や大きな手術を必要としない。 保険適用外のため費用は自己負担。症状が重い場合は幹細胞治療を検討するなど、適応を医師と慎重に相談する必要がある。 上記のうち保存療法を中心に行うことでテニス肘は基本的に治療できます。 一方、痛みが慢性化している場合や症状が重い場合には、再生医療も有効な選択肢となり得ます。当院でも、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療を提供しており、肘の痛みを根本から治療します。 再生医療の詳細や適応については当院の別記事でも詳しく紹介しておりますので、興味のある方はぜひご参照ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 受診の目安と早期対策の重要性 何もしていないのに肘の外側が痛む症状が続く場合、どのタイミングで受診すべきか悩まれるかもしれません。一般的には、安静にして様子を見ても痛みが2週間程度改善しない場合や、痛みで日常生活に支障が出ている場合には専門医の受診を検討してください。(文献8) また、肘や指先にしびれや脱力を伴う場合は、できるだけ早めに医師に相談しましょう。明らかな外傷がないのに激しい痛みが急に出現した場合や、肘の腫れ、熱感を伴う場合も感染症や他の疾患の可能性がありますので早急な受診が推奨されます。 痛みが軽いうちに適切な処置を行うことは、長引く肘痛を防ぐ上で非常に重要です。 テニス肘は放置すると慢性化し、治癒までに非常に長い時間を要するケースもあります。逆に、痛みを感じ始めた段階で早期に医療機関を受診し対策を講じれば、治療の選択肢も広がり症状の早期改善が期待できます。 適切な診断と治療を受けることが、肘の健康を守る近道です。 何もしていないのに肘の外側が痛むなら当院にご相談ください 何もしていないのに肘が痛くなる状態はテニス肘が代表的ですが、それだけでなく現代で発症しがちなスマホ肘や、それ以外の疾患による原因も考えられます。 急に痛みを感じても、その裏には腱の損傷や炎症、慢性的な負荷の蓄積など考えられる原因はさまざまですので、自己判断せず早急に診療を受けましょう。つらい肘の痛みを我慢して放置すると症状が長引くだけでなく、日常生活でさらに肘をかばうことで他の部位に負担が及ぶ恐れもあります。 当院では、一人ひとりの症状にあった再生治療を提供しております。何もしていないのに肘の外側が痛いお悩みをお持ちの方は、お気軽に当院にご相談ください。丁寧なカウンセリングと的確な検査によって原因を見極め、早期に痛みを改善して思い切り腕が使える快適な生活を取り戻すお手伝いをいたします。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 (文献1) Cleveland Clinic. Tennis Elbow (Lateral Epicondylitis). Cleveland Clinic Health Library.https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/7049-tennis-elbow-lateral-epicondylitis(Accessed:2025-03-22) (文献2) 日本整形外科学会『テニス肘(上腕骨外側上顆炎)』日本整形外科学会公式サイト.https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html(Accessed:2025-03-22) (文献3) American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS). Tennis Elbow (Lateral Epicondylitis)-OrthoInfo.https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases--conditions/tennis-elbow-lateral-epicondylitis/ (Accessed:2025-03-22) (文献4) 時事メディカル(時事通信社)『物を持ち上げると痛む使い過ぎはスマホ肘に』(福井大学医学部整形外科大木央講師監修)2021年9月11日.https://medical.jiji.com/topics/2247(最終アクセス:2025年3月22日) (文献5) Better Health Channel . Elbow pain.https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/elbow-pain(Accessed:2025-03-22) (文献6) Johns Hopkins Medicine.Cubital Tunnel Syndrome.https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/cubital-tunnel-syndrome(Accessed:2025-03-22) (文献7) 日本臨床整形外科学会『上腕骨外側上顆炎(いわゆるテニス肘)』JCOA健康相談.https://jcoa.gr.jp/上腕骨外側上顆炎(いわゆるテニス肘)/(最終アクセス2025年3月22日) (文献8) Versus Arthritis (UK).Elbow pain – Causes, exercise, treatments.https://www.versusarthritis.org/about-arthritis/conditions/elbow-pain/(Accessed:2025-03-22)
2025.03.31 -
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肘を曲げると急に痛いけどなんの病気? 肘を曲げると痛いのはどうして? 肘が痛いときは病院に行くべき? 急に肘を曲げると痛みを感じて、どんな病気なのか知りたいと思っていませんか? 取り急ぎ病院に行くべきかどうか判断ができれば助かりますよね。 結論、肘が痛いときに考えられる病気は6つあり、痛みの強さや他の症状の有無によっては早期受診が必要です。 本記事では、肘が痛いときに疑われる病気と受診のタイミングについて解説します。 最後まで読み終えると、急な肘の痛みにも落ち着いて対応できるはずです。 肘が痛いときに疑われる6つの病気【原因・対策を解説】 肘が痛いとき、疑われる病気として以下の6つがあります。 上腕骨内側上顆炎 上腕骨外側上顆炎 肘頭滑液包炎 変形性肘関節症 肘の脱臼または骨折 肘の靭帯損傷 病気によって対策が異なるので、肘が痛くて心配な方は専門医に相談しましょう。 スポーツによるケガで肘が痛いなら、再生医療がお役に立てるかもしれません。 当院では、スポーツ外傷に対して再生医療を提供していますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 上腕骨内側上顆炎(別名:ゴルフ肘) 上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)は、肘の内側に痛みが走る病気です。一般にリトルリーガー肘、ゴルフ肘とも呼ばれています。 物をもちながら肘を曲げる動作をくり返すことが原因で起こります。 原因となる動作の具体例は、以下の通りです。 野球で投球する ゴルフでクラブを振りおろす 仕事でハンマーを振る 痛みを改善する方法として、以下があります。 安静にする 患部を冷やす 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用する 始めは動かしたときだけですが、悪化すると安静にしていても痛みを感じるようになります。 安静時にも痛む場合は重症の可能性がありますので、一度専門医にご相談ください。 ▼ゴルフ肘の治し方を知りたい人は以下の記事もご覧ください。 上腕骨外側上顆炎(別名:テニス肘) 上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)は、肘の外側から手首にかけて痛みが走る病気です。テニス愛好家に起きやすいので、別名テニス肘とも呼ばれています。 主に、手首や指を伸ばす動作を繰り返すことで起こります。 テニス肘を発症する具体的な動作は、以下の通りです。 スポーツでラケットを振る 料理で重い鍋を振る 農業で草引きをする 痛みへの対策には以下があります。 安静にする 患部を冷やす 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を内服する 患部をバンドで圧迫する 理学療法を利用する 日常生活を送るのに支障があるほど痛みが強い場合は、専門医に相談するのがよいでしょう。 ▼野球肘については以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。 肘頭滑液包炎 肘頭滑液包炎(ちゅうとうかつえきほうえん)は、肘の先端にある尖った部分(肘頭)にあるクッションの役割をもつ滑液包に炎症が生じる病気です。炎症が起きているため腫れることが多く、感染症が原因になっている場合は熱感が起こることもあります。 原因には以下が考えられます。 肘への直接の打撃 長時間肘をつくことでかかる圧力 黄色ブドウ球菌による感染 リウマチなどの内科疾患 感染が起きているか否かで対策が異なります。 感染症が原因であれば、抗菌薬の内服が必要です。滑液包の内部の液体が多いときは、注射により液体を抜きます。 一方、感染症が原因でない場合の対策は以下です。 患部を冷やす 患部を圧迫する 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を内服する 肘頭滑液包は、悪化すると肘を動かすのも難しくなってしまう病気です。 痛み以外にも腫れや赤みがある場合は早めに専門医を受診しましょう。 ▼肘頭滑液包炎について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は、肘の関節でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減る病気です。軟骨が摩耗する結果、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の過剰な突起物が肘の内側にできます。 骨棘が関節の動きを止めることで肘の動きが制限されるのが特徴です。また、骨棘が折れてしまうと関節内でかけらとなって引っかかるので、ますます関節の動きを止めてしまいます(ロッキング)。 治療には以下が行われます。 固定具を用いて安静にする 消炎鎮痛薬を使用する 理学療法を開始する (重症の場合)人工関節置換術などの手術を行う 肘を思ったように動かせずに困っている人は、一度専門医で検査を受けましょう。 ▼変形性肘関節症で当院の再生医療を受けた患者様のご感想は以下をご覧ください。 https://youtu.be/Fl76KFeikmg?si=Uve4vC7-O1AkvrL&t=112 肘の脱臼または骨折 肘が痛い場合、脱臼や骨折を起こしている可能性があります。 痛みのほかに肘の腫れや変色など、肘周囲の見た目にも症状が現れるのが一般的です。多くの場合は激しい痛みで、肘関節を動かせなくなります。 脱臼か骨折かで対策は異なりますが、いずれもギプスなどで固定し、鎮痛薬を用います。 ギプスを外した後は、理学療法で可動域の回復を目指しましょう。 肘の靭帯損傷 肘の靭帯損傷は、肘関節にある靭帯のいずれかに発生します。部分的な断裂と完全断裂があり、肘関節の脱臼や骨折を伴うこともあります。 代表的な症状は、以下の4つです。 肘の痛み 肘関節の不安定さ 腫れ 可動域の制限 対策としては、以下があります。 肘を固定して安静にする 患部を冷やす 鎮痛薬を用いる 理学療法に取り組む 靭帯がもとに戻るには数週間固定する必要があり、手術が必要なケースもあります。 肘を曲げると急に痛いと感じたときに病院へ受診する3つの目安 急に肘を曲げると痛みを感じるようになったら、病院に受診するか迷いますよね。 ここでは、病院へ受診するタイミングを、以下の3つの目安別に紹介します。 すぐに受診が必要なケース 翌日には受診しておきたいケース 急いで受診する必要がないケース 目安を把握し、いざ受診が必要なときに慌てず受診できるようにしておきましょう。 すぐに受診が必要なケース 肘の痛みですぐに受診が必要なのは、以下のケースです。 日常の動作に支障がでるほど強い痛みがある 痛み以外の症状がある 日常生活に支障をきたすほどの痛みが強い場合、痛み以外に発熱症状がある場合は使いすぎが原因の痛みではない可能性があります。 重篤な病気が隠れていないか確認するべく、専門医を受診しましょう。 ▼肘の腱や靭帯の痛みが対象の再生医療について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 翌日には受診しておきたいケース 翌日の診療時間には受診しておきたいケースとして、以下があります。 安静にしていても痛む ケガのきっかけに心当たりがある 2,3日安静にしていても痛みが改善しない 肘を動かしていない際にも痛みがある場合は、腱や靭帯の損傷が激しい可能性があります。 また、ぶつけるなど痛みが発生するケガをした場合や安静にしていても痛みが改善しない場合は、長引かせないためにも早期に専門家のもとで治療を始めることが大切です。 近医の診察時間内に受診して、指示をあおぎましょう。 急いで受診する必要がないケース 急いで受診する必要がないケースは、ケガのきっかけに心当たりがない場合です。 心当たりのない痛みは、同じ動作をくり返す習慣が原因となる傾向があります。 まずは動作を止めて、安静にして様子を見てみましょう。 痛みが2,3日経っても改善しない場合は、受診するようにしてください。 まとめ|肘が痛いときは安静にして病院を受診すべきか判断しよう 肘関節は日常の動作やスポーツでよく使うので、痛みを生じやすい部位です。痛みがある場合は安静にして、痛みが改善するかどうか確認しましょう。 肘の痛みは、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)や上腕骨外側上顆炎(テニス肘)のように特定の動作を繰り返すことによって生じる炎症が主な原因です。ただし、以下の場合は重篤な病気が隠れている可能性があるので、早めに受診するようにしましょう。 痛みが強くて日常生活に支障がある場合 痛み以外にも症状がある場合 明らかにケガをした場合 2,3日安静にしていても痛みが改善しない場合 病院を受診する目安をもう一度知りたい人は「肘を曲げると急に痛いと感じたときに病院へ受診する3つの目安」を振り返ってみましょう。 あなたの肘の腱や靭帯の痛みが再生医療の対象になるかもしれません。 詳しく知りたい人は以下の記事をご覧いただき、当院へご相談ください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 肘が痛いときのよくある質問 Q.肘が痛いと感じる原因はなんですか。 A.多くの場合はゴルフ肘やテニス肘のように、同じ動作をくり返すことで肘周辺の腱や靭帯が傷ついて生じます。 場合によっては神経への刺激や骨の変形や感染症が原因になるので、心配な人は専門医にご相談ください。 肘が痛くなる病気は「肘が痛いときに疑われる6つの病気」で詳しく解説しています。 Q.肘を伸ばすと痛いのはなぜですか。 A.肘を伸ばすと痛いのは、上腕骨内側上顆炎(テニス肘)や肘関節の靭帯損傷が生じている可能性があります。 痛みの度合いが強い、他に症状がある場合はすみやかに受診するようにしましょう。
2022.07.14