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アキレス腱炎やってはいけないこと アキレス腱炎になってしまった場合、過度な運動や無理な負荷をかけることは、症状を悪化させてしまう可能性があります。そのため、アキレス腱炎になった際には、避けるべき行動や注意点を把握し、適切な治療法を行うことが大切です。 この記事では、アキレス腱炎になった際にやってはいけないこと、予防のために重要なことについて詳しく解説します。 アキレス腱炎とは アキレス腱炎とは、ふくらはぎの筋肉と踵の骨を繋ぐ腱であるアキレス腱が炎症を起こし、痛みをだす病気です。 慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技のアスリートに多い病気です。 アキレス腱炎で避けるべき行動や注意点 1.運動について 治療の原則として、まずは運動を中止して適切な期間の安静が必要です。 一般的にアキレス腱炎になってしまった場合には2〜6週間の安静、スポーツ活動の休止が指示されます。その間の運動療法として「つま先立ち体操」という、下腿三頭筋の筋力訓練が改善に有効です。 【つま先立ち体操】 ・階段や台の縁に立ち踵を段の端から出した状態でゆっくりと上下させます。 ・膝を伸ばして行うのと、曲げて行う場合とで、使う筋肉が異なるので両方を試してみましょう。 ・10回1セットを1日2回で、少なくとも3ヶ月継続します。 このトレーニングでは痛みがあっても継続し、無痛となるまで実施することが推奨されています。ただし、動作に影響がでるほどの痛みの場合には中止するようにしましょう。その上で、運動の再開時期については症状に応じて決定されます。 2.不適切な靴選び こんな靴、履いていませんか? ・足に合わない靴 ・つま先が細い靴 ・ヒールの高い靴 ・靴底がすり減った古い靴 上記のような靴は、足への負担が大きいので控えるようにしましょう。アキレス腱炎を引き起こす原因となったり、症状を悪化させてしまう可能性があるため、靴選びはとても重要です。 3.無理な自己治療のリスク アキレス腱部の痛みがあるときには、安易に自己治療を行わず、まずは病院を受診して診断を受けるようにしましょう。どのような病気でも言える事ですが、自己治療は、間違った治療により症状が悪化する可能性もありお勧めできません。 また、病気を放置することで、痛みが長引く可能性もあるので、早めに病院で治療を開始することをお勧めします。 4.適切な治療の重要性 痛みが続いている状態でスポーツを継続すると、改善しないだけではなく、アキレス腱の痛みをかばうことによって別の部位の障害を発症してしまう可能性もあります。 そのためアキレス腱炎の治療は、安静と、適切な運動療法を取り入れることが重要です。 アキレス腱炎の予防について 1.適度な運動の種類・方法 前述したような下腿三頭筋をストレッチしながら挙上させる「つま先立ち体操」は、アキレス腱炎の治療に有効です。 予防のためにも、運動前にはアキレス腱を十分にストレッチさせてからスポーツを行うようにし、つま先立ち体操で下腿三頭筋の筋力強化も行うようにしましょう。 2.予防のための靴選びについて 運動する際には、靴の選び方も重要です。 ・足にフィットするかどうか ⇨サイズ・幅・高さ ・クッション性があるかどうか ⇨足への衝撃を吸収してくれるもの ・アキレス腱に負荷がかからないもの ⇨かかとが高すぎないか、安定しているか ・インソールの着用 靴は、足にフィットし、クッション性があり、アキレス腱に負荷がかからないものを選ぶことが望ましいです。また、運動用の靴は、使用期間を守り、新しい靴に買い替えることが大切です。 また、アキレス腱への負担を減らすための予防に、インソールの着用も効果的です。最近では、足の形に合わせたオーダーメイドのインソールも出ているのでおすすめです。 3.日常生活での注意点とは アキレス腱は、日常生活でも負荷がかかることがあります。 たとえば、長時間の立ち仕事や、ハイヒールの着用は、アキレス腱に負担をかけることがあります。そのため、できるだけ座ったり、ヒールが低い靴を選んだりすることが予防につながります。 またアキレス腱の柔軟性の低下が発症につながるので、起床時や入浴後など十分にアキレス腱をストレッチするようにしましょう。 4.アキレス腱炎になった際にするべきこと まずは適切な診断をつけることが必要です。症状がでて改善しない時や、日常生活、スポーツをすることが困難なときには無理をせずに早めに病院を受診して、診断と今後の治療についてアドバイスを受けるようにしてください。 5.アキレス腱炎は早期発見・早期治療が重要 アキレス腱炎は大部分が保存治療で良くなりますが、痛みが長引き手術を受ける方もいらっしゃいます。 また、悪化を防ぐためにも、痛みが出た場合には、運動を控えることが必要です。自己判断や自己治療を行わず、早めに医師の診断を受け、適切な治療を行うようにしましょう アキレス腱炎についてよくあるQ&A Q. アキレス腱炎の治療にはどのようなものがありますか。 A. 安静や運動療法のほかに、局所注射療法、PRP(自己多血小板血漿)注入療法、手術治療などの方法があります。 PRP(自己多血小板血漿)注入療法は新しい治療法ですが、保険の適応が十分でないことや実施している施設も限られています。しかしながら最近ではアスリートが実施するなど、注目を浴びています。 治療を受けるかどうかは、担当の医師と十分に相談してから治療を選択するようにしましょう。 Q. アキレス腱炎に対する注射はどのような方法ですか。 A. 炎症を抑える目的で腱内部や周囲注射する方法があります。 注射する薬剤は局所麻酔薬、ヒアルロン酸、生理食塩水、ステロイド剤など様々です。ステロイドは炎症を抑える効果が強いのですが、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。 Q. アキレス腱炎に対する手術はどのようなものがありますか。 A. 保存治療を少なくとも4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。 痛みが長引く方では、手術を実施している施設かどうか受診の前に事前に確認しておくと以降の治療がスムーズとなります。 まとめ・アキレス腱炎やってはいけないこと アキレス腱炎になってしまった場合、無理な運動は症状が悪化してしまう可能性があります。 また安静だけではなく、十分な運動療法も治療に効果的です。そのためには正確な診断と早期の治療開始が必要ですので、痛みがでて困っている方は早めに病院で診察・治療を受けるようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.S127 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.08.22 -
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アキレス腱炎の症状とは?セルフチェックの方法を解説! はじめに アキレス腱炎は、急激な運動量の増加や過度なストレスによって引き起こされることが多い、足の痛みが生じる病気の一種です。 今回はアキレス腱炎の症状と対処方法、セルフチェック方法や運動再開のポイントなどについて解説します。 アキレス腱炎とは アキレス腱炎は、踵の骨(踵骨)とふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)をつなぐ腱であるアキレス腱が、炎症を起こす状態です。運動や立ち仕事が原因となることが多く、急激な運動量の増加や、過度な負担が症状を悪化させることがあります。 スポーツでは、ジャンプを繰り返すスポーツや陸上、剣道などを行う選手に発症することが多いです。下腿三頭筋はつま先立ちや、地面を蹴って歩くなど、足関節の底屈運動とよ呼ばれる動きに関与します。地面を蹴る動きが多いこれらのスポーツでは、この動きが多くアキレス腱に負荷がかかり続けます。 ただし、スポーツなどをしていない場合でも、加齢によるアキレス腱の変性や靴の不適合、偏平足、肥満などが原因で、アキレス腱炎になる方もいます。 アキレス腱炎の症状 アキレス腱炎になると、以下のような症状がみられます。 ・アキレス腱周囲が痛い ・つま先立ちをすると痛い ・ふくらはぎのこわばり ・アキレス腱に腫れや熱感がある 特にアキレス腱の痛みやこわばりは、朝( 起床後 )、最初の数歩が痛いことが特徴的です。また、炎症が進行すると腱の周りが腫れたり、熱をもって赤くなったりすることもあります。 アキレス腱炎のセルフチェック なんとなくアキレス腱のあたりが痛むけど、まだ病院に行くほどではない、という場合は、以下の方法でセルフチェックをしてみましょう。 ①立ち姿勢でかかとを浮かせる動作を繰り返す →痛みがある場合は、アキレス腱に軽度の炎症がある可能性があります。スポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 ②両手でアキレス腱を触って痛みや腫れを確認する →左右で比べてみることも大切です。腫れや熱感がある場合は炎症を起こしている可能性があります。 アキレス腱炎かなと思って放置していたら、「アキレス腱断裂」や「踵骨骨折」だったという場合もありますので、これらのセルフチェックで当てはまる項目がある方は、まず整形外科の診察を受けて、正しく診断してもらうことが大切です。 アキレス腱炎は、運動し始めた時は痛みが強くありますが、我慢して運動を続けていると軽減してくるという特徴があります。アキレス腱炎を我慢したまま運動を続けると、難治性になったり、アキレス腱の断裂につながったりするので、無理して続けないことが重要です。 アキレス腱炎の治療 整形外科では、痛みの場所や性質、腫れなどを確認します。また、他の疾患と鑑別するために、エコー検査やMRI検査で、腱の状態や変性の程度などを見ることもあります。 アキレス腱炎と診断されたら 治療の基本は安静です。運動やアキレス腱に負担のかかる動きをしている場合は、一時的にそれを中止し、アイシングや消炎鎮痛剤などを使用します。テーピングなども併用して、アキレス腱にかかる負担を軽減させることも可能です。 また、踵の部分を高くした中敷きや偏平足用の中敷きを使用することで、アキレス腱の緊張を緩める方法もあります。 どうしても治りづらい場合は注射を行うこともありますが、ステロイドの注射は、アキレス腱を痛めて断裂しやすくするリスクもあるので、安易に使用するべきではありません。 あまりにも改善がみられない場合は、手術療法やカテーテルによる血管内療法などを行うこともありますので、専門機関へ相談することを検討してみてください。 再発予防と運動再開について 治療と同時に、再発予防を考えることも非常に重要です。 単なるオーバーユースだけでなく、練習環境やシューズ、体幹筋力の低下による姿勢不良なども影響してくるため、足りない部分を補う筋力トレーニングやストレッチ、練習環境の見直しも必要です。 運動再開は、痛みや腫れがなくなり通常通り歩けるようになってからです。いつから運動していいかについては、治療している医師や理学療法士と、しっかり相談しましょう。ただし、急激な運動量の増加は避け、徐々に時間や強度を上げていくようにしてください。 また、前述の通り再発予防のトレーニングやストレッチも積極的に取り入れましょう。 アキレス腱炎についてよくある質問 Q:アキレス腱炎のような症状です。整形外科を受診する前に自分でできる応急処置はありますか? A:アキレス腱の痛みなどの症状が出た場合は、まず運動を中止しましょう。そしてなるべく動かさないように安静にして下さい。また、氷嚢などを使用し、アキレス腱部を冷やすことも有効です。 包帯がある場合は、アキレス腱をふくめて足首を固定することで、痛みを軽減できる可能性があります。 Q:市販薬を使用してもいいですか? A:市販の薬にも、鎮痛・抗炎症効果がある湿布や飲み薬があります。薬局の場合は、薬剤師の方に聞いてみるのもいいと思います。ただし、薬の使用は症状の一時的な緩和ですので、薬を使用して痛みが引いたからといって、すぐに運動を再開するのは避けて下さい。 また、病院を受診している場合は、適切な処方のために市販薬を使用していることを医師に伝えてください。 Q:再発予防のためのストレッチはどのようなものがありますか? A:ふくらはぎをのばすストレッチがよいといわれています。階段や段差などに片足のつま先だけかけて、ゆっくりと踵を下ろしながらアキレス腱を伸ばします。最初は無理のない範囲で行いましょう。 座った状態で、つま先にタオルをかけて引っ張るようにしながら、伸ばしていく方法も効果的です。 運動前や運動後にこれらのストレッチを行うことで、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が高まり、アキレス腱の緊張を軽減することができます。 まとめ・アキレス腱に痛みを感じたら早めに医療機関の受診を! 今回はアキレス腱炎について解説しました。アキレス腱炎はスポーツ選手だけに限らず、誰にでも起こりうる症状です。アキレス腱の痛みを感じた時は、自分だけで対処せず、しっかりと医療機関を受診しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.127 監修:医師 坂本貞範
最終更新日:2023.08.22 -
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アキレス腱炎の原因と治療方法、悪化を防ぐための対策とは? アキレス腱はふくらはぎの筋肉から踵の骨につながる腱であり、歩行やランニングにおいて重要な役割を果たしています。 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気としてアキレス腱自体に痛みの原因がある「アキレス腱炎」と、腱が踵の骨に付着する部分に痛みの原因がある「アキレス腱付着部症」があります。どちらも慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技を行うスポーツ愛好家に特に多く見られますが、どこにどんな痛みがでるのでしょうか。 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状、治療方法と対策について詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気 ・アキレス腱炎 ・アキレス腱付着部症 アキレス腱炎の症状と原因について アキレス腱部を押すと痛いというのが主な症状です。安静時の痛みはないことが多く、運動時の痛み、腫れがみられることが多い疾患です。 痛みの部位はアキレス腱が踵の骨に付着している部分から中枢側2~6cmがほとんどで、足関節を反らした際に腱が伸びることで痛みが増強します。 主な原因はスポーツ、自転車などでのオーバーユースや不適切なランニングフォームでのランニングなど、誤ったトレーニングによる負担の増加などです。しかし、原因不明の場合や別の病気の可能性もあるので診断のために早めに病院を受診することが大切です。 アキレス腱炎の診断について 診断のためには整形外科で診察を受けることが必要です。痛みの部位、症状から診断は可能ですが、補助的に画像検査を行うことがあります。 レントゲン・エコー・MRIによる診断 レントゲン写真ではアキレス腱の内部に石灰化を認めることがあり、エコーではアキレス腱の肥厚と、腱周囲の血流の増加を確認できることがあります。またMRIが診断に有用であり、アキレス腱の肥厚や、腱の炎症を反映して腱の内部や周囲の異常信号を呈する場合があります。 アキレス腱炎の治療と期間について 初期の治療は基本的に保存治療が行われます。悪化しないための対策をご紹介していきます。 保存療法 軽症の場合は全治3ヶ月程度ですが、回復までの治療期間は症状が続いた期間や病気の重症度によって変わってきます。治療は整形外科で行うことが多く、局所安静やアイシングで患部を冷やすこと、鎮痛薬の服用や局所への注射、理学療法士によるリハビリ・ストレッチングの指導・マッサージなどの方法があります。 局所の安静についてですが、痛みが強い場合には炎症が強いことが多いので松葉杖を使用するなどして痛い方の足を無理に使わないことが大切です。 局所への注射は、アキレス腱と周囲の組織の癒着を剥離する筋膜リリースや炎症を抑えるステロイドの投与などが行われます。 また整骨院の通院についても行なっていただいて構いません。整骨院では電気治療や超音波治療、低周波治療器での治療、温める温熱療法などを行う場合があり、医師の指導のもと治療を受けるようにしてください。 手術療法 これらの治療を行なっても6ヶ月以上痛みが続き効果がないなど、保存療法での完治が難しい場合には手術治療の方法もあります。 手術では皮膚を切開して、炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除します。さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除を行い、腱の切除部分が多くなった場合には他の部位から腱を移植して補強を行います。 治療内容が病気の重症度によって異なるため治療費も様々です。詳しい治療費の見込みについては担当医師に確認するようにしましょう。 アキレス腱炎についてよくある質問 Q:アキレス腱炎で痛くなる場所はどこですか。 A:アキレス腱が踵の骨に付着している部分から中枢側で腱自体に痛みがある病気を、「アキレス腱炎(別名:アキレス腱周囲炎)」と言います。アキレス腱と踵の骨の境界部分の痛みは「アキレス腱付着部症」といい、治療方法が多少変わってきます。 Q:アキレス腱炎に対する注射は効果がありますか。 A:炎症を抑える目的で腱内部や周囲にステロイドを注射する方法があります。しかし、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。また、腱の周囲を剥離する目的でヒアルロン酸や生理食塩水などの注射を行う場合もありますが、病気の状態によってはご本人に適していない場合もあることや、行なっていない施設もあるので事前に確認することが望ましいです。 Q:アキレス腱炎に効果的なストレッチはどのような方法ですか。 A: 下腿三頭筋や、太ももの裏にあるハムストリングのストレッチは、治療、再発の予防に効果的です。下腿三頭筋のストレッチは階段や足台などの段差があるところに痛い方の足の先をかけ、踵をゆっくりと降ろしていきます。我慢できる程度の痛みの範囲で10〜15秒ほど伸ばすのを3回行い、これを朝・夕の1日2回行います。夜は入浴後など身体が温まっている状態で行うのが効果的です。 まとめ・アキレス腱炎の原因と治療方法、悪化を防ぐための対策とは? アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症という病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。症状、治療方法が多少異なりますので、正確な診断のために整形外科を受診するようにしましょう。 治療は基本的には保存治療ですが、飲み薬や注射だけではなく、安静やアイシング、ストレッチなどご自身のセルフケアも重要な病気です。アキレス腱炎に悩む方や、スポーツをされる方はぜひ参考にしていただき、健康な身体作りに役立ててください。この記事がご参考になれば幸いです。 No.S126 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.08.22 -
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捻挫を早く治すための正しい応急処置方法をご紹介します 捻挫はスポーツや日常生活の中でよく生じる外傷の一つです。しかし、捻挫がどのようなものか、さらに応急処置の方法についてご存じでしょうか。 この記事では、捻挫を早く治すためと、その応急処置方法を詳しくご紹介します。さらに、捻挫についてのよくある質問にもお答えしています。ぜひご参考にしてください。 捻挫とは? 関節は、骨と骨の間に構成されるものです。基本的な構造には、関節軟骨(クッションの働き)、関節包(関節の周りを包み込む外側の膜)、靱帯(関節の安定性を補強する役割で、関節内のものも、関節外のものもある。)などがあります。 捻挫とは関節に何らかの外力がかかって起こる、骨折や脱臼以外の怪我のことを指します。つまり、軟骨や靱帯、腱(筋肉と骨をつなぐもの)の怪我です。 骨折や脱臼はX線写真で判断ができますが、捻挫はX線では判断出来ません。どのような衝撃が加わって怪我をしたのか、今の関節の状態はどうなのかが重要であり、必要があればMRIを利用しながら診断を行います 捻挫の中でも靱帯の重症度は、靱帯の損傷の程度によって決められます。 捻挫の重症度 ・1度:靱帯が伸びてはいるが切れてはない状態 ・2度:靱帯の一部が切れている状態 ・3度:靱帯が完全に切れている状態 捻挫の応急処置 捻挫を早く治すには、まずは応急処置と適切な診断が必要です。捻挫だと思っていたのに実は骨折だった、大したことないと思っていたら全然症状がよくならない・・・などがないように受診をしましょう。 捻挫が起きた際には「POLICE処置」がよいとされています。 「POLICE処置」とは ・Protection(保護) ・Optimal Loading(適切な負荷) ・Ice(冷却) ・Compression(圧迫) ・Elevation(挙上) 以前は「RICE(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)処置」が進められていましたが、近年ではPOLICE処置に置き換わりつつあります。 POLICE処置の具体的な方法 それぞれの項目は以下の通りです。 Protection(保護) ・装具やシーネ、三角巾、サポーターなどで受傷部位を保護します ・更なる外力で損傷を悪化させるのを防ぐ目的です Optimal Loading(適切な負荷) ・以前は受傷部位の安静(Rest)がよいとされていましたが ・最近では適切な負荷が組織の修復によいのではと言われています ・適切な負荷については、医師などの専門家による指示を聞くのが良いでしょう Ice(冷却) ・氷嚢や氷を入れた袋などで冷やします ・感覚がない中、無理してまで行う必要はありません ・風邪の際に用いるような冷却シートは、表面をひんやりと冷やす程度で関節の内部まで冷やす効果はありません。 ・用いるのなら消炎鎮痛剤の入った湿布を用いましょう ・最近、神戸大学より、重症の筋挫傷に対するアイシングは筋の修復を遅らせるということが報告されました。 ・軽度の筋挫傷についてはまだ効果がわかっていないため、今は迷ったらアイシングをする方がよいでしょう Compression(圧迫) ・受傷部位の腫れや内出血の増悪を予防するために、テーピングや包帯などで圧迫をします Elevation(挙上) ・腫れを防ぐ、軽減するために、心臓よりも上に受傷部位を置きましょう ・足を怪我した際は、仰向けになって足を椅子などに置くとよいでしょう ・あくまでも応急処置としてなので、移動の必要などやむを得ない場合は足を下ろしても構いません 応急処置の後は、適切に受診を行いましょう。軽度であれば保存的に加療が行われ、関節の不安定性が高い重度の場合は手術療法も検討されます。サポーターなどを使い関節に過度な負荷がかからない程度の運動から始めましょう。 捻挫に関してよくある質問 Q:捻挫とはどのような状態ですか? A:関節に外力が加わって生じた怪我のうち、骨折と脱臼以外のものを指します。X線で骨折、脱臼がないことを確認し、必要があればMRIを撮像します。どうやって怪我をしたかも診断には重要です。 Q:捻挫を早く治すには? A:まずは適切な診断が必要です。応急処置としてはPOLICE処置がよいでしょう。炎症が起きている間は消炎鎮痛薬なども併用し、過度な負担がかからないように注意しましょう。 Q:受診するなら整形外科?整骨院? A:正しく診断をつけるという意味でも、X線やMRIでの検査を行える整形外科をおすすめします。近くに整形外科がない、診察時間外の場合には整骨院でも良いでしょう。自分で判断して自己流で治療をするのはよくありません。 まとめ・捻挫を早く治すためには正しい応急処置と整形外科の受診を! この記事では捻挫について解説しました。 スポーツだけでなく日常生活でも怪我をする可能性はあるので、もし捻挫による怪我をしてしまった際は、「POLICE」による応急処置と適切な受診を忘れないようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.125 監修:医師 坂本貞範 ▼以下もご参考にしていただけます 捻挫かもしれない…歩けるけど痛いとき、対処法はどうする?
最終更新日:2024.04.12 -
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捻挫の痛みや腫れ|骨折や靭帯断裂の可能性!病院へ行くべきか判断できる5つのチェック項目とは! 足を捻ってから、腫れや、痛みがあるけど「軽度の捻挫かな…」などと思って無理や放置をしていませんか?その判断、実はリスクが潜んでいるかもしれません。 症状がひどい場合は、病院に行くべきか、何科を受診したらよいのかと迷われることも多いと思います。その点、軽症であれば湿布や安静にして経過観察しようと思いがちですが、しばらく経っても腫れが引かない、痛みが治らない場合は、ただの捻挫ではないかもしれないのです。 内出血や腫れがひどい場合は、靭帯断裂や骨折の可能性もあります。この記事では、捻挫で病院を受診するべきか、受診の必要がないかなど、それらを判断するために症状別、重症度のチェックをするための5項目を解説していきます。 捻挫とは 捻挫の多くは外傷が原因で、スポーツ中や歩行中などに段差を踏み外して、足関節を捻った場合などに生じます。 大部分は、距骨と足関節の外側にある腓骨(ひこつ)を結び付けている外側の靱帯(前距腓靭帯)の損傷で、この部分の損傷が捻挫の90%を占めるという報告もあります。小児では靱帯よりも骨のほうが弱いので、靱帯が付いている骨の部分が剥離する「裂離骨折」が多くなってきます。 捻挫の症状としては、足関節外側の腫れ、痛みがあり、体重をかけた場合に痛みが悪化することが多く、歩行が困難になる場合もあります。 捻挫の治療について、通常は軽度の靭帯損傷が最も多く、その場合にはギプスやシーネ、サポーターで保存的に治療することが可能です。しかし、骨折の場合や靭帯の完全断裂、足関節の不安定性がある場合には手術を要する場合すらあります。そのため、初期の重症度の診断をはじめとした、早期の治療が大切になるというわけです。 病院へ行くべき?捻挫の重症度を判定する5項目のチェックリスト 足首を捻挫した時などに使われる「重症度を判定するために使用するチェックリスト」に「Ottawa Ankle Rule(以下、オタワ アンクル ルール)」というものがあります。 このチェックリストは5項目からなり、「該当する項目が1つでもあれば骨折が否定できない」ため、医療機関を受診し、レントゲン写真を撮影した方がよいという、病院を受診すべきか、しないかの指標とするものです。逆にどれにも該当しなければ、骨折の可能性は低く、病院への受診やレントゲン写真は不要と考えてられます。 ただし、何か違和感があるなど、不安や痛み、腫れが引かない場合は、病院へ行きましょう。診療科は整形外科になります。 オタワ アンクル ルールの5項目 一つでも当てはまれば骨折の可能性がああります。病院を受診しましょう □1.腓骨遠位端(外くるぶし)より6cmまでの中心線に※圧痛がある □2.脛骨遠位端(内くるぶし)より6cmまでの中心線に圧痛がある □3. 第5中足骨基部(かかとの小指側の骨の出っ張り付近)の痛み(圧痛) □4.舟状骨(足背から内側にかけての部分)の痛み(圧痛) □5.怪我をした側で 4歩以上その足に体重をかけることができない/歩けない ※圧痛とは 皮膚に圧力(押すなど)を与えた際に痛みを感じること いかがでしょうか?上の項目に1つでも当てはまってはいませんか?上記に関わらず違和感や、痛み腫れで心配がある場合は迷わず病院での受診をお勧めします。 一方で、靭帯の完全断裂については明確なチェックリストはないのですが、一般的に重症な靭帯損傷では痛みが強いため、オタワアンクルルールに該当することとなり、骨折、靭帯損傷のいずれにしても病院への受診を考えた方がいいという結果となります。 捻挫についてよくある質問 Q: 捻挫をした場合、どうしたらいいですか? A:まずは痛みの部位を確認して、体重をかけることができるか確認しましょう。 痛みの部位は上記のチェックリストを参考にして、「くるぶしの内側」「くるぶしの外側」「かかとの外側」「足背から内側」にかけて押して確認します。押して痛みがある場合や、体重をかけることができない場合には、病院受診をお勧めします。 また、捻挫の初期対応として知っておきたいのが受傷の初期、急性期と言われる時点での対応をまとめた「POLICE」です。 POLICEとは ・Protection(保護) ・Optimal Loading(最適な負荷) ・Ice(冷却) ・Compression(圧迫) ・Elevation(挙上) ※拳上とは 捻挫した患部を心臓より高い位置に保つことで内出血による腫れを防ぐためです。 急性期の傷害対処法は、一般的に受傷後48~72時間以内にPOLICEによる処置を行うことが基本となります。しかし、急性期を過ぎても患部が腫れている、触ると熱を持っているなどの場合は、引き続き「POLICE」処置を継続し、病院のて受診されることをお勧めします。 急性期には負荷をかけられないので、怪我をした直後は包帯で圧迫してアイシングを行い、足を挙上しておくようにしましょう。冷感湿布による冷却も、炎症の鎮静に効果的です。 Q:捻挫は、どの程度の期間で治りますか? A:軽度の靭帯損傷で、手術が必要ない場合には足関節をシーネやギプスで最低3週間固定することが推奨されており、長い場合には6週間程度固定を行うこともあります。また、スポーツの復帰時期については症状経過によります。 一般的には痛みがなくなった後からサポーターをして、ウオーキング、ジョギングなどの軽いスポーツから復帰し、徐々に元の競技へ復帰とします。その間にチューブやタオルを使って足関節周囲筋を鍛えておき、必要であれば予防のためのリハビリも行う場合があります。 病院でのアドバイスにしたが追いましょう。 Q:捻挫後、時間が経過したが、痛みが残っている場合はどうしたらいいですか? A:捻挫による靭帯損傷は重症度により3段階に分類されます。このうち最も重症な「靭帯の完全断裂」では手術も検討されますし、治療が適切に行われなかった場合には足関節の不安定性を生じてしまいます。また、捻挫と思っていても、距骨という骨の軟骨が損傷してしまっていることもあります。 このように、痛みが残っている場合には、足関節の不安定性や軟骨損傷の有無など、原因を詳しく調べる必要があるため早めの病院受診が大切です。 Q:病院を受診する場合は何科を受診すれば良いですか? A:捻挫した場合は、整形外科を受診しましょう。 まとめ・捻挫の痛みや腫れ|骨折や靭帯断裂の可能性!病院へ行くべきか判断できる5つのチェック項目とは! 捻挫はありふれた症状であり、軽く考えている方も多いかもしれませんが、症状が強い場合には、骨折や靭帯の完全断裂の可能性もあります。本記事内で解説した5つのチェックリストを目安にしてください。 また、多くの捻挫は怪我をしてから数ヶ月すると強い痛みは取れ、日常生活に支障はなくなります。しかし、症状が軽いからといって無理をすると関節内に二次的な損傷が進行することがあります。 このような関節内の損傷は、“変形性関節症”へと進行する原因にもなるため、早めに病院で診断・治療を受けることが大切です。 以上、捻挫の腫れ、症状が軽いからといって無理をすると重症化のリスクについて記しました。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.121 監修:医師 坂本貞範 ▼以下も参考にされませんか 捻挫を早く治すために!正しい応急処置方法を紹介
最終更新日:2024.03.22 -
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捻挫かもしれない…歩けるけど痛いとき、対処法はどうする? 「足をくじいたあと、歩いて痛みがある場合どうすればいい?」 「捻挫かもしれないときの対処法が知りたい」 このような疑問のある方はいませんか? 捻挫はよくある怪我ですが、多少痛みがあっても、歩ける場合が少なくありません。そこで、捻挫のあと歩けるけど痛い場合の対処法について紹介します。また、捻挫の原因や症状、治療法についても解説します。 足をひねったあと、痛みがあって気になる方は、本記事を参考にしながら対処法を検討しましょう。 捻挫とは足首をひねって靭帯などが損傷する怪我 捻挫とは、関節が無理な範囲に強制的に動いてしまうことで、靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう:関節を包む膜)が損傷してしまう怪我です。 足首の捻挫では、スポーツ動作や段差を踏み外すことで、足を内側に無理にひねってしまい、発生することが多いです。その場合、足の外側にある靱帯が損傷します。 足首の外側には以下の3つの靱帯があります。 ・前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい) ・後距腓靱帯(こうきょひじんたい) ・踵腓靭帯(しょうひじんたい) この中で、最も多く損傷するのが「前距腓靱帯」で、後距腓靱帯の損傷はまれです。1つではなく、複数の靱帯が同時に損傷する場合もあります。 さらに、捻挫の程度は、靱帯の損傷具合によって次の3つに分けられます。 1度捻挫:靱帯の損傷がなく、無理に伸ばされた状態 2度捻挫:靱帯が部分的に切れている状態 3度捻挫:靱帯が完全に切れた状態 以上のような捻挫の程度によって、みられる症状が異なります。 捻挫の症状 主な症状は、損傷した部分の腫れや痛みです。痛みは損傷部位を指で押さえたときにみられる圧痛(あっつう)があります。 また、怪我したときと同じように、内側に足首をひねった動きを再現すると痛みがあります。損傷による内出血が生じていたり、熱をもっていたりするのも症状の1つです。 靱帯の損傷がひどい場合は、靱帯による関節の固定力が弱まり、関節が不安定になってしまいます。その結果、捻挫を再発しやすくなるため注意が必要です。 捻挫で歩けるけど痛いときの対処法 捻挫で損傷がひどくないときは、痛みがあっても歩ける場合が多いです。しかし、何もせずに放っておくと、炎症が強まって痛みや腫れの症状が悪化したり、捻挫の再発につながったりします。 そのため、捻挫で歩ける場合でも、正しい対処法の実施が大切です。 怪我をしてすぐの対処法としては、「RICE処置」をしましょう。RICE処置により、捻挫の直後に生じる炎症を抑えて、痛みや腫れ、出血の軽減を図ります。 RICE処置は以下の4つの方法を言います。 Rest:安静 Icing:冷却 Compression:圧迫 Elevation:挙上 まずは足首に体重がかからないように座ったり、横になったりして安静にします。その後、アイスパックなどで冷やして、包帯やテーピングで圧迫します。 可能であれば台などで心臓より足が高い位置にくるようにして、足首の出血でたまった血液を心臓に戻すようにしましょう。 また、歩けても痛いときは、足の関節が動いて、損傷した靱帯に負担がかかっている可能性があります。 テーピングで足首を固定しておくと、足首が動かず損傷部位のストレスを軽減させるとともに、捻挫の再発予防につながります。テーピングの代わりに、捻挫用の足関節サポーターを使用しても良いでしょう。 ただし、靱帯の損傷の程度やその後の治療に関しては、専門家による診断を受ける必要があります。痛くても歩けるからといって放置せずに、お近くの整形外科を受診しましょう。 捻挫の治療 捻挫の治療は、手術をしない保存療法が中心に行われます。重症で関節が著しく不安定になった場合や、スポーツ選手で活動性の高い場合は、靱帯を修復する手術が必要になる場合があります。 保存療法は「損傷の重症度や経過に応じた固定」と「再発防止の運動療法」です。 それぞれ、具体的な方法を解説します。 損傷の重症度や経過に応じた固定 RICE処置などの初期治療後には、重症度に応じて固定を行い、靱帯の修復を図るのが大切です。 固定には次のような方法があります。 ・損傷が軽度の場合:装具やテーピングによる固定 ・損傷が重度または複数の靱帯が損傷している場合:ギプスによる固定 軽度の場合は、1週間程度ギプスや装具による固定をしたあと、3週間程度のテーピング固定をします。 重症の場合は、3〜6週間のギプス固定が必要です。 再発防止の運動療法 捻挫が回復したら、うちに捻るのを予防するために、足首を外にひねる作用のある腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えましょう。 チューブを使ったトレーニングは負荷を簡単にかけられるため、オススメの方法です。 具体的な方法は以下の通りです。 両足をくっつけてチューブで縛る かかとを離さず、小指側をあげるような意識で、つま先を外に開く また、固定の期間中に足首の動きが固くなっているため、ストレッチをするのも良いでしょう。 タオルを足のつま先に引っ掛けて、タオルの両端を両手にもって、引っ張るようにすれば、足首の柔軟性を高めるストレッチが可能です。 以上のような方法で、うち返しを防ぐための筋力や柔軟性を保つようにしましょう。 まとめ・捻挫かもしれないときは正しい対処をして早めに受診しよう 捻挫かもしれないと思っても、多少の痛みを我慢して歩ける場合は、そのままにしてしまうかもしれません。 しかし、靱帯が損傷している可能性があるため、放置してしまうと、症状の悪化や再発の危険性があります。 まずは対処法として「RICE処置」をして、テーピングなどがあれば固定をしましょう。そして、できるだけ早めに整形外科を受診して、正しい診断や処置をしてもらいましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.118 監修:医師 坂本貞範 ▼以下もご覧になりませんか 捻挫の痛みや腫れ|骨折や靭帯断裂の可能性!病院へ行くべきか判断できる5つのチェック項目とは!
最終更新日:2024.03.22 -
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ジョーンズ骨折で悩むアスリートへ!有効な治療方法と復帰、予防法について ジョーンズ骨折、なかなか聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか? しかし、意外にもジョーンズ骨折になってしまったアスリートは少なくありません。海外でも活躍する某有名サッカー選手もこのケガに悩まされていました。 本記事では、そんなジョーンズ骨折の原因と治療法、予防法やテーピングについてなど、詳しく解説していきます。ぜひご参考にされてください。 ジョーンズ骨折とは? ジョーンズ(Jones)骨折とは、第五中足骨の踵寄り(第五中足骨基部)に起こる骨折のことで、骨癒合しにくく、治るのに時間がかかる骨折の一つです。第五中足骨基部に起こる骨折は、以下の 3 つがあります。いずれも見分けるのが難しいため、ひとまとめにジョーンズ骨折と呼ぶことも多いです。 ・基部裂離骨折 ・ジョーンズ骨折 ・骨幹部疲労骨折 ジョーンズ骨折の原因と症状 ジョーンズ骨折が発症する原因と、その後に生じる症状を説明します。 発症初期では気づかれないケースもあるジョーンズ骨折ですが、痛みや違和感がある場合はチェックしてみましょう。 原因|スポーツ外傷で多発 ジョーンズ骨折は、あるスポーツ動作で頻発する骨折です。 その動作とは、「ストップ」や「ターン」などの速い動作の切り返しです。このストップ、ターン(切り返し)によって、急激に第五中足骨に負荷がかかり骨折してしまいます。 しかし、これらの動作だけが骨折の原因ではありません。他にも以下のようなあらゆる要素が重なって引き起こされるのです。 ・トレーニング過多による第五中足骨への疲労の蓄積 ・硬いサーフェースの問題(人工芝、アスファルトなど) ・下肢のアライメント異常(例;足の外側に体重が乗りやすい) ・スパイクのポイントの位置 ・第五中足骨基部への血流が乏しい ・第五中足骨基部に靭帯や腱が多数付着している ストップやターンは、最後の引き金に過ぎません。 症状|痛みの出方は? 症状は骨折の程度によって大きく変わってきます。 発症初期の不全骨折(ヒビ)であれば、運動中に少し痛みを感じる程度で、骨折部分を強く押すとズキっと痛みを感じる場合があります。 そのまま運動を継続すると、徐々に痛みが増していき、歩くのもままならない状態になってしまいます。その時には、骨折部の状態は悪化していることが多く、完全骨折となっている可能性もあるでしょう。 捻ったり、ストップやターンの切り返しで完全骨折となることも多いです。 診断|レントゲンやエコー検査が有効 診断にはレントゲン画像によって判断が可能です。レントゲン撮影は、一方向だけでなく、角度を変えて複数方向からの撮影が有効となります。 しかし、初期の不全骨折の場合はレントゲン画像での判断が難しいケースもあるため、MRIや超音波検査も有用です。 ジョーンズ骨折に有効な治療方法 ジョーンズ骨折は、他の骨折に比べ骨癒合が得にくい(遷延治癒:せんえんちゆ、偽関節など)、骨癒合が得られたとしても再骨折のリスクが高い骨折と言われています。 そのため、治療方法にはその人の置かれた状況を考慮し、慎重に選択する必要があります。 スポーツ選手なら手術療法を推奨 激しいスポーツ動作を繰り返すアスリートは、手術療法を推奨します。早期復帰や再骨折のリスクを減らす効果があるからです。 手術方法は割とシンプルで、第五中足骨に対しスクリューを埋め込む「髄内固定術」が一般的に行われています。 手術療法は、治療成績も良好で保存療法に比べ再発のリスクも低いですが、スクリューの位置を誤ったり、復帰が早過ぎたりした場合に、癒合不良や偽関節を引き起こす可能性もあります。 手術を受ける際の費用や、復帰までの期間の目安は以下です。 手術費用・入院費用:10〜15万円 入院期間:3日〜2週間 スポーツ復帰目安:2〜3ヶ月 ※手術・入院費用、入院期間はあくまで目安です。医療機関ごとに違いがあります。 手術後は、医師や看護師、リハビリスタッフの指導を守って過ごすことが大切です。 保存療法を選ぶならムリは禁物 手術療法に抵抗がある方や、何らかの理由で手術療法が難しい方は保存療法を選択します。 保存療法では、骨が癒合していない状態で絶対に無理をしないということが重要です。特に初期の段階では、骨癒合を第一に考え、体重をかけないようにします。その間に、骨癒合を促進させるような超音波治療器を用いる場合もあります。 骨癒合にかかる期間は個人差がありますが、少なくとも3〜4週間はかかります。レントゲン画像にて骨癒合が認められたら、少しずつ体重をかけていくようにしましょう。 歩く時に行う踏み返し動作は骨折部に負荷がかかりやすいため、慎重に進めることを推奨しています。歩行が問題なくできるようになったら、少しずつ強度を上げてスポーツの動きを入れていきます。 また、後で述べますがインソールやサポーターも再骨折予防のためには有効な手段です。 ジョーンズ骨折後のスポーツ復帰と予防 ジョーンズ骨折は再発しやすいため、状態を見極めて段階的に復帰することが大切です。 復帰までの流れや、復帰する際に準備したいテーピングやサポーター、インソールについて紹介します。 スポーツ復帰までは慎重に進めることが大切 骨癒合がみられ、歩行が許可されました。では、スポーツも徐々に・・・というわけにはいきません。 骨癒合まで我慢していたのに、復帰を焦ってしまって再骨折してしまう例は少なくないのです。そうならないためにも、スポーツの復帰には万全を期す必要があります。 【スポーツ復帰までの流れの例】 ①その場でできるスクワットやカーフレイズ(爪先立ち)の運動 ②ランジや片脚スクワット、片脚カーフレイズで片側に体重をかけて行う運動 ③軽いジョギング ④徐々にスピードを上げたランニング、ダッシュ ⑤ストップやターン動作の練習 ⑥ジャンプ動作の練習 ⑦各スポーツの練習を徐々に復帰 ⑧競技に完全復帰 段階的に上記のようなメニューを行い、痛みや違和感が出たら前のメニューに戻るようにします。 ジョーンズ骨折にテーピングは有効? ジョーンズ骨折がまだ完全に治っていない状態でのテーピングは、あまり効果を期待できません。しかし、骨折がしっかり治り、スポーツに復帰する段階でのテーピングは、一定の効果を発揮します。 ジョーンズ骨折のテーピングの巻き方のコツは、足のアーチをサポートすることと、足の外側の補強をすることです。 足首の捻挫のテーピングと似ているところもありますが、そこにプラスして足底部にアーチをサポートするテーピングを巻くとより効果的です。 ジョーンズ骨折のテーピングは、その人の足の使い方によって巻き方が変わります。まずは、専門家に足の使い方をみてもらい、あなたに合った巻き方を教えてもらうようにしましょう。 サポーターやインソールで再発予防 足首の捻りを防止するサポーターや、アーチを形成するためのインソールも、再発防止に十分な効果を発揮します。 特に、インソールは骨折部の負担を減らす効果が期待でき、よりオススメな予防方法です。 ジョーンズ骨折予防のサポーター ジョーンズ骨折に有効なサポーターとして考えられるのが、左右方向に強いサポーターです。足の力が横の動きに弱い場合、骨にかかる負担が増えてしまうため、横のぐらつきを押さえるようなサポーターを推奨しています。 一つ注意点として、第五中足骨基部のあたりが厚くなっているサポーターであれば、体重をかけた際に圧迫し過ぎて痛みを誘発することもあります。そのため、装着した時の圧迫具合や、患部への当たりを確認する必要があります。 ジョーンズ骨折予防のインソール インソールの調整は、ジョーンズ骨折再発防止のためには非常に有効な手段であり、必須と言ってもいいでしょう。 足には内側、外側の縦アーチと横アーチがあり、そのアーチをサポートしてくれるようなインソールを入れることで、足の機能が上がり負担がかかりにくくなります。 インソールは市販のものもありますが、専門の義肢装具士が作成しているオーダーメイドのインソールを推奨しています。自分の足の型に合わせて作成するため、より高い効果を発揮します。 まとめ・ジョーンズ骨折で悩むアスリートへ!有効な治療方法と復帰、予防法について ジョーンズ骨折は再発しやすいケガのため、初期の対応や治療開始から復帰までのプランニングが非常に難しいです。焦らず骨の癒合状態を確認しながら、段階的に治療に取り組むことが重要となります。 専門の医師やリハビリスタッフのアドバイスを聞きながら、安全に復帰までの道のりを歩んでいきましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.S116 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.10.06 -
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ジョーンズ骨折とは?立ち仕事で歩くと痛い時は要注意! 「立ち仕事で、足の外側が痛い」「スポーツをしたわけではないのに、足の小指側の側面に痛みが走る」 それ、ジョーンズ骨折という症状かもしれません。ジョーンズ骨折は、足の骨折の 1 つで、スポーツをしている人以外にも、立ち仕事をしている人やヒールを履くことの多い若い人にもよく見られます。 この記事では、そんなジョーンズ骨折に関して紹介します。 ジョーンズ骨折かも!?その特徴と原因 ジョーンズ骨折とは、第 5 中足骨近位部の疲労骨折のことを指します。 発症する原因はさまざまあると言われており、欧米人に比べて日本人に起こりやすいとされています。 ジョーンズ骨折の特徴 ジョーンズ骨折の特徴は、一般的によく見る骨折とは違って症状が出にくいことです。 一般的な骨折は、急に外力が骨にかかることで生じます。その場合、患部がすごく腫れて強い痛みを生じるため、その見た目と症状から診断することは比較的容易なことが多いです。 一方でジョーンズ骨折は、慢性的な負荷により骨が折れるため腫れはあっても軽度なことが多く、そのため見た目ではあまり変化がありません。また、痛みはあっても強くないか、痛みを訴えない方もいらっしゃいます。 そのため、完全に骨が折れてしまうまで骨折していることに気づかれない場合もあります。 ジョーンズ骨折の原因 ジョーンズ骨折の原因は、慢性的に骨に負荷がかかることです。 ランニングやジャンプ動作は足の骨に体重以上の負荷をかけます。たまに行う程度であれば問題にはなりませんが、そういった動作を日常的におこなっていると足の骨に負荷がかかり続けてしまいます。負荷がかかり続けた影響で、軽く踏ん張ったり、少し捻ってしまうだけで骨折してしまいます。 そのため、陸上競技やサッカー・バスケットボール・ラグビーなどのスポーツをおこなっている選手によく発症するのです。 しかし、このジョーンズ骨折は日常的にスポーツをしない方でも発症することがあります。スポーツをしているわけではないのに、なぜ発症してしまうのか疑問に思われる方もいるでしょう。 スポーツをしていない方でジョーンズ骨折を発症してしまう原因は、主に以下となります。 ・中足骨(足の甲)に負荷がかかりやすい姿勢をよくとる → ヒールをよく履く、しゃがみ込んだ姿勢での作業等 ・立ちっぱなしの仕事をしている ・足を酷使することが多い生活をしている これらの条件に当てはまっている場合は、足の骨に負荷がかかるため、スポーツをしていなくても骨折を起こしてしまいます。 立ち仕事をしていて、ある日を境に段々と歩行時の足の痛みが生じてきている場合は発症している可能性があります。 ジョーンズ骨折は自然に治る? ジョーンズ骨折の患部である第 5 中足骨は、血流があまり多くないため、一度骨が折れてしまうと治るまでに時間がかかります。 また、骨折が綺麗に治らず、骨癒合していないところがまるで関節のように動いてしまう"偽関節"という状態になる可能性もあります。そのため、ジョーンズ骨折で完全に骨が折れている場合は自然治癒は見込めず手術での治療が推奨されます。 しかし、完全には折れていない不全骨折の状態で、かつ症状が日常生活に支障がないくらいの軽症の場合は、患部への負荷軽減や筋力強化・ストレッチを行うことで自然治癒ができる可能性があります。 手術で治療を行う場合、術後数週は足に体重をかけずに生活する必要があり、その後もリハビリの期間を設けなければなりません。そのため、早期にジョーンズ骨折を予防し、発症したとしても早期に発見することが重要です。 ジョーンズ骨折の予防 先ほども述べたように、ジョーンズ骨折は予防と早期発見が重要です。ジョーンズ骨折を予防する方法は、 ・シューズの調整 ・インソールの活用 ・足のストレッチ・マッサージ ・体重のかけ方の訓練 などがあります。 シューズの調整 足に合わないシューズを履いていると、きちんと体重が分散出来ず、ある一定の部位への負荷が増大します。 また、ランニングやサッカーなど行うトレーニングや競技によって足の使い方が異なり、体重のかかり方もそれぞれで変化します。そのため、ランニングをするならランニングシューズに履き替えるなど競技に沿ったシューズを使用しましょう。 インソールの活用 人によってはもともとの足の形の影響で、どうしても足に負担がかかりやすくなっている場合があります。足のアーチが低い扁平足であったり、逆に通常よりアーチが大きい場合などはインソールが効果的です。 普段使用している靴にインソールを入れることで体重が分散されやすくなり、かかる負荷が減少します。自分のアーチにあったインソールがない場合は、テーピングが有効です。 足のストレッチ・マッサージ 定期的にストレッチを行うことで、筋肉・腱の柔軟性が増します。柔軟性が高まると関節や骨にかかる負担の軽減が期待でき、ジョーンズ骨折だけでなくその他の怪我の予防にも効果があります。 また、ストレッチやマッサージを行うことで血流が改善し疲労が軽減されるため仕事や競技のパフォーマンスも向上するでしょう。 体重のかけ方・足の使い方の訓練 立ち方や走り方の癖で、小指側に体重がかかりやすい人はジョーンズ骨折を発症しやすいです。予防するためには、癖を治すための訓練をする必要があります。日常生活から体重のかけ方や足の使い方を意識し、足にかかる負荷を軽減させましょう。 まとめ・ジョーンズ骨折とは?立ち仕事で歩くと痛い時は要注意! 以上、ジョーンズ骨折について紹介しました。 スポーツ選手などに多く見られる骨折ですが、そうでない人でも発症する可能性があります。一度完全骨折に至ってしまうと、手術や術後のリハビリが必要です。日頃の予防や、早期発見を心がけましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.S111 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.10.06 -
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その症状ジョーンズ骨折かもしれません!症状や原因を解説します ジョーンズ骨折をご存じでしょうか? 「サッカーをすると足の外側が痛くなるけどなぜ?」 「バスケットでつま先の外側が痛むけど放置して大丈夫?」 このような症状がある場合、もしかするとジョーンズ骨折かもしれません。 今回はスポーツ選手に多いジョーンズ骨折について、特徴や骨折のなりかけで見られる症状について解説します。チェックリストも紹介しますので、記事を読んで気になる場合は早めに整形外科に受診しましょう。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ骨折は別名を第 5 中足骨(ちゅうそくこつ)骨折と言います。まずはジョーンズ骨折の特徴や発生する場所、原因について紹介します。 ジョーンズ骨折の特徴 ジョーンズ骨折は小指の骨である第 5 中足骨の疲労骨折です。 一般的な骨折は、事故や転倒などの強い衝撃での発生を想像されるでしょう。しかし、ジョーンズ骨折はサッカーやバスケット、ランニングなどのスポーツで足の外側に繰り返しストレスがかかって生じる疲労骨折です。 第 5 中足骨は血液の供給が乏しく、骨折する部分の近くは複数の筋肉が付着していて常に牽引力が働くため、一度骨折するとくっつきにくく、骨が離れたままになってしまう偽関節(ぎかんせつ)になりやすいのも特徴です。 骨折の発生場所 小指の骨は指先から末節骨(まつせつこつ)、中節骨(ちゅうせつこつ)、基節骨(きせつこつ)、中足骨(ちゅうそくこつ)に分かれています。 ジョーンズ骨折の生じる中足骨は、足首に近い部分にある骨です。 ジョーンズ骨折では中足骨の中でもより足首側の端から 1.5 〜 2cmの部分に骨折が起こります。 原因 原因は、スポーツ動作で足の外側に繰り返しかかるストレスです。 人の足裏は体重をうまく分散させるために、たいらではなくアーチ状の形をしています。第 5 中足骨はまっすぐな骨ではなく、丸くアーチ状になっており、足の裏のアーチの一部となっています。 そのため、体重を分散させるためにストレスを受けやすいのです。 特にサッカーやバスケットボールなどの横への動きが多いスポーツで反復したストレスがかかりやすく、疲労骨折の原因になります。 また次のような環境や個人の要因も原因として挙げられます。 ・急な激しい練習 ・固すぎるグランド(人工芝) ・不適切なシューズ ・不良な姿勢(がに股) このような環境や姿勢でストップやサイドステップなどを繰り返すとストレスがかかりやすくなってしまうのです。 以上のようにストレスが蓄積して生じる骨折ですが、立ち仕事による慢性的な疲労や、しゃがみ込み動作の繰り返しによる疲労骨折など、スポーツをしていない方で発症する場合もあります。 ジョーンズ骨折の症状とは ジョーンズ骨折は、骨折のなりかけの状態と、完全に骨折した状態で症状が違います。それぞれの症状について解説します。 ジョーンズ骨折のなりかけの症状の場合 ジョーンズ骨折のなりかけの症状は、痛みや腫れなど一般の骨折に見られるような自覚症状が出にくいのが特徴です。 骨折のなりかけでは、一般的な骨折のように骨が分離するのではなく、ストレスの蓄積により徐々に骨が脆くなっている状態です。この状態では日常生活だけでなくスポーツ中も痛みを感じない場合があります。 また、痛くてもそれほど強くはないため、そのまま競技を続けてしまう場合も少なくありません。その結果、プレー中やプレー後に痛みが増えるということを繰り返します。 完全に骨折したときの症状の場合 前述のように、完全に骨折してから、初めて強い痛みを訴える場合があります。 骨折部の痛みが増加して、プレーはもちろん歩くのが難しくなることがあります。 ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうかをチェックリストで確認 ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうかを、チェックするポイントを紹介します。 以下にチェックリストをあげます。 ・競技しているスポーツが、足の外側にストレスのかかるものか ・練習場がどこか(床・芝・土・人工芝) ・練習量 ・シューズ ・キックの利き足 ・ジャンプの踏切 ・シューズの底のすり減り方 ・足の外側が痛むか このようなチェックをして、足の外側にストレスがかかりやすいかどうかをチェックします。 例えば、競技しているスポーツが、サッカーやバスケットボールであれば、ストップやステップを繰り返すため、足の外側にかかるストレスが強まります。 また、原因で紹介したように、練習場所が人工芝のように固いグランドである、練習量が多すぎる、足に合わないシューズを使用しているといった環境が原因で、ストレスが強まる可能性があるためチェックが必要です。 また、シューズの底を見たときに、外側ばかりすり減っている場合は、足の外側にストレスがかかりやすい動きをしている結果なので、チェックしてみましょう。 もし、すでに痛みが外側にあり継続する場合は、ジョーンズ骨折の可能性があります。 前述のように骨折のなりかけの場合は、痛みが自覚しにくかったり、あったとしても競技中のときだけだったりするため、放置せず早めに整形外科へ受診をしましょう。 まとめ・その症状ジョーンズ骨折かもしれません!症状や原因を解説します ジョーンズ骨折はストレスが蓄積して徐々に進行する疲労骨折のため、完全に骨折するまでは痛みがない場合もあります。例え痛みがあっても、できるからといってつい競技を続けてしまいがちです。 しかし、放置して競技を続けると、症状が悪化したり、完全に骨折してしまったりするリスクがあります。そのため、少しでも気になる症状があれば早めの受診や予防をするのが重要です。 本記事を参考にしてジョーンズ骨折の早期発見、予防をして、好きなスポーツを楽しみましょう。 No.S109 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.10.06 -
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ふくらはぎの筋断裂、症状と予防、リハビリについて 筋断裂は、いろいろな部位で起こる可能性がある症状です。 中でも起こりやすい部位は「ふくらはぎ」です。「筋断裂」とは、スポーツなどで急に強い力や、無理な力がかかった際に、筋肉が耐えられなくなって筋線維が損傷、避けたり、破れたりして断裂することを指しています。 筋線維のうち、一部など範囲が限定的、部分的な断裂の場合は「部分断裂」といい「肉離れ」とも言われます。筋断裂が起こると、たとえ部分断裂であっても強い痛みが起こり、それ以上の運動は難しい状態、動けなくなるため、歩くことも困難になります。 ふくらはぎのは、歩行や走る場合、立っている時の姿勢の安定などに関わっています。また、血液を心臓へ戻す役割を果たすことから第2の心臓とも言われる筋肉です。そのため、筋断裂を起こすと生活に大きな支障が出てしまいかねません。 今回は、ふくらはぎの筋断裂の症状や原因、再発防止や予防法について紹介してまいります。 ふくらはぎの筋断裂の症状 ふくらはぎの筋断裂の主な症状は、ふくらはぎの痛みや内出血です。ふくらはぎの一部分に凹みができる場合もあります。ふくらはぎの痛みは、その度合いによって異なります。 安静時や、軽く歩く程度なら問題ないものの、走るときだけ痛いという場合もあれば、歩くだけでも痛い場合もあります。また、重度の場合は、たとえ安静にしていても痛みを感じる場合があります。 ふくらはぎの筋断裂の症状 ・軽く歩く程度は問題なくとも走ると痛い ・歩くだけでも痛い ・重度なら安静にしていても痛みを感じる ふくらはぎの筋断裂の主な原因 ふくらはぎの筋断裂の主な原因は、筋力の低下や柔軟性の低下、疲労の蓄積などが挙げられます。 スポーツなど激しい動きの有無にかかわらず、事前にウォーミングアップ目的のストレッチを行ったり、終了時にはクールダウンのスチレッチを十分に行うことが大切です。このような準備が不足すると筋断裂の原因につながります。 また、筋力のバランスや身体の動かし方が悪いことも筋断裂が起こりやすくなる原因になります。そのため、スポーツをしている人はフォームやトレーニング方法を見直すことも必要です。 これはスポーツをしていない人にも当てはまり、普段の姿勢などを見直してみるてはいかがでしょうか。 ふくらはぎの筋断裂の原因 ・筋力の低下 ・筋肉の柔軟性の低下 ・筋肉への疲労の蓄積 ・スポーツ前の準備不足 ・スポーツ時のフォーム、トレーニングの内容 ふくらはぎ筋断裂の予防 ・スポーツなどでは事前にウォーミングアップ、ストレッチを行う ・終了時にはクールダウンのスチレッチを行う ・スポーツでは筋力のバランス、身体の動かし方の見直し ・スポーツではフォームやトレーニング方法を見直す ・スポーツ以外、普段の姿勢を見直す ふくらはぎの筋断裂の再発防止や予防法 ふくらはぎが筋断裂を起こすと痛みや動きの制限などで悩まされることになるので、再発防止や予防が必要になります。特にスポーツに取り組んでいる人などは、完全に回復しないまま早期復帰したために、再発することがあるので無理や、自己判断による大丈夫との過信は禁物です。 ふくらはぎの筋断裂の再発防止や予防に効果的なのはストレッチですが、筋肉は色々な方向に向かって付いているため、ストレッチする際は一つの方向にだけ伸ばすのではなく、いろいろな方向へ伸ばしたり、捻りや回転などを加える意識を持ってください。ストレッチは、複数の動きを取り入れましょう。 筋断裂の再発防止 ・激しい動きやスポーツは事前のウォーミングアップと事後のクールダウンを行う ・身体のバランスを整える、正しい姿勢を知る ・身体の柔軟性を高めるストレッチは有効 ・ストレッチは一方向だけでなく、筋肉に合わせた色々な方向へのストレッチを行う 筋断裂の回復に欠かせないリハビリ 何故リハビリが必要なのか?どのようなリハビリが必要か? という疑問や質問がある人のために、筋断裂の治療でリハビリをおこなう理由や、リハビリを始めるタイミング、どのようなリハビリをおこなうのかについてご紹介しましょう。 筋断裂の治療でリハビリをおこなう理由 筋断裂の治療でリハビリをおこなう主な目的は、柔軟性と筋力の回復です。筋断裂が起きて筋組織が回復していくなかで、患部とその周囲は徐々に硬くなっていきます。 幹部や周囲が硬くなったまま、これまで通り部位を使用していると、思うように動かすことができなかったり、大きな負荷がかかって筋断裂が再発する危険性もあります。 また、筋断裂が起こると動かせる範囲も制限され、動かせたとしても安静にしておく必要があるため、どうしても筋力が低下してしまいます。 そのため、患部をはじめとした州にも硬くなった部分の柔軟性を改善していくと共に、低下した筋力も改善していかねばなりません。このように、柔軟性と筋力を回復させ、発症前と同じような動きができるよう、そして、再発防止のためにリハビリはとても重要なのです。 筋断裂、リハビリの目的 ・柔軟性と筋力の回復 ・硬くなった部分の柔軟性を改善し、再発予防 筋断裂のリハビリを始めるタイミング 筋断裂のリハビリは、筋断裂を起こしてからいきなり始めるわけではありません。 なぜなら筋断裂が起きると断裂した部分は炎症を起こします。そのため、炎症を起こしている間は安静にして、患部を冷やしたり、圧迫し、血腫が大きくなるのを防ぐなどして、痛みや腫れが軽減していくのを待つことが必要です。 その後、腫れが治まり、痛みが治まるのを待って、ゆっくりと患部を動かしてみます。痛みなくリハビリをおこなえる状態であれば、そこからリハビリを開始することになります。 筋断裂のリハビリ リハビリの内容は医療機関や指導者によって異なりますが、ストレッチと筋力トレーニングが基本となります。ストレッチは、患部が軽く伸びるくらいの強さで、時間をかけて(20秒から30秒くらい)ゆっくりと伸ばしていきます。 それを3セットから5セットくらい行います。 筋力トレーニングは、筋力低下を改善するという目的の他にも、患部に刺激を与えることで回復が早まることも期待できます。例えば、筋断裂が起きやすい太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の筋力トレーニングでは、うつぶせになって足を伸ばした状態で上へ挙げるヒップエクステンションというトレーニングがよくおこなわれます。 このようにリハビリ目的での筋肉トレーニングは有効ですが、こうしたトレーニングは過度に行うべきではなく、その際は専門家の指導の下、行うことが再発の防止につながります。 まとめ・ふくらはぎの筋断裂、症状と予防、リハビリについて ふくらはぎの筋断裂の症状や主な原因、再発防止や予防法について紹介しました。ふくらはぎの筋断裂を起こすと痛みや動きの制限で悩まされることになります。 再発したり、慢性化したりしないようにストレッチなどでウォーミングアップやクールダウンをしっかりおこなうようしましょう。また、もし筋断裂を起こしてしまったときは、適切な治療を受けることが必要です。 筋断裂の治療でおこなわれるリハビリは、筋断裂が回復するまでしっかりとリハビリをおこなうことは大切ですが、回復して、筋断裂を起こす前と同じような生活を送れるようになった場合も、再発防止のため、ストレッチなどを行うなど発症予防をしましょう。 以上、筋断裂に注意したい「ふくらはぎ」と、そのリハビリについて記してまいりました。 最近は、スポーツ医療の分野で、「再生医療」に注目が集まっています。この再生医療についても詳細を知っておき、万一の筋断裂を治療する選択肢の1つとして検討してみられてはいかがでしょうか。 No.S045 監修:医師 加藤 秀一 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
最終更新日:2024.05.08