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糖尿病1型と2型の違いと治療法を詳しくご説明 厚生労働省は2020年12月に「令和元年・国民健康、栄養調査」なる報告書を発表し、2019年時点で、20歳以上のうち糖尿病が強く疑われる人は何と1,196万人、可能性を否定できない人が1,055万人もいることが分かりました。 しかし、一口に「糖尿病」といっても「1型と2型」の2つに分かれることをご存知でしょうか。今回は、糖尿病について詳しく理解するために、「1型糖尿病と、2型糖尿病」の違いについて詳しく解説します。 ・20歳以上のうち糖尿病が強く疑われる人は1,196万人 ・可能性を否定できない人が1,055万人 ・1型と2型に分かれる 1型糖尿病とは 1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島という部分にあるβ細胞が壊され、その結果、血糖を下げる役割があるインスリンを作り出せずに高血糖の状態が続く疾患です。 割合は糖尿病全体の約5%と少なく、若い人を中心に幅広い年齢で発症します。 1型糖尿病の原因 1型糖尿病でなぜβ細胞が壊れるのかは現時点では判明していませんが、免疫反応が正しく働かず、自分の細胞にもかかわらず、外部から侵入しようとしてきた細菌・ウイルスなどの有害物質などと間違って攻撃してしまう、自己免疫反応がかかわっていると考えられています。 そのため、生活習慣病が大きな原因である2型糖尿病とは異なり、注射によってインスリンを補う必要があります。 1型糖尿病の種類 β細胞の破壊は一般的には進行性で、病気が進行すると、ほとんどインスリンを出せなくなります。1型糖尿病は、β細胞が破壊される進行スピードによって、下記のように分類します。 劇症1型糖尿病 発症から1週間程度でインスリン依存状態になるタイプです。そのため、すぐにインスリンを補充しなければ、糖尿病の急性合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」となり重症になる可能性があります。 急性発症1糖尿病 1型糖尿病で最も頻度の高いタイプで、糖尿病の症状が出てから数ヶ月でインスリン依存状態になります。 人によっては、発症したすぐ後であれば、一時的に残っている自己のインスリン効果がある場合もありますが、長続きせず、その後は再びインスリン治療が必要です。 緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病 半年~数年と比較的ゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプです。発症した最初は、2型糖尿病と同じようにインスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることができます。 しかし、途中で血液検査の結果から、実は緩徐進行1型糖尿病だったと判明する場合が多くあります。 1型糖尿病の治療方法 1型糖尿病は、原則としてインスリン療法が必要です。また原因として、生活習慣の乱れということはありませんが、薬物療法だけでは、重度の低血糖になる可能性があるため、2型糖尿病と同じように食事・運動習慣に注意します。 1糖尿病の食事療法 基本的に食べてはいけない物はありません。1人ずつ生活スタイル・インスリン治療法が違うため、普段の食事方法ついては、主治医・管理栄養士としっかり話し合うことが重要です。また、炭水化物は食後の血糖値の上昇に大きくかかわります。 そのため、炭水化物を調整する方法である「カーボ(炭水化物)カウント」をおこない、食事の炭水化物量に合わせてインスリンの量を調節する。もしくは、インスリン治療に合わせて食事の炭水化物の量を調節すると血糖値が安定しやすくなります。 1型糖尿病の運動療法 重い合併症がなく、血糖値が落ち着いていれば、運動の制限はありません。実際に、プロの運動選手も存在します。しかし、運動する際は、低血糖に注意が必要なため、インスリン療法や補食を調整します。 どのような方法が推奨されるかは、1人ずつ異なるため、主治医の先生と相談して決めることが重要です。 2型糖尿病とは 2型糖尿病は、糖尿病の中で最も多いタイプとなり、一般的に糖尿病というと2型糖尿病をあらわします。原因としては、遺伝的な原因によるインスリンを作る能力の低下と、生活習慣の乱れから膵臓のインスリンを作り出す量が少なくなり、高血糖の状態が続く疾患です。 2型糖尿病の原因 2型糖尿病と聞くと、年齢的に中高年以上の人で、食生活の乱れ・運動不足などのように生活習慣の乱れが原因と多くの人が思われます。もちろん、生活習慣の乱れもありますが、決してそれだけが原因でなく、遺伝性による場合も多々あります。 そのため、「空腹感やのどの渇きがひどくなる」「頻繁にトイレへ行きたくなる」「目がかすむ」など糖尿病の初期症状があり、家族の中に糖尿病の人がいる場合はすぐに検査することが重要です。 2型糖尿病の食事療法 食事はバランス良く栄養素を摂取することが重要です。詳しく解説すると、糖質の多い食材を摂り過ぎない、主食・主菜・副菜の3品をそろえるなど工夫するとともに、食事は「ゆっくり・しっかり噛んで食べる」 「夜遅い時間の食事は控える」など食習慣にも注意します。 また、1日の適切なカロリーを把握することも重要です。適切なカロリー摂取量は年齢・性別などによってそれぞれ異なり、下記の式で算出できます。 適切なカロリー摂取量=標準体重(kg)×身体活動量 計算例) 上記から「身長160cm 軽労働」の場合は次の計算式になります。 ・1.6×1.6×22=56.3kg(標準体重) ・56.3×25~30=1407~1689kcal/日(適切なカロリー摂取量) ・計算から得られたエネルギー量に対し、以下の割合で摂ることが目安です。 ・50~60%:炭水化物 ・15~20%:たんぱく質 ・20~25%:脂質 2型糖尿病の運動療 運動療法は、体重を減らす効果・心肺機能の改善・筋肉増強だけでなく、血糖値の改善・インスリン作り出す能力の改善にも効果があります。 特に2型糖尿病の人には、食事療法と運動療法を組み合わせることで、血糖コントロールが改善すると知られています。 運動の種類には、大きく有酸素運動とレジスタンス運動にわかれますが、糖尿病への運動療法はダンベルなどを使用して筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動より、歩行やジョギング、水泳などの全身運動にあたる有酸素運動のほうがインスリンの働きがよくなるため適した運動です。 運動の目標として、1日20~60分程度の運動をできれば毎日、もしくは少なくとも週に3回はおこない、1週間で150分以上運動することが推奨です。 また、可能であれば、週に2~3回程度、有酸素運動とともにレジスタンス運動を同時におこなうとより効果的です。 まとめ・糖尿病1型と2型の違いと治療法を詳しくご説明 糖尿病は、日本でも多くの人々が悩みを抱えている病気です。糖尿病は1型と、2型にわかれますが、それぞれ原因が異なります。 この記事では、1型糖尿病と2型糖尿病の違いと、それぞれの治療法について詳しく解説しました。 まず、1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が壊れてインスリンを生成できなくなる疾患です。免疫反応が関与し、インスリン補充が必要となります。また、急性発症型や緩徐進行型などがあります。 また、2型糖尿病は、生活習慣の乱れや遺伝的要因により、膵臓のインスリン分泌が低下する疾患です。食事療法や運動療法が治療法の中心であり、体重管理や適切な運動が重要です。 どちらも共通していることは食事療法・運動療法は非常に重要な治療方法であることです。 適切な食事と運動を組み合わせることで、血糖値のコントロールが改善され、糖尿病の進行を遅らせることができます。いずれいしても信頼できる主治医との相談や定期的な健康診断は欠かせません。生活習慣の見直しや早期の対応が糖尿病による合併症のリスクを軽減することにつながります。 今までどんな食事や運動をしたらいいのか悩んでいた人がいれば、今回の記事を参考に自分の生活リズムに合わせて行うことが重要であるとご理解いただければと思います。 ▼ 再生医療で糖尿病を治療する 糖尿病は、再生医療による幹細胞治療で改善できる ▼糖尿病についてさらに詳しく 糖尿病の初期症状を知る!自覚症状、身体のサインを見落とさないで!
公開日:2024.10.07 -
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糖尿病|血糖値をントロールして改善を目指せる適正エネルギー量とは 糖尿病は、薬物療法によって症状が改善しても食事方法を見直さなければ、いずれ糖尿病の症状が出てしまいかねません。本記事では糖尿病の改善を目指すための食事方法について生活習慣からくる標準体重を知り、適正エネルギーを知ることで血糖値のコントロールを目指します。 また、本記事で紹介する食事方法はあくまで目安となるものです。適正な食事量は人によって違うため、より詳しく知りたい人は主治医や管理栄養士、糖尿病療養指導士に相談するようにしましょう。 糖尿病とは 私たちが食事をすると、胃や腸などの消化管で消化・吸収されます。このとき、すい臓から分泌されたインスリンというホルモンが肝臓や筋肉などに働き、食事の中のブドウ糖を細胞内に取り込みます。 これによって、食後の血糖値が正常値に保たれているのです。糖尿病は、血糖値を下げるインスリンの作用不足により、様々な代謝異常を起こす病気です。 糖尿病には1型と2型があります。 1型糖尿病はインスリン分泌の低下や消失により起こる糖尿病で、自己免疫疾患の一つとされています。2型糖尿病はインスリンが分泌しているにもかかわらず、インスリン働きが妨げられ血糖値が下がらないことで起こる糖尿病です。 日本人の糖尿病の80~90%はこの2型糖尿病にあたります。また、妊娠中に発症した糖尿病は妊娠糖尿病と呼ばれます。高血糖の他にも、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙がリスク因子となるので注意が必要です。 糖尿病の合併症 糖尿病は全身の血管が通っている部位に合併症を引き起こす可能性があります。 特に、毛細血管が傷ついた場合、その場所によって網膜症(眼の網膜)、腎症(腎臓)、神経障害(神経系)が生じ、これらは糖尿病3大合併症と呼ばれています。 また、大きな血管が傷つくことによって脳血管障害(脳)、心疾患(心臓)、足壊疽などの動脈硬化症(足)を生じることがあります。 糖尿病の治療 糖尿病の治療には、食事・運動・薬物療法の3つをバランスよく行います。1型糖尿病の治療には、インスリン注射が必要となります。また、インスリン注射と合わせてバランスのとれた食事をすることが重要になります。 2型糖尿病の治療は、バランスのとれた食事をすること、適度な運動、標準体重を維持することなどが重要になります。つまし、いずれの糖尿病の治療においても、バランスのとれた食事になるよう、食事方法の見直しが大切なのです。 食事療法・バランスの良い食事で血糖値をコントロール 糖尿病の治療には食事療法が重要になります。 1型糖尿病の人はインスリン注射を行うことが多いため、バランスの良い食事に合わせてインスリン注射による低血糖を防ぐことが必要になります。 2型糖尿病の食事療法は、エネルギー量と各栄養素をバランスよく摂ることで、「血糖コントロール」を良好に保ちます。また、1回の食事中の糖質量が多いと食後高血糖を引き起こす可能性があるため、1日の食事をなるべく均等に3回に分けて食べるようにしましょう。 1日のエネルギー摂取量をする方法 糖尿病を改善するためには、自分にとって適正なエネルギー量を計算する方法があります。まずは自分の標準体重を計算します。ご存知の方も多いBMIという計算式で標準体重を求めることが可能です。 標準体重(BMI) ・標準体重/BMI(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22 このようにご自身の身長だけで求めることができます。ただし、これはあくまで標準(指標)であり、実際は、各人の生活習慣によって変化すべきものです。 ▼ 生活習慣の違いによる適性エネルギー量 標準体重に自分の日常生活の身体活動レベルをかけることで自分の「適性エネルギー量」を求めることができます。身体活動レベルの目安と、適性エネルギー量を求める計算方法は次の通りです。 デスクワーク、主婦など 25~30×標準体重(kg)=1日の適性エネルギー量(kcal) 立ち仕事が多い 30~35×標準体重(kg)=1日の適性エネルギー量(kcal) 力仕事が多い 35×標準体重(kg)=1日の適性エネルギー量(kcal) また、1日の適性エネルギー量は年齢や性別によっても変わってきます。本記事の記載はあくまでも目安の量と考えて、詳しく知りたい場合は主治医、管理栄養士、糖尿病療養指導士にご相談ください。 食事で血糖値コントロールするためには 食事の栄養素のうち、血糖値に影響を及ぼすのは炭水化物です。 炭水化物には、食後の血糖値を上昇させ、エネルギーとなる糖質と、ほとんど消化されず血糖値の上昇を抑え、エネルギーにならない食物繊維があります。 糖尿病改善のためには、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心がけましょう。食物繊維の目標は、1日20~25gといわれています。 食物繊維を多く含む食品には、野菜(特に根菜類)、海藻、キノコ、大豆、果物(糖質も多いので食べ過ぎに注意が必要)が挙げられるので、日々の食事に取り入れてみましょう。 また、血糖値が上がり過ぎないための食べ方を工夫することができます。具体的な方法として、次のようなものがあります。 血糖値を上げない食べ方 ・ゆっくり時間をかけて食べる ・よく噛んで食べる ・野菜を先に食べる このように食べ方についての工夫も、参考にしてみてください。 まとめ・血糖値をントロールして改善を目指す糖尿病の適正エネルギー量とは 糖尿病が悪化すると全身に様々な合併症が生じます。しかし、食事療法を始めとする糖尿病治療を適切に行うことにより、合併症や動脈硬化の発症や悪化を防ぐことができるのです。 食事は毎日の生活で欠かせないものです。急激な食事制限は、ストレスから長続きしないだけでなく、かえって症状が悪化する恐れがあります。 また現在糖尿病を抱えている人は、主治医や管理栄養士、糖尿病療養指導士と相談しながら継続ができる食事療法を進めていきましょう。 以上、糖尿病を食事で改善するために、適正エネルギーの消費量を知り、血糖値をコントロールする方法について記しました。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ▼糖尿病の合併症|最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、糖尿病の新たな治療法として注目を浴びています ▼以下の記事もご参考にされませんか 糖尿病の合併症!悪化を防ぐために考えて欲しいこと
公開日:2024.10.07 -
- 関節リウマチ
- お皿付近に違和感
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関節リウマチは自らの免疫反応の異常で発症!注意したい初期症状と治療法 「関節リウマチ」という病気を耳にしたことがありますか。 この病気は、身体に自己免疫反応の異常で引き起こされます。関節内部には関節を覆っている滑膜と呼ばれる場所に炎症が引き起こされて起こります。 この病気は、 すでに1980年代の時点で確認されていて、発症すると数年以内に関節を破壊し、症状を変化させながら進行していくことが報告されています。しかも1990年頃まで、この関節リウマチに対する有効な薬物治療が存在しませんでした。 関節リウマチは進行すると関節の破壊を伴いながら骨格系の機能障害を引き起こし、日常生活における動作や、能力を極めて低下させていくやっかいな病気です。 現在のところ、わが国では人口の約1%程度の方に発症する可能性があるとされる全身性の自己免疫疾患であり、男女比はおよそ1:3と、女性のほうが男性より多い病気と言われています。 今回は、放置すると危険な「関節リウマチ」という病気の症状や治療法を中心に解説してまいります。 関節リウマチとは、どんな病気なのか? 関節リウマチとは、関節を覆っている滑膜で炎症が慢性的におこり、患部に疼痛(痛み)や腫れ、そして関節の機能障害がおこった結果、身体的な構造に異常をきたしてしまいます。その結果として日常生活が制限され、社会活動への参加を制約せざるを得なくなる怖い病です。 そもそも自己免疫学的な面から滑膜部に炎症が起こってしまうと、滑膜が増殖して周囲の軟骨や骨組織を溶かしてしまうため、関節の患部に長期に渡って炎症がおこります。結果として変化が続き、関節の変形をきたし、関節機能に様々な障害が現れます。 関節リウマチは、本来であれば自分を守るはずの免疫機能が何らかの異常を起こし、関節部位に対して攻撃的に働くことで同部の疼痛(痛み)や炎症を引き起こすと考えられています。 なぜ発症するのか? 実は、詳しい発症原因は現代においても明確になってはいないのですが、どうやら先天性の遺伝的要因と、周辺の環境的要素が複雑に組み合わさって発症するのではないかと考えられています。 昨今の研究によりますと、関節リュウマチの発症に関しては遺伝的要因がおよそ10%程度関与しており、症状を発症しやすい遺伝子として、約100種類程度が存在すると考えられています。 その一方、発症リスクという観点(環境的な原因)として重要視されるのが喫煙歴です。それ以外にも歯周病や、慢性呼吸器感染症など免疫機構などからの複数の要因が挙げられています。 画像検査は、レントゲンを中心に行われ、患部の手足部を実際に撮影して骨の表面が欠けて欠損しているか否か、あるいは骨隙間の距離が縮んでいないかどうかを診断します。 関節リウマチの初期症状 さてここからは、関節リウマチの初期症状について紹介していきます。 一般的に知られている関節リウマチの主な症状としては、「関節のこわばり」や、「関節部の疼痛」に「関節の腫れ」があります。なお、関節のこわばりとは、関節が自分で思ったように動かない機能障害が起こっている状況です。 痛みを発症する関節部位は、全身の中で、あらゆる場所で生じる可能性がありますが、特に手首や手指の関節部で引き起こされる傾向があり、多くの場合には患部はたった一か所だけではなく複数で認めることができます。 もし仮に関節部の炎症が長期間にわたって継続されると、関節の軟骨や骨組織自体が少しずつ破壊されていき、病状が進行すると関節の変形や、関節の脱臼をはじめとして、関節が硬くこわばってしまい曲げ伸ばしが困難になるほどの変化を引き起こしてしまうことになります。 さらに、炎症が強くなると発熱や全身の倦怠感、また体重の減少や、食欲不振といった全身症状を伴うこともあるために日常生活に著しく支障を来すことになりかねません。 注意すべき初期症状 ・関節のこわばり ・関節の疼痛 ・関節の腫れ ・関節の機能障害 関節リウマチの治療法 関節リウマチの治療法は、「薬物療法」や「手術療法」が挙げられます。 それぞれの治療方法にメリットや、デメリットがあり、どれを選択するかは重症度や、合併症の有無、あるいは日常生活でいかに支障が起こっているかという不自由度の具合などを多角的に評価して判断することになります。 一般的には、関節リウマチにおける関節の破壊的な変化は、発症して概ね2年以内という期間で急速に進行することが判明しているため、いったん破壊されてしまった軟骨や骨関節は、元の正常な状態に戻すことができませんので、この疾患に対しては早期診断および早期治療が重要になります。 まずは、関節リウマチという病気がいかなるものかを理解して、適度な運動と安静のバランスを考えながら、食生活などを含めた規則正しい生活習慣を送ることが重要です。 前述した通り、喫煙歴や歯周病の有無が関節リウマチという病気の活動性に影響しているとも考えられているため、患者さんが喫煙している場合には、禁煙の指導を行うことも考えられます。 次に、薬物療法についてお話しします。薬物療法は、関節リウマチにおける治療の中心的存在となっており、関節リウマチ患者における関節部位の炎症を抑えて、症状改善を目指すために行います。 治療薬としては、まずは抗リウマチ薬や、生物学的製剤があります。 この生物学的製剤とは、生物が産生するたんぱく質などの成分を改良して作製された新薬です。目下のところ関節リウマチに対する治療薬として使用できる生物学的製剤は、8種類程度あると言われています。 生物学的製剤に関しては、特に関節破壊を抑制する効果が際立って優れていると言われており、関節リウマチの症状をより軽度な状態に改善して維持することが可能になりました。 また、患者様の中にはいろんな薬物療法などの治療を実施しても関節変形による機能障害が後遺症として残るような場合には、人工関節置換術や滑膜切除術などの手術治療が選ばれることもあります。 まとめ・関節リウマチは自らの免疫反応の異常で発症!注意したい初期症状と治療法 関節リウマチという病気は「自己免疫疾患」のひとつとして捉えられており、例えば手指や手関節部に炎症が起きて、同部に疼痛や変形、腫れが現れる病気です。 近年では、治療法も大きな変貌を遂げており、その大きな役割を担っているのは2003年に初めて登場した生物学的製剤です。 生物学的製剤は、免疫機構において重要な役割を果たす炎症性サイトカインという物質に直接的に作用することで関節リウマチの活動を抑えることができ、従来の他の薬剤に比較して有効性が高いと評価されています。 実際に医療機関などで患者さんが関節リウマチを疑われた際には、血液検査や画像検査と自覚的な症状を診断して総合的に専門医が判断することになります。 いずれにしても関節リウマチは、初期症状を覚えたら放置してはいけない病気です。関節に違和感に感じたら専門の医療機関を早めに受診してください。 何といっても早期発見、早期治療が大原則です。
公開日:2024.11.06