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エクソソーム、幹細胞上清液での治療について!知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!

エクソソーム・幹細胞上清液での治療について、知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!

先日、エクソソーム投与により死亡された患者さんがニュースとなりました。

▶幹細胞上清液に関する死亡事例の発生について

エクソソームの治療で死亡例が出たことで、再生医療全体に不信感を抱いてしまいがちですが、正しい知識があれば、特に怖がる必要はありません。

幹細胞やPRPによる再生医療は本人の細胞や血液を使うもので「再生医療等安全性確保法」というとても厳しい法律が整備されており、安全性と効果が認められた治療となります。

しかし、エクソソームや上清液には、まだ法律が整備されておらず、製造方法や製造場所も無法地帯であり、極端に言ってしまえば、不潔な工場などで製造されていてもわからないのです。そうなると、清潔区域として高い施設基準が必要な幹細胞治療とは違って、エクソソームや上清液にゴミや細菌などが入っている可能性が高くなります。

また、細菌などの感染源が体に入ると敗血症という命に関わる合併症が起こります。ゴミなどが入っていると、脳梗塞や脳梗塞などの塞栓症の原因となります。それ以上に恐ろしいことは、他人の幹細胞から抽出されているということです。

幹細胞やPRPによる再生医療 「再生医療等安全性確保法」整備 安全性と効果が認められた治療
エクソソームや上清液による治療 法律が未整備(無法) 死亡例がある

つまり、どこの国の人のものか、どのような疾患を持っているのかわからない人から作られて、その他人の遺伝子も入っていることがとても問題となるのです。他人の遺伝子が入っているということは、投与されたあと、のちに体にどのような影響が現れるかまだ未確認であるということです。

そして、確立された法律が無いため、医療機関側としてもエクソソームや上清液がどんなルートで製造されているのか知る術がありません。さすがに厚生労働省もこの死亡例があったこともあって、今後、エクソソームと上清液の法整備を進めるという方針を示すこととなりました。

エクソソーム、上清液治療について医療での安全性や副作用
exosome injection

エクソソームとは?

幹細胞をはじめとした種々の細胞から分泌されるエクソソーム。細胞同士の情報伝達に欠かせない存在であり、抗炎症効果などを示すこともわかっています。現在、がんの診断・多くの疾患の治療・化粧品や食品の研究開発など幅広い分野で注目を浴びています。再生医療においても、エクソソーム治療への期待が高まっています。

再生医療や美容医療を検討されている方の中には、エクソソーム治療を受けたいと考えたことがある方も多いでしょう。では、エクソソーム治療が安全性の面から全く問題がないのでしょうか。実は一概にそうとも言い切れません。本記事では、エクソソーム治療の安全性・起こりうる副作用について解説をしていきます。

エクソソーム治療とは

再生医療の代表である幹細胞治療では、万能細胞である幹細胞を培養し全身あるいは傷ついた組織に投与します。投与された幹細胞が損傷組織の構成細胞に変化するだけでなく、幹細胞由来の生理活性物質が組織の修復を促すことがわかっています。

生理活性物質は、小さな袋に入った状態で分泌されます。小さな袋がすなわち「エクソソーム」です。このエクソソームだけを他人の幹細胞から精製して投与することで、幹細胞治療と同じような効果が見込めるのではないかと期待をされています。

エクソソームの安全性は不確実

しかし、エクソソームの医学への応用はまだごく初期の段階です。医薬品として承認されるために必要な臨床試験などをほとんど経ていません。流通している「エクソソーム」製剤は、医薬品医療機器等法の承認を得ていない試薬などという扱いです。試薬であっても、自由診療の場では医師の責任において投与することが可能です。

幹細胞治療と同等の効果を発揮するためには、非常に高濃度のエクソソームを投与する必要があると考えられています。しかも高濃度のエクソソームを製造するには、かなり高額なコストがかかります。幹細胞治療には再生医療等安全性確保法が整備されており、安全性は認められていますが、エクソソームや上清液には法律がなく、製造方法や製造場所などの細かな規則がないところに大きな違いがあり、とても危険なところなのです。

今のところ、衛生面の悪い倉庫で製造されていても特に問題がないのです。どんなゴミや細菌が入っているのかもわかりませんし、検査の義務などはありません。そして、最も恐ろしいのは、どこの国のどんな疾患を持っているかわからない人の遺伝子が混入していることです。この遺伝子がのちにどのように体に影響するのか誰もわからないのです。

純粋にエクソソームだけを分離するのに数百万以上のコストがかかります。市場で出回っている数万円から数十万円のエクソソームや上清液では、とても製造コストを回収できません。ということは、今、市場で出回っているエクソソームは実際どのように製造されているのか、安全性はあるのかという疑問が生じます。

エクソソームの材料とはなにか

エクソソームの安全性について論じる時に問題になるのは、エクソソームそのものの安全性だけではありません。多くの「エクソソーム」製品は細胞を培養してその培養液の上澄みを精製することで作られています。そのため、エクソソームをつくる「材料」の安全性もしっかりと考えていく必要があります。

材料とは「エクソソームを分泌する細胞」と「細胞培養のための培地」のことです。一般的に「エクソソーム治療」で使われるものは、様々な細胞に変化できる「間葉系幹細胞」と呼ばれる幹細胞を培養する際に分泌されるものです。

では、この幹細胞はどこから来たものでしょうか。ご自身の細胞を手術などで採取していない限りは、誰か「他人」の間葉系幹細胞を使って作られたものです。幹細胞は骨髄・歯髄・脂肪・臍帯血などから得たものが中心になっています。

そして一番重要視しなければいけないことは、他人の遺伝子が含まれているということです。他人の体のものを投与するということは、遺伝子は必ず入ることになります。昨今、食料品でさえも遺伝子組み換えによる体への影響も懸念されています。その他人の遺伝子を、血管や関節の中へ投与するということは、投与後にどのような影響が出るのかとても危険な要因となります。

しかし再生医療である「幹細胞治療」では、ご自身の幹細胞を使用するので、その幹細胞から出るエクソソームは安全ということになります。

また、幹細胞を培養するためには最適な環境を整える必要があります。

植物を育てる際には、植える時期を選んだり土壌や肥料や水分、日当たりを気にしたりするでしょう。同様に、細胞を育てるにも細胞にあった「培地」が用いられます。そしてホルモンの供給や有害物質からの保護作用などの役割のため、培地には「血清」が添加されることがほとんどです。培地によく用いられる血清は牛の血清です。将来的にアレルギーや狂牛病などの懸念材料となります。

また最近では、人工血清もよく使われていますがやはりアレルギーの心配があります。ご自身の細胞と血液で培養された幹細胞が一番安心、安全と言えるでしょう。

  • リペアセルクリニックの幹細胞治療は、「ご自身の細胞と血液を使用」して、国内では珍しい「冷凍せず培養」する方法にこだわっています。これにより、「高い生存率と高い活動率」を持った生き生きとした幹細胞を投与でき、良好な治療成績を実現しております。
  • 安心してご相談ください。

エクソソームの材料による副作用

エクソソームを作る過程で「他人の細胞」「他の動物」由来の成分が含まれていると、心配しなければいけない副作用が2つあります。

遺伝子の突然変異の危険性

一つは、他人の遺伝子が入ることで生じる影響です。

これは先ほども言ったように、他人の遺伝子が入っていることで将来的に遺伝子の突然変異によりあらゆる危険が潜んでいるということです。

アレルギー反応と感染症の危険性

もう一つはアレルギー反応と感染症です。

アレルギーは外界から何かを体に投与するときには切っても切り離せない問題です。特に、自分以外のもの由来の成分へのアレルギーは誰にでも起こり得ます。当然、「他人」「他の動物」由来の成分が含まれるエクソソーム療法も例外ではないのです。そして、残念ながら誰にどんな反応が起こるかを予測する手立てはありません。

製剤として販売されるのですから、細胞も血清も基本的には危険な感染症のスクリーニングを受けたものが使用されているはず、と思うかもしれません。しかし、製造方法に確立した法律がないため、感染が起こった直後のごく微量の微生物や、現時点でまだ知られていないウイルスなどがいる可能性はどうしても否定できないのです。

そうはいっても、エクソソームを精製しているのであれば感染性のあるものは取り除かれているのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、「エクソソーム」と謳われている製品でも、純粋なエクソソームだけを抽出したものではないのです。エクソソームの回収技術はまだ完全に確立されたものではありません。不純物が完全に除去されている保証はどこにもないのです。

ご自身の細胞を使う幹細胞治療とエクソソームや上清液とは全く別物ということがわかったかと思います。

何よりも、他人の幹細胞を使って抽出されたエクソソームや上清液には、まだ製造方法などの法律はなく、遺伝子、細菌感染、アレルギーといった問題がまだまだ課題があるということになります。

エクソソームについて気になるQ & A

Q:エクソソーム含有の健康食品やサプリメントに病気の治療や予防効果はあるの?

サプリメントや健康食品は医薬品ではありません。基本的には病気を予防したり治療したりするものでないのです。したがって、エクソソーム含有されていることで、病気にならない・病気を良くするという効果については期待できません。

Q:エクソソーム治療は高額と聞きましたが保険は利きませんか?

残念ながら、いかなるエクソソーム治療も現時点で公的な保険の適応外です。

なお、混合診療(自由診療と保険診療を同時に行うこと)は禁じられています。エクソソーム治療と同時に何らかの検査や処方を受けると、それらも自費扱いになるため注意が必要です。

まとめ・エクソソーム・幹細胞上清液での治療について、知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!!

エクソソーム治療は美容や関節の痛み、神経の損傷の後遺症など幅広い分野で期待されています。しかし、安全性の面からはまだまだ検証の余地が多く残っています。
安全性について心配であれば、幹細胞治療も選択肢になるでしょう。

当院では患者様ご本人の細胞・血液を使い、独自の技術で培養することでアレルギーなどの心配もなく、冷凍せず培養するため生き生きとした幹細胞を投与できる体制を整えています。

そのお悩みを解決する術があります。ぜひお問合せください。

 

No.169

監修:医師 坂本貞範

参考文献

落合孝広. 生物資料分析 42(5): 217-221,2019.

花井洋人, 下村和範, 中村憲正. 臨床スポーツ医学. 37(5):599-603, 2020.

幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について

(一般社団法人再生医療抗加齢学会幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について)

岩崎剣吾, 森田育男. 最新医学 73(9): 1243-1253, 2018.

厚生労働省|再生医療などのリスク分類・法の適用除外範囲の見直し 第二回ワーキンググループ(R3.1.18)における議論

株式会社ケー・エー・シー 細胞.jp|細胞基礎講座 細胞培養基礎講座 第7回「血清はなぜ必要?」

厚生労働省|再生医療等安全性確保法における再生医療等のリスク分類・法の適用除外範囲の見直しに資する研究報告書

一般社団法人 日本再生医療学会|エクソソーム調整・治療に対する考え方

▼その他、「エクソソームや幹細胞上清液」で参考にしていただける記事
エクソソームとは?幹細胞培養上清液との違い

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