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エクソソームとは?幹細胞培養上清液との違いについて!

エクソソームとは?幹細胞培養上清液との違いを分かりやすく解説

化粧品や美容医療などで「エクソソーム」という言葉を耳にしたことがありませんか?

エクソソームとは、細胞から分泌される小さな袋(小胞)のことです。外側は細胞膜と同様に脂質からなる二重膜で覆われています。内部には多様な情報伝達物質が含まれています。細胞はエクソソームを介してコミュニケーションを取っているのです。

このエクソソームが注目を集めています。エクソソームを応用することで免疫制御・細胞死の抑制・組織の再生などの効果が期待されているのです。様々な疾患の治療、さらには化粧品やサプリメント・健康食品までさまざまな分野において開発が進んでいます。

この記事では主に、再生医療におけるエクソソームの安全性についてや、幹細胞培養上清液の違いについても解説をしていきます。

エクソソームと幹細胞培養上清液の違い
Exosome-injection-treatment

なぜ再生医療でエクソソームが注目されているのか

エクソソームが注目されている理由は、幹細胞治療がどうして効果を発揮するかのメカニズムと大きく関わっています。

再生医療のひとつである幹細胞治療では、間葉系幹細胞という万能細胞を採取して培養を行い、障害部位に投与することで組織の再生を促すものです。組織修復には、幹細胞が障害組織の細胞に分化するのみならず、間葉系幹細胞が放出するエクソソームが再生に関わる生理活性物質を内包していることが重要だと考えられています。

つまり、エクソソームは幹細胞治療におけるキープレーヤーのひとつなのです。そして、幹細胞を培養した「幹細胞培養上清液」には組織の再生に有用なエクソソームが多く含まれていることも分かっています。

エクソソームと幹細胞培養上清液の違い

近年、幹細胞を使わない「エクソソーム治療」や「幹細胞培養上清液による治療」を行う施設が散見されるようになってきました。ではこの両者に違いがあるのでしょうか。

エクソソームとは

エクソソーム治療で用いられるエクソソームは、「幹細胞培養上清液」から抽出されたものです。つまりどちらも、元々は幹細胞を培養した溶液の上澄みです。「エクソソーム」のほうがより精製度が高いということになります。

幹細胞培養液とは

一方の「幹細胞培養液」はエクソソーム以外にもタンパク質など様々な成分も含有しているのです。

エクソソーム治療の安全性とは

残念ながらエクソソーム治療には、安全性におけるデメリットも多くあります。

現時点で有効性や安全性が確実に証明されていない

何より最大のデメリットは、現時点で有効性や安全性が確実に証明されたものではないということです。

体内にどう分布するのか、高濃度のエクソソームを投与して本当に安全なのか、など結論が出ていない課題が数多くあります。そして、大きな問題は他人の幹細胞を使用するため、他人の遺伝子が入っているということです。他人の遺伝子が入ることで、のちにどのような影響が体に現れるのか誰もまだ知らないのです。

まだ技術的にしっかりと確立されたものではない

さらに、エクソソームの精製はまだ技術的にしっかりと確立されたものではありません。エクソソームの回収技術は完全には確立されておらず、望ましくない不純物が含まれている可能性も否定できないのです。つまり、幹細胞治療のように「再生医療等安全性確保法という確立された法律が無いため、どのような場所で製造されているのかもわからないのです。それだけに、ゴミや細菌などが混入している可能性もあるわけです。

内容物や生体内での作用の確認技術が未確立

また、調整されたエクソソームの内容物や生体内での作用の確認技術も未確立です。純粋にエクソソームだけを抽出するには、数百万以上の製造コストがかかります。それを、市場で数万円で売られているエクソソームや上清液は本当に大丈夫?という疑問も持たれています。

品質のばらつき

また品質にばらつきがある可能性があります。どれが低品質でどれが高品質かを判断することもできません。

法規制が曖昧

エクソソーム治療のもう一つの問題点は、法規制が曖昧だということです。間葉系幹細胞を利用した治療と異なり、生きた細胞を含まないので再生医療等安全性確保法の対象になりません。つまり、現状では安全性や有効性においてはっきりしない面がある中、医師法や医療法以外には法規制がない状況で治療が行なわれているのです。そして、医療機関側としても、エクソソームや上清液を購入する際にも、どのようなルートで製造されたか確かめる術がありません。

再生医療についてよくある質問

Q:エクソソームや幹細胞培養上清液はどのような疾患の治療に用いられていますか?

厚生労働省の資料によると、点滴・皮下や関節への局所注射・塗布などが行われ、美肌・毛髪再生・勃起不全など様々な疾患が対象となっています。

Q:再生医療を選ぶ時に注意すべきことは?

エクソソーム治療でも、幹細胞や培養上清液を使った治療であっても、「他人・他の動物由来」のものはリスクが高くなることに注意してください。

具体的には、未知の感染症やアレルギーの可能性が否定できません。とくに培養上清液にはウシ血清などが用いられることが多いです。ヒト由来でないものから作られた製剤はアレルギー反応や不純物混合などのリスクが排除できません。アレルギーや感染症リスクを考える、「自分自身の細胞」「自分自身の血液」を使った治療がより安全だと考えられます。

なお、幹細胞培養上清液による治療に関連した患者死亡情報があるという発表が2023年10月に再生医療抗加齢学会よりなされています。

同学会はこの中で、流通している「他人の細胞」由来の幹細胞培養上清液・エクソソームはすべて未承認で、あくまでも試薬等という扱いであることを述べています。

「参考文献:一般社団法人再生医療抗加齢学会幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について

まとめ・エクソソームとは?幹細胞培養上清液との違いを分かりやすく解説

エクソソーム治療は多くの可能性を持ち、期待されている治療法です。しかしながら、現時点では解決すべき課題点も多く残っています。治療を受けるために、非常に高額な費用がかかるケースも多くあります。

また、「治療」のつもりが健康を損なう結果になってしまうことはとても残念なことです。治療を受けるかどうかは、有効性も安全性もしっかり考慮し、他の再生医療についても選択肢にいれながら考えていく必要があるでしょう。

当院では膝や肩などの関節の痛み、脳卒中や脊髄損傷の後遺症、肌のお悩みなどに対し、幹細胞治療による再生医療を提供しています。当院独自の細胞培養技術により、冷凍保存をしていないフレッシュな幹細胞を多く投与することが可能です。それにより高い治療効果を認めています。また、培養には本人の細胞と本人の血清を使用しており、アレルギーや感染症のリスクを抑えています。

有効性と安全性に優れた治療を検討されているなら、ぜひ当院にお問い合わせください。

 

No.170

監修:医師 坂本貞範

参考文献

落合孝広. 生物資料分析 42(5): 217-221,2019.

岩崎剣吾, 森田育男. 最新医学 73(9): 1243-1253, 2018.

花井洋人, 下村和範, 中村憲正. 臨床スポーツ医学. 37(5):599-603, 2020.

一般社団法人 日本再生医療学会|エクソソーム調整・治療に対する考え方

厚生労働省|再生医療などのリスク分類・法の適用除外範囲の見直し 第二回ワーキンググループ(R3.1.18)における議論

厚生労働省|再生医療等安全性確保法における再生医療等のリスク分類・法の適用除外範囲の見直しに資する研究報告書

一般社団法人再生医療抗加齢学会幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について

 

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