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PLDD とはどんな先進医療?医師が詳しく解説します

PLDD とはどんな先進医療?医師が詳しく解説します

椎間板ヘルニアは多くの人々が抱える健康問題であり、その治療法は常に進化を続けています。近年、注目を集めているのが、PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression )という先進医療です。この治療法は、レーザーを用いて椎間板の圧力を軽減し痛みを和らげるもので、従来の手術に比べて身体への負担が少ないことが特徴です。

本記事では、PLDDの概要やメカニズム、保険や医療費控除は適用なのか等の費用面について、また後遺症の治療における再生医療の可能性について詳しく解説します。

先進医療 Advanced medical

PLDDとは

PLDDは、1980年代初頭に開発された治療法です。主に頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアに対して行われます。

治療は局所麻酔のもと、針を椎間板に挿入し、レーザーを照射して椎間板内の圧力を低下させ、ヘルニアを小さくすることで痛みを軽減します。

この方法の大きな利点は、局所麻酔下で行うことができるので入院の必要がなく、日帰りで行えるため、患者の負担が少ないことです。従来の外科手術に比べて侵襲が少なく、術後の回復も早いという利点もあります。

PLDDの最も良い適応は、膨隆型(ぼうりゅうがた:椎間板が膨らんだような形になり、神経を少し圧迫しているタイプのヘルニア)とされています。

椎間板の変性が進んでいるケースでは、PLDDを行っても椎間板ヘルニアの症状が改善しないことがあります。

治療方法と疼痛緩和のメカニズム

PLDD治療は、局所麻酔のもとで行われます。まず、針を椎間板に挿入し、その後レーザーファイバーを通してレーザー光を照射します。レーザー光によって椎間板内の水分が蒸発し、圧力が減少することでヘルニアが縮小します。これにより、神経根への圧迫が緩和され、疼痛が軽減されます。

治療時間は約30分程度で、多くの場合は日帰りでの治療が可能です。

PLDDの費用と保険適用の現状

PLDDの費用は、クリニックによって異なりますが一般的には30万円から50万円程度が相場とされています。現在、PLDDは日本では健康保険の適用外となっています。そのため、治療費は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。

医療費控除とは、一定期間内に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分について所得税から控除される制度です。PLDDの治療費も、他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合は医療費控除の対象となる可能性があります。しかしながら、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。

先進医療とPLDD

頚椎椎間板ヘルニアに対するPLDDは、厚生労働省による先進医療の指定を受けていましたが、数年前に取り消されています。

その理由としては、PLDDは日本での普及がまだ進んでいないからといったものです。

しかし、その後もPLDDの効果や安全性については多くの臨床研究によって実証されており、今後は保険適用の対象となることが 期待されています。

PLDDはどんな病院で受けられるのか

PLDDを受けられるクリニックは全国にありますが、施設によって技術や設備に差があります。 治療を受ける際には、事前に情報を収集し信頼できる施設 を選ぶことが重要です。また、治療後のフォローアップ体制も確認しておくと安心です。

後遺症の治療と再生医療

PLDD治療は、傷口も少なく身体に与える負担はとても小さい治療です。そのため、PLDDそのものによる後遺症はほとんどないと考えられます。

一方で、ヘルニアそのものによる症状が残り後遺症となってしまう場合もあります。このようなヘルニアの後遺症に対しては、脊髄神経の再生を目的とする治療する再生医療 が有効な場合があります。

再生医療では、患者自身の幹細胞を用いて損傷した脊髄神経の再生を目指します。具体的には、自分の血液や脂肪を採取し、培養した「自己間葉系幹細胞 」によるものがあります。

この自己間葉系幹細胞 には、脊髄神経の再生を促したり 、部分的に再生したりするといった能力があると考えられています。

この分野は現在も研究が進められており、より効果的な治療法が開発されることが期待されています。

まとめ・PLDD とはどんな先進医療?医師が詳しく解説します

今回は、PLDDはどのようなものなのか、費用、保険適用、医療費控除、どのような病院で受けられるのか、そして後遺症の治療における再生医療の可能性について解説しました。

PLDDは、レーザーを活用した医療技術として、椎間板ヘルニア の治療に新たな選択肢を提供しています。費用は自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。治療を検討する際には、クリニック選びやフォローアップ体制にも注意が必要です。

PLDDは今後、さらなる普及と発展が期待される治療法です。

一方で、PLDDを行っても頚椎あるいは腰椎の椎間板ヘルニアによる後遺症が残ってしまうこともあります。こうした場合には、再生医療による治療も選択肢として上がります。

当院では、脊髄損傷  に対し、自己脂肪由来幹細胞治療という再生医療を行っています。

これは、自分の脂肪組織や血液から幹細胞を抽出、培養し、点滴で静脈注射、 あるいは当院独自技術として脊髄腔内に直接幹細胞を投与することができる、脊髄腔内 ダイレクト注射療法もあります。

再生医療にご興味のある方や、治療を考えたいという方は、 ぜひ一度当院までご相談ください。

脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。

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No.177

監修:医師 坂本貞範

参考文献

レーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233.

Hellinger J. “Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD).” Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31.

【保険適用外の手術費用の補助】保険適用外の手術(ヘルニアのレーザー手術)を受けたのですが、その費用(約50万円)は高額医療費として一部支給されないのでしょうか?また、支給を受けるためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか? | よくある質問 | 日本アイ・ビー・エム健康保険組合

既存の先進医療に関する保険導入等について 平成 22 年1月 20 日

先進医療の各技術の概要|厚生労働省

Mochida J, et al. “Regeneration of intervertebral disc by mesenchymal stem cells: Potentials, limitations, and future direction.” European Spine Journal,2006 Aug;15(Suppl 3): 406–413.

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