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血液がんの種類一覧表|白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫

血液がんの種類
公開日: 2025.06.30

「血液のがん」と聞いて、不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

目に見える腫瘍を形成せず症状が分かりづらいため、正しい理解と早期発見が極めて重要です。

本記事では、血液がんの基礎知識から種類別の特徴・原因・症状・治療法、さらには生存率や罹患割合といったデータまで、信頼性の高い情報に基づいて詳しく解説します。

血液がんと診断された方やご家族の不安を少しでも軽減したい方は、参考にしてください。

血液がんの種類一覧表

血液がんの主な種類と症状を表にまとめました。

それぞれの発症する原因や症状、治療については種類をクリックして詳細をご覧ください。

血液がんの種類 主な症状
白血病 発熱・倦怠感・出血・感染症・リンパ節の腫れ
悪性リンパ腫 発熱・倦怠感・寝汗・体重減少・リンパ節の腫れ
多発性骨髄腫 骨の痛み・腰痛・免疫機能の低下・貧血・高カルシウム血症

白血病とは

白血病とは、血液をつくる細胞に異常が起こり、正常な血液が作れなくなる病気です。

本来なら、血液のもとになる細胞(造血幹細胞)は成長して赤血球や白血球などになりますが、白血病ではその細胞が異常なまま増え続けてしまいます。

その結果、体に必要な正常な血液が足りなくなり、貧血や感染にかかりやすくなるなど、さまざまな症状があらわれます。

白血病は、以下のように急性・慢性に分類されています。

  • 急性骨髄性白血病(AML)
  • 急性リンパ性白血病(ALL)
  • 慢性骨髄性白血病(CML)
  • 慢性リンパ性白血病(CLL)

白血病の原因

白血病の原因は未だ完全には解明されておらず、明確な原因を特定できないケースが一般的です。

たとえば、以下のような多因子が関与しているとされています。

  • 放射線やベンゼンなどの化学物質への長期曝露
  • 遺伝的要因や先天性疾患(ダウン症など)
  • がん化の引き金となる染色体異常
  • 既存の血液疾患

これらの要因が複合的に作用し、造血細胞ががん化すると考えられています。

白血病の症状

白血病では、がん化した未熟な血液細胞が正常な働きを阻害し、さまざまな症状が現れます。

血液をつくる働きが弱まる「造血障害」、がん細胞が他の臓器に広がる「臓器浸潤」、そして体全体に影響する「全身症状」の3つに分けてご紹介します。

<造血障害による症状>

  • 貧血症状:赤血球減少による疲労感・息切・顔色不良・倦怠感・めまい・動悸
  • 出血傾向:血小板減少による、あざや鼻血、歯茎出血
  • 免疫低下:正常な白血球が不足による、発熱・咳・口内炎・感染症

<臓器浸潤による症状>

  • 肝臓・脾臓・リンパ節が腫大
  • 中枢神経(脳・脊髄)や皮膚への浸潤で関連症状(頭痛、神経症状、皮疹など)
  • 播種性血管内凝固症候群を合併して出血

<全身症状>

  • 発熱、倦怠感、体重減少、食欲不振、不明熱

上記のような症状があるケースでは、血液検査や骨髄検査によって白血病かどうかを医師が診断します。

白血病の治療

白血病の治療法は種類や病期などさまざまな要因で異なり、複数の治療アプローチの検討が必要です。

以下に代表的な治療法の特徴をまとめました。

化学療法 急性白血病の標準治療。抗がん剤を計画的に投与します。
分子標的療法 慢性骨髄性白血病には、がん細胞の増殖を抑える薬(イマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬)が使われます。
造血幹細胞移植 再発リスクが高い型や完全寛解に至らない場合、ドナーからの同種移植が検討されます。(年齢・体力・適合性を総合判断)

治療方針は、以下の内容に応じて専門医が判断します。

  • 病型
  • リスク分類
  • 患者の全身状態
  • 年齢
  • 合併症の有無
  • 遺伝子異常の有無

急性の白血病の場合は、速やかな集中治療が必要です。

慢性白血病は、長期管理と治療開始のタイミングの調整がポイントになります。

悪性リンパ腫とは

悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化し、リンパ節や全身の臓器に腫瘤を形成する血液がんの一種です。

なかでも、リンパ球が異常に増える「非ホジキンリンパ腫」は悪性リンパ腫の約90%を占め、とくに高齢者に多く見られます。

リンパ節にしこりができる「ホジキンリンパ腫」は、若年層にも発症しやすい傾向があります。

悪性リンパ腫の原因

悪性リンパ腫は、リンパ球という血液の細胞に遺伝子の異常が起こり、リンパ球が死なずに増えすぎてしまうのが発症の原因です。

歳をとったり、体に炎症が長く続いたり、放射線をたくさん浴びたりすると、異常が起きやすくなるケースがあります。

また、以下のような特定のウイルスや菌に感染することで発症する場合もあります。

  • HTLV-1
  • ピロリ菌

また、免疫力が弱い人や自己免疫の病気がある人もなりやすく、悪性リンパ腫にかかる可能性が高まるとされています。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫では、はじめに「痛みのないしこり」が体にできるのが特徴です。

とくに、以下の部分にしこりができます。

  • わきの下
  • 足のつけ根

また、病気が進んでくると、以下のような症状も現れます。

  • 38度以上の熱が続く
  • 体がだるくなる
  • 食べているのに体重が減る
  • 夜にたくさん汗をかく

さらに進行すると、がんが肺や気道を圧迫して息苦しさを感じたり、脳や神経に広がって手足が動かしにくくなったり、意識がぼんやりすることもあります。

また、肝臓や肺に広がった場合には、肌や目が黄色くなる黄疸(おうだん)や呼吸がしづらいといった症状が出るケースもあります。

悪性リンパ腫の治療

悪性リンパ腫は病型や病期、患者の状態、悪性度、臓器浸潤の状況などによって適した治療法が異なります。

以下に、代表的な治療法をまとめました。

化学療法(標準治療) 抗がん剤を使用する、悪性リンパ腫の中心となる治療法
放射線療法 病気の広がりが少ない場合、化学療法に加えて行う放射線を利用した治療法
造血幹細胞移植 自分自身や他人から健康な血液のもとになる細胞(幹細胞)を移植する治療法
CAR-T療法(細胞療法) 患者自身の免疫細胞(T細胞)に特別な働きを持たせて、がん細胞だけを攻撃させる治療法
分子標的療法・免疫療法 薬剤の点滴などにより、がん細胞の特定の部分だけを狙って攻撃する治療法
支持療法 吐き気をおさえたり、感染症を防いだりするための予防的治療法

上記の治療法を状態に合わせて選択し、さまざまな治療法も組み合わせながらトータルで治療戦略を採ることが重要です。

多発性骨髄腫とは

多発性骨髄腫は、体の中で抗体(ばい菌から体を守る物質)を作る「形質細胞」が、がん化して増えてしまう血液のがんの一つです。

がん化した細胞が「Mタンパク」と呼ばれる異常なタンパク質をたくさん作り、正常な血液の働きを邪魔するようになります。

多発性骨髄腫の原因

多発性骨髄腫のはっきりした原因は、まだよくわかっておりません。

形質細胞の中で遺伝子に異常が起こったり、染色体(細胞の中にある遺伝情報)が入れ替わったりすることで発症すると考えられています。

また、放射線や化学物質などに長くさらされると、発症するリスクが高くなります。

多発性骨髄腫の症状

病気が進むと、以下のような症状が現れます。

  • 貧血:赤血球が減って体がだるくなったり、息切れや動悸がしたりする
  • 骨のトラブル:背中や腰の骨が弱くなり、痛みが出たり、骨折したりする
  • 腎臓の障害:異常なタンパク質が腎臓にダメージを与えて、腎臓の働きが悪くなる
  • カルシウムの異常:血液中のカルシウムが増えすぎて、のどが渇きや便秘、吐き気、ひどいときは意識がもうろうとする

病気かどうかは、血液検査や骨の検査などで医師が診断します。

骨の痛みや腎臓の障害は日常生活に大きな影響を与えるため、早めに見つけて治療を始めることが重要です。

多発性骨髄腫の治療

多発性骨髄腫は、さまざまなタイプのがん細胞が体の中に広がる性質があります。

ひとつの治療だけではなく、いくつかの方法を組み合わせてコントロールしていくことが大切です。

ここでは、代表的な治療法を紹介します。

経過観察 症状がなく内臓などに影響が出ていない初期の段階では、しばらく様子を見る場合があります。
化学療法 初期治療や再発時に用いられる抗がん剤治療です。
症状緩和療法 骨がもろくなって痛みが出る骨病変や貧血になった場合は、症状を緩和する薬物療法や輸血治療を行います。
薬物療法 患者の状態に合わせて、免疫を調整する薬やがん細胞を分解する働きのある薬を組み合わせます。
自家末梢血幹細胞移植 65歳以下または臓器機能が良好な患者に対し、生存期間の延長を目指す治療法です。いったん自分の血液のもとになる細胞を取り出して保存しておき、治療のあとに細胞を戻します。
QOL支援を含む維持療法 薬の量をコントロールしながら、生活の質を保つケアを行う治療法です。
新規治療・臨床試験 再発すると治りにくいタイプの骨髄腫に対する新薬開発など、新しい治療法の研究も進んでいます。

多発性骨髄腫は無症候の早期段階では経過観察が基本ですが、症状や臓器障害が現れた場合は薬物療法、もしくは必要に応じて移植を併用します。

【種類別】血液がんの余命・生存率

血液がんの種類別の5年相対生存率から余命を見てみましょう。

国立研究開発法人国立がん研究センターの「最新がん統計」(文献1)によると、以下の通りとなっています。

血液がんの種類 男性の5年相対生存率 女性の5年相対生存率
白血病 43.4% 44.9%
悪性リンパ腫 66.4% 68.6%
多発性骨髄腫 41.9% 43.6%

ただし、上記はあくまでデータ上の統計です。

白血病は進行が早い病型もあり、治療を受けない場合には急速に悪化するケースもあります。文献2

また、100種類以上の病型がある悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、数年単位で進行する病型から数日で進行する悪性度の高い病型まで、患者によって再発率や予後はさまざまです。(文献3)(文献4

まとめ|血液がんの種類別の違いを知っておこう

血液がんは、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫といった複数の疾患を含む総称であり、それぞれに異なる特徴・原因・症状・治療法があります。

現代の標準治療と新規療法の組み合わせにより、長期生存や生活の質の維持が可能となってきていますが、なにより速やかな診断と早期の治療開始が大切です。

当院「リペアセルクリニック」では、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。

再生医療について疑問があれば、お気軽にご相談ください。

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血液がんの種類に関するよくある質問

血液がんの種類別の罹患割合は?

国立がん研究センターの統計によれば、全がんに占める血液がんの罹患割合は約7~8%程度です。

白血病は約1.8%、悪性リンパ腫は約4.2%、多発性骨髄腫は約1.0%と報告されています。(文献1

血液がんで珍しい種類は?

慢性骨髄性白血病(CML)は、日本では年間10万人あたり約1.5人と罹患率が低く、白血病全体の約20%に留まる希少ながんです。

初期は無症状の例が多く、健康診断などで偶然発見されるケースが約85%を占め、自覚症状が乏しいことで知られています。(文献5

血液がんの初期症状は種類によって違う?

血液がんの初期症状は、種類によって以下のような特徴があります。

  • 急性白血病:発熱・倦怠感・出血傾向といった全身症状が急速に出現するケースが多い
  • リンパ腫:痛みを伴わないリンパ節腫脹が初期に現れ、B症状(発熱・体重減少・夜間発汗)が見られる
  • 多発性骨髄腫:初期は無症状が多く、進行すると骨痛や貧血、高カルシウム血症が出ることがある

種類ごとの症状の違いに着目し、気になる症状があれば早めに医療機関で専門医に相談しましょう。

高齢者が発症しやすい血液がんは?

多発性骨髄腫は、高齢者に多く見られる血液がんです。

骨髄中の形質細胞ががん化して骨折・貧血・腎障害などを引き起こしやすく、高齢者では発症率と重症化のリスクが高まる傾向があるとされています。(文献6

血液のがんと言われたら、どうしたらいい?

血液がんの診断を受けたら、まず血液内科専門医による正確な診断と病期評価(血液検査、画像検査、生検など)を受けてください。

その上で、治療方針(化学療法・免疫療法・移植・支持療法など)を専門医と相談し決定しましょう。

また、治療中や治療後も定期的なフォローアップと生活支援体制の整った医療機関で継続的にケアを受けることが大切です。

正確な情報を得ながら、自分に合った治療や支援体制を整えていきましょう。

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参考文献

(文献1)
国立研究開発法人国立がん研究センター「最新がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年6月17日)

(文献2)
ユビー病気のQ&A「急性骨髄性白血病の場合、治療した時と治療しなかった時の予後はどうなりますか?」
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/p_nryf-eta(最終アクセス:2025年6月17日)

(文献3)
ユビー病気のQ&A「寛解後の再発率や余命は(生存率)はどのくらいですか?」
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/29ntt-g_47(最終アクセス:2025年6月17日)

(文献4)
ユビー病気のQ&A「多発性骨髄腫の余命はどれくらいですか?」
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/8ob0jwqk3bv(最終アクセス:2025年6月17日)

(文献5)
順天堂大学医学部附属順天堂医院血液內科「慢性骨髄性白血病」
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/ketsuekinaika/disease/disease07.html(最終アクセス:2025年6月17日)

(文献6)
国立がん研究センター「多発性骨髄腫の原因・症状について」
https://www.ncc.go.jp/jp/information/knowledge/multiplemyeloma/001/index.html(最終アクセス:2025年6月17日)

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